JP2011236726A - 住宅 - Google Patents

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Abstract

【課題】子世帯のプライバシーを侵すことなく、親世帯による孫の育児協力を促進することができる住宅を提供する。
【解決手段】親夫婦が居住する1階の親世帯住居部Xと、子夫婦が居住する2階の子世帯住居部Yとを階段10で区画し、階段10と子世帯住居部Yとの間に、孫部屋53及び子世帯住居部Yにそれぞれつながる2階通路51を配置する。これにより、親世帯住居部Xから孫部屋53へは子世帯住居部Yを通らずにアクセスできる。子世帯住居部Yに親夫婦が勝手に入ることに抵抗がある時間帯等には、子夫婦が通路側建具64a及び孫部屋側建具64bを閉めて進入不可の意思表示を行う。進入不可を報知することで、孫部屋53及び2階通路51は親夫婦が自由に往来できる空間となり、孫部屋53及び2階通路51は親世帯住居部Xに従属することになるため、親夫婦は子夫婦に遠慮することなく孫の面倒を見ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の世帯の居住に適した住宅に関する。
従来、夫婦のみ、或いは夫婦とその子供が同居する家族構成が多く見られ、住宅においても基本的に一世帯のみが生活できるような設計がなされていた。ところが、近年では地価の高騰により資金的に住宅建設が困難になっている点、子世帯夫婦が共働きする傾向がある点、親世帯の高齢化がますます進んできている点等から、親世帯と子世帯、加えて子世帯の子供である孫が1つの建物内に同居する所謂三世代同居に戻りつつある。
この様な二世帯以上が同居する住宅においては、リビングダイニング及びキッチンを共用とし、それに付随して各世帯或いは各人の個室を設ける構成が提案されている。しかしながら、各世帯にはそれぞれ固有の生活時間があり、特に高齢者たる親世帯と働き盛りである子世帯との間では生活時間のずれが大きく、リビングダイニングを共用する住宅の構成では、両世帯が互いに遠慮しあって寛ぎ難く、却ってストレスが溜まるという問題がある。更に、各世帯のプライバシーも充分に保たれないということも考えられる。かかる問題を解決すべく、特許文献1には、世帯毎にキッチン及びリビングダイニングを設けると共に、両世帯が共用する共用玄関と共用スペースとをこれら世帯間に設ける構成が開示されている。
特開平10−220038号公報
ところで、近年、親世帯と子世帯とが同居する二世帯住宅を選択する理由として、単に資金的な観点ではなく、子世帯の子供(親世帯から見ると孫。以下、孫で統一する)の育児を、親世帯と子世帯とで協力して行いたいという理由が増加している。特に子世帯の夫婦が共働きである場合には、その傾向は顕著である。
しかしながら、上記特許文献1に開示の二世帯住宅においては、孫の部屋が、親世帯と子世帯の共用部から見て子世帯住居部のリビングの奥方に設けられているため、親世帯住居部から孫部屋へ行くためには、少なくとも子世帯住居部のリビングを通らなければならない。従って、子世帯夫婦が不在のときに親世帯に孫の面倒を見てもらう場合、親世帯が子世帯のリビングを通って孫部屋に行くため、親世帯に対して子世帯の留守中のプライバシーが確保され難いという問題がある。
また、孫から見ても、自分の部屋と親世帯住居部との間に子世帯住居部のリビングと共用部が存在することとなり、心理的に親世帯住居部との距離感(ひいては孤立感)を感じ、孫と親世帯との間の積極的なコミュニケーションを図り難い。以上の点より、特許文献1に開示の二世帯住宅においては、子世帯が不在時に却って親世帯と孫とのコミュニケーションが取り難くなることが考えられ、近年の二世帯住宅についての大きな要望である親世帯の育児の協力が得られ難い虞がある。
そこで本発明は、子世帯のプライバシーを侵すことなく、親世帯による孫の育児協力を促進することができる住宅を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る住宅は、少なくとも台所を備える親世帯住居部と、少なくとも台所を備える子世帯住居部とが区画手段によって往来可能に区画された住宅において、区画手段と子世帯住居部との間に設けられた孫空間部と、子世帯住居部と孫空間部とを往来可能に区画する世帯専用部区画建具と、世帯専用部区画建具を介して孫空間部から子世帯住居部への進入の可否を報知する進入可否報知手段と、を備えることを特徴とする。
子世帯が不在の場合等に、孫の面倒を親世帯に見てもらいたいという要望がある反面、留守にしている子世帯住居部に親世帯が勝手に入ることに抵抗を感じるという考えもある。本発明では、親世帯住居部と子世帯住居部とは区画手段を介して区画され、更に、区画手段と子世帯住居部との間に孫空間部が設けられているので、親世帯住居部から孫空間部へは子世帯住居部を通らずにアクセスでき、親世帯は孫空間部へ気軽に入って孫の面倒を見ることができる。更に、孫が親世帯住居部に居る場合には、親世帯が子世帯住居部を通ることなく孫部屋空間に玩具等の物を取りに行ったり、または物を収納しに行ったりすることもできる。一方で、孫空間部と子世帯住居部とは世帯専用部区画建具を介して往来可能であるものの、子世帯住居部に親世帯が勝手に入ることに抵抗がある時間帯等には、進入可否報知手段によって孫空間部から子世帯住居部への進入不可を報知することができる。従って、子世帯としては、必要に応じて子世帯住居部へのアクセス拒否の意思を示すことができ、安心して親世帯に孫の面倒を見てもらうことができる。更に、進入可否報知手段によって進入不可を報知することで、孫空間部は親世帯住居部に従属することになるため、親世帯としては子世帯に遠慮することなく孫の面倒を見ることができるようになる。
更に、親世帯住居部には、通常の住居と同様に、少なくとも台所が設けられており、その他にもキッチン、リビングダイニング、トイレや風呂といった水廻りまで設けられていることが多い。従って、孫空間部を親世帯住居部に従属させたとしても、親世帯住居部において孫は不都合なく生活することができ、むしろ、孫が孫空間部で一人または数人で遊んでいたとしても、食事や手洗い等の必要に応じて親世帯住居部に積極的にアクセスする必要が生じる。その結果、孫空間部を親世帯住居部に従属させることで、親世帯と孫とのコミュニケーション機会を増大させることがきる。
また、子世帯が帰宅している場合には、進入可否報知手段によって子世帯住居部への進入を許可する報知を行って孫空間部が親世帯住居部に従属する状況を解除できる。その結果、子世帯住居部に従属する孫空間部と親世帯住居部とが区画手段によって区画されることとなり、子世帯にて通常の一家族(子世帯と孫(孫、若しくは孫世代))としての生活を行うことができる。
以上の様に、本発明によれば、進入可否報知手段での報知内容により、子世帯や親世帯の生活時間にあわせて、孫空間部を、親世帯または子世帯のいずれか一方に従属させることができる。また、子世帯は、自らの主たる生活空間である子世帯住居部を親世帯に曝すことなく親世帯に孫の面倒を見てもらうことができ、親世帯は、自らの生活時間の中で孫とのコミュニケーションを促進することができるものとなる。その結果として、本発明によれば、子世帯のプライバシーを侵すことなく、親世帯による孫の育児協力を促進することができる。
また、孫空間部は、孫部屋空間と通路空間とにより構成され、世帯専用部区画建具は、子世帯住居部と通路空間とを往来可能に区画する通路側建具を有し、区画手段は通路空間に隣接していることが好適である。これにより、通路空間を介して、親世帯住居部と子世帯住居部との往来、孫部屋空間と親世帯住居部との往来、孫空間部と子世帯住居部との往来を行うことができる。このため、孫が成長して親世帯や子世帯の干渉を好まない場合であっても、孫がいる孫部屋空間を通ることなく、親世帯や子世帯が親世帯住居部と子世帯住居部との間を往来することができる。
また、親世帯住居部の居住者及び子世帯住居部の居住者が共同で使用する玄関部、又は、親世帯住居部と子世帯住居部の住居単位毎にそれぞれ設けられた玄関部を更に備え、玄関部が親世帯住居部と同じ階に設けられ、玄関部から通路空間に通じる動線に沿って形成された動線領域は、親世帯住居部及び子世帯住居部を外れて設けられていると好適である。これにより、親世帯は、自身が居住する親世帯住居部と同じ階に設けられた玄関部を通じて住宅への出入りを容易に行うことができる。更に親世帯は、親世帯住居部から区画手段を介して通路空間に到達でき、更に、動線領域上を移動することによって、子世帯住居部や孫空間部を通ることなく親世帯住居部から玄関部にアクセスすることができる。また、子世帯は、子世帯住居部から通路側建具を介して通路空間に到達でき、更に、動線領域上を移動することによって、親世帯住居部や孫部屋空間を通ることなく子世帯住居部から玄関部にアクセスすることができる。また、孫は、孫部屋空間から通路空間に到達でき、更に、動線領域上を移動することによって、親世帯住居部や子世帯住居部を通ることなく孫空間部から玄関部にアクセスすることができる。この様に、親世帯、子世帯及び孫が玄関部へ移動する際の利便性が向上する。
また、動線領域は、親世帯住居部に隣接していることが好適である。これにより、動線領域上を移動する子世帯夫婦や孫が立てる音等を親世帯住居部に居る親世帯が認識しやすくなり、親世帯は、この音等によって孫や子世帯夫婦の存在等を把握することができる。
また、動線領域は、親世帯住居部に隣接する本動線領域と、本動線領域を挟んで親世帯住居部とは反対側に位置するバイパス動線領域とに分割する隔壁を更に備えることが好適である。これにより、本動線領域上を移動する子世帯夫婦や孫が立てる音等を親世帯住居部に居る親世帯が認識しやすくなり、親世帯は、この音等によって孫や子世帯夫婦の存在等を把握することができる。また、親世帯住居部に隣接して本動線領域が設けられているため、玄関部から親世帯住居部との間での親世帯の移動が容易となる。また、孫が本動線領域を利用して移動する場合には、孫と親世帯とのコミュニケーションの機会を増大させることができる。また、子世帯夫婦や孫は、親世帯住居部と隔壁によって隔てられたバイパス動線領域を通ることによっても孫空間部及び子世帯住居部と、玄関部との間を往来することができるので、親世帯が就寝等している場合でも親世帯に遠慮することなく外出や帰宅をすることができる。
また、親世帯住居部には、寝室空間と、該寝室空間の近傍に形成された第1のトイレ空間とが設けられ、通路空間には、第2のトイレ空間が設けられていることが好適である。親世帯住居部の第1のトイレ空間を寝室空間の近傍に設けることにより、高齢者たる親世帯の加齢に配慮することができる。また、孫空間部の通路空間に第2のトイレ空間を設置することで、孫部屋空間に孫がいる場合、孫がわざわざ親世帯住居部の第1のトイレ空間まで行く必要がなくなる。また、親世帯住居部において寝室空間に隣接させて第1のトイレ空間を設けることにより、このトイレ空間は心理的に「親世帯専用」と認識され、親世帯以外の孫等は気軽に使用し難くなると想定されるが、それとは別個に通路空間に第2のトイレ空間を設けることにより、孫等は、なんら気兼ねなく第2のトイレ空間を使用することができる。また、子世帯夫婦が家にいるときは、子世帯住居部と孫空間部によって子世帯の家族空間が形成されることとなるため、当該孫空間部に第2のトイレ空間を設けることで、第2のトイレ空間を子世帯の家族が利用し易くなる。
また、世帯専用部区画建具は、子世帯住居部と孫部屋空間とを往来可能に区画する孫部屋側建具を有することが好適である。これにより、通路側建具及び通路空間を介して孫部屋空間と子世帯住居部とを往来する必要がない。また、孫部屋側建具を開放等することによって子世帯住居部と孫部屋空間との空間を連結することができ、子世帯住居部と孫部屋空間との一体性をより高めることができる。
また、孫部屋空間には、互いに並べて設置されることで孫部屋空間を区切る間仕切壁を形成可能で、且つ収納部を有する複数の可動間仕切り収納部が備えられていることが好適である。これにより、可動間仕切り収納部によって孫部屋空間を区切ることができるので、孫の部屋として将来例えば2室必要な場合であっても充分に対応することができる。一方で、常時親世帯又は子世帯夫婦の世話を要する孫の幼児期には、孫が複数いたとしても各孫に個室を与える必要性は少ないと考えられる。この場合には、可動間仕切り収納部を孫部屋空間内の一部にだけ並べて設置したり、または分散させて配置したりすることで孫部屋空間を一体に使用することができる。この様に、孫部屋空間に可動間仕切り収納部を設けることにより、孫部屋空間の使用態様を変更することができ、例えば孫の人数や成長に伴う部屋数増等の要請にも柔軟に対応することができる。
また、親世帯住居部と孫空間部とが、異なる階にそれぞれ設けられていることが好適である。これにより、親世帯は、孫が居る孫空間部にアクセスするたびに親世帯住居部と孫空間部との間で階段での上下動を伴う運動を行うこととなり、孫とのコミュニケーションを通じて自らの運動の機会も増大させることができる。また、孫空間部が親世帯住居部とは異なる階に設けられることで、孫空間部が極度に親世帯住居部に近接することが抑制され、これによって、子世帯夫婦は、孫に対して親としてのプライオリティを維持することができる。
また、親世帯住居部と子世帯住居部とが、区画手段、孫空間部及び世帯専用部区画建具を介して往来可能となるように配置されていることが好適である。これにより、区画手段、孫空間部及び世帯専用部区画建具を介して親世帯住居部と子世帯住居部とを往来することができる。
また、親世帯住居部と孫空間部とは異なる階に設けられ、区画手段は、親世帯住居部と孫空間部とをアクセス可能なエレベータであると好適である。エレベータによって親世帯住居部と孫空間部とはアクセス可能となるため、親世帯にとっては、孫空間部までの移動が体力的にも精神的にも楽になる。一方で、孫空間部と子世帯住居部とは世帯専用部区画建具を介して往来可能であるものの、子世帯住居部に親世帯が勝手に入ることに抵抗がある場合等には、進入可否報知手段によって孫空間部から子世帯住居部への進入不可を報知することができる。従って、子世帯としては、必要に応じて子世帯住居部へのアクセス拒否の意思を示すことができ、安心して親世帯に孫の面倒を見てもらうことができる。更に、進入可否報知手段によって進入不可を報知することで、孫空間部は親世帯住居部に従属することになるため、親世帯としては子世帯に遠慮することなく孫の面倒を見ることができるようになる。
また、親世帯住居部は下階に設けられると共に、子世帯住居部は下階よりも上方に設けられる中間階と、当該中間階よりも上方に設けられる上階とに亘って設けられ、且つ孫空間部は上階に設けられており、エレベータは、少なくとも下階の親世帯住居部と上階の孫空間部とをアクセス可能に設けられていると好適である。親世帯住居部が下階であるために親世帯としては住宅への出入りが楽になる一方で、孫空間部が上階であるために、孫の面倒をみることが億劫になり易くなってしまうところ、区画手段としてエレベータを設けることで、親世帯としても気軽に孫空間部に行き易くなり、孫の面倒を見易くなる。
なお、本発明において、下階、中間階、上階とは、それぞれの上下関係を相対的に示すものであって、住宅としての建物が3階建ての場合には、下階が1階となり、中間階が2階となり、上階が3階となる。また、住宅としての建物が4階以上の場合には、下階と上階との間に中間階を有する構成であれば、当該中間階と上階の間と当該中間階と下階の間のいずれか一方或いは両方に別途の建物階を有する構成や、下階の下方や上階の上方に別途建物階を有する構成、及び、これらの構成を組み合わせたものとなる。
また、上階には、エレベータから孫空間部を介することなくアクセス可能な親世帯使用部が設けられていると好適である。日当たりなどを考慮した場合に、下階よりも上階の方が好環境になる場合も多く、当該上階に、エレベータから直接にアクセス可能な親世帯使用部を設けることで、親世帯としては、子世帯や孫に気兼ねなく日中を快適に過ごすことができるようになる。
また、親世帯住居部は上階に設けられると共に、子世帯住居部は上階よりも下方に設けられる中間階と、該中間階よりも下方に設けられる下階とに亘って設けられ、且つ孫空間部は該下階に設けられており、エレベータは、少なくとも上階の親世帯住居部と下階の孫空間部とをアクセス可能に設けられていると好適である。上階の親世帯住居部と下階の孫空間部との間での往来が、特に親世帯側で困難になり易いが、区画手段としてエレベータを設けるので親世帯にとって孫空間部に行き易くなる。
また、親世帯住居部は上階に設けられると共に、子世帯住居部は上階よりも下方に設けられる中間階と、該中間階よりも下方に設けられる下階とに亘って設けられ、且つ孫空間部は中間階に設けられており、エレベータは、少なくとも上階の親世帯住居部と中間階の孫空間部とをアクセス可能に設けられていると好適である。上階の親世帯住居部と中間の孫空間部との間での往来が、特に親世帯側で困難になり易いが、区画手段としてエレベータを設けるので親世帯にとって孫空間部に行き易くなる。
また、親世帯住居部、及び子世帯住居部に連絡する階段を有し、親世帯住居部と階段との間、及び子世帯住居部と階段との間のうち、親世帯住居部と階段との間側にのみ往来規制部が設けられていると好適である。子世帯住居部と階段との間には往来規制部は設けられていないので、子世帯にとっては階段を主縦動線として利用し易い。一方で、親世帯住居部と階段との間には往来規制部が設けられているので、親世帯としてはエレベータを主縦動線として利用することなり、子世帯と親世帯との間で主縦動線を異なるものにできる。また、エレベータと併せて二つの縦動線を備えることとなり、避難経路も確保されるものになる。
また、エレベータは、子世帯住居部にアクセス可能に設けられ、エレベータから子世帯住居部への直接のアクセス可否を制御可能な制御手段を更に備えていると好適である。エレベータを介して子世帯住居部への直接のアクセスが可能になると共に、制御手段によりエレベータからの子世帯住居部へのアクセスを制御することができる。その結果、例えば、普段の生活にあっては制御手段によりエレベータから子世帯住居部への直接のアクセスを不能状態とすることで、エレベータから子世帯住居部へのアクセスを制限することができる一方、緊急避難時、重い荷物を運ぶ時或いは子世帯が親世帯を招待する時等の特別な時といった親世帯住居部と子世帯住居部との個々の独立性を維持することよりもエレベータを介した子世帯住居部へのアクセスを可能とする利便性が優先される場合には、制御手段によりエレベータから子世帯住居部への直接のアクセスを可能とすることによって、エレベータを住宅に設けることの利点をさらに生かすことができるものとなる。
また、エレベータは、子世帯住居部にアクセス可能に設けられ、エレベータから子世帯住居部への直接のアクセス可否を視認可能に報知する視認報知手段を更に備えていると好適である。例えば、エレベータから子世帯住居部への直接のアクセスが不能であることを視認報知手段により報知することにより、エレベータの使用者は、子世帯住居部へのアクセスの可否を知ることができる。その結果、子世帯住居部へのアクセスを拒否していることを親世帯がエレベータの使用中に認識することができ、これによって、世帯専用部区画建具を通じての子世帯住居部への親世帯のアクセスを抑制することができる。
本発明によれば、子世帯のプライバシーを侵すことなく、親世帯による孫の育児協力を促進することができる住宅を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る住宅の1階平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る住宅の2階平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る住宅を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る住宅を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る住宅を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る住宅を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、同一構成要素には同一番号を付して詳細な説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る住宅の1階平面図であり、図2は、第1の実施形態に係る住宅の2階平面図である。なお、本実施形態では、部屋の配置説明を容易にするため、図1及び図2中の上方向を北側として説明する。
図1及び図2に示されるように、住宅Aは、2階建構造となっている。住宅Aは、略矩形状であり、少なくとも南側が道路Bに接した矩形状の敷地C内に建造されている。敷地Cの南西の角部分には、住宅Aの玄関ポーチEaに続くアプローチEが設けられている。アプローチEには、道路Bの近傍に設置された門扉Ecと、アプローチEよりも高さが高い玄関ポーチEaを上り下りするためのステップEbとが設けられている。また、敷地Cの南東の領域には芝生や樹木が植栽された庭Gが設けられている。アプローチEと庭Gとの間において道路Bに隣接した位置にはカーポートPが設けられている。
住宅Aは、外周壁1に囲まれた矩形状の2階建て建物であり、建物の最上部には屋根構造が設けられている。住宅Aは、居住者として、親世帯の夫婦(以下「親夫婦」という)、親世帯の子である子世帯の夫婦(以下「子夫婦」という)、子世帯の子供である孫の3世帯が同居するものであり、親夫婦が1階、子夫婦及び孫が2階に居住することを想定した二世帯住宅となっている。
(住宅の1階の全体構成)
住宅Aの1階(図1参照)には、玄関部3、玄関ホール4、親夫婦寝室(寝室空間)5、親夫婦水周り空間6、親夫婦台所7、親夫婦居間8、床上げコーナー9、階段(区画手段)10、1階通路11及び共用トイレ空間12が形成されている。また、玄関部3、玄関ホール4、階段10、1階通路11及び共用トイレ空間12は、親夫婦、子夫婦及び孫が使用する共有空間であり、住宅Aの1階の西側領域に配置されている。親夫婦寝室5、親夫婦水周り空間6、親夫婦台所7、親夫婦居間8及び床上げコーナー9は、主として親夫婦が居住する空間(以下、「親世帯住居部」という)Xであり、住宅Aの1階の東側領域に配置されている。
親世帯住居部Xの親夫婦台所7、親夫婦居間8及び床上げコーナー9は、北側から南側に向かって縦に並んで配置されている。親夫婦台所7と親夫婦居間8との間、及び親夫婦居間8と床上げコーナー9との間には、間仕切壁等の仕切りは無く、親夫婦台所7、親夫婦居間8及び床上げコーナー9は連続した一体の空間を構成する。親夫婦台所7、親夫婦居間8及び床上げコーナー9は、それぞれ略矩形状となっている。親夫婦台所7、親夫婦居間8及び床上げコーナー9と、これらの部屋の東側に配置された親夫婦水周り空間6及び親夫婦寝室5とは、片引き形式の建具24bと3枚引き違い形式の建具24aとを備えた間仕切壁24によって仕切られている。なお、建具24bは親夫婦台所7に隣接し、建具24aは親夫婦居間8に隣接している。
親夫婦台所7は、外周壁1に沿って冷蔵庫17、食器棚18等が設置されている。また、親夫婦台所7には、親夫婦台所7と親夫婦居間8との境界に沿うようにペニンシュラ型のキッチンセット22が設置されている。このキッチンセット22によって、親夫婦台所7と親夫婦居間8との区画がなされている。キッチンセット22は、シンク22aやガス台22b等を備えて構成されている。親夫婦居間8には、テーブル23aと6脚の椅子23bとからなる食卓セット23が備えられている。
床上げコーナー9は、親夫婦居間8に面する側を除く三面が外周壁1、間仕切壁20及び間仕切壁24で外部空間または室内の他の空間と区画されている。その結果、床上げコーナー9は、親夫婦居間8と面する側を除いて閉鎖された空間を形成する。床上げコーナー9の床9aは、親夫婦居間8の床8aよりも高さが高くなっており、例えば畳が敷かれている。また、床上げコーナー9には、座卓25と、間仕切壁24側に収納部26とが備えられている。
親世帯住居部Xの親夫婦水周り空間6は、住宅Aの1階における北東の角に配置されている。親夫婦水周り空間6は、間仕切壁24を介して親夫婦台所7の隣に配置されており、親夫婦水周り空間6と親夫婦台所7とは、間仕切壁24の建具24bを介して往来が可能となっている。親夫婦水周り空間6には、内部に洗面化粧台27、洗濯機置き場28、親夫婦用便器29等を備えた洗面所(第1のトイレ空間)6aと、洗面所6aに出入り可能に隣接する浴室6bとが設けられている。
親世帯住居部Xの親夫婦寝室5は、住宅Aの1階における南東の角、即ち親夫婦水周り空間6の南側に隣接した位置に配置されている。親夫婦寝室5と親夫婦水周り空間6とは、片引き形式の建具30aを備える間仕切壁30によって仕切られている。親夫婦寝室5は、間仕切壁24を介して親夫婦居間8の隣に配置されており、親夫婦寝室5と親夫婦居間8とは間仕切壁24の建具24aを介して往来が可能となっている。親夫婦寝室5には、北東側の角にクローゼット31が備えられている。クローゼット31は、建具30aよりも親夫婦水周り空間6側に飛び出すようにして設けられている。親夫婦寝室5には、親夫婦が就寝時に使用するベッド32が2つ備えられている。
玄関部3は、1階の南西の角に配置されている。玄関部3は、外周壁1によって屋外(外部)に設けられた玄関ポーチEaとの間を外周壁1によって区画されている。外周壁1には、玄関ドア2が設けられており、玄関部3は、玄関ドア2によって玄関ポーチEaと出入り可能に連絡している。玄関部3の床3aは、玄関ポーチEaの床と連続しており、タイル等の土足歩行可能な床材で仕上げられた土間を形成する。
玄関ホール4は、玄関部3と、親夫婦居間8や2階の部屋(詳しくは後述する)等との相互移動の際に経由する空間である。玄関ホール4と玄関部3との間には、間仕切壁等の仕切りは無く、玄関ホール4と玄関部3とは連続した一体の空間を構成する。玄関ホール4は玄関部3の土間を形成する床3aよりも高さの高い床4cを有する。玄関ホール4は、隔壁13によってメインホール4aとバイパスホール4bとに区画されている。
メインホール4aは親夫婦が居住する親夫婦居間8に隣接し、バイパスホール4bはメインホール4aを挟んで親夫婦居間8とは反対側に位置する。親夫婦居間8とメインホール4aとは、2枚引き違い形式の建具20aを備えた間仕切壁20によって仕切られている。建具20aは、メインホール4aに隣接している。
玄関ホール4の北側には1階通路11が配置されている。玄関ホール4と1階通路11との間には、間仕切壁等の仕切りは無く、玄関ホール4と1階通路11とは連続した一体の空間を構成する。1階通路11の西側の突き当りの外周壁1には、片開き形式のサブドア19が設けられている。住宅Aの周りの敷地Cにおいて、サブドア19とアプローチEとの間に通路Dが設けられている。
住宅Aの1階における北西の角には、共用トイレ空間12が配置されている。共用トイレ空間12と1階通路11とは、片開き形式の建具21aを備える間仕切壁21によって仕切られている。共用トイレ空間12には、便器12aが備えられている。共用トイレ空間12は、親夫婦、子夫婦及び孫が共用するものである。また、共用トイレ空間12は、親夫婦の訪問客等が使用することもできる。
共用トイレ空間12の東側に階段10が位置し、階段10と1階通路11とが連絡している。階段10は、住宅Aの1階と2階とをつなぐものであり、Uターン形式となっている。
(住宅の2階の全体構成)
住宅Aの2階(図2参照)には、2階通路(通路空間)51、2階トイレ空間(第2のトイレ空間)52、孫部屋(孫部屋空間)53、ベランダ54、子夫婦寝室55、子夫婦水周り空間56、子夫婦台所57及び子夫婦居間58が形成されている。階段10、2階通路51、2階トイレ空間52及び孫部屋53は、住宅Aの2階の西側領域に配置されている。また、子夫婦寝室55、子夫婦水周り空間56、子夫婦台所57及び子夫婦居間58は、主として子夫婦及び孫が居住する空間(以下、「子世帯住居部」という)Yであり、住宅Aの2階の東側領域に配置されている。
孫部屋53と2階通路51とによって孫空間部50が構成される。孫部屋53は略矩形状であり、住宅Aの2階における南西の角に配置されている。孫部屋53は、主として孫が使用する空間である。また、孫部屋53には、収納部を有する可動式の可動収納部(可動間仕切り収納部)60が4つ備えられている。この可動収納部60を、例えば図2中に二点鎖線で示すように、孫部屋53内で東西方向に並べて配置することにより、孫部屋53を南北で2つに区切ることができる。孫部屋53には、孫の就寝時に使用する布団78等が置かれている。
2階通路51は、孫部屋53の北側に配置されている。2階通路51と孫部屋53とは、2枚引き形式の建具61aを備えた間仕切壁61によって仕切られている。2階通路51の西側の突き当りには、収納部62が備えられている。
2階トイレ空間52は、住宅Aの2階における北西の角に配置されている。2階トイレ空間52と2階通路51とは、片引き形式の建具63aによって仕切られている。2階トイレ空間52には、便器52aが備えられている。2階トイレ空間52の東側に階段10が位置し、階段10と2階通路51とが連絡している。
子世帯住居部Yの子夫婦台所57及び子夫婦居間58は、住宅Aの2階における東西方向の略中央部で、北側から南側に向かって縦に並んで配置されている。子夫婦台所57と子夫婦居間58との間には、間仕切壁等の仕切りは無く、子夫婦台所57及び子夫婦居間58は連続した一体の空間を構成する。子夫婦台所57及び子夫婦居間58は、それぞれ略矩形状となっている。子夫婦台所57及び子夫婦居間58と、孫部屋53及び2階通路51とは、片引き形式の通路側建具(世帯専用部区画建具)64a及び3枚引き違い形式の孫部屋側建具(世帯専用部区画建具)64bとを備えた間仕切壁64によって仕切られている。なお、通路側建具64aは2階通路51及び子夫婦台所57に隣接し、孫部屋側建具64bは孫部屋53及び子夫婦居間58に隣接している。
子夫婦台所57及び子夫婦居間58と、これらの部屋の東側に配置された子夫婦水周り空間56及び子夫婦寝室55とは、片引き形式の建具71bと片引き形式の建具71aとを備えた間仕切壁71によって仕切られている。なお、建具71aは、子夫婦居間58に隣接し、建具71bは、子夫婦台所57に隣接している。
子夫婦台所57は、外周壁1に沿って冷蔵庫65、食器棚66等が設置されている。また、子夫婦台所57には、子夫婦台所57と子夫婦居間58との境界に沿うようにペニンシュラ型のキッチンセット68が設置されている。このキッチンセット68によって、子夫婦台所57と子夫婦居間58との区画がなされている。キッチンセット68は、シンク68aやガス台68b等を備えて構成されている。子夫婦居間58には、テーブル69aと4脚の椅子69bとからなる食卓セット69が備えられている。
子世帯住居部Yの子夫婦水周り空間56は、住宅Aの2階における北東の角に配置されている。子夫婦水周り空間56は、間仕切壁71を介して子夫婦台所57の隣に配置されており、子夫婦水周り空間56と子夫婦台所57とは建具71bを介して往来が可能となっている。子夫婦水周り空間56には、内部に洗面化粧台72、洗濯機置き場73等を備えた洗面所56aと、洗面所56aに出入り可能に隣接する浴室56bとが設けられている。
住宅Aの2階における南東の角、即ち子夫婦水周り空間56の南側に隣接した位置に、略矩形状の子夫婦寝室55が配置されている。子夫婦水周り空間56と子夫婦寝室55とは、片開き形式の建具74aを備える間仕切壁74によって仕切られている。建具71aは子夫婦寝室55に隣接しており、建具71aを介して子夫婦寝室55と子夫婦居間58との往来が可能となっている。子夫婦寝室55には、間仕切壁74と外周壁1とに隣接し、南側面が開閉可能なクローゼット75と、該クローゼット75の西側に隣接し、西側面が開閉可能なクローゼット76とが備えられている。
住宅Aの2階で、子夫婦居間58及び子夫婦寝室55の南側にはベランダ54が隣接して配置されている。子夫婦寝室55とベランダ54とは、2枚引き違い形式の建具77を備えた外周壁1によって仕切られ、この建具77を介して子夫婦寝室55とベランダ54とを往来可能となっている。また、子夫婦居間58とベランダ54とは、2枚引き違い形式の建具70を備えた外周壁1によって仕切られ、この建具70を介して子夫婦居間58とベランダ54とを往来可能となっている。
(動線について)
動線とは、住宅Aの居住者が、所定の目的をもって住宅A内を移動する際の自然な足取りとして想定される経路を線で表したものである。例えば、玄関部3から親世帯住居部Xへ通じる動線は、玄関部3からメインホール4aを通って親夫婦居間8に入る経路であったり、玄関部3からバイパスホール4bに入り、バイパスホール4bから1階通路11及びメインホール4aを通って親夫婦居間8に入る経路であったりする。
また、例えば、玄関部3から子世帯住居部Yへ通じる動線は、玄関部3からメインホール4a、1階通路11、階段10、2階通路51を通り、更に通路側建具64aを介して子世帯住居部Yに入る経路であったり、玄関部3からバイパスホール4b、1階通路11、階段10、2階通路51を通り、更に通路側建具64aを介して子世帯住居部Yに入る経路であったりする。なお、玄関部3から孫部屋53へ通じる動線は、玄関部3から2階通路51までは、玄関部3から子世帯住居部Yへ通じる動線と共通であり、2階通路51から建具61aを介して孫部屋53に入る経路である。
ここで、玄関部3から2階通路51へ通じる動線La,Lbは、玄関部3からメインホール4a、1階通路11、及び階段10を通って2階通路51へ到る経路を想定した主動線Laと、主動線Laの一部を通らずに迂回して2階通路51へ到る経路を想定したバイパス動線Lbとを有する。
バイパス動線Lbは、玄関ホール4に設けられた隔壁13によって、主動線Laの一部経路であるメインホール4aから分割されたバイパスホール4bを通る経路を想定した動線である。バイパス動線Lbに沿った経路は、主動線Laに沿った経路を挟んで親世帯住居部Xとは反対側となる位置に形成されている。主動線La及びバイパス動線Lbに沿った経路は、親世帯住居部X及び子世帯住居部Yを外れて設けられており、この経路は動線領域に相当する。そして特に、主動線Laに沿った経路は本動線領域に相当し、バイパス動線Lbに沿った経路はバイパス動線領域に相当する。
(住宅の作用・効果)
子夫婦が不在の場合等に、孫の面倒を親夫婦に見てもらいたいという要望がある反面、主として子夫婦及び孫が居住する空間に親夫婦が勝手に入ることに抵抗を感じるという考えもある。そこで、本実施形態の住宅Aでは、主として親夫婦が居住する親世帯住居部Xと、主として子夫婦及び孫が居住する子世帯住居部Yとは階段10を介して区画され、更に、階段10と子世帯住居部Yとの間に、孫部屋53及び子世帯住居部Yにそれぞれつながる2階通路51が設けられているので、親世帯住居部Xから孫部屋53へは子世帯住居部Yを通らずにアクセスでき、親夫婦は孫部屋53へ気軽に入って孫の面倒を見ることができる。更に、孫が親世帯住居部X内の例えば親夫婦居間8等で遊んでいる場合には、親夫婦が子世帯住居部Yを通ることなく孫部屋53に玩具等の物を取りに行ったり、または物を収納しに行ったりすることもできる。
一方で、2階通路51と子世帯住居部Yとは通路側建具64aを介して往来可能であり、孫部屋53と子世帯住居部Yとは孫部屋側建具64bを介して往来可能となっている。そこで、子世帯住居部Yに親夫婦が勝手に入ることに抵抗がある時間帯等には、例えば、子夫婦が通路側建具64a及び孫部屋側建具64bを閉めて進入不可の意思表示を行うことにより、親夫婦に対して子世帯住居部Yへの進入不可を報知することができる。本実施形態では、通路側建具64a及び孫部屋側建具64bの開閉によって子世帯住居部Yへの進入の可否を子夫婦が意思表示として示すことができるので、通路側建具64a及び孫部屋側建具64bが進入可否報知手段として機能する。
子夫婦としては、通路側建具64a及び孫部屋側建具64bを閉めることで、必要に応じて子世帯住居部Yへのアクセス拒否の意思を示すことができるので、安心して親夫婦に孫の面倒を見てもらうことができる。更に、通路側建具64a及び孫部屋側建具64bを閉めることによって進入不可を報知することで、孫部屋53及び2階通路51は親夫婦が自由に往来できる空間となり、孫部屋53及び2階通路51は親世帯住居部Xに従属することになるため、親夫婦としては子夫婦に遠慮することなく孫の面倒を見ることができるようになる。なお、通路側建具64a及び孫部屋側建具64bの開閉状態が、進入の可否を報知するものであることは、予め、親夫婦と子夫婦との間で共通の認識として持っているものとする。
更に、親世帯住居部Xには、通常の住居と同様に、少なくとも親夫婦台所7が設けられており、その他にもキッチンセット22、子夫婦居間58、親夫婦水周り空間6(親夫婦用便器29、浴室6b)まで設けられている。従って、孫部屋53及び2階通路51を親世帯住居部Xに従属させたとしても、親世帯住居部Xにおいて孫は不都合なく生活することができ、むしろ、孫が孫部屋53で一人または数人で遊んでいたとしても、食事や手洗い等の必要に応じて親世帯住居部Xに積極的にアクセスする必要が生じる。その結果、孫部屋53及び2階通路51を親世帯住居部Xに従属させることで、親夫婦と孫とのコミュニケーション機会を増大させることがきる。
また、子夫婦が帰宅している場合には、進入可否報知手段による進入許可の報知として、子夫婦が通路側建具64aや孫部屋側建具64bを開けて進入許可の意思表示を行うことにより、孫部屋53及び2階通路51が親世帯住居部Xに従属する状況を解除できる。その結果、子世帯住居部Yに従属する2階通路51と親世帯住居部Xとが階段10によって区画されることとなり、子夫婦の世帯にて通常の一家族(子夫婦と孫)としての生活を行うことができる。
以上の様に、進入可否報知手段による進入の可否の報知として、例えば、通路側建具64a及び孫部屋側建具64bを開閉することにより、子夫婦や親夫婦の生活時間にあわせて、孫部屋53及び2階通路51を、親夫婦または子夫婦のいずれか一方に従属させることができる。また、子夫婦は、自らの主たる生活空間である子世帯住居部Yを親夫婦に曝すことなく親夫婦に孫の面倒を見てもらうことができ、親夫婦は、自らの生活時間の中で孫とのコミュニケーションを促進することができるものとなる。その結果として、子夫婦のプライバシーを侵すことなく、親夫婦による孫の育児協力を促進することができる。
また、階段10、孫部屋53及び子世帯住居部Yのそれぞれに隣接する2階通路51を設け、更に子世帯住居部Yと2階通路51とを往来可能に区画する通路側建具64aを設けたので、2階通路51を介して、親世帯住居部Xと子世帯住居部Yとの往来、孫部屋53と親世帯住居部Xとの往来、孫部屋53と子世帯住居部Yとの往来を行うことができる。このため、孫が成長して親夫婦や子夫婦の干渉を好まない場合であっても、孫がいる孫部屋53を通ることなく、親夫婦や子夫婦が親世帯住居部Xと子世帯住居部Yとの間を往来することができる。
また、親夫婦、子夫婦及び孫が共同で使用する玄関部3が親世帯住居部Xと同じ階に設けられているので、親夫婦は、玄関部3を通じて住宅Aへの出入りを容易に行うことができる。また、親夫婦は、子世帯住居部Yや孫部屋53を通ることなく親世帯住居部Xから玄関部3にアクセスすることができる。また、子夫婦は、親世帯住居部Xや孫部屋53を通ることなく子世帯住居部Yから玄関部3にアクセスすることができ、更に、孫は、親世帯住居部Xや子世帯住居部Yを通ることなく孫部屋53から玄関部3にアクセスすることができる。この様に、親夫婦、子夫婦及び孫が玄関部3へ移動する際の利便性が向上する。
また、玄関部3と2階通路51との間の動線La,Lbに沿って形成される動線領域のうちの本動線領域(動線Laに沿った経路)が、親世帯住居部Xに隣接していることにより、本動線領域を移動する子夫婦や孫の立てる音等を親世帯住居部Xに居る親夫婦が認識しやすくなり、親夫婦は、この音等によって孫や子夫婦の存在等を把握することができる。また、親世帯住居部Xに隣接して本動線領域が設けられているため、玄関部3から親世帯住居部Xとの間での親夫婦の移動が容易となる。また、孫が本動線領域を利用して移動する場合には、孫と親夫婦とのコミュニケーションの機会を増大させることができる。
また、子夫婦や孫は、親世帯住居部Xと隔壁13によって隔てられたバイパス動線領域(動線Lbに沿った経路)を通ることによっても孫部屋53及び子世帯住居部Yと、玄関部3との間を往来することができるので、親夫婦が就寝等している場合でも親夫婦に遠慮することなく外出や帰宅をすることができる。また、バイパスホール4bを通る以外にも、子夫婦や孫がサブドア19を介して住宅Aの出入りを行うことにより、親夫婦に遠慮することなく外出や帰宅をすることができる。
また、親世帯住居部X内において、親夫婦寝室5に隣接して親夫婦用便器29を設けることにより、高齢者たる親夫婦の加齢に配慮することができる。また、2階トイレ空間52を設置することで、孫部屋53に孫がいる場合、孫がわざわざ親世帯住居部X内の親夫婦水周り空間6や共用トイレ空間12まで行く必要がなくなる。また、親夫婦寝室5に隣接して親夫婦用便器29を設けることにより、親夫婦用便器29は心理的に「親夫婦専用」と認識され、親夫婦以外の孫等は気軽に使用し難くなると想定されるが、それとは別個に2階トイレ空間52を設けることにより、孫等は、なんら気兼ねなく2階トイレ空間52を使用することができる。また、子夫婦が家にいるときは、住宅Aの2階部分に子夫婦と孫との家族空間が形成されることとなるため、住宅Aの2階部分に2階トイレ空間52を設けることで、2階トイレ空間52を子夫婦及び孫が利用し易くなる。
また、孫部屋53と子夫婦居間58とを往来可能に区画する孫部屋側建具64bを設けたので、通路側建具64a及び2階通路51を介して子夫婦居間58と孫部屋53との往来をする必要がない。また、孫部屋側建具64bを開放等することによって子世帯住居部Yと孫部屋53との空間を連結することができ、子世帯住居部Yと孫部屋53との一体性をより高めることができる。
また、孫部屋53に備えられた可動収納部60によって、孫部屋53を区切ることができるので、孫の部屋として将来例えば2室必要な場合であっても充分に対応することができる。一方で、常時親夫婦又は子夫婦の世話を要する孫の幼児期には、孫が複数いたとしても各孫に個室を与える必要性は少ないと考えられる。この場合には、可動収納部60を孫部屋53内の一部にだけ並べて設置したり、または分散させて配置したりすることで孫部屋53を一体に使用することができる。この様に、孫部屋53に可動収納部60を設けることにより、孫部屋53の使用態様を変更することができ、例えば孫の人数や成長に伴う部屋数増等の要請にも柔軟に対応することができる。
また、親世帯住居部Xを1階に配置し、孫部屋53を2階に配置したので、親夫婦は孫部屋53にアクセスするたびに階段10での上下動を伴う運動を行うこととなり、孫とのコミュニケーションを通じて自らの運動の機会も増大させることができる。また、孫部屋53が親世帯住居部Xとは異なる階に設けられることで、孫部屋53が極度に親世帯住居部Xに近接することが抑制され、これによって、子夫婦は、孫に対して親としてのプライオリティを維持することができる。
また、親世帯住居部Xと子世帯住居部Yとの往来を、階段10、2階通路51及び建具64bを介して行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、親夫婦に対して子世帯住居部Yへの進入の可否を報知する進入可否報知手段として、例えば、鍵が取り付けられた通路側建具または孫部屋側建具を用いることもでき、この態様の場合には、鍵の施錠及び開錠の状態によって進入の可否を報知することもできる。
また、例えば、通路側建具及び孫部屋側建具に設けられた小窓と親世帯住居部の照明装置とを進入可否報知手段として用いることもでき、子世帯住居部内の光が通路空間に漏れているか否かによって進入の可否を報知することもできる。即ち、光が漏れている場合には、子世帯住居部内の照明が点いており、子世帯住居部内に子夫婦が居るため、侵入許可であるとしたり、光が漏れていない場合には、子世帯住居部内の照明が消えており、子世帯住居部内に子夫婦が居ないため、侵入不可としたりすることができる。
また、親世帯住居部と子世帯住居部との間で通話が可能なインターホンを設け、このインターホンを進入可否報知手段として用いることもできる。この態様の場合には、親夫婦からの呼び出しに子夫婦が応答しなかった場合を、子世帯住居部Yへの進入不可の報知としてもよい。
また、予め定められた時間帯(例えば、子夫婦が仕事のために出かけている時間帯等)は、子世帯住居部への進入を不可とするルールを決め、そのルールに従ったタイムテーブル(表)を作成し、その表を進入可否報知手段として用いることもできる。
また、上記の実施形態では、親夫婦、子夫婦及び孫が、玄関部3を共同で使用するものとしたが、親世帯住居部が配置されている1階に、親夫婦専用の玄関部、子夫婦及び孫専用の玄関部をそれぞれ設けてもよい。
また、上記の実施形態では、区画手段として階段10を例示したが、建物として、親世帯住居部、子世帯住居部及び孫部屋空間をいずれも同一階に設ける構成を採用する場合には、階段10以外にも、例えば、扉によって区画したり、長い廊下を設けることによって区画したりすることもできる。
また、3階建てとした二世帯住宅において、1階を親世帯住居部、2階及び3階を子世帯住居部とし、該2階の一部に子世帯住居部から独立させた状態で孫空間部を設ける構成を採用することも可能である。
(第2の実施形態)
図3(a)〜図3(d)は、第2の実施形態に係る住宅を示す図であり、図3(a)は、住宅の縦断面図、図3(b)は、住宅の1階平面図、図3(c)は、住宅の2階平面図、図3(d)は、住宅の3階平面図である。なお、図3(a)は、図3(b)に示す住宅のIII−III断面図である。
また、以下に示す第2実施形態〜第5実施形態においては、いずれも3階建ての住宅建物であるので、1階が下階、2階が中間階、3階が上階に該当するものとなる。
図3(a)〜図3(d)に示されるように、住宅100は、外周壁101に囲まれた、例えば矩形状の3階建て建物であり、建物の最上部には屋根構造が設けられている。住宅100は、居住者として、親夫婦(以下、親世帯ともいう)、子夫婦(以下、子世帯ともいう)、子夫婦の子供である孫の3世帯が同居するものである。本実施形態では、親夫婦が1階、子夫婦及び孫が2階及び3階に居住することを想定した二世帯住宅となっている。また、孫のための部屋である孫空間部130が、住宅100の3階に配置されている。
(住宅の全体構成)
住宅100の1階(図3(b)参照)には、親世帯住居部110、親夫婦用玄関部115、エレベータ室150、階段160、階段ホール161、子夫婦用玄関部125が形成されている。階段160は、住宅100の1階から3階に亘って設けられ、各階に連絡している。階段ホール161は、階段160に連絡している。子夫婦用玄関部125は、階段ホール161に連絡している。
階段160及び階段ホール161と、親世帯住居部110とは、建具171を備えた間仕切壁170によって区画されている。建具171は、親世帯側の住居部と子世帯側の住居部との往来を規制する往来規制部として機能するものである。また、建具171は、建具171の開放によって親世帯側と子世帯側との往来を許容し、逆に閉鎖によって規制する。また、間仕切壁170に両面錠や片面錠等が設けられている場合には両面錠や片面錠等の解錠によって親世帯側と子世帯側との往来を許容したり、逆に施錠によって規制したりしてもよい。親夫婦用玄関部115は、親世帯住居部110に連絡している。親世帯住居部110には、少なくとも、親夫婦用の台所110aが設けられている。
エレベータ室150は、住宅100の1階から3階に亘って設けられている。エレベータ室150内には、住宅100の1階〜3階までを移動して各階に停止可能なエレベータ(区画手段)154が収容されている。住宅100の1階において、エレベータ室150には出入り口151が設けられている。出入り口151は親世帯住居部110に連絡し、親世帯住居部110から出入り口151を介してエレベータ154へ乗り降り可能となっている。エレベータ154は、制御部155によって動作や停止階が制御されている。なお、図3(b)では制御部155を機能ブロックとして強調して示してあるが、実際にはエレベータ室150内やエレベータ154等の所定位置に設置されている。
住宅100の2階(図3(c)参照)には、子世帯住居部120、エレベータ室150、階段160が形成されている。住宅100の2階において、エレベータ室150には出入り口152が設けられている。出入り口152は子世帯住居部120に連絡し、子世帯住居部120から出入り口152を介してエレベータ154へ乗り降り可能となっている。階段160は、子世帯住居部120に連絡している。子世帯住居部120には、少なくとも、子夫婦用の台所120aが設けられている。
住宅100の3階(図3(d)参照)には、孫空間部130、エレベータ室150、子世帯住居部121、階段160が形成されている。子世帯住居部121と孫空間部130とは、建具(世帯専用部区画建具)191を備えた間仕切壁190によって区画されている。子世帯住居部121と孫空間部130との間は、建具191を介して往来が可能となっている。住宅100の3階において、エレベータ室150には出入り口153が設けられている。出入り口153は孫空間部130に連絡し、孫空間部130から出入り口153を介してエレベータ154へ乗り降り可能となっている。階段160は、子世帯住居部121に連絡している。
(動線について)
例えば、子夫婦用玄関部125から子世帯住居部120へ通じる動線は、子夫婦用玄関部125から階段ホール161を通って階段160を上り、子世帯住居部120に入る経路である。また、例えば、子世帯住居部120から孫空間部130へ通じる動線は、子世帯住居部120から階段160を上り子世帯住居部121へ入り、建具191を介して孫空間部130へ入る経路である。また、例えば、親世帯住居部110から孫空間部130へ通じる動線は、親世帯住居部110からエレベータ154によって3階まで上り、孫空間部130に入る経路である。
(住宅の作用・効果)
本実施形態の住宅100では、親世帯住居部110と孫空間部130とが異なる階に設けられ、親世帯住居部110と孫空間部130とにアクセス可能なエレベータ154によって親世帯住居部110と孫空間部130とが往来可能に区画される。また、建具191により、子世帯住居部121と孫空間部130とが往来可能に区画される。これにより、親世帯住居部110から孫空間部130へは、エレベータ154を用いることにより子世帯住居部120,121を通らずにアクセスでき、親夫婦は孫空間部130へ気軽に入って孫の面倒を見ることができる。また、エレベータ154によって親世帯住居部110と孫空間部130とがアクセス可能となるため、親夫婦にとっては、孫空間部130までの移動が体力的にも精神的にも楽になる。
一方で、孫空間部130と子世帯住居部121とは建具191を介して往来可能であるものの、子世帯住居部121に親夫婦が勝手に入ることに抵抗がある場合等には、例えば、子夫婦が建具191を閉めて進入不可の意思表示を行うことにより、親夫婦に対して子世帯住居部121への進入不可を報知することができる。本実施形態では、建具191の開閉によって子世帯住居部121への進入の可否を子夫婦が意思表示として示すことができるので、建具191が進入可否報知手段として機能する。従って、子夫婦としては、必要に応じて子世帯住居部121へのアクセス拒否の意思を示すことができ、安心して親夫婦に孫の面倒を見てもらうことができる。更に、建具191によって進入不可を報知することで、孫空間部130は親世帯住居部110に従属することになるため、親夫婦としては子夫婦に遠慮することなく孫の面倒を見ることができるようになる。
また、親世帯住居部110が1階であるために親夫婦としては住宅100への出入りが楽になる一方で、孫空間部130が3階であるために、孫の面倒を見ることが億劫になり易くなってしまうところ、エレベータ154を設けることで、親夫婦としても気軽に孫空間部130に行き易くなり、孫の面倒を見易くなる。また、親夫婦としても、進入可否報知手段たる建具191によって子夫婦の状況を把握することができ、建具191が閉鎖されている場合は子夫婦に気兼ねなく孫に接することができ、建具191が開放されている場合には孫を子夫婦に委ね、一方で自分たちの時間を過ごすことができるものとなるのである。
また、子世帯住居部120,121と階段160との間には、往来を規制する建具等は設けられていないので、子夫婦にとっては階段160を主縦動線として利用し易い。一方で、親世帯住居部110と階段160との間には、親世帯側と子世帯側との往来を規制する往来規制部として機能する建具171が設けられているので、親夫婦としてはエレベータを主縦動線として利用することなり、子夫婦と親夫婦との間で主縦動線を異なるものにできる。また、階段160とエレベータ154とによる二つの縦動線を備えることとなり、避難経路も確保されるものになる。
また、制御部155によって、エレベータ154を2階で停止させる、又は2階で停止させないといった制御を行うことにより、エレベータ154から子世帯住居部120への直接のアクセス可否を制御することができる。即ち、制御部155を、エレベータ154から子世帯住居部120への直接のアクセス可否を制御可能な制御手段として機能させる。その結果、例えば、普段の生活にあっては、制御部155によりエレベータ154から子世帯住居部120への直接のアクセスを不能状態とすることで、エレベータ154から子世帯住居部120へのアクセスを制限することができる一方、緊急避難時、重い荷物を運ぶ時或いは子夫婦が親夫婦を招待する時等の特別な時といった親世帯住居部110と子世帯住居部120との個々の独立性を維持することよりもエレベータ154を介した子世帯住居部120へのアクセスを可能とする利便性が優先される場合には、制御部155によりエレベータ154から子世帯住居部120への直接のアクセスを可能とすることによって、エレベータ154を住宅100に設けることの利点をさらに生かすことができるものとなる。また、この際、エレベータ154にエレベータ154の使用者から視認可能な位置に表示ランプ156が取り付けられていることが好ましい。これにより、表示ランプ156を、その点灯又は消灯によりエレベータ154から子世帯住居部120へのアクセスの可否を視認可能に報知する視認報知手段として機能させることができ、親夫婦は、エレベータ154に搭乗した時点で子世帯住居部120へのアクセス可否を確認することができる。
つまり、エレベータ154に取り付けられた表示ランプ156によって、エレベータ154から子世帯住居部120への直接のアクセスが不能であることを報知することにより、エレベータ154の使用者は、子世帯住居部120へのアクセスの可否を知ることができる。その結果、子世帯住居部120へのアクセスを拒否していることを親夫婦がエレベータ154の使用中に認識することができ、これによって、建具191を通じた子世帯住居部120への親夫婦のアクセスを抑制することもできる。なお、この表示ランプ156の点灯又は消灯の切り替えは、子夫婦が表示ランプ156を直接操作したり、所定の時間帯は点灯させるように予め設定したりすること等により行うことができる。
また、進入可否報知手段として機能する建具191の開閉と、制御部155におけるエレベータ154の制御とを連動させることもできる。具体的には、建具191の開閉状態が子世帯住居部121への進入を拒否する状態である場合に、制御部155がエレベータ154を2階に停止させないようにする。このように、建具191の開閉と制御部155による制御とを連動させることにより、これら2つの機能による子世帯住居部120へのアクセスの可否を一度で示すことができ、アクセス制限の発信が容易となるのみならず、これら2つの機能によるアクセス可否の食い違いを解消することができる。
(第3の実施形態)
図4(a)〜図4(d)は、第3の実施形態に係る住宅を示す図であり、図4(a)は、住宅の縦断面図、図4(b)は、住宅の1階平面図、図4(c)は、住宅の2階平面図、図4(d)は、住宅の3階平面図である。なお、図4(a)は、図4(b)に示す住宅のIV−IV断面図である。
図4(a)〜図4(d)に示されるように、住宅100Aは、外周壁101に囲まれた、例えば矩形状の3階建て建物であり、建物の最上部には屋根構造が設けられている。住宅100Aは、居住者として、親夫婦、子夫婦、子夫婦の子供である孫の3世帯が同居するものである。本実施形態では、親夫婦が1階、子夫婦及び孫が2階及び3階に居住することを想定した二世帯住宅となっている。また、孫のための部屋である孫空間部130Aが、住宅100Aの3階に配置されている。更に、親夫婦が趣味等で利用する親世帯使用部111Aが、住宅100Aの3階に配置されている。
本実施形態における住宅100Aの1階及び2階の構成(図4(b),図4(c)参照)は、第2の実施形態における住宅100の1階及び2階の構成(図3(b),図3(c)参照)と同じであり、同一番号を付して説明を省略する。
図4(d)に示されるように、住宅100Aの3階には、孫空間部130A、親世帯使用部111A、エレベータ室150、子世帯住居部121、階段160が配置されている。子世帯住居部121と、孫空間部130A及び親世帯使用部111Aとは、建具(世帯専用部区画建具)191Aを備えた間仕切壁190Aによって区画されている。子世帯住居部121と孫空間部130Aとの間は、建具191Aを介して往来が可能となっている。また、孫空間部130Aと親世帯使用部111Aとは、建具193Aを備えた間仕切壁192Aによって区画されている。孫空間部130Aと親世帯使用部111Aとの間は、建具193Aを介して往来が可能となっている。
親世帯使用部111Aは、主として親夫婦が使用する部分であり、例えば、趣味ための部屋であったり、外に開放するベランダ等であったりする。住宅100Aの3階において、エレベータ室150には出入り口153が設けられている。出入り口153は親世帯使用部111Aに連絡し、親世帯使用部111Aから出入り口153を介してエレベータ154へ乗り降り可能となっている。階段160は、子世帯住居部121に連絡している。
(動線について)
例えば、子夫婦用玄関部125から子世帯住居部120へ通じる動線は、子夫婦用玄関部125から階段ホール161を通って階段160を上り、子世帯住居部120に入る経路である。また、例えば、子世帯住居部120から孫空間部130Aへ通じる動線は、子世帯住居部120から階段160を上り子世帯住居部121へ入り、子世帯住居部121から建具191Aを介して孫空間部130Aへ入る経路である。また、例えば、親世帯住居部110から孫空間部130Aへ通じる動線は、孫空間部130Aからエレベータ154によって3階まで上って親世帯使用部111Aに入り、親世帯使用部111Aから建具193Aを介して孫空間部130Aに入る経路である。
(住宅の作用・効果)
本実施形態の住宅100Aでは、親世帯住居部110から孫空間部130Aへは、エレベータ154を用いることにより子世帯住居部120,121を通らずにアクセスでき、親夫婦は孫空間部130Aへ気軽に入って孫の面倒を見ることができる等、第2の実施形態と同様の作用効果を奏する。また、日当たりなどを考慮した場合に、1階よりも3階の方が好環境になる場合が多い。このため、住宅100Aの3階に、エレベータ154からアクセス可能な親世帯使用部111Aを設けることで、親夫婦としては、子夫婦や孫に気兼ねなく日中を快適に過ごすことができるようになる。
(第4の実施形態)
図5(a)〜図5(d)は、第4の実施形態に係る住宅を示す図であり、図5(a)は、住宅の縦断面図、図5(b)は、住宅の1階平面図、図5(c)は、住宅の2階平面図、図5(d)は、住宅の3階平面図である。なお、図5(a)は、図5(b)に示す住宅のV−V断面図である。
図5(a)〜図5(d)に示されるように、住宅100Bは、外周壁101に囲まれた、例えば矩形状の3階建て建物であり、建物の最上部には屋根構造が設けられている。住宅100Bは、居住者として、親夫婦、子夫婦、子夫婦の子供である孫の3世帯が同居するものである。本実施形態では、子夫婦及び孫が1階及び2階、親夫婦が3階に居住することを想定した二世帯住宅となっている。また、孫のための部屋である孫空間部130Bが、住宅100Bの1階に配置されている。
(住宅の全体構成)
住宅100Bの1階(図5(b)参照)には、エレベータ室150、エレベータホール157B、親夫婦用玄関部115B、孫空間部130B、子世帯住居部121B、階段160、子夫婦用玄関部125Bが形成されている。
エレベータ室150は、住宅100Bの1階から3階に亘って設けられている。エレベータ室150内には、住宅100Bの1階〜3階までを移動して各階に停止可能なエレベータ(区画手段)154が収容されている。住宅100Bの1階において、エレベータ室150には出入り口151が設けられている。出入り口151はエレベータホール157Bに連絡し、エレベータホール157Bから出入り口151を介してエレベータ154へ乗り降り可能となっている。エレベータ154は、制御部155によって動作や停止階が制御されている。親夫婦用玄関部115Bは、エレベータホール157Bに連絡している。
エレベータ室150及びエレベータホール157Bと、孫空間部130Bとは、建具193Bを備えた間仕切壁192Bによって区画されている。エレベータホール157Bと孫空間部130Bとの間は、建具193Bを介して往来が可能となっている。
孫空間部130Bと、子世帯住居部121Bとは、建具(世帯専用部区画建具)191Bを備えた間仕切壁190Bによって区画されている。子世帯住居部121Bと孫空間部130Bとの間は、建具191Bを介して往来が可能となっている。
子夫婦用玄関部125Bは、子世帯住居部121Bに連絡している。子世帯住居部121Bは、階段160に連絡している。階段160は、住宅100の1階から3階に亘って設けられている。
住宅100Bの2階(図5(c)参照)には、子世帯住居部120B、エレベータ室150、階段160が形成されている。住宅100Bの2階において、エレベータ室150には出入り口152が設けられている。出入り口152は子世帯住居部120Bに連絡し、子世帯住居部120Bから出入り口152を介してエレベータ154へ乗り降り可能となっている。階段160は、子世帯住居部120Bに連絡している。子世帯住居部120Bには、少なくとも、子夫婦用の台所120aが設けられている。
住宅100Bの3階(図5(d)参照)には、親世帯住居部110B、エレベータ室150、階段160、階段ホール161Bが形成されている。親世帯住居部110Bには、少なくとも、親夫婦用の台所110aが設けられている。住宅100Bの3階において、エレベータ室150には出入り口153が設けられている。出入り口153は親世帯住居部110Bに連絡し、親世帯住居部110Bから出入り口153を介してエレベータ154へ乗り降り可能となっている。階段160及び階段ホール161Bと、親世帯住居部110Bとは、建具195Bを備えた間仕切壁194Bによって区画されている。建具195Bは、親世帯側の住居部と子世帯側の住居部との往来を規制する往来規制部として機能するものである。階段ホール161Bと親世帯住居部110Bとの間は、建具195Bを介して往来が可能となっている。階段160は、階段ホール161Bに連絡している。
(動線について)
例えば、子夫婦用玄関部125Bから子世帯住居部120Bへ通じる動線は、子夫婦用玄関部125Bから子世帯住居部121Bを通って階段160を上り、子世帯住居部120Bに入る経路である。また、例えば、親世帯住居部110Bから孫空間部130Bへ通じる動線は、親世帯住居部110Bからエレベータ154によって1階まで下ってエレベータホール157Bに入り、建具193Bを介して孫空間部130Bに入る経路である。
(住宅の作用・効果)
本実施形態の住宅100Bでは、親世帯住居部110Bと孫空間部130Bとが異なる階に設けられ、親世帯住居部110Bと孫空間部130Bとにアクセス可能なエレベータ154によって親世帯住居部110Bと孫空間部130Bとが往来可能に区画される。また、建具191Bにより、子世帯住居部121Bと孫空間部130Bとが往来可能に区画される。これにより、親世帯住居部110Bから孫空間部130Bへは、エレベータ154を用いることにより子世帯住居部120B,121Bを通らずにアクセスでき、親夫婦は孫空間部130Bへ気軽に入って孫の面倒を見ることができる。また、3階の親世帯住居部110Bと1階の孫空間部130Bとの間での往来が、特に親夫婦側で困難になり易いが、エレベータ154によって親世帯住居部110Bと孫空間部130Bとがアクセス可能となるため、親夫婦にとっては、孫空間部130Bまでの移動が体力的にも精神的にも楽になる。
一方で、孫空間部130Bと子世帯住居部121Bとは建具191Bを介して往来可能であるものの、子世帯住居部121Bに親夫婦が勝手に入ることに抵抗がある場合等には、例えば、子夫婦が建具191Bを閉めて進入不可の意思表示を行うことにより、親夫婦に対して子世帯住居部121Bへの進入不可を報知することができる。本実施形態では、建具191Bの開閉によって子世帯住居部121Bへの進入の可否を子夫婦が意思表示として示すことができるので、建具191Bが進入可否報知手段として機能する。
また、親夫婦が利用する子夫婦用玄関部125Bが住宅100Bの1階に設けられることに対し、親世帯住居部110Bが3階に設けられることで、親夫婦がこららの間を往来することが困難となるが、これらの間にエレベータ154を設置することにより、1階の親夫婦用玄関部115Bから3階の親世帯住居部110Bまで楽に往来することができる。これにより、最も好環境な3階に親世帯住居部110Bを設定することができる。
また、子世帯住居部120B,121Bと階段160との間には、往来を規制する建具等は設けられていないので、子夫婦にとっては階段160を主縦動線として利用し易い。一方で、住宅100Bの3階において、親世帯住居部110Bと階段160との間には、親世帯側と子世帯側との往来を規制する往来規制部として機能する建具195Bが設けられているので、親夫婦としてはエレベータ154を主縦動線として利用することとなり、子夫婦と親夫婦との間で主縦動線を異なるものにできる。また、階段160とエレベータ154とによる二つの縦動線を備えることとなり、避難経路も確保されるものになる。
また、制御部155によって、エレベータ154を2階で停止させる、又は2階で停止させないといった制御を行うことにより、エレベータ154から子世帯住居部120Bへの直接のアクセス可否を制御することができる。即ち、制御部155を、エレベータ154から子世帯住居部120Bへの直接のアクセス可否を制御可能な制御手段として機能させる。これにより、必要に応じてエレベータ154を2階で停止させてエレベータ154から子世帯住居部120Bへのアクセスを可能とすることができ、エレベータ154を住宅100Bに設けることの利点をさらに生かすことができるものとなる。また、この際、エレベータ154にエレベータ154の使用者から視認可能な位置に表示ランプ156が取り付けられていることが好ましい。これにより、表示ランプ156を、その点灯又は消灯によりエレベータ154から子世帯住居部120Bへのアクセスの可否を視認可能に報知する視認報知手段として機能させることができ、親夫婦は、エレベータ154に搭乗した時点で子世帯住居部120Bへのアクセス可否を確認することができる。
つまり、エレベータ154に取り付けられた表示ランプ156によって、エレベータ154から子世帯住居部120Bへの直接のアクセスが不能であることを報知することにより、エレベータ154の使用者は、子世帯住居部120Bへのアクセスの可否を知ることができる。その結果、子世帯住居部120Bへのアクセスを拒否していることを親夫婦がエレベータ154の使用中に認識することができ、これによって、建具191Bを通じての子世帯住居部120Bへの親夫婦のアクセスを抑制することもできる。
また、進入可否報知手段として機能する建具191Bの開閉と、制御部155におけるエレベータ154の制御とを連動させることもできる。これにより、これら2つの機能による子世帯住居部120Bへのアクセスの可否を一度で示すことができ、アクセス制限の発信が容易となるのみならず、これら2つの機能によるアクセス可否の食い違いを解消することができる。
(第5の実施形態)
図6(a)〜図6(d)は、第5の実施形態に係る住宅を示す図であり、図6(a)は、住宅の縦断面図、図6(b)は、住宅の1階平面図、図6(c)は、住宅の2階平面図、図6(d)は、住宅の3階平面図である。なお、図6(a)は、図6(b)に示す住宅のVI−VI断面図である。
図6(a)〜図6(d)に示されるように、住宅100Cは、外周壁101に囲まれた、例えば矩形状の3階建て建物であり、建物の最上部には屋根構造が設けられている。住宅100Cは、居住者として、親夫婦、子夫婦、子夫婦の子供である孫の3世帯が同居するものである。本実施形態では、子夫婦及び孫が1階及び2階、親夫婦が3階に居住することを想定した二世帯住宅となっている。また、孫のための部屋である孫空間部130Cが、住宅100Cの2階に配置されている。
(住宅の全体構成)
住宅100Cの1階(図6(b)参照)には、エレベータ室150、エレベータホール157C、親夫婦用玄関部115C、子世帯住居部120C、階段160、子夫婦用玄関部125Cが形成されている。
エレベータ室150は、住宅100Cの1階から3階に亘って設けられている。エレベータ室150内には、住宅100Cの1階〜3階までを移動して各階に停止可能なエレベータ(区画手段)154が収容されている。住宅100Cの1階において、エレベータ室150には出入り口151が設けられている。出入り口151はエレベータホール157Cに連絡し、エレベータホール157Cから出入り口151を介してエレベータ154へ乗り降り可能となっている。エレベータ154は、制御部155によって動作や停止階が制御されている。親夫婦用玄関部115Cは、エレベータホール157Cに連絡している。
エレベータ室150及びエレベータホール157Cと、子世帯住居部120Cとは、建具193Cを備えた間仕切壁192Cによって区画されている。エレベータホール157Cと子世帯住居部120Cとの間は、建具193Cを介して往来が可能となっている。建具193Cは、親世帯側の住居部と子世帯側の住居部との往来を規制する機能を有するものである。
子夫婦用玄関部125Cは、子世帯住居部120Cに連絡している。子世帯住居部120Cには、少なくとも、子夫婦用の台所120aが設けられている。子世帯住居部120Cは、階段160に連絡している。階段160は、住宅100Cの1階から3階に亘って設けられている。
住宅100Cの2階(図6(c)参照)には、孫空間部130C、エレベータ室150、子世帯住居部121C、階段160が配置されている。住宅100Bの2階において、エレベータ室150には出入り口152が形成されている。出入り口152は孫空間部130Cに連絡し、孫空間部130Cから出入り口152を介してエレベータ154へ乗り降り可能となっている。
孫空間部130Cと子世帯住居部121Cとは、建具(世帯専用部区画建具)191Cを備えた間仕切壁190によって区画されている。孫空間部130Cと子世帯住居部121Cとの間は、建具191を介して往来が可能となっている。階段160は、子世帯住居部121Cに連絡している。
住宅100Cの3階(図6(d)参照)には、親世帯住居部110C、エレベータ室150、階段160、階段ホール161Cが形成されている。親世帯住居部110Cには、少なくとも、親夫婦用の台所110aが設けられている。住宅100Cの3階において、エレベータ室150には出入り口153が設けられている。出入り口153は親世帯住居部110Cに連絡し、親世帯住居部110Cから出入り口153を介してエレベータ154へ乗り降り可能となっている。階段160及び階段ホール161Cと、親世帯住居部110Cとは、建具195Cを備えた間仕切壁194Cによって区画されている。建具195Cは、親世帯側の住居部と子世帯側の住居部との往来を規制する往来規制部として機能するものである。階段ホール161Cと親世帯住居部110Cとの間は、建具195Cを介して往来が可能となっている。階段160は、階段ホール161Cに連絡している。
(動線について)
例えば、子夫婦用玄関部125Cから孫空間部130Cへ通じる動線は、子夫婦用玄関部125Cから子世帯住居部120Cを通り、階段160を上って子世帯住居部121Cへ入り、子世帯住居部121Cから建具191Cを介して孫空間部130Cに入る経路である。また、例えば、親世帯住居部110Cから孫空間部130Cへ通じる動線は、親世帯住居部110Cからエレベータ154によって2階まで下り、孫空間部130Cに入る経路である。また、例えば、親夫婦用玄関部115Cから親世帯住居部110Cへ通じる動線は、親夫婦用玄関部115Cからエレベータホール157Cを通り、エレベータ154によって3階まで上って親世帯住居部110Cへ入る経路である。
(住宅の作用・効果)
本実施形態の住宅100Cでは、親世帯住居部110Cと孫空間部130Cとが異なる階に設けられ、親世帯住居部110Cと孫空間部130Cとにアクセス可能なエレベータ154によって親世帯住居部110Cと孫空間部130Cとが往来可能に区画される。また、建具191Cにより、子世帯住居部121Cと孫空間部130Cとが往来可能に区画される。これにより、親世帯住居部110Cから孫空間部130Cへは、エレベータ154を用いることにより子世帯住居部120C,121Cを通らずにアクセスでき、親夫婦は孫空間部130Cへ気軽に入って孫の面倒を見ることができる。また、3階の親世帯住居部110Cと2階の孫空間部130Cとの間での往来が、特に親世帯側で困難になり易いが、エレベータ154によって親世帯住居部110Cと孫空間部130Cとがアクセス可能となるため、親夫婦にとっては、孫空間部130Cまでの移動が体力的にも精神的にも楽になる。
一方で、孫空間部130Cと子世帯住居部121Cとは建具191Cを介して往来可能であるものの、子世帯住居部121Cに親夫婦が勝手に入ることに抵抗がある場合等には、例えば、子夫婦が建具191Cを閉めて進入不可の意思表示を行うことにより、親夫婦に対して子世帯住居部121Cへの進入不可を報知することができる。本実施形態では、建具191Cの開閉によって子世帯住居部121Cへの進入の可否を子夫婦が意思表示として示すことができるので、建具191Cが進入可否報知手段として機能する。
また、子世帯住居部120C,121Cと階段160との間には、往来を規制する建具等は設けられていないので、子夫婦にとっては階段160を主縦動線として利用し易い。一方で、住宅100Cの3階において、親世帯住居部110Cと階段160との間には、親世帯側と子世帯側との往来を規制する往来規制部として機能する建具195Cが設けられているので、親夫婦としてはエレベータを主縦動線として利用することなり、子夫婦と親夫婦との間で主縦動線を異なるものにできる。また、階段160とエレベータ154とによる二つの縦動線を備えることとなり、避難経路も確保されるものになる。また、この際、エレベータ154にエレベータ154の使用者から視認可能な位置に表示ランプ156が取り付けられていることが好ましい。これにより、表示ランプ156を、その点灯又は消灯によりエレベータ154から孫空間部130Cを介して子世帯住居部121Cへのアクセスの可否を視認可能に報知する視認報知手段として機能させることができ、親夫婦は、エレベータ154に搭乗した時点で子世帯住居部120Cへのアクセス可否を確認することができる。
つまり、エレベータ154に取り付けられた表示ランプ156によって、エレベータ154から孫空間部130Cを介して子世帯住居部120Cへのアクセスが不能であることを報知することにより、エレベータ154の使用者は、子世帯住居部120Cへのアクセスの可否を知ることができる。その結果、子世帯住居部120Cへのアクセスを拒否していることを親夫婦がエレベータ154の使用中に認識することができ、これによって、建具191Cを通じての子世帯住居部120Cへの親夫婦のアクセスを抑制することもできる。
なお、第2〜第5の実施形態において、エレベータから子世帯住居部へのアクセスの可否を視認可能に報知する視認報知手段として、表示ランプ156を用いるものとしたが、表示ランプ156に限定されるものではない。たとえば、エレベータ154内に行き先階を指定するための操作ボタンが備えられている場合には、そのボタン付近に目印を取り付けたり、ボタンにカバーをつけて操作できないようにすることにより、子世帯住居部へのアクセスの可否を報知するようにしてもよい。
また、第3,第4の実施形態において、住宅の1階と、3階に設けられた親世帯住居部とを繋ぐ階段を設けてもよい。
また、第2〜第5の実施形態において、3階建ての住宅を例に説明したが、上記の実施例の構成の上方と下方のいずれか一方或いは両方に別途の建物階を設ける構成、或いは上記の実施例の各階のいずれかの間に別途建物階を設けて4階建て以上とした住宅や上記実施例の個人住宅に集合住宅を組み合わせた建物に本発明を適用することもできる。
3…玄関部、5…親夫婦寝室(寝室空間)、6a…洗面所(第1のトイレ空間)、10…階段(区画手段)、13…隔壁、50,130,130A,130B,130C…孫空間部、51…2階通路(通路空間)、52…2階トイレ空間(第2のトイレ空間)、53…孫部屋(孫部屋空間)、60…可動収納部(可動間仕切り収納部)、64a…通路側建具(世帯専用部区画建具、進入可否報知手段)、64b…孫部屋側建具(世帯専用部区画建具、進入可否報知手段)、154…エレベータ(区画手段)、155…制御部(制御手段)、156…表示ランプ(視認報知手段)、160…階段、171,195B,195C…建具(往来規制部)、191,191A,191B,191C…建具(世帯専用部区画建具、進入可否報知手段)X,110,110B,110C…親世帯住居部、Y,120,120B,120C,121,121B,121C…子世帯住居部。

Claims (18)

  1. 少なくとも台所を備える親世帯住居部と、少なくとも台所を備える子世帯住居部とが区画手段によって往来可能に区画された住宅において、
    前記区画手段と前記子世帯住居部との間に設けられた孫空間部と、
    前記子世帯住居部と前記孫空間部とを往来可能に区画する世帯専用部区画建具と、
    前記世帯専用部区画建具を介して前記孫空間部から前記子世帯住居部への進入の可否を報知する進入可否報知手段と、
    を備えることを特徴とする住宅。
  2. 前記孫空間部は、孫部屋空間と通路空間とにより構成され、
    前記世帯専用部区画建具は、前記子世帯住居部と前記通路空間とを往来可能に区画する通路側建具を有し、
    前記区画手段は前記通路空間に隣接している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の住宅。
  3. 前記親世帯住居部の居住者及び前記子世帯住居部の居住者が共同で使用する玄関部、又は、前記親世帯住居部と前記子世帯住居部の住居単位毎にそれぞれ設けられた玄関部を更に備え、
    前記玄関部が前記親世帯住居部と同じ階に設けられ、
    前記玄関部から前記通路空間に通じる動線に沿って形成された動線領域は、前記親世帯住居部及び前記子世帯住居部を外れて設けられている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の住宅。
  4. 前記動線領域は、前記親世帯住居部に隣接していることを特徴とする請求項3に記載の住宅。
  5. 前記動線領域は、前記親世帯住居部に隣接する本動線領域と、前記本動線領域を挟んで前記親世帯住居部とは反対側に位置するバイパス動線領域とに分割する隔壁を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の住宅。
  6. 前記親世帯住居部には、寝室空間と、該寝室空間の近傍に形成された第1のトイレ空間とが設けられ、
    前記通路空間には、第2のトイレ空間が設けられている、
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の住宅。
  7. 前記世帯専用部区画建具は、前記子世帯住居部と前記孫部屋空間とを往来可能に区画する孫部屋側建具を有することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の住宅。
  8. 前記孫部屋空間には、互いに並べて設置されることで前記孫部屋空間を区切る間仕切壁を形成可能で、且つ収納部を有する複数の可動間仕切り収納部が備えられていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の住宅。
  9. 前記親世帯住居部と前記孫空間部とが、異なる階にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の住宅。
  10. 前記親世帯住居部と前記子世帯住居部とが、前記区画手段、前記孫空間部及び前記世帯専用部区画建具を介して往来可能となるように配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の住宅。
  11. 前記親世帯住居部と前記孫空間部とは異なる階に設けられ、
    前記区画手段は、前記親世帯住居部と前記孫空間部とをアクセス可能なエレベータであることを特徴とする請求項1に記載の住宅。
  12. 前記親世帯住居部は下階に設けられると共に、前記子世帯住居部は前記下階よりも上方に設けられる中間階と、当該中間階よりも上方に設けられる上階とに亘って設けられ、且つ前記孫空間部は該上階に設けられており、
    前記エレベータは、少なくとも前記下階の前記親世帯住居部と前記上階の前記孫空間部とをアクセス可能に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の住宅。
  13. 前記上階には、前記エレベータから前記孫空間部を介することなくアクセス可能な親世帯使用部が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の住宅。
  14. 前記親世帯住居部は上階に設けられると共に、前記子世帯住居部は前記上階よりも下方に設けられる中間階と、該中間階よりも下方に設けられる下階とに亘って設けられ、且つ前記孫空間部は該下階に設けられており、
    前記エレベータは、少なくとも前記上階の前記親世帯住居部と前記下階の前記孫空間部とをアクセス可能に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の住宅。
  15. 前記親世帯住居部は上階に設けられると共に、前記子世帯住居部は前記上階よりも下方に設けられる中間階と、該中間階よりも下方に設けられる下階とに亘って設けられ、且つ前記孫空間部は前記中間階に設けられており、
    前記エレベータは、少なくとも前記上階の前記親世帯住居部と前記中間階の前記孫空間部とをアクセス可能に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の住宅。
  16. 前記親世帯住居部、及び前記子世帯住居部に連絡する階段を有し、
    前記親世帯住居部と前記階段との間、及び前記子世帯住居部と前記階段との間のうち、前記親世帯住居部と前記階段との間側にのみ往来規制部が設けられていることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の住宅。
  17. 前記エレベータは、前記子世帯住居部にアクセス可能に設けられ、
    前記エレベータから前記子世帯住居部への直接のアクセス可否を制御可能な制御手段を更に備えていることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の住宅。
  18. 前記エレベータは、前記子世帯住居部にアクセス可能に設けられ、
    前記エレベータから前記子世帯住居部への直接のアクセス可否を視認可能に報知する視認報知手段を更に備えていることを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載の住宅。
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