しかしながら、従来の高齢者介護施設では、職員が入居者を管理し易いように、居間や食堂等の共有空間を中心に個室等を比較的狭い範囲内に配置すると共に、認知症等の入居者が簡単に施設外へ出てしまわないような配置としているので、例えば、施設内で火災が発生した時に、火災による煙が逃げ難く施設内に充満し易くなる虞があると共に、避難経路が判り難く入居者等を迅速に避難させることができない虞があった。また、従来の高齢者介護施設では、トイレや浴室の他に、洗面台や洗濯場等の水周り関係のものを一箇所にまとめる傾向があるので、例えば、細菌等で汚れた物を洗濯することで洗濯場から洗面台、トイレ、浴室等へ細菌等が広がったり、トイレや洗面台等から細菌が洗濯場や浴室等へ広がったりして、施設内で感染が広がってしまう虞があった。
また、従来の高齢者介護施設では、介護する職員が通常居る食堂や台所等から、入居者が使用するトイレや浴室等が見辛い位置に配置されているので、問題が発生していないか否かを確認するためにトイレ等を見に職員が比較的頻繁に移動しなければならず、職員の負担が増える問題があると共に、入居者に対して不安感を与えてしまう虞があり、職員や入居者に対して充分に住み易い施設とはなっていなかった。
更に、従来の高齢者介護施設では、特許文献1のような思想に基いて高齢者介護施設を設置しても、設計者等によってはパブリックゾーンやプライベートゾーン等の各ゾーンの向き(方角)や、個室、トイレ、浴室、居間、食堂、台所、玄関等の位置関係が区々となってしまう問題があった。そのため、施設毎に職員用のマニュアルを作成する必要があり、手間と時間がかかる問題があった。また、施設毎にマニュアルが異なるので、施設毎に職員に違った教育しなければならないと共に、職員を他の施設へ移動させる度に移動する施設に合せて再教育をする必要があり、職員教育を一元化することが困難であった。
そこで、本発明は上記の実情に鑑み、入居者や職員の安全を充分に確保することができると共に介護し易く、短期間で開設することが可能な高齢者介護ブロックユニット、及びその設計方法の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る高齢者介護ブロックユニットは、「東西方向へ通過可能とされ施設内への入口となる玄関エリア、該玄関エリアの南面に接した露天下の中庭エリア、該中庭エリアの南面に接し南側に脱衣出入口を備えた脱衣室及び該脱衣室の東側に配置された浴室で構成された浴室エリア、該浴室エリアの南面に接し東西方向へ通行可能な通路エリア、及び該通路エリアの南面に接し東西に二つ並んだトイレ室で構成されたトイレエリアを備え、前記中庭エリアと前記浴室エリアとの間の東西方向中央の中心点が敷地の略中央に配置され、平面視南北方向へ延びた矩形状のセンターブロックと、該センターブロックにおける前記中心点を通る東西方向へ延びた東西軸の南側外周を囲う廊下、該廊下に面した個室出入口及び該個室出入口と対向した個室窓を有し前記廊下を挟んで前記センターブロックの前記東西軸の南側外周を囲う複数の個室を備え、前記センターブロックの前記東西軸の南側に配置されたプライベートブロックと、該プライベートブロックの前記廊下における前記センターブロックの西面に面した側と出入可能とされると共に前記センターブロックの前記玄関エリア及び前記中庭エリアの夫々西面と接した共有室、該共有室と連通すると共に前記玄関エリアの北面と接する台所エリアを備え、前記センターブロックの前記南北軸の西側且つ前記東西軸の北側に配置されたパブリックブロックと、該パブリックブロックとは前記センターブロックを挟んで反対側となる前記南北軸の東側に配置され、前記センターブロックの前記玄関エリア及び前記中庭エリアの夫々東面と接し建物外へ連通可能なアプローチエリア、該アプローチエリアと接すると共に前記センターブロックの前記玄関エリア及び前記パブリックブロックの前記台所エリアと接した事務エリアを備え、前記センターブロックの前記南北軸の東側且つ前記東西軸の北側に配置されたマネージメントブロックとを具備する」ことを特徴とする。
ここで、矩形状の「センターブロック」は、東西方向の寸法が、3.6m〜4.0mの範囲内、南北方向の寸法が、11.7m〜14.0mの範囲内とすることが望ましい。これよりも小さいと、トイレ室や浴室等が狭くなって入居者が使い辛くなる虞があるためであり、これよりも大きいと、センターブロック自体が大きくなることで高齢者介護ブロックユニット全体が大きくなりすぎて、職員の負担が増加するためである。
また、プライベートブロックにおける複数の「個室」としては、5室〜11室の範囲内とすることが望ましい。個室の数が5室よりも少ないと、複数の個室でセンターブロックの該当するエリアの外周を囲った時に、夫々の部屋が広くなりすぎて入居者によっては敬遠してしまったり、職員の負担が増加したりする虞があるためであり、個室の数が11室よりも多いと、複数の個室でセンターブロックの該当するエリアの外周を囲った時に、夫々の部屋が狭くなりすぎて入居者に圧迫感を与えてしまう虞があるためである。
更に、パブリックブロックにおける「共有室」としては、「居間」、「食堂」、「居間と食堂」、「畳部屋(畳ブース)」、等を例示することができる。なお、南北軸及び南北軸と直交する東西軸は、実際の方角に対して、±45度の範囲内とすることが望ましく、これによりも方角とのズレが大きいと、プライベートブロックにおいて個室に位置によっては充分な日当りを確保することができなくなる虞があるためである。
これにより、高齢者介護ブロックユニット(以下、単にブロックユニットとも称す)の略中央に配置されるセンターブロックに中庭を備えており、隣接する浴室エリア、パブリックブロックの共有室、マネージメントブロックのアプローチエリア等に対して中庭を通して換気することができるので、ブロックユニット内で火災が発生した時に、中庭を通して火災による煙をブロックユニット外へ排出することができ、ブロックユニット内に煙が充満するのを防止することができると共に、煙によりブロックユニット内の見通しが悪くなって避難し難くなったり、煙に巻かれたりするのを回避させることができ、ブロックユニットつまり高齢者介護施設の安全性を高めることができる。
また、センターブロックに中庭を備えているので、中庭を通してブロックユニット(建物)の中心からプライベートブロック、パブリックブロック、及びマネージメントブロックへ採光することができ、昼間でもブロックユニット内が暗くなるのを防止して住み易くすることができると共に、照明に係るコストを低減させることができる。
更に、センターブロックに水周り関係として浴室エリアとトイレエリアのみを備えており、蓋然的に、洗濯場(洗濯エリア)がセンターブロックから離れた位置となるので、細菌等で汚染された物を洗濯してもトイレや浴室等に広がるのを防止することができ、ブロックユニット内で細菌等による感染症が広がるのを可及的に抑制することができる。
また、センターブロックでは玄関エリア、中庭エリア、及び通路エリアにおいて、プライベートブロックではセンターブロックのトイレエリアの南面に接した廊下において、更に、パブリックブロック及びマネージメントブロックではセンターブロックの玄関エリアの北面に接した台所エリアと事務エリアとの間において、夫々東西方向へ通過可能とされているので、複数の避難経路を確保することが可能となり、非常時の際に入居者等を避難させ易くすることでき、安全性の高い高齢者介護ブロックユニットとすることができる。
更に、センターブロックに玄関エリアを備えると共に、マネージメントブロックに玄関エリアから建物の外へ通じるアプローチエリアを備えているので、入居者が建物の外へ出ようとしても、アプローチエリアを必ず通ることで、マネージメントブロック内の職員に対して、外出しようとする入居者に気付き易くすることができると共に、入居者がアプローチエリアを通ることで、気付いた職員が入居者に追付き易くすることができ、認知症等の入居者が勝手に外出してしまうのを防止することができる。
また、プライベートブロックにおける複数の個室を、センターブロックの浴室エリアやトイレエリア等を囲うように配置すると共に、プライベートブロックを東西軸の南側に配置しているので、各個室の窓が、高齢者介護ブロックユニットの東面、南面、及び西面の何れかに配置さされることとなり、各個室の日当りを良くすることができる。また、センターブロックの浴室エリアやトイレエリア等を囲うように複数の個室を配置しているので、各個室出入口からトイレ等の様子(使用状況)を窺うことができ、入居者がわざわざトイレ室の出入口まで行って確認する必要が無く住み易くすることができる。
更に、パブリックブロックでは、南北に並んだセンターブロックのトイレエリアと浴室エリア等の西面に接した側の廊下を通してプライベートブロックへ出入可能としているので、パブリックブロック内の職員から、廊下を通してトイレエリア等を見易くすることができ、職員が確認のためにトイレまで見に行く必要を低減させて職員の負担を軽減させることができると共に、プライベートブロックのトイレで問題が発生してもパブリックブロック内の職員が気付き易くなるので、問題の発生に対して職員が速やかに対応することができ、入居者を安心させて住み易い高齢者介護ブロックユニットとすることができる。
また、パブリックブロックを、中心点を通る南北軸の西側、且つ、東西軸の北側に配置しており、蓋然的に、パブリックブロック(共有室)が高齢者介護ブロックユニットの西面に配置されることとなるので、午後からの日当りを良くして過ごし易くすることができ、快適な共有空間とすることができる。
更に、センターブロックを敷地の略中央に配置した上で、センターブロックの中心点を通る東西軸の南側にプライベートブロックを配置すると共に、中心点を通る南北軸の西側且つ東西軸の北側にパブリックブロックを配置し、更に、南北軸の東側且つ東西軸の北側にマネージメントブロックを配置して、センターブロックをプライベートブロック、パブリックブロック、及びマネージメントブロックで囲うようにしているので、設置場所や設計者等が変わっても、略同じ構成の高齢者介護ブロックユニットとすることができ、職員用のマニュアルを流用することができると共に、職員教育を一元化して職員研修等を行い易くすることができ、開設までにかかる手間やコストを低減させることができる。
また、上述したように、入居者や職員の安全を充分に確保することができると共に介護し易いブロックユニットとすることができるので、認知症の入居者にも対応することができ、グループホームに適用することができる他に、例えば、当初は健常或いは介護の度合いが軽度な高齢者が入居し、その後、高齢者が介護の度合いが進行したり認知症になったりしても、ブロックユニットの行政上のカテゴリを簡単に変更することができ、そのまま入居し続けることが可能な施設とすることもできるので、入居者に対して転居の手間や不安感等を緩和させることができ、入居(利用)し易い施設とすることができる。
なお、一つの高齢者介護ブロックユニットの面積としては、280m2〜400m2の範囲内が望ましく、これよりも狭いと、プライベートブロックの各個室や、パブリックブロックの共有室等が狭くなり、入居者に対して圧迫感を与えてしまう虞があると共に、廊下等も狭くなることで介護し難くなる虞があるためであり、また、これよりも広いと、高齢者介護ブロックユニット全体のコストが高くなり過ぎるためである。
また、本発明に係る高齢者介護ブロックユニットは、上記の構成に加えて、「前記センターブロックは、前記トイレエリアの前記トイレ室が、東側又は西側に透光部を有したトイレ室出入口を有すると共に南側に採光窓を有している」ことを特徴とする。
これにより、センターブロックにおけるトイレエリアのトイレ室を使用中に、トイレ室内の照明を点灯させるようにすることで、その照明の光が、トイレ室出入口の透光部及び採光窓からプライベートブロックの廊下側へ漏れることとなるので、トイレ室の透光部や採光窓が光っていたり、トイレ室から廊下側へ照明の光が漏れていたりするのを見ることで、トイレ室の使用の有無を知ることができ、わざわざトイレ室まで行かなくてもパブリックブロック内からでも使用の有無を確認することができる。
また、トイレ室の東側又は西側のトイレ室出入口に透光部を備えると共に、トイレ室の南面に採光窓を備えるようにしており、センターブロックのトイレエリア等の周りを囲うように配置された複数の個室の夫々から、透光部又は採光窓の何れかが見えるので、上述したように、トイレ室の使用の有無(使用状況)を確実に知ることができ、トイレ室へ確認に行ったり、トイレ室をノックしたりする煩わしさを解消することができる。
更に、本発明に係る高齢者介護ブロックユニットは、上記の構成に加えて、「前記プライベートブロックは、複数の前記個室が、前記センターブロックの前記トイレ室から4m以内の位置に前記個室出入口が配置されている」ことを特徴とする。
ところで、トイレ室から個室出入口までの距離が遠いと、入居者によっては個室からトイレ室へたどり着くまでに時間がかかることで、自主的にトイレを使用する気持ちが薄れてしまい、介護する職員の負担が増加したり、入居者が動かなくなって体力が衰えたり症状が進行したりする虞があると共に、プライベートブロックが大きくなって高齢者介護ブロックユニット全体が大きくなり、施設にかかるコストが増大する問題がある。しかしながら、本発明では、トイレ室から個室出入口までの距離を4m以内としているので、トイレ室へたどり着き易くすることができ、入居者に対してトイレを自主的に使用させて上述したような問題が発生するのを可及的に抑制することができる。
なお、トイレ室と個室出入口との間には廊下が必ず存在するので、トイレ室から個室までの距離は短くとも1.5m以上とすることが望ましく、これにより、車椅子が充分に通れる廊下とすることができる。
また、本発明に係る高齢者介護ブロックユニットは、上記の構成に加えて、「前記パブリックブロックは、前記台所エリアに、前記プライベートブロックの前記廊下における前記センターブロックの西面に接した部位の南北方向の延長線上に配置される台所カウンターを有している」ことを特徴とする。
これにより、パブリックブロックにおける台所エリアの台所カウンターを、センターブロックの西面に沿った位置に配置しているので、台所エリア内の職員が台所カウンター越しに共有室内を見ることができると共に、センターブロックの玄関エリア、中庭エリア、浴室エリア、及びトイレエリアの夫々西面を見ることができる。従って、少ない目線の移動で、共有室内の様子や、玄関エリアからの出入り、中庭エリアへの出入り、浴室エリアやトイレエリアの様子等を見ることができ、夫々の状況を確認するための職員の動きを少なくして介護に係る負担を軽減させることができる。
ところで、パブリックエリア内では、一般的に職員が台所エリアに居ることが多く、特に台所カウンターに向かって職員が居ることが多いので、上述したように、台所カウンター越しに玄関エリア、中庭エリア、浴室エリア、及びトイレエリアが見えることで、それらのエリアで問題が発生した場合でも、直ちに職員が問題の発生に気付いて速やかに対処することができ、入居者に対して安心感を与えて住み易いブロックユニット(介護施設)とすることができる。
本発明に係る高齢者介護ブロックユニットの設計方法は、「所定広さの敷地の中央を決定した上で、該中央に前記中心点が一致するように前記センターブロックを平面視で南北へ延びるように配置し、前記中心点を通る前記東西軸の南側に前記プライベートブロックを、前記中心点を通る前記南北軸の西側且つ東西軸の北側に前記パブリックブロックを、前記中心点を通る前記南北軸の東側且つ東西軸の北側に前記マネージメントブロックを、順次配置する」ことを特徴とする。
ここで、「所定広さの敷地」とは、高齢者介護ブロックユニットを備える高齢者介護施設の敷地のことであり、400m2〜1200m2の範囲内が望ましく、これよりも狭いと上述した作用効果を奏するブロックユニットを配置することができなくなるためであり、また、これよりも広いと、高齢者介護施設を開設する場所の選択自由度が低くなると共にブロックユニット周りに無駄なスペースが多くなり不要な維持費等が増加してコストが高くなり過ぎるためである。
これにより、設置場所や設計者等が変わっても、上述した作用効果を奏することができる高齢者介護ブロックユニット(高齢者介護施設)を確実に設計することができ、入居者や職員の安全を充分に確保することができると共に介護し易く短期間で開設することが可能な高齢者介護ブロックユニットを設計することができる。
このように、本発明によると、入居者や職員の安全を充分に確保することができると共に介護し易く、短期間で開設することが可能な高齢者介護ブロックユニット、及びその設計方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態である高齢者介護ブロックユニット1について、図1乃至図4に基いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である高齢者介護ブロックユニットを備えた高齢者介護施設の全体を概略で示す平面図である。また、図2は図1の高齢者介護ブロックユニットを概略で示す平面図であり、図3は図1の高齢者介護ブロックユニットを主な構成毎に分解して示す平面図である。更に、図4は図1の建物における一階の高齢者介護ブロックユニットを詳細に示す平面図であり、図5は図1の建物における二階の高齢者介護ブロックユニットを詳細に示す平面図である。
本実施形態の高齢者介護ブロックユニット1は、図1に示すように、南北方向へ延びた平面視矩形状で中心点10aが高齢者介護施設2における敷地3の略中央に配置され施設の中心となるセンターブロック10と、センターブロック10の中心点10aよりも南側を囲い入居者の私的な空間となるプライベートブロック20と、センターブロック10の中心点10aよりも北側且つ西側に配置され入居者の共有空間となるパブリックブロック30と、センターブロック10の中心点10aよりも北側且つ東側に配置され施設の事務的な空間となるマネージメントブロック40とで構成されており、センターブロック10が、プライベートブロック20、パブリックブロック30、及びマネージメントブロック40で囲まれている。
なお、本実施形態の高齢者介護ブロックユニット1は、一つの高齢者介護施設の一階と二階とに夫々独立して備えられていると共に、一階と二階の高齢者介護ブロックユニット1は、一階の高齢者介護ブロックユニット1の直上に二階の高齢者介護ブロックユニット1が配置されていると共に、後述するマネージメントブロック20内の一部を除いて略同じ構成となっており、以下、一階の高齢者介護ブロックユニット1を中心に説明する。
この高齢者介護ブロックユニット1のセンターブロック10は、図2等に示すように、北側から南側へ向かって順に、東西方向へ通過可能とされ施設内への入口となる玄関エリア11と、玄関エリア11の南面に接した露天下の中庭エリア12と、中庭エリア12の南面に接した浴室エリア13と、浴室エリア13の南面に接し東西方向へ通行可能な通路エリア14と、通路エリア14の南面に接したトイレエリア15とで構成されている。このセンターブロック10の中心点10aは、中庭エリア12と浴室エリア13との間で東西方向の中央とされている。
このセンターブロック10の玄関エリア11は、東西両壁に配置され引戸によって開閉可能とされた玄関出入口11aと、中心点10aを通り南北方向へ延びた南北軸SNの東側に配置された玄関土間11bと、玄関土間11bよりも床面が高く形成され南北軸SNの西側に配置された玄関ポーチ11cと、玄関エリア11内の北壁に沿って配置され履物等を収納する収納棚11dと、収納棚11dの西側端部に配置された洗面台11eと、玄関ポーチ11cから中庭エリア12が臨む窓11fと、を備えている。この玄関エリア11は、中庭エリア12から窓11fを通して光が差込むようになっている。
また、センターブロック10の中庭エリア12は、南北方向の略中央から南側に配置されたデッキ部12aと、デッキ部12aにおける東西両壁に配置され引戸によって出入可能とされた中庭出入口12bと、を備えている。この中庭エリア12は、東西の中庭出入口12bを通して東西方向へ通過することができるようになっていると共に、中庭出入口12bを介して中庭エリア12からパブリックブロック30の共有室31及びマネージメントブロック40のアプローチエリア41へ光が差込むようになっている。なお、二階の高齢者介護ブロックユニット1では、中庭エリア12は、一階の中庭エリア12と繋がった吹抜けとなっており、中庭出入口12bは、窓となっていると共に、図示は省略するが、転落防止用の格子が取付けられている。また、中庭エリア12と、浴室エリア13、後述するパブリックブロック30の共有室31やマネージメントブロック40のアプローチエリア41等と換気できるようにしても良い。
また、センターブロック10の浴室エリア13は、中心点10aを通る南北軸SNの西側に配置され南側の通路エリア14と連通する脱衣出入口13aを備えた脱衣室13bと、脱衣室13bの東側で南北軸SNの東側に配置された浴室13cと、浴室13c及び脱衣室13bの北壁に夫々形成された窓13dと、脱衣出入口13aの西側で通路エリア14に向かって配置された洗面台13eと、を備えている。この浴室エリア13は、窓13dを通して中庭エリア12から脱衣室13b及び浴室13cへ光が差込むようになっている。
更に、センターブロック10のトイレエリア15は、中心点10aを通る南北軸SNを挟んで東西に二つ並んだトイレ室15aを備えている。この東西に並んだ二つのトイレ室15aは、夫々東側又は西側にトイレ室出入口15bを有すると共に、南側に採光窓15cが備えられている。なお、トイレ室出入口15bは、開閉可能な引戸を備えており引戸には光が通過可能な透光部(図示は省略)が形成されている。トイレ室15a内の照明が採光窓15や透光部を通して廊下21側へ漏れるようになっており、外側からトイレ室15aの使用の有無を確認することができるようになっている。
プライベートブロック20は、センターブロック10における中心点10aを通る東西方向へ延びた東西軸EWの南側外周を囲う廊下21と、廊下21を挟んでセンターブロック20の東西軸EWの南側(浴室エリア13、通路エリア14、及びトイレエリア15)外周を囲う複数(本例では、9部屋)の個室22と、を備えている。このプライベートブロック20の廊下21は、図示するように、センターブロック10の東面及び西面ではセンターブロック10に沿って延び、センターブロック10の南面では東西方向へ建物の両端まで延びた状態となっている。また、廊下21は、センターブロック10の西面に沿った側ではセンターブロック10の南端でクランクするように建物の南端まで延びている。
このプライベートブロック20の個室22は、廊下21に面した個室出入口22aと、個室出入口22aと対向配置された個室窓22bと、個室出入口22aに隣接して配置された収納庫22cと、を備えている。この個室22は、個室出入口22aと個室窓22bとが直線上に配置されており、開けることで風通しが良いようになっている。また、各個室22は、建物の東西及び南側の何れかに面しており、日当りが良いようになっている。なお、各個室22は、個室出入口22aがトイレ室15aから4m以内の位置に配置されている。また、個室出入口22aの扉には、光が通過可能な透光部(図示は省略)が形成されており、透光部を介して廊下21側から個室22の点灯・消灯等が判るようになっている。
また、プライベートブロック20は、廊下21におけるセンターブロック10の西面に沿った北端に配置されパブリックブロック30の共有室31と出入するための共有出入口23と、廊下21におけるセンターブロック10の東面に沿った北端に配置されマネージメントブロック40のアプローチエリア41と出入可能とされると共に通常時は閉鎖された北非常口24と、廊下21におけるセンターブロック10の南面に沿って東西へ延びた西端に配置され建物外へ出入可能とされると共に通常時は閉鎖された西非常口25と、を備えている。なお、共有出入口23は、通常の状態では扉が開いた状態となっている。また、図示は省略するが、共有出入口23、北非常口24及び西非常口25の扉には、夫々窓が備えられている。更に、二階の高齢者介護ブロックユニット1では、西非常口25の外側に一階へ降りるための非常階段4とシューター5とが備えられている。
更に、プライベートブロック20は、西非常口25とは反対側で廊下21における東西へ延びた東端に配置された東窓26と、廊下21におけるセンターブロック10の南端から更に南側へ延びた部位の北側に配置された洗面台27と、洗面台27の南側に配置された洗濯場28と、洗濯場28の南面で廊下21の南端に配置された南窓29と、を備えている。プライベートブロック20の洗濯場28は、北側の洗面台27との間を引戸によって仕切ることができるようになっている。また、プライベートブロック20の南窓29は、廊下21及び共有出入口23を通してパブリックブロック30の共有室31から視認できるようになっている。
パブリックブロック30は、プライベートブロック20の廊下21に対して共有出入口23を介して出入可能とされると共にセンターブロック10の玄関エリア11及び中庭エリア12の夫々西面と接し入居者のための居間と食堂を兼ねた共有室31と、共有室31と連通すると共にセンターブロック10の玄関エリア11の北面と接する台所エリア32と、共有室31の西面北側に配置され共有室31から出入可能とされたバルコニー33と、を備えている。このパブリックブロック30の共有室31は、西面がプライベートブロック20の西面よりも西側へ突出しており、西側へ突出した部位の南面とバルコニー33よりも西面とに夫々窓31aが備えられている。
また、パブリックブロック30の台所エリア32は、共有室31から自由に出入りでき北側にレンジを有した台所32aと、台所32aの南側を仕切ると共にセンターブロック10における西側の玄関出入口11aよりも北側且つ西側に配置されシンクを有した台所カウンター32bと、台所32aの東側でセンターブロック10の北側に配置され台所32aから出入可能とされた食品庫32cと、を備えている。台所エリア32の台所32aと食品庫32cの北壁には、夫々窓32dが備えられている。また、パブリックブロック30のバルコニー33には、北端に洗濯機が設置される洗濯場33aが備えられている。
このパブリックブロック30は、台所エリア32の台所32a内で台所カウンター32bへ向かって立つと、プライベートブロック20の廊下21におけるセンターブロック10の西面に沿った南北に延びた部位の延長線上に位置することとなり、共有出入口23を通してセンターブロック10における浴室エリア13、通路エリア14、及びトイレエリア15の西面や、プライベートブロック20内等が見えるようになっている。
マネージメントブロック40は、センターブロック10の玄関エリア11及び中庭エリア12の夫々東面と接し建物外へ連通可能なアプローチエリア41と、アプローチエリア41と接すると共にセンターブロック10の玄関エリア11及びプライベートブロック30の台所エリア32と接した事務エリア42と、を備えている。
マネージメントブロック40のアプローチエリア41は、図4に示すように、建物の一階ではセンターブロック10の東面に沿って南北に延びた部位と、中心点10aを通る東西軸EWに沿って東側へ延びた部位とで略L字状に形成されたアプローチ通路41aを備えており、アプローチ通路41aの東側へ延びた部位の東端に建物外へ出入するための建物出入口41bが配置されている。また、アプローチエリア41における南北に延びた部位の東面には、北側から南側へ向かって順に階段43とエレベータ44が配置されており、階段43の略正面(西側)に玄関エリア11が位置している。なお、二階の高齢者介護ブロックユニット1では、図5に示すように、アプローチ通路41aが、南北に延びた部位のみとなっている。
また、マネージメントブロック40の事務エリア42は、センターブロック10の北面及びアプローチ通路41aにおけるセンターブロック10の東面に沿った北端と接した事務室42aと、事務室42aとアプローチ通路41aと間で出入可能とされアプローチ通路41aにおけるセンターブロック10の東面に沿った北端に配置された事務出入口42bと、事務室42aとパブリックブロック30の台所エリア32(食品庫32c)との間で出入可能とされセンターブロック10よりも北側で中心点10aを通る南北軸SN上に配置された連絡口42cと、事務室42aの北面で建物の北壁に形成された窓42dと、を備えている。
マネージメントブロック40の事務エリア42には、事務室42aと連通した洗面台45、事務トイレ室46、及び倉庫47を更に備えている。なお、二階の高齢者介護ブロックユニット1では、図5に示すように、洗面台45、事務トイレ室46、及び倉庫47が事務室42aから離れた階段43及びエレベータ44の東側に配置されている。
このマネージメントブロック40は、事務エリア42の事務室42a内から、事務出入口42b、アプローチ通路41a、及び北非常口24を通してプライベートブロック20内や、センターブロック10の浴室エリア13、通路エリア14、及びトイレエリア15の東面等が見えるようになっている。
本実施形態の高齢者介護ブロックユニット1を備えた高齢者介護施設2は、図1に示すように、敷地3内で高齢者介護ブロックユニット1の外周を囲う第一塀2aと、道路に面した南側の一部を除いて敷地3の境界に配置された第二塀2bと、を備えている。なお、本例では、敷地3の西側及び南側の一部の第二塀2bが、第一塀2aと兼用されている。
この高齢者介護施設2は、一階の高齢者介護ブロックユニット1の外側且つ第一塀2aの内側でマネージメントブロック40の東面及び北面に沿って延びた略L字状の第一通路2cと、第一通路2cの北端で中心軸10aを通る南北軸SN付近に配置され第一塀2aに形成された内門2dと、第一塀と第二塀との間で敷地3の北辺と東辺に沿って延びた略L字状の第二通路2eと、第二通路2eにおける南北に延びた部位の南端に形成された外門2fと、を備えている。これにより、高齢者介護ブロックユニット1から高齢者介護施設2外へ出るためには、マネージメントブロック40の建物出入口41bから、マネージメントブロック40の外周に沿った第一通路2cを通って北側の内門2dから第二通路2e側へ出る必要があり、事務室42a内から第二通路2eを通る入居者等を確認することができ、無断で外出したり、部外者が入ってきたりするのを防止することができるようになっている。
因みに、本実施形態の高齢者介護ブロックユニット1は、センターブロック10の南北方向の寸法が約11.8m、東西方向の寸法が約3.6mとされている。また、高齢者介護ブロックユニット1の面積は一階、二階共に約320m2とされている。更に、高齢者介護施設2の敷地面積は、約600m2とされている。
次に、本実施形態の高齢者介護ブロックユニット1の設計方法について説明する。まず、所定広さ(本例では、約600m2)の敷地3における中央を決定し、その中央にセンターブロック10の中心点10aが略一致するようにセンターブロック10を配置する(図3を参照)。続いて、センターブロック10の中心点10aを通る東西軸EWの南側に、コ字状のプライベートブロック20を配置した上で、センターブロック10の中心点10aを通る南北軸SNの西側且つ東西軸EWの北側にパブリックブロック30を配置する。更に、センターブロック10の中心点10aを通る南北軸SNの東側且つ東西軸EWの北側に、マネージメントブロック40を配置し、各ブロック内の各エリア等を決定・配置する。なお、本例では、センターブロック10の中心軸となる南北軸SNが、実際の方角に対して東へ約20度傾いた状態となっている(図1を参照)。
このように、本実施形態の高齢者介護ブロックユニット1によると、略中央に配置されるセンターブロック10に中庭12を備えており、隣接する浴室エリア13、パブリックブロック30の共有室31、マネージメントブロック40のアプローチエリア41等に対して中庭12を通して換気することができるので、高齢者介護ブロックユニット1内で火災が発生した時に、中庭12を通して火災による煙を高齢者介護ブロックユニット1外へ排出することができ、内部で煙が充満するのを防止することができると共に、煙により高齢者介護ブロックユニット1内の見通しが悪くなって避難し難くなったり、煙に巻かれたりするのを回避させることができ、高齢者介護ブロックユニット1つまり高齢者介護施設2の安全性を高めることができる。
また、センターブロック10に中庭12を備えているので、中庭12を通して高齢者介護ブロックユニット1の中心からプライベートブロック20、パブリックブロック30、及びマネージメントブロック40へ採光することができ、昼間でも高齢者介護ブロックユニット1内が暗くなるのを防止して住み易くすることができると共に、照明に係るコストを低減させることができる。
更に、センターブロック10に水周り関係として浴室エリア13とトイレエリア15のみを備えると共に、洗濯場28,33aをセンターブロック10から離れた位置に配置しているので、細菌等で汚染された物を洗濯場28,33aで洗濯してもトイレエリア15や浴室エリア13等に広がるのを防止することができ、高齢者介護ブロックユニット1内で細菌等による感染症が広がるのを可及的に抑制することができる。
また、センターブロック10では玄関エリア11、中庭エリア12、及び通路エリア14において、プライベートブロック20ではトイレエリア15の南面に接した廊下21において、更に、パブリックブロック30及びマネージメントブロック40では玄関エリア11の北面に接した台所エリア32と事務エリア42との間において、夫々東西方向へ通過可能とされているので、複数の避難経路を確保することが可能となり、非常時の際に入居者等を避難させ易くすることでき、安全性の高い高齢者介護ブロックユニット1とすることができる。
更に、センターブロック10に玄関エリア11を備えると共に、マネージメントブロック40に玄関エリア11から建物の外へ通じるアプローチエリア41を備えているので、入居者が建物の外へ出ようとしても、アプローチエリア41を必ず通ることで、マネージメントブロック40(事務室42a)内の職員に対して、外出しようとする入居者に気付き易くすることができると共に、入居者がアプローチエリア41を通ることで、気付いた職員が入居者に追付き易くすることができ、認知症等の入居者が勝手に外出してしまうのを防止することができる。
また、プライベートブロック20における複数の個室22を、浴室エリア13やトイレエリア15等を囲うように配置すると共に、プライベートブロック20を東西軸の南側に配置しているので、各個室22の個室窓22bが、高齢者介護ブロックユニット1の東面、南面、及び西面の何れかに配置さされることとなり、各個室22の日当りを良くすることができる。また、浴室エリア13やトイレエリア15等を囲うように複数の個室22を配置しているので、各個室出入口22aからトイレ室15a等の様子(使用状況)を窺うことができ、入居者がわざわざトイレ室15aのトイレ室出入口15bまで行って確認する必要が無く住み易くすることができる。
更に、パブリックブロック30では、廊下21における南北に並んだのトイレエリア15と浴室エリア13等の西面に接した側の共有出入口23を通してプライベートブロック20へ出入可能としているので、パブリックブロック30内の職員から、廊下21を通してトイレエリア15等を見易くすることができ、職員が確認のためにトイレ室15aまで見に行く必要を低減させて職員の負担を軽減させることができると共に、プライベートブロック20のトイレエリア15等で問題が発生してもパブリックブロック30内の職員が気付き易くなるので、問題の発生に対して職員が速やかに対応することができ、入居者を安心させて住み易い高齢者介護ブロックユニット1とすることができる。
また、パブリックブロック30を、中心点10aを通る南北軸SNの西側、且つ、東西軸EWの北側に配置しており、蓋然的に、パブリックブロック30(共有室31)が高齢者介護ブロックユニット1の西面に配置されることとなるので、午後からの日当りを良くして過ごし易くすることができ、快適な共有空間とすることができる。
更に、センターブロック10を敷地の略中央に配置した上で、中心点10aを通る東西軸EWの南側にプライベートブロック20を配置すると共に、中心点10aを通る南北軸SNの西側且つ東西軸EWの北側にパブリックブロック30を配置し、更に、南北軸SNの東側且つ東西軸EWの北側にマネージメントブロック40を配置して、センターブロック10をプライベートブロック20、パブリックブロック30、及びマネージメントブロック40で囲うようにしているので、設置場所や設計者等が変わっても、略同じ構成の高齢者介護ブロックユニット1とすることができ、職員用のマニュアルを流用することができると共に、職員教育を一元化して職員研修等を行い易くすることができ、開設までにかかる手間やコストを低減させることができる。
また、トイレエリア15のトイレ室15aを使用中に、トイレ室15a内の照明を点灯させるようにすることで、その照明の光が、トイレ室出入口15bの透光部及び採光窓15cから廊下21側へ漏れることとなるので、トイレ室15aの透光部や採光窓15cが光っていたり、トイレ室15aから廊下21側へ照明の光が漏れていたりするのを見ることで、トイレ室15aの使用の有無を知ることができ、わざわざトイレ室15aまで行かなくてもパブリックブロック30内からでも使用の有無を確認することができる。
また、トイレ室15aの東側又は西側のトイレ室出入口15bに透光部を備えると共に、トイレ室15aの南面に採光窓15cを備えるようにしており、トイレエリア15等の周りを囲うように配置された複数の個室22の夫々から、透光部又は採光窓15cの何れかが見えるので、上述したように、トイレ室15aの使用の有無(使用状況)を確実に知ることができ、トイレ室15aへ確認に行ったり、トイレ室15aをノックしたりする煩わしさを解消することができる。
更に、パブリックブロック30における台所エリア32の台所カウンター32bを、センターブロック10の西面に沿った位置に配置しているので、台所エリア32内の職員が台所カウンター32b越しに共有室31内を見ることができると共に、センターブロック10の玄関エリア11、中庭エリア12、浴室エリア13、及びトイレエリア15の夫々西面を見ることができ、少ない目線の移動で、共有室31内の様子や、玄関エリア11からの出入り、中庭エリア12への出入り、浴室エリア13やトイレエリア15の様子等を見ることができ、夫々の状況を確認するための職員の動きを少なくして介護に係る負担を軽減させることができる。また、台所カウンター32b越しに玄関エリア11、中庭エリア12、浴室エリア13、及びトイレエリア15等が見えることで、それらのエリアで問題が発生した場合でも、直ちに職員が問題の発生に気付いて速やかに対処することができ、入居者に対して安心感を与えて住み易くすることができる。
また、敷地3の略中央にセンターブロック10の中心点10aが位置するように、センターブロック10を配置した上で、センターブロック10を中心にしてプライベートブロック20、パブリックブロック30、及びマネージメントブロック40等を順次配置して高齢者介護ブロックユニット1を設計するようにしているので、設置場所や設計者等が変わっても、上述した作用効果を奏することができる高齢者介護ブロックユニット1(高齢者介護施設2)を確実に設計することができ、入居者や職員の安全を充分に確保することができると共に介護し易く短期間で開設することが可能な高齢者介護ブロックユニット1を設計することができる。
更に、上述したように、入居者や職員の安全を充分に確保することができると共に介護し易い高齢者介護ブロックユニット1とすることができるので、認知症の入居者にも対応することができ、高齢者介護施設2としてグループホーム等に適用することができる他に、例えば、当初は健常な高齢者が入居し、入居した高齢者が認知症になったり介護の度合いが進行したりしても、そのまま入居し続けることが可能な高齢者介護施設2とすることもできるので、入居者に対して転居の手間や不安感等を緩和させることができ、入居し易い高齢者介護施設2とすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施形態に限定するものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、高齢者介護施設2として、一階と二階に同じ高齢者介護ブロックユニット1を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、一階のみに高齢者介護ブロックユニット1を備えた平屋の高齢者介護施設としても良く、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、センターブロック10に二つのトイレ室15aと、プライベートブロック20に9部屋の個室22を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、トイレエリア15におけるトイレ室15aを、四つとすると共に、プライベートブロック20における個室22を11部屋としても良く、入居者数を増やすことができると共に、上記と同様の作用効果を奏することができる。