JP2011216369A - 高周波電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基準クロックを生成する水晶発振器の出力周波数に誤差があっても、精度の良い電力制御ができる高周波電源装置を提供する。
【解決手段】複数の基準クロック信号を発生させる基準クロック発生部116と、第1及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部101及び102と、両高周波発生部に周波数指令を与える周波数指令部104と、第1の高周波信号を増幅する電力増幅部105と、進行波電力の検出信号と第2の高周波信号とを乗算して両高周波信号の周波数の差の周波数成分を含む信号を得る乗算部107と、乗算部の出力から上記差の周波数成分を有する差周波数信号を抽出するフィルタ109と、フィルタにより抽出された差周波数信号のレベルと設定レベルとの比較演算の結果に基づいて進行波電力を設定値に保つように第1の高周波発生部105に振幅指令を与えるレベル制御部112とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置等の負荷に供給する高周波電力を発生する高周波電源装置に関するものである。
半導体への微細加工を行なうプラズマ処理装置などの負荷に電力を供給するために、高周波電源装置が用いられている。図5は高周波電源装置の基本的な構成を示したもので、同図において、1は高周波信号を発生する高周波発生部、2は高周波発生部1から得られる高周波信号を増幅する電力増幅部、3は電力増幅部の出力の一部を分波して進行波電力の情報を含む進行波検出信号を出力する高周波検出部である。また4は高周波検出部から得られる進行波検出信号から不要な周波数成分を除去するフィルタ、5はフィルタ4の出力を検波して進行波検出信号のレベルを検出するレベル検出部、6はレベル検出部4により検出された進行波検出信号のレベルとレベル設定部7により設定された設定レベルとの比較演算を行って、その演算結果に基づいて、電力増幅部2から出力される進行波電力を設定値に保つように、高周波発生部1の出力レベルを制御するレベル制御部である。
この高周波電源装置においては、高周波検出部3、レベル検出部5、レベル設定部7及びレベル制御部6により、電力増幅部2から負荷に与えられる進行波電力を設定値に保つように高周波発生部1の出力レベルを制御するALC制御(Auto Level Control)を行う制御部が構成されている。この種の電源装置は、例えば、特許文献1ないし3に示されている。
この種の高周波電源装置においては、高周波電力が高い純度を有している(不要な周波数成分を含まない)ことが要求される。そのため、高周波発生部1から電力増幅部2の出力段に至るまでの各ステージに各種の高周波フィルタを配置して、電力増幅部で発生する不要な周波数成分(スプリアス成分)を除去している。電力増幅部2の出力側には、該増幅部から負荷に与える電力から高調波成分を除去するためのローパスフィルタが設けられている。また高周波電源装置の出力と負荷との間にインピーダンス整合装置を設けて、定常状態にある負荷に対してインピーダンスの整合をとることにより、負荷で反射波電力が発生するのを防いでいる。従って、負荷が定常状態にあるときには、電力増幅部2から負荷に与えられる進行波電力のレベルが安定に保たれ、負荷で反射されて高周波電力増幅部に戻る反射波電力は最小となっている。
しかしながら、プラズマ処理装置などの負荷の起動時には、負荷のインピーダンスが非線形の状態にあって、高速で変動するため、整合装置の整合動作が追いつかず、不整合状態が生じて、負荷を節として反射波が発生する。更に負荷の内部では、その非線形性に起因して生じる周波数混合作用により、種々の新しい周波数成分がスプリアス成分として発生し、これらのスプリアス成分が反射波に重畳する。スプリアス成分が重畳した反射波電力は整合装置内を逆流し、該反射波電力のうち、高周波電力増幅部の出力側に設けられたローパスフィルタを通過し得る成分(主として基本周波数成分)が電力増幅部の出力段まで戻ってくる。この場合、電力増幅部から負荷に与えられる電力(負荷側電力)は、電力増幅部の出力側で検出した進行波電力から反射波電力を差し引いた電力となる。
また、プラズマ処理装置においては、図6に示すように、2つの高周波電源装置からプラズマ発生装置の電極に出力周波数が異なる2種類の高周波電力が同時に与えられることがある。図6において、11は第1の高周波電源装置、12は第1の高周波電源装置の出力周波数よりも周波数が低い高周波電力を出力する第2の高周波電源装置である。第1の高周波電源装置11及び第2の高周波電源装置12の出力はそれぞれ第1の整合装置13及び第2の整合装置14を通してプラズマ処理装置等の負荷15に供給されている。
第1の高周波電源装置11から負荷5に与えられる高周波電力は、プラズマ発生用の高周波電力であり、第2の高周波電源装置12から負荷15に与えられる高周波電力は、プラズマ中のイオンを引き込むためのバイアス用の高周波電力である。通常、プラズマ発生用の高周波電力の周波数は十数MHzないし数十MHz程度の高い周波数を有し、バイアス用の高周波電力の周波数は数百KHzないし数MHz程度の比較的低い周波数を有している。
このようなシステムでは、負荷のインピーダンスが複雑に変化するため、インピーダンス整合器によってインピーダンスの整合を完全にとることができず、負荷で反射波が発生するのを避けることができない。この場合、負荷から第1の高周波電源装置11の増幅部側に戻ってくる反射波には、第2の高周波電源装置12の基本周波数成分とその近辺のスプリアス周波数成分とが含まれている。第2の高周波電源装置12の基本周波数は、第1の高周波電源装置11の基本周波数よりも低いため、負荷15から第1の高周波電源装置11側に向かう反射波中のスプリアス成分は、第1の高周波電源装置11の出力側に設けられているローパスフィルタを通過して、第1の高周波電源装置の増幅部に到達してしまう。また第2の高周波電源装置12から第1の高周波電源装置11の電力増幅部に到達するスプリアス成分と第1の高周波電源装置11の出力とが混合されるため、第1の高周波電源装置11から負荷に向かう進行波電力にもスプリアス成分が含まれることになる。
一例として、プラズマ発生用の第1の高周波電源装置1の出力周波数が50MHz、バイアス用の第2の高周波電源装置2の出力周波数が2MHzである場合について、第1の高周波電源装置1から負荷に向かう進行波電力の基本周波数成分(50MHz)付近の周波数スペクトラム及び反射波電力の基本周波数成分(50MHz)付近の周波数スペクトラムを模式的に示すとそれぞれ図7及び図8のようになる。なお図8においては、便宜上縦軸のスケールを図7の縦軸のスケールと同じにしているが、実際には反射波電力のレベルの方が進行波電力のレベルよりも低くなる。
上記のように、電力増幅部2の出力側にスプリアス成分が重畳した反射波電力が戻ってくる状態では、高周波検出部3から得られる検出信号にもスプリアス成分が含まれる。検出信号にスプリアス成分が含まれていると、レベル検出部で進行波検出信号のレベル検出を正確に行うことができず、高周波発生部1の出力のALC制御を正確に行うことができない。そのため、レベル検出部5の前段にフィルタ4を挿入して、レベル検出部5に入力する信号からスプリアス成分を除去する必要がある。
なお通常「スプリアス」という語は、基本周波数の前後に現れる不要周波数と、各高調波周波数の前後に現れる不要周波数とを指す意味で用いられることが多いが、本明細書においては、説明の便宜上、負荷に供給する周波数成分としては不要な周波数成分(通常は基本周波数成分以外の成分)のすべてをスプリアス成分と呼ぶ。
上記のように、検出信号にスプリアス成分が含まれていると、レベル検出部5で進行波検出信号のレベル検出を正確に行うことができず、高周波発生部1の出力のALC制御を正確に行うことができない。このような場合、例えば特許文献4に開示されているような周波数変換方式のフィルタリングによって、スプリアス成分を除去すればよい。なお、特許文献4では、反射波電力に対するスプリアスを除去する方法が開示されているが、これを進行波電力に適用すればよい。
図9は、周波数変換方式のフィルタリングによって、進行波電力のスプリアス成分を除去する従来の高周波電源装置の構成例である。
この図9に示す高周波電源装置は、第1の高周波発生部21、電力増幅部22、高周波検出部23、第2の高周波発生部24、乗算部25、フィルタ26、差周波数信号レベル検出部27、レベル設定部28、レベル制御部29、水晶発振器31、32、33によって構成されている。
なお、水晶発振器は、内部に水晶振動子を備えており、所望の出力周波数を得るために、例えば周波数逓倍や周波数分周を行うように構成されたものである。そして、第1の高周波発生部21及び第2の高周波発生部24等では、この水晶発振器の出力信号を基準クロック信号としている。この例では、水晶発振器31から出力される基準クロック信号の周波数が50MHzであり、水晶発振器32から出力される基準クロック信号の周波数が49.5MHzである。
第1の高周波発生部21は、水晶発振器31から出力される基準クロック信号を増幅して出力するように構成されている。第1の高周波発生部21の出力周波数は、50MHzとなる。また、第2の高周波発生部24は、水晶発振器32から出力される基準クロック信号を増幅して出力するように構成されている。第2の高周波発生部24の出力周波数は、49.5MHzとなる。
第1の高周波発生部21から出力された高周波信号(50MHz)は、電力増幅部22で増幅され、高周波検出部23によって進行波電力の情報を含む進行波検出信号が検出される。この進行波検出信号と、第2の高周波発生部24から出力された高周波信号(49.5MHz)が、乗算部25に入力される。すなわち、第1の高周波発生部21の出力周波数と第2の高周波発生部24の出力周波数とは、0.5MHzの差周波数を有する。
周知のように、乗算部で2つの信号を乗算すると、2つの信号の周波数の差の周波数成分だけでなく、2つの信号の周波数の和の周波数成分を含む信号が得られる。例えば図6に示したシステムにおいて、第1の高周波電源装置11の基本周波数(第1の高周波信号S1の周波数f1)を50MHz、第2の高周波電源装置12の基本周波数を2MHzとした場合について見ると、高周波電源装置11の出力端子には、出力伝送系を通して、基本周波数50MHzの近傍にスプリアス成分として46,48,52,54MHzなどの成分が流入してくる。この場合、第2の高周波発生部24の出力周波数(第2の高周波信号S2の周波数f2)を49.5MHzに設定して、基本周波数50MHzに対する差周波数は0.5MHz、和周波数は99.5MHzとなる。同様に上記のスプリアス成分に対する差周波数は3.5,1.5,2.5,4.5MHzになり、和周波数は95.5,97.5,101.5, 103.5MHzとなる。
したがって、基本周波数に対する差周波数0.5MHzの成分を通し、スプリアス成分の差周波数以上の周波数成分を除去するフィルタ26(例えば、カットオフ周波数が1MHzの特性を有するもの)を用いれば、基本周波数に対する差周波数0.5MHzの成分を精度良く抽出できる。
その後、フィルタ26により抽出された信号のレベルが差周波数信号レベル検出部27によって検出される。そして、レベル制御部29において、その検出レベルが、レベル設定部28により設定された設定レベルと比較演算され、検出レベルが、設定レベルに近づくように第1の高周波発生部21に振幅指令が与えられる。
すなわち、周波数変換方式のフィルタリングによって、スプリアス成分を除去できるので、検出信号にスプリアス成分が含まれていることに起因して発生する、出力のALC制御を正確に行うことができないという問題を改善できる。
特開平5−63627号公報 特開平6−6144号公報 特開平11−233294号公報 特開2008−276966号公報
上記の構成において、フィルタ26、差周波数レベル検出部27、第1のレベル制御部29等をデジタル回路で構成することができる。デジタル回路は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)のような、内部の論理回路を適宜に定義、変更し得るゲートアレイを用いることにより容易に構成することができる。この場合、デジタル回路(例えばFPGA)にも外部の水晶発振器33から基準クロック信号(例えば100MHzの信号)が与えられ、デジタル回路では、この基準クロック信号の周波数を基準クロックとして各種処理を行う。多くの場合、基準クロック信号の周波数がデジタル回路におけるサンプリング周波数となる。
ところが、水晶発振器の出力周波数には、部品のばらつきや、電圧、温度の変化等に起因して個別の誤差がある。そのため、上述したように、各高周波発生部や信号処理を行うデジタル回路に個別の水晶発振器を用いていると、デジタル回路における信号処理結果に誤差が生じてしまう。
すなわち、デジタル回路では、「入力周波数/サンプリング周波数」で入力信号の正規化を行っているため、「入力周波数」及び「サンプリング周波数」に生じる誤差が同じ割合でないと誤差の有る/無しで「入力周波数/サンプリング周波数」の値が異なる。その結果、デジタル回路における信号処理結果に誤差が生じてしまう。なお、本明細書では、「入力周波数/サンプリング周波数」で表される数値を「正規化周波数」という。
例えば、水晶発振器31の出力周波数に、α倍の誤差(誤差が+1%のときは、α=1.01)があり、水晶発振器32の出力周波数に、β倍の誤差(誤差が+1%のときは、β=1.01)があり、水晶発振器33の出力周波数に、γ倍の誤差(誤差が+1%のときは、γ=1.01)があるとする。
この場合、第1の高周波発生部の出力周波数は、水晶発振器31の出力周波数の誤差と同じだけ誤差が含まれるので、50×αMHzとなる。同様に、第2の高周波発生部の出力周波数は、水晶発振器32の出力周波数の誤差と同じだけ誤差が含まれるので、49.5×βMHzとなる。そのため、乗算部25を通過する差周波数は、50×α−49.5×β[MHz]となる。この周波数が、フィルタ26の入力周波数となる。
また、デジタル回路用の基準クロック信号の周波数は100×γMHzであるので、デジタル回路のサンプリング周波数も、100×γMHzである。
ここで、フィルタ26をデジタルフィルタ(デジタル回路)として構成すると、フィルタ26では、100×γMHzのサンプリング周波数で信号処理することになる。そのため、正規化周波数は、「入力周波数/サンプリング周波数」=(50×α−49.5×β)/100×γとなる。
これに対して、各水晶発振器の出力周波数に誤差が無い場合は、α=β=γ=1であるので、正規化周波数は、0.005となる。すなわち、各水晶発振器の出力周波数に誤差が生じると、正規化周波数は0.005よりもずれた値になってしまう。
そのため、例えば、フィルタ26が、フィルタ通過周波数帯域の非常に狭いバンドバスフィルタであれば、正規化周波数が0.005のときに、信号レベルが減衰することなく(または殆ど減衰することなく)デジタルバンドパスフィルタを通過するように設計される。そうなると、正規化周波数が0.005から少しずれてしまうだけで、信号レベルが大きく減衰してしまう。
差周波数レベル検出部27では、フィルタ26から出力される差周波数信号の出力信号のレベルを検出するが、差周波数レベル検出部27においても、「入力周波数/サンプリング周波数」によって正規化された信号が処理される。そのため、フィルタ26をデジタルフィルタ(デジタル回路)として構成した場合と同様に、正規化周波数のずれに起因する問題が生じる。
しかも、上述したように、水晶発振器の出力周波数には、部品のばらつきや、電圧、温度の変化等に起因して個別の誤差があるので、上記のα、β、γは、一定ではなく、個々の水晶発振器によって異なる。すなわち、デジタル回路における信号処理結果(演算結果)に誤差が生じてしまうだけでなく、その誤差にはばらつきがあるので、校正も難しい。
その結果、進行波電力の検出信号の検出精度が低下するので、進行波電力の制御精度が低下してしまう。
なお、図示していないが、反射波電力を検出する場合は、進行波電力と同様に、乗算部等を設けて、周波数変換方式のフィルタリングによって検出すればよい。しかし、その場合も進行波電力の場合と同様に、水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題が生じる。
本発明の目的は、基準クロックを生成する水晶発振器の出力周波数に誤差があっても、精度の良い電力制御ができる高周波電源装置を提供することにある。
第1の発明によって提供される高周波電源装置は、
単一の水晶発振器を用いて、複数の基準クロック信号を発生させる基準クロック発生部と、
前記基準クロック発生部で発生させた基準クロック信号を用いて、周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部と、
前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように前記第1及び第2の高周波発生部に前記周波数指令を与える周波数指令部と、
前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号を検出する高周波検出部と、
前記高周波検出部により得られた進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る乗算部と、
前記乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する差周波数信号を抽出するフィルタと、
前記フィルタにより抽出された差周波数信号のレベルを検出する差周波数信号レベル検出部と、
前記差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅レベル指令を与えるレベル制御部と、
を備えたことを特徴としている。
第2の発明によって提供される高周波電源装置は、
前記第2の高周波発生部の出力レベルを検出する出力レベル検出部と、
前記出力レベル検出部により検出されたレベルを第2の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記第2の高周波発生部の出力レベルを設定された一定値に保つように前記第2の高周波発生部に振幅指令を与える第2のレベル制御部と、
をさらに備えたことを特徴としている。
第3の発明によって提供される高周波電源装置は、
前記第1及び第2の発明において、前記フィルタ、前記差周波数信号レベル検出部の少なくとも1つがデジタル回路で構成されていることを特徴としている。
第4の発明によって提供される高周波電源装置は、
単一の水晶発振器を用いて、複数の基準クロック信号を発生させる基準クロック発生部と、
前記基準クロック発生部で発生させた基準クロック信号を用いて、周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部と、
前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように前記第1及び第2の高周波発生部に前記周波数指令を与える周波数指令部と、
前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号と前記負荷側から前記電力増幅部に向かう反射波電力の情報を含む反射波検出信号とを検出する高周波検出部と、
前記高周波検出部により得られた進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第1の乗算部と、
前記第1の乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタと、
前記第1のフィルタにより抽出された第1の差周波数信号のレベルを検出する第1の差周波数信号レベル検出部と、
前記高周波検出部により得られた反射波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第2の乗算部と、
前記第2の乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号を抽出する第2のフィルタと、
前記第2のフィルタにより抽出された第2の差周波数信号のレベルを検出する第2の差周波数レベル検出部と、
前記第1の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルから前記第2の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを減算したレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅指令を与えるレベル制御部と、
を備えたことを特徴としている。
第5の発明によって提供される高周波電源装置は、
前記出力レベル検出部により検出されたレベルを第2の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記第2の高周波発生部の出力レベルを設定された一定値に保つように前記第2の高周波発生部に振幅指令を与える第2のレベル制御部と、
をさらに備えたことを特徴としている。
第6の発明によって提供される高周波電源装置は、
前記第4及び第5の発明において、前記第1のフィルタ、前記第1の差周波数信号レベル検出部、前記第2のフィルタ、前記第2の差周波数信号レベル検出部の少なくとも1つがデジタル回路で構成されていることを特徴としている。
第7の発明によって提供される高周波電源装置は、
前記第1〜第6の発明おいて、前記第1及び第2の高周波発生部が、DDS(Direct Digital Synthesizer)方式の高周波発生部であることを特徴としている。
本発明によれば、周波数変換方式のフィルタリングによってスプリアス成分を除去するようにした場合に、基本周波数の成分を精度良く抽出できるだけでなく、水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題も改善できる。ひいては、基準クロックを生成する水晶発振器の出力周波数に誤差があっても、精度の良い電力制御ができる高周波電源装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態の構成を示したブロック図である。 本発明の第2の実施形態の構成を示したブロック図である。 フィルタ109の構成例を示すブロック図である。 デジタルバンドパスフィルタの周波数特性の一例を示す図である。 従来の高周波電源装置の構成を示したブロック図である。 プラズマ処理装置等の負荷に出力周波数が異なる2つの高周波電源装置から電力を供給するシステムの構成を示したブロック図である。 図6に示したシステムにおいて、電力増幅部の出力側で検出される進行波電力の周波数分布の一例を示した周波数スペクトラムである。 図6に示したシステムにおいて、電力増幅部の出力側で検出される反射波電力の周波数分布の一例を示した周波数スペクトラムである。 周波数変換方式のフィルタリングによって、進行波電力のスプリアス成分を除去する従来の高周波電源装置の構成例である。
[第1の実施形態]
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係わる高周波電源装置の第1の実施形態の構成を示したものである。同図において、101は、第1の周波数指令Cf1により指令された出力周波数と第1の振幅レベル指令Ca1により指令された出力振幅レベルとを有する第1の高周波信号S1を発生する第1の高周波発生部、102は第2の周波数指令Cf2により指令された出力周波数と第2の振幅レベル指令Ca2により指令された出力振幅レベルとを有する第2の高周波信号S2を発生する第2の高周波発生部である。本実施形態では、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102が、公知のDDS(Direct Digital Synthesizer)により構成されている。
また、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102は、後述する基準クロック信号発生部から出力される基準クロック信号を用いて第1の高周波信号S1及び第2の高周波信号S2を発生させる。
なお、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102がDDS方式の高周波発生部であれば、入力される基準クロック信号と同じ周波数の第1の高周波信号S1及び第2の高周波信号S2を発生させるだけでなく、基準クロック信号を用いて所望の周波数を合成することができる。例えば、第1の高周波発生部101に入力される基準クロック信号の周波数が50MHzや100MHzであっても、第1の周波数指令Cf1により指令された出力周波数が50.5MHzであれば、第1の高周波発生部101は、50.5MHzの周波数を有する第1の高周波信号S1を発生させることができる。第2の高周波発生部102でも同様である。
もちろん、基準クロック信号を用いて所望の周波数を合成することができる機能を有するものであれば、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102は、DDS方式の高周波発生部でなくてもよい。
104は第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差デルタfを一定に保つように第1及び第2の高周波発生部101及び102に周波数指令Cf1及びCf2をそれぞれ与える周波数指令部である。
本実施形態で用いる周波数指令部104は、予め定められた周波数または上位制御装置等から入力された周波数を第1の周波数f1とし、第1の周波数f1に対して一定の差デルタfを有する周波数を第2の周波数f2として、第1の周波数f1を有する第1の高周波信号S1を発生させることを指令する第1の周波数指令Cf1及び第2の周波数f2を有する第2の高周波信号S2を発生することを指令する第2の周波数指令Cf2をそれぞれ第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に同時に与えることにより、第1の高周波信号の周波数f1と第2の高周波信号の周波数f2との差を常に一定値デルタf(=|f1−f2|)に保つように、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102を制御する。第2の高周波信号S2の周波数f2は第1の高周波信号S1の周波数f1よりも低くても、高くてもよい。なお、第1の高周波信号S1の周波数f1(第1の高周波発生部101の出力周波数)は、第1の高周波電源装置11の基本周波数と一致する。
なお、後述する基準クロック発生部116において、第1の周波数指令Cf1及び第2の周波数指令Cf2を用いる場合がある。この場合は、第1の周波数指令Cf1及び第2の周波数指令Cf2を基準クロック発生部116に向けて出力する。
また105は公知の電力増幅回路からなる電力増幅部で、第1の高周波信号S1を増幅
して負荷に与える高周波電力を出力する。電力増幅部105の出力は図示しないインピーダンス整合装置を通してプラズマ処理装置等の負荷に供給される。なお、インピーダンス整合装置が用いられない場合もある。
106は、電力増幅部105の出力端と図示しないインピーダンス整合装置との間に挿入された高周波検出部である。この高周波検出部は、例えば方向性結合器からなっていて、電力増幅部105から負荷に向かう進行波電力の一部を分波して、該進行波電力の情報を含む進行波検出信号Spを出力する。
なお、高周波検出部106で得られる進行波検出信号の周波数成分は、第1の高周波信号S1の周波数f1を主成分とするが、それ以外にスプリアスの周波数成分が含まれる。そして、スプリアスの周波数も、第1の高周波信号S1の周波数f1の変化に応じて変化する。
また107は、高周波検出部により得られた進行波検出信号Spと第2の高周波発生部102が出力する第2の高周波信号S2とが入力された乗算部で、この乗算部は、進行波検出信号Spと第2の高周波信号S2とを乗算することにより、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfp’を出力する。
周知のように、乗算部で2つの信号を乗算すると、2つの信号の周波数の差の周波数成分だけでなく、2つの信号の周波数の和の周波数成分を含む信号が得られる。例えば図6に示したシステムにおいて、第1の高周波電源装置11の基本周波数(第1の高周波信号S1の周波数f1)を50MHz、第2の高周波電源装置12の基本周波数を2MHzとした場合について見ると、高周波電源装置11の出力端子には、出力伝送系を通して、基本周波数50MHzの近傍にスプリアス成分として46,48,52,54MHzなどの成分が流入してくる。この場合、第2の高周波発生部102の出力周波数(第2の高周波信号S2の周波数f2)を49.5MHzに設定して、希望の差周波数を0.5MHzとした場合、基本周波数50MHzに対する差周波数は0.5MHz、和周波数は99.5MHzとなる。同様に上記のスプリアス成分に対する差周波数は3.5,1.5,2.5,4.5MHzになり、和周波数は95.5,97.5,101.5, 103.5MHzとなる。
上記のように、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差を常に一定値デルタfに保つように制御されているため、仮に第1の高周波電源装置11の基本周波数(第1の高周波信号S1の周波数f1)が50MHzから50.5MHzに変化した場合であっても、基本周波数50MHzに対する差周波数は0.5MHzで一定となる。また、スプリアスの周波数も、基本周波数(第1の高周波信号S1の周波数f1)の変化に応じて変化するので、スプリアス成分に対する差周波数も上記に示した関係と変わらない。
したがって、基本周波数に対する差周波数0.5MHzの成分を通し、スプリアス成分の差周波数以上の周波数成分を除去するフィルタ109(例えば、カットオフ周波数が1MHzの特性を有するもの)を用いれば、基本周波数に対する差周波数0.5MHzの成分を精度良く抽出できる。すなわち、高周波検出部106から出力された信号から基本周波数の成分を精度良く抽出できる。
なお、第1の高周波電源装置11の基本周波数が50MHzから50.5MHzに変化した場合、基本周波数50MHzに対する和周波数は100.5MHzとなり、上記に示した関係と異なる。また、スプリアス成分に対する和周波数も上記に示した関係と異なってしまう。しかし、これらの周波数成分は、フィルタ109によって除去される対象であるので、影響を及ぼさない。
フィルタ109は、乗算部107の出力から希望する差周波数信号Sfpを抽出するフィルタである。このフィルタは、アナログフィルタ(パンドパスフィルタまたはローパスフィルタ)からなっていてもよく、デジタルフィルタ(デジタルフィルタはデジタル回路によって構成される。すなわちデジタルフィルタはデジタル回路の一種である)からなっていてもよい。
また、フィルタ109は、アナログフィルタと、アナログフィルタの出力をデジタル処理して差周波数信号を抽出するデジタルフィルタとの組み合わせからなっていてもよい。すなわち、乗算部の出力をアナログフィルタに通して不要な周波数成分を除去したのちにデジタルフィルタによりフィルタリングを行うようにすれば、デジタルフィルタにおける信号処理がし易くなるという利点がある。
なお、デジタル回路は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)のような、内部の論理回路を適宜に定義、変更し得るゲートアレイを用いることにより容易に構成することができる。また、本実施形態では、フィルタ109だけでなく、後述する差周波数レベル検出部110、第1のレベル制御部112、基準クロック信号発生部116もデジタル回路(例えばFPGA)で構成している。
フィルタ109により抽出された差周波数信号Sfpは、差周波数レベル検出部110に与えられる。差周波数レベル検出部110は、差周波数信号Sfpをアナログ処理またはデジタル処理することにより、該差周波数信号Sfpのレベルを検出する部分である。本実施形態では、差周波数レベル検出部110がデジタル回路からなっていて、差周波数信号Spfをデジタル処理することにより、差周波数信号Sfpのレベルを示すレベル検出信号Spaを出力する。
なお、本実施形態ではアナログ回路、デジタル回路が混在しているので、必要に応じて、A/Dコンバータ、D/Aコンバータが用いられるが、図1では図示を省略している。例えば、フィルタ109をアナログフィルタとし、差周波数レベル検出部110をデジタル回路とした場合は、両者の間にA/Dコンバータを挿入すればよい。
差周波数信号レベル検出部110から得られるレベル検出信号Spaは、第1のレベル設定部111から出力される第1のレベル設定信号Spasとともに第1のレベル制御部112に入力される。第1のレベル制御部112は、差周波数信号レベル検出部110により検出されたレベルを第1のレベル設定部111により設定された第1の設定レベルと比較演算して、その演算結果に基づいて電力増幅部105から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように第1の高周波発生部101に振幅指令Ca1を与える部分である。
なお第1のレベル設定信号Spasにより設定される第1の設定レベルは、電力増幅部105から出力される進行波電力の電力値を設定値に等しくするために必要な第1の高周波発生部101の出力レベルを与えるものである。
第1のレベル制御部112はアナログ回路からなっていてもよく、デジタル回路からなっていてもよい。本実施形態では、デジタル回路(例えばFPGA)からなっている。
116は、単一の水晶発振器117を用いて、複数の基準クロック信号を発生させる基準クロック発生部である。この基準クロック発生部116からデジタル回路で用いる基準クロック信号(例えば100MHzの信号)が与えられ、デジタル回路では、その基準クロック信号を用いて各種処理が行われる。多くの場合、基準クロック信号の周波数がデジタル回路におけるサンプリング周波数となる。なお、上述したように、本実施形態では、フィルタ109、差周波数レベル検出部110がデジタル回路(例えばFPGA)で構成されているので、基準クロック発生部116で発生させた基準クロック信号が、フィルタ109及び差周波数レベル検出部110に与えられる。
また、基準クロック発生部116は、第1の高周波発生部で用いる基準クロック信号として、周波数指令部104から第1の高周波発生部に与える周波数指令に対応する周波数(例えば50MHz)の基準クロック信号を発生させるとともに、第2の高周波発生部で用いる基準クロック信号として、周波数指令部から第2の高周波発生部に与える周波数指令に対応する周波数(例えば49.5MHz)の基準クロック信号を発生させる。
すなわち、周波数指令部104から第1の高周波発生部101に与える第1の周波数指令Cf1及び周波数指令部104から第2の高周波発生部102に与える第2の周波数指令Cf2に対応させる必要があるので、必要に応じて周波数指令部104から出力された第1の周波数指令Cf1及び第2の周波数指令Cf2を入力すればよい。
もちろん、周波数指令部104から第1の高周波発生部に与える第1の周波数指令Cf1に対応する周波数(例えば50MHz)、及び周波数指令部から第2の高周波発生部に与える第2の周波数指令Cf2に対応する周波数(例えば49.5MHz)が一定値(固定値)であれば、周波数指令部104から出力された第1の周波数指令Cf1及び第2の周波数指令Cf2を入力する必要はなく、例えばメモリ(図略)を設けて、その周波数を記憶させるようにすればよい。
なお、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102がDDS方式の高周波発生部のように、所望の周波数を合成できる機能があれば、基準クロック発生部116から第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に与える基準クロック信号の周波数を、第1の周波数指令Cf1及び第2の周波数指令Cf2に対応させる必要がない。そのため、第1の高周波発生部101に与える基準クロック信号の周波数を一定値(例えば50MHz、100MHz)にしてもよい。同様に、第2の高周波発生部102に与える基準クロック信号の周波数を一定値(例えば49.5MHz、100MHz)にしてもよい。また、上記例のように、第1の高周波発生部及び第2の高周波発生部に与える基準クロック信号の周波数を水晶発振器117の出力周波数と同一にすることもできる。この場合、基準クロック発生部116は、水晶発振器117の出力をそのまま第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に与えればよい。
本実施形態では、デジタル回路(例えばFPGA)を用いてデジタル処理を行っているので、単一の水晶発振器117の出力信号を用いて、複数の基準クロック信号を発生させることができる。また、デジタル回路では、「入力周波数/サンプリング周波数」で周波数の正規化を行っているため、本実施形態のように構成すると、「入力周波数」、「サンプリング周波数」ともに水晶発振器の出力周波数と同じ割合の誤差が含まれる。その結果、水晶発振器の出力周波数の誤差が相殺されるので、水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題が生じない。本実施形態では、フィルタ109及び差周波数信号レベル検出部110において、上記のような効果がある。以下、この理由を説明する。
<フィルタにおける効果>
図3は、フィルタ109の構成例を示すブロック図である。上述したように、フィルタ109は、図3(a)に示すように、アナログフィルタからなっていてもよく、図3(b)に示すように、デジタルフィルタからなっていてもよい。また、図3(c)に示すように、アナログフィルタと、アナログフィルタの出力をデジタル処理して差周波数信号を抽出するデジタルフィルタとの組み合わせからなっていてもよい。
なお、近年では、信号処理のデジタル化が進み、上述したようなFPGA等を用いて高度な信号処理がされるようになってきた。そのため、図3(b)、(c)に示すように、デジタルフィルタを含む構成にすることが多い。その中でも多いのが図3(c)に示す構成である。また、このようなデジタルフィルタとしては、通過周波数帯域の非常に狭いバンドパスフィルタが用いられる傾向にある。
例えば、上述したように、第1の高周波発生部101から出力される第1の高周波信号S1の周波数が50MHz、第2の高周波発生部102から出力される第2の高周波信号S2の周波数が49.5MHzであるとすれば、乗算部107を通過する差周波数は0.5MHzの周波数成分を含む信号となる。この0.5MHzが基準周波数となる。そして、フィルタ109は、基準周波数である0.5MHzの周波数成分は通過させるが、それ以外の周波数成分を除去する特性であることが望まれる。そのため、図4に示すような特性のデジタルバンドパスフィルタが用いられる。
図4は、デジタルバンドパスフィルタの周波数特性の一例を示す図である。この図4において、横軸は、「入力周波数/サンプリング周波数」で表される正規化周波数であり、縦軸は、デジタルバンドパスフィルタの出力レベル[dB]を示す。
上記の例では、乗算部107の出力信号Sfp‘の周波数が入力周波数となり、デジタル回路で用いる基準クロック信号の周波数がサンプリング周波数となる。すなわち、水晶発振器117の出力周波数に誤差がなければ、入力周波数が0.5MHzとなり、デジタル回路で用いる基準クロック信号の周波数が100MHzとなるので、正規化周波数は0.005となる。
ここで図4を参照すると、正規化周波数が0.005のときに、信号レベルが減衰することなく(または殆ど減衰することなく)デジタルバンドパスフィルタを通過するように設計されていることを示している。しかし、正規化周波数が0.005から少しずれると、信号レベルが大きく減衰してしまうことが分かる。
本実施形態のように、基準クロック発生部116は、単一の水晶発振器を用いて、複数の基準クロック信号を発生させているので、発生させる複数の基準クロック信号の周波数にも水晶発振器117の出力周波数と同じ割合の誤差が含まれる。その基準クロック発生部116で発生させた基準クロック信号を用いて、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102から第1の高周波信号S1及び第2の高周波信号S2を発生させているので、乗算部107に入力される2つの信号にも同じ割合の誤差が含まれる。そのため、乗算部107から出力される第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfp’にも同じ割合の誤差が含まれる。
ここで、水晶発振器117の出力周波数に、α倍の誤差(誤差が+1%のときは、α=1.01)があると仮定すると、デジタル回路用の基準クロック信号の周波数は100×αMHzとなる。また、基準クロック発生部116は、単一の水晶発振器を用いて、複数の基準クロック信号を発生させているので、第1の高周波発生部用の基準クロック信号の周波数及び第2の高周波発生部用の基準クロック信号の周波数にも、上記のα倍の誤差が生じる。すなわち、第1の高周波発生部用の基準クロック信号の周波数は50×αMHz、第2の高周波発生部用の基準クロック信号の周波数は49.5×αMHzとなる。そのため、乗算部107を通過する差周波数は、50×α−49.5×α=0.5×αMHzとなる。また、デジタル回路用の基準クロック信号の周波数にも上記のα倍の誤差が生じるので、100×αMHzとなる。
そうなると、「入力周波数/サンプリング周波数」で表される正規化周波数は、0.5×α[MHz]/100×α[MHz]=0.005となる。すなわち、たとえ水晶発振器117の出力周波数に、α倍の誤差があっても、水晶発振器の出力周波数に誤差がない場合と同じ結果となるので、見かけ上、誤差が含まれないことになる。したがって、従来の問題を改善することができる。
なお、フィルタ109としてアナログフィルタを用いた場合は、上記のような通過周波数帯域の非常に狭いバンドパスフィルタを設計することが困難である。反対に、水晶発振器117の出力周波数の誤差に起因して、乗算部107から出力される第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfp’に誤差が含まれたとしても、その影響は殆どない。
<差周波数信号レベル検出部における効果>
上述したように、差周波数信号レベル検出部110は、フィルタ109から出力される差周波数信号Spfの出力信号のレベルを検出する。また、差周波数信号Spfは、例えば0.5MHzの周波数成分を有する信号であるため、信号の振幅を演算によって求めることで、信号のレベルを検出することができる。
周知のように、正弦波信号は、式(1)で表すことができる。このように、正弦波信号も「入力周波数/サンプリング周波数」で周波数の正規化を行っている。また、後述する余弦波信号でも同様である。
Asin (2π・fin/fsample・(t)) ・・・・・(1)
A:振幅
fin:測定信号の周波数
fsample:サンプリング周波数
また、正弦波信号は、式(2)で表すことができる。
Acos (2π・fin/fsample・(t)) ・・・・・(2)
ここで、正弦波を微分すると余弦波になることは周知であり、また、微分は2点間の傾きで表されるので、式(2)は、式(3)のように表すことができる。
Acos (2π・fin/fsample・(t))
=(Asin(2π・fin/fsample・(t+1))−Asin(2π・fin/fsample・(t-1)))/(2・sin(2π・fin/fsample)) ・・・・・(3)
なお、上記式(3)では、基準点におけるサンプリングデータの値を、Asin(2π・fin/fsample・(t))とし、基準点の1つ前のサンプリングデータの値を、Asin(2π・fin/fsample・(t−1))とし、基準点の1つ後のサンプリングデータの値を、Asin(2π・fin/fsample・(t+1))としている。また、上記式(3)は、三角関数の公式(sinα−sinβ=2cos((α+β)/2)・sin((α−β)/2))から容易に求めることができる。
すなわち、デジタル信号波形を構成する複数点のサンプリングデータの中での基準点の前後各1点のサンプリングデータを用いて、基準点におけるデジタル信号波形の傾きを算出すれば、基準点における微分値に相当する値を求めることができる。
また、同時刻の正弦波の値と余弦波の値が分かれば、式(4)によって、デジタル信号波形の振幅を算出できる。
A=√(S+C) ・・・・・・・・・・・・・・(4)
S:基準点におけるサンプリングデータの値(正弦波の値)
C:基準点におけるデジタル信号波形の微分値(余弦波の値)
したがって、デジタル信号波形を構成する複数点のサンプリングデータの中での基準点のデータおよびその前後各1点のサンプリングデータ(計3点のデータ)が分かれば、デジタル信号波形の振幅を算出できる。
すなわち、差周波数信号レベル検出部110でも「入力周波数/サンプリング周波数」で入力信号の正規化を行っているため、本実施形態のように構成すると、「入力周波数」、「サンプリング周波数」ともに水晶発振器の出力周波数と同じ割合の誤差が含まれる。しかし、上述したように水晶発振器の出力周波数の誤差が相殺されるので、水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題が生じない。
そのため、本実施形態で説明したように、周波数変換方式のフィルタリングによってスプリアス成分を除去するようにした場合に、基本周波数の成分を精度良く抽出できるだけでなく、水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題も改善できる。ひいては、基準クロックを生成する水晶発振器の出力周波数に誤差があっても、精度の良い電力制御ができる高周波電源装置を提供できる。
なお上述したように、フィルタ109、差周波数信号レベル検出部110の双方で効果があるので、フィルタ109、差周波数信号レベル検出部110の双方をデジタル回路で構成しなくても、どちらか一方だけをデジタル回路で構成しても水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題も改善できる。
<その他の効果>
本実施形態ではまた、第2の高周波発生部102の出力レベルを検出する出力レベル検出部113が設けられて、その出力信号S2aが、第2のレベル設定部114から出力される第2のレベル設定信号S2asと共に第2のレベル制御部115に入力されている。第2のレベル制御部115は、出力レベル検出部113により検出された第2の高周波発生部102の出力レベルを第2のレベル設定部114により設定された第2の設定レベルと比較演算して、その演算結果に基づいて第2の高周波発生部102が出力する第2の高周波信号S2のレベルを第2の設定レベルに保つように第2の高周波発生部102に振幅指令Ca2を与える。本実施形態では、第2のレベル制御部115がデジタル回路からなっていて、出力レベル検出部113から得られるレベル検出信号S2aがA/D変換器を通して第2のレベル制御部115に与えられる。第2のレベル制御部115は、レベル検出信号S2aのレベルを第1の設定レベルに等しくするために必要な第2の高周波信号S2のレベルを演算して、演算したレベルの第2の高周波信号S2を第2の高周波発生部102から発生させるように、第2の高周波発生部102に振幅指令Ca2を与える。
本実施形態の高周波電源装置においては、周波数指令部104が、第1の高周波信号の
周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生
部に同時に周波数指令Cf1及びCf2を与えるため、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差デルタfは常に一定である。電力増幅部105は、第1の高周波発生部101から得られる第1の高周波信号S1を増幅して負荷に供給する高周波電力を出力する。電力増幅部105から負荷に与えられる進行波電力は、高周波検出部106により検出される。高周波検出部106から得られる進行波検出信号Spは、第2の高周波信号S2と共に乗算部107に入力される。乗算部107は、進行波検出信号と第2の高周波信号S2とを乗算して、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差デルタf(=f1−f2)の周波数成分を含む信号Sfp’を出力する。フィルタ109は、信号Sfp’からスプリアス成分を除去して第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する差周波数信号Sfpを抽出して、この差周波数信号Sfpを差周波数信号レベル検出部110に与える。差周波数信号レベル検出部110は、差周波数信号Sfpを検波してそのレベルを検出し、検出したレベルを第1のレベル制御部112に与える。第1のレベル制御部112は、差周波数信号レベル検出部110により検出されたレベルを第1のレベル設定部111により設定された第1の設定レベルと比較演算して、その演算結果に基づいて電力増幅部105から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように第1の高周波発生部101に振幅指令Ca1を与えるため、電力増幅部105から負荷に与えられる高周波電力が設定値に保たれる。
上記のように、本発明においては、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部101及び102に周波数指令を与えることにより、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つようにしたので、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させるために第1の高周波発生部101の出力周波数を変化させても、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に電力増幅部105の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができ、負荷に供給する高周波電力の電力値の制御の精密性をなんら損なうことなく、高周波電力の周波数を任意に変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
また本実施形態の高周波電源装置においては、第2のレベル制御部115が、出力レベル検出部113により検出された第2の高周波発生部102の出力レベルを第2の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて第2の高周波発生部102の出力レベル(第2の高周波信号S2の信号レベル)を設定された一定値に保つように第2の高周波発生部102に振幅指令を与えるため、第2の高周波発生部の出力レベルを常に一定のレベル(第2の設定レベル)に保つことができる。そのため、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により、乗算部108の出力レベルが変動して、電力増幅部105の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができる。
従って、本実施形態によれば、周波数変換方式のフィルタリングによってスプリアス成分を除去するようにした場合に、基本周波数の成分を精度良く抽出できるだけでなく、水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題も改善できる。さらに、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により乗算部の出力が変動して電力増幅部105の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防いで、高周波電力の電力値を設定値に保つ制御をより精密性を高めて行うことができる。
上記実施形態のように、第2の高周波電源発生部102の出力レベルを一定に制御することが望ましいが、第2の高周波電源発生部102の出力に予測される変動が僅かである場合には、第2の高周波電源発生部102の出力レベルを制御する制御系を省略することができる。従って、本発明に係わる高周波電源装置の基本的な構成では、図1に示した実施形態の出力レベル検出部113、第2のレベル制御部115及び第2のレベル設定部114を省略することができる。
図1に示した実施形態においては、第1及び第2の高周波発生部101及び102を、独立したDDSとしたが、これらも第1のレベル制御部112等とともに、デジタル回路(例えばFPGA)で構成してもよい。
[第2の実施形態]
図2は本発明に係わる高周波電源装置の第2の実施形態の構成を示したものである。この実施形態では、高周波検出部106が、電力増幅部105から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号Spと負荷側から電力増幅部105に向かう反射波電力の情報を含む反射波検出信号Srとを出力するように構成されている。また、図1に示した第1の実施形態では、電力増幅部105から出力される進行波電力を設定値に保つように、第1の高周波発生部101に振幅指令を与えていたが、この第2の実施形態では、電力増幅部105から負荷に与えられる電力(進行波電力から反射波電力を差し引いた電力)を設定値に保つように、第1の高周波発生部101に振幅指令を与えるように構成されている。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図2に示した実施形態では、図1に示した乗算部107、フィルタ109及び差周波数信号レベル検出部110をそれぞれ第1の乗算部107、第1のフィルタ109及び第1の差周波数信号レベル検出部110としている。また、図1に示された構成に加えて、更に、第2の乗算部121と、第2のフィルタ123と、第2の差周波数信号レベル検出部124とが設けられている。なお、第1のレベル設定部111及び第1のレベル制御部112は、後述するように、図1に示したものとは機能が異なるが、便宜上、同じ符号を用いている。
第2の乗算部121は、高周波検出部106により得られた反射波検出信号Srと第2の高周波発生部102が出力する第2の高周波信号S2とを乗算して、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfr’を出力する。
第2のフィルタ123は、第2の乗算部122の出力からスプリアス成分を除去して、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号Sfrを抽出し、抽出した第2の差周波数信号Sfrを第2の差周波数信号レベル検出部124に与える。この第2のフィルタ123は、第1のフィルタ109と同様の構成である。
図2に示した実施形態において、第2のフィルタ123はアナログフィルタでもよく、デジタルフィルタでもよい。第2のフィルタ123はまた、アナログフィルタとデジタルフィルタとを組み合わせたものでも良い。本実施形態では、第2のフィルタ123が、デジタルフィルタまたはアナログフィルタとデジタルフィルタとを組み合わせたもので構成されている。すなわち、本実施形態では、第2のフィルタ123は、少なくとも一部がデジタル回路で構成されている。
第2の差周波数信号レベル検出部124は、第2の差周波数信号Sfrのレベルを検出して、検出したレベルを示す第2のレベル検出信号Sraを周波数制御部104に与える。この第2の差周波数信号レベル検出部124は、第1の差周波数信号レベル検出部110と同様の構成である。
また、第2の差周波数信号レベル検出部124は、アナログ回路(例えば検波回路)からなっていてもよく、デジタル回路からなっていてもよい。本実施形態では、第2の差周波数信号レベル検出部124がデジタル回路からなっていて、差周波数信号Sprをデジタル処理することにより、差周波数信号Sfrのレベルを示すレベル検出信号Sraを出力する。
また、本実施形態では、上述したように、第2のフィルタ123、第2の差周波数信号レベル検出部124がデジタル回路(例えばFPGA)で構成されているだけでなく、第1の実施形態と同様に、第1のフィルタ109、第1の差周波数信号レベル検出部110、第1のレベル制御部112がデジタル回路(例えばFPGA)で構成されている。
第2の差周波数信号レベル検出部124から得られるレベル検出信号Sraは、第2の差周波数信号レベル検出部110から出力されるレベル検出信号Spaと共に第1のレベル制御部112に与えられている。本実施形態の第1のレベル制御部112は、第1の差周波数信号レベル検出部110により検出されたレベルから第2の差周波数信号レベル検出部124により検出されたレベルを減算して求めたレベルを第1の設定レベル設定部111により設定された第1の設定レベルと比較演算して、その演算結果に基づいて電力増幅部105から負荷に与えられる電力(進行波電力から反射波電力を差し引いた電力)を設定値に保つように、第1の高周波発生部に振幅指令を与える。
基準クロック発生部116は、単一の水晶発振器を用いて、複数の基準クロック信号を発生させているので、発生させる複数の基準クロック信号の周波数にも水晶発振器117の出力周波数と同じ割合の誤差が含まれる。その基準クロック発生部116で発生させた基準クロック信号を用いて、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102から第1の高周波信号S1及び第2の高周波信号S2を発生させているので、第1の乗算部107及び第2の乗算部121にそれぞれ入力される2つの信号にも同じ割合の誤差が含まれる。そのため、第1の乗算部107から出力される第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfp’にも同じ割合の誤差が含まれる。また、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfr’にも同じ割合の誤差が含まれる。
<フィルタ及び差周波数信号レベル検出部における効果>
また、上述したように、本実施形態では、第1のフィルタ109、第1の差周波数信号レベル検出部110、第2のフィルタ123、第2の差周波数信号レベル検出部124がデジタル回路(例えばFPGA)で構成されているので、基準クロック発生部116で発生させた基準クロック信号が、第1のフィルタ109等に与えられる。
そのため、第1の実施形態で説明したように、第1のフィルタ109及び第1の差周波数信号レベル検出部110をデジタル回路で構成しても、水晶発振器の出力周波数の誤差が相殺されるので、水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題が生じない。
また、第1のフィルタ109と同様の理由により、第2のフィルタ123をデジタル回路で構成しても、水晶発振器の出力周波数の誤差が相殺されるので、水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題が生じない。
また、第1の差周波数信号レベル検出部110と同様の理由により、第2の差周波数信号レベル検出部124をデジタル回路で構成しても、水晶発振器の出力周波数の誤差が相殺されるので、水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題が生じない。
そのため、本実施形態で説明したように、周波数変換方式のフィルタリングによってスプリアス成分を除去するようにした場合に、基本周波数の成分を精度良く抽出できるだけでなく、水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題も改善できる。ひいては、基準クロックを生成する水晶発振器の出力周波数に誤差があっても、精度の良い電力制御ができる高周波電源装置を提供できる。
なお上述したように、フィルタ109、差周波数信号レベル検出部110、第2のフィルタ123、第2の差周波数信号レベル検出部124のそれぞれで効果があるので、フィルタ109、差周波数信号レベル検出部110、第2のフィルタ123、第2の差周波数信号レベル検出部124のそれぞれをデジタル回路で構成しなくても、少なくとも1つをデジタル回路で構成しても水晶発振器の出力周波数の誤差に起因する問題も改善できる。
<その他の効果>
また、本実施形態のように構成すると、高周波電力の周波数の如何に関わりなく、進行波電力の電力値と第1の差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数信号レベル検出部124により検出されるレベルとの対応関係が狂うのを防ぐとともに、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により、第1及び第2の乗算部108及び122の出力が変動して、進行波電力の電力値と第1の差周波数レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができるため、進行波電力と反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御を精密に行わせることができる。従って本実施形態によれば、電力増幅部から負荷に与えられる進行波電力と負荷から電力増幅部側に戻ってくる反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御の精密性を何等損なうことなく、高周波電力の周波数を変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
101 第1の高周波発生部
102 第2の高周波発生部
103 周波数設定部
104 周波数指令部
105 電力増幅部
106 高周波検出部
107 乗算部(第1の乗算部)
109 フィルタ(第1のフィルタ)
110 差周波数信号レベル検出部(第1の差周波数信号レベル検出部)
111 第2のレベル設定部
112 第1のレベル制御部
113 出力レベル検出部
114 第2のレベル設定部
115 第2のレベル制御部
116 基準クロック信号発生部
117 水晶発振器
120 反射波基準レベル設定部
121 第2の乗算部
123 第2のフィルタ
124 第2の差周波数信号レベル検出部

Claims (7)

  1. 単一の水晶発振器を用いて、複数の基準クロック信号を発生させる基準クロック発生部と、
    前記基準クロック発生部で発生させた基準クロック信号を用いて、周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部と、
    前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように前記第1及び第2の高周波発生部に前記周波数指令を与える周波数指令部と、
    前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
    前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号を検出する高周波検出部と、
    前記高周波検出部により得られた進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る乗算部と、
    前記乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する差周波数信号を抽出するフィルタと、
    前記フィルタにより抽出された差周波数信号のレベルを検出する差周波数信号レベル検出部と、
    前記差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅レベル指令を与えるレベル制御部と、
    を備えた高周波電源装置。
  2. 前記第2の高周波発生部の出力レベルを検出する出力レベル検出部と、
    前記出力レベル検出部により検出されたレベルを第2の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記第2の高周波発生部の出力レベルを設定された一定値に保つように前記第2の高周波発生部に振幅指令を与える第2のレベル制御部と、
    をさらに備えたことを特徴とする、請求項1に記載の高周波電源装置。
  3. 前記フィルタ、前記差周波数信号レベル検出部の少なくとも1つがデジタル回路で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の高周波電源装置。
  4. 単一の水晶発振器を用いて、複数の基準クロック信号を発生させる基準クロック発生部と、
    前記基準クロック発生部で発生させた基準クロック信号を用いて、周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部と、
    前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように前記第1及び第2の高周波発生部に前記周波数指令を与える周波数指令部と、
    前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
    前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号と前記負荷側から前記電力増幅部に向かう反射波電力の情報を含む反射波検出信号とを検出する高周波検出部と、
    前記高周波検出部により得られた進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第1の乗算部と、
    前記第1の乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタと、
    前記第1のフィルタにより抽出された第1の差周波数信号のレベルを検出する第1の差周波数信号レベル検出部と、
    前記高周波検出部により得られた反射波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第2の乗算部と、
    前記第2の乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号を抽出する第2のフィルタと、
    前記第2のフィルタにより抽出された第2の差周波数信号のレベルを検出する第2の差周波数レベル検出部と、
    前記第1の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルから前記第2の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを減算したレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅指令を与えるレベル制御部と、
    を備えた高周波電源装置。
  5. 前記第2の高周波発生部の出力レベルを検出する出力レベル検出部と、
    前記出力レベル検出部により検出されたレベルを第2の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記第2の高周波発生部の出力レベルを設定された一定値に保つように前記第2の高周波発生部に振幅指令を与える第2のレベル制御部と、
    をさらに備えたことを特徴とする、請求項4に記載の高周波電源装置。
  6. 前記第1のフィルタ、前記第1の差周波数信号レベル検出部、前記第2のフィルタ、前記第2の差周波数信号レベル検出部の少なくとも1つがデジタル回路で構成されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の高周波電源装置。
  7. 前記第1及び第2の高周波発生部は、DDS(Direct Digital Synthesizer)方式の高周波発生部であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の高周波電源装置。
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