JP2010118222A - 高周波電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波電力の周波数を変化させても、反射波成分を抑制するように周波数を制御する整合動作を精密に行うことができる高周波電源装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2の周波数f1及びf2を有する第1及び第2の高周波信号を出力する高周波発生部101及び102と、第1及び第2の周波数の差を一定に保つように制御する周波数制御部105と、第1の高周波信号を増幅する電力増幅部103とを備える。反射波検出信号Srを第2の高周波信号と乗算して得た差周波数信号をフィルタ122を通して抽出し、抽出した差周波数信号のレベルを検出して反射波電力の基本周波数成分を示す反射波検出値Sraを得る。第1の周波数f1を変化させながら反射波検出値Sraを最小にする第1の周波数f1を探索し、探索した周波数を第1の周波数f1とするように第1の周波数f1を制御して、反射波電力を基準値以下に抑制する整合動作を行わせる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、負荷に供給される進行波電力が設定値に保たれるように制御されるとともに、反射波を小さくするように出力周波数が制御される高周波電源装置に関するものである。
半導体への微細加工を行なうプラズマ処理装置などの負荷に電力を供給するために、高周波電源装置が用いられている。図13は高周波電源装置の基本的な構成を示したもので、同図において、1は高周波信号を発生する高周波発生部、2は高周波発生部1から得られる高周波信号を増幅する電力増幅部、3は電力増幅部の出力の一部を分波して進行波電力の情報を含む進行波検出信号を出力する高周波検出部である。また4は高周波検出部から得られる進行波検出信号から不要な周波数成分を除去するフィルタ、5はフィルタ4の出力を検波して進行波検出信号のレベルを検出するレベル検出部、6はレベル検出部4により検出された進行波検出信号のレベルとレベル設定部7により設定された設定レベルとの比較演算を行って、その演算結果に基づいて、電力増幅部2から出力される進行波電力を設定値に保つように、高周波発生部1の出力レベルを制御するレベル制御部である。
この高周波電源装置においては、高周波検出部3、レベル検出部5、レベル設定部7及びレベル制御部6により、電力増幅部2から負荷に与えられる進行波電力を設定値に保つように高周波発生部1の出力レベルを制御するALC制御(Auto Level Control)を行う制御部が構成されている。この種の電源装置は、例えば、特許文献1ないし3に示されている。
この種の高周波電源装置においては、高周波電力が高い純度を有している(不要な周波数成分を含まない)ことが要求される。そのため、高周波発生部1から電力増幅部2の出力段に至るまでの各ステージに各種の高周波フィルタを配置して、電力増幅部で発生する不要な周波数成分(スプリアス成分)を除去している。電力増幅部2の出力側には、該増幅部から負荷に与える電力から高調波成分を除去するためのローパスフィルタが設けられている。また高周波電源装置の出力と負荷との間にインピーダンス整合装置を設けて、定常状態にある負荷に対してインピーダンスの整合をとることにより、負荷で反射波電力が発生するのを防いでいる。従って、負荷が定常状態にあるときには、電力増幅部2から負荷に与えられる進行波電力のレベルが安定に保たれ、負荷で反射されて高周波電力増幅部に戻る反射波電力は最小となっている。
しかしながら、プラズマ処理装置などの負荷の起動時には、負荷のインピーダンスが非線形の状態にあって、高速で変動するため、整合装置の整合動作が追いつかず、不整合状態が生じて、負荷を節として反射波が発生する。更に負荷の内部では、その非線形性に起因して生じる周波数混合作用により、種々の新しい周波数成分がスプリアス成分として発生し、これらのスプリアス成分が反射波に重畳する。スプリアス成分が重畳した反射波電力は整合装置内を逆流し、該反射波電力のうち、高周波電力増幅部の出力側に設けられたローパスフィルタを通過し得る成分(主として基本周波数成分)が電力増幅部の出力段まで戻ってくる。この場合、電力増幅部から負荷に与えられる電力(負荷側電力)は、電力増幅部の出力側で検出した進行波電力から反射波電力を差し引いた電力となる。
また、プラズマ処理装置においては、図14に示すように、2つの高周波電源装置からプラズマ発生装置の電極に出力周波数が異なる2種類の高周波電力が同時に与えられることがある。図14において、11は第1の高周波電源装置、12は第1の高周波電源装置の出力周波数よりも周波数が低い高周波電力を出力する第2の高周波電源装置である。第1の高周波電源装置11及び第2の高周波電源装置12の出力はそれぞれ第1の整合装置13及び第2の整合装置14を通してプラズマ処理装置等の負荷15に供給されている。
第1の高周波電源装置11から負荷5に与えられる高周波電力は、プラズマ発生用の高周波電力であり、第2の高周波電源装置12から負荷15に与えられる高周波電力は、プラズマ中のイオンを引き込むためのバイアス用の高周波電力である。通常、プラズマ発生用の高周波電力の周波数は十数MHzないし数十MHz程度の高い周波数を有し、バイアス用の高周波電力の周波数は数百KHzないし数MHz程度の比較的低い周波数を有している。
このようなシステムでは、負荷のインピーダンスが複雑に変化するため、インピーダンス整合器によってインピーダンスの整合を完全にとることができず、負荷で反射波が発生するのを避けることができない。この場合、負荷から第1の高周波電源装置11の増幅部側に戻ってくる反射波には、第2の高周波電源装置12の基本周波数成分とその近辺のスプリアス成分とが含まれている。第2の高周波電源装置12の基本周波数は、第1の高周波電源装置11の基本周波数よりも低いため、負荷15から第1の高周波電源装置11側に向かう反射波中のスプリアス成分は、第1の高周波電源装置11の出力側に設けられているローパスフィルタを通過して、第1の高周波電源装置の増幅部に到達してしまう。また第2の高周波電源装置12から第1の高周波電源装置11の電力増幅部に到達するスプリアス成分と第1の高周波電源装置11の出力とが混合されるため、第1の高周波電源装置11から負荷に向かう進行波電力にもスプリアス成分が含まれることになる。
一例として、プラズマ発生用の第1の高周波電源装置1の出力周波数が50MHz、バイアス用の第2の高周波電源装置2の出力周波数が2MHzである場合について、第1の高周波電源装置1から負荷に向かう進行波電力の基本周波数成分(50MHz)付近の周波数スペクトラム及び反射波電力の基本周波数成分(50MHz)付近の周波数スペクトラムを模式的に示すとそれぞれ図15及び図16のようになる。なお図16においては、便宜上縦軸のスケールを図6の縦軸のスケールと同じにしているが、実際には反射波電力のレベルの方が進行波電力のレベルよりも低くなる。
上記のように、電力増幅部2の出力側にスプリアス成分が重畳した反射波電力が戻ってくる状態では、高周波検出部3から得られる検出信号にもスプリアス成分が含まれる。検出信号にスプリアス成分が含まれていると、レベル検出部で進行波検出信号のレベル検出を正確に行うことができず、高周波発生部1の出力のALC制御を正確に行うことができない。そのため、レベル検出部5の前段にフィルタ4を挿入して、レベル検出部5に入力する信号からスプリアス成分を除去する必要がある。
また上記の反射波電力を無視できない場合には、電力増幅部の出力側で検出した進行波電力を設定値に保つ制御を行うだけでなく、負荷側から電力増幅部側に戻ってくる反射波電力をも検出して、進行波電力から反射波電力を差し引いた電力を設定値に保つ制御を行う必要がある。
この場合には、図13に示された高周波検出部3で、電力増幅部2から負荷に供給される進行波電力の情報を含む進行波検出信号の他に、負荷側から電力増幅部2に戻ってくる反射波電力の情報を含む反射波検出信号を得て、図13に示されたレベル検出部5とは別に設けたレベル検出部で反射波検出信号を検波することにより、反射波検出信号のレベルを検出する。この場合レベル制御部6は、検出された進行波検出信号のレベルから反射波検出信号のレベルを差し引くことにより求めたレベルを設定レベルと比較演算し、その演算結果に基づいて、進行波電力から反射波電力を差し引いた電力を設定値に保つように、高周波発生部1の出力をALC制御する。
なお通常「スプリアス」という語は、基本周波数の前後に現れる不要周波数と、各高調波周波数の前後に現れる不要周波数とを指す意味で用いられることが多いが、本明細書においては、説明の便宜上、負荷に供給する周波数成分としては不要な周波数成分(通常は基本周波数成分以外の成分)のすべてをスプリアス成分と呼ぶ。
高周波電源装置から負荷に効率よく電力を供給するためには、負荷側から電力増幅部2側に戻ってくる反射波をできるだけ小さくすることが望ましい。反射波を小さくする方法としては、前述のように、高周波電源装置と負荷との間にインピーダンス整合器を設ける方法が一般的であるが、特許文献4や特許文献5に示されているように、高周波電源装置の出力周波数を制御することによっても反射波を小さくすることができる。
特許文献4や特許文献5に示された高周波電源装置においては、図17に示すように、反射波電力が基準値よりも大きいときに、微小な周波数範囲ΔF内で周波数を変化させて反射波電力Prが最小になる周波数fminを求め、求められた周波数fminを中心にして再び微小周波数範囲ΔF内で周波数を変化させて反射波電力が最小になる周波数を求める。これらの過程を繰り返すことにより、反射波電力を小さくする周波数を探索し、反射波電力が制御終了基準値以下になる周波数fnが求められたときに周波数の探索を終了する。この状態で反射波電力が制御開始基準値(>制御終了基準値)以上になったときに、微小周波数範囲ΔF内で周波数を変化させて反射波電力が最小になる周波数を探索する過程を再開させる。このようにして高周波電源装置の出力周波数を制御することにより、反射波電力を基準値以下に保つ。反射波電力に対して大きさが異なる制御終了基準値と制御開始基準値とを設定して制御にヒステリシスを持たせているのは、制御にハンチング現象が生じるのを防ぐためである。
上記のように、高周波電源装置の出力周波数を制御することにより反射波を小さくするようにすれば、可変キャパシタンスを用いたインピーダンス整合器に比べて高速に反射波を小さくすることができる。
また高周波電源装置の出力周波数を制御することにより反射波を小さくする場合であってもインピーダンス整合器を用いる場合があるが、その場合は、通常、インピーダンス固定のもの、或いは手動によりインピーダンスを変更するものが用いられる。
本発明では、上記のように、微小な周波数範囲で出力周波数を変化させることにより反射波を小さくする制御を行う高周波電源装置を対象とする。本発明が対象とする高周波電源装置では、インピーダンス整合器を用いなくても反射波を小さくすることができるが、本明細書では、反射波を小さくするための動作を「整合動作」と呼んでいる。
ところで、反射波を小さくする目的は、負荷に対してより多くの電力を供給することにあるため、基本周波数成分の反射波を小さくすることが重要である。基本周波数成分の反射波を小さくする制御を行うには、基本周波数成分の反射波を精度よく検出することが必要であり、そのためには、高周波検出部から得られる反射波検出信号から、スプリアス成分を取り除く必要がある。反射波検出信号に含まれるスプリアス成分のうち、高調波成分のような高い周波数の成分は、ローパスフィルタを用いることにより容易に取り除くことができるが、基本周波数付近の周波数成分は、ローパスフィルタだけでは取り除くことができない。
そこで、特許文献6に示されているように、高周波検出部から得られる信号をローカル発信器の出力信号と混合(乗算)して基準周波数成分及びスプリアス成分を低い周波数の信号に変換することによりフィルタリングを容易にする技術を利用して、基本周波数周辺のスプリアス成分を取り除くことが考えられる。このようにすれば、反射波検出信号からスプリアス成分を取り除いて、基準周波数成分のみを取り出すことができるため、基本周波数成分の反射波を小さくする制御を精度良く行うことができる。
特開平5−63627号公報 特開平6−6144号公報 特開平11−233294号公報 特開2006−286254号公報 特開2006−310245号公報 特開2003−204237号公報
従来の高周波電源装置は、単一の高周波電力を発生するように構成されていたが、近年プラズマ処理装置により行うエッチング等の処理をより精密に行うことが必要とされるようになり、それに伴って、負荷に供給する高周波電力の周波数及び大きさを任意に変化させることができる高周波電源装置が求められるようになった。このような要求に応えるためには、図13に示された高周波発生部1の出力周波数を任意に変化させることが必要であり、また高周波発生部1の出力周波数を変化させた場合でも、負荷に与える高周波電力の電力値を設定値に保つ制御を正確に行わせることができるようにしておく必要がある。
また前述のように、高周波検出部3で反射波電力を検出して、検出した反射波電力を最小とするように、高周波発生部1の出力周波数を変化させる制御を行う場合も、高周波発生部1の出力周波数を任意に変化させ得るようにしておくことが必要である。
ところが、図13に示された高周波電源装置において、高周波発生部1の出力周波数を変化させた場合には、以下に示すような問題が生じる。
即ち、高周波検出部3から得られる検出信号のレベルを検出するレベル検出部5の前段に設けるフィルタ(ローパスフィルタ)4は、周波数の変化に伴って減衰率が異なる特性を有するため、フィルタ4への入力信号のレベルが同じであっても、周波数が変化すると、その出力レベルが変わってしまう。ローパスフィルタの減衰特性は、例えば図18に示す通りであり、高周波電源装置の出力周波数の変化に伴う周波数の変化分が図示のΔF1のように小さい場合であっても、フィルタの減衰率が相当に変動してフィルタ出力が変動する。周波数の変化分が図示のΔF2のように大きくなると、ローパスフィルタの減衰率の変動幅は更に大きくなり、フィルタの出力レベルが大きく変動してしまう。高周波電源装置の出力周波数の変化に伴ってフィルタの出力レベルが変化すると、レベル検出部5が検出するレベルも変わってしまい、電力増幅部2の出力の電力値と、レベル検出部5により検出される信号レベルとの対応関係が変化してしまうため、レベル検出部5により検出された信号レベルと設定レベルとの比較演算に基づいて高周波発生部1の出力レベルを制御しても、電力増幅部2から負荷に与えられる高周波電力の電力値を設定値に保つことができなくなる。高周波電力の設定値からのずれ(偏差)は、周波数の変化幅を広げれば広げるほど大きくなる。このような問題は、フィルタ4としてアナログフィルタを用いた場合及びデジタルフィルタを用いた場合のいずれの場合にも生じる。
上記のように、従来の高周波電源装置においては、高周波発部1の出力周波数を変化させた場合に、電力増幅部2の出力とレベル検出部5で検出される信号レベルとの対応関係が変化し、周波数の可変範囲を広げると、電力増幅部2の出力の偏差が許容範囲を超えるという問題があった。特に半導体のエッチングなどを行うプラズマ処理装置に高周波電力を供給する場合には、供給する高周波電力の電力値を設定値に保つ制御を精密に行うことが必要である。プラズマ処理装置において、高周波電力を制御する際に許容される偏差は小さいため、高周波電力の周波数を変化させた場合にその電力値が変動する事態は避けなければならないが、従来の技術では、このような要求に応えることができる、周波数が可変の高周波電源装置を得ることができなかった。
また高周波電源装置の出力周波数が一定であれば、特許文献6に示されている方法で反射波検出信号を周波数変換してフィルタにより基本周波数周辺のスプリアス成分を取り除くことにより、基本周波数成分の反射波を小さくする制御(整合動作)を精度よく行わせることができる。
例えば、基本周波数が50MHzで一定であり、取り除きたいスプリアス成分の周波数が46,48,52,54MHzである場合に、ローカル発振器の出力周波数を49.5MHzに設定したとすると、基本周波数50MHzの信号は、0.5MHzの差周波数を有する信号に変換され、46,48,52,54MHzの周波数のスプリアス成分はそれぞれ3.5,1.5,2.5,4.5MHzの差周波数を有する信号に変換される。この場合、スプリアス成分の差周波数は、基本周波数成分の差周波数よりも大きくなるため、反射波検出信号を周波数変換して得た差周波数信号をローパスフィルタに通すことにより、スプリアス成分を取り除いて、反射波検出信号の基本周波数成分のみを抽出することができ、抽出した信号を用いて反射波検出信号を小さくするための制御を精度よく行うことができる。
しかしながら、出力周波数を適宜に変化させる可変周波数方式の高周波電源装置では、反射波検出信号の基本周波数成分を正確に検出することができない。例えば、可変周波数方式の高周波電源装置において、出力周波数を50MHzから51MHzに変化させたとする。このとき、ローカル発振器の出力周波数が49.5MHzであると、基本周波数成分の周波数とローカル発振周波数との差周波数は1.5MHzとなる。
そうなると、前述のように、周波数変換部の後段に設けられるローパスフィルタの特性上、その出力の振幅が変動し、反射波の基本周波数成分を精度よく検出することができなくなるため、反射波を小さくするための整合動作を精度良く行うことができなくなる。
本発明の目的は、負荷に供給する高周波電力の周波数を変化させても、該高周波電力の電力値を設定値に保つ制御を精密に行うことができ、また出力周波数を変化させた場合にも、反射波電力を精度よく検出して、反射波電力を小さくするように出力周波数を制御する整合動作を精度よく行わせることができるようにした高周波電源装置を提供することにある。
請求項1に記載された発明は、出力周波数が可変とされる場合に、進行波電力を設定値に保つ制御を精度よく行わせるとともに、出力周波数を変化させながら反射波電力の基本周波成分を精度よく検出して、反射波電力の基本周波数成分を基準値以下に抑制するように出力周波数を制御する整合動作を高精度で行わせるようにしたものである。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、以下の要素を備えることにより構成される。
(1a)周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて第1の周波数及び第2の周波数を有する第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部。
(1b)第1の周波数と第2の周波数との差の周波数を一定に保つように第1の高周波発生部及び第2の高周波発生部に周波数指令を与える周波数制御部。
(1c)第1の高周波信号を増幅する電力増幅部。
(1d)電力増幅部から負荷に向かう進行波電力及び負荷側から電力増幅部に向かう反射波電力をそれぞれ検出して進行波電力の情報を含む進行波検出信号及び反射波電力の情報を含む反射波検出信号をそれぞれ出力する高周波検出部。
(1e)進行波検出信号と第2の高周波信号とを乗算して、第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第1の乗算部。
(1f)第1の乗算部の出力から第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分を有する第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタ。
(1g)第1のフィルタにより抽出された第1の差周波数信号のレベルを検出する第1の差周波数信号レベル検出部。
(1h)検出された第1の差周波数信号のレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように第1の高周波発生部に振幅レベル指令を与えるレベル制御部。
(1i)反射波検出信号と第2の高周波信号とを乗算して、第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第2の乗算部。
(1j)第2の乗算部の出力から第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号を抽出する第2のフィルタ。
(1k)第2のフィルタにより抽出された第2の差周波数信号のレベルを検出する第2の差周波数レベル検出部。
(1l)上記周波数制御部に設けられていて、第2の差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力を基準値以下に抑えるべく第1の高周波発生部の出力周波数を制御して整合動作を行わせる手段。
上記のように、周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて第1の周波数及び第2の周波数を有する第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部を設けて、第1の周波数と第2の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部に周波数指令を与えるようにすると、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させるために第1の周波数(第1の高周波発生部の出力周波数)をどのように変化させても、その変化に応じて、両高周波信号の周波数の差が一定に保たれるように、第2の周波数(第2の高周波発生部の出力周波数)が変化する。
高周波検出部から出力される進行波検出信号の周波数成分は、第1の周波数を主成分とするが、それ以外にスプリアス成分を含んでおり、スプリアス周波数は、第1の周波数の変化に伴って変化する。したがって、高周波検出部で得られる進行波検出信号と第2の高周波信号とを乗算部で乗算すると、第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分、スプリアス周波数と第2の周波数との差の周波数成分等が含まれた信号が得られる。スプリアス周波数は単一の周波数ではないため、スプリアス周波数と第2の周波数との差の周波数成分は複数存在するが、本発明に係わる高周波電源装置では、それぞれの差の周波数成分が一定の周波数を有する。
上記のような関係があるため、第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分を抽出対象とした場合、第1の周波数(出力周波数)をどのように変化させても、抽出対象の周波数は一定である。そのため、フィルタの抽出対象を第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分として、スプリアス周波数と第2の周波数との差の周波数成分を除去するようにフィルタの特性を設定すれば、フィルタの周波数特性の影響を何等受けることなく、抽出対象である周波数成分を精度よく検出することができる。
このように、本発明に係わる高周波電源装置においては、出力周波数をどのように変化させても、フィルタで抽出の対象とする周波数は一定であるため、出力周波数を変化させた場合でも、フィルタによりスプリアス成分を除去して、フィルタの周波数特性の影響を何等受けることなく、進行波電力の基本周波数成分を精度よく検出することができる。
従って、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に電力増幅部の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができ、負荷に供給する高周波電力の電力値の制御の精密性をなんら損なうことなく、高周波電力の周波数を任意に変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
また上記のように構成すると、出力周波数を変化させた場合にも、基本周波数に対して反射波電力を精度よく検出することができるため、基本周波数に対して反射波電力を抑制する整合動作を精度よく行わせることができる。
請求項2に記載された発明は、上記整合動作を行わせる手段の好ましい構成を明らかにしたものである。請求項2に記載された発明に係わる高周波電源装置においては、上記整合動作を行わせる手段が、下記の要素を備えることにより構成される。
(2a)検出された前記第2の差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力が基準値を超えているときに整合動作オン信号を発生し、前記第2の差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力が基準値以下であるときに整合動作オフ信号を発生する整合動作判定部。
(2b)整合動作オフ信号が発生しているときに第1の周波数を現時点での基準周波数に等しくするとともに第1の周波数と第2の周波数との差を一定とするように第1の高周波発生部及び第2の高周波発生部に周波数指令を与え、整合動作オン信号が発生しているときには第1の周波数と第2の周波数との差を常に一定に保ちつつ、設定した周波数範囲内で第1の周波数を変化させるべく第1の高周波発生部及び第2の高周波発生部に周波数指令を与える周波数設定部。
(2c)整合動作オン信号が発生しているときに、周波数設定部が設定した周波数範囲内での第1の周波数の変化を完了する毎に該周波数範囲の第1の周波数の中から第2の差周波数信号のレベルが最小になる第1の周波数を探索して探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定し、整合動作オフ信号が発生しているときには、整合動作オン信号が発生していたときに最後に探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定する周波数特定部。
本願の請求項3に記載された発明は、本発明に係わる高周波電源装置の他の好ましい構成を示したもので、本発明は、高周波電源装置の出力周波数を可変とする場合に、反射波電力の基本周波数成分を精度よく検出するだけでなく、反射波電力のスプリアス成分をも精度よく検出して、反射波電力の基本周波数成分とスプリアス成分との合成値を抑制するように出力周波数を制御する整合動作を高精度で行わせることができるようにしたものである。
請求項3に記載された発明では、高周波電源装置が下記の要素を備えることにより構成される。
(3a)周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて第1ないし第3の周波数を有する第1ないし第3の高周波信号をそれぞれ発生する第1ないし第3の高周波発生部。
(3b)第1の高周波信号を増幅する電力増幅部。
(3c)電力増幅部から負荷に向かう進行波電力及び負荷側から電力増幅部に向かう反射波電力をそれぞれ検出して進行波電力の情報を含む進行波検出信号及び反射波電力の情報を含む反射波検出信号をそれぞれ出力する高周波検出部。
(3d)第1の周波数と第2の周波数との差周波数を一定に保つように第1の高周波発生部及び第2の高周波発生部に周波数指令を与えるとともに、反射波電力の基本周波数と少なくとも1つのスプリアス周波数とからなる複数の周波数を検出対象周波数として、複数の検出対象周波数にそれぞれ対応する複数の第3の周波数を有する複数の第3の高周波信号を、各第3の周波数と対応する検出対象周波数との差を常に一定に保って時系列的に発生させるように第3の高周波発生部に周波数指令を与える周波数制御部。
(3e)高周波検出部により得られた進行波検出信号と第2の高周波信号とを乗算して、第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第1の乗算部。
(3f)第1の乗算部の出力から第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分を有する第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタ。
(3g)第1のフィルタにより抽出された第1の差周波数信号のレベルを検出する第1の差周波数信号レベル検出部。
(3h)検出された前記第1の差周波数信号のレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように第1の高周波発生部に前記振幅レベル指令を与えるレベル制御部。
(3i)高周波検出部により得られた反射波検出信号と第3の高周波発生部が時系列的に発生する第3の高周波信号とを順次乗算して、第1の周波数と各第3の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第2の乗算部。
(3j)第2の乗算部の出力から各検出対象周波数と各検出対象周波数に対応する各第3の周波数との差の周波数を有する第2の差周波数信号を順次抽出して各検出対象成分に対応する第2の差周波数信号を時系列的に出力する第2のフィルタ。
(3k)第2のフィルタから時系列的に出力される第2の差周波数信号のレベルを検出する第2の差周波数レベル検出部。
(3l)周波数制御部に設けられていて、第2の差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力を基準値以下に抑えるべく第1の高周波発生部の出力周波数を制御する整合動作を行う手段。
請求項4に係わる発明は、請求項3に記載された発明で用いる整合動作を行わせる手段の好ましい構成を明らかにしたもので、本発明では、上記整合動作を行わせる手段が以下に示す要素を備えることにより構成される。
(4a)検出された第2の差周波数信号のレベルにより検出された反射波電力のレベルが基準値を超えているときに整合動作オン信号を発生し、第2の差周波数信号のレベルにより検出された反射波電力のレベルが基準値以下であるときに整合動作オフ信号を発生する整合動作判定部。
(4b)整合動作オフ信号が発生しているときに第1の周波数を現時点での基準周波数に等しくするとともに、第1の周波数と第3の周波数との差を一定とするように第1の高周波発生部及び第3の高周波発生部に周波数指令を与え、整合動作オン信号が発生しているときには設定した周波数範囲内で第1の周波数を変化させるべく第1の高周波発生部に周波数指令を与えるとともに、各検出対象周波数に対応する第3の高周波信号を、各検出対象周波数と各第3の周波数との差を一定に保って時系列的に発生させるように第3の高周波発生部に周波数指令を与える周波数設定部。
(4c)整合動作オン信号が発生しているときに、周波数設定部が設定した周波数範囲内での第1の周波数の変化を完了する毎に該周波数範囲の第1の周波数の中から第2の差周波数信号のレベルが最小になる第1の周波数を探索して探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定し、整合動作オフ信号が発生しているときには、整合動作オン信号が発生していたときに最後に探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定する周波数特定部。
請求項3及び4に記載された発明によれば、反射波電力の基本周波数成分及びスプリアス成分の双方を精度よく検出して、反射波電力の基本周波数成分及びスプリアス成分の合成値を基準値以下とするように出力周波数を制御して整合動作を行わせることができるため、電力増幅部を保護する目的で進行波電力と反射波電力との合計値が基準値を超えないように制御する場合のように、反射波の基本周波数成分だけでなく、スプリアス成分も電力増幅部に多く戻ってくる場合に、整合動作を的確に行うことができる。
本願の請求項5に記載された発明は、本発明に係わる高周波電源装置の更に他の好ましい構成を示したもので、本発明においては、高周波電源装置が下記の要素を備えることにより構成される。
(5a)周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて第1の周波数及び第2の周波数を有する第1及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部。
(5b)第1の高周波信号を増幅する電力増幅部。
(5c)電力増幅部から負荷に向かう進行波電力及び負荷側から電力増幅部に向かう反射波電力をそれぞれ検出して進行波電力の情報を含む進行波検出信号及び反射波電力の情報を含む反射波検出信号をそれぞれ出力する高周波検出部。
(5d)周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて、反射波電力の基本周波数との差が一定な反射波基本波成分検出用周波数を有する反射波基本波成分検出用高周波信号を発生する反射波基本波成分検出用高周波発生部。
(5e)反射波電力のスプリアス周波数のうち、検出対象とする少なくとも1つのスプリアス周波数に対応して設けられて対応するスプリアス周波数との差が一定な反射波スプリアス成分検出用周波数を有する反射波スプリアス成分検出用高周波信号を発生する少なくとも1つの反射波スプリアス成分検出用高周波発生部。
(5f)第1の周波数と第2の周波数との差周波数を一定に保つように第1の高周波発生部及び第2の高周波発生部に周波数指令を与えるとともに、第1の周波数と反射波基本波成分検出用周波数との差を一定にするように反射波基本波成分検出用高周波発生部に周波数指令を与え、かつ各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力周波数と各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応するスプリアス周波数との差を一定とするように各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に周波数指令を与える周波数制御部。
(5g)高周波検出部により得られた進行波検出信号と第2の高周波信号とを乗算して、第1の周波数と前記第2の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る進行波検出用乗算部。
(5h)進行波検出用乗算部の出力から第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分を有する進行波検出用差周波数信号を抽出する進行波検出用フィルタ。
(5i)進行波検出用フィルタにより抽出された進行波検出用差周波数信号のレベルを検出する進行波検出用差周波数信号レベル検出部。
(5j)検出された進行波検出用差周波数信号のレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように第1の高周波発生部に振幅レベル指令を与えるレベル制御部。
(5k)高周波検出部により得られた反射波検出信号と反射波基本波成分検出用高周波信号とを乗算して、第1の周波数と反射波基本波成分検出用周波数との差の周波数成分を含む信号を得る反射波基本波成分検出用乗算部。
(5l)反射波検出用乗算部の出力から第1の周波数と反射波基本波検出用周波数との差の周波数を有する反射波基本波成分検出用差周波数信号を抽出する反射波基本波成分抽出用フィルタ。
(5m)反射波基本波成分抽出用フィルタから出力される反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベルを検出する反射波基本波成分検出用差周波数信号レベル検出部。
(5n)各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応させて設けられて、高周波検出部により得られた反射波検出信号と対応する反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力信号とを乗算して、各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力周波数と各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応するスプリアス周波数との差の周波数成分を含む信号を得る反射波スプリアス成分検出用乗算部。
(5o)各反射波スプリアス成分検出用乗算部の出力から、各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力周波数と各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応するスプリアス周波数との差の周波数を有する反射波スプリアス成分検出用差周波数信号を抽出する反射波スプリアス成分抽出用フィルタ。
(5p)各反射波スプリアス成分抽出用フィルタから出力される反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルを検出する反射波スプリアス成分検出用差周波数信号レベル検出部。
(5q)周波数制御部に設けられていて、反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベル及び反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力を基準値以下に抑えるべく第1の高周波発生部の出力周波数を制御する整合動作を行わせる手段。
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載された発明で用いる「整合動作を行わせる手段」の好ましい構成を明らかにしたもので、本発明においては、上記整合動作を行わせる手段が、下記の要素を備えることにより構成される。
(6a)反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベル及び反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力が基準値を超えているときに整合動作オン信号を発生し、反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベル及び反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力が基準値以下であるときに整合動作オフ信号を発生する整合動作判定部。
(6b)整合動作オフ信号が発生しているときに第1の周波数を現時点での基準周波数に等しくするとともに、第1の周波数と反射波基本波成分検出用周波数との差を一定とするように第1の高周波発生部及び反射波基本波成分検出用高周波発生部に周波数指令を与え、整合動作オン信号が発生しているときには設定した周波数範囲内で第1の周波数を変化させるべく第1の高周波発生部に周波数指令を与えるとともに、反射波基本波成分の周波数と反射波基本波成分検出用周波数との差及び各反射波スプリアス成分の周波数と対応する反射波スプリアス成分検出用周波数との差を一定に保ちつつ反射波基本波成分検出用高周波信号及び反射波スプリアス成分検出用高周波信号を発生させるべく反射波基本波成分検出用高周波発生部及び反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に周波数指令を与える周波数設定部。
(6c)整合動作オン信号が発生しているときに、周波数設定部が設定した周波数範囲内での第1の周波数の変化を完了する毎に該周波数範囲の第1の周波数の中から第2の差周波数信号のレベルが最小になる第1の周波数を探索して探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定し、整合動作オフ信号が発生しているときには、整合動作オン信号が発生していたときに最後に探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定する周波数特定部。
上記のように構成すると、反射波電力の基本周波数成分と、検出対象とするスプリアス成分との双方を同時に並行して検出して反射波電力の基本周波数成分とスプリアス成分との合成値を基準値以下に制限する整合動作を行わせることができるため、反射波電力の基本周波数成分とスプリアス成分との合成値を基準値以下に制限するように出力周波数を制御する整合動作を的確かつ迅速に行わせることができる。
請求項1ないし6に記載された発明によれば、周波数指令により指令された通りの出力周波数と振幅レベル指令により指令された通りの出力振幅レベルとを有する第1及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部を設けて、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部に周波数指令を与えるようにしたので、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に電力増幅部の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができ、負荷に供給する高周波電力の電力値の制御の精密性をなんら損なうことなく、高周波電力の周波数を任意に変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
また本発明によれば、出力周波数を変化させた場合にも、反射波電力を精度よく検出することができるため、出力周波数を変化させながら反射波電力を小さくする周波数を探索して、探索した周波数を出力周波数とするように高周波発生部の出力周波数を制御する整合動作を精度よく行わせることができる。
特に請求項3または4に記載された発明によれば、出力周波数を変化させながら反射波電力の基本周波数成分とスプリアス成分とを精度よく検出することができるため、反射波電力の基本周波数成分とスプリアス成分との合成値を基準値以下に抑制するように出力周波数を制御する整合動作を高精度で行うことができる。
また請求項5及び6に記載された発明によれば、反射波電力の基本周波数成分と、検出対象とするスプリアス成分との双方を同時に並行して検出して反射波電力の基本周波数成分とスプリアス成分との合成値を基準値以下に制限する整合動作を行わせることができるため、反射波電力を基準値以下に制限するように出力周波数を制御する整合動作を的確かつ迅速に行わせることができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係わる高周波電源装置の第1の実施形態の構成を示したものである。本実施形態では、出力周波数を可変とする場合に、進行波電力を設定値に保つ制御を精度よく行わせるとともに、出力周波数を変化させながら反射波電力の基本周波成分を精度よく検出して、反射波電力の基本周波数成分を基準値以下に抑制するように出力周波数を制御する整合動作を高精度で行わせるようにしたものである。
図1において、101は、第1の周波数指令Cf1により指令された出力周波数と第1の振幅レベル指令Ca1により指令された出力振幅レベルとを有する第1の高周波信号S1を発生する第1の高周波発生部、102は第2の周波数指令Cf2により指令された出力周波数と第2の振幅レベル指令Ca2により指令された出力振幅レベルとを有する第2の高周波信号S2を発生する第2の高周波発生部である。本実施形態では、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102が、公知のDDS(Direct Digital Synthesizer)により構成されている。
また103は公知の電力増幅回路からなる電力増幅部で、第1の高周波信号S1を増幅して負荷に与える高周波電力を出力する。電力増幅部103の出力は図示しないインピーダンス整合装置を通してプラズマ処理装置等の負荷に供給される。なお、インピーダンス整合装置が用いられない場合もある。
104は、電力増幅部103の出力端と図示しないインピーダンス整合装置との間(インピーダンス整合装置が設けられない場合には、電力増幅部103の出力端と負荷との間)に挿入された高周波検出部である。高周波検出部104は、例えば方向性結合器からなっていて、電力増幅部103から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号Spと負荷側から電力増幅部103に向かう反射波電力の情報を含む反射波検出信号Srとを出力する。
なお、高周波検出部104で得られる進行波検出信号の周波数成分は、第1の高周波信号S1の周波数f1を主成分とするが、それ以外にスプリアス成分を含んでいる。そして、スプリアス周波数も、第1の高周波信号S1の周波数f1の変化に応じて変化する。
105は第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差Δfを一定に保つように第1及び第2の高周波発生部101及び102に周波数指令Cf1及びCf2をそれぞれ与える周波数制御部である。
本実施形態で用いる周波数制御部105は、高周波電源装置の出力周波数を第1の周波数f1とし、第1の周波数f1に対して一定の差Δfを有する周波数を第2の周波数f2として、第1の周波数f1を有する第1の高周波信号S1を発生させることを指令する第1の周波数指令Cf1及び第2の周波数f2を有する第2の高周波信号S2を発生することを指令する第2の周波数指令Cf2をそれぞれ第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に同時に与えることにより、第1の高周波信号の周波数f1と第2の高周波信号の周波数f2との差を常に一定値Δf(=|f1−f2|)に保つように、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102を制御する。ここで、第1の周波数f1(第1の高周波発生部101の出力周波数)は、高周波電源装置の基本周波数と一致する。第2の周波数f2は、第1の周波数f1よりも低くてもよく、高くてもよい。
また107は、高周波検出部104が出力する進行波検出信号Spと第2の高周波発生部102が出力する第2の高周波信号S2とが入力された第1の乗算部、109は第1の乗算部107の出力から進行波電力のレベルを示す第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタである。110は第1のフィルタ109から得られる第1の差周波数信号のレベル(進行波電力のレベル)を検出する第1の差周波数信号レベル検出部、111は高周波電源の出力(進行波電力)のレベルを設定する第1のレベル設定部、112は第1の差周波数信号レベル検出部110により検出された進行波電力のレベルを第1のレベル設定部112により設定されたレベルに等しくするように第1の高周波発生部101にレベル設定信号Ca1を与える第1のレベル制御部である。
更に詳細に説明すると、第1の乗算部107は、進行波検出信号Spと第2の高周波信号S2とを乗算することにより、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfp′を出力する部分である。
第1のフィルタ109は、第1の乗算部107の出力から希望する第1の差周波数信号Sfpを抽出するフィルタである。このフィルタは、アナログフィルタ(パンドパスフィルタまたはローパスフィルタ)からなっていてもよく、デジタルフィルタからなっていてもよい。
周知のように、乗算部で2つの信号を乗算すると、2つの信号の周波数の差の周波数成分と、2つの信号の周波数の和の周波数成分とを含む信号が得られる。例えば図14に示したシステムにおいて、第1の高周波電源装置11の基本周波数(第1の高周波信号S1の周波数f1)を50MHz、第2の高周波電源装置12の基本周波数を2MHzとした場合について見ると、高周波電源装置11の出力端子には、出力伝送系を通して、基本周波数50MHzの近傍にスプリアス成分として46,48,52,54MHzなどの成分が流入してくる。この場合、第2の高周波発生部102の出力周波数(第2の周波数f2)を49.5MHzに設定して、希望の差周波数を0.5MHzとした場合、基本周波数50MHzに対する差周波数は0.5MHz、和周波数は99.5MHzとなる。同様に上記のスプリアス成分に対する差周波数は3.5,1.5,2.5,4.5MHzになり、和周波数は95.5,97.5,101.5, 103.5MHzとなる。スプリアス成分に対する差周波数はいずれも、基本周波数に対する差周波数よりも高い値を示す。
本発明においては、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差を常に一定値Δfに保つように制御するため、図14において、第1の高周波電源装置11の基本周波数(第1の周波数f1)を変化させた場合でも、基本周波数と第2の周波数f2との差周波数は一定(上記の例では0.5MHz)となる。
例えば、第1の周波数f1を50MHz→50.5MHz→51.0MHzのように変化させる場合、第2の周波数f2は49.5MHz→50.0MHz→50.5MHzのように変化させられ、第1の周波数f1と第2の周波数f2との差周波数が常に0.5MHz(一定)に保たれる。また、スプリアス周波数も、基本周波数(第1の周波数f1)の変化に応じて変化するので、スプリアス周波数と第2の周波数との差周波数も上記の関係と変わらない。
したがって、第1のフィルタ109として、基本周波数に対する差周波数0.5MHzの成分を通過させ、スプリアス成分の差周波数以上の周波数成分を除去する特性を有するフィルタ(例えば、カットオフ周波数が1MHzの特性を有するもの)を用いれば、基本周波数に対する差周波数0.5MHzの成分を精度良く抽出することができる。
すなわち、第1のフィルタ109における抽出対象を、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分(0.5MHzの成分)とし、フィルタ109の特性を、スプリアス周波数と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分(3.5,1.5,2.5,4.5MHz等の周波数成分)を除去する特性にすれば、第1の高周波信号S1の周波数f1を変化させても、抽出対象の周波数は一定であるため、抽出対象の出力レベルはフィルタ109の周波数特性に影響されない。そのため、第1のフィルタ109により抽出された信号から、高周波検出部106から出力された進行波電力の基本周波数成分を精度良く検出することができる。
なお、図14に示したシステムにおいて、第1の高周波電源装置11の基本周波数が50MHzから50.5MHzに変化した場合、基本周波数50MHzに対する和周波数は100.5MHzとなり、上記に示した関係と異なる。また、スプリアス成分に対する和周波数も上記に示した関係と異なってしまう。しかし、これらの周波数成分は、第1のフィルタ109により除去される対象であるので、進行波電力の基本周波数成分の検出に影響を及ぼさない。
第1のフィルタ109により抽出された第1の差周波数信号Sfpは、第1の差周波数レベル検出部110に与えられる。第1の差周波数レベル検出部110は、差周波数信号Sfpをアナログ処理またはデジタル処理することにより、差周波数信号Sfpのレベルを検出する部分である。
差周波数信号Sfpをアナログ処理することにより、差周波数信号Sfpのレベルを検出する差周波数レベル検出部は、検波回路により構成することができる。差周波数信号Sfpをデジタル処理することにより、差周波数信号Sfpのレベルを検出する差周波数レベル検出部は、例えば、差周波数信号の値をサンプリングする手段と、そのサンプリング値から差周波数信号の平均値または実効値を演算する手段とにより構成できる。また差周波数信号を検波する検波回路と該検波回路の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器とによっても、差周波数信号のレベルをデジタル量として出力する差周波数信号レベル検出部を得ることができる。
本実施形態では、差周波数信号Sfpをデジタル処理することにより、差周波数信号Sfpのレベルを検出するように(デジタル回路により)第1の差周波数レベル検出部110が構成されている。
第1の差周波数信号レベル検出部110をデジタル回路により構成する場合、該第1の差周波数信号レベル検出部が出力するレベル検出信号Spaの値は、進行波検出信号Spの大きさ(電圧値)を示す値でもよく、進行波検出信号の電圧値を換算して求めた進行波電力の電力値を示す値でもよい。本実施形態では、第1の差周波数信号レベル検出部110が、進行波電力の電力値を示す値を有するように構成されているものとする。
第1の差周波数信号レベル検出部110から得られる第1のレベル検出信号Spaは、第1のレベル設定部111から出力される第1のレベル設定信号Spasとともに第1のレベル制御部112に入力される。第1のレベル制御部112は、第1の差周波数信号レベル検出部110により検出されたレベルを、第1のレベル設定部111により設定された第1の設定レベルと比較演算して、その演算結果に基づいて電力増幅部103から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように、第1の高周波発生部101に第1の振幅レベル指令Ca1を与える部分である。
第1のレベル設定信号Spasにより設定される第1の設定レベルは、電力増幅部103から出力される進行波電力の電力値を設定値に等しくするために必要な第1の高周波発生部101の出力レベルを与えるものである。
第1のレベル制御部112は、アナログ回路からなっていてもよく、デジタル回路からなっていてもよい。本実施形態では、第1の高周波発生部101がDDSからなっているため、第1のレベル制御部112から第1の高周波発生部101にデジタル信号からなる振幅レベル指令を与える必要がある。そのため、第1のレベル制御部112がアナログ回路により構成される場合には、第1のレベル制御部112の出力側にADコンバータ等を設けて、第1のレベル制御部112の出力信号をデジタル信号に変換する必要がある。
本実施形態では、第1の差周波数信号レベル検出部110がデジタル回路からなっていて、レベル検出信号Spaをデジタル信号として出力するため、第1のレベル制御部112もデジタル回路により構成されている。
第1のレベル制御部112は、差周波数信号Sfpのレベルを第1の設定レベルに等しくするために必要な第1の高周波信号S1のレベルを演算して、演算したレベルの第1の高周波信号S1を第1の高周波発生部101から発生させるように、第1の高周波発生部101に振幅レベル指令Ca1を与える。
本実施形態ではまた、第2の高周波発生部102の出力レベルを検出する出力レベル検出部113が設けられて、その出力信号S2aが、第2のレベル設定部114から出力される第2のレベル設定信号S2asと共に第2のレベル制御部115に入力されている。
第2のレベル制御部115は、出力レベル検出部113により検出された第2の高周波発生部102の出力レベルを第2のレベル設定部114により設定された第2の設定レベルと比較演算し、その演算結果に基づいて、第2の高周波発生部102が出力する第2の高周波信号S2のレベルを第2の設定レベルに保つように、第2の高周波発生部102に振幅レベル指令Ca2を与える。
本実施形態では、第2のレベル制御部115がデジタル回路からなっていて、出力レベル検出部113から得られるレベル検出信号S2aがA/D変換器を通して第2のレベル制御部115に与えられる。第2のレベル制御部115は、レベル検出信号S2aのレベルを第2の設定レベルに等しくするために必要な第2の高周波信号S2のレベルを演算して、演算したレベルの第2の高周波信号S2を第2の高周波発生部102から発生させるように、第2の高周波発生部102に振幅レベル指令Ca2を与える。
本実施形態の高周波電源装置においては、反射波電力の基本周波数成分を検出するため、第2の乗算部121と第2のフィルタ122と、第2の差周波数信号レベル検出部とが設けられている。
更に詳細に説明すると、第2の乗算部121は、反射波検出信号Srと第2の高周波信号S2とを入力として、両信号を乗算することにより、第1の周波数f1と第2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfr′を出力する。
第2のフィルタ122は、ローパスフィルタからなっていて、第2の乗算部121の出力信号Sfr′から第1の周波数f1と第2の周波数f2との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号Sfrを抽出する。この差周波数信号Sfrは、反射波電力の基本周波数成分の情報を有する信号である。
第2の差周波数レベル検出部123は、第2の差周波数信号Sfrをアナログ処理またはデジタル処理することにより、第2の差周波数信号Sfrのレベルを示すレベル検出信号Sraを出力する部分であり、第1の差周波レベル検出部110と同様に構成される。第2の差周波数レベル検出部123が出力するレベル検出信号Sraは、反射波電力の基本周波数成分のレベルを示す信号である。本実施形態では、第2の差周波数信号レベル検出部123がデジタル回路により構成されていて、第2の差周波数信号レベル検出部123が出力するレベル検出信号Sraの値が、反射波電力の電力値を示すように構成されている。
本実施形態では、周波数制御部105が、メモリ124と、整合動作判定部125と、周波数設定部126と、周波数特定部127とにより構成されている。
メモリ124は、第1の周波数f1の値を微小な周波数範囲ΔF内で変化させて、その周波数範囲内で反射波電力を最小にする第1の周波数f1の値を探索する際に、第1の周波数f1の一連の値に対して第2の差周波数信号レベル検出部123からそれぞれ出力されるレベル検出信号の値(反射波電力の電力値)を、第1の周波数f1の値と関連づけて記憶する部分である。メモリ124に、レベル検出信号の値を第1の周波数と関連づけて記憶させることを可能にするため、第2の差周波数信号レベル検出部123に第1の周波数指令Cf1が入力されている。第2の差周波数信号レベル検出部123は、各第1の周波数f1の値と各第1の周波数の値に対応するレベル検出信号Sraの値とをペアにしてメモリ124に出力する。このメモリ124の記憶内容から、設定した周波数範囲ΔF内で反射波電力を最小にする第1の周波数f1の値が探索される。
上記のようにして、微小な周波数範囲において反射波電力を最小にする第1の周波数を探索する過程を繰り返すことにより、反射波電力を基準値以下にする基準周波数を特定し、第1の周波数f1をこの基準周波数に等しくするように、周波数設定部126から第1の高周波発生部101に周波数指令Cf1を与えることにより、反射波電力を基準値以下に抑えるように第1の周波数を制御する整合動作を行わせる。
なお本実施形態で用いる整合動作の手法自体は図17に示した方法と同様であり、既に公知である。
本実施形態では、整合動作判定部125で、整合動作を行う必要があると判定された場合にのみ、上記整合動作を行わせる。図示の整合動作判定部125は、反射波基準レベル設定部128と、整合開始判定部129と、整合終了判定部130とにより構成されている。整合開始判定部129は、第2の差周波数信号レベル検出部123から出力される第2の差周波数信号Sfrにより検出される反射波電力の値(レベル検出信号Sraの値)を、反射波基準レベル設定部128により与えられる反射波基準値と比較し、検出された反射波電力の値が反射波基準値を超えているときに整合動作を行う必要があると判定して整合動作オン信号Monを発生する。
また整合終了判定部130は、後述する周波数特定部127から出力される反射波電力の最小値(第2の差周波数信号Sfrの最小レベル)を、反射波基準レベル設定部128により与えられる基準値と比較して、検出された反射波電力の値が基準値以下であるときに整合動作が不要であると判定して整合動作オフ信号Moffを発生する。
前述のように、整合開始判定部129で整合動作オン信号を発生させるか否か(整合動作を開始するか否か)を判定するために用いる反射波基準値(制御開始基準値)は、整合動作オフ信号を発生させるか否か(整合動作を終了するか否か)を判定するために用いる反射波基準値(制御終了基準値)よりも大きい値に設定しておくのが好ましい。
周波数設定部126は、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に周波数指令を与える部分で、整合動作オフ信号Moffが発生しているときには、第1の周波数f1を現時点での基準周波数に等しくするとともに第1の周波数f1と第2の周波数f2との差を一定とするように、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に周波数指令Cf1及びCf2を与える。周波数設定部126はまた、整合動作オン信号Monが発生しているときに、第1の周波数f1と第2の周波数f2との差を常に一定に保ちつつ、設定した微小な周波数範囲ΔF内で第1の周波数f1を種々の値に変化させるべく第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に周波数指令Cf1及びCf2を与える。
周波数特定部127は、高周波電源装置の出力の基準周波数を特定する部分で、整合動作オン信号Monが与えられているときに、周波数設定部126が設定した周波数範囲ΔF内での第1の周波数f1の1セットの変化を完了する毎に、該周波数範囲ΔF内の第1の周波数f1(メモリ124に記憶されている。)の中から第2の差周波数信号Sfrのレベル(反射波電力の電力値)が最小になる第1の周波数f1を探索する。また、探索した第1の周波数f1に対応する第2の差周波数信号Sfrの最小レベル(反射波電力の最小値)を整合終了判定部130に与える。この最小レベルは、電圧値であってもよい。また周波数特定部127は、整合動作オフ信号Moffが発生しているときに、整合動作オン信号Monが発生していたときに最後に探索した第1の周波数f1を現時点での基準周波数として特定する。
本実施形態では、第2の差周波数信号レベル検出部123の出力により検出される反射波電力の基本周波数成分が基準値を超えている間、設定した微小な周波数範囲ΔF内で第1の周波数f1を変化させて、その周波数範囲ΔF内で反射波電力を最小にする第1の周波数f1の値を探索し、探索した第1の周波数f1をその探索が終了した時点での基準周波数として、第1の高周波発生部101の出力周波数(第1の周波数)を基準周波数に等しくし、かつ第1の周波数f1と第2の周波数f2との差を一定にするように、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102にそれぞれ周波数指令Cf1及びCf2を与える過程を繰り返すことにより、反射波電力を基準値以下に抑制する整合動作を行わせる。
上記のように、本発明においては、第1の周波数f1と第2の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部101及び102に周波数指令Cf1及びCf2を与えることにより、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つので、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させるために第1の高周波発生部101の出力周波数を変化させても、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に電力増幅部103の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部110の出力信号のレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができ、負荷に供給する高周波電力の電力値の制御の精密性をなんら損なうことなく、高周波電力の周波数を任意に変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
また本実施形態の高周波電源装置においては、第2のレベル制御部115が、出力レベル検出部113により検出された第2の高周波発生部102の出力レベルを第2の設定レベルと比較演算して、その演算結果に基づいて第2の高周波発生部102の出力レベル(第2の高周波信号S2の信号レベル)を設定された一定値に保つように第2の高周波発生部102に振幅レベル指令を与えるため、第2の高周波発生部の出力レベルを常に一定のレベル(第2の設定レベル)に保つことができる。そのため、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により、乗算部107の出力レベルが変動して、電力増幅部103の出力の電力値と第1の差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができる。
従って、本実施形態によれば、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に、フィルタの周波数特性に起因して電力増幅部103の出力の電力値と第1の差周波数信号レベル検出部110の出力信号のレベルとの対応関係が変化するのを防ぐとともに、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により乗算部の出力が変動して電力増幅部103の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防いで、高周波電力の電力値を設定値に保つ制御の精密性を高めることができる。
本実施形態のように、第2の高周波発生部102の出力レベルを一定に制御することが望ましいが、第2の高周波電源発生部102の出力に予測される変動が僅かである場合には、第2の高周波電源発生部102の出力レベルを制御する制御系を省略することができる。従って、本発明に係わる高周波電源装置の基本的な構成では、図1に示した実施形態の出力レベル検出部113、第2のレベル制御部115及び第2のレベル設定部114を省略することができる。
また本実施形態では、反射波検出信号Srを第2の高周波信号S2と乗算して第1の周波数f1と第2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfr′に変換した後、第2のフィルタ122により、第1の周波数f1と第2の周波数f2との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号Sfrを抽出して、第2の差周波数レベル検出部123により、第2の差周波数信号Sfrのレベルを検出するので、反射波電力の基本周波数に対する差周波数成分を精度よく検出することができる。
即ち、第2のフィルタ122における抽出対象を、第1の周波数f1と第2の周波数f2との差の周波数成分として、第2のフィルタ122の特性を、スプリアス周波数と第2の周波数f2との差の周波数成分を除去する特性とすれば、第1の周波数f1を変化させても、抽出対象の周波数は一定であるため、フィルタの周波数特性の影響を受けることなく、抽出対象のレベルを検出することができる。そのため、第2のフィルタ122により抽出された差周波数信号Sfrのレベルを第2の差周波数信号レベル検出部123で検出することにより、負荷側から電力増幅部103に戻ってくる反射波電力の基本周波数成分を精度良く検出することができる。
上記のように、本発明においては、第1の周波数f1を変化させても、反射波電力の基本周波数成分を精度よく検出することができるため、第1の周波数f1を設定した微小周波数範囲ΔF内で変化させながら、反射波電力を最小にする第1の周波数f1を探索する手法を用いて、反射波電力を基準値以下に抑制するように第1の周波数f1を制御する整合動作を精度よく行わせることができる。
上記の説明では、第1のレベル制御部112をデジタル回路により構成するとしたが、第1のレベル制御回路112をアナログ回路により構成することもできる。この場合には、第1のレベル制御部112に例えば比較回路が設けられて、該比較回路により、差周波数信号レベル検出部110から出力されるレベル検出信号Spaのレベルと、第1のレベル設定部111から出力される第1のレベル設定信号Spasのレベルとが比較される。第1のレベル制御部112は、この比較の結果、レベル検出信号Spaのレベルが第1のレベル設定信号Spasのレベルよりも高いときに、第1の高周波発生部101の出力レベルを低減させるように第1の高周波発生部101に振幅レベル指令Ca1を与え、レベル検出信号Spaのレベルが第1のレベル設定信号Spasのレベルよりも低いときに、第1の高周波発生部101の出力レベルを増大させるように第1の高周波発生部101に振幅レベル指令Ca1を与えることにより、第1の高周波発生部101の出力レベルを第1の設定レベルに等しくするように制御して、電力増幅部106から出力される進行波電力の電力値を設定値に収束させる。
本実施形態のように、差周波数信号をデジタル処理することにより、そのレベルを検出するように、第1の差周波数信号レベル検出部110を構成する場合、差周波数レベル検出部110は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)のような、内部の論理回路を適宜に定義、変更し得るゲートアレイを用いることにより容易に構成することができる。
同様に、デジタル回路により構成される第2の差周波数信号レベル検出部123も、FPGA等のゲートアレイにより構成することができる。
図1に示した実施形態において、周波数制御部105、第1の差周波数信号レベル検出部110、第1のレベル制御部112、出力レベル検出部113、第2のレベル制御部115をデジタル化する場合には、これらの部分をまとめてFPGAにより構成することができる。
また図1に示した実施形態において、周波数制御部105の主要部をマイクロプロセッサを用いて構成することもできる。
図1に示した実施形態の周波数設定部126、周波数特定部127及び整合動作判定部125をマイクロプロセッサを用いて構成する場合に、マイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図4ないし図6に示した。図4はメインルーチンを示し、図5は整合動作を開始するか否かを判定するための第1のサブルーチンを示している。また図6は整合動作時の処理を示す第2のサブルーチンを示している。
図4のメインルーチンが開始されると、先ずステップS101で各部の初期化が行われる。この初期化のステップでは、メモリの内容が初期化されるとともに、整合判定部125が整合動作オフ信号Moffを出力した状態にされる。また基準周波数の初期値が50MHzに設定される。
次いでステップS102において、整合動作オン信号が出力されているか否かを判定し、整合動作オン信号が出力されていない場合には、ステップS103に進んで各高周波発生部の出力周波数を決定する。本実施形態では、第1の高周波発生部101の出力周波数(第1の周波数)f1を50.0MHzとし、第2の高周波発生部102の出力周波数(第2の周波数)f2を49.5MHzとする。ステップS103を実行した後、後記するステップS106に進む。
ステップS102において、整合動作オン信号が発生していると判定された場合には、ステップS104に進んで、反射波電力が小さくなる出力周波数(第1の周波数)を探索する制御を行う。そのため、周波数設定部126において、現時点での基準周波数に基づいて、所定の規則に従って第1の高周波発生部101の出力周波数を変更していき、同時に第1の周波数f1と第2の周波数f2との差の周波数を一定に保つように第2の高周波発生部102の出力周波数を変更していく。このとき、先ず第1の周波数f1を定め、次に第1の周波数f1に基づいて第2の周波数f2を定める。
図示のフローチャートでは、上記の処理を進める上で、第1の周波数f1を表す変数を用い、この変数によって、第1の周波数を定めるようにしている。図示の例では、第1の周波数f1を表す変数を「n1」としている。ここで第1の周波数を現在の基準周波数を中心として±10段階、すなわち、基準周波数を含めて21段階に変化させるとすると、変数「n1」は1〜21の値をとる。変数n1と各周波数との対応関係は予め規則を作って定めておく。最初は、「n1=1」とする。ステップS104は、変数n1を初期化するためのステップである。
ステップS104を実行した後、ステップS105に進む。ステップS105では、第1の周波数f1を表わす変数n1に基づいて第1の周波数f1を定め、第1の周波数と第2の周波数との差が一定(本実施形態では0.5MHz)になるように第2の周波数f2を定める。第2の周波数f2は、第1の周波数f1に基づいて自動的に決まる。
一例として、第1の周波数f1を、現在の基準周波数の±0.01MHzの範囲で0.001MHz刻みで、徐々に大きくしていくように変化させるものとする。現在の基準周波数を50MHzとすると、第1の周波数f1は49.990MHz→49.991MHz→49.002MHz→…→50.000MHz→…→50.009MHz→50.010MHzのように変化させられる。第2の周波数f2は49.490MHz→49.491MHz→…→49.500MHz→…→49.509MHz→49.510MHzのように変化させられる。
次いでステップS106に進み、周波数指令及び振幅レベル指令に基づいて、各高周波発生部から高周波信号を出力させる。最初は各高周波発生部の出力周波数及び振幅共に初期値とする。周波数及び振幅の初期値の設定の仕方は、大きく分けて下記の3通りが考えられる。
(1)初期値を外部から各高周波発生部に入力する。例えば、周波数は周波数設定部126から各高周波発生部に入力し、振幅は図示しない外部装置から各高周波発生部に入力する。周波数及び振幅の両方の初期値を外部から入力するようにしてもよい。
(2)各高周波発生部に初期値を記憶させておく。
(3)他の機器や民生機器などによく見られるラストワンメモリー機能を各高周波発生部に搭載して、電源を切る寸前の最終の周波数及び振幅の値を記憶しておき、記憶した最終の値を周波数及び振幅の初期値とする。
第1の高周波発生部から第1の高周波信号が発生することにより、電力増幅部103が出力を発生する(ステップS107)。
次いで、ステップS108で高周波検出部104から進行波検出信号及び反射波検出信号を読み込み、ステップS109に進む。ステップS109では、第1の乗算部107の出力から第1のフィルタ109を通して第1の差周波数信号を抽出した後、第1の差周波数信号のレベルを第1の差周波数信号レベル検出部110により検出し、第1の差周波数レベル検出部110の出力から進行波電力のレベルを示す進行波検出値を得る。ステップS109ではまた、第2の乗算部121の出力から第2のフィルタ122を通して、第2の差周波数信号を抽出した後、第2の差周波数信号レベル検出部123でこの第2の差周波数信号のレベルを検出して、反射波電力のレベルを示す反射波検出値を得る。
整合動作オン信号が発生しているときには、ステップS109において、検出された反射波検出値を第1の周波数と関連づけてメモリ124に記憶させる。メモリ124には、例えば、出力周波数(第1の周波数)49.990zMHz,49.991MHz,49.992MHz,…,50.000MHz,…,50.010MHz,50.010MHzに対して検出された反射波電力の電力値が60W,55W,53W,…,44W,…,28W,25Wのように記憶される。
なお反射波検出値は必ずしも電力値として記憶させなくてもよく、第2の差周波数信号のレベルを示す電圧値として記憶させてもよい。
本実施形態では、整合動作オフ信号が発生しているときに、第2の差周波数レベル検出部123から得られる反射波検出値をメモリ124に記憶する処理を行わないようにしている。その理由は、メモリに記憶されているデータを使用するときに、不要なデータがあると誤認識してしまうおそれがあるからである。整合動作オン信号が発生したときに、メモリの内容を初期化するなどの工夫をした場合には、この時点で反射波検出値をメモリに記憶させるようにしても問題がない。
ステップS109の処理を実行した後、ステップS110を実行する。ステップS110では、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102の振幅制御を行う。この振幅制御では、第1の差周波数レベル検出部110から得られる進行波検出値を設定レベルと等しくするように、第1のレベル制御部112から第1の高周波発生部101に振幅レベル指令Ca1を与え、第2の高周波発生部102の出力を第2のレベル設定部114により設定された設定レベルと等しくするように、第2のレベル制御部115から第2の高周波発生部102に振幅レベル指令Ca2を与える。
ステップS110の振幅制御を行った後、ステップS111で整合動作オン信号が発生しているか否かを判定する。その結果、整合動作オフ信号が発生している場合には、図5に示す第1のサブルーチンに進み(ステップS112)、整合動作オン信号が発生しているときには、図6に示す第2のサブルーチンに進む(ステップS113)。
図5に示した第1のサブルーチンは、整合動作を開始するか否かを判定するサブルーチンで、このサブルーチンでは、ステップS201で第2の差周波数レベル検出部123の出力から求めた反射波検出値と反射波基準とを比較する。その結果、反射波検出値が反射波基準値以下であると判定されたときには、整合動作が不要であるとして、ステップS202で整合動作オフ信号を発生させ、ステップS203で図4のステップS102に戻る。またステップS201で、反射波検出値が反射波基準値を超えていると判定されたときには、整合動作が必要であるとして、ステップS204で整合動作オン信号を発生させた後、図4のステップS102に戻る。整合動作オン信号は、差周波数レベル検出部123、周波数設定部126及び整合終了判定部130に送られる。
整合動作時の処理を行う図6に示した第2のサブルーチンでは、先ずステップS301で、反射波電力を最小にする周波数を探索するための1セットの周波数変化が完了したか否かを判定する。その結果、周波数変化が完了していないと判定されたときには、ステップS302に進んで変数n1を1だけインクリメントし、その後図4のステップS105に戻る。
図6の第2のサブルーチンのステップS301で周波数の変化が完了したと判定されたときには、ステップS304に進んで、第1の周波数変更完了信号を出力する。次いでステップS305で、第1の周波数変更完了信号を周波数特定部127に入力する。
第1の周波数変更完了信号を周波数特定部127に入力した後、ステップS306に進んで、周波数特定部127で、メモリ124に記憶されている反射波検出値の中で一番小さいものに対応する第1の周波数f1を特定し、この周波数f1を新たな基準周波数とする。前述の例では、50.010MHzのときに反射波検出値が最も小さい値25Wを示しているので、50.010MHzを新たな基準周波数とする。
次いでステップS307で新たな基準周波数を周波数設定部126に送る。周波数設定部126では、この周波数が現時点の基準周波数となる。
次いで、ステップS308で最も小さい反射波検出値を整合終了判定部130に送り、ステップS309で整合終了判定部130に判定動作を行わせる。整合終了判定部130は、周波数特定部127から出力された反射波検出値(最小値)と反射波基準値とを比較して、整合動作を終了するか否かを判定する。反射波検出値が反射波基準値よりも小さいときには、整合動作は不要であるとして、ステップS310で整合動作オフ信号を出力し、ステップS311で図4のステップS102に戻る処理を行わせる。
ステップS309で反射波検出値が反射波基準値よりも大きいと判定されたときにはステップS312で整合動作が開始されてから所定の時間が経過したか否かを判定する。その結果、所定の時間が経過していないと判定されたときにはステップS314に進んで、周波数の探索を続行するために図4のステップS104に戻る処理を行う。またステップS312で整合動作が開始されてから所定の時間が経過したと判定されたときには、何らかの異常があるので、ステップS313で異常信号を出力させ、ステップS315で処理を終了する。
図4ないし図6に示したアルゴリズムによる場合には、図4のステップS102ないしS105、図6のステップS301ないしS305により周波数設定部126が構成される。また図5のサブルーチンと図6のステップS309,S310,S312及びS313とにより、整合動作判定部125が構成され、図6のステップS306ないしS308により周波数特定部127が構成される。
図1に示した実施形態においては、第1の差周波数信号レベル検出部110により検出された進行波電力を設定値に保つように第1の高周波発生部101の出力の振幅を制御しているが、進行波電力及び反射波電力の合計値に対して電力増幅部103を保護するために、図1に波線で示したように、第1の差周波数信号レベル検出部110とともに第2の差周波数レベル検出部123の出力を第1のレベル制御部112に入力して、反射波電力の検出値と進行波電力の検出値との合計値が設定値を超えないように、第1の高周波発生部101に与える振幅レベル設定信号Ca1を制御するようにすることもできる。
図2は、本発明の第2の実施形態を示したものである。高周波電源装置から負荷に多くの電力を供給することを目的とする場合には、第1の実施形態で説明したように、基本周波数に対して反射波電力を小さくするように整合動作を行わせることが望ましい。
一方、進行波電力と反射波電力との和が過大になると、電力増幅部103が破損するため、電力増幅部103を保護する目的で、進行波電力と反射波電力との和が基準値を超えないように制御する場合がある。
高周波電源装置においては、基本周波数の反射波だけでなく、基本周波数の周辺の周波数成分の反射波も電力増幅部に戻ってくるため、電力増幅部の保護の観点からすると、反射波電力の基本周波数成分だけでなく、反射波電力の基本周波数の周辺の周波数成分をも小さくすることが重要である。この場合には、整合動作を行うに当って、基本周波数と基本周波数の周辺の周波数との双方に対して反射波電力を検出して、周波数特定部で、これらの反射波電力の合計値が小さくなるような周波数を特定するようにする必要がある。
本実施形態では、基本周波数と基本周波数の周辺の周波数との双方に対して反射波電力を検出して、これらの反射波電力の合計値を基準値以下に抑制する整合動作を実現するために、複数の検出対象周波数にそれぞれ対応する複数の第3の周波数f3を有する複数の第3の高周波信号S3を時系列的に発生する第3の高周波発生部131を設けて、この第3の高周波発生部131と、第2の乗算部121と、第2のフィルタ122と、第2の差周波数信号レベル検出部123とにより、基本周波数及びその周辺の周波数成分の反射波を検出することを可能にしている。
第3の高周波発生部131は、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102と同様に、周波数指令Cf3により指令された出力周波数と振幅レベル指令Ca3により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生する高周波発生部である。
本実施形態では、第3の高周波信号発生部131の出力が、反射波検出信号Srとともに第2の乗算部121に入力されている。また第3の高周波発生部131の出力レベルを一定に保って反射波電力を正確に検出することを可能にするため、第3の高周波信号S3の出力レベルを検出するレベル検出部132と、第3の高周波信号S3nの出力レベルの設定値を与えるレベル設定部133と、レベル検出部132により検出されたレベルをレベル設定部133により設定されたレベルに一致させるように第3の高周波発生部131に振幅レベル指令Ca3を与えるレベル制御部134とが設けられている。
第2の乗算部121は、高周波検出部104により得られた反射波検出信号Srと第3の高周波発生部131が時系列的に発生する第3の高周波信号とを順次乗算して、第1の周波数f1と各第3の周波数f3との差の周波数成分を含む信号を出力する。
また第2のフィルタ122は、第2の乗算部121の出力から各検出対象周波数と各検出対象周波数に対応する各第3の周波数f3との差の周波数を有する第2の差周波数信号を順次抽出して、各検出対象成分に対応する第2の差周波数信号を時系列的に出力する。
第2の差周波数レベル検出部123は、第2のフィルタ122から時系列的に出力される第2の差周波数信号のレベルを検出してレベル検出信号を出力する。
本実施形態では、周波数制御部105が、第1の周波数f1と第2の周波数f2との差周波数を一定に保つように第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に周波数指令を与えるとともに、反射波電力の基本周波数と少なくとも1つのスプリアス周波数とからなる複数の周波数を検出対象周波数として、複数の検出対象周波数にそれぞれ対応する複数の第3の周波数f3を有する複数の第3の高周波信号S3を、各第3の周波数f3と対応する検出対象周波数との差を常に一定に保って時系列的に発生させるように第3の高周波発生部に周波数指令を与える。
本実施形態では、周波数制御部105に、整合動作判定部125と、周波数設定部126と、周波数特定部127と、第1のメモリ124と、第2のメモリ136と、反射波情報検出部135とが設けられている。第1のメモリ124は図1の実施形態のメモリ124に対応するもので、第2の差周波数レベル検出部123により検出される反射波の電力値を、第1の周波数f1と第3の周波数f3と関連づけて記憶する。第2の差周波数レベル検出部123により検出される反射波の電力値を、第1の周波数f1と第3の周波数f3と関連づけて記憶することを可能にするため、第2の差周波数信号レベル検出部123に第1の周波数f1を発生することを指令する周波数指令Cf1と、第3の周波数f3を発生することを指令する周波数指令Cf3とが入力されている。第2の差周波数信号レベル検出部123は、反射波の電力値を検出する毎に、その検出値とともに対応する第1の周波数f1の値と第3の周波数f3の値とを第1のメモリ124に出力する。
第3の周波数の1セットの変化が完了すると、周波数設定部126から反射波情報検出部135に第3の周波数完了信号が与えられる。このとき反射波情報検出部135は、第1のメモリ124に記憶された反射波電力の複数の検出対象周波数成分の反射波検出値の中から、基本周波数成分に対応する反射波検出値と、スプリアス成分に対応する反射波検出値のうち所定のレベルを超えるものとを選択して、選択した反射波検出値を加算する等の合成処理を行うことにより制御に用いる合成反射波検出値を演算する。反射波情報検出部135は、演算した各第1の周波数f1に対する合成反射波検出値を、第1の周波数f1とセットにして出力して第2のメモリ136に記憶させる。第2のメモリ136には、[第1の周波数f1,合成反射波検出値]が、例えば、[49.990MHz,60W],[49.991MHz, 55W],[49.992MHz, 53W],…,[50.000MHz, 44W],…,[50.010MHz, 25W]のようにセットにして記憶される。整合動作を行う際には、これらの合成反射検出値の中から最小値を示すもの(この例では、25W)が選択されて、選択された合成反射検出値に対応する第1の周波数f1(この例では50.010MHz)が新たな基準周波数として決定される。
図2に示した実施形態のその他の構成は図1に示した実施形態と同様である。
図2に示した実施形態の周波数設定部126、周波数特定部127及び整合動作判定部125をマイクロプロセッサを用いて構成する場合に、マイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図7ないし図9に示した。図7はメインルーチンを示し、図8は整合動作を開始するか否かを判定するための第1のサブルーチンを示している。また図9は整合動作時の処理を示す第2のサブルーチンを示している。
本実施形態では、基本周波数を50MHzとし、検出したいスプリアス周波数を46,48,52及び54MHzとする。即ち、検出対象周波数を50,46,48,52及び54MHzとする。
整合動作がオフ状態にあるときには、第1の周波数f1及び第2の周波数f2を固定して第3の周波数f3を時系列的に変化させる。例えば、第1の周波数f1が50MHzである場合には、第2の周波数f2を49.5MHzとして、第3の周波数f3を45.5→47.5→49.5→51.5→53.5MHzのように時系列的に変化させる。このようにすれば、反射波の検出対象周波数に対して、0.5MHzだけ異なる周波数を有する差周波数信号が第2の乗算部121から出力され、第2のフィルタ122より、反射波電力の検出対象成分を示す差周波数信号を時系列的に出力させることができる。
また整合動作がオン状態にあるとき(反射波電力を最小にする第1の周波数f1を探索するとき)には、第1の周波数を設定した微小な周波数範囲で段階的に変化させる。一例を挙げると、基本周波数が50MHzである場合に、50MHzを中心にして±0.01MHzの範囲を第1の周波数f1を変化させる周波数範囲として設定して、この周波数範囲で第1の周波数f1を0.001MHz刻みで徐々に大きくしていくように変化させる。即ち、49.990MHzないし50.010MHzの周波数範囲を第1の周波数f1を変化させる微小な周波数範囲とし、第1の周波数f1を49.990→49.991→49,991→…→50,000→50,001→…→50.010のように段階的に変化させる。このとき第2の周波数f2は第1の周波数f1の各値との差が常に0.500MHzとなるように変化させる。また時系列的に発生させる第3の周波数の各値も第1の周波数f1の値に対応させて変化させる。即ち、第3の周波数f3は、基準周波数が50.000MHzであるときの値45.5,47.5,49.5,51.5及び53.5MHzを中心として±0.01MHzの範囲で0.001MHz刻みで変化させる。
例えば、第1の周波数f1が49.990MHzであるときには、第2の周波数f2を49.490MHzとし、第3の周波数f3を45,490MHz→47.490MHz→49.490MHz→51.490MHz→53.490MHzのように変化させる。また第1の周波数f1が50.000MHzであるときに、第2の周波数f2を49.500MHzに固定し、第3の周波数f3の値を45.500MHz→47.5MHz→49.5MHz→51.5MHz→53.5MHzのように変化させ、第1の周波数f1が50.010MHzであるときには、第2の周波数f2を49.510MHzに固定して、第3の周波数f3の値を45.510MHz→47.510MHz→49.510MHz→51.510MHz→53.510MHzのように変化させる。
図7に示したメインルーチンが開始されると、先ずステップS101で各部の初期化を行って、整合動作オフ信号を発生させ、基準周波数を50.0MHzとする。次いでステップS102で第3の周波数f3を表す変数n3を初期値1とする。
第2の高周波発生部及び第3の高周波発生部の周波数は、第1の周波数f1に基づいて自動的に決まる。第3の周波数f3は、各第1の周波数に対して時系列的に変化させる。例えば、第1の周波数が50.0MHzであるときには、第3の周波数を45.5 → 47.5 → 49.5 → 51.5 → 53.5MHzのように時系列的に変化させる。なお、第3の周波数f3が変化している間は、第1の周波数f1及び第2の周波数f2を変化させない。図7のフローチャートでは、上記のように処理を進める上で、第3の周波数f3を表す変数を用い、この変数によって、第3の周波数を定めるようにしている。上記のように第3の周波数f3を45.5 → 47.5 → 49.5 → 51.5 → 53.5MHzの5段階に変化させる場合、第3の周波数f3の45.5,47.5,49.5,51.5及び53.5MHzの値をそれぞれ変数n3の1ないし5の値で表す。
次いでステップS103では、整合動作のオンオフを判定する。最初は整合動作がオフであるので、ステップS104に進む。ステップS104では、基準周波数に基づいて、各高周波発生部の出力周波数を決定する。第3の周波数f3は、第1の周波数f1と変数n3とによって決まる。第1の周波数f1、第2の周波数f2及び第3の周波数f3の初期値はそれぞれ50.0MHz、49.5MHz及び45.5MHzである。その後ステップS107に進む。
ステップS103で整合動作がオンであると判定されたときには、ステップS105に進んで第1の周波数f1を決める変数n1及び第3の周波数n3を初期値「1」にセットする。
ステップS105を終了した後、ステップS106に進んで各高周波発生部の出力周波数を決定する。このとき、変数n1により第1の周波数f1を決定し、変数n1の各値に対して、第2の周波数f2の値、及び変数n3により決まる第3の周波数f3の値を決定する。例えば、第1の周波数が50.000MHzであるときには、第2の周波数を49.500MHzに固定した状態で、第3の周波数f3を45.000MHz(n3=1のとき),47.500MHz(n3=2のとき),49.500MHz(n3=3のとき),51.500MH(n3=4のとき)及び53.500MHz(n3=5のとき)のように5段階に切り換える。また第1の周波数が50.010MHzであるときには、第2の周波数f2を49.510MHzに固定した状態で、第3の周波数f3を45.510MHz(n3=1),47.510MHz(n3=2),49.510MHz(n3=3),51.510MHz(n3=4),53.510MHz(n3=5)の5段階に切り換える。
ステップS104またはステップS106で各高周波発生部の出力周波数を決定した後、各高周波発生部に周波数指令及び振幅レベル指令を与えて、第1ないし第3の高周波発生部から高周波信号を発生させ(ステップS107)、電力増幅部から進行波電力を出力させる(ステップS108)。次いでステップS109で高周波検出部104が出力している進行波検出信号及び反射波検出信号を読み取り、ステップS110で第1の差周波数信号レベル検出部110及び第2の差周波数信号レベル検出部123からそれぞれ進行波検出値及び反射波検出値を出力する。
ステップS110では、第1の差周波数信号レベル検出部110及び第2の差周波数信号レベル検出部123からそれぞれ出力された進行波検出値及び反射波検出値を第1のメモリ124に出力する。第1のメモリ124には、進行波検出値及び反射波検出値が第1の周波数f1の値及び第3の周波数f3の値と関連づけて記憶される。例えば、第1の周波数f1が50MHzで、第3の周波数f3を45.5MHz,47.5MHz,49.5MHz,51.5MHz及び53.5MHzとしたときの反射波検出値値がそれぞれ2W,5W,30W,5W及び2Wであったときには、第1のメモリ124に、第1の周波数f1,第3の周波数f3及び反射波検出値が、[50MHz,45.5MHz,2W],[50MHz,47.5MHz,5W], [50MHz,49.5MHz,30W],[50MHz,51.5MHz,5W],[50MHz,53.5MH,2W]のように関連づけられて記憶される。
次いでステップS111で第3の高周波発生部131の1セットの出力周波数(第3の周波数f3)の変化(例えば、第1の周波数f1が50.0MHzであるときには、45.5 → 47.5 → 49.5 → 51.5 → 53.5MHzの5段階の変化)が完了したか否かを判定し、完了していない場合にはステップS112に進んで第3の周波数f3を決める変数n3をインクリメントする。次いでステップS113に進んで整合動作がオンである(整合動作オン信号が発生している)か否かを判定する。その結果、整合動作がオフである場合には図7のステップS104に戻り、整合動作がオンである場合にはステップS106に戻る。
ステップS111で第3の周波数f3の1セットの変化が完了したと判定されたときには、ステップS116に進んで第3の周波数変更完了信号を周波数設定部126から反射波情報検出部135に与える。これにより反射波情報検出部135で合成反射波検出値を演算する。その後、第1の周波数f1と合成反射波検出値とをセットにして第2のメモリ136に記憶させる。ステップS117では各高周波発生部に対して振幅レベル指令を与える振幅制御を行う。その後ステップS118で整合動作オン信号が発生しているか否かを判定し、発生していない場合には図8に示した第1のサブルーチンに進む。また整合動作オン信号が発生しているときには、図9に示した第2のサブルーチンに進む。
図8に示した第1のサブルーチンは、整合動作を開始するか否かを判定するサブルーチンで、このサブルーチンでは、ステップS201で反射波情報検出部135から出力された合成反射波検出値と反射波基準とを比較する。その結果、合成反射波検出値が反射波基準値以下であると判定されたときには、整合動作が不要であるとして、ステップS202で整合動作オフ信号を発生させ、ステップS203で図7のステップS102に戻る。またステップS201で、反射波検出値が反射波基準値を超えていると判定されたときには、整合動作が必要であるとして、ステップS204で整合動作オン信号を発生させた後、図7のステップS102に戻る。整合動作オン信号は、反射波情報検出部135、周波数設定部126及び整合終了判定部130に送られる。整合動作オフ信号は、反射波情報検出部135及び周波数設定部126に与えられる。
図9の第2のサブルーチンでは、ステップS301で変数n1が最終値であるか否かを判定する。その結果、変数n1が最終値でないと判定されたときには、ステップS302に進んで変数n1をインクリメントし、図7のステップS106に戻る。ステップS301で変数n1が最終値であると判定されたときには、ステップS304に進んで第1の周波数変更完了信号を周波数特定部127に入力し、ステップS305に進む。ステップS305では、第2のメモリ136に記憶されている合成反射波検出値の最小値に対応する周波数を新たな基準周波数とし、次いでステップS306で新たな基準周波数を周波数設定部126に送り、反射波検出値の最小値を整合終了判定部130に送る。次いでステップS307に進んで反射波検出値(合成反射波検出値)と反射波基準値とを比較する。その結果、反射波検出値が反射波基準値以下である場合には、ステップS308に進んで整合動作オフ信号を出力させた後、ステップS309で図7のステップS102に戻る。
図9のステップS307で反射波検出値が反射波基準値を超えていると判定されたときには、ステップS310に進んで整合動作が開始されてから所定の時間(設定された時間)が経過したか否かを判定する。その結果、整合動作が開始されてから所定の時間が経過していないと判定されたときには、ステップS311で図7のステップS105に戻って、整合動作を再開させる。ステップS310で整合動作が開始されてから所定の時間が経過したと判定されたときには、何らかの異常があるので、ステップS312に進んで異常信号を発生させ、ステップS313で整合動作の処理を終了させる。
図7ないし図9に示したアルゴリズムによる場合には、図7のステップS102ないしS106及び図9のステップS301ないしS304により周波数設定部126が構成される。また図8のサブルーチンと図9のステップS307,S308,S310及びS312とにより、整合動作判定部125が構成され、図9のステップS305及びS306により周波数特定部127が構成される。
図3は、本発明の第3の実施形態の構成を示したものである。図2に示した実施形態では、第3の高周波発生部131から複数の高周波信号を時系列的に出力させることにより、反射波検出信号から各検出対象成分を検出する処理を順次行わせるようにしたが、図3の実施形態では、反射波電力の複数の検出対象周波数のそれぞれに対応する高周波発生部を設けて、反射波検出信号から各検出対象成分を検出する処理を同時に並行させて行わせる。
本実施形態では、反射波電力の基本周波数50MHzの成分の他に、スプリアス周波数48MHz及び52MHzを検出対象周波数として、これらの3つの検出対象周波数に対して反射波電力を検出する。
図3の実施形態においては、反射波基本波成分検出用高周波発生部140と、第1及び第2の反射波スプリアス成分検出用高周波発生部141A及び141Bと、高周波検出部104から得られる反射波検出信号Srと反射波基本波成分検出用高周波発生部140の出力S3とを入力として反射波電力の基本周波数成分の反射波検出値を得る反射波基本波成分検出部142と、高周波検出部104から得られる反射波検出信号Srと第1の反射波スプリアス成分検出用高周波発生部141Aの出力S3Aとを入力として反射波電力のスプリアス成分の反射波検出値を得る第1の反射波スプリアス成分検出部143Aと、高周波検出部104から得られる反射波検出信号Srと第2の反射波スプリアス成分検出用高周波発生部141Bの出力S3Bとを入力として反射波電力のスプリアス成分の反射波検出値を得る第2の反射波スプリアス成分検出部143Bとが設けられ、反射波基本波成分検出部142の出力と、第1及び第2の反射波スプリアス成分検出部143A及び143Bの出力とが反射波情報検出部135に入力されている。
反射波スプリアス成分検出用高周波発生部は、検出対象とする反射波電力の各スプリアス周波数に対応させて、検出対象とするスプリアス周波数の数だけ設けられる。本実施形態では、反射波電力の基本周波数50MHzの他に、スプリアス周波数48MHzと52MHzとを検出対象周波数とするため、2つの反射波スプリアス成分検出用高周波発生部141A及び141Bが設けられ、両反射波スプリアス成分検出用高周波発生部141A及び141Bに対して反射波スプリアス成分検出部143A及び143Bが設けられている。
反射波基本波成分検出用高周波発生部140は、周波数指令Cf3により指令された出力周波数と振幅レベル指令Ca3により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて、反射波電力の基本周波数との差が一定な反射波基本波成分検出用周波数f3を有する反射波基本波成分検出用高周波信号S3を発生する。
第1及び第2の反射波スプリアス成分検出用高周波発生部141A及び141Bは、反射波電力のスプリアス周波数のうち、検出対象とするスプリアス周波数48MHz及び52MHzに対応して設けられて対応するスプリアス周波数との差が一定な反射波スプリアス成分検出用周波数f3A及びf3Bを有する反射波スプリアス成分検出用高周波信号S3A及びS3Bを発生する。
反射波基本波成分検出部142は、高周波検出部104により得られた反射波検出信号Srと反射波基本波成分検出用高周波信号S3とを乗算して、第1の周波数f1と反射波基本波成分検出用周波数f3との差の周波数成分を含む信号を得る反射波基本波成分検出用乗算部121′と、反射波検出用乗算部121′の出力から第1の周波数f1と反射波基本波検出用周波数f3との差の周波数を有する反射波基本波成分検出用差周波数信号を抽出する反射波基本波成分抽出用フィルタ122′と、反射波基本波成分抽出用フィルタ122′から出力される反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベルを検出する反射波基本波成分検出用差周波数信号レベル検出部123′と、高周波発生部140の出力レベルを検出するレベル検出部132′と、高周波発生部140の出力レベルの設定値を与えるレベル設定部133′と、レベル検出部132′により検出されたレベルをレベル設定部133′により設定されたレベルに一致させるように高周波発生部140に振幅レベル指令Ca3を与えるレベル制御部134′とにより構成されている。反射波基本波成分検出用差周波数信号レベル検出部123′で検出された反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベルを第1の周波数f1及び反射波基本波成分検出用周波数f3の値とに対応させて反射波情報検出部135に与えるため、反射波基本波成分検出用差周波数信号レベル検出部123′には、周波数設定部126から周波数指令Cf1とCf3とが入力されている。
図示してないが、第1及び第2の反射波スプリアス成分検出部143A及び143Bも反射波基本波成分検出部と同様に構成されている。即ち、各反射波スプリアス成分検出部は、各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応させて設けられて、高周波検出部により得られた反射波検出信号と対応する反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力信号とを乗算して、各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力周波数と各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応するスプリアス周波数との差の周波数成分を含む信号を得る反射波スプリアス成分検出用乗算部と、反射波スプリアス成分検出用乗算部の出力から、各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力周波数と各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応するスプリアス周波数との差の周波数を有する反射波スプリアス成分検出用差周波数信号を抽出する反射波スプリアス成分抽出用フィルタと、各反射波スプリアス成分抽出用フィルタから出力される反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルを検出する反射波スプリアス成分検出用差周波数信号レベル検出部と、各高周波発生部の出力レベルを検出するレベル検出部と、各高周波発生部の出力レベルの設定値を与えるレベル設定部と、レベル検出部により検出された各高周波発生部の出力レベルをレベル設定部により設定されたレベルに一致させるように各高周波発生部に振幅レベル指令Ca3A,Ca3Bを与えるレベル制御部とにより構成されている。
第1の反射波スプリアス成分検出部143Aの反射波スプリアス成分検出用差周波数信号レベル検出部には、周波数設定部126から周波数指令Cf1及びCf3Aが入力され、第2の反射波スプリアス成分検出部143Bの反射波スプリアス成分検出用差周波数信号レベル検出部には、周波数設定部126から周波数指令Cf1及びCf3Bが入力されている。
また周波数制御部105は、反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベル及び反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力を基準値以下に抑えるべく、第1の高周波発生部101の出力周波数を制御する整合動作を行うように構成されている。
図示の周波数制御部105は、整合動作判定部125と、周波数設定部126と、周波数特定部127と、反射波情報検出部135と、メモリ136とにより構成されている。
整合動作判定部125は、反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベル及び反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力が基準値を超えているときに整合動作オン信号を発生する整合開始判定部129と、反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベル及び反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力が基準値以下であるときに整合動作オフ信号を発生する整合終了判定部130とにより構成されている。
周波数設定部126は、整合動作判定部が整合動作オフ信号を発生しているときに第1の周波数f1を現時点での基準周波数に等しくするとともに、第1の周波数と反射波基本波成分検出用周波数との差を一定とするように第1の高周波発生部101及び反射波基本波成分検出用高周波発生部140にそれぞれ周波数指令Cf1及びCf3を与え、整合動作判定部125が整合動作オン信号を発生しているときには設定した周波数範囲内で第1の周波数f1を変化させるべく第1の高周波発生部101に周波数指令Cf1を与えるとともに、反射波基本波成分の周波数と反射波基本波成分検出用周波数との差及び各反射波スプリアス成分の周波数と対応する反射波スプリアス成分検出用周波数との差を一定に保ちつつ反射波基本波成分検出用高周波信号S3及び反射波スプリアス成分検出用高周波信号S3A,S3Bを発生させるべく反射波基本波成分検出用高周波発生部140に周波数指令Cf3を与えるとともに、反射波スプリアス成分検出用高周波発生部141A及び141Bに周波数指令Cf3A及びCf3Bを与えるように構成されている。
周波数特定部127は、整合動作オン信号が発生しているときに、周波数設定部126が設定した微小周波数範囲内での第1の周波数f1の変化を完了する毎にメモリ136に記憶されている合成反射波検出値(後述)の最小値に対応する第1の周波数f1を探索して探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定し、整合動作オフ信号が発生しているときには、整合動作オン信号が発生していたときに最後に探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定するように構成されている。
図3に示した実施形態においても、高周波検出部により得られた進行波検出信号Spと第2の高周波信号S2とを乗算して、第1の周波数f1と第2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号を得る進行波検出用乗算部107′と、進行波検出用乗算部107′の出力から第1の周波数f1と第2の周波数f2との差の周波数成分を有する進行波検出用差周波数信号を抽出する進行波検出用フィルタ109′と、進行波検出用フィルタ109′により抽出された進行波検出用差周波数信号のレベルを検出する進行波検出用差周波数信号レベル検出部110′と、進行波電力の設定レベルを与えるレベル設定部111′と、検出された進行波検出用差周波数信号のレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて電力増幅部103から負荷に与えられる電力を設定値に保つように第1の高周波発生部101に振幅レベル指令Ca1を与えるレベル制御部112′とが設けられている。
また第2の高周波発生部102の出力レベルを一定に保つため、第2の高周波発生部の出力レベルを検出するレベル検出部113′と、第2の高周波発生部の出力の設定レベルを与えるレベル設定部114′と、レベル検出部113′により検出されるレベルを設定レベルに保つように第2の高周波発生部102に振幅レベル指令Ca2を与えるレベル制御部115′とが設けられている。
反射波情報検出部135は、反射波基本波成分検出部142により検出された反射波の基本周波数成分の電力値を示す反射波検出値と、反射波スプリアス成分検出部143A,143Bにより検出された反射波のスプリアス成分の電力値を示す反射波検出値とを合成して(例えば加算して)、制御に用いる合成反射波検出値を演算する。反射波情報検出部135は、演算した各第1の周波数f1に対する合成反射波検出値を、第1の周波数f1とセットにして出力してメモリ136に記憶させる。
図3の実施形態の周波数設定部126、周波数特定部127及び整合動作判定部125をマイクロプロセッサを用いて構成する場合に、マイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図10ないし図12に示した。図10はメインルーチンを示し、図11は整合動作を開始するか否かを判定するための第1のサブルーチンを示している。また図12は整合動作時の処理を示す第2のサブルーチンを示している。
このアルゴリズムによる場合には、先ず図10のステップS101において各部の初期化を行い、整合動作オフ信号を発生させるとともに、基準周波数を50MHzとする。次いで
ステップS102で整合動作オン信号が発生しているか否かを判定する。最初は整合動作オン信号が発生していないので、ステップS103に進んで各高周波発生部の出力周波数を決定する。最初は、各高周波発生部の出力周波数を設定された初期値とする。本実施形態では、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102の出力周波数f1及びf2の初期値をそれぞれ50.0MHz及び49.5MHzとする。また反射波基本波成分検出用高周波発生部140の出力周波数f3の初期値を49.5MHzとし、第1及び第2の反射波スプリアス成分検出用高周波発生部141A及び141Bの出力周波数の初期値をそれぞれ47.5MHz及び51.5MHzとする。その後ステップS106に進む。
ステップS102で整合動作オン信号が発生していると判定されたときは、ステップS104に進む。次いで、ステップS104で、第1の周波数を微小周波数範囲内で変化させながら反射波電力を最小にする第1の周波数を探索して整合動作を行う際の第1の周波数f1の値を決定する変数n1を初期値「1」に設定する。本実施形態では、第1の周波数を現在の基準周波数を中心として0.001MHz刻みで±10段階、すなわち、基準周波数を含めて21段階に変化させるものとする。この場合、「n1」は1〜21の変数で表す。
このように第1の周波数を変化させる場合、第1の周波数f1、第2の周波数f2、反射波基本波成分検出用高周波発生部の出力周波数f3、第1の反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力周波数f3A及び第2の反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力周波数f3B[f1,f2,f3,f3A,f3B]の変化を示すと、[49.990MHz,49.490MHz,49.490MHz,47.490MHz,51.490MHz],[49.991MHz,49.491MHz,49.491MHz,47.491MHz,51.491MHz],[49.992MHz,49.492MHz,49.492MHz,47.492MHz,51.492MHz],…,[50.000MHz,49.500MHz,49.500MHz,47.500MHz,51.500MHz],…,[50.009MHz,49.509MHz,49.509MHz,47.509MHz,51.509MHz],[50.010MHz,49.510MHz,49.510MHz,47.510MHz,51.510MHz]のようになる。
ステップS105で第1の周波数f1を決定し、決定した第1の周波数f1に基づいて各高周波発生部の出力周波数を決定する。最初は第1の周波数f1を50MHzとする。次いで、ステップS106で各高周波発生部に周波数指令及び振幅レベル指令を与えて、各高周波発生部から高周波信号を発生させ、電力増幅部103から進行波電力を発生させる(ステップ107)。次いでステップS108で高周波検出部104から進行波検出信号Sp及び反射波検出信号Srを読み込み、ステップS109で進行波差周波数信号レベル検出部110′、反射波基本波成分検出用差周波数信号レベル検出部123′及び反射波スプリアス成分検出部143A,143B内の差周波数信号レベル検出部から進行波検出値及び反射波検出値を得るための処理を行う。
この処理では、乗算部107′に、進行波検出信号Spおよび第2の高周波信号S2を入力して、両信号の周波数の差の周波数成分を含む信号を得た後、フィルタ109′を通して差周波数信号を抽出し、差周波数信号レベル検出部110′により、差周波数信号のレベルを検出して進行波検出値を得る。また乗算部121′に反射波検出信号と、高周波発生部140の出力信号とを入力して、両信号を乗算することにより、両信号の周波数の差の周波数を有する信号を得た後、フィルタ122′により差周波数信号を抽出し、抽出した差周波数信号のレベルを差周波数信号レベル検出部123′により検出して反射波電力の基本周波数成分の電力値を示す反射波検出値を得る。同様に、第1及び第2の反射波スプリアス成分検出部143A及び143B内の差周波数信号レベル検出部から反射波電力のスプリアス成分の電力値を示す反射波検出値を得る。
上記の反射波検出値の内、反射波基本波成分検出部142から得られる反射波検出値は、第1の周波数f1の値及び周波数f3の値と関連づけられて反射波情報検出部135に与えられる。また第1の反射波スプリアス成分検出部143Aから得られる反射波検出値は、第1の周波数f1の値及び周波数f3Aの値と関連づけられて反射波情報検出部135に与えられ、第2の反射波スプリアス成分検出部143Bから得られる反射波検出値は、第1の周波数f1の値及び周波数f3Bの値と関連づけられて反射波情報検出部135に与えられる。
ステップS109を実行した後、ステップS110に進んで、反射波情報検出部135で合成された合成反射波検出値を演算し、ステップS111で整合動作オン信号が発生しているか否かを判定する。その結果、整合動作オン信号が発生していると判定されたときには、ステップS112に進んで合成反射波検出値をメモリ136に記憶させる。次いでステップS113では各高周波発生部に対して振幅レベル指令を与える振幅制御を行い、ステップS114で整合動作オン信号が発生しているか否かを判定する。その結果、整合動作オン信号が発生していないと判定されたときには図11の第1のサブルーチンに進み、整合動作オン信号が発生していると判定されたときには図12の第2のサブルーチンに進む。ステップS111において、整合動作オン信号が発生していないと判定されたときにはステップS113に進む。
メモリ136には、[49.990MHz,60W],[49.991MHz,55W],[49.992MHz,53W],…,[50.000MHz,44W],…,[50.009MHz,28W],[50.010MHz,25W]のように、合成反射波検出値が第1の周波数f1の値と関連づけられて記憶される。
図11に示した第1のサブルーチンは、整合動作を開始するか否かを判定するサブルーチンで、このサブルーチンでは、ステップS201で反射波情報検出部135から出力される合成反射波検出値と反射波基準とを比較する。その結果、反射波検出値が反射波基準値以下であると判定されたときには、整合動作が不要であるとして、ステップS202で整合動作オフ信号を発生させ、ステップS203で図10のステップS102に戻る。またステップS201で、反射波検出値が反射波基準値を超えていると判定されたときには、整合動作が必要であるとして、ステップS204で整合動作オン信号を発生させた後、図10のステップS102に戻る。整合動作オン信号は、反射波情報検出部135、周波数設定部126及び整合終了判定部130に送られる。整合動作オフ信号は、反射波情報検出部135及び周波数設定部126に与えられる。
図12に示した第2のサブルーチンでは、ステップS301で変数n1が最終値であるか否かを判定する。その結果、変数n1が最終値でないと判定されたときには、ステップS302に進んで変数n1をインクリメントし、ステップ303で図10のステップS105に進む。ステップS301で変数n1が最終値であると判定されたときには、ステップS304に進んで第1の周波数変更完了信号を周波数特定部127に入力し、ステップS305に進む。ステップS305では、メモリ136に記憶されている合成反射波検出値の最小値に対応する周波数f1を新たな基準周波数とし、次いでステップS306で新たな基準周波数を周波数設定部126に送り、反射波検出値の最小値を整合終了判定部130に送る。次いでステップS307に進んで反射波検出値(合成反射波検出値)と反射波基準値とを比較する。その結果、合成反射波検出値が反射波基準値以下である場合には、ステップS308に進んで整合動作オフ信号を出力させた後、ステップS309で図10のステップS102に戻る。
図12のステップS307で合成反射波検出値が反射波基準値を超えていると判定されたときには、ステップS310に進んで整合動作が開始されてから所定の時間(設定された時間)が経過したか否かを判定する。その結果、整合動作が開始されてから所定の時間が経過していないと判定されたときには、ステップS311で図10のステップS104に戻って、整合動作を再開させる。ステップS310で整合動作が開始されてから所定の時間が経過したと判定されたときには、何らかの異常があるので、ステップS312に進んで異常信号を発生させ、ステップS313で整合動作の処理を終了させる。
図10ないし図12に示したアルゴリズムによる場合には、図10のステップS102ないしS105及び図12のステップS301ないしS303により周波数設定部126が構成される。また図11のサブルーチンと図12のステップS306、S307、S309及びS311により、整合動作判定部125が構成され、図12のステップS304及びS305により周波数特定部127が構成される。
上記の各実施形態では、進行波電力の検出値を設定値に保つように第1の高周波発生部101の出力レベルを制御しているが、電力増幅部103を保護するために、進行波電力の検出値と反射波電力の検出値との和を設定値に保つように、第1の高周波発生部101の出力レベルを制御することもできる。即ち、反射波電力の検出値は、整合動作に用いるだけでなく、電力増幅部を保護するための出力制御にも用いることができる。
また、上記の各実施形態では、整合動作オン時に、反射波電力が小さくなる出力周波数(第1の周波数)を探索する制御を行う際に、第1の周波数f1を0.001MHz刻みで変化させていたが、これに限定されるものではなく、例えば、0.01MHz刻みで変化させるようにしてもよい。
また上記の各実施形態では、整合動作オン時に、反射波電力が小さくなる出力周波数(第1の周波数)を探索する制御を行う際に、第1の周波数f1を21段階に徐々に大きくしていくように変化させていたが、これに限定されるものではなく、例えば、特許文献4(特開2006−286254号公報)に示されているように、黄金比を用いて現在の基準周波数の前後にある2つの周波数に変化させるようにしてもよい。
また上記の第2の実施形態及び第3の実施形態で示した反射波のスプリアス成分を検出する構成は、進行波のスプリアス成分を検出する構成に応用できる。すなわち、反射波のスプリアス成分を検出する場合は、乗算部において反射波検出信号Sr及び高周波発生部から出力される高周波信号を乗算していたが、進行波のスプリアス成分を検出したい場合には、乗算部において進行検出信号Sp及び高周波発生部から出力される高周波信号を乗算すればよい。
本発明の第1の実施形態の構成を示したブロック図である。 本発明の第2の実施形態の構成を示したブロック図である。 本発明の第3の実施形態の構成を示したブロック図である。 図1の実施形態の要部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのメインルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 図1の実施形態の要部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムの第1のサブルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 図1の実施形態の要部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムの第2のサブルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 図2の実施形態の要部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのメインルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 図2の実施形態の要部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムの第1のサブルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 図2の実施形態の要部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムの第2のサブルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 図3の実施形態の要部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのメインルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 図3の実施形態の要部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムの第1のサブルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 図3の実施形態の要部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムの第2のサブルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 従来の高周波電源装置の構成を示したブロック図である。 プラズマ処理装置等の負荷に出力周波数が異なる2つの高周波電源装置から電力を供給するシステムの構成を示したブロック図である。 図14に示したシステムにおいて、電力増幅部の出力側で検出される進行波電力の周波数分布の一例を示した周波数スペクトラムである。 図14に示したシステムにおいて、電力増幅部の出力側で検出される反射波電力の周波数分布の一例を示した周波数スペクトラムである。 本発明が対象とする高周波電源装置において、反射波電力を基準値以下に抑制するように出力周波数を制御する整合動作を説明するためのグラフである。 本発明が対象とする高周波電源装置において用いられるフィルタの周波数特性の一例を示したグラフである。
符号の説明
101 第1の高周波発生部
102 第2の高周波発生部
103 電力増幅部
104 高周波検出部
105 周波数制御部
106 周波数特定部
107 乗算部(第1の乗算部)
109 フィルタ(第1のフィルタ)
110 差周波数信号レベル検出部(第1の差周波数信号レベル検出部)
111 第1のレベル設定部
112 第1のレベル制御部
113 出力レベル検出部
114 第2のレベル設定部
115 第2のレベル制御部
121 第2の乗算部
122 第2のフィルタ
123 第2の差周波数信号レベル検出部
124 メモリ(第1のメモリ)
125 整合動作判定部
128 反射波基準レベル設定部
129 整合開始判定部
130 整合終了判定部
131 第3の高周波発生部
132 レベル検出部
133 レベル設定部
134 レベル制御部
135 反射波情報検出部
136 第2のメモリ
140 反射波基本波成分検出用高周波発生部
141A 第1の反射波スプリアス成分検出用高周波発生部
141B 第2の反射波スプリアス成分検出用高周波発生部
142 反射波基本波成分検出部
143A 第1の反射波スプリアス成分検出部
143B 第2の反射波スプリアス成分検出部

Claims (6)

  1. 周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて第1の周波数及び第2の周波数を有する第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部と、
    前記第1の周波数と第2の周波数との差の周波数を一定に保つように前記第1の高周波発生部及び第2の高周波発生部に周波数指令を与える周波数制御部と、
    前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
    前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力及び前記負荷側から前記電力増幅部に向かう反射波電力をそれぞれ検出して前記進行波電力の情報を含む進行波検出信号及び前記反射波電力の情報を含む反射波検出信号をそれぞれ出力する高周波検出部と、
    前記進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の周波数と前記第2の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第1の乗算部と、
    前記第1の乗算部の出力から前記第1の周波数と前記第2の周波数との差の周波数成分を有する第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタと、
    前記第1のフィルタにより抽出された第1の差周波数信号のレベルを検出する第1の差周波数信号レベル検出部と、
    検出された前記第1の差周波数信号のレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅レベル指令を与えるレベル制御部と、
    前記反射波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の周波数と前記第2の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第2の乗算部と、
    前記第2の乗算部の出力から前記第1の周波数と第2の周波数との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号を抽出する第2のフィルタと、
    前記第2のフィルタにより抽出された第2の差周波数信号のレベルを検出する第2の差周波数レベル検出部と、
    を具備し、
    前記周波数制御部は、前記第2の差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力を基準値以下に抑えるべく前記第1の高周波発生部の出力周波数を制御する整合動作を行う手段を備えていることを特徴とする高周波電源装置。
  2. 前記整合動作を行う手段は、
    検出された前記第2の差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力が基準値を超えているときに整合動作オン信号を発生し、前記第2の差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力が基準値以下であるときに整合動作オフ信号を発生する整合動作判定部と、
    前記整合動作オフ信号が発生しているときに前記第1の周波数を現時点での基準周波数に等しくするとともに前記第1の周波数と第2の周波数との差を一定とするように前記第1の高周波発生部及び第2の高周波発生部に周波数指令を与え、前記整合動作オン信号が発生しているときには前記第1の周波数と第2の周波数との差を常に一定に保ちつつ、設定した周波数範囲内で前記第1の周波数を変化させるべく前記第1の高周波発生部及び前記第2の高周波発生部に周波数指令を与える周波数設定部と、
    前記整合動作オン信号が発生しているときに、前記周波数設定部が設定した周波数範囲内での第1の周波数の変化を完了する毎に該周波数範囲の第1の周波数の中から前記第2の差周波数信号のレベルが最小になる第1の周波数を探索して探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定し、前記整合動作オフ信号が発生しているときには、整合動作オン信号が発生していたときに最後に探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定する周波数特定部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の高周波電源装置。
  3. 周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて第1ないし第3の周波数を有する第1ないし第3の高周波信号をそれぞれ発生する第1ないし第3の高周波発生部と、
    前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
    前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力及び前記負荷側から前記電力増幅部に向かう反射波電力をそれぞれ検出して前記進行波電力の情報を含む進行波検出信号及び前記反射波電力の情報を含む反射波検出信号をそれぞれ出力する高周波検出部と、
    前記第1の周波数と第2の周波数との差周波数を一定に保つように前記第1の高周波発生部及び第2の高周波発生部に周波数指令を与えるとともに、前記反射波電力の基本周波数と少なくとも1つのスプリアス周波数とからなる複数の周波数を検出対象周波数として、前記複数の検出対象周波数にそれぞれ対応する複数の第3の周波数を有する複数の第3の高周波信号を、各第3の周波数と対応する検出対象周波数との差を常に一定に保って時系列的に発生させるように前記第3の高周波発生部に周波数指令を与える周波数制御部と、
    前記高周波検出部により得られた進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の周波数と前記第2の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第1の乗算部と、
    前記第1の乗算部の出力から前記第1の周波数と前記第2の周波数との差の周波数成分を有する第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタと、
    前記第1のフィルタにより抽出された第1の差周波数信号のレベルを検出する第1の差周波数信号レベル検出部と、
    検出された前記第1の差周波数信号のレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅レベル指令を与えるレベル制御部と、
    前記高周波検出部により得られた反射波検出信号と前記第3の高周波発生部が時系列的に発生する前記第3の高周波信号とを順次乗算して、前記第1の周波数と前記各第3の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第2の乗算部と、
    前記第2の乗算部の出力から各検出対象周波数と各検出対象周波数に対応する前記各第3の周波数との差の周波数を有する第2の差周波数信号を順次抽出して各検出対象成分に対応する第2の差周波数信号を時系列的に出力する第2のフィルタと、
    前記第2のフィルタから時系列的に出力される第2の差周波数信号のレベルを検出する第2の差周波数レベル検出部と、
    前記周波数制御部は、前記第2の差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力を基準値以下に抑えるべく前記第1の高周波発生部の出力周波数を制御する整合動作を行う手段を備えていることを特徴とする高周波電源装置。
  4. 前記整合動作を行う手段は、
    検出された前記第2の差周波数信号のレベルにより検出された反射波電力のレベルが基準値を超えているときに整合動作オン信号を発生し、前記第2の差周波数信号のレベルにより検出された反射波電力のレベルが基準値以下であるときに整合動作オフ信号を発生する整合動作判定部と、
    前記整合動作オフ信号が発生しているときに前記第1の周波数を現時点での基準周波数に等しくするとともに、前記第1の周波数と前記各第3の周波数との差を一定とするように前記第1の高周波発生部及び第3の高周波発生部に周波数指令を与え、前記整合動作オン信号が発生しているときには設定した周波数範囲内で前記第1の周波数を変化させるべく前記第1の高周波発生部に周波数指令を与えるとともに、各検出対象周波数に対応する第3の高周波信号を、各検出対象周波数と各第3の周波数との差を一定に保って時系列的に発生させるように前記第3の高周波発生部に周波数指令を与える周波数設定部と、
    前記整合動作オン信号が発生しているときに、前記周波数設定部が設定した周波数範囲内での第1の周波数の変化を完了する毎に該周波数範囲の第1の周波数の中から前記第2の差周波数信号のレベルが最小になる第1の周波数を探索して探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定し、前記整合動作オフ信号が発生しているときには、整合動作オン信号が発生していたときに最後に探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定する周波数特定部と、
    を備えていることを特徴とする請求項3に記載の高周波電源装置。
  5. 周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて第1の周波数及び第2の周波数を有する第1及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部と、
    前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
    前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力及び前記負荷側から前記電力増幅部に向かう反射波電力をそれぞれ検出して前記進行波電力の情報を含む進行波検出信号及び前記反射波電力の情報を含む反射波検出信号をそれぞれ出力する高周波検出部と、
    周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて、前記反射波電力の基本周波数との差が一定な反射波基本波成分検出用周波数を有する反射波基本波成分検出用高周波信号を発生する反射波基本波成分検出用高周波発生部と、
    前記反射波電力のスプリアス周波数のうち、検出対象とする少なくとも1つのスプリアス周波数に対応して設けられて対応するスプリアス周波数との差が一定な反射波スプリアス成分検出用周波数を有する反射波スプリアス成分検出用高周波信号を発生する少なくとも1つの反射波スプリアス成分検出用高周波発生部と、
    前記第1の周波数と第2の周波数との差周波数を一定に保つように前記第1の高周波発生部及び第2の高周波発生部に周波数指令を与えるとともに、前記第1の周波数と前記反射波基本波成分検出用周波数との差を一定にするように前記反射波基本波成分検出用高周波発生部に周波数指令を与え、かつ各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力周波数と各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応するスプリアス周波数との差を一定とするように各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に周波数指令を与える周波数制御部と、
    前記高周波検出部により得られた進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の周波数と前記第2の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る進行波検出用乗算部と、
    前記進行波検出用乗算部の出力から前記第1の周波数と前記第2の周波数との差の周波数成分を有する進行波検出用差周波数信号を抽出する進行波検出用フィルタと、
    前記進行波検出用フィルタにより抽出された進行波検出用差周波数信号のレベルを検出する進行波検出用差周波数信号レベル検出部と、
    検出された前記進行波検出用差周波数信号のレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅レベル指令を与えるレベル制御部と、
    前記高周波検出部により得られた反射波検出信号と前記反射波基本波成分検出用高周波信号とを乗算して、前記第1の周波数と前記反射波基本波成分検出用周波数との差の周波数成分を含む信号を得る反射波基本波成分検出用乗算部と、
    前記反射波検出用乗算部の出力から前記第1の周波数と前記反射波基本波検出用周波数との差の周波数を有する反射波基本波成分検出用差周波数信号を抽出する反射波基本波成分抽出用フィルタと、
    前記反射波基本波成分抽出用フィルタから出力される反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベルを検出する反射波基本波成分検出用差周波数信号レベル検出部と、
    各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応させて設けられて、前記高周波検出部により得られた反射波検出信号と対応する反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力信号とを乗算して、各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力周波数と各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応するスプリアス周波数との差の周波数成分を含む信号を得る反射波スプリアス成分検出用乗算部と、
    各反射波スプリアス成分検出用乗算部の出力から、各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部の出力周波数と各反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に対応するスプリアス周波数との差の周波数を有する反射波スプリアス成分検出用差周波数信号を抽出する反射波スプリアス成分抽出用フィルタと、
    前記各反射波スプリアス成分抽出用フィルタから出力される反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルを検出する反射波スプリアス成分検出用差周波数信号レベル検出部と、
    を備え、
    前記周波数制御部は、前記反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベル及び前記反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力を基準値以下に抑えるべく前記第1の高周波発生部の出力周波数を制御する整合動作を行う手段を備えていることを特徴とする高周波電源装置。
  6. 前記整合動作を行う手段は、
    前記反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベル及び前記反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力が基準値を超えているときに整合動作オン信号を発生し、前記反射波基本波成分検出用差周波数信号のレベル及び前記反射波スプリアス成分検出用差周波数信号のレベルにより検出される反射波電力が基準値以下であるときに整合動作オフ信号を発生する整合動作判定部と、
    前記整合動作オフ信号が発生しているときに前記第1の周波数を現時点での基準周波数に等しくするとともに、前記第1の周波数と前記反射波基本波成分検出用周波数との差を一定とするように前記第1の高周波発生部及び反射波基本波成分検出用高周波発生部に周波数指令を与え、前記整合動作オン信号が発生しているときには設定した周波数範囲内で前記第1の周波数を変化させるべく前記第1の高周波発生部に周波数指令を与えるとともに、前記反射波基本波成分の周波数と前記反射波基本波成分検出用周波数との差及び各反射波スプリアス成分の周波数と対応する反射波スプリアス成分検出用周波数との差を一定に保ちつつ前記反射波基本波成分検出用高周波信号及び反射波スプリアス成分検出用高周波信号を発生させるように前記反射波基本波成分検出用高周波発生部及び反射波スプリアス成分検出用高周波発生部に周波数指令を与える周波数設定部と、
    前記整合動作オン信号が発生しているときに、前記周波数設定部が設定した周波数範囲内での第1の周波数の変化を完了する毎に該周波数範囲の第1の周波数の中から前記第2の差周波数信号のレベルが最小になる第1の周波数を探索して探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定し、前記整合動作オフ信号が発生しているときには、整合動作オン信号が発生していたときに最後に探索した第1の周波数を現時点での基準周波数として特定する周波数特定部と、
    を備えていることを特徴とする請求項5に記載の高周波電源装置。
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