JP5354583B2 - 高周波電源装置及び高周波電源装置の高周波電力検出装置 - Google Patents

高周波電源装置及び高周波電源装置の高周波電力検出装置 Download PDF

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本発明は、負荷に供給する高周波電力を設定値に保つように制御する機能を備えた高周波電源装置、及び高周波電源装置の出力を制御するために、電力増幅部の出力側から高周波電力を検出する高周波電力検出装置に関するものである。
半導体への微細加工を行なうプラズマ処理装置などの負荷に電力を供給するために、特許文献1ないし3に示すような高周波電源装置が用いられている。図7は高周波電源装置の基本的な構成を示している。同図において、1は高周波信号を発生する水晶発振回路等の高周波信号発生部、2は高周波信号発生部1から得られる高周波信号の振幅レベルを振幅制御信号に応じて変化させる振幅レベル可変回路部、3は高周波信号発生部1から振幅レベル可変回路部2を通して与えられる高周波信号を増幅する電力増幅部、4は電力増幅部3の出力から進行波成分を取り出して高周波電力検出信号を出力する方向性結合器である。方向性結合器4を通過した電力増幅部3の出力の大部分は、図示しないインピーダンス整合器を通して負荷に供給される。
また図7において、5は方向性結合器4を通して取り出された高周波電力検出信号を検波して高周波電力のレベルを示すレベル検出信号(電圧信号)を出力するレベル検出部、6は任意に設定する高周波出力電力の設定値を与える基準電圧を発生する基準電圧発生部、7はレベル検出部5から得られるレベル検出信号と基準電圧発生部6が発生した基準電圧とを比較するレベル比較部、8はレベル比較部7による比較の結果に応じて振幅レベル可変回路部2に振幅制御信号を与える振幅制御信号発生部である。
図7に示した高周波電源装置においては、方向性結合器4を通して抽出した高周波電力の進行波成分をレベル検出部5に入力することにより増幅部3が出力している高周波電力の進行波の基本周波数成分のレベルを検出する。一方基準電圧発生部6は、希望する高周波電力の進行波の基本周波数成分のレベルに相当する基準電圧を出力する。レベル比較部7は、レベル検出部5から得られるレベル検出信号と基準信号発生部6が発生した基準信号とを比較し、その比較結果を制御信号発生部8に与える。制御信号発生部8は、レベル検出部5から得られるレベル検出信号のレベルが基準信号のレベルより大きいときに電力増幅部3に入力する高周波信号のレベルを下げ、レベル検出信号のレベルが基準信号のレベルよりも小さい場合に電力増幅部3に入力する高周波信号のレベルを上げるように、振幅レベル可変回路部2に振幅制御信号を与える。これにより、常にレベル比較部7で比較する信号のレベルが等しくなるように電力増幅部3に入力する高周波信号のレベルを制御する。
図7に示した高周波電源装置においては、振幅レベル可変回路部2と、電力増幅部3と、方向性結合器4と、レベル検出部5と、基準電圧発生部6と、レベル比較部7と、振幅制御信号発生部8とにより、電力増幅部3から出力される高周波電力の大きさを設定値に保つように電力増幅部3に入力する高周波信号のレベルを制御する自動レベル制御(ALC)を行う制御ループが構成されている。このような制御ループを構成することにより、電源装置内の回路で発生した高周波信号の微小な変化を吸収して、安定した一定の振幅レベルを有する高周波電力を出力する高周波電源装置を得ることができる。
プラズマ処理装置などの負荷の起動時には、負荷のインピーダンスが非線形の状態にあって、高速で変動するため、電力増幅部と負荷との間に設けられるインピーダンス整合器の整合動作が追いつかず、不整合状態が生じて、負荷を節として反射波が発生する。更に負荷の内部では、その非線形性に起因して生じる周波数混合作用により、種々の新しい周波数成分がスプリアス成分として発生し、これらのスプリアス成分が反射波に重畳する。スプリアス成分が重畳した反射波電力は整合器内を逆流し、電力増幅部側に戻ってくる。
また、エッチングなどを行なうプラズマ処理装置においては、異なる高周波電源装置からその電極間に出力周波数が異なる2種類の高周波電力が同時に与えられることがある。これらの高周波電力のうち、一方は、プラズマ発生用の高周波電力であり、他方は、例えば、プラズマ中のイオンを引き込むためのバイアス用の高周波電力である。一方の高周波電力の周波数は十数MHzないし数十MHz程度の高い周波数を有し、他方の高周波電力の周波数は数百KHzないし数MHz程度の比較的低い周波数を有している。
このようなシステムでは、負荷のインピーダンスが複雑に変化するため、インピーダンス整合器によって高周波電源装置と負荷との間のインピーダンスの整合を完全にとることができず、負荷で反射波が発生するのを避けることができない。この場合、負荷からプラズマ発生用の一方の高周波電源装置の電力増幅部側に戻ってくる反射波には、バイアス用の他方の高周波電源装置の基本周波数成分とその近辺のスプリアス成分とが含まれている。
このように、負荷から電力増幅部側にスプリアス成分が戻ってくる場合に高周波電力の制御を精度良く行うためには、スプリアス成分の影響を排除する必要がある。特許文献4には、電力増幅部の出力から方向性結合器を通して抽出した信号を局部発振回路の出力信号と混合して、高周波信号の周波数(基本周波数)を有する信号及びスプリアス周波数を有する信号をそれぞれの周波数と局部発振周波数との差の周波数を有する信号に変換した後にローパスフィルタを通すことにより、高周波電力検出信号からスプリアス成分を比較的容易に除去し得るようにした発明が開示されている。
特開平5−63627号公報 特開平6−6144号公報 特開平11−233294号公報 特開2008−276966号公報
図7に示した高周波電源装置では、負荷側で発生した多くのスプリアス成分が電源装置側に逆流してくる場合に、これらのスプリアス成分が方向性結合器4を通してレベル検出部5に入力されると、レベル検出部5から得られるレベル検出信号のレベルが電力増幅部4の出力(進行波電力)のレベルに対応しなくなり、高周波電源装置の出力を精度良く制御することができなくなるという問題がある。スプリアス成分が検出されるのを防ぐために方向性結合器の出力側にローパスフィルタを接続することが考えられるが、ローパスフィルタでスプリアス成分を除去するためには、急峻な減衰特性を有する高価なフィルタを用いる必要があるため、装置のコストが高くなるのを避けられない。また方向性結合器を通して検出した高周波電力検出信号を直接ローパスフィルタに入力した場合には、高周波電力の基本周波数成分とスプリアス成分の周波数が近い場合にスプリアス成分を完全に除去することができない。
特許文献4に示されたように、方向性結合部を通して検出される信号を局部発振回路の出力信号と混合して周波数変換を行った後にローパスフィルタを通すことによりスプリアス成分を除去して高周波電力の検出信号を得る周波数変換方式によれば、スプリアス成分を含まない高周波電力検出信号を得て、高周波電源装置の出力を精度良く制御することが可能である。しかし、特許文献4に示す周波数変換方式を採用した高周波電源装置は、変換回路以外にも局部発振回路等の回路を必要とするため、比較的回路が複雑であった。
上記の説明では、電力増幅部の出力の進行波成分を設定値に保つ制御を行わせる場合を例にとったが、電力増幅部から負荷に与えられる進行波電力と、負荷から電力増幅部側に戻ってくる反射波電力との和を設定値以下に制限するように電力増幅部の出力を制御する場合にも、上記と同様の問題が生じる。
なお通常「スプリアス」という語は、基本周波数の前後に現れる不要周波数と、各高調波周波数の前後に現れる不要周波数とを指す意味で用いられることもあるが、本明細書においては、説明の便宜上、負荷に供給する周波数成分としては不要な周波数成分(通常は基本周波数成分以外の成分)のすべてをスプリアス成分と呼ぶことにする。
本発明の目的は、高性能なローパスフィルタを用いることなく、かつ周波数変換方式とは異なる方式でスプリアス成分を除去するようにした高周波電源装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、高性能なローパスフィルタを用いることなく、かつ周波数変換方式とは異なる方式でスプリアス成分を除去して電力増幅部の出力側から高周波電力の進行波の基本周波数成分及び反射波の基本周波数成分を検出することができるようにした高周波電源装置の高周波電力検出装置を提供することにある。
本発明は、高周波信号を発生する高周波信号発生部と、前記高周波信号発生部の出力を増幅する電力増幅部と、前記電力増幅部の出力を設定値に保つように制御する制御部とを備えた高周波電源装置に適用される。
本願で開示される第1の発明においては、上記制御部が、高周波信号発生部の出力周波数に周波数が等しく、振幅が一定な基準高周波信号を生成する基準高周波信号生成部と、高周波信号発生部から電力増幅部に与える高周波信号の振幅レベルを振幅レベル制御信号に応じて変化させる振幅レベル調整部と、電力増幅部の出力から進行波成分の情報を含む高周波電力検出信号を得る高周波電力検出部と、基準高周波信号と高周波電力検出信号とを掛け合わせる高周波掛算器と、高周波掛算器の出力から直流分を抽出して電力増幅部から負荷に与えられている高周波電力の進行波の基本周波数成分を示す進行波検出信号を得る直流分抽出手段と、直流分抽出手段により得られた進行波検出信号のレベルを電力増幅部から負荷に供給する進行波電力の設定値を与える基準信号のレベルと比較する比較部と、比較部による比較の結果に応じて電力増幅部から負荷に供給する進行波電力を設定値に保つように振幅レベル調整部に振幅レベル制御信号を与える振幅レベル制御信号発生部とを備えている。上記高周波掛算器で掛け算される基準高周波信号及び高周波電力検出信号は正弦波形を有している。
上記のように、基準高周波信号及び高周波電力検出信号を正弦波形としてこれらを掛け算すると、その出力から直流分を抽出するだけで高周波電力の進行波の基本周波数成分に比例した進行波検出信号を得ることができる。
高周波信号発生部の出力信号の角周波数をω、高周波電力検出信号の振幅の最大値をA、電力増幅部と電力増幅部から進行波成分を取り出す部分(通常は方向性結合器)を通して掛算器に至る回路で生じる総合の遅れ位相をα、時間をtとして、掛算器に入力される高周波電力検出信号FaをFa=Asin(ωt−α)で表し、基準高周波信号の振幅の最大値をB、基準高周波信号の信号源から掛算器に至る回路で生じる総合の遅れ位相をβとして、高周波掛算器に入力される基準高周波信号FbをFb=Bsin(ωt−β)で表すと、高周波掛算器の出力Fは、F=Fa*Fb=(1/2)*(A*B)*{K−cos(2ωt−θ)}で表すことができる。ここで*は乗算記号、K=cos(β−α)である。またθは、2倍の角周波数2ωの余弦波の位相遅れであり、θ=α+βで与えられる。ここで、α及びβが変化しないとすると、K=cos(β−α)は一定値を示す。
ここで高周波掛け算器の出力に含まれる直流分をFdcとすると、Fdc=(1/2)*(A*B)*Kとなる。Aは高周波電力の進行波の基本周波数成分の振幅の最大値であり、進行波の基本周波数成分が変化すれば変化する。一方Bは基準高周波信号の振幅の最大値であり、一定値を示す。B及びKが一定であるため、高周波掛け算器の出力に含まれる直流分Fdc=(1/2)*(A*B)*Kは、高周波電力の進行波の基本周波数成分の振幅の最大値Aに比例する。高周波電力検出信号Faの振幅の最大値Aは、電力増幅部の増幅度が変化すれば変化する。従って、直流分Fdcには、電力増幅部を含む系で発生する増幅度や伝送度の変化が正確に反映される。本発明においては、この直流分Fdcを進行波検出信号として用いる。
負荷側から電力増幅部側に戻ってくるスプリアス成分は、進行波成分を検出する部分を通過して進行波成分と共に検出されて高周波掛算器で基準高周波信号と掛け算される。高周波掛算器は直流分を出力すると共に、負荷側から逆流してきたスプリアス成分の周波数と基本周波数との和の周波数及びスプリアス成分の周波数と基本周波数との差の周波数の成分を出力する。スプリアス成分の周波数と基本周波数との和の周波数及びスプリアス成分の周波数と基本周波数との差の周波数の成分は高周波信号であって、直流分とはかけ離れた信号であるため、高周波掛算器の出力から直流分のみを抽出することは容易である。従って、本発明によれば、高性能のローパスフィルタを用いたり、周波数変換方式による場合のように局部発振周波数を発生する信号源を用いたりすることなく、高周波電力の進行波の基本周波数成分に比例した進行波検出信号を容易に得ることができ、コストの上昇を伴うことなく、高周波電力を設定値に保つ制御を精度良く行うことができる。
本願に開示される第2の発明は、第1の発明に適用されるもので、本発明においては、高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号の位相βと高周波電力検出信号の位相αとを等しくするするかまたは高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号と高周波電力検出信号とに180°の位相差を持たせるように基準高周波信号の位相または高周波電力検出信号の位相を補正する位相補正部が更に設けられる。
上記のように、α=βに調整すると、K=1となるため、高周波掛算器の出力は、F=(1/2)*(A*B)*{1−cos(2ωt−θ)}となる。この出力から直流分Fdcを抽出すると、Fdc=(1/2)*(A*B)となる。基準高周波信号の振幅の最大値Bは一定であるため、上記直流分は、高周波電力検出信号Faの振幅の最大値Aに比例する。このようにα=βに調整しておくと、後述するように、α及び/またはβに変動が生じた場合に高周波掛算器の出力に含まれる直流分(進行波検出信号)に生じる誤差を少なくすることができる。またβ−α=180°、またはα−β=180°となるように(高周波電力検出信号と基準高周波信号とに180°の位相差を持たせるように)調整した場合には、K=−1となるため、F=−(1/2)*(A*B)*{1+cos(2ωt−θ)}となり、直流分はFdc=−(1/2)*(A*B)となる。
本願により開示される第3の発明は、第2の発明に適用されるもので、本発明においては、高周波信号発生部が出力周波数を変化させ得るように構成されている。この場合、位相補正部は、基準高周波信号の位相または高周波電力検出信号の位相を補正する際の位相補正量を高周波信号発生部の出力周波数の変化に同期して変化させ得るように構成される。
本願により開示される第4の発明においては、位相補正部が、高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相とを等しくするか、または高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号と高周波電力検出信号とに180度の位相差を持たせるように基準高周波信号の位相または高周波電力検出信号の位相を補正する動作を自動的に行うように構成される。
第4の発明において設けられる位相補正部は、位相指示値が与えられたときに該位相指示値に対応する位相まで基準高周波信号または高周波電力検出信号の位相をシフトさせる位相シフト手段と、補正指令及び補正終了指令を発生する補正指令部と、補正指令部が補正指令を発生しているときに位相シフト手段に複数の異なる値の位相指示値を順次与える位相指示値設定手段と、位相指示値設定手段が各位相指示値を与えた際に得られた進行波成分検出信号のレベルを対応する位相指示値と共に記憶する記憶部と、位相指示値設定部がすべての位相指示値を移動シフト手段に与え終わったときに記憶部に記憶されているデータから進行波成分検出信号のレベルの絶対値の最大値を与える位相指示値を求めて、該最大値を与える位相指示値を最適位相指示値として決定する最適位相指示値決定部とを備えている。この場合、位相指示値設定部は、補正指令部が補正終了指令を発生したときに位相シフト手段に与える位相指示値を最適位相指示値に固定するように構成される。また補正指令部が補正指令を発生している間は電力増幅部に接続される負荷が、負荷側の回路の特性インピーダンスに等しいインピーダンスを有するダミー負荷とされる。
上記のように構成すると、高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相とを等しくするか、または両信号に180度の位相差を持たせるように基準高周波信号の位相または高周波電力検出信号の位相を補正する際の位相の補正量を自動的に求めることができる。
本発明においては、高周波掛算器に入力する信号を共に正弦波形とする必要がある。本願により開示される第5の発明は、第1ないし第4の発明のいずれかに適用されるもので、本発明においては、上記基準高周波信号及び高周波電力検出信号の少なくとも一方が非正弦波形の信号である場合に、高周波掛算器に入力する非正弦波形の信号の波形を正弦波形に変換する波形変換部が設けられる。
また本願により開示される第6の発明は、第1ないし第5の発明のいずれかに適用されるもので、本発明においては、基準高周波信号生成部が、高周波信号発生部の出力の一部を分波することにより基準高周波信号を得るように構成される。
このように構成すれば、基準高周波信号を得るために特別に高周波信号発生部を設ける必要がないため、装置の構成を簡単にすることができる。
本願に開示された第7の発明は、第1ないし第6の発明のいずれかに適用されるもので、本発明においては、上記高周波電力検出部が、電力増幅部と負荷との間に挿入されて電力増幅部の出力から進行波成分を取り出す方向性結合器と、この方向性結合器の出力を減衰させる減衰器とにより構成される。
本願に開示された第8の発明は、高周波信号発生部が発生した高周波信号を電力増幅部で増幅して得た高周波電力を負荷に供給する高周波電源装置の出力を制御するために電力増幅部の出力側の回路から高周波電力の進行波の基本周波数成分をスプリアス成分と分離して検出する高周波電源装置の高周波電力検出装置に係わるものである。
本発明においては、周波数が高周波信号発生部の出力周波数に等しく、振幅が一定な基準高周波信号を生成する基準高周波信号生成部と、電力増幅部の出力から方向性結合器を通して高周波電力の進行波成分を検出して高周波電力検出信号を得る高周波電力検出部と、基準高周波信号と高周波電力検出信号とを掛け合わせる高周波掛算器と、高周波掛算器の出力から直流分を抽出して電力増幅部から負荷に与えられている高周波電力の進行波の基本周波数成分を示す進行波成分検出信号を得る直流分抽出手段とが設けられる。この場合も、高周波掛算器で掛け算される基準高周波信号及び高周波電力検出信号は正弦波形とされる。
本願により開示される第9の発明は、高周波信号発生部が発生した高周波信号を電力増幅部で増幅して得た高周波電力を負荷に供給する高周波電源装置の出力を制御するために電力増幅部の出力側の回路から高周波電力の反射波の基本周波数成分をスプリアス成分と分離して検出する高周波電源装置の高周波電力検出装置に係わるものである。
本発明においては、周波数が高周波信号発生部の出力周波数に等しく、振幅が一定な基準高周波信号を生成する基準高周波信号生成部と、電力増幅部の出力から方向性結合器を通して高周波電力の反射波成分を検出して高周波電力検出信号を得る高周波電力検出部と、基準高周波信号と高周波電力検出信号とを掛け合わせる高周波掛算器と、高周波掛算器の出力から直流分を抽出して負荷から電力増幅部に戻ってくる高周波電力の反射波の基本周波数成分を示す反射波検出信号を得る直流分抽出手段とが設けられる。この場合も高周波掛算器で掛け算される基準高周波信号及び高周波電力検出信号は正弦波形とされる。
電力増幅部の出力側に負荷から戻ってくる反射波の基本周波数成分を検出する場合も、進行波の基本周波数成分を検出する方法と同様の方法により検出することができる。反射波の基本周波数成分の検出は、例えば、電力増幅部を保護するために、電力増幅部から負荷に供給する進行波電力と、負荷から電力増幅部側に戻ってくる反射波電力との和が制限値を超えないように電力増幅部の出力を制御する場合に必要になる。
本願に開示された第10の発明は、第8の発明及び第9の発明に適用されるもので、本発明においては、高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相とを等しくするか、または高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号と高周波電力検出信号とに180度の位相差を持たせるように基準高周波信号の位相または前記高周波電力検出信号の位相を補正する位相補正部が更に設けられる。
上記のように、本発明によれば、基準高周波信号及び高周波電力検出信号を正弦波形としてこれらを掛け算することにより得た信号から直流分を抽出するだけで高周波電力の進行波の基本周波数成分に比例した大きさを有する進行波検出信号を得ることができるため、高性能なローパスフィルタを用いることなく、負荷に与えられる進行波電力を精度よく示す進行波検出信号を得ることができる。従って、コストの上昇を招くことなく、負荷側から電力増幅部側に戻ってくるスプリアス成分の影響を排除して、出力を精度良く制御することができる。
本発明において、高周波信号発生部の出力を分波して、基準高周波信号を得るようにした場合には、基準高周波信号を得るために特別の高周波発生源を必要としないため、コストの低減を図ることができる。
本発明において、高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相とを等しくするか、または高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号と高周波電力検出信号とに180度の位相差を持たせるように位相補正を行う位相補正部を設けた場合には、基準高周波信号の位相及び/または高周波電力検出信号の位相に変動が生じた場合に進行波検出信号に生じる誤差を少なくすることができるため、進行波の基本周波数成分を常に正確に検出して、高周波電源装置の出力の制御を精度良く行うことができる。
また本発明に係わる高周波電力検出装置によれば、高価な高性能のローパスフィルタを用いることなく、電力増幅部の出力から方向性結合器を通して高周波電力の進行波の基本周波数成分または反射波の基本周波数成分を検出することができる。
本発明の好ましい実施形態に係わる高周波電源装置の構成を示したブロック図である。 同実施形態において、高周波掛算器の出力の周波数スペクトラムの一例を示した図である。 同実施形態において用いることができる位相補正部の構成の一例を示した回路図である。 本発明の他の好ましい実施形態に係わる高周波電源装置の構成を示したブロック図である。 図4の実施形態において位相補正を自動的に行う際の位相指示値と高周波掛算器の出力から抽出した直流電圧との関係の一例を概略的に示したグラフである。 図4の実施形態で用いる位相シフト手段の構成例を示した回路図である。 従来の高周波電源装置の構成を示したブロック図である。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態を示したものである。同図において、1は正弦波形の高周波信号を発生する高周波信号発生部で、この高周波信号発生部は、例えば、水晶発振回路により構成することができる。高周波信号発生部1の出力は分波器2に入力されて、正弦波形の2系列の高周波信号F1,F2に分波される。分波器2から出力された一方の系列の高周波信号F1は振幅レベル調整部3を通して電力増幅部4に入力される。振幅レベル調整部3は、高周波信号発生部から電力増幅部4に与える高周波信号の振幅レベルを、振幅レベル制御信号Saに応じて変化させる部分である。振幅レベル制御信号Saは、例えば、振幅レベル調整部3から出力させる信号の振幅レベルに比例した電圧信号である。振幅レベル調整部3は例えば、振幅レベル制御信号Saに応じて利得が変化する増幅回路により構成することができる。
振幅レベル調整部3により振幅のレベルが調整された一方の系列の高周波信号F1は、電力増幅部4に入力されて電力増幅される。電力増幅部4から出力される高周波電力は、方向性結合器5と図示しないインピーダンス整合器とを通して負荷に供給されている。また方向性結合器5の進行波検出部から取り出された高周波電力の進行波成分Pfが減衰器6に入力される。本実施形態では、方向性結合器5と減衰器6とにより、電力増幅部の出力から高周波電力の進行波成分の情報を含む高周波電力検出信号Faを得る高周波電力検出部が構成されている。
電力増幅部4は高周波信号発生部1が出力する正弦波形の高周波信号を増幅するため、高周波信号発生部1の出力信号の角周波数をω、高周波電力検出信号の振幅の最大値をA、電力増幅部4と方向性結合器(電力増幅部から進行波成分を取り出す部分)5と減衰器6とで生じる総合の遅れ位相をα、時間をtとすると、減衰器6から得られる高周波電力検出信号Faは、Fa=Asin(ωt−α)で表すことができる。
また分波器2から出力された他系列の高周波信号F2は、位相補正部7に入力される。本実施形態では、位相補正部7により位相が補正された高周波信号を基準高周波信号Fbとして用いる。この基準高周波信号Fbは、その最大値をB、角周波数をω、遅れ位相角をβとすると、Fb=Bsin(ωt-β)で表すことができる。本実施形態では、位相補正部7が、分波器2から出力された基準高周波信号Fbの遅れ位相角βを高周波電力検出信号の遅れ位相角αに等しくするように、基準高周波信号Fbの位相を補正する。従って、β=αであり、位相補正部7から出力される基準高周波信号Fbは、Fb=Bsin(ωt−α)で表すことができる。
位相補正部7は例えば、図3に示したように、演算増幅器OP1と、演算増幅器OP1の逆相入力端子及び正相入力端子にそれぞれ一端が接続され、他端が共通接続された抵抗器R1及びR2と、演算増幅器OP1の出力端子と逆相入力端子との間に接続された帰還抵抗R3と、演算増幅器OP1の逆相入力端子と接地間に接続された可変コンデンサC1とを備えた公知の位相シフト回路を用いることができる。図3に示した位相補正部では、可変コンデンサC1の容量を変化させることにより基準高周波信号Fbの位相を補正することができる。また、抵抗R2を可変抵抗として、抵抗R2の抵抗値を変化させることによっても基準高周波信号Fbの位相を補正することができる。
高周波電力検出信号Fa及び位相が補正された基準高周波信号Fbはそれぞれ2入力の高周波掛算器8の一方の入力端子及び他方の入力端子に入力される。高周波掛算器8は、高周波電力検出信号Faと基準高周波信号Fbとの積の信号F=Fa*Fbを出力する。ここでK=cos(β−α)とすると、高周波掛算器8の出力Fは下記の式で与えられる。
F=Fa*Fb=(1/2)*(A*B)*{K−cos(2ωt−θ)} …(1)
上記の式においてθは、αとβとにより決定される2倍の角周波数2ωの余弦波の位相遅れで、θ=α+βである。(1)式で与えられる高周波掛算器の出力には、下記の式で与えられる直流分Fdcが含まれている。
Fdc=(1/2)*(A*B)*K …(2)
ここで、基準高周波信号の振幅の最大値Bを一定とし、α及びβを一定として、K=cos(β−α)を一定とし、T=(1/2)*B*Kとおくと、上記直流分は、
Fdc=T*A …(3)
となる。即ち、高周波掛算器8の出力に含まれる直流分Fdcは、高周波電力の進行波の基本周波数成分に比例する。本発明においては、高周波掛算器8の出力から直流分Fdcを抽出して、この直流分を進行波検出信号とする。
位相補正部7により高周波掛算器に入力される高周波電力検出信号Fa及び基準高周波信号Fbが同位相となるように(α=βとなるように)調整しておくと、β−α=0であり、K=cos(0)=1となる。この場合、高周波電力検出信号Fa及び基準高周波信号Fbが同位相であるときの高周波掛算器の出力は、
F=(1/2)*(A*B)*{1−cos(2ωt−θ)} …(4)
となり、この出力に含まれる直流分は、
Fdc=(1/2)*(A*B) …(5)
となる。
またβ−α=180°またはα−β=180°とした場合、即ち高周波電力検出信号Faと基準高周波信号Fbとに180度の位相差を持たせた場合には、K=cos(β−α)=−1となるので、高周波掛算器8の出力Fは、
F=−(1/2)*(A*B)*{1+cos(2ωt−θ)} …(6)
とななり、高周波掛算器の出力に含まれる直流分Fdcは、
Fdc=−(1/2)*(A*B) …(7)
となる。
β−α=90°または270°とした場合には、K=0となるので、高周波掛算器8の出力Fは、
F=−(1/2)*(A*B)*cos(2ωt−θ) …(8)
となり、高周波掛算器8の出力に含まれる直流分は0となる。
本発明では、高周波掛算器8の出力に直流分が含まれるように(β−α=90°または270°としないように)、高周波掛算器8に入力される高周波電力検出信号Fa及び基準高周波信号Fbの位相を調整して、高周波掛算器8の出力に含まれる直流分を抽出することにより、電力増幅部4から負荷に与えられる高周波電力の進行波の基本周波数成分を示す進行波検出信号を得る。
高周波掛算器8の出力から抽出する直流分(進行波検出信号)の大きさを最大にして電力増幅部4から負荷に与えられる高周波電力の進行波の基本周波数成分を精度よく検出するため、高周波掛算器8の出力に含まれる直流分が(5)式または(7)式で与えられるように、高周波掛算器8に入力される高周波電力検出信号Fa及び基準高周波信号Fbを同位相とするか、または高周波掛算器8に入力される高周波電力検出信号Faと基準高周波信号Fbとに180度の位相差を持たせるように、高周波電力検出信号Fa及び基準高周波信号Fbの位相を調整しておくのが好ましい。
本実施形態では、高周波掛算器8の出力がローパスフィルタ(LPF)9に入力され、ローパスフィルタ9により、高周波掛算器8の出力から直流分Fdcが抽出される。
高周波掛算器8に入力される高周波電力検出信号Fa及び基準高周波信号Fbを位相を補正してα=βとしておくと、回路系で位相のドリフトが発生した場合に、該ドリフトが検出結果に及ぼす影響を少なくすることができる。例えば、α=βのときにcos(α−β)=cos(0)=1であり、直流分は(1/2)*(A*B)である。このように位相補正がなされている状態でα及び/またはβが変動して位相差に±2度のドリフトが発生したとすると、cos(±2)=0.999391であるため、cos(0)=1である場合との誤差は1−0.999391=0.00061となり、直流分の誤差は0.061%となる。これに対して、仮にα−β=30度とした場合に、同様に位相差に±2度のドリフトが発生したときには、cos(30)=0.866025であるのに対し、ドリフトによりcosの値が、cos(28)=0.882948からcos(32)=0.848048の範囲で変動することになるため、直流分の誤差は、−1.95%ないし+2.08%となり、α=βとした場合に比べて大幅に誤差が大きくなる。
β−α=180°またはα−β=180°となるように(高周波掛算器8に入力される高周波電力検出信号Faと基準高周波信号Fbとに180°の位相差を持たせるように)両信号Fa及びFbの位相を補正した場合も同様に誤差を少なくすることができる。
本発明は、高周波電力検出信号Fa及び基準高周波信号Fbの位相を等しくするかまたは両信号に180°の位相差を持たせるように信号Fa及びFbの位相を補正する場合に限定されないが、α及びβを極力近い値とするか、またはβ−αまたはα−βを極力180°に近づけることが好ましく、α=β、またはβ−α=180°若しくはα−β=180°となるように位相が補正されていることが最も好ましい。
負荷が非線形で、更に負荷に他の高周波電源装置から高周波電力が供給されていると、負荷から反射波が逆流してくると同時に、多くのスプリアス成分が方向性結合器5に向かって逆流してくる。これら反射波及びスプリアス成分は、方向性結合器5に設けられている反射波検出部(図示せず。)だけでなく、進行波検出部からも検出される。
ここで、図示の高周波電源装置の出力の基本周波数(高周波信号発生部1の出力周波数)をf1、負荷に同時に電力を供給している他の高周波電源装置の出力周波数をf2とした場合、負荷側から逆流してくる主な高周波成分の周波数は、f1,f2,n*f1±m*f2(n及びmは任意の整数)で表すことができる。例えば、図示の高周波電源装置の出力周波数f1を50MHz、負荷に同時に電力を供給している他の高周波電源装置の出力周波数f2を2MHzとした場合、下記のような周波数のスプリアス成分が負荷側から逆流してくる。
2MHz
50MHz±2MHz,50MHz±4MHz,…
100MHz,100MHz±2MHz,100MHz±4MHz,…
150MHz,150MHz±2MHz,150MHz±4MHz,…
・・・・・・ , ・・・・・・
一般に用いられているCM結合の方向性結合器は、基本周波数に対しては十分な方向性を有し、その進行波検出部では、基本周波数f1の反射波を十分に減衰させるが、基本周波数f1から大きく離れた周波数に対しては、方向性を喪失する。そのため、基本周波数f1の反射波以外のスプリアス成分は、その周波数が基本周波数f1から離れるに従って、方向性結合器5の進行波検出部から検出されるようになる。
高周波掛算器8は、直流分を出力すると同時に、方向性結合器の進行波検出部から出力されたスプリアス周波数の成分を、基本周波数f1が加算または減算された周波数の形に変換して出力する。基本周波数f1の近傍に大きく出力されるスプリアス成分は、多くの場合、m,nが2ないし4の範囲に分布する。
例えば、図1に示した高周波電源装置の基本周波数f1を50MHzとし、同時に負荷に高周波電力を供給している他の高周波電源(図示せず。)の基本周波数f2を2MHzとした場合、高周波掛算器8は、50MHz,100MHzの周波数成分を中心に、±2MHz,±4MHz,±6MHz,・・・の周波数成分を出力する。
高周波掛算器8の出力周波数のスペクトラムを模式的に示すと、図2に示すようになる。本発明では、高周波掛算器8の出力のうち、直流分のみをローパスフィルタで抽出する。直流分は、他のスプリアス成分とは周波数が大きくかけ離れているため、直流分を抽出するために用いるローパスフィルタは、高性能を有するものである必要はなく、図2に破線で示したように、減衰特性の傾きが緩やかなものでよい。
方向性結合器5の進行波検出部では、方向性結合器の分離特性により、自己の基本周波数f1の反射波を大きく減衰させるため、高周波掛算器8の出力から直流分を抽出する際に、自己の基本周波数f1の反射波が与える誤差は極僅かである。同様に、方向性結合器5は、負荷側から流入する自己の基本周波数f1の近傍のスプリアス周波数の成分を大きく減衰させる。負荷側から流入したスプリアス成分の内、高周波掛算器8から出力される周波数成分は、直流分からは大きく離れた高周波成分のみであるため、負荷側から流入するスプリアス成分から分離して直流分を抽出することも容易である。
上記のように、高周波掛算器8から出力される直流分と基本周波数の反射波成分及び基本周波数よりも高いスプリアス周波数成分とは簡単に分離することができるため、電力増幅部4から負荷に供給される進行波成分だけを容易に検出することができる。高周波掛け算器8の出力から抽出される直流分Fdcは、自己の基本周波数の進行波成分のみを示すので、この直流分を進行波検出信号として振幅レベル調整部3にフィードバックすることにより、高周波電源装置の出力を精度良く制御することができる。
図1に示した高周波電源装置においては、ローパスフィルタ9により、高周波掛算器8の出力から直流分を抽出して電力増幅部4から負荷に与えられている高周波電力の進行波の基本周波数成分を示す進行波検出信号を得る直流分抽出手段が構成されている。
進行波検出信号Fdcは、基準信号発生部10から与えられる基準信号Vrと共に比較部11に入力されて、基準信号Vrと比較される。本実施形態の基準信号Vrは、高周波電源装置の出力の設定値に等しいレベルを有する電圧信号である。
比較部11による比較の結果は、振幅レベル制御信号発生部12に入力されている。振幅レベル制御信号発生部12は、比較部11による比較の結果に応じて電力増幅部4から負荷に供給する進行波電力を設定値に保つように振幅レベル調整部3に振幅レベル制御信号Saを与える。
図1に示した高周波電源装置においては、振幅レベル調整部3、電力増幅部4、方向性結合器5、減衰器6、高周波掛算器8、ローパスフィルタ9、比較部11及び振幅レベル制御信号発生部12により、電力増幅部3から出力される高周波電力の大きさを設定値に保つように電力増幅部3に入力する高周波信号のレベルを制御する自動レベル制御(ALC)を行う制御ループが構成されている。
上記のように、本発明においては、基準高周波信号Fb及び高周波電力検出信号Faを正弦波形としてこれらを掛け算することにより得た信号から直流分Fdcを抽出するだけで高周波電力の進行波の基本周波数成分に比例した大きさを有する進行波検出信号を得ることができ、高性能なローパスフィルタを用いることなく、負荷に与えられる進行波電力を正確に示す進行波検出信号を得ることができる。従って、コストの上昇を招くことなく、負荷側から電力増幅部側に戻ってくるスプリアス成分の影響を排除して、出力を精度良く制御することができる。
上記の実施形態のように、高周波信号発生部1の出力を分波して、基準高周波信号を得るようにした場合には、基準高周波信号を得るために特別の高周波発生源を必要としないため、コストの低減を図ることができる。
なお本発明は、上記のように高周波信号発生部1の出力を分波して、基準高周波信号を得る場合に限定されるものではなく、高周波信号発生部1の出力周波数と同じ周波数の高周波信号を発生する信号源を高周波信号発生部1と別個に設けて、この信号源から基準高周波信号を得るようにしてもよい。基準高周波信号の位相と、高周波電力検出信号の位相とは、位相補正部7により補正するので、基準高周波信号の位相は任意でよい。
上記の実施形態では、基準高周波信号Fbの位相を補正するように位相補正部7を設けたが、高周波電力検出信号Faの位相を補正することにより、基準高周波信号の位相を高周波電力検出信号の位相に一致させるか、または高周波電力検出信号と基準高周波信号とに180°の位相差を持たせるように、位相補正部7を設けてもよい。
本発明においては、高周波掛算器8で掛け算する高周波信号を共に正弦波形とする必要がある。基準高周波信号及び高周波電力検出信号が共に正弦波形を有している場合には問題がないが、基準高周波信号及び高周波電力検出信号の少なくとも一方が非正弦波形の信号である場合には、高周波掛算器8に入力する非正弦波形の信号の波形を正弦波形に変換するための波形変換部を高周波掛算器の入力部の前に設ける必要がある。
高周波信号発生部1の出力周波数が一定である場合には、高周波電源装置の回路が決まれば、高周波電力検出信号の遅れ位相角α及び基準高周波信号の遅れ位相角βは一定であるため、位相補正部7による位相補正量は一定とすることができる。しかしながら、高周波信号発生部1が出力周波数を変化させ得るように構成されている場合には、高周波信号発生部1の出力周波数により、高周波電力検出信号の遅れ位相角α及び基準高周波信号の遅れ位相角βが変化するため、位相補正部7は、基準高周波信号Fbの位相または高周波電力検出信号Faの位相を補正する際の位相補正量を高周波信号発生部の出力周波数の変化に同期して変化させ得るように構成する必要がある。
図4は、基準高周波信号Fbの位相と高周波電力検出信号Faの位相とを等しくするための位相補正を自動的に行う機能を追加した本発明の第2の実施形態を示したものである。本実施形態においては、位相補正部7′が、高周波信号発生部1の出力を分波手段2により分波して得た基準高周波信号の位相を細かくシフトさせながら、基準高周波信号の位相を高周波電力検出信号の位相に等しくするために最適な位相シフト量を求めるように構成される。
本実施形態で用いる位相補正部7′は、分波手段2から得られる基準高周波信号の位相を、与えられた位相指示値に対応する位相までシフトさせる位相シフト手段21と、位相シフト手段21に位相指示値を与える位相指示値設定部22と、位相補正を行うか否かの指令を発生する補正指令部23と、位相補正を行うために位相シフト手段21に与える位相指示値の最適値を探索する際の条件を設定する条件設定部24と、直流電圧抽出部の出力電圧(進行波検出信号)を検出する電圧検出部25と、電圧検出部25により検出された直流電圧を該直流電圧が検出されたときに位相指示値設定部22から位相シフト手段21に与えられていた位相指示値と共に記憶する記憶部26と、記憶部26に記憶されたデータから基準高周波信号の遅れ位相βを高周波電力検出信号の遅れ位相αに等しくするために位相シフト手段21に与える最適の位相指示値を求める最適位相指示値決定部27と、最適の位相指示値を求める際に電力増幅部4に接続されるダミー負荷28とにより構成されている。その他の構成は、図1に示した実施形態の構成と同様である。
位相補正部7′の構成を更に詳細に説明すると、位相シフト手段21は、位相指示値が与えられたときに該位相指示値に対応する位相まで基準高周波信号Fbの位相をシフトさせる手段である。位相指示値は、例えば直流電圧の形で与えられる。
図6は、位相シフト手段21を構成する回路の一例を示している。図6に示した位相シフト手段は、図3に示した位相補正回路のコンデンサC1を固定容量のコンデンサとして、このコンデンサに可変容量ダイオードVDを直列に接続すると共に、コンデンサC1と可変容量ダイオードVDとの接続点からコイルL1を通して制御端子t1を引き出した構成を有する位相シフト回路からなっている。この位相シフト回路では、制御端子t1からコイルL1を通して可変容量ダイオードVDの両端に印加される位相指示電圧Vcにより可変容量ダイオードVDの静電容量を変化させて、入力された基準高周波信号F2の位相を、位相指示電圧Vcにより指示された位相指示値に対応する位相までシフトさせる。この位相シフト回路においてはまた、コンデンサC1の静電容量を変化させることによっても基準高周波信号F2の位相をシフトさせることができ、抵抗R2の抵抗値を変化させることによっても基準高周波信号F2の位相をシフトさせることができる。
補正指令部23は、最適の位相指示値を求める動作を行わせることを指令する補正指令及び最適の位相指示値を求める動作を終了することを指令する補正終了指令を発生する部分で、この補正指令部23は、オン状態にされたときに補正指令を発生し、オフ状態にされたときに補正終了指令を発生するスイッチ等により構成することができる。補正指令部23から補正指令を発生させる場合には、電力増幅部4の出力端子に方向性結合器5と図示しないインピーダンス整合器とを通して、インピーダンスが負荷側回路の特性インピーダンスに等しいダミー負荷(50)を接続しておく。
条件設定部24は、最適の位相指示値を求める際の位相指示値の変化範囲、及び位相指示値を変化させる間隔を設定する部分で、キーボードなどの入力インターフェースから位相指示値の変化範囲及び変化の間隔等の条件を位相指示値設定部22に与える。
電圧検出部25は、ローパスフィルタ9からなる直流分抽出手段が出力する直流電圧(進行波検出信号)Fdcを検出する部分で、検出した直流電圧を記憶部26に与える。記憶部26は、電圧検出部25により検出された直流電圧Fdcを、位相指示値設定部22から位相シフト手段21に与えられている位相指示値Vcと対にして記憶する。
位相指示値設定部22は、補正指令部23から補正指令が与えられているときに、条件設定部24により設定された条件(位相指示値を変化させる範囲及び変化の間隔)に従って、位相シフト手段21に与える位相指示値Vcの値を例えば1V,2V,3V,…,10Vのように変化させるとともに、各位相指示値Vcを記憶部26に与える。各位相指示値を位相シフト手段21に与える毎に、電圧検出部25により検出された直流電圧Fdcが対応する位相指示値とともに記憶部26に記憶される。位相指示値設定部22は、条件設定部24により設定された変化範囲の位相指示値の変化を完了したときに最適位相指示値決定部27に変更終了信号を与える。
記憶部26に記憶される位相指示値Vcと直流電圧Fdcとの関係は、例えば図5に示したようになり、位相指示値Vcが最適値Vcmであるとき(α=βまたはα−β=180°若しくはβ−α=180°のとき)に直流電圧Vcの絶対値が最大値Vdcmを示す。
最適位相指示値決定部27は、位相指示値設定部22から変更終了信号が与えられたときに、記憶部26に記憶されているデータから直流電圧の絶対値の最大値Vdcmを与える位相指示値Vcmを最適位相指示値として求めて、この最適位相指示値を位相指示値設定部22に与える。位相指示値設定部22は、補正指令部23から補正終了指令が与えられたときに位相シフト手段21に与える位相指示値を最適位相指示値に固定する。これにより、基準高周波信号の遅れ位相角βと高周波電力検出信号の遅れ位相角αとが等しくなるように基準高周波信号の位相が補正される。
上記のようにして位相補正が完了した後、ダミー負荷28を外して、電力増幅部4の出力側に方向性結合器とインピーダンス整合器とを通して実際の負荷を接続する。
図4に示した実施形態によれば、高周波掛算器8で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相とを等しくするように基準高周波信号の位相を補正する際の位相の補正量を自動的に求めることができるため、位相の補正を容易かつ精度良く行うことができる。
上記の各実施形態では、基準高周波信号の位相を補正するように位相補正部を設けたが、本発明はこのように構成する場合に限定されるものではなく、減衰器6と高周波掛け算器8との間または方向性結合器5と減衰器6との間に位相補正部を設けて、高周波電力検出信号の位相を補正することにより、高周波掛算器8で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相とを等しくするか、または両信号に180°の位相差を持たせるようにしてもよい。
上記の各実施形態においては、周波数が高周波信号発生部1の出力周波数に等しく、振幅が一定な基準高周波信号を生成する基準高周波信号生成部(上記の各実施形態では分波器2により構成される)と、電力増幅部4の出力から方向性結合器5と減衰器6とを通して高周波電力の進行波成分を検出して高周波電力検出信号を得る高周波電力検出部と、基準高周波信号と高周波電力検出信号とを掛け合わせる高周波掛算器8と、高周波掛算器8の出力から直流分を抽出して電力増幅部から負荷に与えられている高周波電力の進行波の基本周波数成分を示す進行波成分検出信号を得る直流分抽出手段(上記の実施形態ではローパスフィルタ9により構成される。)とにより、高周波信号発生部1が発生した高周波信号を電力増幅部4で増幅して得た高周波電力を負荷に供給する高周波電源装置の出力を制御するために電力増幅部4の出力側の回路から高周波電力の進行波の基本周波数成分をスプリアス成分と分離して検出する高周波電力検出装置が構成されている。この検出装置により、進行波の基本周波数成分を精度よく検出するためには、高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相とを等しくするか、または高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号と高周波電力検出信号とに180°の位相差を持たせるように基準高周波信号の位相または高周波電力検出信号の位相を補正する位相補正部を設けておくことが好ましい。
上記の実施形態では、電力増幅部から負荷に与えられる進行波成分を検出するように高周波電力検出装置を構成しているが、全く同じ考え方で、負荷で反射されて電力増幅部に戻ってくる反射波の基本周波数成分を検出する高周波電力検出装置を構成することもできる。
すなわち、周波数が高周波信号発生部1の出力周波数に等しく、振幅が一定な基準高周波信号を生成する基準高周波信号生成部と、電力増幅部4の出力から方向性結合器5を通して高周波電力の反射波成分を検出して高周波電力検出信号を得る高周波電力検出部と、基準高周波信号と高周波電力検出信号とを掛け合わせる高周波掛算器と、高周波掛算器の出力から直流分を抽出して負荷から前記電力増幅部に戻ってくる高周波電力の反射波の基本周波数成分を示す反射波検出信号を得る直流分抽出手段とを設けることにより、高周波信号発生部が発生した高周波信号を電力増幅部で増幅して得た高周波電力を負荷に供給する高周波電源装置の出力を制御するために前記電力増幅部の出力側の回路から高周波電力の反射波の基本周波数成分をスプリアス成分と分離して検出する高周波電力検出装置を得ることができる。
この場合も、高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相を等しくするか、または高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号と高周波電力検出信号とに180°の位相差を持たせるように基準高周波信号の位相または高周波電力検出信号の位相を補正する位相補正部を設けておくことが好ましい。
例えば、図1の実施形態の各部のうち、減衰器6と、位相補正手段7と、高周波掛け算器8と、ローパスフィルタ9とからなる部分を反射波に対しても設けて、方向性結合器5の図示されていない反射波成分検出部(反射波成分出力ポート)から取り出した反射波成分を減衰器6に入力するようにすれば、反射波の基本周波数成分をスプリアス成分と分離して検出する高周波電力検出装置を構成することができる。
反射波の基本周波数成分の検出は、例えば、電力増幅部4を保護するために、電力増幅部4から出力される進行波の基本周波数成分と、負荷で反射されて増幅部に戻ってくる反射波の基本周波数成分との和の電力を制限値以下に抑える制御を行う場合に必要になる。
上記の説明では、高周波電力検出信号Fa及び基準高周波信号FbをそれぞれFa=Asin(ωt−α)及びFb=Bsin(ωt-β)で表わしたが、高周波電力検出信号Fa及び基準高周波信号FbをそれぞれFa=Acos(ωt−α)及びFb=Bcos(ωt-β)で表わした場合には、K=cos(β−α)とすると、前記(1)式が下記の(9)式のようになる。
F=Fa*Fb=(1/2)*(A*B)*{K+cos(2ωt−θ)} … (9)
またα=βの場合には、
F=(1/2)*(A*B)*{1+cos(2ωt−θ)} …(10)
となり、α−β=180°またはβ−α=180°の場合には、
F=(1/2)*(A*B)*{−1+cos(2ωt−θ)} …(11)
となる。
この場合も、高周波掛算器の出力に直流分Fdc=(1/2)*(A*B)*Kが含まれるという結果が得られることに変りはない。
1 高周波信号発生部
2 分波器
3 振幅レベル調整部
4 電力増幅器
5 方向性結合器
6 減衰器
7 位相補正部
8 高周波掛算器
9 ローパスフィルタ
10 基準信号発生部
11 比較部
12 振幅レベル制御信号発生部
21 位相シフト手段
22 位相指示値設定部
23 補正指示部
24 条件設定部
25 電圧検出部
26 記憶部
27 最適位相指示決定部

Claims (10)

  1. 高周波信号を発生する高周波信号発生部と、前記高周波信号発生部の出力を増幅する電力増幅部と、前記電力増幅部から負荷に供給する進行波電力を設定値に保つように制御する制御部とを備えた高周波電源装置であって、
    前記制御部は、
    周波数が前記高周波信号発生部の出力周波数に等しく、振幅が一定な基準高周波信号を生成する基準高周波信号生成部と、
    前記高周波信号発生部から前記電力増幅部に与える高周波信号の振幅レベルを振幅レベル制御信号に応じて変化させる振幅レベル調整部と、
    前記電力増幅部の出力から進行波成分の情報を含む高周波電力検出信号を得る高周波電力検出部と、
    前記基準高周波信号と高周波電力検出信号とを掛け合わせる高周波掛算器と、
    前記高周波掛算器の出力から直流分を抽出して前記電力増幅部から負荷に与えられている高周波電力の進行波の基本周波数成分を示す進行波検出信号を得る直流分抽出手段と、
    前記直流分抽出手段により得られた進行波検出信号のレベルを前記電力増幅部から負荷に供給する進行波電力の設定値を与える基準信号のレベルと比較する比較部と、
    前記比較部による比較の結果に応じて前記電力増幅部から負荷に供給する進行波電力を設定値に保つように前記振幅レベル調整部に前記振幅レベル制御信号を与える振幅レベル制御信号発生部と、
    を具備し、
    前記高周波掛算器で掛け算される基準高周波信号及び高周波電力検出信号は正弦波形を有していること、
    を特徴とする高周波電源装置。
  2. 前記高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相を等しくするかまたは前記高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号と高周波電力検出信号とに180°の位相差を持たせるように前記基準高周波信号の位相または前記高周波電力検出信号の位相を補正する位相補正部が更に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の高周波電源装置。
  3. 前記高周波信号発生部は出力周波数を変化させ得るように構成され、
    前記位相補正部は、前記基準高周波信号の位相または前記高周波電力検出信号の位相を補正する際の位相補正量を前記高周波信号発生部の出力周波数の変化に同期して変化させ得るように構成されている請求項2に記載の高周波電源装置。
  4. 高周波信号を発生する高周波信号発生部と、前記高周波信号発生部の出力を増幅する電力増幅部と、前記電力増幅部から負荷に供給する進行波電力を設定値に保つように制御する制御部とを備えた高周波電源装置であって、
    前記制御部は、
    周波数が前記高周波信号発生部の出力周波数に等しく、振幅が一定な正弦波形の基準高周波信号を生成する基準高周波信号生成部と、
    前記高周波信号発生部から前記電力増幅部に与える高周波信号の振幅レベルを振幅レベル制御信号に応じて変化させる振幅レベル調整部と、
    前記電力増幅部の出力から進行波成分の情報を含む正弦波形の高周波電力検出信号を得る高周波電力検出部と、
    前記基準高周波信号と高周波電力検出信号とを掛け合わせる高周波掛算器と、
    前記高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相とを等しくするか、または前記高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号と高周波電力検出信号とに180°の位相差を持たせるように前記基準高周波信号の位相または前記高周波電力検出信号の位相を補正する位相補正部と、
    前記高周波掛算器の出力から直流分を抽出して前記電力増幅部から負荷に与えられている高周波電力の進行波成分を示す進行波検出信号を得る直流分抽出手段と、
    前記直流分抽出手段により得られた進行波検出信号のレベルを前記電力増幅部から負荷に供給する進行波電力の設定値を与える基準信号のレベルと比較する比較部と、
    前記比較部による比較の結果に応じて前記電力増幅部から負荷に供給する進行波電力を設定値に保つように前記振幅レベル調整部に前記振幅レベル制御信号を与える振幅レベル制御信号発生部と、
    を具備し、
    前記位相補正部は、位相指示値が与えられたときに該位相指示値に対応する位相まで前記基準高周波信号または高周波電力検出信号の位相をシフトさせる位相シフト手段と、補正指令及び補正終了指令を発生する補正指令部と、前記補正指令部が補正指令を発生しているときに前記位相シフト手段に複数の異なる値の位相指示値を順次与える位相指示値設定手段と、前記位相指示値設定手段が各位相指示値を与えた際に得られた前記進行波成分検出信号のレベルを対応する位相指示値と共に記憶する記憶部と、前記位相指示値設定部がすべての位相指示値を前記移動シフト手段に与え終わったときに前記記憶部に記憶されているデータから前記進行波成分検出信号のレベルの絶対値の最大値を与える位相指示値を求めて、該最大値を与える位相指示値を最適位相指示値として決定する最適位相指示値決定部とを具備し、
    前記位相指示値設定部は、前記補正指令部が補正終了指令を発生したときに前記位相シフト手段に与える位相指示値を前記最適位相指示値に固定するように構成され、
    前記補正指令部が前記補正指令を発生している間は前記電力増幅部に接続される負荷が、負荷側の回路の特性インピーダンスに等しいインピーダンスを有するダミー負荷とされること、
    を特徴とする高周波電源装置。
  5. 前記基準高周波信号及び高周波電力検出信号の少なくとも一方は非正弦波形の信号であり、前記高周波掛算器に入力する非正弦波形の信号の波形を正弦波形に変換する波形変換部が設けられている請求項1,2,3または4に記載の高周波電源装置。
  6. 前記基準高周波信号生成部は、前記高周波信号発生部の出力の一部を分波することにより前記基準高周波信号を得るように構成されている請求項1ないし5のいずれか1つに記載の高周波電源装置。
  7. 前記高周波電力検出部は、前記電力増幅部と負荷との間に挿入されて電力増幅部の出力から進行波成分を取り出す方向性結合器と、該方向性結合器の出力を減衰させる減衰器とにより構成されている請求項1ないし6のいずれか1つに記載の高周波電源装置。
  8. 高周波信号発生部が発生した高周波信号を電力増幅部で増幅して得た高周波電力を負荷に供給する高周波電源装置の出力を制御するために前記電力増幅部の出力側の回路から高周波電力の進行波の基本周波数成分をスプリアス成分と分離して検出する高周波電源装置の高周波電力検出装置であって、
    周波数が前記高周波信号発生部の出力周波数に等しく、振幅が一定な基準高周波信号を生成する基準高周波信号生成部と、
    前記電力増幅部の出力から方向性結合器を通して高周波電力の進行波成分を検出して高周波電力検出信号を得る高周波電力検出部と、
    前記基準高周波信号と高周波電力検出信号とを掛け合わせる高周波掛算器と、
    前記高周波掛算器の出力から直流分を抽出して前記電力増幅部から負荷に与えられている高周波電力の進行波の基本周波数成分を示す進行波成分検出信号を得る直流分抽出手段と、
    を具備し,
    前記高周波掛算器で掛け算される基準高周波信号及び高周波電力検出信号は正弦波形を有していること、
    を特徴とする高周波電源装置の高周波電力検出装置。
  9. 高周波信号発生部が発生した高周波信号を電力増幅部で増幅して得た高周波電力を負荷に供給する高周波電源装置の出力を制御するために前記電力増幅部の出力側の回路から高周波電力の反射波の基本周波数成分をスプリアス成分と分離して検出する高周波電源装置の高周波電力検出装置であって、
    周波数が前記高周波信号発生部の出力周波数に等しく、振幅が一定な基準高周波信号を生成する基準高周波信号生成部と、
    前記電力増幅部の出力から方向性結合器を通して高周波電力の反射波成分を検出して高周波電力検出信号を得る高周波電力検出部と、
    前記基準高周波信号と高周波電力検出信号とを掛け合わせる高周波掛算器と、
    前記高周波掛算器の出力から直流分を抽出して負荷から前記電力増幅部に戻ってくる高周波電力の反射波の基本周波数成分を示す反射波検出信号を得る直流分抽出手段と、
    を具備し、
    前記高周波掛算器で掛け算される基準高周波信号及び高周波電力検出信号は正弦波形を有していること、
    を特徴とする高周波電源装置の高周波電力検出装置。
  10. 前記高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号の位相と高周波電力検出信号の位相とを等しくするか、または前記高周波掛算器で掛け算する基準高周波信号と高周波電力検出信号とに180°の位相差を持たせるように前記基準高周波信号の位相または前記高周波電力検出信号の位相を補正する位相補正部を更に備えている請求項8または9に記載の高周波電源装置の高周波電力検出装置。
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