JP5398058B2 - 高周波電源装置 - Google Patents

高周波電源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5398058B2
JP5398058B2 JP2008281335A JP2008281335A JP5398058B2 JP 5398058 B2 JP5398058 B2 JP 5398058B2 JP 2008281335 A JP2008281335 A JP 2008281335A JP 2008281335 A JP2008281335 A JP 2008281335A JP 5398058 B2 JP5398058 B2 JP 5398058B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
level
signal
frequency signal
difference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008281335A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010108839A (ja
Inventor
栄厚 浅利
裕司 吉迫
龍哉 森井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihen Corp filed Critical Daihen Corp
Priority to JP2008281335A priority Critical patent/JP5398058B2/ja
Publication of JP2010108839A publication Critical patent/JP2010108839A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5398058B2 publication Critical patent/JP5398058B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Description

本発明は、プラズマ処理装置等の負荷に供給する高周波電力を発生する高周波電源装置に関するものである。
半導体への微細加工を行なうプラズマ処理装置などの負荷に電力を供給するために、高周波電源装置が用いられている。図4は高周波電源装置の基本的な構成を示したもので、同図において、1は高周波信号を発生する高周波発生部、2は高周波発生部1から得られる高周波信号を増幅する電力増幅部、3は電力増幅部の出力の一部を分波して進行波電力の情報を含む進行波検出信号を出力する高周波検出部である。また4は高周波検出部から得られる進行波検出信号から不要な周波数成分を除去するフィルタ、5はフィルタ4の出力を検波して進行波検出信号のレベルを検出するレベル検出部、6はレベル検出部により検出された進行波検出信号のレベルとレベル設定部7により設定された設定レベルとの比較演算を行って、その演算結果に基づいて、電力増幅部2から出力される進行波電力を設定値に保つように、高周波発生部1の出力レベルを制御するレベル制御部である。
この高周波電源装置においては、高周波検出部3、レベル検出部5、レベル設定部7及びレベル制御部6により、電力増幅部2から負荷に与えられる進行波電力を設定値に保つように高周波発生部1の出力レベルを制御するALC制御(Auto Level Control)を行う制御部が構成されている。この種の電源装置は、例えば、特許文献1ないし3に示されている。
この種の高周波電源装置においては、高周波電力が高い純度を有している(不要な周波数成分を含まない)ことが要求される。そのため、高周波発生部1から電力増幅部2の出力段に至るまでの各ステージに各種の高周波フィルタを配置して、電力増幅部で発生する不要な周波数成分(スプリアス成分)を除去している。電力増幅部2の出力側には、該増幅部から負荷に与える電力から高調波成分を除去するためのローパスフィルタが設けられている。また高周波電源装置の出力と負荷との間にインピーダンス整合装置を設けて、定常状態にある負荷に対してインピーダンスの整合をとることにより、負荷で反射波電力が発生するのを防いでいる。従って、負荷が定常状態にあるときには、電力増幅部2から負荷に与えられる進行波電力のレベルが安定に保たれ、負荷で反射されて高周波電力増幅部に戻る反射波電力は最小となっている。
しかしながら、プラズマ処理装置などの負荷の起動時には、負荷のインピーダンスが非線形の状態にあって、高速で変動するため、整合装置の整合動作が追いつかず、不整合状態が生じて、負荷を節として反射波が発生する。更に負荷の内部では、その非線形性に起因して生じる周波数混合作用により、種々の新しい周波数成分がスプリアス成分として発生し、これらのスプリアス成分が反射波に重畳する。スプリアス成分が重畳した反射波電力は整合装置内を逆流し、該反射波電力のうち、高周波電力増幅部の出力側に設けられたローパスフィルタを通過し得る成分(主として基本周波数成分)が電力増幅部の出力段まで戻ってくる。この場合、電力増幅部から負荷に与えられる電力(負荷側電力)は、電力増幅部の出力側で検出した進行波電力から反射波電力を差し引いた電力となる。
また、プラズマ処理装置においては、図5に示すように、2つの高周波電源装置からプラズマ発生装置の電極に出力周波数が異なる2種類の高周波電力が同時に与えられることがある。図5において、11は第1の高周波電源装置、12は第1の高周波電源装置の出力周波数よりも周波数が低い高周波電力を出力する第2の高周波電源装置である。第1の高周波電源装置11及び第2の高周波電源装置12の出力はそれぞれ第1の整合装置13及び第2の整合装置14を通してプラズマ処理装置等の負荷15に供給されている。
第1の高周波電源装置11から負荷5に与えられる高周波電力は、プラズマ発生用の高周波電力であり、第2の高周波電源装置12から負荷15に与えられる高周波電力は、プラズマ中のイオンを引き込むためのバイアス用の高周波電力である。通常、プラズマ発生用の高周波電力の周波数は十数MHzないし数十MHz程度の高い周波数を有し、バイアス用の高周波電力の周波数は数百KHzないし数MHz程度の比較的低い周波数を有している。
このようなシステムでは、負荷のインピーダンスが複雑に変化するため、インピーダンス整合器によってインピーダンスの整合を完全にとることができず、負荷で反射波が発生するのを避けることができない。この場合、負荷から第1の高周波電源装置11の増幅部側に戻ってくる反射波には、第2の高周波電源装置12の基本周波数成分とその近辺のスプリアス周波数成分とが含まれている。第2の高周波電源装置12の基本周波数は、第1の高周波電源装置11の基本周波数よりも低いため、負荷15から第1の高周波電源装置11側に向かう反射波中のスプリアス成分は、第1の高周波電源装置11の出力側に設けられているローパスフィルタを通過して、第1の高周波電源装置の増幅部に到達してしまう。また第2の高周波電源装置12から第1の高周波電源装置11の電力増幅部に到達するスプリアス成分と第1の高周波電源装置11の出力とが混合されるため、第1の高周波電源装置11から負荷に向かう進行波電力にもスプリアス成分が含まれることになる。
一例として、プラズマ発生用の第1の高周波電源装置1の出力周波数が50MHz、バイアス用の第2の高周波電源装置2の出力周波数が2MHzである場合について、第1の高周波電源装置1から負荷に向かう進行波電力の基本周波数成分(50MHz)付近の周波数スペクトラム及び反射波電力の基本周波数成分(50MHz)付近の周波数スペクトラムを模式的に示すとそれぞれ図6及び図7のようになる。なお図7においては、便宜上縦軸のスケールを図6の縦軸のスケールと同じにしているが、実際には反射波電力のレベルの方が進行波電力のレベルよりも低くなる。
上記のように、電力増幅部2の出力側にスプリアス成分が重畳した反射波電力が戻ってくる状態では、高周波検出部3から得られる検出信号にもスプリアス成分が含まれる。検出信号にスプリアス成分が含まれていると、レベル検出部で進行波検出信号のレベル検出を正確に行うことができず、高周波発生部1の出力のALC制御を正確に行うことができない。そのため、レベル検出部5の前段にフィルタ4を挿入して、レベル検出部5に入力する信号からスプリアス成分を除去する必要がある。
また上記の反射波電力を無視できない場合には、電力増幅部の出力側で検出した進行波電力を設定値に保つ制御を行うだけでなく、負荷側から電力増幅部側に戻ってくる反射波電力をも検出して、進行波電力から反射波電力を差し引いた電力を設定値に保つ制御を行う必要がある。
この場合には、図4に示された高周波検出部3で、電力増幅部2から負荷に供給される進行波電力の情報を含む進行波検出信号の他に、負荷側から電力増幅部2に戻ってくる反射波電力の情報を含む反射波検出信号を得て、図4に示されたレベル検出部5とは別に設けたレベル検出部で反射波検出信号を検波することにより、反射波検出信号のレベルを検出する。この場合レベル制御部6は、検出された進行波検出信号のレベルから反射波検出信号のレベルを差し引くことにより求めたレベルを設定レベルと比較演算し、その演算結果に基づいて、進行波電力から反射波電力を差し引いた電力を設定値に保つように、高周波発生部1の出力をALC制御する。
なお通常「スプリアス」という語は、基本周波数の前後に現れる不要周波数と、各高調波周波数の前後に現れる不要周波数とを指す意味で用いられることが多いが、本明細書においては、説明の便宜上、負荷に供給する周波数成分としては不要な周波数成分(通常は基本周波数成分以外の成分)のすべてをスプリアス成分と呼ぶ。
特開平5−63627号公報 特開平6−6144号公報 特開平11−233294号公報
従来の高周波電源装置は、単一の周波数の高周波電力を発生するように構成されていたが、近年プラズマ処理装置により行うエッチング等の処理をより精密に行うことが必要とされるようになり、それに伴って、負荷に供給する高周波電力の周波数及び大きさを任意に変化させることができる高周波電源装置が求められるようになった。このような要求に応えるためには、図4に示された高周波発生部1の出力周波数を任意に変化させることが必要であり、また高周波発生部1の出力周波数を変化させた場合でも、負荷に与える高周波電力の電力値を設定値に保つ制御を正確に行わせることができるようにしておく必要がある。
また負荷で反射されて電力増幅部の出力側に戻ってくる反射波電力の量は、高周波電力の周波数により異なり、高周波電力の周波数を調整することにより、反射波電力の量を最小とするように制御することが可能である。そのため、高周波検出部3で反射波電力を検出して、検出した反射波電力を最小とするように、高周波発生部1の出力周波数を変化させる制御を行うことがある。このような制御を行う場合も、高周波発生部1の出力周波数を任意に変化させ得るようにしておくことが必要である。
ところが、図4に示された高周波電源装置において、高周波発生部1の出力周波数を変化させた場合には、以下に示すような問題が生じる。
即ち、高周波検出部3から得られる検出信号のレベルを検出するレベル検出部5の前段に設けるフィルタ4は、周波数の変化に伴って減衰率が異なる特性を有するため、フィルタ4への入力信号のレベルが同じであっても、周波数が変化すると、その出力レベルが変わってしまう。周波数の変化に伴ってフィルタの出力レベルが変化すると、レベル検出部5が検出するレベルも変わってしまい、電力増幅部2の出力の電力値と、レベル検出部5により検出される信号レベルとの対応関係が変化してしまうため、レベル検出部5により検出された信号レベルと設定レベルとの比較演算に基づいて高周波発生部1の出力レベルを制御しても、電力増幅部2から負荷に与えられる高周波電力の電力値を設定値に保つことができなくなる。高周波電力の設定値からのずれ(偏差)は、周波数の変化幅を広げれば広げるほど大きくなる。このような問題は、フィルタ4としてアナログフィルタを用いた場合及びデジタルフィルタを用いた場合のいずれの場合にも生じる。
上記のように、従来の高周波電源装置においては、高周波発部1の出力周波数を変化させた場合に、電力増幅部2の出力とレベル検出部5で検出される信号レベルとの対応関係が変化し、周波数の可変範囲を広げると、電力増幅部2の出力の偏差が許容範囲を超えるという問題があった。特に半導体のエッチングなどを行うプラズマ処理装置に高周波電力を供給する場合には、供給する高周波電力の電力値を設定値に保つ制御を精密に行うことが必要である。プラズマ処理装置において、高周波電力を制御する際に許容される偏差は小さいため、高周波電力の周波数を変化させた場合にその電力値が変動する事態は避けなければならないが、従来の技術では、このような要求に応えることができる、周波数が可変の高周波電源装置を得ることができなかった。
本発明の目的は、負荷に供給する高周波電力の周波数を変化させても、該高周波電力の電力値を設定値に保つ制御を精密に行うことができる高周波電源装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載された発明に係わる高周波電源装置は、以下の要素を備えることにより構成される。
(a)周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部。
(b)第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部に周波数指令を与える周波数制御部。
(c)第1の高周波信号を増幅する電力増幅部。
(d)電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号を検出する高周波検出部。
(e)高周波検出部により得られた進行波検出信号と第2の高周波信号とを乗算して、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る乗算部。
(f)乗算部の出力から第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する差周波数信号を抽出するフィルタ。
(g)フィルタにより抽出された差周波数信号のレベルを検出する差周波数信号レベル検出部。
(h)差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように第1の高周波発生部に前記振幅指令を与えるレベル制御部。
上記のように、周波数指令により指令された通りの出力周波数と振幅レベル指令により指令された通りの出力振幅レベルとを有する第1及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部を設けて、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部に周波数指令を与えるようにすると、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させるために第1の高周波信号の周波数(第1の高周波発生部の出力周波数)をどのように変化させても、その変化に応じて、両高周波信号の周波数の差が一定に保たれるように、第2の高周波信号の周波数(第2の高周波発生部の出力周波数)が変化する。
また、高周波検出部で得られる進行波検出信号の周波数成分は、第1の高周波信号の周波数を主成分とするが、それ以外にスプリアスの周波数成分が含まれる。そして、スプリアスの周波数も、第1の高周波信号の周波数の変化に応じて変化する。
したがって、高周波検出部で得られる進行波検出信号と第2の高周波信号とを乗算部で乗算すると、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分、スプリアスの周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分等が含まれた信号が得られるが、それぞれの差の周波数成分は一定の周波数を有する。なお、スプリアスは単一の周波数ではないので、スプリアスの周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分は複数存在する。
上記のような関係があるため、フィルタにおける抽出対象を第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分とし、スプリアスの周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分等を除去するような特性のフィルタにすれば、第1の高周波信号の周波数を変化させても、抽出対象の周波数が一定であるため、抽出対象はフィルタの周波数特性に影響されない。
従って、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に電力増幅部の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防いで、負荷に供給する高周波電力の電力値の制御の精密性をなんら損なうことなく、高周波電力の周波数を任意に変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
請求項2に記載された発明に係わる高周波電源装置は下記の要素を備えることにより構成される。
(a)周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部。
(b)第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部に周波数指令を与える周波数制御部。
(c)第1の高周波信号を増幅する電力増幅部。
(d)電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号を検出する高周波検出部。
(e)高周波検出部により得られた進行波検出信号と第2の高周波信号とを乗算して、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る乗算部。
(f)乗算部の出力から第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する差周波数信号を抽出するフィルタ。
(g)フィルタにより抽出された差周波数信号のレベルを検出する差周波数信号レベル検出部。
(h)差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを第1の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように第1の高周波発生部に振幅指令を与える第1のレベル制御部。
(i)第2の高周波発生部の出力レベルを検出する出力レベル検出部。
(j)出力レベル検出部により検出されたレベルを第2の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて第2の高周波発生部の出力レベルを設定された一定値に保つように第2の高周波発生部に振幅指令を与える第2のレベル制御部。
上記の構成において、第1のレベル制御部は、請求項1に記載された発明におけるレベル制御部と同じものであり、第1の設定レベルは、請求項1の発明における設定レベルと同じである。本発明においては、差周波数信号レベル検出部と、第1のレベル制御部とを設けて、差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルと第1の設定レベルとの比較演算の結果に基づいて第1の高周波発生部に振幅指令を与えることにより、電力増幅部から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つ制御を行わせるだけでなく、第2の高周波発生部の出力レベルを検出する出力レベル検出部と、この出力レベル検出部により検出されたレベルを第2の設定レベルと比較演算した結果に基づいて第2の高周波発生部の出力レベルを設定された一定値に保つように第2の高周波発生部に振幅指令を与える第2のレベル制御部とを設けて、第2の高周波発生部の出力レベルを設定された一定値に保つ制御を行わせる。
本発明に係わる高周波電源装置においては、高周波検出部から得られる検出信号を第2の高周波発生部の出力信号と共に乗算部に入力して、検出信号を両入力信号の周波数の差の周波数成分を含む信号を得るが、この乗算を行う際に第2の高周波発生部の出力レベルが変動すると、乗算部からフィルタに入力される信号のレベルが変化するため、電力増幅部の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化してしまい、周波数の変化に伴ってフィルタの出力レベルが変化した場合と同様の問題が生じる。
これに対し、上記のような制御を行わせると、第2の高周波発生部の出力レベルを常に一定のレベル(第2の設定レベル)に保つことができるため、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により、乗算部の出力が変動して、電力増幅部の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができる。従って、本発明によれば、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に、フィルタの周波数特性に起因して電力増幅部の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐとともに、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により乗算部の出力が変動して電力増幅部の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防いで、高周波電力の電力値を設定値に保つ制御の精密性を何等損なうことなく、高周波電力の周波数を変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
請求項3に記載された発明に係わる高周波電源装置は、下記の要素を備えることにより構成される。
(a)周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部。
(b)第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部に周波数指令を与える周波数制御部。
(c)第1の高周波信号を増幅する電力増幅部。
(d)′電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号と負荷側から電力増幅部に向かう反射波電力の情報を含む反射波検出信号とを検出する高周波検出部。
(e)′高周波検出部により得られた進行波検出信号と第2の高周波信号とを乗算して、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第1の乗算部。
(f)′第1の乗算部の出力から第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタ。
(g)′第1のフィルタにより抽出された第1の差周波数信号のレベルを検出する第1の差周波数信号レベル検出部。
(i)高周波検出部により得られた反射波検出信号と第2の高周波信号とを乗算して、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第2の乗算部。
(j)第2の乗算部の出力から第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号を抽出する第2のフィルタ。
(k)第2のフィルタにより抽出された第2の差周波数信号のレベルを検出する第2の差周波数レベル検出部。
(l)第1の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルから第2の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを減算したレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように第1の高周波発生部に振幅指令を与えるレベル制御部。
上記のように構成すると、第1のフィルタ及び第2のフィルタの抽出対象は、共に第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分となるが、これらの周波数成分は一定の周波数を有する。そのため、第1の高周波信号の周波数を変化させても、抽出対象の周波数が一定であるため、抽出対象はフィルタの周波数特性に影響されない。そのため、高周波電力の周波数の如何に関わりなく、進行波電力の電力値と第1の差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が狂うのを防ぐことができるため、進行波電力と反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御を精密に行わせることができる。従って本発明によれば、電力増幅部から負荷に与えられる進行波電力と負荷から電力増幅部側に戻ってきた反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御の精密性を何等損なうことなく、高周波電力の周波数を変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
請求項4に記載された発明に係わる高周波電源装置は、下記の要素を備えることにより構成される。
(a)周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部。
(b)第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように前記第1及び第2の高周波発生部に前記周波数指令を与える周波数制御部。
(c)第1の高周波信号を増幅する電力増幅部。
(d)′電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号と負荷側から電力増幅部に向かう反射波電力の情報を含む反射波検出信号とを検出する高周波検出部。
(e)′高周波検出部により得られた進行波検出信号と第2の高周波信号とを乗算して、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第1の乗算部。
(f)′第1の乗算部の出力から第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタ。
(g)′第1のフィルタにより抽出された第1の差周波数信号のレベルを検出する第1の差周波数信号レベル検出部。
(i)高周波検出部により得られた反射波検出信号と第2の高周波信号とを乗算して、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第2の乗算部。
(j)第2の乗算部の出力から第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号を抽出する第2のフィルタ。
(k)第2のフィルタにより抽出された第2の差周波数信号のレベルを検出する第2の差周波数レベル検出部。
(l)′第1の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルから第2の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを減算したレベルを第1の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように第1の高周波発生部に振幅指令を与える第1のレベル制御部。
(m)第2の高周波発生部の出力レベルを検出する出力レベル検出部。
(n)出力レベル検出部により検出されたレベルを第2の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて第2の高周波発生部の出力レベルを設定された一定値に保つように第2の高周波発生部に振幅指令を与える第2のレベル制御部。
上記のように構成すると、第1のフィルタ及び第2のフィルタの抽出対象は、共に第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分となるが、これらの周波数成分は一定の周波数を有する。そのため、第1の高周波信号の周波数を変化させても、抽出対象の周波数が一定であるため、抽出対象はフィルタの周波数特性に影響されない。そのため、高周波電力の周波数の如何に関わりなく、進行波電力の電力値と第1の差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が狂うのを防ぐとともに、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により、第1及び第2の乗算部の出力が変動して、進行波電力の電力値と第1の差周波数レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができるため、進行波電力と反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御を精密に行わせることができる。従って本発明によれば、電力増幅部から負荷に与えられる進行波電力と負荷から電力増幅部側に戻ってくる反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御の精密性を何等損なうことなく、高周波電力の周波数を変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
請求項5に記載された発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載された発明において、各フィルタが、アナログフィルタまたはデジタルフィルタにより構成されることを特徴とする。
請求項6に記載された発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載された発明において、各フィルタが、アナログフィルタと、該アナログフィルタの出力をデジタル処理して差周波数信号を抽出するデジタルフィルタとの組み合わせからなっていることを特徴とする。
上記のように、本発明に係わる高周波電源装置を構成するに際し、乗算部と差周波数信号レベル検出部との間に設けるフィルタとしては、アナログフィルタ及びデジタルフィルタのいずれを用いてもよく、アタログフィルタとデジタルフィルタとを組み合わせたものを用いてもよい。乗算部の出力をアナログフィルタに通して不要な周波数成分を除去したのちにデジタルフィルタによりフィルタリングを行うようにすれば、デジタルフィルタにおける信号処理がし易くなる。
本発明において、各差周波数信号レベル検出部にアナログ信号が入力される場合、各差周波数信号レベル検出部は、アナログ検波器により構成してもよい。また各差周波数信号レベル検出部は、差周波数信号をデジタル処理してその平均値や実効値を求めるように構成してもよい。各差周波数信号レベルの検出をデジタル的に行うようにすると、時定数が大きいアナログ検波器を用いる場合に比べて、時定数が小さいため、レベル検出の応答性を高め、ひいては、制御の応答性を高めることができる。
請求項1ないし6に記載された発明において、周波数制御部は、第1及び第2の高周波発生部に同時に周波数指令を与えるように構成されていることが好ましい。
上記のように、第1及び第2の高周波発生部に同時に周波数指令を与えるように周波数制御部を構成すると、高周波電力の周波数を変更する際に差周波数が変化するのを確実に防ぐことができ、高周波電力の電力値を設定値に保つ制御を乱すおそれを生じさせることなく、その周波数を変更することができる。
請求項1に記載された発明によれば、周波数指令により指令された通りの出力周波数と振幅レベル指令により指令された通りの出力振幅レベルとを有する第1及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部を設けて、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部に周波数指令を与えるようにしたので、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させるために第1の高周波発生部の出力周波数をどのように変化させても、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に電力増幅部の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防いで、負荷に供給する高周波電力の電力値の制御の精密性をなんら損なうことなく、高周波電力の周波数を任意に変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
請求項2に記載された発明によれば、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に、フィルタの周波数特性に起因して電力増幅部の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐとともに、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により乗算部の出力が変動して電力増幅部の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防いで、高周波電力の電力値を設定値に保つ制御の精密性を何等損なうことなく、高周波電力の周波数を変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
請求項3に記載された発明によれば、高周波電力の周波数の如何に関わりなく、進行波電力の電力値と第1の差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が狂うのを防ぐことができるため、進行波電力と反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御を精密に行わせることができる。従って本発明によれば、電力増幅部から負荷に与えられる進行波電力と負荷から電力増幅部側に戻ってきた反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御の精密性を何等損なうことなく、高周波電力の周波数を変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
請求項4に記載された発明によれば、高周波電力の周波数の如何に関わりなく、進行波電力の電力値と第1の差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数信号レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が狂うのを防ぐとともに、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により、第1及び第2の乗算部の出力が変動して、進行波電力の電力値と第1の差周波数レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができるため、進行波電力と反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御を精密に行わせることができる。従って本発明によれば、電力増幅部から負荷に与えられる進行波電力と負荷から電力増幅部側に戻ってくる反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御の精密性を何等損なうことなく、高周波電力の周波数を変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係わる高周波電源装置の第1の実施形態の構成を示したものである。同図において、101は、第1の周波数指令Cf1により指令された出力周波数と第1の振幅レベル指令Ca1により指令された出力振幅レベルとを有する第1の高周波信号S1を発生する第1の高周波発生部、102は第2の周波数指令Cf2により指令された出力周波数と第2の振幅レベル指令Ca2により指令された出力振幅レベルとを有する第2の高周波信号S2を発生する第2の高周波発生部である。本実施形態では、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102が、公知のDDS(Direct Digital Synthesizer)により構成されている。
103は負荷に供給する高周波電力の周波数を設定する周波数設定部、104は第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差Δfを一定に保つように第1及び第2の高周波発生部101及び102に周波数指令Cf1及びCf2をそれぞれ与える周波数制御部である。
本実施形態で用いる周波数制御部104は、周波数設定部103により設定された周波数を第1の周波数f1とし、第1の周波数f1に対して一定の差Δfを有する周波数を第2の周波数f2として、第1の周波数f1を有する第1の高周波信号S1を発生させることを指令する第1の周波数指令Cf1及び第2の周波数f2を有する第2の高周波信号S2を発生することを指令する第2の周波数指令Cf2をそれぞれ第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に同時に与えることにより、第1の高周波信号の周波数f1と第2の高周波信号の周波数f2との差を常に一定値Δf(=|f1−f2|)に保つように、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102を制御する。第2の高周波信号S2の周波数f2は第1の高周波信号S1の周波数f1よりも低くても、高くてもよい。なお、第1の高周波信号S1の周波数f1(第1の高周波発生部101の出力周波数)は、第1の高周波電源装置11の基本周波数と一致する。
また105は公知の電力増幅回路からなる電力増幅部で、第1の高周波信号S1を増幅して負荷に与える高周波電力を出力する。電力増幅部105の出力は図示しないインピーダンス整合装置を通してプラズマ処理装置等の負荷に供給される。なお、インピーダンス整合装置が用いられない場合もある。
106は、電力増幅部105の出力端と図示しないインピーダンス整合装置との間に挿入された高周波検出部である。この高周波検出部は、例えば方向性結合器からなっていて、電力増幅部105から負荷に向かう進行波電力の一部を分波して、該進行波電力の情報を含む進行波検出信号Spを出力する。
なお、高周波検出部106で得られる進行波検出信号の周波数成分は、第1の高周波信号S1の周波数f1を主成分とするが、それ以外にスプリアスの周波数成分が含まれる。そして、スプリアスの周波数も、第1の高周波信号S1の周波数f1の変化に応じて変化する。
また107は、高周波検出部により得られた進行波検出信号Spと第2の高周波発生部102が出力する第2の高周波信号S2とが入力された乗算部で、この乗算部は、進行波検出信号Spと第2の高周波信号S2とを乗算することにより、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfp′を出力する。
周知のように、乗算部で2つの信号を乗算すると、2つの信号の周波数の差の周波数成分だけでなく、2つの信号の周波数の和の周波数成分を含む信号が得られる。例えば図5に示したシステムにおいて、第1の高周波電源装置11の基本周波数(第1の高周波信号S1の周波数f1)を50MHz、第2の高周波電源装置12の基本周波数を2MHzとした場合について見ると、高周波電源装置11の出力端子には、出力伝送系を通して、基本周波数50MHzの近傍にスプリアス成分として46,48,52,54MHzなどの成分が流入してくる。この場合、第2の高周波発生部102の出力周波数(第2の高周波信号S2の周波数f2)を49.5MHzに設定して、希望の差周波数を0.5MHzとした場合、基本周波数50MHzに対する差周波数は0.5MHz、和周波数は99.5MHzとなる。同様に上記のスプリアス成分に対する差周波数は3.5,1.5,2.5,4.5MHzになり、和周波数は95.5,97.5,101.5, 103.5MHzとなる。
上記のように、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差を常に一定値Δfに保つように制御されているため、仮に第1の高周波電源装置11の基本周波数(第1の高周波信号S1の周波数f1)が50MHzから50.5MHzに変化した場合であっても、基本周波数50MHzに対する差周波数は0.5MHzで一定となる。また、スプリアスの周波数も、基本周波数(第1の高周波信号S1の周波数f1)の変化に応じて変化するので、スプリアス成分に対する差周波数も上記に示した関係と変わらない。
したがって、基本周波数に対する差周波数0.5MHzの成分を通し、スプリアス成分の差周波数以上の周波数成分を除去するフィルタ109(例えば、カットオフ周波数が1MHzの特性を有するもの)を用いれば、基本周波数に対する差周波数0.5MHzの成分を精度良く抽出できる。
すなわち、フィルタ109における抽出対象を第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分とし、スプリアスの周波数と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分等を除去するような特性のフィルタにすれば、第1の高周波信号S1の周波数f1を変化させても、抽出対象の周波数が一定であるため、抽出対象はフィルタの周波数特性に影響されない。そのため、フィルタ109により抽出された信号を用いれば、高周波検出部106から出力された信号から基本周波数の成分を精度良く抽出できる。
なお、第1の高周波電源装置11の基本周波数が50MHzから50.5MHzに変化した場合、基本周波数50MHzに対する和周波数は100.5MHzとなり、上記に示した関係と異なる。また、スプリアス成分に対する和周波数も上記に示した関係と異なってしまう。しかし、これらの周波数成分は、フィルタ109によって除去される対象であるので、影響を及ぼさない。
フィルタ109は、乗算部107の出力から希望する差周波数信号Sfpを抽出するフィルタである。このフィルタは、アナログフィルタ(パンドパスフィルタまたはローパスフィルタ)からなっていてもよく、デジタルフィルタからなっていてもよい。
フィルタ109により抽出された差周波数信号Sfpは、差周波数レベル検出部110に与えられる。差周波数レベル検出部110は、差周波数信号Sfpをアナログ処理またはデジタル処理することにより、該差周波数信号Sfpのレベルを検出する部分である。本実施形態では、差周波数レベル検出部110が検波回路からなっていて、差周波数信号Spfを検波することにより、差周波数信号Sfpのレベルを示すレベル検出信号Spaを出力する。
差周波数信号レベル検出部110から得られるレベル検出信号Spaは、第1のレベル設定部111から出力される第1のレベル設定信号Spasとともに第1のレベル制御部112に入力される。第1のレベル制御部112は、差周波数信号レベル検出部110により検出されたレベルを第1のレベル設定部111により設定された第1の設定レベルと比較演算して、その演算結果に基づいて電力増幅部105から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように第1の高周波発生部101に振幅指令Ca1を与える部分である。
なお第1のレベル設定信号Spasにより設定される第1の設定レベルは、電力増幅部105から出力される進行波電力の電力値を設定値に等しくするために必要な第1の高周波発生部101の出力レベルを与えるものである。
第1のレベル制御部112はアナログ回路からなっていてもよく、デジタル回路からなっていてもよい。本実施形態では、第1の高周波発生部101がDDSからなっていて、周波数制御部104から第1の高周波発生部101にデジタル信号からなる振幅指令を与える必要があるため、第1のレベル制御部112がアナログ回路により構成されている場合は、第1のレベル制御部112の出力側にADコンバータ等を設けて、第1のレベル制御部112の出力信号をデジタル信号に変換する必要がある。
第1のレベル制御部112をデジタル回路により構成する場合には、差周波数信号レベル検出部110から得られるレベル検出信号SpaがA/D変換器を通して第1のレベル制御部112に与えられる。このとき第1のレベル制御部112は、差周波数信号Sfpのレベルを第1の設定レベルに等しくするために必要な第1の高周波信号S1のレベルを演算して、演算したレベルの第1の高周波信号S1を第1の高周波発生部101から発生させるように、第1の高周波発生部101に振幅指令Ca1を与える。
本実施形態ではまた、第2の高周波発生部102の出力レベルを検出する出力レベル検出部113が設けられて、その出力信号S2aが、第2のレベル設定部114から出力される第2のレベル設定信号S2asと共に第2のレベル制御部115に入力されている。第2のレベル制御部115は、出力レベル検出部113により検出された第2の高周波発生部102の出力レベルを第2のレベル設定部114により設定された第2の設定レベルと比較演算して、その演算結果に基づいて第2の高周波発生部102が出力する第2の高周波信号S2のレベルを第2の設定レベルに保つように第2の高周波発生部102に振幅指令Ca2を与える。本実施形態では、第2のレベル制御部115がデジタル回路からなっていて、出力レベル検出部113から得られるレベル検出信号S2aがA/D変換器を通して第2のレベル制御部115に与えられる。第2のレベル制御部115は、レベル検出信号S2aのレベルを第1の設定レベルに等しくするために必要な第2の高周波信号S2のレベルを演算して、演算したレベルの第2の高周波信号S2を第2の高周波発生部102から発生させるように、第2の高周波発生部102に振幅指令Ca2を与える。
本実施形態の高周波電源装置においては、周波数制御部104が、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部に同時に周波数指令Cf1及びCf2を与えるため、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差Δfは常に一定である。電力増幅部105は、第1の高周波発生部101から得られる第1の高周波信号S1を増幅して負荷に供給する高周波電力を出力する。電力増幅部105から負荷に与えられる進行波電力は、高周波検出部106により検出される。高周波検出部106から得られる進行波検出信号Spは、第2の高周波信号S2と共に乗算部107に入力される。乗算部107は、進行波検出信号と第2の高周波信号S2とを乗算して、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差Δf(=f1−f2)の周波数成分を含む信号Sfp′を出力する。フィルタ109は、信号Sfp′からスプリアス成分を除去して第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する差周波数信号Sfpを抽出して、この差周波数信号Sfpを差周波数信号レベル検出部110に与える。差周波数信号レベル検出部110は、差周波数信号Sfpを検波してそのレベルを検出し、検出したレベルを第1のレベル制御部112に与える。第1のレベル制御部112は、差周波数信号レベル検出部110により検出されたレベルを第1のレベル設定部111により設定された第1の設定レベルと比較演算して、その演算結果に基づいて電力増幅部105から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように第1の高周波発生部101に振幅指令Ca1を与えるため、電力増幅部105から負荷に与えられる高周波電力が設定値に保たれる。
上記のように、本発明においては、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数との差を一定に保つように第1及び第2の高周波発生部101及び102に周波数指令を与えることにより、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つようにしたので、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させるために第1の高周波発生部101の出力周波数を変化させても、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に電力増幅部105の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができ、負荷に供給する高周波電力の電力値の制御の精密性をなんら損なうことなく、高周波電力の周波数を任意に変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
また本実施形態の高周波電源装置においては、第2のレベル制御部115が、出力レベル検出部113により検出された第2の高周波発生部102の出力レベルを第2の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて第2の高周波発生部102の出力レベル(第2の高周波信号S2の信号レベル)を設定された一定値に保つように第2の高周波発生部102に振幅指令を与えるため、第2の高周波発生部の出力レベルを常に一定のレベル(第2の設定レベル)に保つことができる。そのため、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により、乗算部108の出力レベルが変動して、電力増幅部105の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができる。
従って、本実施形態によれば、負荷に与える高周波電力の周波数を変化させた際に、フィルタの周波数特性に起因して電力増幅部105の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐとともに、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により乗算部の出力が変動して電力増幅部105の出力の電力値と差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防いで、高周波電力の電力値を設定値に保つ制御をより精密性を高めることができる。
上記実施形態のように、第2の高周波電源発生部102の出力レベルを一定に制御することが望ましいが、第2の高周波電源発生部102の出力に予測される変動が僅かである場合には、第2の高周波電源発生部102の出力レベルを制御する制御系を省略することができる。従って、本発明に係わる高周波電源装置の基本的な構成では、図1に示した実施形態の出力レベル検出部113、第2のレベル制御部115及び第2のレベル設定部114を省略することができる。
上記の説明では、第1のレベル制御部112をデジタル回路により構成するとしたが、第1のレベル制御回路112をアナログ回路により構成することもできる。この場合には、第1のレベル制御部112に例えば比較回路が設けられて、該比較回路により、差周波数信号レベル検出部110から出力されるレベル検出信号Spaのレベルと、第1のレベル設定部111から出力される第1のレベル設定信号Spasのレベルとが比較される。第1のレベル制御部112は、この比較の結果、レベル検出信号Spaのレベルが第1のレベル設定信号Spasのレベルよりも高いときに、第1の高周波発生部101の出力レベルを低減させるように第1の高周波発生部101に振幅指令を与え、レベル検出信号Spaのレベルが第1のレベル設定信号Spasのレベルよりも低いときに、第1の高周波発生部101の出力レベルを増大させるように第1の高周波発生部101に振幅指令を与えることにより、第1の高周波発生部101の出力レベルを第1の設定レベルに等しくするように制御して、電力増幅部106から出力される進行波電力の電力値を設定値に収束させる。
上記の説明では、差周波数信号レベル検出部110を検波回路により構成するとしたが、差周波数信号をデジタル処理することにより、そのレベルを検出するように、差周波数信号レベル検出部110を構成することもできる。例えば、差周波数信号Spaを一定のサンプリング周期でサンプリングして、サンプル値を平均したり、サンプル値を用いて実効値を演算したりすることにより、差周波数信号のレベルを検出するようにすることができる。このような差周波数レベル検出部110は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)のような、内部の論理回路を適宜に定義、変更し得るゲートアレイを用いることにより容易に構成することができる。
図1に示した実施形態において、周波数制御部104、差周波数信号レベル検出部110、第1のレベル制御部112、出力レベル検出部113及び第2のレベル制御部115をデジタル化する場合には、これらの部分をまとめてFPGAにより構成することができる。
図2は本発明の第2の実施形態を示したもので、この実施形態では、高周波検出部106が、電力増幅部105から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号Spと負荷側から電力増幅部105に向かう反射波電力の情報を含む反射波検出信号Srとを出力するように構成されている。
図2に示した実施形態では、図1に示した乗算部107、フィルタ109及び差周波数信号レベル検出部110をそれぞれ第1の乗算部107、第1のフィルタ109及び第1の差周波数信号レベル検出部110として、図1に示された構成に加えて、更に、反射波基準レベル設定部120と、第2の乗算部121と、第2のフィルタ123と、第2の差周波数信号レベル検出部124とが設けられている。
反射波基準レベル設定部120は、高周波検出部106により検出される電力に含まれる反射波電力の基準値を与える反射波基準レベルを設定する部分で、反射波基準レベル設定部120により設定された反射波基準レベルは、周波数制御部104に与えられている。
第2の乗算部121は、高周波検出部106により得られた反射波検出信号Srと第2の高周波発生部102が出力する第2の高周波信号S2とを乗算して、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差の周波数成分を含む信号Sfr′を出力する。
第2のフィルタ123は、第2の乗算部122の出力からスプリアス成分を除去して、第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号Sfrを抽出し、抽出した第2の差周波数信号Sfrを第2の差周波数信号レベル検出部124に与える。第2の差周波数信号レベル検出部124は、第2の差周波数信号Sfrのレベルを検出して、検出したレベルを示す第2のレベル検出信号Sraを周波数制御部104に与える。
本実施形態の周波数制御部104は、第2の差周波数信号レベル検出部124により検出された第2の差周波数信号のレベルを、反射波基準レベル設定部120により設定された反射波基準レベルと比較して、第2の差周波数信号のレベルが反射波基準レベルよりも高いとき(反射波電力の電力値が基準レベルよりも高いとき)に、反射波電力の電力値を低減するように第1の高周波発生部101の出力周波数を変化させる。
反射波電力の電力値を低減させる制御を行う際には、例えば、極狭い周波数範囲の中で第1の高周波信号S1の周波数f1を変化させて、その周波数範囲で第2の差周波数信号レベル検出部124により検出されるレベルが最小になる(電力増幅部の出力側で検出される反射波電力が最小になる)周波数f1を特定する。次いで、特定した周波数f1を中心にして新たに狭い周波数範囲を設定して、その周波数範囲の中で第1の高周波信号S1の周波数f1を変化させて、その周波数範囲で第2の差周波数信号レベル検出部124により検出されるレベルが最小になる周波数f1を特定する。このような処理を繰り返す過程で、第2の差周波数信号レベル検出部124により検出されるレベルが反射波基準レベル設定部120により設定されたレベル以下になったときに、第1の高周波信号S1の周波数の変化を止める。第2の差周波数信号レベル検出部124により検出されるレベルが反射波基準レベル設定部120により設定されたレベルを超えたときに上記の処理を再開させる。
なお、上記の制御を行う場合、第1の高周波信号S1の周波数f1の変化を再開するときの反射波基準レベルは、第1の高周波信号S1の周波数f1の変化を止めるときの反射波基準レベルよりも大きく設定しておくことが望ましい。その理由は、周波数f1の変化を止めるときの反射波基準レベルと周波数f1の変化を再開するときの反射波基準レベルとを同一にしておくと、検出された第2の差周波数信号のレベルが反射波基準レベル付近で推移したときに、制御が頻繁に切り替わるハンチング状態となるからである。
上記のような制御を行うことにより、電力増幅部105の出力側で検出される反射波電力の電力値を許容範囲内に収めるように制御する。周波数制御部104は、反射波電力の最小値を求めるために第1の高周波信号S1の周波数f1を変化させる過程で、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差周波数Δfを一定に保つように、第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に同時に周波数指令を与える。その他の構成は図1に示した実施形態と同様である。
本実施形態に係わる高周波電源では、上記のように、反射波電力の電力値を許容範囲に収めるように高周波電力の周波数を変化させる場合にも、第1の高周波信号S1の周波数f1と第2の高周波信号S2の周波数f2との差Δfを常に一定に保つように第1の高周波発生部101及び第2の高周波発生部102に同時に周波数指令を与えるので、第1のフィルタ109及び第2のフィルタ123の周波数特性により、差周波数信号のレベルが変動するのを防ぐことができ、進行波電力の電力値と第1の差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数信号レベル検出部124により検出されるレベルとの対応関係が狂うのを防いで、進行波電力を設定値に保つ制御及び反射波電力を許容範囲内に収めるための制御を正確に行わせることができる。
図2に示した実施形態において、第2のフィルタ123はアナログフィルタでもよく、デジタルフィルタでもよい。第2のフィルタ123はまた、アナログフィルタとデジタルフィルタとを組み合わせたものでも良い。また第2の差周波数信号レベル検出部124は検波回路からなっていてもよく、デジタル回路からなっていてもよい。
図3は本発明に係わる高周波電源装置の第3の実施形態を示したものである。この実施形態では、第2の差周波数信号レベル検出部124から得られるレベル検出信号Sraが、第2の差周波数信号レベル検出部110から出力されるレベル検出信号Spaと共に第1のレベル制御部112に与えられている。本実施形態の第1のレベル制御部112は、第1の差周波数信号レベル検出部110により検出されたレベルから第2の差周波数信号レベル検出部124により検出されたレベルを減算して求めたレベルを第1の設定レベル設定部111により設定された第1の設定レベルと比較演算して、その演算結果に基づいて電力増幅部105から負荷に与えられる電力(進行波電力から反射波電力を差し引いた電力)を設定値に保つように、第1の高周波発生部に振幅指令を与える。その他の構成は、図2に示した第2の実施形態と同様である。
本実施形態のように構成すると、高周波電力の周波数の如何に関わりなく、進行波電力の電力値と第1の差周波数信号レベル検出部110により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数信号レベル検出部124により検出されるレベルとの対応関係が狂うのを防ぐとともに、第2の高周波発生部の出力レベルの変動により、第1及び第2の乗算部108及び122の出力が変動して、進行波電力の電力値と第1の差周波数レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係及び反射波電力の電力値と第2の差周波数レベル検出部により検出されるレベルとの対応関係が変化するのを防ぐことができるため、進行波電力と反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御を精密に行わせることができる。従って本実施形態によれば、電力増幅部から負荷に与えられる進行波電力と負荷から電力増幅部側に戻ってくる反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御の精密性を何等損なうことなく、高周波電力の周波数を変化させることができる高周波電源装置を得ることができる。
図3に示した実施形態では、図2に示した実施形態と同様に、反射波電力を許容範囲に収めるように高周波電力の周波数を変化させるようにしているが、図1に示した実施形態と同様に、プラズマ負荷側の要求に応えるために高周波電力の周波数を変化させる場合にも、電力増幅部から負荷に与えられる進行波電力と負荷から電力増幅部側に戻ってくる反射波電力との差の電力値を設定値に保つ制御を行わせるように構成できることはもちろんである。その場合には、図3において、第2の差周波数信号レベル検出部124と周波数制御部104との間を切り離し、反射波基準レベル設定部120を図1に示した周波数設定部103で置き換える。
本発明の第1の実施形態の構成を示したブロック図である。 本発明の第2の実施形態の構成を示したブロック図である。 本発明の第3の実施形態の構成を示したブロック図である。 従来の高周波電源装置の構成を示したブロック図である。 プラズマ処理装置等の負荷に出力周波数が異なる2つの高周波電源装置から電力を供給するシステムの構成を示したブロック図である。 図5に示したシステムにおいて、電力増幅部の出力側で検出される進行波電力の周波数分布の一例を示した周波数スペクトラムである。 図5に示したシステムにおいて、電力増幅部の出力側で検出される反射波電力の周波数分布の一例を示した周波数スペクトラムである。
符号の説明
101 第1の高周波発生部
102 第2の高周波発生部
103 周波数設定部
104 周波数制御部
105 電力増幅部
106 高周波検出部
107 乗算部(第1の乗算部)
109 フィルタ(第1のフィルタ)
110 差周波数信号レベル検出部(第1の差周波数信号レベル検出部)
111 第2のレベル設定部
112 第1のレベル制御部
113 出力レベル検出部
114 第2のレベル設定部
115 第2のレベル制御部
120 反射波基準レベル設定部
121 第2の乗算部
123 第2のフィルタ
124 第2の差周波数信号レベル検出部

Claims (6)

  1. 周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部と、
    前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように前記第1及び第2の高周波発生部に前記周波数指令を与える周波数制御部と、
    前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
    前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号を検出する高周波検出部と、
    前記高周波検出部により得られた進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る乗算部と、
    前記乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する差周波数信号を抽出するフィルタと、
    前記フィルタにより抽出された差周波数信号のレベルを検出する差周波数信号レベル検出部と、
    前記差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅指令を与えるレベル制御部と、
    を備えた高周波電源装置。
  2. 周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部と、
    前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように前記第1及び第2の高周波発生部に前記周波数指令を与える周波数制御部と、
    前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
    前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号を検出する高周波検出部と、
    前記高周波検出部により得られた進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る乗算部と、
    前記乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する差周波数信号を抽出するフィルタと、
    前記フィルタにより抽出された差周波数信号のレベルを検出する差周波数信号レベル検出部と、
    前記差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを第1の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅指令を与える第1のレベル制御部と、
    前記第2の高周波発生部の出力レベルを検出する出力レベル検出部と、
    前記出力レベル検出部により検出されたレベルを第2の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記第2の高周波発生部の出力レベルを設定された一定値に保つように前記第2の高周波発生部に振幅指令を与える第2のレベル制御部と、
    を備えた高周波電源装置。
  3. 周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部と、
    前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように前記第1及び第2の高周波発生部に前記周波数指令を与える周波数制御部と、
    前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
    前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号と前記負荷側から前記電力増幅部に向かう反射波電力の情報を含む反射波検出信号とを検出する高周波検出部と、
    前記高周波検出部により得られた進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第1の乗算部と、
    前記第1の乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタと、
    前記第1のフィルタにより抽出された第1の差周波数信号のレベルを検出する第1の差周波数信号レベル検出部と、
    前記高周波検出部により得られた反射波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第2の乗算部と、
    前記第2の乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号を抽出する第2のフィルタと、
    前記第2のフィルタにより抽出された第2の差周波数信号のレベルを検出する第2の差周波数レベル検出部と、
    前記第1の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルから前記第2の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを減算したレベルを設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅指令を与えるレベル制御部と、
    を備えた高周波電源装置。
  4. 周波数指令により指令された出力周波数と振幅レベル指令により指令された出力振幅レベルとを有する高周波信号を発生するように構成されて周波数が異なる第1の高周波信号及び第2の高周波信号をそれぞれ発生する第1及び第2の高周波発生部と、
    前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差を一定に保つように前記第1及び第2の高周波発生部に前記周波数指令を与える周波数制御部と、
    前記第1の高周波信号を増幅する電力増幅部と、
    前記電力増幅部から負荷に向かう進行波電力の情報を含む進行波検出信号と前記負荷側から前記電力増幅部に向かう反射波電力の情報を含む反射波検出信号とを検出する高周波検出部と、
    前記高周波検出部により得られた進行波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第1の乗算部と、
    前記第1の乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第1の差周波数信号を抽出する第1のフィルタと、
    前記第1のフィルタにより抽出された第1の差周波数信号のレベルを検出する第1の差周波数信号レベル検出部と、
    前記高周波検出部により得られた反射波検出信号と前記第2の高周波信号とを乗算して、前記第1の高周波信号の周波数と前記第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を含む信号を得る第2の乗算部と、
    前記第2の乗算部の出力から前記第1の高周波信号の周波数と第2の高周波信号の周波数との差の周波数成分を有する第2の差周波数信号を抽出する第2のフィルタと、
    前記第2のフィルタにより抽出された第2の差周波数信号のレベルを検出する第2の差周波数レベル検出部と、
    前記第1の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルから前記第2の差周波数信号レベル検出部により検出されたレベルを減算したレベルを第1の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記電力増幅部から負荷に与えられる電力を設定値に保つように前記第1の高周波発生部に前記振幅指令を与える第1のレベル制御部と、
    前記第2の高周波発生部の出力レベルを検出する出力レベル検出部と、
    前記出力レベル検出部により検出されたレベルを第2の設定レベルと比較演算してその演算結果に基づいて前記第2の高周波発生部の出力レベルを設定された一定値に保つように前記第2の高周波発生部に振幅指令を与える第2のレベル制御部と、
    を備えた高周波電源装置。
  5. 各フィルタは、アナログフィルタまたはデジタルフィルタからなっている請求項1ないし4のいずれか一つに記載の高周波電源装置。
  6. 各フィルタは、アナログフィルタと、該アナログフィルタの出力をデジタル処理して前記差周波数信号を抽出するデジタルフィルタとの組み合わせからなっている請求項1ないし4のいずれか一つに記載の高周波電源装置。
JP2008281335A 2008-10-31 2008-10-31 高周波電源装置 Active JP5398058B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008281335A JP5398058B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 高周波電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008281335A JP5398058B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 高周波電源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010108839A JP2010108839A (ja) 2010-05-13
JP5398058B2 true JP5398058B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=42298070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008281335A Active JP5398058B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 高周波電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5398058B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020068107A1 (en) * 2018-09-28 2020-04-02 Lam Research Corporation Systems and methods for optimizing power delivery to an electrode of a plasma chamber

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3377773B2 (ja) * 2000-03-24 2003-02-17 三菱重工業株式会社 放電電極への給電方法、高周波プラズマ発生方法および半導体製造方法
JP2002134436A (ja) * 2000-10-16 2002-05-10 Applied Materials Inc プラズマ処理装置及び方法並びに基板生産物
JP2003204237A (ja) * 2001-11-05 2003-07-18 Daihen Corp インピーダンス整合装置
JP4131793B2 (ja) * 2001-12-10 2008-08-13 東京エレクトロン株式会社 高周波電源及びその制御方法、並びにプラズマ処理装置
US7510665B2 (en) * 2003-08-15 2009-03-31 Applied Materials, Inc. Plasma generation and control using dual frequency RF signals
JP4799947B2 (ja) * 2005-02-25 2011-10-26 株式会社ダイヘン 高周波電源装置および高周波電源の制御方法
JP4467463B2 (ja) * 2005-05-13 2010-05-26 新電元工業株式会社 高周波発生装置
JP4879548B2 (ja) * 2005-09-30 2012-02-22 株式会社ダイヘン 高周波電源装置
JP5426811B2 (ja) * 2006-11-22 2014-02-26 パール工業株式会社 高周波電源装置
EP1956718A1 (en) * 2007-02-09 2008-08-13 Research In Motion Limited Apparatus, and associated method, for filtering a receive signal by adaptive operation of an input noise whitening filter
JP2008243670A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Daihen Corp 高周波電源装置
JP5083946B2 (ja) * 2007-04-25 2012-11-28 株式会社ダイヘン 高周波電源装置
JP5090986B2 (ja) * 2008-03-26 2012-12-05 株式会社ダイヘン 高周波電源装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010108839A (ja) 2010-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5371052B2 (ja) 高周波電源装置
KR101293877B1 (ko) 고주파 전원 장치
JP5748204B2 (ja) 高周波電源装置
JP5812574B2 (ja) 高周波電源装置
EP3118960B1 (en) Synchronisation system for an electrical generator unit, and associated method
JP5231068B2 (ja) 高周波電源装置
US10896810B2 (en) RF generating apparatus and plasma treatment apparatus
JP4656836B2 (ja) 同期クロック生成装置及び同期クロック生成方法
JP5398058B2 (ja) 高周波電源装置
US11600467B2 (en) Power supply devices for plasma systems and method of use
JP5090986B2 (ja) 高周波電源装置
JP5354583B2 (ja) 高周波電源装置及び高周波電源装置の高周波電力検出装置
JP2009290678A (ja) 高周波電源装置
JP2010118222A (ja) 高周波電源装置
JP5038095B2 (ja) 高周波電源装置およびその制御方法
JP2008243670A (ja) 高周波電源装置
JP6400275B2 (ja) 高周波電源装置
JP2010118221A (ja) 高周波電源装置
KR20240105285A (ko) 고주파 전력 공급 시스템
KR20240105290A (ko) 고주파 전력 공급 시스템
KR20240105289A (ko) 고주파 전력 공급 시스템
KR20240105291A (ko) 고주파 전력 공급 시스템
KR20240105287A (ko) 고주파 전력 공급 시스템의 제어 방법
JP5029071B2 (ja) 波形整形回路及びその方法
JP2024095373A (ja) 高周波電力供給システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131001

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20131021

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131021

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5398058

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250