JP5090986B2 - 高周波電源装置 - Google Patents
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Description
図3において、第1の高周波電源装置1’は、伝送線路2及び第1の整合器3及び負荷接続部4を介して、負荷5に第1の高周波電力(以下、第1高周波電力という)を供給するための電源装置である。この第1の高周波電源装置1’の出力周波数を第1周波数f1とし、第1周波数の周期をt1とする。また、第2の高周波電源装置6は、伝送線路7及び整合器8及び負荷接続部9を介して、負荷5に第2の高周波電力(以下、第2高周波電力という)を供給するための電源装置である。この第2の高周波電源装置6の出力周波数を第2周波数f2とし、第2周波数の周期をt2とする。なお、第1周波数は、第2周波数よりも周波数が高い。例えば、第1周波数は、13MHz,40MHz等の周波数が用いられる。また、第2周波数は、2MHz等の周波数が用いられる。一般にこの種の高周波電源装置では、数百kHz以上の周波数(所謂、無線周波数帯域の周波数)の高周波電力を出力している。なお、第1の高周波電源装置1’から見た場合、第1周波数のことを基本周波数といい、第2の高周波電源装置6から見た場合、第2周波数のことを基本周波数という。
図4は、従来の高周波電源装置1’の構成例を示すブロック図である。
高周波増幅部16は、図示しない発振器、増幅素子等を有し、直流電力出力部10を電力供給源として電力増幅を行い、無線周波数帯域の出力周波数を有する高周波電力を出力するものである。また、高周波増幅部16は、後述する高周波出力制御部15によって出力が制御される。高周波増幅部16において増幅された高周波電力は、主に高調波を除去するためのローパスフィルタ17、方向性結合器18を介して負荷5に供給される。この高周波増幅部16は、各種の方式があるが、周知技術であるので説明は省略する。なお、高周波増幅部16の増幅素子としては、例えば、FETやトランジスタ等が用いられる。
この場合、損失Plossは式(1)または式(2)のようにして求めることができる(通常は(1)式を使用することが多い)。そして、この損失Plossが基準値を超えた場合に、損失Plossが基準値以下になるように直流出力電圧Vdcを調整する。なお、進行波電力信号Pfは、後述する進行波電力側の変換部21の出力、反射波電力信号Prは反射波電力側の変換部22の出力である。
また、このように、損失Plossを低減させるために直流出力電圧Vdcを調整する高周波電源装置としては、特許文献1に記載のようなものがある。
Ploss=Pdc−(Pf−Pr) ・・・・・(1)
Ploss=Pdc−Pf ・・・・・(2)
また、高周波出力制御部15は、後述するように、検出した反射波のレベルに応じて高周波増幅部16の出力電力を抑制する制御(反射保護制御)を行う。なお、出力電力設定値Psetは、外部の装置から入力してもよい。このような高周波電源装置としては、特許文献2に記載のようなものがある。
例えば、第1周波数が40MHzであり、第2周波数が2MHzである場合、40±2MHz、40±4MHz等の周波数の反射波が発生することになる。
上述したように、各種の周波数の反射波が発生するが、反射波が発生すると、伝送線路上で進行波と反射波が合成されて定在波が発生する。このとき、反射波が大きく、定在波のレベルの高い状態で高周波増幅部16に印加されると、高周波増幅部16内の増幅素子(例えば、FET、トランジスタ)の最大定格(電力、電圧、電流のいずれか)を超えて、増幅素子が破損する恐れがある。
例えば、進行波電力信号Pfに反射波電力信号Prを加算した電力値が、予め定められた基準値を超えた場合には、高周波増幅部16内の増幅素子を保護するために、予め定められた基準値を超えた電力値に応じて、高周波増幅部16の出力を低下させる制御が行われる。すなわち、高周波出力制御部15において、高周波増幅部16の出力を抑制する制御が行なわれる。
なお、反射波電力信号Prが基準値を超えた場合に、基準値を超えた電力値に応じて、高周波増幅部16の出力を低下させる制御を行うようにしてもよい。
ところが、上述したように、2つの高周波電源装置を用いる構成の場合は、高い方の周波数の高周波電源装置の方が、低い方の周波数の影響を受けて、基本周波数の周辺に、スプリアス成分の周波数が発生する。
例えば、第1高周波電源装置の出力周波数が、40MHzで、第2の出力周波数が2MHzの場合には、基本周波数である40MHzの周辺に、40−4MHz、40−2MHz、40+2MHz、40+4MHzのような周波数成分が発生する。そのため、高周波電源装置の出力制御の精度に悪影響を及ぼしていた。
例えば、ローパスフィルタは、基本的には、周波数が高くなるほど減衰率が高くなるが、周波数が高くなる過程において減衰率が小さくなる場合があるので、周波数によっては、期待する減衰率が得られないことがある。そのため、高周波増幅部16と方向性結合器18との間にローパスフィルタが設けられていても、高調波による反射波が大きい場合は、高周波増幅部16に影響を及ぼす可能性がある。
また、損失Plossを低減させる制御という面でも、基本周波数成分以外の周波数成分を含めて考える必要がある。すなわち、高周波電源装置の出力制御の精度を向上させるためとはいえ、単に方向性結合器の出力側にバンドパスフィルタを設けるという構成にすることはできない。
直流電力を供給する直流電力出力部と、前記直流電力出力部の出力を用いて高周波信号を増幅して出力する高周波増幅部と、前記高周波増幅部と負荷との間に挿入されて前記高周波増幅部から負荷に与えられる進行波電力の情報を含む進行波側信号及び前記負荷で反射された反射波電力の情報を含む反射波側信号を出力する方向性結合器と、前記進行波側信号を前記進行波電力の電力値を示す信号に変換して出力する進行波電力信号出力部と、前記反射波側信号を前記負荷で反射されて前記高周波増幅部に戻る反射波電力の電力値を示す信号に変換して出力する反射波電力信号出力部と、前記高周波増幅部の出力を制御する高周波出力制御部と、を備えた高周波電源装置であって、
前記進行波電力信号出力部は、
前記方向性結合器に接続され、前記進行波側信号のうち基本周波数成分を通過させる進行波側バンドパスフィルタと、
前記進行波側バンドパスフィルタに接続され、前記進行波側バンドパスフィルタの出力を、電力値を示す信号に変換し、第1進行波電力信号として出力する第1進行波電力信号変換部と、
前記方向性結合器に接続され、前記進行波側信号のうち基本周波数よりも周波数が高い高調波成分を除去する進行波側ローパスフィルタと、
前記進行波側ローパスフィルタに接続され、前記進行波側ローパスフィルタの出力を、電力値を示す信号に変換し、第2進行波電力信号として出力する第2進行波電力信号変換部と、
を備えるように構成され、
前記反射波電力信号出力部は、
前記方向性結合器に接続され、前記反射波側信号のうち基本周波数成分を通過させる反射波側バンドパスフィルタと、
前記反射波側バンドパスフィルタに接続され、前記反射波側バンドパスフィルタの出力を、電力値を示す信号に変換し、第1反射波電力信号として出力する第1反射波電力信号変換部と、
前記方向性結合器に接続され、前記反射波側信号のうち基本周波数よりも周波数が高い高調波成分を除去する反射波側ローパスフィルタと、
前記反射波側ローパスフィルタに接続され、前記反射波側ローパスフィルタの出力を、電力値を示す信号に変換し、第2反射波電力信号として出力する第2反射波電力信号変換部と、
を備えるように構成され、
前記高周波出力制御部は、
前記第1進行波電力信号が示す電力値または前記第1進行波電力信号から第1反射波電力信号を減算することによって求まる電力値が、予め定めた基準値と等しくなるように、前記高周波増幅部の出力を制御するとともに、
第2反射波電力信号が示す電力値または前記第2反射波電力信号に第2進行波電力信号を加算することによって求まる電力値が、予め定めた基準値を超えた場合に、前記高周波増幅部の出力を低下させる制御を行うように構成されていることを特徴としている。
前記直流電力出力部は、
出力電圧レベルが可変可能である直流電力を出力する直流電源部と、
前記直流電源部から出力される直流電力の電力値を測定し、測定した直流電力測定値を出力する直流電力測定部と、
前記直流電力測定値、前記第2進行波電力信号および前記第2反射波電力信号を用いて求められる前記高周波増幅部における損失が、予め定めた基準値を超えた場合に、前記高周波増幅部における損失が予め定めた基準値以下になるように、前記直流電源部から出力する直流電圧レベルを調整する直流電源制御部と、
を備えるように構成されたことを特徴としている。
前記高周波出力制御部は、
前記直流電力測定値、前記第2進行波電力信号、及び前記第2反射波電力信号を用いて求められる前記高周波増幅部における損失が、予め定めた基準値を超えた場合に、前記高周波増幅部における損失が予め定めた基準値以下になるように、前記高周波増幅部の出力を低下させる制御を行う機能を、更に有することを特徴としている。
第1反射波電力信号出力部の出力を表示する表示手段を、さらに備えたことを特徴としている。
図1は、本発明に係る高周波電源装置1の構成例を示すブロック図である。なお、この図1において、図4と同様のものには同符号を付している。
高周波電源装置1は、直流電力出力部10、出力電力設定部14、高周波出力制御部15、高周波増幅部16、ローパスフィルタ17、方向性結合器18、進行波電力信号出力部30、反射波電力信号出力部40および表示部51、52,61、62によって構成されている。なお、表示部51、52,61、62は、それぞれ、後述する第1進行波電力信号変換部31、第2進行波電力信号変換部33、第1反射波電力信号変換部41、第2反射波電力信号変換部43の出力をモニタするために設けられたものである。
また、高周波出力制御部15は、例えば、第2進行波電力信号Pf2に第2反射波電力信号Pr2を加算した電力値が、基準値を超えた場合には、高周波増幅部16内の増幅素子を保護するために、基準値を超えた電力値に応じて、高周波増幅部16の出力を低下させる制御を行う。または、第2反射波電力信号Pr2が基準値を超えた場合に、基準値を超えた電力値に応じて、高周波増幅部16の出力を低下させる制御を行うようにしてもよい。
すなわち、高周波出力制御部15において、高周波増幅部16の出力を抑制する制御を行う。したがって、高周波出力制御部15に入力される信号は、図4に示したものと異なるが、機能としては同様であるので、便宜上、図4と同一符号にしている。
上述したように、進行波側バンドパスフィルタ32が、方向性結合器18と第1進行波電力信号変換部31との間に設けられているので、第1進行波電力信号変換部31は、基本周波数成分に基づいた電力値を求めることができる。
また、反射波側バンドパスフィルタ42が、方向性結合器18と第1反射波電力信号変換部41との間に設けられているので、第1反射波電力信号変換部41は、基本周波数成分に基づいた電力値を求めることができる。
そして、高周波出力制御部15では、これらの出力に基づいて出力電力を制御する。そのため、進行波電力の基本周波数成分、反射波電力の基本周波数成分を用いて出力電力の制御を行うこと可能となり、異なる周波数の高周波電力を用いるプラズマ処理システムにおいても、高周波電源装置1の出力制御の精度を向上させることができる。
また、第2進行波電力信号変換部33は、従来の進行波電力側の変換部21と同様に、方向性結合器18に直接接続される。そのため、従来の進行波電力側の変換部21と同様に、基本周波数成分だけでなく、その他の周波数成分も含んだ信号が出力される。
また、第2反射波電力信号変換部43は、従来の反射波電力側の変換部22と同様に、方向性結合器18に直接接続される。そのため、従来の反射波電力側の変換部22と同様に、基本周波数成分だけでなく、その他の周波数成分も含んだ信号が出力される。
なお、第2反射波電力信号Prが基準値を超えた場合に、高周波増幅部16の出力を低下させる制御が行うようにしてもよい。
また、第2進行波電力信号変換部33の出力(第2進行波電力信号Pf2)、第2反射波電力信号変換部43の出力(第2反射波電力信号Pr2)、および直流電力測定部13から出力される直流出力電力Pdcの測定値が直流電源制御部11に入力される。直流電源制御部11では、これらに基づいて損失Plossを演算する。すなわち、従来と同様に、損失Plossを低減させる制御を行うことができる。
この場合、損失Plossは式(3)または式(4)のようにして求めることができる(通常は(3)式を使用することが多い)。そして、この損失Plossが基準値を超えた場合に、損失Plossが基準値以下になるように直流出力電圧Vdcを調整する。
Ploss=Pdc−(Pf2−Pr2) ・・・・・(3)
Ploss=Pdc−Pf2 ・・・・・(4)
図2は、本発明に係る高周波電源装置1の他の構成例を示すブロック図である。
上述した図1の高周波電源装置1では、反射保護、損失Plossを低減させる制御を行なうために、方向性結合器18と第2進行波電力信号変換部33の間、および方向性結合器18と第2反射波電力信号変換部43の間にフィルタを設けていなかった。
また進行波側でも、例えば、結合度の周波数特性に起因して、基本周波数よりも周波数が高い高調波成分を実際よりも大きく検出してしまう場合があるので、制御に悪影響を及ぼす。
また、フィルタの有無、フィルタ特性による出力の違いを、表示部51、52,61、62によって確認することが可能となる。
2 伝送線路
3 第1の整合器
4 負荷接続部
5 負荷
6 第2の高周波電源装置
7 伝送線路
8 整合器
9 負荷接続部
10 直流電力出力部
11 直流電源制御部
12 直流電源部
13 直流電力測定部
14 出力電力設定部
15 高周波出力制御部
16 高周波増幅部
17 ローパスフィルタ
18 方向性結合器
30 進行波電力信号出力部
31 第1進行波電力信号変換部
32 進行波側バンドパスフィルタ
33 第2進行波電力信号変換部
34 進行波側ローパスフィルタ
40 反射波電力信号出力部
41 第1反射波電力信号変換部
42 反射波側バンドパスフィルタ
43 第2反射波電力信号変換部
44 反射波側ローパスフィルタ
51 表示部
52 表示部
61 表示部
62 表示部
Claims (4)
- 直流電力を供給する直流電力出力部と、前記直流電力出力部の出力を用いて高周波信号を増幅して出力する高周波増幅部と、前記高周波増幅部と負荷との間に挿入されて前記高周波増幅部から負荷に与えられる進行波電力の情報を含む進行波側信号及び前記負荷で反射された反射波電力の情報を含む反射波側信号を出力する方向性結合器と、前記進行波側信号を前記進行波電力の電力値を示す信号に変換して出力する進行波電力信号出力部と、前記反射波側信号を前記負荷で反射されて前記高周波増幅部に戻る反射波電力の電力値を示す信号に変換して出力する反射波電力信号出力部と、前記高周波増幅部の出力を制御する高周波出力制御部と、を備えた高周波電源装置であって、
前記進行波電力信号出力部は、
前記方向性結合器に接続され、前記進行波側信号のうち基本周波数成分を通過させる進行波側バンドパスフィルタと、
前記進行波側バンドパスフィルタに接続され、前記進行波側バンドパスフィルタの出力を、電力値を示す信号に変換し、第1進行波電力信号として出力する第1進行波電力信号変換部と、
前記方向性結合器に接続され、前記進行波側信号のうち基本周波数よりも周波数が高い高調波成分を除去する進行波側ローパスフィルタと、
前記進行波側ローパスフィルタに接続され、前記進行波側ローパスフィルタの出力を、電力値を示す信号に変換し、第2進行波電力信号として出力する第2進行波電力信号変換部と、
を備えるように構成され、
前記反射波電力信号出力部は、
前記方向性結合器に接続され、前記反射波側信号のうち基本周波数成分を通過させる反射波側バンドパスフィルタと、
前記反射波側バンドパスフィルタに接続され、前記反射波側バンドパスフィルタの出力を、電力値を示す信号に変換し、第1反射波電力信号として出力する第1反射波電力信号変換部と、
前記方向性結合器に接続され、前記反射波側信号のうち基本周波数よりも周波数が高い高調波成分を除去する反射波側ローパスフィルタと、
前記反射波側ローパスフィルタに接続され、前記反射波側ローパスフィルタの出力を、電力値を示す信号に変換し、第2反射波電力信号として出力する第2反射波電力信号変換部と、
を備えるように構成され、
前記高周波出力制御部は、
前記第1進行波電力信号が示す電力値または前記第1進行波電力信号から第1反射波電力信号を減算することによって求まる電力値が、予め定めた基準値と等しくなるように、前記高周波増幅部の出力を制御するとともに、
第2反射波電力信号が示す電力値または前記第2反射波電力信号に第2進行波電力信号を加算することによって求まる電力値が、予め定めた基準値を超えた場合に、前記高周波増幅部の出力を低下させる制御を行うように構成されていることを特徴とする高周波電源装置。 - 前記直流電力出力部は、
出力電圧レベルが可変可能である直流電力を出力する直流電源部と、
前記直流電源部から出力される直流電力の電力値を測定し、測定した直流電力測定値を出力する直流電力測定部と、
前記直流電力測定値、前記第2進行波電力信号および前記第2反射波電力信号を用いて求められる前記高周波増幅部における損失が、予め定めた基準値を超えた場合に、前記高周波増幅部における損失が予め定めた基準値以下になるように、前記直流電源部から出力する直流電圧レベルを調整する直流電源制御部と、
を備えるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の高周波電源装置。 - 前記高周波出力制御部は、
前記直流電力測定値、前記第2進行波電力信号、及び前記第2反射波電力信号を用いて求められる前記高周波増幅部における損失が、予め定めた基準値を超えた場合に、前記高周波増幅部における損失が予め定めた基準値以下になるように、前記高周波増幅部の出力を低下させる制御を行う機能を、更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の高周波電源装置。 - 第1反射波電力信号出力部の出力を表示する表示手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高周波電源装置。
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