JP2011201790A - {2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル5−イソプロピルエステル}の製造方法 - Google Patents
{2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル5−イソプロピルエステル}の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】窒素雰囲気下、有機溶媒中で2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステルと3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル酢酸塩を反応させることを特徴とする{2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル}の製造方法である。
【選択図】なし
Description
アゼルニジピンの原料化合物である2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステルは、特に制限されるものではなく、公知の方法により製造することができる。例えば、非特許文献1に示されている通り、3−ニトロベンズアルデヒドとアセト酢酸イソプロピルをピペリジン酢酸塩触媒下、イソプロピルアルコール中で反応させることにより得ることができる。このような反応で得られる2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステルは、非常に純度が高く、不純物は殆んど含まれない。
アゼルニジピンを合成する際の原料化合物である3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)酢酸塩は、特に制限されるものではなく、公知の方法により製造することができる。例えば、特許文献1、非特許文献1に示されている通り、シアノ酢酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステルをジクロロメタン中、塩化水素を吹き込みながらエタノールと反応させ、得られた化合物を酢酸アンモニウムと反応させることにより得ることができる。
本発明の製造方法は、上記原料化合物を有機溶媒中、窒素雰囲気下で反応させることを最大の特徴とする。
アゼルニジピンの合成に用いる3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)酢酸塩と2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステルの使用量は、特に制限されるものではないが、精製の容易さを考慮すると、2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステル1モルに対して、3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)酢酸塩を0.8〜2.0モルとすることが好ましく、さらには1.0〜1.2モルとすることが好ましい。これら原料化合物は、有機溶媒中で混合することにより反応させることができる。
本発明において、使用する有機溶媒は、アルコール系の溶媒が好ましく、得られるアゼルニジピンの純度を考慮すると、特にイソプロピルアルコールであることが好ましい。原料化合物を有機溶媒中で反応させるには、両原料化合物を有機溶媒中で攪拌混合することが好ましい。そのため、使用する有機溶媒の量は、操作性を考慮すると3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)酢酸塩100質量部に対し100〜1000質量部であることが好ましい。また、使用する有機溶媒の量が前記範囲を満足することにより、経済性、反応転化率、選択性が高まり効率よくアゼルニジピンを製造することが容易となる。
本発明においては、上記原料化合物の反応を窒素雰囲気下で行うことが重要である。本発明者の検討によれば、有機溶媒中、空気雰囲気下で反応を実施すると、アゼルニジピンの類縁物質として知られている下記式(4)
本発明においては、窒素雰囲気下、有機溶媒中、さらに、有機塩基存在下で原料化合物である3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)酢酸塩と2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステルとを反応させることが好ましい。
製造したアゼルニジピンを取り出すには、有機溶媒、および必要に応じて使用した有機塩基を除去することにより、アゼルニジピンの結晶を取り出すことができる。より純度の高いアゼルニジピンを得るためには、反応終了後、温度、アゼルニジピンの濃度を調製して有機溶媒中にアゼルニジピンの結晶を析出させることが好ましい。好ましい方法としては、反応終了後、アゼルニジピン100質量部に対して、有機溶媒の量を200〜1000質量部に調製し、冷却することにより、有機溶媒中にアゼルニジピンの結晶を析出させることが好ましい。この場合、特に好ましい方法としては、有機溶媒としてイソプロピルアルコールを使用することが好ましい。この際、該有機溶媒は、イソプロピルアルコール、およびその他のアルコール、具体的には、メタノール、エタノールとの混合溶媒を使用することもできる。
下記の実施例、比較例において、アゼルニジピンの純度、副生物の量は、下記のHPLCの分析条件により求めたピーク面積である。
装置システム:WATERS社製 型式2695−2489。
カラム:INERTSIL ODS(GLサイエンス社製)
−粒子径5μm 内径4.6mm×長さ250mm。
検出波長:254 nm。
カラム温度:40 ℃。
サンプル温度:25 ℃。
移動相:アセトニトリル/10mM KH2PO4水溶液=70/30(V/V)
流速:1.0mL/min。
反応容器内に窒素ガスを流通させ、該容器内を窒素ガス置換した。窒素ガスを反応容器内へ流通させながら、該容器内において、0〜10℃に冷却したイソプロピルアルコール275mL中に2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステル55g(0.198mol)と3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル酢酸塩76.1g(0.198mol、1.0eq)を加え、5分間程度攪拌混合した。その後、攪拌しながら1時間かけて反応溶液(有機溶媒)の温度を60℃とし、同温にて20時間反応を行った。反応終了後、反応溶液にイソプロピルアルコール275mL、およびエタノール55mLを追加し、得られた溶液の温度が30℃以下になったことを確認した後、窒素ガスの流通を止め、さらに、2時間かけて該溶液を0〜5℃に冷却し、結晶を該溶液中に析出させた。その後、該溶液を0〜5℃の範囲で保持し、15時間攪拌した。
反応容器内に窒素ガスを流通させ、該容器内を窒素ガス置換した。窒素ガスを反応容器内へ流通させながら、該容器内において、0〜10℃に冷却したイソプロピルアルコール275mL中に2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステル55g(0.198mol)と3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル酢酸塩76.1g(0.198mol、1.0eq)を加え攪拌混合し、さらに0〜10℃の温度を超えないようにトリエチルアミン20.1g(0.198mol、1.0eq)を滴下し、5分間程度攪拌混合した。その後、攪拌しながら1時間かけて反応溶液(有機溶媒)の温度を50℃とし、同温にて4時間反応を行った。反応終了後、反応溶液にイソプロピルアルコール275mL、およびエタノール55mLを追加し、得られた溶液の温度が30℃以下になったことを確認した後、窒素ガスの流通を止め、さらに、2時間かけて該溶液を0〜5℃に冷却し、結晶を該溶液中に析出させた。その後、該溶液を0〜5℃の範囲で保持し、15時間攪拌した。
実施例2において、トリエチルアミンの使用量、および反応溶液を50℃にしてからの反応時間を表1の通りに変更した以外は、実施例2と同様の操作を行った。その結果を表1にまとめた。
実施例2において、トリエチルアミンに代えてN−メチルモルホリンを使用し、反応溶液を50℃にしてからの反応時間を表1の通りに変更した以外は、実施例2と同様の操作を行った。その結果を表1にまとめた。
大気下、0〜10℃に冷却したイソプロピルアルコール275mL中に2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステル55g(0.198mol)と3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル酢酸塩76.1g(0.198mol、1.0eq)を加え、5分間程度攪拌混合した。その後、攪拌しながら1時間かけて反応溶液(有機溶媒)の温度を60℃とし、同温にて20時間反応を行った。反応終了後、反応溶液にイソプロピルアルコール275mL、およびエタノール55mLを追加し、得られた溶液を2時間かけて0〜5℃に冷却し、該溶液中に結晶を析出させた。その後、該溶液を攪拌しながら0〜5℃の範囲で保持し、15時間攪拌した。
Claims (4)
- 窒素雰囲気下、有機溶媒中で2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステルと3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル酢酸塩を反応させることを特徴とする{2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル}の製造方法。
- 有機塩基存在下で2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルエステルと3,3−ジアミノアクリル酸(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル酢酸塩を反応させることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記有機塩基として、脂肪族第三アミン類を使用することを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
- 前記有機溶媒として、イソプロピルアルコールを使用することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
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