JP2011185972A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布ニップの入口側に泡溜りが形成された状態で定着が行われることに起因する不具合の発生を抑制することが出来る定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】泡状定着液生成部500と塗布ローラ61とを備え、塗布ローラ61に加圧ローラ62が当接する塗布ニップNで、未定着のトナー層Tを担持した転写紙Pに小径泡状定着液Fを塗布し、軟化したトナー層Tを転写紙Pに定着する定着装置60で、塗布ニップNの入口側に泡状定着液Fが滞留した泡溜りFcが発生した状態を検出する泡溜り検出手段である接触型泡溜り検出センサ400を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、及び、画像形成装置に適用可能な定着装置に関するものである。詳しくは、トナー等の樹脂微粒子の樹脂成分の少なくとも一部を溶解または膨潤させて被定着媒体上に定着させる定着液を被定着媒体上また樹脂微粒子担持体上の樹脂微粒子に付与する定着装置、及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような被定着媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。画像形成装置には種々の方式があるが、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、被定着媒体である記録媒体上のトナーを加熱して軟化あるいは溶融させ、軟化等させたトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式の定着装置が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。
しかし、このような熱定着方式を採用した電子写真方式の画像形成装置における消費電力の半分以上は、熱定着方式の定着装置においてトナーを加熱処理のために消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の画像形成装置が望まれている。このため、従来の画像形成装置における消費電力の半分以上を消費する定着装置での省エネルギー化が求められている。従来の熱定着方式の定着装置では加熱処理に多くの電力を消費していたため、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させる定着方式、または、トナーを加熱することを必要としない定着方式が望まれている。特に、トナーを加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方式が低消費電力の点で理想的である。
このような非加熱定着方式の定着装置としては、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を記録媒体表面上のトナー像に付与してトナー像を定着させる湿式定着方式の定着装置が知られている(例えば、特許文献1〜特許文献4に記載の定着装置)。湿式定着方式の定着装置ではトナーを軟化させるために加熱処理を行う必要がなく、熱定着方式に比べて省エネルギー化を実現することができる。
特許文献1〜特許文献3の何れの特許文献に記載の定着装置も、接触型の定着液付与手段である塗布ローラを用いて定着液を液状のまま記録媒体または中間転写体といった定着液付与対象に塗布することで、定着液を定着液付与対象上の未定着トナー像に付与する構成である。このような液状定着液をトナー像に塗布して定着を行う構成では、定着液付与対象上のトナー像への定着液の微量塗布と塗布ローラへのトナーオフセット防止を両立させることが極めて難しいという問題があった。以下、この問題について説明する。
塗布ローラを用いて定着液付与対象上の未定着トナー像へ定着液を塗布する構成において、定着液を定着液付与対象に微量付与するために、塗布ローラ上の定着液の層の厚みが未定着トナー像の層よりも薄くした場合、次のような問題が生じることがあった。塗布ローラの表面が定着液付与対象と接触した後、塗布ローラの表面が定着液付与対象から剥離する位置で、定着液付与対象に付与されず塗布ローラ表面に残った定着液の液膜によって生じる表面張力で定着液付与対象上のトナー層のトナー粒子が引っ張られてしまう。これにより、塗布ローラの表面にオフセットしたトナー粒子が付着し、塗布ローラと剥離した後の定着液付与対象上のトナー像が大幅に乱れてしまう。
逆に、塗布ローラ上の定着液の層の厚みを未定着トナー層よりも十分厚くすると、塗布ローラが定着液付与対象から剥離する位置では、液量が多いため塗布ローラの表面の液膜による表面張力が定着液付与対象上のトナー層のトナー粒子に作用しにくくなる。これにより、塗布ローラ側にトナーが付着しにくくなるが、定着液付与対象の表面に多量の定着液が塗布される。このため、定着液付与対象上で過剰な定着液により定着液の拡散にともないトナー粒子が流れ画質劣化を生じたり、定着液の乾燥時間が長くなり定着応答性に問題が生じたりしてしまう。また、記録媒体に著しい残液感(紙を手で触れたときの湿った感触)が発生する。また、定着液が水を含有するものであると、紙等のセルロースを含有する記録媒体への定着液の付与量が多い場合、紙等の記録媒体が著しくカールし、画像形成装置などの装置内における記録媒体搬送時に紙詰まりが発生の恐れがある。
このように、塗布ローラを用いて定着液を付与する構成では、定着液の塗布量が多すぎると、トナー粒子が流されることによる画質劣化、定着液の乾燥時間が長くなることによる定着応答性の低下、記録媒体によっては紙詰まりが発生しやすくなる、といった問題が生じる。一方、これらの問題を防止するために定着液を微量塗布する構成とすると、上述したように塗布ローラの表面にトナー粒子がオフセットしてしまう。
よって、塗布ローラで定着液を塗布する構成では、定着応答性向上や残液感低減やカール防止のために定着液付与対象上のトナー層に定着液を微量塗布することと塗布ローラへのトナーオフセットを防止することとを両立することが極めて難しい。
定着液の微量塗布とトナーオフセットの防止とを両立することができる定着方式として、特許文献4には、定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液泡状化装置を備え、泡状定着液を定着液付与対象である記録媒体上のトナー像に塗布する構成が記載されている。このように、定着液を泡状とすることにより定着液のかさ密度を下げることが出来る。このため、従来よりも少量の定着液で塗布ローラ表面上の定着液の膜厚を厚くすることが出来、液体の表面張力の定着液付与対象上のトナー粒子に対する影響を軽減することができる。また、少量の定着液であるため、記録媒体上の残液感を抑制することが出来る。さらに、泡状の定着液は通常の液体状の定着液よりも流れ難いため、定着液によって定着液付与対象上のトナー粒子が流されることによる画像劣化も防止することができる。よって、特許文献4に記載の定着装置のように泡状定着液を用いて定着を行うことにより、従来よりも少量の定着液塗布量でトナー画像を乱すことなく定着することができる。
特許文献4に記載の定着装置では、塗布ローラに当接して塗布ニップを形成する加圧ローラを備え、記録媒体が塗布ニップを通過することで塗布ローラ表面上の泡状定着液が記録媒体上のトナー像に塗布される。このように、泡状定着液を塗布ローラで塗布する定着方式では、記録媒体に泡状定着液を塗布する塗布ニップの入口側に泡状定着液が滞留し、泡溜りが発生することがあった。
入口側に泡溜りが発生した状態の塗布ニップに未定着トナー像を担持した記録媒体が進入してくると、塗布ニップに進入する前に泡溜りを形成する泡状定着液に接触する。このとき、記録媒体上の未定着トナー像の表層の一部が、泡溜りを形成する泡状定着液に溶け込み、トナー画像から分離してオフセットとなることがある。また、泡状定着液を塗布する構成では、トナーオフセットを防止しつつ定着液の微量塗布となるように、塗布ローラ表面上の泡状定着液の担持量が調節されている。しかし、塗布ニップの入口側に泡溜りが形成されていると、過剰な量の泡状定着液が記録媒体に付与され、定着液の塗布量が多すぎることに起因する画像流れ等の画像品質の低下が生じることがある。
さらに、塗布ニップの入口側で泡溜りが大きくなると、塗布ニップに向けて搬送されてきた記録媒体を泡溜りが塞き止めて、ジャム発生の原因となることもあった。
泡状定着液を定着液付与対象に塗布する接触型の定着液付与手段である塗布部材としては、ローラ状の塗布ローラに限るものではなく、例えばベルト状の部材であっても良い。また、塗布部材に当接して塗布ニップを形成する加圧部材としてもローラ状の加圧ローラに限るものではなく、例えばベルト状の部材であっても良い。塗布ニップの入口側で泡溜りが形成されることに起因する問題は、表面移動する塗布部材が他の部材と当接する塗布ニップで泡状定着液を定着液付与対象に塗布する構成であれば生じ得る問題である。
また、泡状定着液を用いてトナー像を記録媒体に定着させる定着装置としては、トナー像を担持する中間転写ベルト等のトナー像担持体に泡状定着液を塗布して、トナー像担持体上のトナー像を定着液とともに記録媒体に転写するものがある。このように、定着装置が泡状定着液を付与する付与対象が記録媒体ではなく、トナー像担持体である場合も、塗布部材がトナー像担持体に当接し、塗布ニップを形成する構成であれば、上述した問題は生じ得る。また、上述した問題は、樹脂含有微粒子がトナーである場合に限らず、樹脂含有微粒子に泡状定着液を塗布して被定着媒体に定着させる定着装置であれば生じ得る問題である。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、塗布ニップの入口側に泡溜りが形成された状態で定着が行われることに起因する不具合の発生を抑制することが出来る定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液泡化手段と、対向部材と当接して塗布ニップを形成し、表面移動することによって定着液泡化手段が生成した該泡状定着液を該塗布ニップに搬送し、表面に樹脂微粒子を担持する記録媒体または樹脂微粒子担持体の表面に該泡状定着液を該塗布ニップで塗布する定着液塗布部材とを有し、該泡状定着液を塗布することで軟化した該樹脂微粒子を該記録媒体に定着する定着装置において、上記塗布ニップの入口側に上記泡状定着液が滞留した泡溜りが発生した状態を検出する泡溜り検出手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の定着装置において、上記定着液は導電性の液体であり、上記泡溜り検出手段は、泡溜りの生じる位置に配置された二つの電極部材を有し、二つの電極部材間に導通が生じたか否かによって泡溜りの有無を検出することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の定着装置において、上記泡溜り検出手段は、非接触センサであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置において、上記泡溜り検出手段の検出結果に基づいて、上記泡溜りを除去する泡溜り除去動作を実行することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の定着装置において、上記泡溜り除去動作は、上記定着液塗布部材の表面への上記泡状定着液の供給を停止した状態で、上記塗布ニップを形成する該定着液塗布部材及び上記対向部材を表面移動させることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4の定着装置において、上記泡溜り除去動作は、上記定着液塗布部材と上記対向部材との当接を解除し、上記定着液塗布部材の表面への上記泡状定着液の供給を停止した状態で、上記塗布ニップを形成する該定着液塗布部材及び上記対向部材を表面移動させることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の定着装置において、上記泡溜り除去動作を実行している間は、定着動作を行っているときよりも上記定着液塗布部材及び上記対向部材の表面移動の速度を速めることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置において、上記定着液塗布部材が上記泡状定着液を塗布する定着液塗布対象は上記記録媒体であり、上記塗布ニップを通過した該記録媒体の後端を検出する用紙後端検知手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面に泡状定着液を付与し、該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、該定着手段として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、上記泡溜り検出手段が上記泡溜りの発生を検出すると、上記定着装置の制御部は、画像形成装置本体の制御部に対して、該泡溜りが検出されたことを示す信号を送信することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記定着装置の制御部は、上記画像形成装置本体の制御部に対して、上記泡溜りが検出されたことを示す信号を送信した後、該泡溜りが無くなったことを上記泡溜り検出手段が検出すると、該画像形成装置本体の制御部に対して、該泡溜りが無くなったことを示す信号を送信することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記画像形成装置本体の制御部は、上記泡溜りが検出されたことを示す信号を受信した後、該泡溜りが無くなったことを示す信号を受信するまでの間、上記記録媒体の上記トナー像形成手段への供給を停止することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記定着装置の上記泡溜り検出手段を用いた上記泡溜りの検出動作は作像動作の紙間で実施し、該泡溜り検出手段の検出結果に基づいた、該泡溜りを除去する泡溜り除去動作は、画像形成装置の装置本体内に給紙された上記記録媒体が装置外に排紙された後に実施することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記泡溜り検出手段の検出結果に基づいた、上記泡溜りを除去する泡溜り除去動作は、所定の枚数の上記記録媒体に対する画像形成が行われる毎に実施することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項9乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記泡溜り検出手段の検出結果に基づいた上記泡溜りを除去する泡溜り除去動作を実行している間は、作像動作が停止していることを報知する報知手段を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、泡溜り検出手段によって塗布ニップの入口側に泡溜りが発生した状態を検出することができるため、泡溜りが発生していない状態を確認して定着動作を実行することにより、泡溜りが形成された状態で定着が行われることに起因する不具合の発生を抑制することができるという優れた効果がある。
実施例1の定着装置の概略構成図。 実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機におけるプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。 同複写機における四つの作像ユニットのうちの一つを示す部分拡大図。 ダイコータヘッドの先端部の説明図、(a)は、ダイコータヘッドの先端部の拡大説明図、(b)は、ダイコータヘッド先端シャッタの説明図。 接触型泡溜り検知センサの説明図。 実施例1の定着装置が備える制御回路を説明するブロック図。 実施例2の定着装置の概略構成図。 加圧ローラ接離機構の斜視説明図。 加圧ローラ接離機構の側方説明図。 実施例2の定着装置が備える制御回路を説明するブロック図。
以下、本発明を、電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置である複写機(以下、複写機100と呼ぶ)に適用した実施形態について説明する。なお、本実施形態では本発明の特徴部を備える画像形成装置が複写機である構成について説明するが、プリンタ、ファクシミリ等の他の画像形成装置であってもよい。
まず、実施形態に係る複写機100の基本的な構成について説明する。図2は、複写機100を示す概略構成図である。複写機100は、プリンタ部1と、給紙装置40と、原稿搬送読取ユニット50とを備えている。原稿搬送読取ユニット50は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置であるスキャナ部150と、これに支持される自動原稿搬送装置であるADF51とを有している。
給紙装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセット42から転写紙Pを送り出す送出ローラ43を有する。さらに、給紙カセット42から送り出された転写紙Pの一番上にある一枚を他の転写紙Pから分離して給紙路44に供給する分離ローラ45を有する。また、プリンタ部1の紙搬送路37に転写紙Pを搬送する複数の搬送ローラ46等も有している。そして、給紙カセット42内の転写紙Pをプリンタ部1内の紙搬送路37内に給紙する。
プリンタ部1の上方に固定されたスキャナ部150は、原稿MSの画像を読み取るための読取手段として、固定読取部151と、移動読取部152とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第一コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第一コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、固定読取部151では光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSを走査する。
一方、移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第二コンタクトガラスの直下であって、固定読取部151の図中右側に配設されている。この移動読取部152は、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第二コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させる。その後、原稿からの反射光を複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサ153で受光する。これにより、移動読取部152では光学系を移動させながら、原稿MSを走査する。
このように、スキャナ部150において原稿MSを走査し、画像読取センサ153で画像情報を取得する。そして、得られた画像情報に基づいて、光書込装置2では光源を駆動してドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。
図3は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。プリンタ部1は、光書込装置2、K,Y,M,Cの各色のトナー像を形成する四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)、転写ユニット90、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置60等を備えている。そして、上述した画像情報に基づいて、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動し、ドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、潜像担持体である感光体4(K,Y,M,C)の表面には上述した画像情報に基づいた静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。
作像ユニット3(K,Y,M,C)は、それぞれ、潜像担持体である感光体4と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、複写機100本体に対して着脱可能になっている。ブラック用の作像ユニット3Kを例にすると、感光体4Kの他、この感光体4Kの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置6Kを有している。また、後述するK用の一次転写ニップを通過した後の感光体4K表面に付着している転写残トナーをクリーニングする感光体クリーニング装置15Kなども有している。複写機100では、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)を、後述する中間転写ベルト91に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
図4は、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)のうちの一つの作像ユニット3の拡大図である。なお、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図4においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。図4に示すように、作像ユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置の帯電ローラ5、現像装置6、感光体クリーニング装置15、除電装置の除電ランプ22等を有している。
複写機100では、感光体4として、アルミニウム等の素管に感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、感光体としては無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を現像剤担持体である現像ローラ12に担持する。そして、現像ローラ12と感光体4との対向部である現像領域で感光体4上の静電潜像にトナーを供給して、静電想像を可視像化させる。また、現像装置6は、現像ローラ12の表面に供給する二成分現像剤を収容する現像剤収容部6bを備え、現像剤収容部6bには収容する二成分現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材である撹拌スクリュ6aが設けられている。
現像ローラ12は回転可能に配置された非磁性の筒状の現像スリーブと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラとから構成される。マグネットローラは、現像スリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。この複数の磁極は、それぞれ現像スリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。このような複数の磁極それぞれの磁力の作用により、現像剤収容部6b内の二成分現像剤を現像スリーブ表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブの回転に伴って不図示の現像剤規制部材との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、現像領域に搬送される。そして、現像スリーブに印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像を行う。更に、現像領域を通過した後、現像スリーブの回転に伴って再び現像装置6内に戻った磁気ブラシを構成する二成分現像剤は、マグネットローラの磁極間に形成される反発磁界の影響によって現像スリーブ表面から離脱する。現像スリーブ表面から離脱した二成分現像剤は、現像剤収容部6b内に戻される。現像剤収容部6b内には、トナー濃度センサ6sが配置されている。このトナー濃度センサ6sによる検知結果に基づいて、現像剤収容部6b内の二成分現像剤のトナー濃度が所定の範囲内となるように、不図示のトナー補給装置が制御され、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。
プリンタ部1では図3に示すように、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)の感光体4(K,Y,M,C)には、これまで説明してきた作像プロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
図3に示すように四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)の下方には、転写ユニット90が配設されている。この転写ユニット90は、複数の張架ローラ(92、93、94)によって張架されたトナー像担持体としての中間転写ベルト91を備える。さらに、中間転写ベルト91を挟んで第一張架ローラ92に対向する位置には、ベルトクリーニング装置32が配置されている。ベルトクリーニング装置32は、後述する二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト91上に残留するトナーを除去するために配置されている。
転写ユニット90では中間転写ベルト91を感光体4(K,Y,M,C)に当接させながら図中時計回り方向(図3中の矢印A方向)に無端移動させる。また、中間転写ベルト91を挟んで感光体4(K,Y,M,C)に当接するようにベルトループ内側には四つの一次転写ローラ95(K,Y,M,C)が配置されている。一次転写ローラ95(K,Y,M,C)は中間転写ベルト91を感光体4(K,Y,M,C)に向けて押圧し、感光体4(K,Y,M,C)と中間転写ベルト91とが当接する一次転写ニップを形成する。
四つの一次転写ローラ95(K,Y,M,C)には、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップには、感光体4(K,Y,M,C)上のトナー像を転写体である中間転写ベルト91に向けて静電移動させる一次転写電界が形成される。
図2及び図3中の時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト91の表面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト91の表面には四色重ね合わせトナー像(以下、四色トナー像という)が形成される。
複写機100の一次転写装置は、一次転写部材として一次転写ローラ95を備えた構成を採用しているが、一次転写部材としては導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
図4において、一次転写ニップを通過した後の感光体4の表面には、中間転写ベルト91に一次転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、作像ユニット3の感光体クリーニング装置15により、感光体4の表面から除去される。
感光体クリーニング装置15は、感光体4に当接しているポリウレタンゴム製の感光体クリーニングブレード16を備え、転写残トナーを一次転写ニップ通過後の感光体4表面から掻き取って除去する。感光体クリーニングブレード16は、作像ユニット3のケーシングに固定された金属製の支持部材に接着(ホットメルト)されており、感光体4に対してカウンタ方向に当接するようになっている。カウンタ方向とは、支持部材によって片持ち支持される感光体クリーニングブレード16の先端側を、後端側(自由端側)よりも感光体4の表面移動方向の上流側に位置させるようなブレードの向きである。
ここで、感光体クリーニング装置15によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュ及びトナーリサイクル装置によって、現像装置6に回収され、再利用される。
複写機100の作像ユニット3が備える除電装置は、除電ランプ22を備えた構成であり、光を照射して感光体4の表面電位を初期化する。除電ランプ22によって除電された感光体4の表面は、帯電バイアスの印加によって感光体4との間に放電を発生させる帯電ローラ5によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。また、複写機100の作像ユニット3が備える帯電装置は、帯電ローラ5を採用した接触帯電方式の帯電装置である。この帯電装置は帯電ローラ5を感光体4の表面に接触させて、帯電ローラ5に電圧を印加することにより感光体4の表面を一様に帯電する。なお、感光体4を一様に帯電させる帯電装置としては、帯電ローラ方式のものに代えてスコロトロンチャージャ等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。
図3に示すように、プリンタ部1における転写ユニット90の図中下方には、二次転写ユニットとしての紙搬送ユニット28が設けられている。この紙搬送ユニット28は、駆動ローラ30と二次転写ローラ31との間に、二次転写ベルトである無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる構成である。
複写機100では紙搬送ユニット28の二次転写ローラ31と、転写ユニット90の下部張架ローラ94との間に、中間転写ベルト91及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト91の表面と、紙搬送ベルト29の表面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ31には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット90の下部張架ローラ94は接地されている。これにより、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。
この二次転写ニップの図中右側には、レジストローラ対33が配設されている。レジストローラ対33はローラ間に挟み込んだ転写紙Pを中間転写ベルト91上の四色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト91上の四色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙Pに一括二次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過し、表面にトナー像が転写された転写紙Pは、中間転写ベルト91から離間して、紙搬送ベルト29の表面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置60へと搬送される。
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト91の表面には、二次転写ニップで転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト91に当接するベルトクリーニング装置32によって掻き取り除去される。
定着装置60に搬送された転写紙Pは、詳細は後述する定着装置60内で定着液が塗布されることによってフルカラー画像が定着された後、定着装置60から送り出される。
図2に示すように複写機100は、紙搬送ユニット28と定着装置60との下方には、転写紙反転装置であるスイッチバック装置36が配設されている。転写紙Pの両面に画像を形成する場合には、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pが、切換爪で進路をスイッチバック装置36に向かうよう切り換えられ、そこで反転されて再び二次転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ10上に排紙される。
〔実施例1〕
次に、複写機100に適用可能な本発明の特徴部を備えた定着装置60の一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)について図面を用いて説明する。図1は実施例1の定着装置60の概略説明図である。
以下では、便宜上、泡を含まない定着液を「液状定着液TL」といい、気泡を含有し泡状となった定着液を「泡状定着液F」という。また、泡状定着液Fのうち、液状定着液TLの状態から起泡されて泡径が所望の泡径よりも大きい状態の泡状定着液Fを「初期泡状定着液Fa」といい、初期泡状定着液Faの状態から分泡して所望の泡径となった泡状定着液Fを「小径泡状定着液Fb」という。
実施例1の定着装置60は、液状定着液TLから泡状定着液Fを生成する泡状定着液生成部500と、泡状定着液生成部500で生成された泡状定着液Fを未定着のトナー層Tからなる未定着画像を担持する転写紙Pに塗布する泡状定着液塗布部70とを備える。
泡状定着液生成部500は、液状定着液TLを保管収納する為の定着液ボトル200と、定着液ボトル200内に空気を送り込み、液状定着液TLを粗く発泡させて、粗い泡からなる初期泡状定着液Faを生成する空気ポンプ300とを有する。また、泡状定着液生成部500は、定着液ボトル200内で生成された泡径の大きな初期泡状定着液Faに剪断力を付与して泡径の小さな小径泡状定着液Fbとするための泡攪拌器310を有する。さらに、泡状定着液生成部500は、泡攪拌器310で小径泡状定着液Fbとなった泡状定着液Fを泡状定着液塗布部70の塗布ローラ61の表面上に均一な薄膜状に塗布するためのダイコータヘッド501を有する。
泡攪拌器310の内部には二本の螺旋状羽根部材が平行に、且つ、近接して配置されており、二本の螺旋状羽根部材には駆動を伝達するギヤを介して、駆動源としての泡攪拌用モータM3が接続されており、泡攪拌用モータM3を駆動させることによって二本の螺旋状羽根部材が回転する。定着液ボトル200内で作成された粗い泡からなる初期泡状定着液Faは、回転する二本の螺旋状羽根部材の間を通過し、攪拌され、剪断力を付与される。これにより、大きな泡が分泡して微小な泡へと変化し、小径泡状定着液Fbが生成される。
図5は、ダイコータヘッド501の先端部の説明図である。図5(a)は、ダイコータヘッド501の先端部の拡大説明図であり、図5(b)は、ダイコータヘッド501の先端に配置されたダイコータヘッド先端シャッタ510の説明図である。
図1に示すように、ダイコータヘッド501内の小径泡状定着液Fbが通過する搬送路には大気開放弁507が接続されている。また、ダイコータヘッド501の先端部には図5に示すように、ダイコータヘッド先端シャッタ510が配置されている。
図5(b)に示すように、ダイコータヘッド先端シャッタ510は、円筒状のシャッタ部510aとシャッタ回転軸510bとを備え、シャッタ部510aは円筒の側面に直径方向に貫通するシャッタ孔部510cが設けられている。シャッタ回転軸510bには駆動源としてのシャッタ回転モータM5が接続されており、シャッタ回転モータM5からの駆動を伝達することによって円筒状のシャッタ部510aが図5中の矢印E方向に回転する構成である。図5(a)に示すようにダイコータヘッド501は、ダイコータヘッドケーシング512内に小径泡状定着液Fbが通過するヘッド内搬送路511が形成されている。シャッタ孔部510cが形成された位置以外のシャッタ部510aの側面がヘッド内搬送路511と対向している状態では、ヘッド内搬送路511が遮蔽された状態となり、塗布ローラ61の表面上への小径泡状定着液Fbの供給が停止される。ヘッド内搬送路511が遮蔽された状態からシャッタ回転モータM5を駆動して、シャッタ部510aを回転させ、図5(a)に示すようにシャッタ孔部510cがヘッド内搬送路511と対向する状態となると、ヘッド内搬送路511が外部と連通し、ヘッド内搬送路511内の小径泡状定着液Fbが塗布ローラ61の表面上に向けて吐出される。
すなわち、シャッタ回転モータM5からの駆動の伝達を制御することによって、ダイコータヘッド先端シャッタ510の開閉を制御することができる。
また、ダイコータヘッド501は、ダイコータヘッドケーシング512とシャッタ部510aとの隙間から空気や定着液が漏れ出すことを防止するためのヘッド部シール部材513を備える。
本実施例では、ダイコータヘッド501の先端で内部と外部とを連通する連通路の開閉を行うダイコータヘッド先端のシャッタ機構として、円筒状のシャッタ部510aとシャッタ回転モータM5とを備える構成について説明した。ダイコータヘッド先端のシャッタ機構の構成としては、この構成に限るものではなく、所望のタイミングでダイコータヘッド501の先端の連通路の開閉を行うことができればよい。例えば、連通路を遮蔽または開放するように移動可能なシャッタ部材と、シャッタ部材が連通路を遮蔽するように付勢するシャッタスプリングと、シャッタ部材の移動を制御するソレノイドとを備える構成でもよい。この構成の場合、ソレノイドをOFFにすることで、スプリング部材の付勢力によってシャッタ部材が連通路を遮蔽し、ソレノイドをONにすることで、シャッタ部材をスプリングの付勢力に抗する方向に移動させ、連通路を開放した状態とすることができる。
定着装置60を駆動しているときには、ダイコータヘッド501から泡状定着液を排出するためダイコータヘッド501内及び定着液の搬送経路内の気圧は大気圧よりも高くなっている。このため、空気ポンプ300や泡攪拌器310を停止しても、ダイコータヘッド501内及び搬送経路内の圧力が高まった状態となるため、定着液の搬送経路を形成する部材の継手の僅かな隙間やダイコータヘッド501の先端部の僅かな隙間から定着液が漏れ出るおそれがある。
そこで、本実施形態の定着装置60では、装置の駆動を停止しているときには大気開放弁507を解放し、ダイコータヘッド501内及び定着液の搬送経路内の気圧を大気圧と同じにしている。さらに、ダイコータヘッド先端シャッタ510がヘッド内搬送路511を遮蔽する状態とすることで、定着装置60を停止したときに定着液が漏れ出ることを防止する。
また、ダイコータヘッド501は、塗布ローラ61の表面に小径泡状定着液Fbが薄層状態となるように供給する泡膜形成手段として機能する。
定着液付与手段である泡状定着液塗布部70は、泡状定着液生成部500で生成された泡状定着液Fを未定着のトナー層Tが形成された転写紙Pの表面に塗布するための塗布ローラ61と、塗布ローラ61に当接して塗布ニップNを形成する加圧ローラ62とを有する。加圧ローラ62は、表面が弾性変形するスポンジローラからなり、泡状定着液Fが塗布された未定着のトナー層T内に泡状定着液Fを浸透させるための圧力をかける。
また、泡状定着液塗布部70は、塗布ニップNを通過した後の塗布ローラ61上に残った泡状定着液F等の残留物を回収するための回収手段を構成する塗布ローラクリーニングブレード63を有する。さらに、泡状定着液塗布部70は、塗布ローラ61と対向する塗布ニップNを通過した後の加圧ローラ62上に付着した泡状定着液F等の残留物を回収する回収手段である加圧ローラクリーニングブレード64を備える。塗布ローラクリーニングブレード63で回収された残留物は塗布ローラ泡回収タンク63aに収容され、加圧ローラクリーニングブレード64で回収された残留物は加圧ローラ泡回収タンク64aに収容される。
塗布ローラ61が転写紙Pに小径泡状定着液Fbを塗布する塗布ニップNよりも転写紙Pの搬送方向(図1中の矢印B方向)下流側には、転写紙Pを塗布ローラ61から分離するための分離爪65が配置されている。一方、塗布ニップNよりも転写紙Pの搬送方向上流側には、未定着のトナー像からなるトナー層Tを担持した転写紙Pの先端を検知する紙先端検知センサS1が配置されている。また、紙先端検知センサS1と塗布ニップNとの間には、定着給紙ローラ対67が配置されており、定着給紙ローラ対67には駆動源としての定着給紙モータM4が接続されている。定着給紙ローラ対67の上下二つのローラのうち、上側のローラは、転写紙P上の未定着トナー像を乱さないように、転写紙Pの幅方向(搬送方向に直交する方向)両端部の余白部のみに接触する構成となっている。
また、定着装置60は、塗布ローラ61の駆動源としての塗布ローラ駆動モータM1、及び、加圧ローラ62の駆動源としての加圧ローラ駆動モータM2を備える。さらに、詳細は後述するがこれらの部品を制御するための制御回路を備える。
定着装置60のように、塗布ローラ61と加圧ローラ62とによって形成される塗布ニップNで泡状定着液Fを転写紙Pに塗布すると、図1に示すように塗布ニップNで泡状定着液Fが塞き止められて、塗布ニップNの入口側で泡溜りFcが発生することがある。泡溜りFcが発生した状態で未定着トナー像を担持した転写紙Pを通過させると、トナー像を形成するトナー層Tの表層部の一部が泡溜りFcを形成する定着液に持っていかれ、オフセットの原因となることがある。
また、泡膜形成手段であるダイコータヘッド501によって塗布ローラ61の表面上に小径泡状定着液Fbは薄層状態となり、この薄層状態によってトナーオフセットを防止しつつ定着液の微量塗布となるように、塗布ローラ61表面上の小径泡状定着液Fbの担持量が調節されている。しかし、塗布ニップNの入口側に泡溜りFcが形成されていると、過剰な量の泡状定着液Fが転写紙Pに付与され、定着液の塗布量が多すぎることに起因する画像流れ等の画像品質の低下が生じることがある。
さらに、泡溜りFcが成長して塗布ニップNの入口側で大きくなると、塗布ニップNに向けて搬送されてきた転写紙Pを泡溜りFcが塞き止めて、ジャム発生の原因となることもある。泡溜りFcに起因するジャム発生は、転写紙Pが薄紙等の腰が弱い記録媒体を搬送するときに特に顕著に現われている。
実施例1の定着装置60では、塗布ニップNの入口側に泡溜りFcが形成されることに起因する不具合の発生を抑制するために、泡溜りを検出する接触型泡溜り検知センサ400を備え、この接触型泡溜り検知センサ400の検出結果に基づいて泡溜り除去動作を実行する。
図6は、接触型泡溜り検知センサ400の説明図である。図1及び図6に示す接触型泡溜り検知センサ400は、絶縁部材に泡溜り検出用電極部材を埋め込んだ方式であり、転写紙Pが通過する領域を挟んで対向するように上ガイド板410と下ガイド板420とを備える。上ガイド板410は樹脂やセラミック等からなる絶縁部材440に上側第一電極410a及び上側第二電極410bの二つの電極部材が設けられている。下ガイド板420は絶縁部材440に下側第一電極420a及び下側第二電極420bの二つの電極部材が設けられている。
図6に示すように上側第二電極410b及び下側第二電極420bは接地されており、上側第一電極410a及び下側第一電極420aは、電流検知部430に接続されている。
電流検知部430は不図示の電圧印加手段を備え、上側第一電極410a及び下側第一電極420aに所定の電圧を印加する。そして、上側第一電極410a及び下側第一電極420aが共に上側第二電極410b及び下側第二電極420bと導通していない状態では、上側第一電極410a及び下側第一電極420aの電位が高くなり、電流検知部430はHレベルの信号を発する。一方、上側第一電極410aまたは下側第一電極420aが上側第二電極410bまたは下側第二電極420bと導通している状態では、上側第一電極410aまたは下側第一電極420aがアースされ電位が低下し、電流検知部430はLレベルの信号を発する。
定着液として導電性液体を用いることで、上側第一電極410aと上側第二電極410bとを導通するように、または、下側第一電極420aと下側第二電極420bとを導通するように泡溜りFcが接触したときに電流検知部430がLレベルの信号を発する。このような構成により、泡溜りFcが形成されて電極部材間を導通する状態まで大きくなると、電流検知部430がLレベルの信号を発して後述する定着装置用CPU700が「泡溜り有り」と検出する。一方、泡溜りFcが形成されていない、または、電極部材間を導通する状態までは大きくなっていない状態では、電流検知部430がHレベルの信号を発して定着装置用CPU700が「泡溜り無し」と検出する。
実施例1の定着装置60では、定着装置用CPU700が「泡溜り有り」の状態を検出すると、溜り除去動作として塗布ローラ61に対する小径泡状定着液Fbの供給を停止し、塗布ローラ61と加圧ローラ62とを回転させる。このような動作により、泡溜りFcを塗布ニップNの出口側に徐々に逃がすことができる。
次に、定着装置60の一連の定着動作について、制御回路のブロック図を用いて説明する。
図7は、実施例1の定着装置60が備える制御回路を説明するブロック図である。
図7に示すように、定着装置60の制御回路はA/D、D/A端子とROM、RAMなどの記憶手段とを有した定着装置用CPU700、外付けのタイマー710、メモリ711及び枚数カウンタ715等から構成される。定着装置用CPU700は、各センサ(S1、400等)からの入力信号に応じてローラ類や泡攪拌器310の各駆動モータ(M1〜M5)、定着液ボトル200に接続された空気ポンプ300等の制御を行う。
また、定着装置60内に設けられた定着装置用CPU700と、複写機100本体に設けられた複写機本体CPU750とは、コマンドとステータスとのやり取りで通信を行うI/F(インターフェイス)通信接続部730によって接続されている。定着装置用CPU700では、このI/F通信接続部730を介して複写機100本体の電源のON/OFF信号、プリント開始信号、及び、非常停止信号等の信号が割り込み端子より入力される。
複写機100の電源がONされると、定着装置用CPU700は、大気開放弁507をON(大気開放を閉じる)にし、ダイコータヘッド501のヘッド内搬送路511を遮蔽した状態とする。ヘッド内搬送路511を遮蔽する構成としては、不図示の位置センサによって円筒状のシャッタ部510aの回転位置を検出し、シャッタ部510aのシャッタ孔部510cがヘッド内搬送路511と対向する位置の場合は、シャッタ回転モータM5を駆動して、シャッタ部510aの側面がヘッド内搬送路511と対向する位置までシャッタ部510aを回転させて、停止する。
次に空気ポンプ300や泡攪拌用モータM3をONにする。空気ポンプ300をONすると、定着液ボトル200内に空気が送り込まれ、送り込まれた空気と液状定着液TLが混ざり合い、定着液ボトル200内で粗い泡からなる初期泡状定着液Faの生成が開始する。
定着液ボトル200内で生成された初期泡状定着液Faは空気ポンプ300の圧力で泡攪拌用モータM3によって駆動する泡攪拌器310に送られる。泡攪拌器310では泡攪拌用モータM3の駆動によって二本の螺旋状羽根部材が回転し、泡攪拌器310に初期泡状定着液Faを送ることで初期泡状定着液Faは二本の螺旋状羽根部材の間を通過する間にシェアがかけられ泡は細かく攪拌され、密な泡からなる小径泡状定着液Fbが生成される。泡攪拌器310で生成された小径泡状定着液Fbは次にダイコータヘッド501に送られる。
ダイコータヘッド501に送られた小径泡状定着液Fbは、マニュホールド501aで横方向(画像幅方向)に広がり、やがてマニュホールド501a内が小径泡状定着液Fbで満たされる。
その後、複写機100本体のシーケンスを制御している複写機本体CPU750からプリント開始信号が定着装置用CPU700にI/F通信接続部730を通じて送信されると、定着装置用CPU700は塗布ローラ駆動モータM1や加圧ローラ駆動モータM2をONにする。これにより、塗布ローラ61や加圧ローラ62が回転を開始する。
一方、ダイコータヘッド501では、シャッタ部510aがヘッド内搬送路511を遮蔽した状態でさらに、空気ポンプ300を駆動させることで、ダイコータヘッド501内の圧力が高まる。
この間に、複写機100本体ではプリント動作が行われ、二次転写ニップで中間転写ベルト91上のトナー像が転写紙Pに転写され、未定着画像を担持した転写紙Pが紙搬送ユニット28によって定着装置60へと搬送される。
ダイコータヘッド501内の圧力が高まった状態で未定着画像を担持した転写紙Pが二次転写ニップから搬送されてくると、定着装置用CPU700は、転写紙Pの先端を紙先端検知センサS1で検知し、泡状定着液Fを塗布するタイミングを見計らって、ダイコータヘッド501のヘッド内搬送路511が外部と連通するようにシャッタ回転モータM5を駆動させる。ヘッド内搬送路511を外部と連通することで、ダイコータヘッド501から塗布ローラ61への小径泡状定着液Fbの供給が開始される。この供給動作の開始と共に、定着装置用CPU700は、複写機本体CPU750から指示される線速と転写紙Pの用紙サイズとの情報に基づいて、用紙サイズと線速とに応じて塗布長をタイマー710にセットする。
塗布長をタイマー710にセットした後、定着装置用CPU700が備えるメモリ711内に予め入力された、塗布長に応じたシャッタ開放タイマー設定時間と実行タイマーのカウント値を比較する。そして、シャッタ開放タイマー設定時間と実行タイマーのカウント値が一致するまでダイコータヘッド501から塗布ローラ61上への小径泡状定着液Fbの供給を行う。このようにして小径泡状定着液Fbが供給された塗布ローラ61の表面と未定着画像を担持した転写紙Pとが塗布ニップNを通過することで、転写紙P上の未定着画像への小径泡状定着液Fbの塗布が成される。
転写紙Pへの小径泡状定着液Fbの塗布が成された後、加圧ローラ62からの加圧で定着液は未定着画像を形成するトナー層Tの下層、さらに転写紙Pの奥まで浸透し、転写紙Pの紙の繊維と定着液で軟化したトナー内の樹脂とが絡み定着が終了する。その後、複写機100の排紙ローラ35から排紙トレイ10へと印刷物として排紙される。
このような一連の定着動作を行っている間、定着装置用CPU700は、接触型泡溜り検知センサ400の電流検知部430から発せられる泡溜り検知信号を定期的に確認する。泡溜り検知信号がHレベルであり、定着装置用CPU700が「泡溜り無し」と検出すると上述した定着動作を継続する。一方、泡溜り検知信号がLレベルであり、「泡溜り有り」と検出すると定着装置用CPU700は、複写機本体CPU750に対し、泡溜りが発生していることをI/F通信接続部730を通じて知らせる。
泡溜りが発生していることの知らせを受けた複写機本体CPU750は、給紙カセット42に配置された送出ローラ43及び分離ローラ45の駆動源である給紙モータM6に接続された給紙クラッチ470をOFFにする。これにより、給紙装置40からプリンタ部1への転写紙Pの給紙が停止する。その後、給紙路44から定着装置60までの間の搬送路内に残っている転写紙Pの全てに対する画像形成及び定着が終了するまで、プリント動作及び定着動作が実行される。
泡溜りが発生していることの知らせを受けたときに複写機100本体が大量のプリントジョブを有している場合、複写機本体CPU750は、給紙クラッチ470をOFFにし、搬送路内に残っている転写紙Pの全てに対する画像形成及び定着が終了するまで、プリント動作及び定着動作を実行する。
その後、定着装置用CPU700は泡溜り除去動作を実行する。泡溜り除去動作としては、ダイコータヘッド501のヘッド内搬送路511が遮蔽されるようにシャッタ回転モータM5の駆動を制御し、「泡溜り無し」と検出するまで塗布ローラ駆動モータM1及び加圧ローラ駆動モータM2を駆動し続ける。
塗布ローラ駆動モータM1及び加圧ローラ駆動モータM2を駆動することで、塗布ローラ61及び加圧ローラ62を回転させ、泡溜りFcを形成する泡状定着液Fを徐々に塗布ニップNの出口側に送る。塗布ニップNの出口側に送った泡状定着液Fは、塗布ローラクリーニングブレード63や加圧ローラクリーニングブレード64によって回収する。これにより、塗布ニップNの入口側に形成された泡溜りFcの除去が成される。
このような泡溜り除去動作を実行するときには、泡溜りFcを形成する泡状定着液Fを、塗布ローラ61と加圧ローラ62との回転によってさらに早く塗布ニップNの出口側に送るために、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の回転速度を速める等の工夫を行っても良い。
各クリーニングブレード(63、64)で回収された定着液は、各回収タンク(63a、64b)に回収され、オペレータの手によって処分される。定着装置60が、定着液のリサイクル系を有する構成であれば、回収された定着液はリサイクル系を介して泡状定着液生成部500に戻される。
泡溜り除去動作を実行して「泡溜り無し」と検出すると、定着装置用CPU700は複写機本体CPU750に対し、泡溜りが無くなったことをI/F通信接続部730を通じて知らせる。泡溜りが無くなったことの知らせを受けた複写機本体CPU750は、給紙クラッチ470の稼動をONにし、通常のプリント動作を再開する。
上述した泡溜り除去動作を実行している間は、複写機100本体では給紙が行われないことから、オペレータは故障の可能性を意識し、不安に駆られる可能性がある。そこで、複写機本体CPU750は、上述した泡溜り除去動作を実行している間には、オペレーションパネル751やパーソナルコンピュータのモニタを通じて現在、複写機100本体は泡溜り除去中であることをアナウンスし、オペレータに不安を与えないようにする。この時のアナウンスの表示内容は泡溜り除去中と具体的作業名ではなく、メンテナンス中などの表示でも良い。
プリントジョブが終了した時点で、泡溜り検知信号を確認した結果、泡溜りが確認されない場合、定着装置用CPU700は正常動作と判断する。その後、ローラ類(61、62)に残った泡状定着液Fを全て回収できる時間(メモリ711内に設定された値とタイマー710のカウント値を比較しながら実行する)だけ、塗布ローラ駆動モータM1及び加圧ローラ駆動モータM2を駆動した後、これらのモータを停止して、一連の定着動作は終了となる。
この時、大気開放弁507をOFFにして、ダイコータヘッド501内が大気圧になるように開放した状態にし、ダイコータヘッド501の先端部ではシャッタ部510aがヘッド内搬送路511を遮蔽した状態となるように、シャッタ回転モータM5の駆動を制御する。
また、上述した定着装置用CPU700による定期的な泡溜り検知信号の確認動作は、紙間単位で実施される。泡溜り検知信号を確認した結果、泡溜り有りと検出されると、プリントジョブが終了した時点で泡溜り除去動作を実行したり、プリントジョブが多い場合などはプリントジョブの途中で複写機100本体の給紙を停止して搬送路内の転写紙Pへの作像終了を待って泡溜り除去動作を実行したりする。また、プリントジョブ終了時や複写機100の電源投入したときのイニシャライズ動作時などに泡溜り除去動作を実行してもよい。
さらに、低速や中速の複写機100のように、紙間の時間幅が十分で泡溜りの検出と泡溜り除去動作とを実施する時間が、紙間で十分に確保できる場合や、一回目の紙間で泡溜りの検出を行ない、次の紙間で泡溜り除去動作を実行できる場合があり得る。このように、複写機100のプリント動作を停止しなくても良いと判断される場合は、複写機100本体のシーケンスの簡素化のために通常プリント動作の一連の流れの中で泡溜り除去動作を実行することが望ましい。
〔実施例2〕
次に、複写機100に適用可能な本発明の特徴部を備えた定着装置60の二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)について図面を用いて説明する。図8は実施例2の定着装置60の概略説明図である。
実施例2の定着装置60は、実施例1の定着装置60が有する接触型泡溜り検知センサ400の代わりに発光素子と受光素子とを備える光学型泡溜り検知センサ450を有する構成である。図8に示すように、光学型泡溜り検知センサ450は、塗布ニップNの入口側に向けて不図示の発光素子から光を照射し、その反射光を受光素子で受光することで、受光する光量の変化によって塗布ニップNの入口側の泡溜りの有無を検出する構成である。
実施例1の接触型泡溜り検知センサ400は、樹脂やセラミックなどからなる絶縁部材440からなる上ガイド板410及び下ガイド板420のそれぞれに二つの電極部材を設け、二つの電極部材間に導通が生じたか否かによって泡溜りFcの有無を検出する構成である。この構成では、導電性液体からなる定着液が二つの電極部材に接触することで導通が生じ、泡溜りFc有りの状態を検出する。このため、定着液が電極部材に直接触れることで、電極部材の表面に定着液に含まれる成分が付着し、膜を形成することで抵抗値が増大して電極間に電流が流れづらくなることがあり、検出方式の安定性という点において問題点がある。
また、接触型の泡溜り検知センサでは、検知部材(実施例1では二つの電極部材)を泡溜りFcに接触し得る位置に配置する必要があり、泡溜り検知センサのレイアウトの自由度が狭められることとなる。
一方、実施例2の定着装置60が備える光学型泡溜り検知センサ450のように非接触型の泡溜り検知センサであれば、定着液に含まれる成分が検出部に付着することがないため、検出方式の安定性という点における問題点を解決することができる。
実施例2では非接触型の泡溜り検知センサとして、発光素子と受光素子とを備える反射型の光学型泡溜り検知センサ450を備える構成であるが、非接触型の泡溜り検知センサとしては、反射型の光学型泡溜り検知センサ450に限らず、CCDイメージセンサ等、他のセンサを用いることができる。
次に、光学型泡溜り検知センサ450による泡溜りFcの検出動作について説明する。実施例2の定着装置60では、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の表面は光が反射し難い暗い色となっている。
このため、塗布ニップNの入口側に泡溜りFcが形成されていない状態では、光学型泡溜り検知センサ450の発光素子から照射された光は、塗布ローラ61または加圧ローラ62の表面に入射して反射する。このとき、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の表面は光が反射し難い暗い色なので、受光素子に入射してくる反射光の光量は少なくなる。
一方、塗布ニップNの入口側に泡溜りFcが形成された状態では、塗布ローラ61または加圧ローラ62の表面と発光素子との間が泡溜りFcで塞がれ、発光素子から照射された光は泡溜りFcの表面に入射して反射する。このとき、泡状定着液Fは白色に近い色であるため、受光素子に入射してくる反射光の光量は多くなる。
このように泡溜りFcの有無によって受光素子に反射してくる反射光の光量が異なるため、この光量の変化によって泡溜りFcの有無を検出することが出来る。このとき、光学型泡溜り検知センサ450は、定着液に接触することなく泡溜りFcの有無を検出することができるため、定着液に含まれる成分が泡溜り検知センサに付着することに起因する問題点を抑制することが出来る。
また、実施例2の定着装置60は、塗布ローラ61に対して加圧ローラ62を接離する加圧ローラ接離機構を備え、泡溜り除去動作を実行している間は、塗布ローラ61と加圧ローラ62とを離間させる構成である。
実施例1の定着装置60では、定着装置用CPU700が「泡溜り有り」の状態を検出すると、溜り除去動作として、「泡溜り無し」の状態を検出されるまで、塗布ローラ61に対する小径泡状定着液Fbの供給を停止し、塗布ローラ61と加圧ローラ62とを回転させる。このとき、実施例1では、塗布ローラ61に加圧ローラ62を当接させたままの状態で、塗布ローラ61と加圧ローラ62とを回転させると、塗布ニップNの出口側に向かう定着液の量は塗布ニップNによって規制される。このため、泡溜りFcを形成する定着液の量が多いときには、「泡溜り無し」の状態を検出されるまでに時間がかかり、複写機100のプリント動作を停止する時間が長くなるおそれがある。
これに対して、実施例2の定着装置60は、泡溜り除去動作を実行している間は加圧ローラ62を離間させるため、塗布ニップNの出口側に向かう定着液の量が塗布ニップNによって規制されることを軽減し、泡溜り除去動作を行う時間の短縮を図ることができる。これにより、複写機100のプリント動作を停止する時間が長くなることを抑制することができる。
図9及び図10は、加圧ローラ接離機構の説明図であり、図9は斜視説明図、図10は側方説明図である。図9及び図10に示すように、実施例2では、加圧ローラ接離用カム80、カム駆動用モータM7、モータギヤ84、カム回動ギヤ82およびシャフト81等により加圧ローラ接離機構を構成する。この加圧ローラ接離機構では、定着装置用CPU700がカム駆動用モータM7の駆動を制御し、モータギヤ84を図中矢印G方向に回動させることにより、カム回動ギヤ82およびシャフト81を介して駆動が伝達され、加圧ローラ接離用カム80が図中の矢印H方向に回動する。
図10に示すように、加圧ローラ接離用カム80は、円盤状の部材の円周上の二箇所に凹み部を設けた形状である。二箇所の凹み部は、シャフト81の回転中心からの距離が異なり、二箇所の凹み部のうち、回転中心から距離が遠い方の凹み部が加圧位置80aであり、回転中心から距離が近い方の凹み部が離間位置80bである。
加圧ローラ接離用カム80が図中の矢印Hで示すように回動することで、加圧ローラ62の軸受621の嵌合する位置が変化する。そして、軸受621が加圧位置80aに嵌合することで、加圧ローラ62が塗布ローラ61に対して当接し、軸受621が離間位置80bに嵌合することで、加圧ローラ62が塗布ローラ61から離間する。
また、シャフト81にはカム位置検出用フィラ83が固定されており、シャフト81の回動に合わせてカム位置検出用フィラ83の回動方向の位置が変化する。このため、カム位置検出センサS3がカム位置検出用フィラ83の回動方向の位置を検出することで、加圧ローラ接離用カム80の回動方向の位置を検出することが出来る。
従来、定着ローラと加圧ローラとを有する定着装置として、加圧ローラの定着ローラに対する加圧を解除する加圧ローラ接離機構を備えたものが知られている。このような構成の従来の定着装置では、定着ニップでジャムが発生した場合、加圧ローラの加圧を解除した後、オペレータが定着ニップを形成するローラ対に挟まれた転写紙を引くことでジャム処理ができるようになっている。そして、このようなジャム処理が行われるときには、オペレータの安全確保のため、定着ニップを形成するローラの回転駆動は実施されない。
一方、実施例2の定着装置60では、定着装置用CPU700が「泡溜り有り」の状態を検出すると、加圧ローラ接離機構によって加圧ローラ62を塗布ローラ61に対して離間または圧力解除を行い、その後、塗布ローラ61と加圧ローラ62とを積極的に回転させる。これにより、塗布ニップNの入口側の泡溜りFcを形成する泡状定着液Fを、短時間で塗布ニップNの出口側に送り出すことが出来る。塗布ニップNの出口側に送った泡状定着液Fは、塗布ローラクリーニングブレード63や加圧ローラクリーニングブレード64によって回収する。これにより、塗布ニップNの入口側に形成された泡溜りFcの除去が成される。
図11は、実施例2の定着装置60が備える制御回路を説明するブロック図である。
実施例2の定着装置60は、泡溜り検知センサが非接触型である点と、泡溜り除去動作を実行している間は、塗布ローラ61から加圧ローラ62を離間させる点とで実施例1と異なるが、他の構成は同様である。
複写機100の電源がONされた後の通常の作像動作で、転写紙P上に画像形成され、複写機100の排紙ローラ35から排紙トレイ10へと印刷物として排紙されるまでの工程は、図7を用いて説明した実施例1と同様であるため説明を省略する。
複写機100で通常の作像が行われ、定着装置60で一連の定着動作を行っている間、定着装置用CPU700は、光学型泡溜り検知センサ450から発せられる泡溜り検知信号を定期的に確認する。上述したように、泡溜りFcの有無によって受光素子に反射してくる反射光の光量が異なり、この受光素子に入力した光量に基づいた信号が泡溜り検知信号として、定着装置用CPU700のA/D端子に入力する。実施例2の定着装置用CPU700では、A/D端子から入力してくる泡溜り検知信号に基づいて、受光素子に入力した光量が所定量以下であることを検出している間は「泡溜り無し」の状態を検出し、受光素子に入力した光量が所定量よりも多くなったことを検出すると、「泡溜り有り」の状態を検出する。
定着装置用CPU700は、「泡溜り有り」を検出すると複写機本体CPU750に対し、泡溜りが発生していることをI/F通信接続部730を通じて知らせる。
泡溜りが発生していることの知らせを受けた複写機本体CPU750は、給紙カセット42に配置された送出ローラ43及び分離ローラ45の駆動源である給紙モータM6に接続された給紙クラッチ470をOFFにする。これにより、給紙装置40からプリンタ部1への転写紙Pの給紙が停止する。その後、給紙路44から定着装置60までの間の搬送路内に残っている転写紙Pの全てに対する画像形成及び定着が終了するまで、プリント動作及び定着動作が実行される。
一方、「泡溜り有り」を検出した定着装置用CPU700は、カム駆動用モータM7に稼動信号を送信し、カム駆動用モータM7の駆動を開始する。このとき、カム位置検出センサS3でカム位置検出用フィラ83の位置を検出することで、加圧ローラ接離用カム80の位置の変化を確認しながら軸受621と離間位置80bとが嵌合する位置となるまでカム駆動用モータM7を駆動する。これにより、加圧ローラ62の塗布ローラ61に対する加圧が解除され、泡溜りFcを形成する泡状定着液Fが塗布ニップNの出口側に抜け易くなる。
加圧を解除した後、光学型泡溜り検知センサ450から発せられる泡溜り検知信号を確認することで、泡溜りFcの様子を監視しながら、塗布ローラ61及び加圧ローラ62を回転させ、泡溜りFcを形成する泡状定着液Fを塗布ニップNの出口側に送り出す。塗布ニップNの出口側に送った泡状定着液Fは、塗布ローラクリーニングブレード63や加圧ローラクリーニングブレード64によって回収する。
加圧ローラ62の加圧を解除するときには、泡溜りFcを形成する泡状定着液Fが塗布ニップNの出口側に抜け易くするために、塗布ローラ61との間に1[mm]程度の隙間が形成されるように加圧ローラ62が移動するようなカム形状とすることで、泡溜りFcを形成する泡状定着液Fをさらに早く塗布ニップNの出口側に送ることが可能となる。また、泡溜りFcを形成する泡状定着液Fをさらに早く塗布ニップNの出口側に送るために、泡溜り除去動作を実行している間は、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の回転速度を速めるように塗布ローラ駆動モータM1及び加圧ローラ駆動モータM2の駆動を制御してもよい。
実施例1のように泡溜り除去動作を実行している間も加圧ローラ62が塗布ローラ61に当接したままの状態では、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の回転速度を速めるときに、二つのローラの表面移動速度を同じにする必要がある。しかし、実施例2のように泡溜り除去動作を実行している間は加圧ローラ62の塗布ローラ61に対する加圧を解除する構成の場合、回転速度を速めるときに、二つのローラの表面移動速度が異なっていても良い。
定着装置用CPU700は、泡溜り除去動作を実行して「泡溜り無し」と検出すると、塗布ローラ駆動モータM1及び加圧ローラ駆動モータM2の駆動を停止し、カム駆動用モータM7に稼動信号を送信し、加圧の解除のときとは逆方向に加圧ローラ接離用カム80が回転するように、カム駆動用モータM7の駆動を開始する。このとき、カム位置検出センサS3でカム位置検出用フィラ83の位置を検出し、加圧ローラ接離用カム80の位置の変化を確認しながら軸受621と加圧位置80aとが嵌合する位置となるまでカム駆動用モータM7を駆動する。
加圧の解除のときとは逆方向に加圧ローラ接離用カム80を回転させることで、軸受621が離間位置80bに嵌合する位置から加圧位置80aに嵌合する位置となるまでの加圧ローラ接離用カム80の回転時間を短縮することができる。
加圧ローラ接離用カム80の位置が、軸受621と加圧位置80aとが嵌合する位置となると、定着装置用CPU700は泡溜り除去動作を終了し、通常の動作を行う制御に戻る。
泡 また、溜り除去動作を実行して「泡溜り無し」と検出すると、定着装置用CPU700は複写機本体CPU750に対し、泡溜りが無くなったことをI/F通信接続部730を通じて知らせる。泡溜りが無くなったことの知らせを受けた複写機本体CPU750は、給紙クラッチ470の稼動をONにし、通常のプリント動作を再開する。
実施例2でも泡溜り除去動作を実行している間には、オペレーションパネル751やパーソナルコンピュータのモニタを通じて現在、複写機100本体は泡溜り除去中であることをアナウンスする。
また、上述した定着装置用CPU700による定期的な泡溜り検知信号の確認動作も、実施例1と同様のタイミングで実施することが出来る。
また、実施例1では、線速と転写紙Pの用紙サイズとの情報に基づいて、用紙サイズと線速とに応じて塗布長をタイマー710にセットし、ダイコータヘッド501による小径泡状定着液Fbの供給時間を制御している。
しかし、塗布ニップNから転写紙Pが抜け出したことを実際に検知していないことから、ジャム発生時や泡溜り除去動作を実行するときのもマージンを必要とし、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の回転時間も用紙サイズと線速とに対応したタイマー時間が必要となり、制御プログラムの複雑化を招いていた。
このため、実施例2の定着装置60では、塗布ニップNよりも転写紙Pの搬送方向下流側に配置した紙後端検知センサS2で転写紙Pの後端が塗布ニップNを通過したことを検出する。そして、泡溜り除去動作を実行する前に搬送路内に存在する最後の転写紙Pの後端が塗布ニップNを通過したことを検出して、加圧ローラ62の加圧を解除する動作を実行する。これにより、搬送路内に存在していた転写紙Pが確実に塗布ニップNを通過したときに塗布ローラ61と加圧ローラ62との離間を行うことが出来る。このため、泡溜り除去動作を実行する直前に画像形成が成された転写紙P上の画像が乱れることを抑制することができる。特に、全面塗布を行う場合は、塗布領域の塗る量を最小限に抑えることが可能となり、紙サイズ毎に塗布時間管理用タイマー値が不要となり、制御が容易になる。
さらに、紙先端検知センサS1による検知と、紙後端検知センサS2による検知とを組み合わせることで、排紙ジャム検知センサとしての機能を持たせることができる。
実施例1及び実施例2の定着装置60では、定着液塗布部材及び対向部材としてローラ部材からなる塗布ローラ61及び加圧ローラ62を用いる構成であるが、定着液塗布部材及び対向部材としてはローラ部材に限るものではない。何れか一方、または、両方の部材として、無端移動するベルト部材を用いてもよい。
以上、本実施形態の定着装置60は、泡状定着液生成部500と塗布ローラ61とを備える。泡状定着液生成部500は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子であるトナーを軟化させる軟化剤を含有する液状定着液TLを液中に気泡が分散した泡状定着液Fとする定着液泡化手段である。塗布ローラ61は、対向部材である加圧ローラ62と当接して塗布ニップNを形成し、表面移動することによって定泡状定着液生成部500が生成した小径泡状定着液Fbを塗布ニップNに搬送し、表面に樹脂微粒子を担持する記録媒体である転写紙Pの表面に小径泡状定着液Fbを塗布ニップNで塗布する定着液塗布部材である。定着装置60では、泡状定着液Fを塗布することで軟化したトナーを転写紙Pに定着する。このような定着装置60で、塗布ニップNの入口側に泡状定着液Fが滞留した泡溜りFcが発生した状態を検出する泡溜り検出手段である泡溜り検出センサを有することにより、泡溜りFcが発生した状態を検出することができるため、泡溜りFcが発生していない状態を確認して定着動作を実行することにより、泡溜りFcが形成された状態で定着が行われることに起因する不具合の発生を抑制することができる。
また、実施例1の定着装置60では、定着液は導電性の液体であり、泡溜り検出センサは、泡溜りFcの生じる位置に配置された二つの電極部材(上側第一電極410a及び上側第二電極410b、または、上側第二電極410b及び下側第二電極420b)を有し、電極部材間に導通が生じたか否かによって泡溜りFcの有無を検出する接触型泡溜り検知センサ400である。このように、検知位置に泡溜りFcがあるときには電極部材間に導通が生じることを利用して泡溜りFcの発生を検出することが出来る。
また、実施例2の定着装置60では、泡溜り検出センサは、光学型泡溜り検知センサ450を用いた非接触センサである。非接触センサを用いることで、泡溜りFcが生じる位置から離れた位置に泡溜り検知センサを配置することができ、泡溜り検知センサの検出の安定性を確保することができる。
また、実施例1及び実施例2の定着装置60では、泡溜り検出センサの検出結果に基づいて、泡溜りFcを除去する泡溜り除去動作を実行するため、塗布ニップNの入口側に泡溜りFcが形成されることに起因する不具合の発生を抑制することが出来る。
また、実施例1の定着装置60の泡溜り除去動作は、ダイコータヘッド501から塗布ローラ61の表面への小径泡状定着液Fbの供給を停止した状態で、塗布ローラ駆動モータM1及び加圧ローラ駆動モータM2を駆動し、塗布ニップNを形成する塗布ローラ61及び加圧ローラ62を表面移動させる。この状態で、定着装置用CPU700が「泡溜り無し」と検出するまで、塗布ローラ61及び加圧ローラ62を表面移動させることで、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の表面移動のみで泡溜り除去動作を行うことができる。
また、実施例2の定着装置60の泡溜り除去動作は、加圧ローラ接離機構によって塗布ローラ61と加圧ローラ62との当接を解除し、ダイコータヘッド501から塗布ローラ61の表面への小径泡状定着液Fbの供給を停止した状態で、塗布ローラ駆動モータM1及び加圧ローラ駆動モータM2を駆動し、塗布ニップNを形成する塗布ローラ61及び加圧ローラ62を表面移動させる。この状態で、定着装置用CPU700が「泡溜り無し」と検出するまで、塗布ローラ61及び加圧ローラ62を表面移動させることで、泡溜りFcを形成する泡状定着液Fが塗布ニップNを通過しやすくなり、実施例1よりも早く泡溜りの除去を行うことが出来る。
また、実施例1及び実施例2の定着装置60において、泡溜り除去動作を実行している間は、定着動作を行っているときよりも塗布ローラ61及び加圧ローラ62の表面移動の速度を速めるように制御してもよい。これにより、泡溜りの除去のスピードアップを図ることができる。
また、実施例2の定着装置60は、塗布ローラ61が小径泡状定着液Fbを塗布する定着液塗布対象は転写紙Pであり、塗布ニップNを通過した転写紙Pの後端を検出する用紙後端検知手段である紙後端検知センサS2を有する。転写紙Pの後端を検出し、タイミングを見計らって加圧ローラ62の加圧の解除を実施することで、転写紙Pが塗布ニップNを確実に抜けたあとに、加圧の解除を行うことができる。さらに、全面塗布時の塗布領域の塗る量を最小限に抑えることが可能となり、紙サイズ毎に塗布時間管理用タイマー値を不要とし、制御が容易になる。また、紙先端検知センサS1による検知と、紙後端検知センサS2による検知とを組み合わせることで、排紙ジャム検知センサとしての機能を持たせることができる。
また、本実施形態の複写機100は、樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体である転写紙P上にトナー像を形成するトナー像形成手段であるプリンタ部1と、トナー像を担持する転写紙Pの表面に泡状定着液Fを付与し、転写紙P上にトナー像を定着せしめる定着手段とを備え、定着手段として、実施例1または実施例2の定着装置60を用いることにより、泡溜りFcが形成されることに起因する不具合の発生を抑制し、安定した定着を行うことができる。
また、本実施形態の複写機100では、泡溜り検出センサが泡溜りFcの発生を検出すると、定着装置の制御部である定着装置用CPU700は、画像形成装置本体の制御部である複写機本体CPU750に対して、泡溜りFcが検出されたことを示す信号を送信する。これにより、泡溜りFcの有無の情報を複写機本体CPU750でも共有することができる。
また、本実施形態の複写機100では、定着装置用CPU700は、複写機本体CPU750に対して、泡溜りFcが検出されたことを示す信号を送信した後、泡溜りFcが無くなったことを泡溜り検出センサによって検出すると、複写機本体CPU750に対して、泡溜りFcが無くなったことを示す信号を送信する。これにより、泡溜りFcが無くなったことを複写機本体CPU750に確実に認識させることができ、泡溜りFcが発生したことによって停止していた複写機100の動作を再開させることができる。
また、本実施形態の複写機100では、複写機本体CPU750は、泡溜りFcが検出されたことを示す信号を受信した後、泡溜りFcが無くなったことを示す信号を受信するまでの間、給紙カセット42からプリンタ部1への転写紙Pの供給を停止するため、泡溜りFcが発生した塗布ニップNに向かって新たな転写紙Pが給紙されることを防止し、泡溜り除去動作を実行することができる。
また、本実施形態の複写機100では、定着装置60の泡溜り検出センサを用いた泡溜りFcの検出動作は作像動作の紙間で実施し、泡溜り検出センサの検出結果に基づいた、泡溜りFcを除去する泡溜り除去動作は、プリンタ部1内に給紙された転写紙Pが装置外に排紙された後に実施する。このように、紙間で泡溜りFcを検出し、1ジョブ終了後に泡溜り除去動作を実行することで、泡溜り除去動作の画像形成への影響を軽減することが出来る。
また、本実施形態の複写機100では、泡溜り検出センサの検出結果に基づいた、泡溜りFcを除去する泡溜り除去動作は、所定の枚数の転写紙Pに対する画像形成が行われる毎に実施してもよい。すなわち、紙間で泡溜りFcを検出し、印刷ジョブが長時間に渡って実施されると判断された場合、泡溜り除去動作を周期的(何枚か毎に、更にはプリントジョブ終了や電源投入時のイニシャライズ動作時も含む)に実施する。これにより、泡溜りFcに起因する不具合の発生を寄り確実に防止することができる。
また、本実施形態の複写機100では、泡溜り除去動作を実行している間は、作像動作が停止していることを報知する報知手段として、オペレーションパネル751やパーソナルコンピュータのモニタを通じて現在、複写機100本体は泡溜り除去中であることをアナウンスする構成を備える。これにより、オペレータに不安を与えないようにすることができる。
1 プリンタ部
4 感光体
28 紙搬送ユニット
60 定着装置
61 塗布ローラ
62 加圧ローラ
63 塗布ローラクリーニングブレード
63a 塗布ローラ泡回収タンク
64 加圧ローラクリーニングブレード
64a 加圧ローラ泡回収タンク
70 泡状定着液塗布部
80 加圧ローラ接離用カム
90 転写ユニット
91 中間転写ベルト
100 複写機
200 定着液ボトル
300 空気ポンプ
310 泡攪拌器
400 接触型泡溜り検知センサ
430 電流検知部
450 光学型泡溜り検知センサ
500 泡状定着液生成部
501 ダイコータヘッド
700 定着装置用CPU
750 複写機本体CPU
751 オペレーションパネル
F 泡状定着液
Fa 初期泡状定着液
Fb 小径泡状定着液
Fc 泡溜り
N 塗布ニップ
P 転写紙
T トナー層
TL 液状定着液
特許第3290513号 特許第4185742号 特開昭59−119364号公報 特開2009−008967号公報

Claims (15)

  1. 樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液泡化手段と、
    対向部材と当接して塗布ニップを形成し、表面移動することによって定着液泡化手段が生成した該泡状定着液を該塗布ニップに搬送し、表面に樹脂微粒子を担持する記録媒体または樹脂微粒子担持体の表面に該泡状定着液を該塗布ニップで塗布する定着液塗布部材とを有し、
    該泡状定着液を塗布することで軟化した該樹脂微粒子を該記録媒体に定着する定着装置において、
    上記塗布ニップの入口側に上記泡状定着液が滞留した泡溜りが発生した状態を検出する泡溜り検出手段を有することを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の定着装置において、
    上記定着液は導電性の液体であり、
    上記泡溜り検出手段は、泡溜りの生じる位置に配置された二つの電極部材を有し、電極部材間に導通が生じたか否かによって泡溜りの有無を検出することを特徴と定着装置。
  3. 請求項1の定着装置において、
    上記泡溜り検出手段は、非接触センサであることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置において、
    上記泡溜り検出手段の検出結果に基づいて、上記泡溜りを除去する泡溜り除去動作を実行することを特徴とする定着装置。
  5. 請求項4の定着装置において、
    上記泡溜り除去動作は、上記定着液塗布部材の表面への上記泡状定着液の供給を停止した状態で、上記塗布ニップを形成する該定着液塗布部材及び上記対向部材を表面移動させることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項4の定着装置において、
    上記泡溜り除去動作は、上記定着液塗布部材と上記対向部材との当接を解除し、上記定着液塗布部材の表面への上記泡状定着液の供給を停止した状態で、上記塗布ニップを形成する該定着液塗布部材及び上記対向部材を表面移動させることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の定着装置において、
    上記泡溜り除去動作を実行している間は、定着動作を行っているときよりも上記定着液塗布部材及び上記対向部材の表面移動の速度を速めることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置において、
    上記定着液塗布部材が上記泡状定着液を塗布する定着液塗布対象は上記記録媒体であり、
    上記塗布ニップを通過した該記録媒体の後端を検出する用紙後端検知手段を有することを特徴とする定着装置。
  9. 樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面に泡状定着液を付与し、
    該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、
    該定着手段として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9の画像形成装置において、
    上記泡溜り検出手段が上記泡溜りの発生を検出すると、上記定着装置の制御部は、画像形成装置本体の制御部に対して、該泡溜りが検出されたことを示す信号を送信することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10の画像形成装置において、
    上記定着装置の制御部は、上記画像形成装置本体の制御部に対して、上記泡溜りが検出されたことを示す信号を送信した後、該泡溜りが無くなったことを上記泡溜り検出手段が検出すると、該画像形成装置本体の制御部に対して、該泡溜りが無くなったことを示す信号を送信することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11の画像形成装置において、
    上記画像形成装置本体の制御部は、上記泡溜りが検出されたことを示す信号を受信した後、該泡溜りが無くなったことを示す信号を受信するまでの間、上記記録媒体の上記トナー像形成手段への供給を停止することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項9乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記定着装置の上記泡溜り検出手段を用いた上記泡溜りの検出動作は作像動作の紙間で実施し、該泡溜り検出手段の検出結果に基づいた、該泡溜りを除去する泡溜り除去動作は、画像形成装置の装置本体内に給紙された上記記録媒体が装置外に排紙された後に実施することを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項9乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記泡溜り検出手段の検出結果に基づいた、上記泡溜りを除去する泡溜り除去動作は、所定の枚数の上記記録媒体に対する画像形成が行われる毎に実施することを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項9乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記泡溜り検出手段の検出結果に基づいた上記泡溜りを除去する泡溜り除去動作を実行している間は、作像動作が停止していることを報知する報知手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
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