JP2005231357A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】気泡がインク吐出ヘッドに流入するのを効果的に防止する。
【解決手段】インクタンクからインク供給路を介して供給されたインクをインク滴として吐出するインク吐出ヘッドを有するインクジェット記録装置であって、前記インク供給路に設けられ、異物を除去するためのフィルタを有するフィルタユニットと、前記フィルタユニットの前記フィルタより上流側に容積可変に形成されたフィルタ前室と、前記フィルタ前室の上部に形成された、インク中に発生した気泡を貯留する気泡トラップ部と、前記フィルタ前室の容積可変制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置を提供することにより前記課題を解決する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、インクをインク滴としてインクジェット記録ヘッド(インク吐出ヘッド)から記録媒体に向けて吐出して画像を形成するインクジェット記録装置に係り、特に、インクタンクとインク吐出ヘッドの間のインク供給路に異物を除去するためのフィルタが配置され、該フィルタの上流側に貯留された気泡がインク吐出ヘッドに流入するのを防止するようにしたインクジェット記録装置に関する。
従来より、画像記録装置として、多数のノズルを配列させたインクジェット記録ヘッド(インク吐出ヘッド)を有し、このインクジェット記録ヘッドと記録媒体を相対的に移動させながら、ノズルからインクを吐出することにより、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が知られている。
インクジェットプリンタにおけるインク吐出方法も、従来から様々な方法が知られている。例えば、圧電素子(圧電セラミック)の変形によって圧力室(インク室)の一部を構成する振動板を変形させて、圧力室の容積を変化させ、圧力室の容積増大時にインク供給路から圧力室内にインクを導入し、圧力室の容積減少時に圧力室内のインクをノズルから液滴として吐出する圧電方式や、インクを加熱して気泡を発生させ、この気泡が成長する際の膨張エネルギーでインクを吐出させるサーマルインクジェット方式などが知られている。
インクジェットプリンタのようなインク吐出ヘッドを有する画像記録装置においては、インクを貯蔵するインクタンクからインク供給路を介してインク吐出ヘッドにインクを供給し、上記様々な吐出方法でインクを吐出しているが、インクタンクからインク吐出ヘッドにインクを供給する際などに、インク中に気泡が発生する場合がある。このようにインク中に気泡が発生すると、この気泡がインク吐出ヘッド内に流入して記録画像に濃度の低下や不吐出による画像のヌケ等が発生し、記録画像の品質が低下するという問題がある。
そこで、このような気泡の発生による問題を解決するものとして、例えば従来、インクカートリッジと記録ヘッドとの間のインク供給路に配置された異物を除去するためのフィルタ部材の対向面がフィルタ部材側に変位可能な変形部材で形成され、これを作動部材で押して変形させ、フィルタ部材の有効面積を減少させることによって生ずる強いインクの流れによってフィルタ部材上流側に残留する気泡をフィルタ部材下流側に排除するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また、同様に、インクカートリッジと記録ヘッドとの間のインク供給路に配置された異物を除去するためのフィルタ部材の近傍(例えば、上流側直上)に、負圧を受けてフィルタ部材側に変形する変形部材を設け、この変形部材を変形させてフィルタ部材の上流側の残留気泡が溜まり易い空間部を閉塞して残留気泡をフィルタ部材下流側に強制的に押し出すようにして気泡を排除するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
特開2001−18414号公報 特開2001−18419号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のものでは、フィルタ部材の変形量を大きくできず、それ程フィルタ部材の有効断面積を減少させることはできない。この変形量を大きくするためには、フィルタ断面積を大きくしなければならないが、フィルタ断面積を大きくすると、インクがフィルタ部材を通過する速度が遅くなり、気泡をインクとともにフィルタ部材を通過させて排出することができないという問題がある。
また、上記特許文献2に記載のものでは、負圧を利用して変形部材を変形させているため、結局、記録ヘッドのノズル形成面をキャッピング手段により封止して、インクの固化によるノズル詰まりを防止するために吸引ポンプでインクを吸引する際の負圧を利用することとなり、任意のタイミングで気泡を除去することができないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、インクタンクとインク吐出ヘッドの間のインク供給路に設けられたフィルタの上流側に貯留する気泡がインク吐出ヘッドに流入するのを効果的に防止するようにしたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、インクタンクからインク供給路を介して供給されたインクをインク滴として吐出するインク吐出ヘッドを有するインクジェット記録装置であって、前記インク供給路に設けられ、異物を除去するためのフィルタを有するフィルタユニットと、前記フィルタユニットの前記フィルタより上流側に容積可変に形成されたフィルタ前室と、前記フィルタ前室の上部に形成された、気泡を貯留する気泡トラップ部と、前記フィルタ前室の容積可変制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
これにより、フィルタユニット部内の気泡トラップ部において気泡を貯留することのできる気泡トラップ量を増やすことができ、気泡がインク吐出ヘッドに流入するのを効果的に防止し、溜まった気泡を排出したりするメンテナンスを行う頻度を低減することができ、インクジェット記録装置の生産性を向上させることができる。
また、本発明において前記制御手段は、プリント時には前記気泡トラップ部を大きくするように前記フィルタ前室の容積を増大させ、気泡排出時には前記フィルタ前室の容積を減少させるように制御することを特徴とする。これにより、気泡除去時には気泡トラップ部を小さくすることで、気泡の混じったインクを吸引するポンプを小型化することができ、吸引して排出されるインク量も少なくすることができ、無駄インクの量を低減することができる。
また、前記インクジェット記録装置は、前記制御手段がプリント時に、前記フィルタ前室の容積を大きくした後、インク吐出量に応じて、前記フィルタ前室の容積を減少させるように制御してインクを加圧し、インク吐出ヘッドへのインク供給及びインク加圧を支援するようにしたことを特徴とする。
また、前記インクジェット記録装置は、さらに、インク吐出ヘッドのインク圧力またはインク吐出ヘッド近傍のインク圧力を測定する圧力計を備え、前記制御手段がプリント時に、前記フィルタ前室の容積を大きくした後、前記圧力計による圧力測定値に応じて、前記フィルタ前室の容積を減少させるように制御してインクを加圧し、インク吐出ヘッドへのインク供給及びインク加圧を支援するようにしたことを特徴とする。
これにより、フィルタユニットをインク中の異物の除去や気泡の除去に用いるだけでなく、インク吐出ヘッドへのインクの供給及びインク加圧をアシストするポンプの役目に用いることもでき、インク吐出ヘッドへのインクリフィルの改善及び高粘度インクの吐出性能の改善を図ることが可能となる。
また、前記インク供給路から前記フィルタユニットにインクを供給するインク導入管が前記フィルタ前室の内部にまで延在することによって前記フィルタ前室内に前記気泡トラップ部が形成されたことが好ましい。このように、インク導入管がフィルタ前室内部に入り込んだ構成とすることによって、気泡をトラップできる容量をアップさせることができる。
また、前記インクジェット記録装置は、さらに、前記気泡トラップ部内の気泡を検出する気泡検出手段を備え、前記気泡トラップ部内の気泡量が前記気泡トラップ部が貯留可能な最大気泡量に達したら、気泡排出を行うようにしたことを特徴とする。また、前記気泡検出手段は、気泡排出後、前記気泡トラップ部内に気泡が残留していないか検出することを特徴とする。
このように、気泡検出手段を備えることにより、気泡の貯留及び気泡排除を確実に、効率的に行うことができる。
以上説明したように、本発明に係るインクジェット記録装置によれば、フィルタ前室を容積可変に形成したため、気泡トラップ量を増やすことができ、気泡がインク吐出ヘッドに流入するのを効果的に防止し、溜まった気泡を排出するメンテナンスを行う頻度を低減することができ、インクジェット記録装置の生産性を向上させることが可能となる。
また、気泡除去時に、気泡トラップ部を小さくするようにした場合には、インクを吸引するポンプを小型化でき、吸引排出される無駄なインク量を低減させることがでる。
さらに、インク導入管をフィルタ前室内部に入り込んだ構成とした場合には、気泡をトラップできる容量をアップさせることができる。
以下、添付した図面に従って、本発明に係るインクジェット記録装置について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。図1に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド(インク吐出ヘッド)12K、12C、12M、12Yを有する印字部と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26とを備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向と直交方向に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
次に、印字ヘッド(液滴吐出ヘッド)について説明する。インク色毎に設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッド(液滴吐出ヘッド)を表すものとし、図2に印字ヘッド50の要部断面図を示す。
図2に示すように、本実施形態の印字ヘッド50には、インクをインク滴として吐出するノズル51に対応して、このノズル51と連通し、インクを吐出するために加圧する圧力室52が設けられている。圧力室52は、図の上方から見た平面形状が概略正方形となっており、その対角線上の両隅部に当たる部分にノズル51と(インク)供給口54が設けられている。圧力室52は、供給口54を介して共通流路55と連通されている。
圧力室52の一面(図では天面)を構成している振動板(加圧板)56の上部には、個別電極57を備えた圧電素子(アクチュエータ)58が接合されている。個別電極57に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形して圧力室52の容積が縮小されてノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると圧電素子58がもとに戻り、圧力室52の容積が元の大きさに回復し、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給されるようになっている。
本実施形態のインクジェット記録装置10におけるインク供給系の概略構成を図3に示す。図3において、インク供給タンク(インクタンク)60は、印字ヘッド50にインクを供給するための基タンクであり、図1におけるインク貯蔵/装填部14に相当する。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、図示しない補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別し、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図3に示すように、インクタンク60から印字ヘッド50にインクを供給するインク供給路62の間には、本発明の特徴をなす、インク中の異物や気泡を除去するためにフィルタユニット64が設けられている。フィルタユニット64の構成やその働きについては、後で詳しく説明する。
また、フィルタユニット64と印字ヘッド50との間のインク供給路62には、サブタンク66が設けられている。サブタンク66は、印字ヘッド50の内圧変動を防止するダンパー効果及びインクのリフィルを改善する機能を有するものである。また、フィルタユニット64の上流側及び下流側のインク供給路62には、それぞれ弁68及び弁70が設けられている。
また、印字ヘッド50に対して、ノズル51(図2参照)の乾燥防止やノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてキャップ72が設けられている。なお、図示は省略するが、この他にノズル面の清掃を行うためのクリーニングブレードが設けられており、メンテナンスユニットを形成している。これらキャップ72及びクリーニングブレード等から成るメンテナンスユニットは、図示しない移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から図3に示す印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ72は、やはり図示しない昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源オフ時や印刷待機時にキャップ72を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ72で覆う。印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態になると、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまい、このような状態になると圧電素子58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
そこで、このような状態になる前に(圧電素子58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)圧電素子58を駆動し、粘度が上昇したノズル近傍の劣化インクを排出すべくキャップ72をインク受けとして、これに向けてインクの予備吐出(パージ、つば吐き)が行われるようになっている。
また、図3に示すようにキャップ72に対して吸引ポンプ74が接続して設けられている。これは、印字ヘッド50内のインクに気泡が混入した場合、圧電素子58を駆動してもノズル51からインクを吐出させることができなくなるので、このような場合に、印字ヘッド50にキャップ72を当て、この吸引ポンプ74で気泡が混入したインクを吸引により除去するためのものである。吸引除去した回収インクは図示しない回収タンクへ送られる。この吸引動作は、初期のインクの印字ヘッド50への装填時に行われるが、長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるため、インク消費量が大きくなる。
また、フィルタユニット64に対して、フィルタユニット64内の気泡トラップ部(気泡トラップ領域)に存在する気泡を検出するための気泡検出センサ76が設けられている。気泡検出センサ76は、発光素子76aと受光素子76bが、透明に形成されたフィルタユニット64の部分を介して互いに対向するように配置して構成されており、受光素子76bの受光状態の変化に伴う出力電圧の変化によって気泡を検出するようになっている。
また、詳しくは後述するが、フィルタユニット64内には、気泡トラップ領域を有し、その容積が可変なフィルタ前室が形成されるが、気泡検出センサ76の検出結果を受けて、このフィルタ前室の容積の可変制御を行う制御手段65が設けられている。
図4に、本発明のポイントである容積可変に形成されたフィルタ前室を有するフィルタユニット64の構造を断面図で示す。図4(a)は、フィルタ前室の容積を増大させた通常プリント時の状態を示し、図4(b)は、フィルタ前室の容積を減少させた気泡排出時の状態を示す。
フィルタユニット64は、固定された下ハウジング78と、上下に移動可能な上ハウジング80とから構成され、下ハウジング78の内部にインク中の異物や気泡を除去するためのフィルタ82が設けられており、フィルタ82で仕切られた上側の上ハウジング80内部の領域がフィルタ前室84を形成している。なお、フィルタ82のメッシュサイズはノズル径と同等もしくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
上ハウジング80が移動する際の機密性を確保するために下ハウジング78及び上ハウジング80には、それぞれシール部材86a、86bが設けられている。また、フィルタ前室84の内部までインク供給路62(図3参照)からのインク導入管88が入り込んでおり、図4(a)に破線で示す、インク導入管88の周囲のフィルタ前室84上部が気泡トラップ領域85となっている。
上ハウジング80は、特にその移動手段は限定されないが、上下に移動可能であり、その移動は前述した制御手段65によって制御される。
図4(a)に矢印uで示すように、上方向に上ハウジング80が移動すると、フィルタ前室84の容積が増大し、気泡トラップ領域85も増大する。このときインク導入管88がフィルタ前室84の中まで入り込んでいるため、気泡トラップ領域85にトラップした気泡がインク導入管88のインク供給口88aを塞ぐことはなく、気泡トラップ領域88には充分な気泡をトラップすることができる。その結果、気泡の排出を行う頻度を少なくすることができインクジェット記録装置の生産性を向上させることができる。
また、前述したように、フィルタユニット64には、フィルタ前室84(気泡トラップ領域85)内の気泡を検出するための気泡検出センサ76(発光素子76a、受光素子76b)が設けられている。このとき、発光素子76aから出た光を受光素子76bで検出するため、フィルタユニット64の検出光が通過する部分(場合によってはインク導入管88も含めて)は透明な部材で形成する必要がある。
フィルタ前室84内に気泡が存在しない場合には、発光素子76aからの光がフィルタ前室84内のインクによって遮られ、受光素子76bによって検出されない。しかし、フィルタ前室84内に気泡が存在すると、この気泡を通して発光素子76aの光が受光素子76bに到達する。そのため受光素子76bの出力電圧が変化し、この電圧変化によって気泡が検出される。
気泡検出センサ76(発光素子76a、受光素子76b)は、下ハウジング78の端部の少し上側の気泡トラップ領域85の下端部分の気泡を検出できる位置で、フィルタユニット64の外側に固定して設置されている。図4(a)に示すように、上ハウジング80を上方に移動して、フィルタ前室84(同じことであるが気泡トラップ領域85)を増大させた状態で、気泡トラップ領域85が貯留可能な最大気泡量である気泡トラップ領域85の下端まで気泡が溜まってきたことが気泡検出センサ76によって検出されると、この検出結果は制御手段65に送られ、制御手段65によって(例えば、プリント中であればプリントを中断して)上ハウジング80を下に移動し、フィルタ前室84の容積を減少させて気泡排出が行われる。
気泡排出時には、フィルタユニット64の上流側の弁68は閉じておくとともに、下流側の弁70は開いておく(図3参照)。図4(b)に矢印dで示すように、制御手段65により上ハウジング80が下へ移動して、フィルタ前室84の容積を減少させる。その結果、気泡トラップ領域85も減少する。その後、弁68を開放する。そして、印字ヘッド50にキャップ72を当て吸引ポンプ74で、弁68より下流側のインクを、図4(b)に矢印で示すように気泡とともに吸引することにより気泡を除去する。
このとき、弁68を閉じて、フィルタ前室84の容積を減少させることにより、インクを加圧しているため、吸引ポンプ74の負担を軽減することができる。気泡排出時には、図4(b)に示すように、気泡トラップ領域85の上端部が気泡検出センサ76の位置にあるため、気泡排出後、気泡トラップ領域85の上部に気泡が残留していないか気泡検出センサ76で検出する。
フィルタユニット64の構成は、このような図4に示すようなシリンダ型には限定されず、フィルタ前室84の容積を可変にできるものであればよい。例えば、図5に示すように、フィルタユニット90のハウジング93のフィルタ82より上部を蛇腹94で形成し、この上端を偏芯カム96で押してフィルタ前室92の容積を可変にするような構造にしてもよい。
このとき、偏芯カム96が回転軸97の回りに回転し、図5(a)に示すように回転軸97の下側が小さくなった場合には蛇腹94が伸びてフィルタ前室92の容積は増大し、図5(b)に示すように回転軸97の下側が大きくなった場合には蛇腹94が縮んでフィルタ前室92の容積は減少するようになっている。
以下、本実施形態の作用として、気泡排出時の動作とインク充填時の動作について説明する。
まず、気泡排出時の動作を図6のフローチャートに沿って説明する。図6のステップS100において、気泡検出センサ76により気泡の検出を行う。印刷(プリント)時には、図4(a)に示したようにフィルタ前室84を大きくして、気泡トラップ領域85を大きくし、気泡をトラップできる領域を大きく確保しておく。フィルタ82でトラップされた気泡は浮力でフィルタ前室84上部の気泡トラップ領域85に溜まる。このとき前述したように、インク導入管88がフィルタ前室84の内部まで入り込んでいるため、気泡がインク導入管88のインク供給口88aを塞ぐことがないため、トラップできる気泡量が増大する。気泡検出センサ76が、気泡トラップ領域85が貯留可能な最大気泡量である、気泡トラップ領域85の下端部にまで気泡が溜まったことを検出した場合、印刷中であれば印刷を中止して気泡排出動作に移る。
ステップS102において、フィルタユニット64に対し上流側の弁68を閉じて、下流側の弁70を開く。次にステップS104において、制御手段65により上ハウジング80を下方向(圧縮方向)に移動させてフィルタ前室84の容積を減少させる。
ステップS106において、上流側の弁68を開き、次のステップS108において、印字ヘッド50にキャップ72を当てて、吸引ポンプ74を駆動して、フィルタ前室84の気泡トラップ領域85に貯留された気泡をインクとともに吸引する。次にステップS110において、気泡検出センサ76でフィルタ前室84内に気泡が残留していないか検出し、まだ気泡が残留している場合には、ステップS108に戻り再度吸引ポンプ74で吸引する。
また、残留気泡が存在しない場合には、次のステップS112で一定時間経過するまで待ち、ステップS114において吸引ポンプ74による吸引を中止する。次にステップS116において、フィルタ前室84に対し下流側の弁70を閉じる。そしてステップS118において、制御手段65により上ハウジング80を上方向(拡張方向)に移動させ、フィルタ前室84の容積を増加させる。これによりインクがインク導入管88を介してインクタンク60よりフィルタユニット64に導入されるとともに、気泡トラップ領域85が大きく確保される。
次にステップS120において、フィルタユニット64より下流側の弁70を開き、ステップS122において印刷を再開する。このように本実施例においては、気泡トラップ領域85を大きく確保することができるため、トラップできる気泡量が増大し、気泡排出のための吸引頻度を低減することができ、これによりインクジェット記録装置10の生産性が向上する。
また、気泡排出時に、フィルタ前室84の天井とフィルタ82を接触させなくとも、吸引ポンプ74により弱い吸引力を掛けるだけで気泡(空気層)はフィルタ82を通過できるため、吸引ポンプ74を小型化することができ、さらに、気泡とともに排出されるインクの量も低減することができる。
次にインク充填時の動作を図7のフローチャートに沿って説明する。まず、図7のステップS200において、フィルタユニット64に対して上流側の弁68を閉じて、下流側の弁70を開き、ステップS202において、上ハウジング80を下方向(圧縮方向)に移動してフィルタ前室84の容積を減少させる。
ステップS204において、フィルタユニット64の上流側の弁68を開き、次のステップS206において印字ヘッド50にキャップ72を当てて吸引ポンプ74を駆動してインクをインクタンク60から印字ヘッド50に充填させる。
ステップS208において、フィルタユニット64の下流側の弁70を閉じて、次のステップS210において、制御手段65により上ハウジング80を上方向(拡張方向)に移動させて、フィルタ前室84の容積を増加させる。フィルタ前室84の容積増加に伴ってフィルタユニット64内にインクが充填される。
その後、ステップS212において、フィルタユニット64の下流側の弁70を開き、ステップS214において、印刷可能状態とする。
次に、本実施形態におけるインクジェット記録装置10のインク供給系の他の構成例について説明する。これは、フィルタユニットのポンプとしての働きを利用することにより、インクを加圧して、インクリフィルの改善や、特に高粘度インクの吐出性能を改善するようにするものである。
図8に、他の実施例に係るインク供給系の概略構成を示す。図8に示すインク供給系が図3に示したインク供給系と異なるのは、インクを加圧するために、フィルタユニットを印字ヘッドの直上近傍に配置した点である。また、フィルタユニットの制御のために、圧力計や位置センサが設けられている。
すなわち、図8において、インクタンク160は、印字ヘッド150にインクを供給するための基タンクであり、図1におけるインク貯蔵/装填部14に相当する。インクタンク160から印字ヘッド150にインクを供給するインク供給路162には、サブタンク166が設けられ、サブタンク166と印字ヘッド150の間にフィルタユニット164が設置されている。フィルタユニット164の上流側(フィルタユニット164とサブタンク166の間)には上流弁168が設けられ、フィルタユニット164の下流側(フィルタユニット164と印字ヘッド150の間)には下流弁170が設けられている。
フィルタユニット164の構造は、前述した図4に示すものと同様であり、固定された下ハウジング178と、上下移動可能な上ハウジング180及びインク中の異物や気泡を除去するためのフィルタ182から構成されている。フィルタ182の上側の上ハウジング180内にはフィルタ前室184が形成され、フィルタ前室184内にまでインク導入管188が入り込み、フィルタ前室184の上部が気泡をトラップする気泡トラップ領域185となっている。
印字ヘッド150に対して、ノズル(図示省略)の乾燥防止等のためにキャップ172が設けられ、インクを吸引するための吸引ポンプ174が設置されている。また、フィルタユニット164には、フィルタ前室184(気泡トラップ領域85)内の気泡を検出するための、発光素子176aと受光素子176bの一対からなる気泡検出センサ176が設けられている。
本実施例においては、以上の構成に加えて、印字ヘッド150近傍のインク圧力を検出するための圧力計100が設けられている。また、圧力計100の直近には大気開放弁102が設けられている。さらに、フィルタ前室184の容積をチェックするために、移動可能な上ハウジング180の位置を検出するための位置検出センサ104がフィルタユニット164近傍に設けられている。また、気泡検出センサ176、圧力計100及び位置検出センサ104等の検出結果に基づいて、上ハウジング180を移動してフィルタ前室184の容積の可変制御を行う制御手段165がフィルタユニット164近傍に設置されている。
以下、本実施例の作用として、インク吐出時及び気泡排出時の動作について説明する。
なお、待機時においては、図4(a)に示すと同様に、上ハウジング180を上方向に移動してフィルタ前室184の容積を大きくした状態で待機する。
まず、インク吐出時の作用について図9〜図11のフローチャートに沿って説明する。
図9のステップS300において、上流弁168を閉じて、次のステップS302においてインクを吐出する。ステップS304において位置検出センサ104により上ハウジング180の位置を検出することによりフィルタ前室184の位置(容積)をチェックする。その結果、上ハウジング180の位置が、すでに下方へ移動しており、これ以上下方へ移動しては、気泡トラップ領域が少なくなり気泡をトラップできないか、それ以上下へ移動できない等のNGの場合には、ステップS320へ飛んで、インク吐出を一時停止して、リセットモード1の処理を実行する。
位置検出の結果が良いOKの場合には、次のステップS306において、気泡検出センサ176によりフィルタ前室184内の気泡の検出を行う。気泡が検出されたNGの場合には、ステップS330へ飛んで、インク吐出を一時停止して、リセットモード2の処理を実行する。
また、気泡が検出されないOKの場合には、次のステップS308において、制御手段165により上ハウジング180を下方へ移動してフィルタ前室184の容積を減少させる。このとき、制御手段165は、圧力計100により印字ヘッド150付近のインク圧力を検出し、このインク吐出量に対応する検出されたインク圧力に応じて上ハウジング180の下方への移動を制御する。このようにフィルタ前室184を圧縮することによりインクが加圧されてインクの吐出がアシストされる。これにより、特に高粘度のインクの場合に、インク吐出性能が改善される。
なお、このとき圧力計100で印字ヘッド150近傍のインク圧力を検出する代わりに、印字データからインクの吐出量を算出し、時間あたりのインクの吐出量が閾値を越えた場合、吐出量分だけ上ハウジング180を下方に移動するようにしてもよい。
次のステップS310において、印字データの有無を検出する。まだ印字データがある場合には、ステップS302に戻り、インク吐出を行い、この印字データを印字する。
印字データがない場合には、次のステップS312において、インク吐出を終了する。そして一定時間が経過したら、次のステップS320において、リセットモード1を実行する。リセットモード1の実行後、ステップS314へ進み、待機モードに入り、処理を終了する。
リセットモード1の処理を図10のフローチャートに示す。リセットモード1においては、まず図10のステップS321において、印字ヘッド150を退避させ、印字ヘッド150にキャップ172を当てる。
ステップS322において、上流弁168を開き、下流弁170を閉じて、次のステップS323において制御手段165により、上ハウジング180を上方へ移動し、フィルタ前室184の容積を増加させる。この移動量は、パルスモータのパルス数をカウントしておき、それを初期状態にしてもよい。また、別途スタートセンサを用意し、その位置に戻してもよい。
ステップS324において、上流弁168を閉じ、下流弁170を開き、ステップS325において、印字ヘッド150に当てたキャップ172をオープンし、印字ヘッド150を印刷位置へ移動する。そしてステップS326において印刷を再開する。以上が、リセットモード1の処理である。
また、リセットモード2の処理を図11のフローチャートに示す。リセットモード2においては、まず図11のステップS331において、印字ヘッド150を退避し、印字ヘッド150のノズル面にキャップ172を対向させる。次のステップS332において、下流弁170を開き、ステップS333において、制御手段165により上ハウジング180を下方に移動して、フィルタ前室184の容積を減少させて、インクを加圧するとともに、気泡トラップ領域を減少させて、吸引ポンプ174のインク吸引による気泡排出を支援するようにする。
次にステップS334において、印字ヘッド150にキャップ172を当て、ステップS335で、上流弁168を開き、ステップS336で、吸引ポンプ174で気泡を含むインクを吸引する。次にステップS337において、気泡検出センサ176により、フィルタ前室184内に気泡が残留していないか確認する。このときもし気泡が残留していたら、吸引ポンプ174によりさらに気泡を含むインクの吸引を行い残留気泡がなくなるようにする。
ステップS338で、一定時間が経過するまで待ち、次のステップS339において、吸引ポンプ174の駆動を停止する。ステップS340において、下流弁170を閉じ、次のステップS341において、制御手段165により上ハウジング180を上方へ移動してフィルタ前室184の容積を増加させる。これにより、フィルタユニット164内にインクが充填される。
そして、ステップS342において、上流弁168を閉じ、下流弁170を開いて、次のステップS343において、印字ヘッド150のキャップ172をオープンして、印字ヘッド150を印刷位置に移動し、ステップS344において、印刷を再開する。以上が、リセットモード2の処理である。
次に、この実施例における気泡排出時の処理について図12のフローチャートに沿って説明する。図12のフローチャートのステップS422までは、前述した図11のフローチャートのステップS331からステップS342までと同様である。
すなわち、まず図12のステップS400において、印字ヘッド150を退避し、印字ヘッド150のノズル面にキャップ172を対向させる。次のステップS402において、下流弁170を開き、ステップS404において、制御手段165により上ハウジング180を下方に移動して、フィルタ前室184の容積を減少させて、インクを加圧するとともに、気泡トラップ領域を減少させて、吸引ポンプ174のインク吸引による気泡排出を支援するようにする。
次にステップS406において、印字ヘッド150にキャップ172を当て、ステップS408で、上流弁168を開き、ステップS410で、吸引ポンプ174で気泡を含むインクを吸引する。次にステップS412において、気泡検出センサ176により、フィルタ前室184内に気泡が残留していないか確認する。このときもし気泡が残留していたら、吸引ポンプ174によりさらに気泡を含むインクの吸引を行い残留気泡がなくなるようにする。
ステップS414で、一定時間が経過するまで待ち、次のステップS416において、吸引ポンプ174の駆動を停止する。ステップS418において、下流弁170を閉じ、次のステップS420において、制御手段165により上ハウジング180を上方へ移動してフィルタ前室184の容積を増加させる。これにより、フィルタユニット164内にインクが充填される。
そして、ステップS422において、上流弁168を閉じ、下流弁170を開き、ステップS424において、印刷可能状態へと移行する。
このように、本実施例によれば、フィルタ前室の容積を可変とすることにより、インクの加圧をアシストすることで、インクリフィルの改善やインク吐出を支援することができ、特に高粘度インクの吐出性能を改善することが可能となる。
以上、本発明のインクジェット記録装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。 印字ヘッドの要部を示す断面図である。 本実施形態のインクジェット記録装置におけるインク供給系の概略構成を示す構成図である。 本実施形態におけるフィルタユニットの概略構成を示す断面図であり、(a)はフィルタ前室容積増大時、(b)はフィルタ前室容積減少時を示す。 フィルタユニットの他の例を示す断面図であり、(a)はフィルタ前室容積増大時、(b)はフィルタ前室容積減少時を示す。 本実施形態における気泡排出時の動作を示すフローチャートである。 本実施形態におけるインク充填時の動作を示すフローチャートである。 インクジェット記録装置の他の実施例におけるインク供給系の概略構成を示す構成図である。 他の実施例におけるインク吐出時の動作を示すフローチャートである。 図9におけるリセットモード1の処理を示すフローチャートである。 図9におけるリセットモード2の処理を示すフローチャートである。 他の実施例における気泡排出時の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…印字部、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、18…給紙部、20…デカール部、22…吸着ベルト搬送部、24…印字検出部、26…排紙部、28…カッター、30…加熱ドラム、31、32…ローラー、33…ベルト、34…吸着チャンバー、35…ファン、36…ベルト清掃部、40…加熱ファン、42…後乾燥部、44…加熱・加圧部、45…加圧ローラー、48…カッター、50…印字ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、54…供給口、55…共通流路、56…振動板、58…圧電素子、60…インクタンク、62…インク供給路、64…フィルタユニット、66…サブタンク、68、70…弁、72…キャップ、74…吸引ポンプ、76…気泡検出センサ、78…下ハウジング、80…上ハウジング、82…フィルタ、84…フィルタ前室、85…気泡トラップ領域、86a、86b…シール部材、88…インク導入管

Claims (7)

  1. インクタンクからインク供給路を介して供給されたインクをインク滴として吐出するインク吐出ヘッドを有するインクジェット記録装置であって、
    前記インク供給路に設けられ、異物を除去するためのフィルタを有するフィルタユニットと、
    前記フィルタユニットの前記フィルタより上流側に容積可変に形成されたフィルタ前室と、
    前記フィルタ前室の上部に形成された、インク中に発生した気泡を貯留する気泡トラップ部と、
    前記フィルタ前室の容積可変制御を行う制御手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御手段は、プリント時には前記気泡トラップ部を大きくするように前記フィルタ前室の容積を増大させ、気泡排出時には前記フィルタ前室の容積を減少させるように制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御手段がプリント時に、前記フィルタ前室の容積を大きくした後、インク吐出量に応じて、前記フィルタ前室の容積を減少させるように制御してインクを加圧し、インク吐出ヘッドへのインク供給及びインク加圧を支援するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 請求項1または2に記載のインクジェット記録装置であって、さらに、インク吐出ヘッドのインク圧力またはインク吐出ヘッド近傍のインク圧力を測定する圧力計を備え、前記制御手段がプリント時に、前記フィルタ前室の容積を大きくした後、前記圧力計による圧力測定値に応じて、前記フィルタ前室の容積を減少させるように制御してインクを加圧し、インク吐出ヘッドへのインク供給及びインク加圧を支援するようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 前記インク供給路から前記フィルタユニットにインクを供給するインク導入管が前記フィルタ前室の内部にまで延在することによって前記フィルタ前室内に前記気泡トラップ部が形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置であって、さらに、前記気泡トラップ部内の気泡を検出する気泡検出手段を備え、前記気泡トラップ部内の気泡量が前記気泡トラップ部が貯留可能な最大気泡量に達したら、気泡排出を行うようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 前記気泡検出手段は、気泡排出後、前記気泡トラップ部内に気泡が残留していないか検出することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
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