JP2009056604A - 液滴噴射装置 - Google Patents

液滴噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009056604A
JP2009056604A JP2007223358A JP2007223358A JP2009056604A JP 2009056604 A JP2009056604 A JP 2009056604A JP 2007223358 A JP2007223358 A JP 2007223358A JP 2007223358 A JP2007223358 A JP 2007223358A JP 2009056604 A JP2009056604 A JP 2009056604A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
liquid
flow path
suction
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007223358A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5045311B2 (ja
Inventor
Shiro Nakazawa
史朗 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2007223358A priority Critical patent/JP5045311B2/ja
Publication of JP2009056604A publication Critical patent/JP2009056604A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5045311B2 publication Critical patent/JP5045311B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】液滴噴射ヘッドに液体を供給する液体供給流路内に存在する気泡を、液滴噴射ヘッドのノズルから排出する際に、迅速にノズルから気泡を排出し、気泡の排出にともなってノズルから排出される液体の量を減らす。
【解決手段】プリンタは、液滴を噴射するノズルを有するインクジェットヘッド3と、インクジェットヘッド3にインクを供給するサブタンク4と、サブタンク4内の気泡をインクとともにノズルから吸引する吸引ポンプとを備えている。さらに、サブタンク4内の鉛直流路61には、気体捕捉板72が配置されている。気体捕捉板72は、鉛直流路61の上端部から下端部に移動することで、気体捕捉板72の下面に捕捉された気体をノズルに向けて移動させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液滴を噴射する液滴噴射装置に関する。
従来から、液滴を噴射する液滴噴射装置として、ノズルからインクの液滴を印刷用紙などの被記録媒体に対して噴射することにより、印刷用紙に文字や画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。一般的なインクジェット記録装置は、複数のノズルを有するインクジェットヘッド(液滴噴射ヘッド)と、インクを貯留するとともにインクジェットヘッドに接続されるインクカートリッジとを備えている。そして、インクジェットヘッドの複数のノズルからインクの液滴が噴射されることによりインクが消費されると、インクカートリッジからインクジェットヘッドに対してインクが供給される。
ところで、インクジェットヘッドとインクカートリッジとを接続する流路(液体供給流路)においては、インクカートリッジの交換などの要因によって外部から気泡が混入することがある。このような液体供給流路に混入した気泡が、インクとともにインクジェットヘッドへ流れていくと、ノズルでのインクの噴射不良を引き起こす虞がある。そこで、従来から、インクジェットヘッドのノズルから吸引ポンプなどによってインクを吸引することにより、インクジェットヘッドの上流側の液体供給流路内に存在する気泡を、インクとともにノズルから排出するように構成されたものが提案されている。
例えば、特許文献1のインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッドとインクカートリッジとを接続する液体供給流路の途中に、インクの圧力変動を吸収するためのダンパ室が設けられている。そして、このダンパ室にある程度の気泡が溜まったときに、吸引ポンプによりノズルからインクの吸引を行って、インクジェットヘッドの上流側に位置するダンパ室の気泡を、ノズルから排出するように構成されている。
特開2005−199600号公報
しかし、前述した特許文献1のインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッドよりもさらに上流側に位置するダンパ室内の気泡を、インクジェットヘッドのノズルから排出するためには、かなり強い吸引力で吸引しなくてはならず、この気泡とともにノズルから排出されるインクの量がかなり多くなってしまうという問題がある。
本発明の目的は、液滴噴射ヘッドに液体を供給する液体供給流路内に存在する気泡を、液滴噴射ヘッドのノズルから排出する際に、迅速にノズルから気泡を排出し、気泡の排出にともなってノズルから排出される液体の量を減らすことが可能な液滴噴射装置を提供することである。
本発明の液滴噴射装置は、液滴を噴射するノズルを有する液滴噴射ヘッドと、前記液滴噴射ヘッドに液体を供給する液体供給流路と、前記液体供給流路内の液体を前記液滴吐出ヘッドの前記ノズルから吸引する吸引手段と、前記吸引手段の吸引動作時に、前記液体供給流路内の気体を捕捉して、捕捉した気体を下流側の前記ノズルに向けて移動させる気体移送手段と、を備えている。
本発明の液滴噴射装置によると、吸引手段により液体供給流路内の液体がノズルから吸引されたときに、気体移送手段は液体供給流路内の気泡を捕捉した状態で、ノズル側へ移動している。これにより、気泡をノズル側へ移動させることができるため、吸引手段による吸引だけで気泡を排出する場合に比べて、迅速にノズルから気泡を排出することができ、気泡の排出にともなってノズルから排出される液体の量を減らすことができる。
また、前記気体移送手段は、前記液体供給流路内においてその流路延在方向に移動可能に配設されて、前記液体供給流路内の気体を捕捉する気体捕捉部材と、前記気体捕捉部材を前記流路延在方向に移動させる駆動手段とを備え、前記気体捕捉部材自身、または、前記気体捕捉部材と前記液体供給流路の内壁面との間に、前記気体捕捉部材が前記流路延在方向に移動したときに液体が通過可能な液体通路が形成されていることが好ましい。この構成によれば、気泡を捕捉した状態の気体捕捉部材を、駆動手段により流路延在方向に移動させることで、液体通路から液体は上流側に逃がしつつ、気泡だけを気体捕捉部材に捕捉したまま下流側に移送することができる。
さらに、前記気体捕捉部材の下流側の面は、その中央から外周に向かうほど、前記流路延在方向と直交する平面に対して下流側に傾斜していることが好ましい。この構成によれば、気体捕捉部材の下流側の面が半球状もしくはすり鉢状などのように、その中央から外周に向かうほど、流路延在方向と直交する平面に対して下流側に傾斜しているため、気泡が浮力によって気体捕捉部材の中央に誘導されて集まりやすくなり、気体捕捉部材による気泡の捕捉が確実になる。つまり、気体捕捉部材の姿勢が、多少ぶれても、捕捉された気泡が逃げにくい。
また、前記気体捕捉部材の前記流路延在方向における投影面積が、前記液体供給流路の前記流路延在方向と直交する平面における断面積よりも小さく、前記気体捕捉部材の外周面と前記液体供給流路の内壁面との間に、前記液体通路が形成されていることが好ましい。この構成によれば、気体捕捉部材の外形を液体供給流路の断面(内周面)よりもやや小さくするだけで、この気体捕捉部材と液体供給流路との間に容易に液体通路を形成することができる。
さらに、前記気体捕捉部材の前記液体通路に面する部分に、前記液体通路における液体の通過を許容するとともに気体の通過を阻止することが可能な、ブラシ状の気体阻止部材が設けられていることが好ましい。この構成によれば、気体捕捉部材が下流側に移動したときに、液体はブラシ状の気体阻止部材の小さな隙間から上流側へ抜けていく。一方、気体捕捉部材に捕捉されずに液体通路から上流側へ移動しようとする気泡が存在したときには、この気泡はブラシ状の気体阻止部材の隙間を通過できずにひっかかるため、上流側へ抜けるのを阻止することができる。
加えて、前記気体捕捉部材を前記流路延在方向に付勢して前記気体捕捉部材の姿勢を安定させる、バネ部材を備えていることが好ましい。この構成によれば、気体捕捉部材を流路延在方向に付勢しているため、気体捕捉部材の姿勢が安定し、気体捕捉部材に捕捉された気泡が逃げにくくなる。
また、前記液体供給流路は、液体を貯留する液体貯留室と、上下方向に沿って延在するとともに、その上端部において前記液体貯留室の液体出口に連なり、且つ、その下端部において前記液滴噴射ヘッドに接続された鉛直流路とを含んでおり、前記気体捕捉部材は、前記鉛直流路内において上下方向に移動可能に配設され、前記吸引手段による吸引動作がなされておらず、前記気体捕捉部材が前記鉛直流路内の上端部において待機しているときには、この気体捕捉部材の位置は、前記液体貯留室の前記液体出口よりも高い位置にあることが好ましい。この構成によれば、鉛直流路の上端部において気体捕捉部材が待機しているときに、気体捕捉部材は、液体貯留室の液体出口よりも高い位置にあることから、液体貯留室から流れてきた気泡が、気体捕捉部材の下側に溜まりやすい。したがって、吸引手段による吸引時に、気体捕捉部材を下流側へ移動させることにより、多量の気泡を一度に下流側へ移送することができ、気泡を効率よく排出することができる。
さらに、前記液滴噴射ヘッドは、一方向に沿って往復移動可能なキャリッジに搭載されて、所定の液滴噴射領域にあるときに前記ノズルから液滴を噴射するように構成されており、前記吸引手段は、前記液滴噴射領域よりも前記一方向に関して外側の吸引領域に配置されて、前記液滴噴射ヘッドのノズルを覆うことが可能なキャップを有し、前記駆動手段は、前記吸引手段による吸引動作を行うために、前記キャリッジが前記キャップの配置されている前記吸引領域に移動するときに、そのキャリッジの移動に連動して、前記気体捕捉部材を前記流路延在方向に沿って移動させるように構成されていることが好ましい。この構成によれば、キャリッジをキャップが配置された吸引領域に移動するときに、そのキャリッジの移動に連動して、駆動手段が気体捕捉部材を下流側へ移動させる。そのため、気体捕捉部材を移動させるための専用の駆動手段を特別に設ける必要がなく、コストアップを抑えることができる。
加えて、前記液滴噴射ヘッドが前記キャリッジとともに前記液滴噴射領域外に移動したときに、初めて前記キャリッジから前記駆動手段に動力が伝達されて、この駆動手段により駆動される前記気体捕捉部材が下流側へ移動し始めることが好ましい。この構成によれば、液滴噴射ヘッドが液滴噴射領域外に移動してから、駆動手段により気体捕捉部材が下流側へ移動し始めるため、通常の液滴噴射動作にともなうキャリッジ移動時に、気体捕捉部材が流路延在方向に移動して、液体供給流路内の液体の流れが不安定になってしまうのを防止することができる。
吸引手段により液体供給流路内の液体がノズルから吸引されたときに、気体移送手段は液体供給流路内の気泡を捕捉した状態で、ノズル側へ移動している。これにより、気泡をノズル側へ移動させることができるため、吸引手段による吸引だけで気泡を排出する場合に比べて、迅速にノズルから気泡を排出することができ、気泡の排出にともなってノズルから排出される液体の量を減らすことができる。
次に、本発明の好適な実施形態について説明する。本実施形態は、インクジェットヘッドから記録用紙に対してインクの液滴を噴射することにより、記録用紙に所望の文字や画像等を記録(印刷)するプリンタに、本発明を適用したものである。
図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成を示す平面図である。図1に示すように、プリンタ1(液滴噴射装置)は、一方向に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ2と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3(液滴噴射ヘッド)、及び、サブタンク4a〜4dと、インクを貯留するインクカートリッジ6a〜6dと、インクジェットヘッド3の液滴噴射面に装着される吸引キャップ13と、この吸引キャップ13に接続された吸引ポンプ14(吸引手段)などを備えている。
キャリッジ2は、図1の左右方向(走査方向)に平行に延びる2本のガイド軸17に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行にともなって左右方向に移動するようになっている。
このキャリッジ2には、インクジェットヘッド3と4つのサブタンク4が搭載されている。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動しつつ、その下面(図1の紙面向こう側の面)に設けられたノズル40(図2参照)から、図示しない用紙搬送機構により図1の下方(紙送り方向)に搬送される記録用紙Pにインクの液滴を噴射する。これにより、記録用紙Pに所望の文字や画像等が記録される。
4つのサブタンク4は走査方向に沿って並べて配置されている。これら4つのサブタンク4にはチューブジョイント20が一体的に設けられている。そして、チューブジョイント20に連結された可撓性を有するチューブ5a〜5dを介して、4つのサブタンク4a〜4dと4つのインクカートリッジ6a〜6dとがそれぞれ接続されている。
4つのインクカートリッジ6a〜6dには、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの、4色のインクがそれぞれ貯留されており、これらのインクカートリッジ6a〜6dは、ホルダ7に着脱自在に装着されている。なお、図1には示されていないが、ホルダ7には、4つのインクカートリッジ6a〜6dが装着されているか否かを検出するカートリッジ検出センサ85(図8参照)が設けられている。このカートリッジ検出センサ85としては、例えば、発光素子と受光素子とを有する光学式センサであって、発光素子からの光がホルダ7に装着されたインクカートリッジ6a〜6dによって遮断され、受光素子によって受光されないことにより、その装着状態を検出するものを採用できる。あるいは、ホルダ7にインクカートリッジ6a〜6dが装着されているときに、ホルダ7側に設けられた接点とインクカートリッジ6a〜6d側に設けられた接点とが接触して、両接点が導通することによってインクカートリッジ6a〜6dを検出する、接点式のものであってもよい。
4つのインクカートリッジ6a〜6dに貯留された4色のインクは、サブタンク4a〜4dに一時的に貯留された後、インクジェットヘッド3に供給される。つまり、4つのサブタンク4a〜4dと、これら4つのサブタンク4a〜4dと4つのインクカートリッジ6a〜6dとを接続するチューブ5a〜5dによって、インクジェットヘッド3にインクを供給する液体供給流路が構成されている。
吸引キャップ13は、走査方向に関するキャリッジ2の移動範囲内のうち、記録用紙Pと対向する印刷領域(液滴噴射領域)よりも外側(図1における右側)の領域(以下、吸引領域ともいう)に配置されている。吸引キャップ13は、吸引領域にキャリッジ2が移動してきたときに、インクジェットヘッド3の下面(複数のノズル40が配置された液滴噴射面)と対向する。さらに、吸引キャップ13は、キャップ駆動モータ84(図8参照)によって上方(図1の紙面手前側)に駆動されることで、インクジェットヘッド3の複数のノズル40を覆うことが可能に構成されている。
この吸引キャップ13は、切り替えユニット15を介して吸引ポンプ14と接続されている。そして、吸引キャップ13がインクジェットヘッド3の下面に配置されたノズル40の液滴噴射口を覆っている状態で、吸引ポンプ14を動作させることにより、ノズル40からインクを吸引して排出する。これにより、乾燥によって粘度が高くなった(増粘した)ノズル40内のインクを排出し、且つ、インクジェットヘッド3のインク流路内、あるいは、さらに上流のサブタンク4内に混入した気泡をインクとともにノズル40から排出し、インクジェットヘッド3の液滴噴射性能を回復させることが可能となっている。
なお、本実施形態においては、図1に示すように、吸引キャップ13は、ブラックインクを噴射するノズル40を覆う第1キャップ部13aと、3色のカラーインク(イエローインク、マゼンタインク、及び、シアンインク)を噴射するノズル40を覆う第2キャップ部13bとを備えており、第1キャップ部13aと第2キャップ部13bは互いに隔てられている。また、これら第1キャップ部13aと第2キャップ部13bは、2本のチューブ11a,11bを介して切り替えユニット15にそれぞれ接続され、さらに、この切り替えユニット15が吸引ポンプ14に接続されている。そのため、切り替えユニット15によって、吸引ポンプ14の連通先を、第1キャップ部13aと第2キャップ部13bとの間で切り替えることで、ブラックインクを噴射するノズル40とカラーインクを噴射するノズル40の、何れか一方を選択してインクを吸引することが可能である。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2は、インクジェットヘッド3の一部分の鉛直断面図である。図2に示すように、インクジェットヘッド3は、ノズル40及び圧力室34を含むインク流路が形成された流路ユニット22と、圧力室34内のインクに圧力を付与することにより、流路ユニット22のノズル40からインクを噴射させる圧電アクチュエータ23とを備えている。
流路ユニット22は、ステンレス鋼等の金属材料で形成された、キャビティプレート30、ベースプレート31、及び、マニホールドプレート32と、絶縁材料(例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料)で形成されたノズルプレート33を備えており、これら4枚のプレート30〜33は積層状態で接合されている。
キャビティプレート30には圧力室34が形成されている。なお、圧力室34は、図2の紙面垂直方向に複数並べて設けられている。ベースプレート31には、各圧力室34にそれぞれ連通する連通孔35,36が形成されている。また、マニホールドプレート32には、連通穴35を介して複数の圧力室34に連通するマニホールド37と、連通孔36に連なる連通孔39とが形成されている。さらに、ノズルプレート33には複数のノズル40が形成され、これら複数のノズル40は、複数の圧力室34に対応して、図2の紙面垂直方向に配列されている。そして、流路ユニット22内には、マニホールド37から圧力室34を経てノズル40に至る個別インク流路41が複数形成されている。
圧電アクチュエータ23は、複数の圧力室34を覆うように流路ユニット22の上面に接合された金属製の振動板50と、この振動板50の上面に配置された圧電層51と、圧電層51の上面に形成された複数の個別電極52とを備えている。
金属製の振動板50は、ヘッドドライバ53によって常にグランド電位に保持されている。また、圧電層51は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなり、振動板50の上面において複数の圧力室34に跨るように配置されている。複数の個別電極52は、圧電層51の上面の、複数の圧力室34の中央部と対向する領域にそれぞれ配置されている。そして、これら複数の個別電極52は、ヘッドドライバ53によって、グランド電位と、このグランド電位とは異なる所定の駆動電位の何れか一方が付与されるようになっている。
インク噴射時における圧電アクチュエータ23の作用について説明する。あるノズル40からインクの液滴を噴射させる場合には、このノズル40に連通する圧力室34に対応する個別電極52に、ヘッドドライバ53から駆動電位が付与される。すると、駆動電位が付与された個別電極52とグランド電位に保持されている振動板50との間に電位差が生じ、両者に挟まれた圧電層51に厚み方向に平行な電界が発生する。ここで、圧電層51の分極方向が電界方向と同じである場合には、圧電層51は厚み方向に伸びて面方向に収縮する。そして、この圧電層51の収縮変形に伴って、振動板50の圧力室34と対向する部分が圧力室34側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室34の容積が減少することになり、その内部のインクの圧力が上昇し、圧力室34に連通するノズル40からインクが噴射される。
次に、インクジェットヘッド3にインクを供給するサブタンク4について詳細に説明する。なお、4色のインクをそれぞれ貯留する4つのサブタンク4a〜4dの構造は基本的に同一であるので、そのうちの1つのサブタンクについて以下説明する。
図3は、サブタンク4の鉛直断面図である。図4は、図3のX−X線に沿った断面図である。図5は、図3のY−Y線に沿った断面図である。このサブタンク4は、合成樹脂材料等で形成されており、サブタンク4内には、水平方向に沿って延在するインク貯留室60と、このインク貯留室60とインクジェットヘッド3の両方と連通する鉛直流路61とが設けられている。
インク貯留室60は、チューブジョイント20に連結されたチューブ5を介してインクカートリッジ6(図1参照)と連通しており、インクカートリッジ6から供給されたインクを一時的に貯留する。
鉛直流路61の上端部は、水平方向に延在するインク貯留室60のインク出口65とほぼ同じ高さに位置しており、この鉛直流路61の上端部とインク貯留室60のインク出口65とが連通している。また、鉛直流路61の下方は、径が小さい接続部66となっており、この接続部66の下端部においてインクジェットヘッド3と接続されている。なお、インクジェットヘッド3のサブタンク4(接続部66)との接続口には、サブタンク4からインクジェットヘッド3へ流れるインクに混入しているゴミ等を除去するための、フィルタ63が設けられている。
インクカートリッジ6からチューブ5を介してサブタンク4に供給されたインクは、インク貯留室60に一時的に貯留された後、そのインク出口65から鉛直流路61の上端部へ水平に流れ出る。さらに、鉛直流路61内において、インクは下方に流れ落ちてフィルタ63を通過し、インクジェットヘッド3へ供給される。
さらに、本実施形態においては、サブタンク4の鉛直流路61内に、気体捕捉板72(気体捕捉部材)と、気体捕捉板72の中央部と螺合した回転軸71とが設けられている。後ほど説明するが、本実施形態のプリンタ1は、インクジェットヘッド3の下面に配置された複数のノズル40が吸引キャップ13で覆われた状態で、吸引ポンプ14により複数のノズル40からそれぞれインクを吸引することにより、サブタンク4内に存在する気泡をインクとともにノズル40から排出することが可能となっている。なお、気体捕捉板72は、吸引ポンプ14によるインク吸引を行うために、キャリッジ2をキャップ13の位置する吸引領域に移動するときに、サブタンク4(鉛直流路61)内の気泡をインクジェットヘッド3側(下流側)へ移送させるためのものである。
図3〜図5に示すように、気体捕捉板72は、水平断面形状が矩形状の鉛直流路61よりもやや小さい矩形状をし、鉛直流路61内に配置されている。すなわち、図5に示すように、気体捕捉板72の鉛直流路61の延在方向(流路延在方向)における投影面積は、鉛直流路61の延在方向に直交する平面における断面積よりも小さくなっている。
気体捕捉板72の水平面内における中央部には、回転軸71が螺合している。回転軸71は、鉛直流路61の水平面内における中央部に鉛直方向に延在している。回転軸71の鉛直流路61の上端部側における先端は、サブタンク4に形成された貫通孔64を介して上部に延びており、その先端部はギヤ73と固定されている。つまり、ギヤ73が回転すると、回転軸71もギヤ73の回転と同方向に回転する。回転軸71と貫通孔64とは、鉛直流路61内のインクが貫通孔64から漏れ出さないようにシールされている。
回転軸71の鉛直流路61の下端部側における先端は、鉛直流路61の接続部66の上端まで延在している。つまり、ギヤ73の回転にともなって、回転軸71が回転することにより、気体捕捉板72は回転軸71の延在方向(鉛直流路61の延在方向)に沿って、鉛直流路61の上端部から接続部66の上端部まで上下移動可能に配設されている。接続部66の上端部には、凹部67が形成されている。これにより、気体捕捉板72が接続部66の上端部まで移動してきたときに、気体捕捉板72によって接続部66の上端部が封止されずに、接続部66内と気体捕捉板72よりも上方の鉛直流路61内とが連通している。
気体捕捉板72の下面(下流側の面)は、その中央から外周に向かうほど、水平方向(鉛直流路61の延在方向に直交する方向)の平面に対して下流側に傾斜したお椀形状をしている。これにより、気体捕捉板72よりも下流側に位置する気泡は浮力により浮き上がり、気体捕捉板72の下面で保持される。このとき、気体捕捉板72の下面がお椀形状をしていることにより、気泡が浮力によって中央に誘導されて集まりやすくなる。つまり、気体捕捉板72によって気泡の捕捉が確実になる。また、気体捕捉板72の姿勢が、多少傾いても、鉛直方向に関して気体捕捉板72の外側の位置が中央よりも高い位置にまで傾かない限り、捕捉された気泡が逃げることがない。また、気体捕捉板72の姿勢が、鉛直方向に傾いて、鉛直方向に関して気体捕捉板72の外側の位置が中央よりも高い位置になったとしても、中央から外側への傾斜が緩やかであると、浮力により気泡が逃げることも少ない。
また、気体捕捉板72の鉛直流路61の内壁に面する部分(外周面)には、多数のゴムなどの弾性部材から形成されたブラシ74(気体阻止部材)が鉛直流路61の内壁面(水平方向)に向かって設けられている。ブラシ74を構成するゴムは、インクなどの液体は通過させるが、気体は阻止するような間隔で配置されている。ブラシ74の先端は、鉛直流路61の内壁に接触している。つまり、鉛直流路61における気体捕捉板72の位置している水平方向の面においては、気体捕捉板72の外周面と鉛直流路61の内壁面との間にのみ、インクが通過可能な液体通路が構成されている。また、この液体通路には、ブラシ74が設けられているため、気体の通過は阻止される。さらに、ブラシ74がゴムなどの弾性部材で構成されているため、その先端が鉛直流路61の内壁に接触しても内壁を傷つけることもない。また、ブラシ74の先端が鉛直流路61の内壁に接触して、ブラシ74の先端と鉛直流路61の内壁との間に隙間がないため、気体の通過をさらに阻止している。
気体捕捉板72の上面には、2つのバネ部材76の一端が接続されている。2つのバネ部材76の他端は、鉛直流路61の上端部の内壁に接続されている。2つのバネ部材76は、貫通孔75に対して対称な位置に設けられている(図5参照)。2つのバネ部材76は、気体捕捉板72が鉛直流路61の上端側に位置している場合には、気体捕捉板72を付勢しておらず、気体捕捉板72が鉛直流路61の下端側に移動するにつれて縮もうとして、気体捕捉板72を上端側に引っ張る付勢力が増すようになっている。なお、2つのバネ部材76は、同じ長さ及びバネ定数を有する。このように、気体捕捉板72は、2つのバネ部材76の付勢力によって、鉛直流路61の上流側に引っ張られているため、傾くことなく水平方向に関して姿勢を安定させることでき、気体捕捉板72に捕捉された気泡が逃げにくくなっている。
また、気体捕捉板72は、回転軸71が回転したときに、ブラシ74の先端と鉛直流路61の内壁との接触抵抗により回転せずに、上下方向に移動する。なお、ブラシ74を有していなくても、気体捕捉板72が鉛直流路61内を回転できない程度の大きさを有していれば、回転軸71が回転しても気体捕捉板72は回転途中で鉛直流路61の内壁面に接触し、その回転動作が阻害され、その状態を保ったまま回転軸71の回転にともなって上下方向に移動することができる。また、回転止めとして鉛直流路61の内壁と気体捕捉板72とがそれぞれ凹部と凸部を有し、これらが係合されることで回転軸71の回転にともなう気体捕捉板72の回転動作を阻害してもよい。
次に、気体捕捉板72を鉛直流路61の延在方向に移動させる駆動機構について詳細に説明する。図6は、吸引キャップの位置する吸引領域近傍の拡大図である。図7は、サブタンク内における気体捕捉板の移動を示す図である。図6に示すように、上述した4つのサブタンク4a〜4dは、その上面にギヤ73a〜73dがそれぞれ設けられている。ギヤ73a〜73dは、隣接するギヤ同士が噛合している。また、ギヤ73dは、キャリッジ2の上面に回転可能に固定されたピニオンギヤ90と噛合している。また、図6の上側に位置するガイド軸17の右端部には、吸引キャップ13の左右方向の長さよりも左右方向に延在したラックギヤ91が設けられている。
キャリッジ2が吸引領域に向けて移動する途中に、印刷領域から外れたときに、ラックギヤ91とピニオンギヤ90とが噛合する。そして、キャリッジ2が吸引領域へ移動を続けると、それにともないラックギヤ91と噛合したピニオンギヤ90が反時計回りに回転し始める。すると、ピニオンギヤ90と噛合されたギヤ73dが、ピニオンギヤ90の回転により、時計回りに回転し始める。すると、ギヤ73a〜73dは、隣接するギヤ同士が噛合しているため、ギヤ73cが反時計回り、ギヤ73bが時計回り、ギヤ73aが反時計回りと順に回転し始める。つまり、キャリッジ2の吸引領域への移動に連動して、4つのギヤ73a〜73dが回転する。この4つのギヤ73a〜73dの回転にともなって、回転軸71が回転し、気体捕捉板72は鉛直流路61の延在方向に移動する。
次に、気体捕捉板72の作用について説明する。図6に示すように、キャリッジ2が印刷領域内(例えばA位置)に位置する場合には、ラックギヤ91とピニオンギヤ90とが噛合していない状態で、サブタンク4内の気体捕捉板72は鉛直流路61の上端部に待機している(図7(a)参照)。この気体捕捉板72の位置は、インク貯留室60のインク出口よりも高い位置となっている。したがって、インクカートリッジ6からインクジェットヘッド3に至るインク供給流路内に混入した気泡は、その浮力によって上方に浮き上がり、特に、サブタンク4内に形成された鉛直流路61の上端部に待機した気体捕捉板72の下面に溜まりやすくなっている。
そして、キャリッジ2が印刷領域から吸引領域に向けて移動し吸引領域内の所定の位置(例えば、B位置)まで移動したときに、初めてラックギヤ91とピニオンギヤ90とが噛合し、さらに、キャリッジ2が吸引領域内を同じ方向に移動し続けると、ピニオンギヤ90の回転により、4つのギヤ73a〜73dがそれぞれ回転する。すると、4つのギヤ73a〜73dにそれぞれ固定された回転軸71が回転し、サブタンク4a〜4d内の各気体捕捉板72は、その下面に気泡86を捕捉したまま鉛直流路61の下流側へ移動し始める。このとき、インクは、気体捕捉板72の外周面と鉛直流路61の内壁面との間の液体通路から上流へ移動する。つまり、液体通路からインクは上流側に逃がしつつ、気泡だけを気体捕捉板72に捕捉したまま下流側に移送することができる。また、キャリッジ2が印刷領域にいるときに各気体捕捉板72が移動することはないので、印刷の際に誤った吐出がなされることはない。
そして、キャリッジ2が吸引領域まで移動して停止すると、ピニオンギヤ90の回転が停止し、それにともない、ギヤ73a〜73d及び回転軸71の回転も停止し、気体捕捉板72は接続部66の上端部で停止する。このとき、気体捕捉板72の下面には、上流側から移送してきた気泡86が捕捉された状態となっている(図7(b)参照)。この気体捕捉板72によって多量の気泡86を一度にあらかじめ下流側に移送した状態で、吸引ポンプ14によってノズル40から後述するインクの吸引動作が行われることで、迅速且つ効率的にインクジェットヘッド3に気泡86が吸引され、ノズル40から排出される。このとき、気体捕捉板72によって気泡86をノズル40側へ移動させることができるため、吸引ポンプ14による吸引のみで気泡86を排出する場合に比べて、ノズル40から排出されるインクの量を減らすことができる。
なお、ギヤ73a,73cとギヤ73b,73dの回転方向は逆方向であるため、ギヤ73a,73cに固定された回転軸71に形成されたネジ山は、ギヤ73b,73dに固定された回転軸71に形成されたネジ山と逆方向となっており、キャリッジ2が吸引領域に移動しているときに、いずれのギヤ73a〜73dが回転しても、気体捕捉板72は鉛直流路61の下流側に移動するように構成されている。つまり、本実施形態においては、ピニオンギヤ90、ラック91、ギヤ73a〜73d、回転軸71及び気体捕捉板72が液体移送手段を構成し、さらに、ピニオンギヤ90、ラック91、ギヤ73a〜73d、回転軸71が駆動手段を構成している。
次に、プリンタ1の全体制御を司る制御装置8について説明する。図8は、プリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。図8に示される制御装置8は、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ1の全体動作を制御するための各種プログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等を備えている。
さらに、この制御装置8は、記録制御部81と吸引制御部82とを備えている。記録制御部81は、PC等の入力装置80から入力されたデータに基づいて、キャリッジ2(図1参照)を往復駆動するキャリッジ駆動モータ19、インクジェットヘッド3のヘッドドライバ53、記録用紙Pを搬送する用紙搬送機構(図示省略)に含まれる搬送モータ83等を制御して、記録用紙Pへの画像等の記録を行わせるものである。また、吸引制御部82(吸引制御手段)は、吸引キャップ13を昇降駆動するキャップ駆動モータ84や吸引ポンプ14を制御して、インクジェットヘッド3の複数のノズル40からインクを吸引する、インク吸引動作を行わせるものである。
吸引制御部82により制御される吸引ポンプ14のインク吸引動作について、具体的に説明する。インクカートリッジ6からインクジェットヘッド3に至る、サブタンク4を含むインク供給流路内には、様々な要因により気泡(エア)が混入することがある。例えば、インクカートリッジ6の交換時には、インクカートリッジ6と接続されるチューブ5の端部からエアが混入しやすい。また、サブタンク4とチューブ5との接続部分などから、長期間にわたってエアが徐々に侵入していくことも十分に考えられる。このようにしてインク供給流路内に混入した気泡は、その浮力によってサブタンク4の上端部に集まり、大きな気泡に成長する。そして、この気泡がサブタンク4からインクとともにインクジェットヘッド3に流れ込んでしまうと、インクジェットヘッド3において液滴の噴射不良が生じる虞がある。
そこで、ホルダ7(図1参照)に設けられたカートリッジ検出センサ85によってインクカートリッジ6の交換が検出されたときや、長期間にわたってサブタンク4の気泡が排出されていないと判断したときには、吸引制御部82は、吸引ポンプ14に吸引動作を実行させることで、サブタンク4内の気泡をインクとともにノズル40から排出する。
具体的には、記録制御部81がキャリッジ駆動モータ19によってキャリッジ2を吸引領域に移動させた後、吸引制御部82がキャップ駆動モータ84によって吸引キャップ13を上方に移動させ、吸引キャップ13がインクジェットヘッド3の複数のノズル40を覆っている状態で、吸引ポンプ14にインクの吸引を行わせる。すると、サブタンク4内の気泡がインクとともにインクジェットヘッド3内に引き込まれることになり、さらに、その気泡は、インクジェットヘッド3内のインク流路を通ってノズル40から排出される。
ところで、吸引ポンプ14によってノズル40からインクを吸引するだけでは、サブタンク4の上端部などのノズル40から離れている流路の内壁に付着した気泡を排出するためには、かなり強い吸引力で吸引しなくてはならず、この気泡とともにノズル40からのインク排出量、即ち、無駄に捨てることとなるインクの量が増加する。
しかし、本実施形態のプリンタ1においては、前述したように、サブタンク4の鉛直流路61内に、気体捕捉板72が配置されている。そして、この気体捕捉板72によって、インク吸引動作時には、サブタンク4内における気体捕捉板72に捕捉された気泡がインクジェットヘッド3へ移送されるようになっている。
ここで、吸引動作までの一連の流れについて説明する。まず、吸引制御部82により、サブタンク4内の気泡86を排出するために、キャリッジ2が印刷領域から吸引領域に移動する。キャリッジ2が印刷領域に位置しているときには、気体捕捉板72は、鉛直流路61の上端部に待機している。そして、キャリッジ2が印刷領域外まで移動してきたときに、ラック91とピニオンギヤ90とが噛合し、さらに、キャリッジ2が吸引領域へ移動することで、ピニオンギヤ90の回転にともなって、ギヤ73a〜73d及び回転軸71が回転し、サブタンク4a〜4d内の各気体捕捉板72は、その下面に気泡86を捕捉したまま鉛直流路61の下流側へ移動し始める。
そして、キャリッジ2が吸引領域まで移動して停止すると、ピニオンギヤ90の回転が停止し、それにともない、ギヤ73a〜73d及び回転軸71の回転も停止し、気体捕捉板72は接続部66の上端部で停止する。このとき、気体捕捉板72の下面には、上流側から移送してきた気泡86が捕捉された状態となっている。この気体捕捉板72によって多量の気泡86を一度にあらかじめ下流側に移送した状態で、吸引ポンプ14によってノズル40からのインクの吸引動作が行われることで、迅速且つ効率的にインクジェットヘッド3に気泡86が吸引され、ノズル40から排出される。
また、キャリッジ2を吸引領域へ移動させたときに、そのキャリッジ2の移動に連動して、気体捕捉板72を下流側に移動させているため、気体捕捉板72を移動させるためのアクチュエータを必要としない。
さらに、インクジェットヘッド3が印刷領域外に移動してから、ラック91とピニオンギヤ90とが噛合し、気体捕捉板72が下流側へ移動し始めるため、通常の印刷動作に伴うキャリッジ2の移動時に、気体捕捉板72が流路延在方向に移動してしまい、インク供給流路内のインクの流れが不安定になってしまうのを防止することができる。
次に、前記実施形態に種々の変形を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
本実施形態においては、気体捕捉板72の側面と、鉛直流路61の内壁面との間に隙間が形成されており、そこが液体通路を構成していたが、気体捕捉板72の側面が鉛直流路61の内壁面に沿って摺動可能となっており、気体捕捉板72の面内に多数の貫通孔や切り欠きが形成されて、多数の貫通孔や切り欠きが液体通路を構成してもよい。このとき、これら貫通孔や切り欠きは、気泡の表面張力を破壊しない(気泡を通過させない)程度であって、インクを通過させる程度の径や大きさであればよい。
また、液体通路が、気泡の表面張力を破壊しない(気泡を通過させない)程度で、インクのみを通過させるような微小な通路である場合、ブラシ74を設けなくてもよい。
さらに、バネ部材76は、2つに限らず、気体捕捉板72の姿勢を安定させるためには、より多くのバネ部材を設けてもよい。また、バネ部材76は、気体捕捉板72を鉛直流路61の下端側に押すような付勢力を有するものであってもよい。つまり、気体捕捉板72の姿勢を安定させるように、気体捕捉板72の水平面に対して均等に付勢力を加えられるものであればよい。したがって、回転軸71の径が大きく、気体捕捉板72の水平断面積に対して、回転軸71の水平断面積の有する面積が大きい場合には、気体捕捉板72の姿勢は安定しやすいため、バネ部材を設けなくてもよい。
加えて、キャリッジ2を吸引領域へ移動させたときに、そのキャリッジ2の移動に連動して、気体捕捉板72を下流側に移動させていたが、図9に示すように、気体捕捉板72を移動させるためのアクチュエータ150を別途設けてキャリッジ2の移動とは別駆動で回転軸71を回転させ気体捕捉板72を移動させてもよい。このとき、まず、キャリッジ2を吸引領域に移動させた後、吸引制御部82がアクチュエータ150によって回転軸71を回転させ、気体捕捉部材72を鉛直流路61の上端部から接続部66の上端部まで移動し、吸引ポンプ14によって吸引動作を行う。
また、ブラシ74は、多数のゴムなどの弾性部材ではなく、多数の針金などの剛性部材から構成してもよいが、この場合、鉛直流路61の内壁を傷つけず、且つ、気泡の表面張力を破壊しない(気泡を通過させない)程度で、インクのみを通過させるようにブラシの先端と鉛直流路の内壁との隙間を微小にすることが好ましい。
さらに、インクカートリッジからインクジェットヘッドに至るインク供給流路において、気体捕捉板が設けられる流路部分は、鉛直方向に延びる流路である必要は必ずしもない。すなわち、鉛直方向に対してある角度傾いた流路内に気体捕捉板が設けられた場合や、さらには、水平方向に延びる水平流路内に気体捕捉板が設けられた場合においても、気体捕捉板が流路方向に沿って移動可能であれば流路内の気泡を移送するという作用・効果が得られる。
以上説明した実施形態は、本発明を、記録用紙にインクを噴射して画像等を記録するインクジェット式のプリンタに適用したものであるが、本発明の適用対象は、このようなプリンタに限られず、様々な種類の液体をその用途に応じて対象に噴射する、種々の液滴噴射装置に本発明を適用することが可能である。
本実施形態に係るプリンタの概略構成を示す平面図である。 インクジェットヘッドの一部分の鉛直断面図である。 サブタンクの鉛直断面図である。 図3のX−X線に沿った断面図である。 図3のY−Y線に沿った断面図である。 吸引キャップの位置する吸引領域近傍の拡大図である。 サブタンク内における気体捕捉板の移動を示す図である。 プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 変形例におけるプリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
符号の説明
1 プリンタ
2 キャリッジ
3 インクジェットヘッド
4 サブタンク
5 チューブ
8 制御装置
13 キャップ
14 吸引ポンプ
40 ノズル
60 インク貯留室
61 鉛直流路
72 気体捕捉板
74 ブラシ
76 バネ部材
82 吸引制御部
90 ピニオンギヤ
91 ラック

Claims (9)

  1. 液滴を噴射するノズルを有する液滴噴射ヘッドと、
    前記液滴噴射ヘッドに液体を供給する液体供給流路と、
    前記液体供給流路内の液体を前記液滴吐出ヘッドの前記ノズルから吸引する吸引手段と、
    前記吸引手段の吸引動作時に、前記液体供給流路内の気体を捕捉して、捕捉した気体を下流側の前記ノズルに向けて移動させる気体移送手段と、
    を備えていることを特徴とする液滴噴射装置。
  2. 前記気体移送手段は、
    前記液体供給流路内においてその流路延在方向に移動可能に配設されて、前記液体供給流路内の気体を捕捉する気体捕捉部材と、
    前記気体捕捉部材を前記流路延在方向に移動させる駆動手段とを備え、
    前記気体捕捉部材自身、または、前記気体捕捉部材と前記液体供給流路の内壁面との間に、前記気体捕捉部材が前記流路延在方向に移動したときに液体が通過可能な液体通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  3. 前記気体捕捉部材の下流側の面は、その中央から外周に向かうほど、前記流路延在方向と直交する平面に対して下流側に傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の液滴噴射装置。
  4. 前記気体捕捉部材の前記流路延在方向における投影面積が、前記液体供給流路の前記流路延在方向と直交する平面における断面積よりも小さく、
    前記気体捕捉部材の外周面と前記液体供給流路の内壁面との間に、前記液体通路が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の液滴噴射装置。
  5. 前記気体捕捉部材の前記液体通路に面する部分に、前記液体通路における液体の通過を許容するとともに気体の通過を阻止することが可能な、ブラシ状の気体阻止部材が設けられていることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の液滴噴射装置。
  6. 前記気体捕捉部材を前記流路延在方向に付勢して前記気体捕捉部材の姿勢を安定させる、バネ部材を備えていることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の液滴噴射装置。
  7. 前記液体供給流路は、液体を貯留する液体貯留室と、上下方向に沿って延在するとともに、その上端部において前記液体貯留室の液体出口に連なり、且つ、その下端部において前記液滴噴射ヘッドに接続された鉛直流路とを含んでおり、
    前記気体捕捉部材は、前記鉛直流路内において上下方向に移動可能に配設され、
    前記吸引手段による吸引動作がなされておらず、前記気体捕捉部材が前記鉛直流路内の上端部において待機しているときには、この気体捕捉部材の位置は、前記液体貯留室の前記液体出口よりも高い位置にあることを特徴とする請求項2〜6の何れかに記載の液滴噴射装置。
  8. 前記液滴噴射ヘッドは、一方向に沿って往復移動可能なキャリッジに搭載されて、所定の液滴噴射領域にあるときに前記ノズルから液滴を噴射するように構成されており、
    前記吸引手段は、前記液滴噴射領域よりも前記一方向に関して外側の吸引領域に配置されて、前記液滴噴射ヘッドのノズルを覆うことが可能なキャップを有し、
    前記駆動手段は、前記吸引手段による吸引動作を行うために、前記キャリッジが前記キャップの配置されている前記吸引領域に移動するときに、そのキャリッジの移動に連動して、前記気体捕捉部材を前記流路延在方向に沿って移動させるように構成されていることを特徴とする請求項2〜7の何れかに記載の液滴噴射装置。
  9. 前記液滴噴射ヘッドが前記キャリッジとともに前記液滴噴射領域外に移動したときに、初めて前記キャリッジから前記駆動手段に動力が伝達されて、この駆動手段により駆動される前記気体捕捉部材が下流側へ移動し始めることを特徴とする請求項8に記載の液滴噴射装置。
JP2007223358A 2007-08-30 2007-08-30 液滴噴射装置 Expired - Fee Related JP5045311B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007223358A JP5045311B2 (ja) 2007-08-30 2007-08-30 液滴噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007223358A JP5045311B2 (ja) 2007-08-30 2007-08-30 液滴噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009056604A true JP2009056604A (ja) 2009-03-19
JP5045311B2 JP5045311B2 (ja) 2012-10-10

Family

ID=40552810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007223358A Expired - Fee Related JP5045311B2 (ja) 2007-08-30 2007-08-30 液滴噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5045311B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016104570A (ja) * 2016-01-19 2016-06-09 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
JP2016168855A (ja) * 2016-06-29 2016-09-23 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001018414A (ja) * 1999-07-09 2001-01-23 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
JP2005231357A (ja) * 2004-01-21 2005-09-02 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001018414A (ja) * 1999-07-09 2001-01-23 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
JP2005231357A (ja) * 2004-01-21 2005-09-02 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016104570A (ja) * 2016-01-19 2016-06-09 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
JP2016168855A (ja) * 2016-06-29 2016-09-23 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5045311B2 (ja) 2012-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4821817B2 (ja) 液滴噴射装置
JP4905309B2 (ja) 液滴噴射装置
JP4941487B2 (ja) 液滴吐出装置
JP2010052210A (ja) 気泡制御ユニット、液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置
JP2009034903A (ja) インクジェット記録装置およびヘッドメンテナンス方法
JP5067394B2 (ja) 液体吐出装置
JP4900177B2 (ja) 液滴噴射装置
JP2009090534A (ja) 液滴噴射装置
JP5045311B2 (ja) 液滴噴射装置
JP2010036346A (ja) 液体噴射ヘッドユニット、液体噴射ヘッドモジュール、及び、液体噴射装置
JP4946354B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ
JP5067073B2 (ja) 液滴噴射装置
JP5880171B2 (ja) 液滴噴射装置
JP5262043B2 (ja) 液滴噴射装置
JP2005125653A (ja) インクジェットヘッド、インクジェット記録装置、インクジェットヘッド洗浄装置及び洗浄方法
JP2003039704A (ja) インクジェット式記録装置
JP2012250484A (ja) 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置
JP4915320B2 (ja) 液滴噴射装置
JP2012196816A (ja) 液体噴射装置
JP2019025740A (ja) 記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置
JP2018083342A (ja) インクジェットプリンタ
JP4127222B2 (ja) 液体噴射装置および液体噴射装置のクリーニング方法
JP2010149370A (ja) 吸引キャップ装置、キャップチップ及び液体吐出装置
JP2010149369A (ja) 吸引キャップ装置
JP2007237470A (ja) 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120604

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120619

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120702

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5045311

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees