JP2011178324A - ワイヤハーネスの配索構造 - Google Patents

Abstract

【課題】複数の各芯シールドパイプと１つの一括シールド編組チューブとを少ない作業工数、部品点数で固定、電気接続できる。
【解決手段】複数の各芯シールドパイプと１つの一括シールド編組チューブとを金属ブラケットと金属クランプを用いて固定して電気接続しており、金属ブラケットは一括シールド編組チューブを被せる大きさとした円板を二分割した一対の半円部材から形成し、半円部材の対向辺に半円状凹部からなる各芯シールドパイプ挿通溝を対向して設けると共にそれぞれ間隔をあけて並設し、各芯シールドパイプ挿通溝に各芯シールドパイプを１本ずつ接触させて挿通させ、該一対の半円部材からなる金属ブラケットの外周に一括シールド編組チューブを被せ、その外周に金属クランプを外嵌して締結している。
【選択図】図２

Description

本発明はワイヤハーネスの配索構造に関し、詳しくは、ハイブリッド自動車または電気自動車に配索されるワイヤハーネスにおいて、複数の電線を電線毎に挿通する複数の各芯シールドパイプと、前記各芯シールドパイプから引き出された電線を集束して挿通する１つの一括シールド編組チューブとを固定して電気接続するものである。

従来、ハイブリッド自動車や電気自動車に配索される電力ケーブルの配線構造として、特開２００４−２２４１５６号公報（特許文献１）で図６（Ａ）、（Ｂ）に示す構造が提案されている。該構造は、リア側に搭載されたインバータ１００と接続する３本の電力ケーブル（高圧ケーブル）１０２Ｕ、１０２Ｖ、１０２Ｗをそれぞれ金属製の各芯シールドパイプ（保護パイプ）１１０に通してフロア下方に前方へと配線してフロント側のエンジンルーム内に引き込み、エンジンルーム内に搭載されたモータ１０１と接続している。エンジンルーム内では前記３本の電力ケーブル１０２Ｕ、１０２Ｖ、１０２Ｗをまとめて可撓性を有する一括シールドチューブ（保護チューブ）１２０に通している。

前記のように、電力ケーブル１０２Ｕ、１０２Ｖ、１０２Ｗをフロア下方の配線領域では剛直な各芯シールドパイプ１１０にそれぞれ通し、エンジンルーム内の配線領域では可撓性を有する一括シールドチューブ１２０に通すことで、電力ケーブル１０２Ｕ、１０２Ｖ、１０２Ｗのフロア下方での配線を可能とし、フロア上部スペースを有効利用できるようにしている。

特開２００４−２２４１５６号公報

前記構造において高いシールド機能を保つためには、前記複数の各芯シールドパイプ１１０を一括シールドチューブ１２０に確実に電気接続することが重要である。しかし、一括シールドチューブ１２０として金属線をメッシュ状に編成したシールド編組チューブを用いた場合、図７に示すように、各各芯シールドパイプ１１０の先端にそれぞれ一括シールドチューブ１２０を被せてカシメリング１３０を用いて固定する必要がある。このように複数の各芯シールドパイプ１１０にそれぞれ一括シールドチューブ１２０をカシメリング１３０を用いて連結すると、多くの作業工数と部品点数を要するという問題がある。

本発明は、複数の電線を電線毎に挿通する複数の各芯シールドパイプと、前記各芯シールドパイプから引き出された電線を集束して挿通する１つの一括シールド編組チューブとを少ない作業工数、部品点数で、容易に固定して電気接続できることを課題としている。

前記課題を解決するため、本発明は、ハイブリッド自動車または電気自動車に配索するワイヤハーネスの配索構造であって、
複数本の電線を電線毎に金属パイプからなる各芯シールドパイプに通し、これら複数本の各芯シールドパイプを近接して平行配管している第一領域と、
前記各芯シールドパイプから引き出された複数本の電線を、金属線をメッシュ状に編成して形成した１つの一括シールド編組チューブ内に挿通する第二領域とを設け、
前記第一領域の複数の各芯シールドパイプと第二領域の１つの一括シールド編組チューブとを金属ブラケットと金属クランプを用いて固定して電気接続しており、
前記金属ブラケットは、一括シールド編組チューブを被せる大きさとした円板を二分割した一対の半円部材から形成し、これら半円部材の対向辺に半円状凹部からなる各芯シールドパイプ挿通溝を対向して設けると共にそれぞれ間隔をあけて並設し、
前記各芯シールドパイプ挿通溝に前記各芯シールドパイプを１本ずつ接触させて挿通させ、該一対の半円部材からなる前記金属ブラケットの外周に前記一括シールド編組チューブを被せ、該一括シールド編組チューブの外周に金属クランプを外嵌して締結し、該金属クランプで前記一括シールド編組チューブを金属ブラケットを介して各芯シールドパイプに固定して電気接続しているワイヤハーネスの配索構造を提供している。

前記のように、本発明では、第一領域の複数の各芯シールドパイプと第二領域の１つの一括シールド編組チューブとを電気接続させるために、半円状凹部からなる各芯シールドパイプ挿通溝を間隔をあけて対向配置した一対の半円部材からなる金属ブラケットを用いている。よって、前記半円部材のシールドパイプ挿通溝に第一領域の各芯シールドパイプをそれぞれ挿通し、該一対の半円部材で各芯シールドパイプを挟み込むだけで、挿通された複数の各芯シールドパイプの外周を隙間なく金属ブラケットに密着させることができる。
また、前記金属ブラケットに第二領域の一括シールド編組チューブを被せ該一括シールド編組チューブに金属クランプを外嵌して締結するだけで、前記一括シールド編組チューブを金属ブラケットに密着させることができる。

このように前記構成によれば、前記金属ブラケットを介して１つの一括シールド編組チューブを複数の各芯シールドパイプに容易に固定でき、少ない作業工数、部品点数で前記複数の各芯シールドパイプと１つの一括シールド編組チューブとを電気接続することができる。

前記金属クランプは環形状で、その一部にカシメ突起部を設けたカシメリングからなり、前記金属ブラケットの外周に前記一括シールド編組チューブの先端部分を挟んで前記カシメリングを被せた後に加締めて固定していることが好ましい。

前記のように金属クランプとしてカシメリングを用い、前記カシメリングのカシメ突起部を加締めることにより、前記一括シールド編組チューブと各芯シールドパイプとの固定が一層強固になり、より確実な電気接続が可能となる。

また、前記金属クランプは一対の半円環部材からなり、該半円環部材の両側にボルト穴を設けており、前記金属ブラケットの外周に前記一括シールド編組チューブの先端部分を挟んで前記一対の半円環部材を被せた後に前記両側のボルト穴にボルトを通してナットで固定していてもよい。

前記のように金属クランプとして両側にボルト穴を設けた一対の半円環部材を用い、該一対の半円環部材のボルト穴にボルトを通してナットで固定することによっても、前記一括シールド編組チューブと各芯シールドパイプとの固定が強固になり、確実な電気接続が可能となる。

前記金属ブラケットの一対の半円部材は別体としてもよいが、一端側をヒンジで開閉自在に連結していてもよい。このように、一対の半円部材をヒンジで連結しておくことにより、各芯シールドパイプを前記一対の半円部材で挟み込む作業が容易となる。

前記金属ブラケットは例えばアルミニウム系や銅系金属で形成していることが好ましく、前記金属クランプはアルミニウム系金属で形成していることが好ましい。
また、前記一括シールド編組チューブは例えば銅系金属線を編成したものが好ましく、前記各芯シールドパイプはアルミニウム系金属から形成していることが好ましい。

前記第一領域は車両フロア下方の配線領域であり、前記第二領域はエンジンルーム内の配線領域であることが好ましい。

車両フロア下方は略直線状に配線できる領域であるため、バッテリなどのリア側の機器に接続された複数本の電線を電線毎に各芯シールドパイプに挿通して平行配管する第一領域とすることで車両スペースを有効利用することができる。一方、エンジンルーム内は屈曲させて配線しなければならない箇所があるため、前記各芯シールドパイプから引出した複数本の電線を集束させて可撓性のある一括シールド編組チューブ内に挿通する第二領域とすることが好ましい。一括編組チューブ内に挿通される複数の電線はエンジンルーム内のインバータ等の機器に接続することができる。

前述したように、本発明では、第一領域の複数の各芯シールドパイプと第二領域の１つの一括シールド編組チューブとを電気接続させるために、半円状凹部からなる各芯シールドパイプ挿通溝を間隔をあけて対向配置した一対の半円部材からなる金属ブラケットを用いている。よって、前記半円部材に設けたシールドパイプ挿通溝に第一領域の各芯シールドパイプをそれぞれ挿通し、前記一対の半円部材で各芯シールドパイプを挟み込むだけで、挿通された各芯シールドパイプの外周を隙間なく金属ブラケットに密着させることができる。また、前記金属ブラケットに第二領域の一括シールド編組チューブを被せ該一括シールド編組チューブに金属クランプを外嵌して締結するだけで、前記一括シールド編組チューブを金属ブラケットに密着させることができる。
このように前記構成によれば、前記金属ブラケットを介して１つの一括シールド編組チューブを複数の各芯シールドパイプに容易に固定することができ、少ない作業工数、部品点数で前記複数の各芯シールドパイプと１つの一括シールド編組チューブとを電気接続することができる。

第１実施形態におけるワイヤハーネスの配索構造を示し、（Ａ）は自動車に配索した状態の概略説明図、（Ｂ）は概略平面図である。 各芯シールドパイプと一括シールド編組チューブとの接続部分を示し、（Ａ）は概略斜視図、（Ｂ）はＡ−Ａ線断面図である。 金属ブラケットを示す概略分解斜視図である。 第２実施形態において各芯シールドパイプと一括シールド編組チューブとの接続部分を示し、（Ａ）は概略斜視図、（Ｂ）はＢ−Ｂ線断面図である。 第２実施形態で用いる金属ブラケットを示す概略斜視図（金属ブラケット開放時）である。 従来例を示す図である。 従来例を示す図である。

以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図１乃至図３は本発明の第１実施形態を示している。本実施形態ではハイブリッド自動車において、図１に示すように、リア側に搭載したバッテリ１とエンジンルーム３内に搭載したインバータ４とを接続するためにワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスを構成する３本の電線１０（１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃ）をリア側のバッテリ１に接続してフロア２の下方を配線し、エンジンルーム３内のインバータ４に接続している。

ワイヤハーネスの配線領域は、リア側からフロア２の下方に配線されフロント側でエンジンルーム３内に引き込まれる第一領域Ｒ１と、該第一領域Ｒ１に連続してエンジンルーム３内に配線される第二領域Ｒ２とからなる。第一領域Ｒ１では、図１（Ｂ）に示すように、３本の電線１０（１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃ）を電線毎にアルミニウム系金属パイプからなる各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）に通し、これらの各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）を近接して平行配管している。一方、第二領域Ｒ２では、前記３本の各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）から引き出された３本の電線１０（１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃ）を集束し、銅系金属線をメッシュ状に編成して形成した１つの一括シールド編組チューブ１２に挿通している。なお、第二領域Ｒ２では、図示していないが、前記一括シールド編組チューブ１２にコルゲートチューブを外装している。

前記第一領域Ｒ１と第二領域Ｒ２との境界位置では、３本の各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）の先端部分に、１つの一括シールド編組チューブ１２の先端部分を固定して電気接続させる必要があり、本実施形態ではアルミニウム系金属からなる金属ブラケット１３と金属クランプ１６とを用いて固定している。金属ブラケット１３は、図２および図３に示すように、一括シールド編組チューブ１２を被せる大きさとした円板を二分割した一対の半円部材１４からなり、これら半円部材１４の対向辺に半円状凹部からなる３本の各芯シールドパイプ挿通溝１５（１５Ａ、１５Ｂ、１５Ｃ）を対向して設けると共に、それぞれ間隔をあけて並設している。
また、金属クランプ１６は図２に示すような環形状のカシメリングであり、その一部にカシメ突起部１７を設けている。

３本の各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）の先端部分に一括シールド編組チューブ１２の先端部分を固定して電気接続させるには、まず、各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）の先端部分を金属ブラケット１３の半円部材１４に設けた各芯シールドパイプ挿通溝１５（１５Ａ、１５Ｂ、１５Ｃ）に１本ずつ接触させて挿通し、金属ブラケット１３の一対の半円部材１４で各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）の先端部分を挟み込む。

次に、前記各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）の先端から第二領域（Ｒ２）側に引き出した電線１０（１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃ）を集束して一括シールド編組チューブ１２内に挿通すると共に、該一括シールド編組チューブ１２の第一領域（Ｒ１）側先端部分を前記金属ブラケット１３の外周に被せる。
最後に、カシメリングからなる金属クランプ１６を金属ブラケット１３の外周に前記一括シールド編組チューブ１２の先端部分を挟んで被せた後、該金属クランプ１６のカシメ突起部１７を加締めて固定する。これにより、３本の各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）と１つの一括シールド編組チューブ１２との固定が完了する。

前記のように、本実施形態では、半円状凹部からなる各芯シールドパイプ挿通溝１５（１５Ａ、１５Ｂ、１５Ｃ）を間隔をあけて対向配置した一対の半円部材１４からなる金属ブラケット１３を用いている。よって、半円部材１４の各芯シールドパイプ挿通溝１５（１５Ａ、１５Ｂ、１５Ｃ）に第一領域Ｒ１の各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）の先端部分を挿通し、一対の半円部材１４で各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）を挟み込むだけで、各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）の先端部分の外周を隙間なく金属ブラケット１３に密着させることができる。
また、金属ブラケット１３に第二領域Ｒ２の一括シールド編組チューブ１２の先端部分を被せ、該一括シールド編組チューブ１２の外周にカシメリングからなる金属クランプ１６を外嵌して締結するだけで、一括シールド編組チューブ１２の先端部分を金属ブラケット１３に密着させることができる。

このように前記構成によれば、金属ブラケット１３を介して１つの一括シールド編組チューブ１２の先端部分を３本の各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）の先端部分に容易に固定することができ、少ない作業工数、部品点数で３本の各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）と１つの一括シールド編組チューブ１２とを電気接続することができる。

図４および図５に第２実施形態を示す。
第２実施形態では、図４のように、両側にボルト穴２８を設けた一対の半円環部材２７から金属クランプ２６を形成し、ボルト穴２８にボルト２９を通してナット３０で固定することにより金属クランプ２６を締結できるようにしている。また、図５のように、金属ブラケット２３の一対の半円部材２４の一端側をヒンジ３１で連結し、開閉自在としている。その他の点は第１実施形態と同様としている。

第２実施形態においても、第１実施形態と同様に、金属ブラケット２３を介して１つの一括シールド編組チューブ１２の先端部分を３本の各芯シールドパイプ１１（１１Ａ、１１Ｂ、１１Ｃ）の先端部分に容易に固定して電気接続することができる。

１０ 電線
１１ 各芯シールドパイプ
１２ 一括シールド編組チューブ
１３、２３ 金属ブラケット
１４、２４ 半円部材
１５、２５ 各芯シールドパイプ挿通溝
３１ ヒンジ
１６、２６ 金属クランプ
１７ カシメ突起部
２７ 半円環部材
２８ ボルト穴
２９ ボルト
３０ ナット

Claims (5)

1. ハイブリッド自動車または電気自動車に配索するワイヤハーネスの配索構造であって、
   複数本の電線を電線毎に金属パイプからなる各芯シールドパイプに通し、これら複数本の各芯シールドパイプを近接して平行配管している第一領域と、
   前記各芯シールドパイプから引き出された複数本の電線を、金属線をメッシュ状に編成して形成した１つの一括シールド編組チューブ内に挿通する第二領域とを設け、
   前記第一領域の複数の各芯シールドパイプと第二領域の１つの一括シールド編組チューブとを金属ブラケットと金属クランプを用いて固定して電気接続しており、
   前記金属ブラケットは、一括シールド編組チューブを被せる大きさとした円板を二分割した一対の半円部材から形成し、これら半円部材の対向辺に半円状凹部からなる各芯シールドパイプ挿通溝を対向して設けると共にそれぞれ間隔をあけて並設し、
   前記各芯シールドパイプ挿通溝に前記各芯シールドパイプを１本ずつ接触させて挿通させ、該一対の半円部材からなる前記金属ブラケットの外周に前記一括シールド編組チューブを被せ、該一括シールド編組チューブの外周に金属クランプを外嵌して締結し、該金属クランプで前記一括シールド編組チューブを金属ブラケットを介して各芯シールドパイプに固定して電気接続しているワイヤハーネスの配索構造。
2. 前記金属クランプは環形状で、その一部にカシメ突起部を設けたカシメリングからなり、前記金属ブラケットの外周に前記一括シールド編組チューブの先端部分を挟んで前記カシメリングを被せた後に加締めて固定している請求項１に記載のワイヤハーネスの配索構造。
3. 前記金属クランプは一対の半円環部材からなり、該半円環部材の両側にボルト穴を設けており、前記金属ブラケットの外周に前記一括シールド編組チューブの先端部分を挟んで前記一対の半円環部材を被せた後に前記両側のボルト穴にボルトを通してナットで固定している請求項１に記載のワイヤハーネスの配索構造。
4. 前記金属ブラケットの一対の半円部材は一端側をヒンジで開閉自在に連結している請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のワイヤハーネスの配索構造。
5. 前記第一領域は車両フロア下方の配線領域であり、前記第二領域はエンジンルーム内の配線領域である請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のワイヤハーネスの配索構造。

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