JP2011205843A - フラット電線用クランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】フラット電線用クランプは、一括シールドに穴を明けることなく、また、フラット電線の放熱特性を低下させるとこなく保持可能なフラット電線用クランプを提供する。
【解決手段】幅広芯線と被覆とを有するフラット電線を複数本束ねて車体パネルに固定するフラット電線用クランプにおいて、フラット電線用クランプ10は、樹脂で形成されており、クランプ自身を車両に固定するための車体パネル係合部11と、車体パネル係合部11から伸びる帯部材18,19と、フラット電線16に沿って山折り、谷折りして交互に折り重ねるために各帯部材にそれぞれ対向する向きに設けられた案内板12,13と、帯部材を接続するクランプ係合部14と、フラット電線用クランプ10により保持されるパワー系ケーブル20と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、幅広芯線と被覆とを有するフラット電線を複数本束ねて車体パネルに固定するフラット電線用クランプに関する。
近年、エンジンにより車両を駆動する自動車の他に電気自動車やハイブリッド自動車のように大容量の電池を搭載してモータにより車両を駆動する車両が実用化され、その数が増加している。このようなハイブリッド自動車では、通常の信号系ケーブルの他にモータのパワー系ケーブルが用いられている。例えば、ハイブリッド自動車ではインバータから3相交流モータに接続されるパワー系ケーブルがある。
一般にこのようなケーブルは、ノイズの伝搬経路になる可能性が高いことから、シールド機能を備えたケーブルを用いて、パワー系ハーネスを形成している。この種のパワー系ハーネスでは、シールド電線の導体の端子部に電線側端子をそれぞれ固着し、その電線側端子を機器のシールドコネクタに設けられた機器側端子に接続するようにしたものがある。しかしながら、各ケーブルにシールド線を設けた場合、各シールド線とシールドコネクタを接続する作業をケーブルの本数分作業をする必要があり手間がかかっていた。
このような手間を省く方法として、図9に示すようなパワー系ケーブル(パワー系ハーネス50)がある。パワー系ケーブルは、シールド層を持たない電線である丸電線46を用いてこれらの丸電線46を袋状の編組線49で形成されるシールド線にて一括して覆い、各丸電線46におのおの電極端子48を固着するものである。この一括シールドタイプの編組線49を用いることにより、シールドコネクタにおのおの接続する作業がシールドシェル51を接続するだけになり作業性が向上する。
しかしながら、車両の走行性能を向上させるため、モータに印加する電力を増加する場合は、丸電線46から発生する熱を放熱させることが必要である。図10のパワー系ハーネスは、3本の丸電線46を編組線49にて一括シールドして丸ケーブルクランプ60にて車両パネルに固定するものであり、図11は丸ケーブルクランプ60付近の断面図である。このようなパワー系ハーネス50にて大電力を供給する場合には、丸電線46の丸芯線47の直径を大きくする必要があるが、外装保護チューブ65(コルゲートケーブル)の直径が大きくなり、丸ケーブルクランプ60も大型化するため、狭いエンジンルーム等では搭載性が悪化する。
また、図11の丸ケーブルクランプ60は、車両に丸ケーブルクランプ60を車両に固定するための車体パネル係合部61と、外装保護チューブ65を保持するための帯部材62,63及びクランプ係合部64と、を有している。丸ケーブルクランプ60が大型化することにより、搭載後のパワー系ハーネス50自体の脱着も困難となる。そこで、芯線を幅広に配置するフラット電線により電線被覆面積(電線表面積)を増やして放熱特性を向上し、結果としてケーブルの直径増加を低減することができる。
図12は、本発明を理解する上で参考となるフラット電線用クランプ101,102の断面図を示している。表面積が大きく放熱性の高いフラット電線を使用する場合には、図12(A)に示すようにフラット電線が他のフラット電線16aと密着することで、中央部が部分的に高温となり、本来の放熱特性が発揮できない場合がある。一方、図12(B)に示すように案内板12,13に編組線15に入ったフラット電線16aを押し込むとフラット電線16aが離間して放熱特性は確保できるが、クランプの案内板12,13により編組線15の一部に穴が開き、電磁シールド性能が低下する懸念がある。
そこで、特許文献1はワイヤハーネスの配索構造に関し、特に保持クランプによりケーブル同士を離間して整列保持する技術が開示されている。また、特許文献2はフラットケーブル用クランプに関し、特にフラットケーブルに設けた長孔状の位置決め孔にクランプを設けた支柱を差し込むことでフラットケーブルを保持する技術が開示されている。
特開2004−268803号公報 特開2004−297883号公報
上述した特許文献1及び特許文献2には、フラット電線を離間して保持する技術は開示されているものの、一括シールドによるパワー系ハーネスの保持については図12(B)に示したようなシールドの懸念が残る。そこで、本発明に係るフラット電線用クランプは、一括シールドに穴を明けることなく、また、フラット電線の放熱特性を低下させるとこなく保持可能なフラット電線用クランプを提供することを目的とする。
以上のような目的を達成するために、本発明に係るフラット電線用クランプは、幅広芯線と被覆とを有するフラット電線を複数本束ねて車体パネルに固定するフラット電線用クランプにおいて、筒状のシールド電線の中に複数本のフラット電線を収容した筒状シールド線を保持する第1の帯部材及び第2の帯部材と、第1の帯部材及び第2の帯部材は、筒状シールド線をフラット電線に沿って山折り、谷折りして交互に折り重ねて保持するために設けられた互いに向かい合う案内板と、第1及び第2の帯部材を係合させて筒状シールド線を結束する結束部と、を有し、案内板は、筒状シールド線内に収容された互いに隣り合うフラット電線との間に隙間を形成することを特徴とする。なお、形成された隙間によフラット電線から発生する熱の放出が可能となる。
また、本発明に係るフラット電線用クランプにおいて、案内板は、お互いに隣り合うフラット電線の幅広面に当接し、隣り合うフラット電線を離間して重ね合わせることを特徴とする。このような構成にすることにより、大電流を印加した場合においても、案内板が熱伝導効果を発揮することにより良好な放熱特性を維持することが可能となる。
また、本発明に係るフラット電線用クランプにおいて、筒状シールド線の中に収容された複数本のフラット電線は、幅広方向に隣り合うフラット電線を複数本接続するフラット電線接続具によって折り重ね自在に接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係るフラット電線用クランプにおいて、フラット電線接続具は、フラット電線の長さ方向に予め決められた間隔で配置され、交互に折り重ねられた状態を維持することを特徴とする。
本発明に係るフラット電線用クランプを用いることにより、大電力を印加するパワー系ハーネスにおける電磁シールド性能を維持したまま、フラット電線の放熱特性を低下させることなく保持可能となるという効果がある。
本発明の実施形態に係るフラット電線用クランプの断面図である。 図1に示すフラット電線用クランプの斜視図である。 図1に示すフラット電線用クランプによって保持されるパワー系ケーブルの断面図である。 図3に示すパワー系ケーブルを折り重ねてフラット電線用クランプに取り付ける方法を説明する説明図である。 第1のフラット電線用接続具を設けたパワー系ケーブルの断面図である。 第2のフラット電線用接続具を設けたパワー系ケーブルの断面図である。 第3のフラット電線用接続具を設けたパワー系ケーブルの断面図である。 図7に示したパワー系ケーブルの斜視図である。 従来のパワー系ケーブルの斜視図である。 図9のパワー系ケーブルを保持する丸ケーブルクランプを含むパワー系ハーネスの斜視図である。 図10の丸ケーブルクランプの断面図である。 本発明を理解する上で参考となるフラット電線用クランプの断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。本発明の特徴的な事項の一つは、フラット電線を3本一括シールドした筒状シールドに対してフラット電線用クランプに設けた2枚の案内板により、筒状シールドをフラット電線に沿って山折り、谷折りして交互に折り重ねて保持することで、放熱特性の維持を意図したものである。以下、本実施形態に係るフラット電線用クランプについて概説する。
図1はフラット電線用クランプ10の断面図を示し、図2は斜視図を示している。フラット電線用クランプ10は、樹脂で形成されており、クランプ自身を車両に固定するための車体パネル係合部11と、車体パネル係合部11から伸びる帯部材18,19と、フラット電線16に沿って山折り、谷折りして交互に折り重ねるために各帯部材にそれぞれ設けられた案内板12,13と、各帯部材を接続するクランプ係合部14と、フラット電線用クランプ10により保持されるパワー系ケーブル20と、を有している。また、パワー系ケーブル20は、筒状シールドである編組線15と、その内部に3本のフラット電線16を収容している。なお、本実施形態における3本のフラット電線16は、U,V,W相の電力線等である。
図1の案内板13は、フラット電線16aとフラット電線16bとの幅広面に編組線15を介して接触すると共に、2本のフラット電線間を離間して保持することで、幅広芯線17から発熱する熱を放熱可能としている。同様にして、案内板12は、フラット電線16bとフラット電線16cとの幅広面に編組線15を介して接触している。なお、案内板12,13を含むフラット電線用クランプを熱拡散樹脂製又は金属製にすることにより放熱効果をさらに高めることが可能になる。
図2の丸印の部分は、クランプ係合部14が開いた時に帯部材18と帯部材19とを移動させるための支点を示しており、後述する手順にて折り重ねたフラット電線の脱着を容易にしている。また、図2中の矢印は熱の流れを示し、4つの主な熱の流れを示している。第1の熱の流れは帯部材18の内側から帯部材18の表面に流れるものであり、第2の熱の流れは帯部材19の内側から帯部材19の表面に流れるものである。また、第3の熱の流れは案内板13で受けた熱がクランプ係合部14に向かって流れるものであり、第4の熱の流れは案内板12で受けた熱が車体パネル係合部11に向かって流れるものである。このように、案内板12,13が内部の熱を外部に放出する役割を有している。
図2のフラット電線用クランプ10は本実施形態で使用したクランプの一部を切り出したものであるが、フラット電線の外装保護チューブとして機能させるために数十センチ程度の鞘管としても利用可能である。その場合には、図11に示した外装保護チューブ65は必要ない。
図3は図1に示すフラット電線用クランプ10によって保持されるパワー系ケーブル20の断面図を示している。本実施形態で特徴的な事項の一つは、図3に示すように、3本のフラット電線16よりかなり広めの編組線15を使用したことである。この理由は、フラット電線16に沿って山折り、谷折りして交互に折り重ねる時に編組線に余分な張力を掛けないためであると共に、フラット電線16から発生する熱を積極的に外部に放出させるための熱伝導部材としたためである。
次に、図4を用いてパワー系ケーブル20を折り重ねてフラット電線用クランプ10に取り付ける手順を詳説する。最初に、パワー系ケーブル20を山折り、谷折りして交互に重ねることができるように折り目をつける。次に、折り目をつけたパワー系ケーブル20の上側をフラット電線用クランプ10の帯部材19と案内板12との間に挿入し、パワー系ケーブルの下側をフラット電線用クランプ10の帯部材18と案内板13との間に挿入する。次に、フラット電線用クランプ10の帯部材18と帯部材19とを近づけるようにしてクランプ係合部14を係合させることにより、パワー系ケーブル20が折り重ねられてフラット電線用クランプ10により保持されることになる。以下、パワー系ケーブルの変形例を示す。
図5は第1のフラット電線用接続具を設けたパワー系ケーブル30の断面を示している。図3に示したパワー系ケーブル20は、単に編組線15の中に挿入したものであるが、編組線15の中でフラット電線16の順番が入れ替わり、折り重ねが正常に出来ない場合があった。そこで、横一列に成型されたフラット電線用接続具21の3カ所の穴にフラット電線を挿入することにより、編組線15の中でフラット電線16の順番が入れ替わることがなく、折り目を付けた編組線により上述した手順によりフラット電線用クランプに挿入することが可能である。なお、フラット電線用接続具21は比較的薄いゴム製又は熱拡散樹脂により成型されたものであり、変形自在となっている。
図6は第2のフラット電線用接続具22を設けたパワー系ケーブル41の断面を示している。本実施形態では、フラット電線16を所定の位置に配置するために、S字状に成型したフラット電線用接続具を用いてパワー系ケーブル40を形成したものである。本実施形態におけるフラット電線用接続具を用いることにより、予め山折り、谷折りして折り重ねる作業を行うことなしにフラット電線16を折り重ねることが可能となる。以下、案内板を変形させた実施形態について示す。
図7は第3のフラット電線用接続具23を設けたパワー系ケーブルの断面を示し、図8は斜視図を示している。本実施形態におけるフラット電線用接続具23は、図6に示したフラット電線用接続具22に突起部25,26をさらに追加し、フラット電線用クランプの案内板の役割を代用すると共に、外周に外装保護チューブ32(コルゲートチューブ)を設けたものである。このような構成にすることで、隣り合うフラット電線16が密着することなく、所定の距離だけ離間して配置することにより放熱特性の低下を防止するものである。
また、図8の角形の外装保護チューブ32には、車体に外装保護チューブを固定するための車体パネル係合部11から延びる帯部材がコルゲートチューブの溝部に嵌り込むようにして設けられている。
以上、本実施形態に示したフラット電線用クランプは、フラット電線を案内板によって折り重ねると共に、予め決められた隙間を有するフラット電線用クランプを用いることで大電力を印加するパワー系ハーネスにおけるフラット電線の放熱特性を低下させることがない。また、本実施形態に示したフラット電線用クランプは、電磁シールド性能を維持したままフラット電線を保持することが可能となる。
10,101,102 フラット電線用クランプ、11,61 車体パネル係合部、
12,13 案内板、14,64 クランプ係合部、15,49 編組線、16 フラット電線、17 幅広芯線、18,19,62,63 帯部材、20,30,40,41 パワー系ケーブル、50 パワー系ハーネス、21,22,23 フラット電線用接続具、25,26 突起部、32,65 外装保護チューブ、46 丸電線、47 丸芯線、48 電極端子、51 シールドシェル、60 丸ケーブルクランプ。

Claims (4)

  1. 幅広芯線と被覆とを有するフラット電線を複数本束ねて車体パネルに固定するフラット電線用クランプにおいて、
    筒状のシールド電線の中に複数本のフラット電線を収容した筒状シールド線を保持する第1の帯部材及び第2の帯部材と、
    第1の帯部材及び第2の帯部材は、筒状シールド線をフラット電線に沿って山折り、谷折りして交互に折り重ねて保持するために設けられた互いに向かい合う案内板と、第1及び第2の帯部材を係合させて筒状シールド線を結束する結束部と、を有し、
    案内板は、筒状シールド線内に収容された互いに隣り合うフラット電線との間に隙間を形成するフラット電線用クランプ。
  2. 請求項1に記載のフラット電線用クランプにおいて、
    案内板は、お互いに隣り合うフラット電線の幅広面に当接し、隣り合うフラット電線を離間して重ね合わせるフラット電線用クランプ。
  3. 請求項1又は2に記載のフラット電線用クランプにおいて、
    筒状シールド線の中に収容された複数本のフラット電線は、幅広方向に隣り合うフラット電線を複数本接続するフラット電線接続具によって折り重ね自在に接続されたフラット電線用クランプ。
  4. 請求項3に記載のフラット電線用クランプにおいて、
    フラット電線接続具は、フラット電線の長さ方向に予め決められた間隔で配置され、交互に折り重ねられた状態を維持するフラット電線用クランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016178861A (ja) * 2016-04-13 2016-10-06 日立金属株式会社 ワイヤハーネス
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CN113557803A (zh) * 2019-03-11 2021-10-26 株式会社自动网络技术研究所 电磁屏蔽构件及线束

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