JP2011174034A - 防振ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、耐久性に優れ、低動倍率化を図ることができる防振ゴム組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)および(B)成分を含有する防振ゴム組成物であって、(A)成分100重量部に対して、(B)成分の含有割合が10〜100重量部の範囲に設定されている。
(A)ジエン系ゴム。
(B)特定構造のシランカップリング剤で表面処理されたシリカ。
【選択図】なし

Description

本発明は、防振ゴム組成物に関するものであり、詳しくは、自動車等のエンジンの支持機能および振動伝達を抑制するためのエンジンマウント等に使用される防振ゴム組成物に関するものである。
一般に、自動車には、振動や騒音の低減を目的として、防振ゴム組成物が用いられている。このような防振ゴム組成物には、高剛性、高強度で、振動伝達の抑制が必要であることから、動倍率〔動的ばね定数(Kd)/静的ばね定数(Ks)〕の値を小さくすること(低動倍率化)が要求される。従来、この低動倍率化の対策としては、例えば、補強剤としてカーボンブラックを用い、カーボンブラックの配合量や粒子径,ストラクチャー等の因子を制御することで対応していたが、低動倍率化の対策としては不充分であった。そこで、補強剤であるカーボンブラックに代えてシリカを用いることにより、カーボンブラックを用いる場合に比べてより低動倍率化を図るようにした防振ゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献1,2)。また、シリカの中でも、一次粒子径の大きい(BET比表面積が小さい)ものが低動倍率化に有効であることから、例えば、天然ゴムを主成分とするゴム成分100重量部に対して、BET比表面積が25〜100m2 /gであり、熱重量測定における1000℃での熱重量減少率と、150℃での熱重量減少率との差で定義されるΔ熱重量減少率が3.0%以上であるシリカを20〜80重量部含有してなる防振ゴム組成物が提案されている(特許文献3)。
特許第3233458号公報 特開2004−168885号公報 特開2006−199899号公報
上記特許文献3に記載の防振ゴム組成物は、一次粒子径の大きいシリカを用いているため、通常のシリカを用いる場合に比べて、低動倍率化を図ることができるが、一次粒子径の大きいシリカを用いると、シリカとゴムとの相互作用が弱くなるため、防振ゴムの耐久性が劣るという難点がある。また、防振ゴム組成物には、耐熱性も要求されるが、上記特許文献に記載のものは、耐熱性の点でも不充分であった。
また、通常、防振ゴム組成物の耐熱性の向上は、老化防止剤の添加量や加硫系の最適化により成立させるが、この手法では、耐久性や低動倍率化を阻害するおそれがある。
このように、耐熱性、耐久性、低動倍率化の全てを充分に満足することができる防振ゴム組成物は、未だ存在しないのが実情であり、未だ改良の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐熱性、耐久性に優れ、低動倍率化を図ることができる防振ゴム組成物の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の防振ゴム組成物は、下記の(A)および(B)成分を含有する防振ゴム組成物であって、(A)成分100重量部に対して、(B)成分の含有割合が10〜100重量部の範囲に設定されているという構成をとる。
(A)ジエン系ゴム。
(B)下記の一般式(1)で表されるシランカップリング剤で表面処理されたシリカ。
Figure 2011174034
〔式中、R1は、アルキルポリエーテル基−O−(R5−O)m−R6であり、mは平均で1〜30である。そして、上記繰り返し数mの中において、R5は、同じかまたは異なる、C1〜C30の炭化水素基である。また、R6は、少なくとも11個のC原子を含有する一価のアルキル,アルケニル,アリール,アラルキル基である。
2は、その2つが同じかまたは異なり、上記R1と同じか、C1〜C12のアルキル基またはR7O基である。そして、R7は、H、メチル、エチル、プロピル、(R83Si基、またはC9〜C30の一価のアルキル,アルケニル,アリール,アラルキル基である。R8は、C1〜C30のアルキルまたはアルケニル基である。
3は、脂肪族、芳香族、混合脂肪族および芳香族からなる群から選ばれた少なくとも一つの、二価のC1〜C30炭化水素基である。
4は、H、CNまたは(C=O)−R9である。そして、R9は、脂肪族、芳香族、混合脂肪族および芳香族からなる群から選ばれた少なくとも一つの一価のC1〜C30炭化水素基である。〕
本発明者は、耐熱性、耐久性に優れ、低動倍率化を図ることができる防振ゴム組成物を得るため、鋭意研究を重ねた。その結果、ジエン系ゴム(A成分)に対して特定の割合で、上記一般式(1)で表されるシランカップリング剤により表面処理されたシリカ(B成分)を配合し、防振ゴム組成物を調製したところ、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、上記一般式(1)で表される特定のシランカップリング剤は、長鎖のアルキルポリエーテル基〔好ましくは、−O−(CH2CH2O)m−C1327〕を有しており、これにより表面処理されたシリカ(B成分)は、分散性が大幅に向上し、低動倍率化を図ることができ、耐久性も優れるようになる。また、上記特定のシランカップリング剤は、カップリング剤自体の硫黄(S)の比率が小さいため、防振ゴム組成物中の総硫黄量を抑制でき、耐熱性が向上する。さらに、上記特定のシランカップリング剤は、シリカの表面処理にのみ用いられるものであるため、その使用量を抑制することができる。また、上記表面処理によってシランカップリング剤とシリカとを予め反応させることにより、シランカップリング剤とシリカとが確実に反応していることから、ゴム混練時に温度制御が不要となる。そのため、低温でのゴム混練が可能となり、混練時高せん断によるシリカ分散効果も発現すると考えられる。また、このようにシランカップリング剤とシリカとの反応状態が向上したことにより、シリカの再凝集化防止にもつながる。
このように、本発明の防振ゴム組成物は、ジエン系ゴム(A成分)に対して、特定のシランカップリング剤により表面処理されたシリカ(B成分)を、特定の割合で配合してなるものである。そのため、耐熱性、耐久性、低動倍率化の全てを高度に満足することができ、特に、シリカの分散性向上により、低動倍率化が大幅に向上している。また、本発明の防振ゴム組成物は、ゴム混練時に温度制御が不要となり、加えて、シリカ自体の貯蔵安定性、ゴムの貯蔵安定性にも優れている。そして、上記各成分からなる本発明の防振ゴム組成物は、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の防振材料として、好適に用いられる。それ以外に、コンピューターのハードディスクの制振ダンパー、洗濯機等の一般家電製品の制振ダンパー、建築・住宅分野における建築用制震壁,制震(制振)ダンパー等の制震(制振)装置および免震装置の用途にも用いることができる。
特に、上記ジエン系ゴム(A成分)およびシリカ(B成分)とともに、モノメタクリル酸亜鉛等の特定の加硫助剤(C成分)を含有すると、より耐熱性(特に熱老化防止効果)に優れるようになる。
特定のシランカップリング剤と特定のシリカとの化学的結合状態の一例を示す模式図である。 特定のシランカップリング剤と特定のシリカとの化学的結合状態の他の例を示す模式図である。 特定のシランカップリング剤と特定のシリカとの化学的結合状態のさらに他の例を示す模式図である。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の防振ゴム組成物は、ジエン系ゴム(A成分)と、特定のシランカップリング剤により表面処理されたシリカ(B成分)とを配合してなるものであり、上記特定のシリカ(B成分)の配合量が、ジエン系ゴム(A成分)に対して特定の割合に設定されている。
上記ジエン系ゴム(A成分)としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、強度や低動倍率化の点で、天然ゴムが好適に用いられる。
つぎに、上記ジエン系ゴム(A成分)とともに用いられるシリカ(B成分)は、下記の一般式(1)で表されるシランカップリング剤で表面処理されたシリカである。
Figure 2011174034
〔式中、R1は、アルキルポリエーテル基−O−(R5−O)m−R6であり、mは平均で1〜30である。そして、上記繰り返し数mの中において、R5は、同じかまたは異なる、C1〜C30の炭化水素基である。また、R6は、少なくとも11個のC原子を含有する一価のアルキル,アルケニル,アリール,アラルキル基である。
2は、その2つが同じかまたは異なり、上記R1と同じか、C1〜C12のアルキル基またはR7O基である。そして、R7は、H、メチル、エチル、プロピル、(R83Si基、またはC9〜C30の一価のアルキル,アルケニル,アリール,アラルキル基である。R8は、C1〜C30のアルキルまたはアルケニル基である。
3は、脂肪族、芳香族、混合脂肪族および芳香族からなる群から選ばれた少なくとも一つの、二価のC1〜C30炭化水素基である。
4は、H、CNまたは(C=O)−R9である。そして、R9は、脂肪族、芳香族、混合脂肪族および芳香族からなる群から選ばれた少なくとも一つの一価のC1〜C30炭化水素基である。〕
上記表面処理に使用されるシランカップリング剤は、上記一般式(1)におけるR3の長さ(炭素数)<〔R6の長さ(炭素数)−(R5の長さ(炭素数)×m)〕を満たすものが好ましい。
なお、上記特定のシランカップリング剤は、上記一般式(1)で表される種々のシランカップリング剤またはその縮合生成物の混合物であっても差し支えない。
上記特定のシランカップリング剤としては、下記の一般式(2)で表されるもの、一般式(3)で表されるもの、もしくはこれらの混合物が好ましい。
Figure 2011174034
そして、上記特定のシランカップリング剤としては、上記一般式(2)において、m=5であらわされるものが特に好ましい。
ここで、本発明における、上記特定のシランカップリング剤と、シリカとの化学的結合について、上記一般式(2)で表されるシランカップリング剤を例に具体的に説明する。例えば、図1の模式図に示すように、シランカップリング剤中のEtO基(エトキシ基)が、シリカ3表面のOH基と化学的に結合し、その結果、シランカップリング剤中の長鎖のアルキルポリエーテル基〔−O−(CH2CH2O)m−C1327〕(図示の1と2との結合基)が、シリカ3全体を包みこむような状態になる。なお、図2に示すように、シランカップリング剤中の長鎖のアルキルポリエーテル基〔−O−(CH2CH2O)m−C1327〕(図示の1と2との結合基)の一方が、その先端の−C1327部分(図示の2)から略180°反対側に折れ曲がっていても差し支えない。また、図3は、複数のシリカ3(なお、表面のOH基は省略する)と特定のシランカップリング剤との化学的結合状態を示す模式図である。すなわち、本発明においては、上記結合により、シリカ(B成分)の分散性が向上する。そのため、本発明によれば防振ゴム組成物の低動倍率化を実現することができる。
上記特定のシランカップリング剤によるシリカの表面処理方法(特定の表面処理シリカ(B成分)の調製方法)としては、乾式処理法、湿式処理法などの処理、反応方法が例示できる。乾式処理法は、ヘンシェルミキサーなどの高速攪拌可能な処理装置にシリカを仕込み、攪拌しながら特定のシランカップリング剤を添加する方法であり、添加する方法は、特定のシランカップリング剤をシリカに均一に処理、反応できる方法が望ましい。均一に処理、反応できる方法としては、シランカップリング剤を徐々に滴下する方法、霧状に噴霧する方法および気体状のシランカップリング剤を導入する方法等を例示することができる。湿式処理法は、特定のシランカップリング剤の溶液にシリカを分散させた状態で反応させ、必要に応じて乾燥してシランカップリング剤処理シリカを得る方法である。使用する溶剤としては、特に限定されないが、水、有機溶剤が例示される。通常、水、アルコールまたはそれらの混合物が用いられる。
また、乾式処理法、湿式処理法ともに、表面処理による効果を高める目的で、使用する特定のシランカップリング剤を、加水分解、縮合等の事前処理をさせてから、シリカの表面処理に用いてもよい。さらに、特定のシランカップリング剤とシリカ表面の水酸基の反応性を高める公知の方法を使用することができる。具体的な方法としては、例えば、処理後に加熱する方法や、酸,アルカリ,または有機金属化学物質等の縮合触媒を使用する方法が例示される。
上記特定のシランカップリング剤により表面処理されるシリカは、特に限定されないが、下記の特性(α)、(β)、(γ)のすべてを備えたシリカであることが好ましい。
(α)シアーズ滴定法により算出されるシリカ表面のシラノール基密度が3.0個/nm2以上。
(β)平均粒子径が10μm以下。
(γ)BET比表面積が15〜60m2/g。
まず、上記特性(α)について説明すると、上記のように、シアーズ滴定法により算出されるシリカ表面のシラノール基密度は、3.0個/nm2以上であることが好ましく、より好ましくは3〜30個/nm2の範囲である。すなわち、上記シラノール基密度が上記規定よりも小さすぎると、シランカップリング剤との反応性(結合性)に劣るため、耐久性が悪化する傾向がみられ、さらにゴム物性も低下する傾向がみられるようになるからである。
ここで、本発明におけるシリカ表面のシラノール基密度は、G.W.シアーズによる Analytical Chemistry(アナリティカルケミストリー),vol.28,No.12,1956,1982〜1983に記載の方法により測定されたシアーズ滴定量により算出することができる。なお、シラノール基密度の算出に当たり、シアーズ滴定量とシラノール基量の関係は、以下のイオン交換反応によるものとする。
Figure 2011174034
上記シラノール基密度の算出法としては、上述のシアーズ滴定法の他、例えば、灼熱減量(TG)測定法等があげられる。上記灼熱減量(TG)測定法によるシラノール基密度の算出では、加熱減量分を全て−OHとカウントするため、ゴムとの相互作用に無関係なシリカ凝集体の微細部分および一次粒子内部の−OHもカウントされる。これに対して、上述のシアーズ滴定法によるシラノール基密度の測定は、シリカ凝集体の表面の−OHのみをカウントする方法である。したがって、ゴム中でのシリカの分散状態およびゴムとの結合状態を考慮すると、シアーズ滴定法により算出したシラノール基密度の方が、実際に近い状態を表現する測定法であるため好ましい。
つぎに、上記特性(β)は、シリカの平均粒子径を規定するものであり、本発明では、前記のように、シリカの平均粒子径を10μm以下とすることが好ましく、より好ましくは2〜10μmの範囲である。すなわち、上記平均粒子径が上記規定よりも大きすぎると、凝集塊が大きく、シリカ自身が異物として働くため、物性が低下したり、また、シリカの凝集により動倍率が高くなるからである。
なお、上記平均粒子径は、コールター法により測定した平均粒子径であって、二次粒子径のことをいう。
さらに、上記特性(γ)について説明すると、前記のように、シリカのBET比表面積は15〜60m2/gの範囲とすることが好ましく、より好ましくは15〜35m2/gの範囲である。すなわち、上記シリカのBET比表面積が上記規定よりも小さすぎると、一次粒子径が大きくなりすぎ、ジエン系ゴム(A成分)との接触面積自体が小さくなるため充分な補強性が得られず、破断時引っ張り強度(TSb)や破断伸び(Eb)が悪くなり、逆にBET比表面積が大きすぎる(60m2/gを超える)と、一次粒子径が小さくなりすぎ、一次粒子同士の凝集が強くなり、このため分散性が悪化し、動特性が悪くなるからである。
なお、本発明において、上記シリカのBET比表面積は、例えば、試料を200℃で15分間脱気した後、吸着気体として混合ガス(N2 70%、He 30%)を用いて、BET比表面積測定装置(マイクロデータ社製、4232−II)により測定することができる。
上記特性(α)、(β)、(γ)のすべてを備えたシリカの調製方法としては、沈殿法シリカの反応処方があげられ、例えば、アルカリ珪酸塩水溶液(市販の珪酸ソーダ水溶液)を鉱酸で中和して沈殿シリカを析出させる方法に準じて調製することができる。具体的には、まず、所定濃度の珪酸ソーダ水溶液を所定量反応容器に張り込み、所定条件で鉱酸を添加する(片側添加反応)か、もしくは予め一定量の温水を張り込んだ反応溶液中に、pH、温度を制御しながら珪酸ソーダおよび鉱酸を一定時間添加する(同時添加方式)方法等が採用できる。つぎに、上記方法によって得られた沈殿シリカスラリーを、ケーキ洗浄が可能な濾過機(例えば、フィルタープレス、ベルトフィルター等)により濾別、洗浄して副生電界質を除去する。その後、得られたシリカケーキを乾燥機により乾燥する。一般的には、このシリカケーキをスラリー化し噴霧乾燥機により乾燥するが、ケーキのまま加熱オーブン等により静置乾燥してもよい。このようにして得た、乾燥されたシリカは、続いて粉砕機により所定の平均粒子径とされ、必要に応じ、さらに分級機による、粗粒のカットを行うことにより、目的とするシリカとして調製される。この粉砕・分級操作は、平均粒子径の調整・粗粒のカットを目的としており、粉砕方式(例えば、気流式粉砕機、衝撃式粉砕機等)は特に限定されるものではない。また、分級方式(例えば、風力式、篩い式等)も、特に限定されるものではなく、分級機も同様に、特に限定されるものではない。
ここで、前記一般式(1)で表されるシランカップリング剤で表面処理されたシリカ(B成分)の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100重量部(以下、「部」と略す)に対して10〜100部であり、好ましくは20〜70部の範囲である。すなわち、上記配合量が少なすぎると、一定水準の補強性を満足できなくなり、さらに、加硫成形後の冷却により収縮し、形状寸法に問題が生じる傾向がみられるからである。逆に、上記配合量が多すぎると、動倍率が高くなったり、シリカ添加量が多すぎるため、シリカ自身が異物として働き、物性が低下する傾向がみられるからである。
本発明の防振ゴム組成物は、上記ジエン系ゴム(A成分)と、上記特殊なシリカ(B成分)とを必須成分とするものであるが、耐熱性(特に熱老化防止効果)を高めるため、特定の加硫助剤(C成分)を配合することが好ましい。上記特定の加硫助剤(C成分)としては、モノメタクリル酸亜鉛、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、ステアリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、フェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、イソボニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、エトキシ化(2) ヒドロキシエチルメタクリレート、イソデシルメタクリレートといったものが用いられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、モノメタクリル酸亜鉛と、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、ステアリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、フェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、イソボニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレートまたはイソデシルメタクリレートのモノ(メタ)アクリレートとを併用することが、耐熱性、圧縮永久歪み特性に加え、動特性(低動倍率化)により優れたものとなり、好ましい。なお、上記の「モノ(メタ)アクリレート」とは、モノアクリレートあるいはモノメタクリレートを意味する。
なお、上記(C)成分の加硫助剤として、モノメタクリル酸亜鉛を配合しない系においては、そのゴム組成物が、貯蔵安定性に劣るために、混練後すぐに製品加工しなければならないといった不都合が生じる場合がある。この場合、その貯蔵安定性を向上させる観点から、上記(C)成分の加硫助剤に加え、金属(メタ)アクリレートを配合することが好ましい。上記金属(メタ)アクリレートとしては、モノメタクリル酸亜鉛の他、モノアクリル酸亜鉛、ジメタクリル酸亜鉛、ジアクリル酸亜鉛等があげられ、これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記特定の加硫助剤(C成分)の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、0.1〜10部の範囲が好ましく、特に好ましくは、1.0〜6.0部の範囲である。すなわち、上記特定の加硫助剤の配合量が上記範囲よりも少ないと、所望の熱老化防止効果が得られず、逆に上記範囲を超えると、ゴム組成物の架橋状態が変化し、防振性や耐へたり性が悪化するからである。また、貯蔵安定性を向上させる趣旨より金属(メタ)アクリレートを配合する場合、その配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、0.5〜10部の範囲が好ましく、特に好ましくは、1.0〜6.0部の範囲である。
ところで、本発明の防振ゴム組成物において、例えば、先に述べたようにモノメタクリル酸亜鉛を含有すると、耐熱性が非常に高くなる等の利点を有するが、その反面、ガスを発生し防振ゴム組成物を発泡させることから、防振ゴム組成物の融着不良、防振ゴム(加硫体)の接着不良を誘発するおそれがある。この問題を解決する手法として、例えば、本発明の防振ゴム組成物における各成分とともに、ゼオライト,セピオライト,ハイドロタルサイトといった吸着フィラーを含有することが好ましい。これらの吸着フィラーは、単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なお、一般的な吸着フィラーである酸化マグネシウムは、本発明の課題の一つである耐熱性を阻害するおそれがあるため、本発明の防振ゴム組成物においては配合しないことが好ましい。また、上記ゼオライトは、二酸化ケイ素からなる結晶格子における、ケイ素元素の一部が、アルミニウム元素に置き換わり、結晶格子全体が負に帯電し、ナトリウム、カルシウム、カリウムといったカチオンを取込むことにより、電荷のバランスが取られてなるものであって、天然ゼオライトの他、上記のような組成となるよう合成された合成ゼオライトがある。そして、上記ゼオライトは、ガス吸着性の観点から、その組成が、ケイ素、アルミニウム、ナトリウム、カルシウムの四元素を全て含むことが好ましい。
上記吸着フィラーの配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、2〜15部の範囲が好ましく、特に好ましくは、2〜10部の範囲である。すなわち、上記吸着フィラーの配合量が上記範囲よりも少ないと、所望の発泡抑制効果が得られず、逆に上記範囲を超えると、動倍率が上がり、防振ゴム特性が悪化するからである。
本発明の防振ゴム組成物においては、上記(A)および(B)成分とともに、必要に応じて、上記(C)成分、吸着フィラー等や、さらに、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、プロセスオイル、カーボンブラック等を適宜に配合しても差し支えない。なお、本発明の防振ゴム組成物は、従来、補強剤として用いられていたカーボンブラックに代えて、特殊なシリカ(B成分)を使用したものであり、補強剤としてのカーボンブラックを実質的に含有しないもの(カーボンブラック不含)が好ましいが、本発明の防振ゴム組成物の特性に影響を与えない量であれば含有させても差し支えない。
上記加硫剤としては、例えば、硫黄(粉末硫黄,沈降硫黄,不溶性硫黄)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記加硫剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、0.3〜7部の範囲が好ましく、特に好ましくは1〜5部の範囲である。すなわち、上記加硫剤の配合量が少なすぎると、充分な架橋構造が得られず、動倍率、耐へたり性が悪化する傾向がみられ、逆に加硫剤の配合量が多すぎると、耐熱性が低下する傾向がみられるからである。
上記加硫促進剤としては、例えば、チアゾール系,スルフェンアミド系,チウラム系,アルデヒドアンモニア系,アルデヒドアミン系,グアニジン系,チオウレア系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、架橋反応性に優れる点で、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
また、上記加硫促進剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、0.5〜7部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部の範囲である。
上記チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、特に架橋反応性に優れる点で、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)が好適に用いられる。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NOBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド(BBS)、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド等があげられる。
上記チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等があげられる。
上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス類等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記老化防止剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜10部の範囲が好ましく、特に好ましくは2〜5部の範囲である。
上記プロセスオイルとしては、例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、アロマ系オイル等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記プロセスオイルの配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜50部の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜30部の範囲である。
本発明の防振ゴム組成物は、例えば、つぎのようにして調製することができる。すなわち、上記ジエン系ゴム(A成分)と、特定のシリカ(B成分)と、必要に応じて、特定の加硫助剤(C成分)や、老化防止剤,プロセスオイル等を適宜に配合し、これらをバンバリーミキサー等を用いて、約50℃の温度から混練りを開始し、100〜160℃で、3〜5分間程度混練を行う。つぎに、これに、加硫剤,加硫促進剤等を適宜に配合し、オープンロールを用いて、所定条件(例えば、50℃×4分間)で混練することにより、防振ゴム組成物を調製することができる。その後、得られた防振ゴム組成物を、高温(150〜170℃)で5〜30分間、加硫することにより防振ゴムを作製することができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔NR〕
天然ゴム
〔BR〕
ブタジエンゴム(Nipol BR1220、日本ゼオン社製)
〔酸化亜鉛〕
酸化亜鉛2種、堺化学工業社製
〔ステアリン酸〕
ルーナックS30、花王社製
〔老化防止剤〕
オゾノン6C、精工化学社製
〔ワックス〕
サンノック、大内新興化学社製
〔鉱物油〕
ナフテン系オイル(出光興産社製、ダイアナプロセスNM−280)
〔シランカップリング剤(i) 〕
前記一般式(2)において、mが5であるシランカップリング剤(エボニックデグサ社製、VPSi363)
〔シランカップリング剤(ii)〕
下記の構造式(4)で表されるメルカプト系シランカップリング剤(KBM−803、信越化学工業社製)
Figure 2011174034
〔シリカ(i) 〕
シラノール基密度:10.1個/nm2、平均粒子径:5.7μm、BET比表面積:20m2/gのシリカ(TB5012、東ソーシリカ社製)
〔シリカ(ii)〕
シラノール基密度:14.4個/nm2、平均粒子径:5μm、BET比表面積:15m2 /gとなるように調製したシリカ(試作品)
〔シリカ(iii) 〕
シラノール基密度:3.0個/nm2、平均粒子径:10μm、BET比表面積:60m2/gとなるように調製したシリカ(試作品)
〔吸着フィラー(i)〕
合成ゼオライト(ミズカシーブス5AP、水澤化学工業社製)
〔吸着フィラー(ii)〕
合成ゼオライト(ミズカライザーDS、水澤化学工業社製)
〔吸着フィラー(iii)〕
ハイドロタルサイト(DHT4A、協和化学工業社製)
〔加硫促進剤(i) 〕
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)(ノクセラーCZ、大内新興化学社製)
〔加硫促進剤(ii)〕
テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)(サンセラーTT、三新化学工業社製)
〔加硫剤〕
硫黄、軽井沢精錬所社製
〔加硫助剤(i)〕
モノメタクリル酸亜鉛(PRO11542、サートマー社製)
〔加硫助剤(ii)〕
2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(スミライザーGM、住友化学社製)
〔加硫助剤(iii)〕
ステアリルメタクリレート(SR324、サートマー社製)
〔加硫助剤(iv)〕
トリデシルメタクリレート(SR493、サートマー社製)
〔加硫助剤(v)〕
ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(SR604、サートマー社製)
〔加硫助剤(vi)〕
フェノールEO変性アクリレート(M101A、東亞合成社製)
〔加硫助剤(vii)〕
ノニルフェノールEO変性アクリレート(M111、東亞合成社製)
〔加硫助剤(viii)〕
N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド(M140、東亞合成社製)
〔加硫助剤(ix)〕
イソボニルメタクリレート(SR423、サートマー社製)
〔加硫助剤(x)〕
テトラヒドロフルフリルアクリレート(SR285、サートマー社製)
〔加硫助剤(xi)〕
2−フェノキシエチルメタクリレート(SR340、サートマー社製)
〔加硫助剤(xii)〕
エトキシ化(2) ヒドロキシエチルメタクリレート(SR570、サートマー社製)
〔加硫助剤(xiii)〕
イソデシルメタクリレート(SR242、サートマー社製)
〔実施例1〕
NR100部と、酸化亜鉛5部と、ステアリン酸1部と、老化防止剤2部と、ワックス2部と、鉱物油5部と、シランカップリング剤(i)2部と、シリカ(i)30部と、加硫助剤(i)3部とを準備し、乾式処理法に従い上記シランカップリング剤(i)とシリカ(i)とを混合してシリカの表面処理を行った後、上記各材料を全て配合し、これらをバンバリーミキサーを用いて、140℃で5分間混練を行った。つぎに、これに、加硫剤1部と、加硫促進剤(i)2部と、加硫促進剤(ii)1部とを配合し、オープンロールを用いて、60℃で5分間混練することにより、防振ゴム組成物を調製した。
〔実施例2〜34、比較例1〜3〕
後記の表1〜表5に示すように、各成分の配合量等を変更する以外は、実施例1に準じて、防振ゴム組成物を調製した。
このようにして得られた実施例および比較例の防振ゴム組成物を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、後記の表1〜表5に併せて示した。
〔耐熱性(熱老化試験)〕
各防振ゴム組成物を、160℃×20分の条件でプレス成形(加硫)して、厚み2mmのゴムシートを作製した。そして、このゴムシートから、JIS5号ダンベルを打ち抜き、このダンベルを用い、JIS K6251に準拠して、破断伸び(Eb)を測定した。なお、この測定は、初期(熱老化させる前)のゴムシート、100℃×70時間の雰囲気下で熱老化させた後のゴムシート、100℃×500時間の雰囲気下で熱老化させた後のゴムシート、100℃×1000時間の雰囲気下で熱老化させた後のゴムシートに対して行った。そして、各熱老化時間による破断伸びの減少度合(初期との差)を求め、その値を後記の表1〜表5に示した。なお、この試験において、本発明に要求される熱破断伸びの減少度合は、70時間熱老化後で10.0%以下、500時間熱老化後で40.0%以下、1000時間熱老化後で60.0%以下である。そして、これらの要求を全て満たすものを、後記の表1〜表5に示す総評において「○」と表記し、満たさないものを「×」と表記した。
〔圧縮永久歪み〕
各防振ゴム組成物を、160℃×30分の条件でプレス成形(加硫)し、テストピースを作製した。つぎに、JIS K6262に従い、上記テストピースを25%圧縮させたまま、100℃×500時間後の圧縮永久歪みを測定した。
〔動特性(動倍率)〕
各防振ゴム組成物を、160℃×30分の条件でプレス成形(加硫)し、テストピースを作製した。このテストピースの動ばね定数(Kd100)および静ばね定数(Ks)を、それぞれJIS K 6394に準じて測定した。その値をもとに、動倍率(Kd100/Ks)を算出した。
Figure 2011174034
Figure 2011174034
Figure 2011174034
Figure 2011174034
Figure 2011174034
上記結果から、実施例品は、圧縮永久歪み特性に優れるとともに、動特性にも優れ、さらに、熱老化試験により、破断伸び特性が、長期熱老化後であっても劣化しにくいことがわかる。
これに対して、比較例1では、シリカの表面処理に用いたシランカップリング剤が、本発明のものと異なる一般的なメルカプト系シランカップリング剤であることから、耐熱性、圧縮永久歪みに劣化がみられる。比較例3では、シリカの配合量が多すぎることから、より、耐熱性、圧縮永久歪みの劣化がみられる。比較例2で配合されているシリカも、その表面処理に用いたシランカップリング剤が、本発明のものと異なる一般的なメルカプト系シランカップリング剤であることから、比較例2では、圧縮永久歪みの劣化が若干みられた。また、比較例2では、シリカの配合量が少なすぎたことから、所望のゴム硬度が得られず、補強性、ばね剛性を確保できなかった。さらに、比較例2では、加硫形成後、冷却により収縮し、形状寸法に問題も生じた。
つぎに、実施例の防振ゴム組成物を用い、下記の基準に従って、その貯蔵安定性の評価を行った。その結果を、後記の表6〜表9に併せて示した。
〔貯蔵安定性〕
上記調製のゴム組成物における未加硫粘度の経時的変動を見るため、調製直後(初期)、常温常湿雰囲気下に72時間放置後(貯蔵後)、および、温度40℃×湿度95%RH雰囲気下に168時間放置後(湿熱貯蔵後)のムーニー粘度(ML1+4 121℃)を、東洋精機製作所社製のムーニー粘度測定器により測定した。
Figure 2011174034
Figure 2011174034
Figure 2011174034
Figure 2011174034
上記結果より、実施例品のなかでも、特に、加硫助剤(i)のモノメタクリル酸亜鉛を使用したもの(実施例1品、および実施例14〜34品)は、他の実施例品に比べ、湿熱貯蔵後であっても粘度の変動が少なく、貯蔵安定性に優れていることがわかる。なお、表記していないが、上記モノメタクリル酸亜鉛を使用したもののなかでも、吸着フィラーを所定量配合した実施例29〜34のゴム組成物の加硫体は、目視により確認した結果、モノメタクリル酸亜鉛によるゴム発泡がみられなかった。
本発明の防振ゴム組成物は、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の防振材料として好ましく用いられるが、それ以外にも、コンピューターのハードディスクの制振ダンパー、洗濯機等の一般家電製品の制振ダンパー、建築・住宅分野における建築用制震壁,制震(制振)ダンパー等の制震(制振)装置および免震装置の用途にも用いることができる。
1 −(OCH2CH2mO−
2 −C1327
3 シリカ

Claims (7)

  1. 下記の(A)および(B)成分を含有する防振ゴム組成物であって、(A)成分100重量部に対して、(B)成分の含有割合が10〜100重量部の範囲に設定されていることを特徴とする防振ゴム組成物。
    (A)ジエン系ゴム。
    (B)下記の一般式(1)で表されるシランカップリング剤で表面処理されたシリカ。
    Figure 2011174034
    〔式中、R1は、アルキルポリエーテル基−O−(R5−O)m−R6であり、mは平均で1〜30である。そして、上記繰り返し数mの中において、R5は、同じかまたは異なる、C1〜C30の炭化水素基である。また、R6は、少なくとも11個のC原子を含有する一価のアルキル,アルケニル,アリール,アラルキル基である。
    2は、その2つが同じかまたは異なり、上記R1と同じか、C1〜C12のアルキル基またはR7O基である。そして、R7は、H、メチル、エチル、プロピル、(R83Si基、またはC9〜C30の一価のアルキル,アルケニル,アリール,アラルキル基である。R8は、C1〜C30のアルキルまたはアルケニル基である。
    3は、脂肪族、芳香族、混合脂肪族および芳香族からなる群から選ばれた少なくとも一つの、二価のC1〜C30炭化水素基である。
    4は、H、CNまたは(C=O)−R9である。そして、R9は、脂肪族、芳香族、混合脂肪族および芳香族からなる群から選ばれた少なくとも一つの一価のC1〜C30炭化水素基である。〕
  2. 上記(B)成分のシリカが、下記の特性(α)、(β)、(γ)のすべてを備えたシリカを、上記シランカップリング剤で表面処理したものである請求項1記載の防振ゴム組成物。
    (α)シアーズ滴定法により算出されるシリカ表面のシラノール基密度が3.0個/nm2 以上。
    (β)平均粒子径が10μm以下。
    (γ)BET比表面積が15〜60m2/g。
  3. 上記(A)および(B)成分とともに、下記の(C)成分を含有する請求項1または2記載の防振ゴム組成物。
    (C)モノメタクリル酸亜鉛、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、ステアリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、フェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、イソボニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、エトキシ化(2) ヒドロキシエチルメタクリレートおよびイソデシルメタクリレートからなる群から選ばれた少なくとも一つ。
  4. 上記(C)成分が、モノメタクリル酸亜鉛と、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート,ステアリルメタクリレート,トリデシルメタクリレート,ポリプロピレングリコールモノメタクリレート,フェノールEO変性アクリレート,ノニルフェノールEO変性アクリレート,イソボニルメタクリレート,テトラヒドロフルフリルアクリレート,2−フェノキシエチルメタクリレートまたはイソデシルメタクリレートのモノ(メタ)アクリレートとを併用したものである請求項3記載の防振ゴム組成物。
  5. 金属(メタ)アクリレートを含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
  6. ゼオライト,セピオライトおよびハイドロタルサイトからなる群から選ばれた少なくとも一つの吸着フィラーを含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物の加硫体。
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