JP5830058B2 - 防振ゴム組成物及び防振ゴム - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のトーショナルダンパー、エンジンマウント、マフラーハンガー等に使用される防振ゴムを製造するための防振ゴム組成物、及びこれを用いた防振ゴムに関する。
従来、自動車等の各種車両では、搭乗者の快適性を向上させるために、振動や騒音の発生源となる部位に様々な防振材を配置し、室内への振動や騒音の侵入を低減する試みがなされてきた。例えば、振動や騒音の主たる発生源であるエンジンに対しては、トーショナルダンパー、エンジンマウント、マフラーハンガー等の構成部材に防振ゴムを用いることでエンジン駆動時の振動を吸収し、室内への振動及び騒音の侵入や、周辺環境への騒音の拡散を低減している。
このような防振ゴムの基本的な特性としては、エンジン等の重量物を支える強度特性や、その振動を吸収し抑制する防振性能が要求される。強度特性や防振性能を表す指標として、静バネ定数に対する動バネ定数の比で表される動倍率が従来から用いられている。静バネ定数は支持性能(硬さ)を示し、動バネ定数は振動伝達の遮断性能を示すものである。動倍率が低いものほど防振ゴムの性能として優れたものとなる。
従来から動倍率を改善するための種々の手法が提案されている。特許文献1では、カーボンブラックをミルによって粉砕処理することによりメカノケミカル反応させた後、これをシランカップリング剤及び他の防振ゴム用成分と混練し、次いで加硫することにより防振ゴムを製造することが記載されている。
また、特許文献2では、共役関係にある2個以上の炭素間二重結合の少なくとも1組を分子内に含む共役ジエン酸を所定量含有する有機不飽和脂肪酸をゴム組成物に配合することにより、動倍率を維持乃至改善させると共に加硫戻りや熱へたり性を向上させている。
特開2009−35578号公報 特開平7−97483号公報
しかしながら、上記特許文献1や2の従来の防振ゴム組成物により製造された防振ゴムは、動倍率が実用上要求される水準まで十分に低いものとはいえず、依然として動倍率の更なる改善が求められている。また、特許文献1に記載の方法では、粉砕処理を行う工程を要することから防振ゴムの生産性が低下するという問題がある。一方、動倍率が低い場合であっても静バネ定数自体が一定の基準を満たさない場合には、防振ゴムの支持特性が損なわれ、防振ゴムとしての機能を十分に発揮することができない恐れがある。
従って、本発明の目的は、動倍率が低く、十分な支持特性を有し、生産性を低下させることのない防振ゴム組成物を提供することにある。
上記目的は、天然ゴムを含むゴム成分、共役脂肪酸を含む脂肪酸成分、及び硫黄原子含有シランカップリング剤を含み、前記共役脂肪酸を含む脂肪酸成分に対する前記硫黄原子含有シランカップリング剤の含有量比(硫黄原子含有シランカップリング剤/共役脂肪酸を含む脂肪酸成分)が0.4〜2であり、前記硫黄原子含有シランカップリング剤は、前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜5質量部含み、前記共役脂肪酸は、前記脂肪酸成分の質量に対して10〜90質量%の量で含み、前記脂肪酸成分は、前記ゴム成分100質量部に対して2〜10質量部含むことを特徴とする防振ゴム組成物により達成される。
この防振ゴム組成物より製造された防振ゴムは、十分な支持特性を有し、動倍率が極めて低いことが見出された。この詳細な理由は明らかではないが、シランカップリング剤に含まれる硫黄原子と共役脂肪酸に含まれる共役二重結合とがゴム成分のポリマーに対して相互作用することにより引き起こされるものと考えられる。そして、この防振ゴムは上記防振ゴム組成物を従来の手法で混練・加硫することにより得られ、従来の工程と比較して別の工程を要しないので、生産性を低下させることもない。
本発明の防振ゴム組成物の好ましい実施態様は以下の通りである。
1)前記硫黄原子含有シランカップリング剤は、下記式(I)
Figure 0005830058
(式中、
は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6の二価の炭化水素基を表し、
は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6のアルコキシ基又は塩素原子を表し、
Xは、1〜10の整数である。)
で表される。
(2)前記共役脂肪酸は、炭素原子数5〜30のジエン酸である。
また、本発明は、この防振ゴム組成物を用いてなる防振ゴムも提供する。
本発明によれば、ゴム成分に対して共役脂肪酸を含む脂肪酸成分と硫黄原子含有シランカップリング剤を配合していることにより、低い動倍率を有し且つ十分な支持特性が確保された防振ゴムを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の防振ゴム組成物は、天然ゴムを含むゴム成分を主成分として含み、更に、共役脂肪酸を含む脂肪酸成分と、硫黄原子含有シランカップリング剤とを含んでいる。
天然ゴムとしては、特に制限はなく、防振ゴムに用いられる通常の天然ゴムを用いることができる。具体的には、例えば、シートゴム(クレープを含む)では、RSS(Ribbed Smoked Sheet)、White Crepes、Pale Crepes、Estate Brown Crepes、Comp Crepes、Thin Brown Crapes(Rimills)、Thich Blancket Crapes(Ambers)、Flat Bark Crepes、Pure Smoked Branket Crapesの全ての等級、またブロックゴムでは、SMR(Standard Malaysian Rubber)、SIR(Indonesian)、STR(Thai)、SSR(Singaporean)、SCR(Ceylon)、SVR(Vietnamese)などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
ゴム成分にはジエン系合成ゴムが含まれていてもよい。ジエン系合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等を使用することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)が好ましく、更にブタジエンゴム(BR)が特に好ましい。
ゴム成分にジエン系合成ゴムが含まれる場合、ジエン系合成ゴムに対する天然ゴムの質量比(天然ゴム/ジエン系合成ゴム)は99/1〜50/50、好ましくは90/10〜70/30である。この範囲内であれば天然ゴムに特有の高い耐久性を防振ゴムに付与しつつ、ジエン系合成ゴムによる減衰性の更なる向上効果が図られる。
本発明において硫黄原子含有シランカップリング剤は、分子内において硫黄原子が他の原子と共有結合で結合することにより含んでいるものである。また、通常のシランカップリング剤と同様に、ケイ素原子にはアルコキシ基や塩素原子等の加水分解性基が結合している。硫黄原子含有シランカップリング剤としては、例えば、分子内にメルカプト基を有するシランカップリング剤又は分子内にスルフィド結合を含むシランカップリング剤が挙げられる。
硫黄原子含有シランカップリング剤として下記式(I)で表されるものを好ましく使用することができる。
Figure 0005830058
(式中、
は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6の二価の炭化水素基を表し、
は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6のアルコキシ基又は塩素原子を表し、
Xは、1〜10の整数である。)
は、炭素原子数1〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基であることが好ましい。
は、炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が特に好ましい。Xは2〜6の整数であることが好ましい。具体的にはビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが好ましい。
本発明の防振ゴム組成物における硫黄原子含有シランカップリング剤の含有量は、ゴム成分100質量に対して0.1〜5質量部、特に0.5〜4質量部であることが好ましい。この範囲であれば動倍率の低下効果を十分に得ることができる。
脂肪酸成分に含まれる共役脂肪酸は、その炭素鎖に共役二重結合を有する脂肪酸である。共役脂肪酸としては、例えば、炭素原子数5〜30、好ましくは炭素原子数15〜22の不飽和脂肪酸が挙げられる。また、二重結合の数は例えば2〜6個あればよい。すなわち、ジエン酸、トリエン酸、テトラエン酸、ペンタエン酸、ヘキサエン酸を使用することができる。中でもジエン酸が好ましい。
共役脂肪酸の具体例としては、2,4−ペンタジエン酸、2,4−ヘキサジエン酸、2,4−デカジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、α−エリオステアリン酸、9,11−オクタデカジエン酸、10,12−オクタデカジエン酸、9,11,13−オクタデカトリエン酸、9,11,13,15−オクタデカテトラエン酸等が挙げられ、これらの共役脂肪酸は、脂肪酸成分中に1種存在していてもよく、2種以上存在していてもよい。例示した共役脂肪酸の中でも特に9,11−オクタデカジエン酸が好ましい。
共役脂肪酸を含む脂肪酸成分としては、例えば、ヒマシ油をケン化して得た脂肪酸を脱水することにより得られる脱水ヒマシ油脂肪酸を好適に使用することができる。脱水ヒマシ油脂肪酸には、ヒマシ油の構成成分中のリシノール酸に由来するオクタデカジエン酸が含まれる。このオクタデカジエン酸には、炭素鎖に共役二重結合を有する9,11−オクタデカジエン酸と、そうでない9,12−オクタデカジエン酸の両方が含まれる。脱水ヒマシ油脂肪酸にはオクタデカジエン酸に加えて、ヒマシ油の構成成分中の他の脂肪酸(オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸等)が含まれる。
脂肪酸成分中の共役脂肪酸の含有割合は、脂肪酸成分の全質量に対して10〜90重量%、特に20〜80質量%である。
そして、本発明の防振ゴム組成物における脂肪酸成分の好ましい含有量は、ゴム成分100質量部に対して1〜10質量部、好ましくは2〜10質量部、特に好ましくは5〜10質量部である。この範囲より少ないと動倍率の低下効果を十分に得られない場合があり、この範囲より多いと防振ゴム組成物の混練が十分に行われなくなる場合がある。
本発明の防振ゴム組成物は、硫黄原子含有シランカップリング剤と、共役脂肪酸を含む脂肪酸成分とを含んでいるので、十分な支持特性が確保され且つ動倍率の低い防振ゴムを得ることができる。
ここで、共役脂肪酸を含む脂肪酸成分に対する硫黄原子含有シランカップリング剤の含有量比(硫黄原子含有シランカップリング剤/共役脂肪酸を含む脂肪酸成分)が、0.1〜10、特に0.4〜3であることが好ましい。
本発明の防振ゴム組成物には上述した成分に加えて、ゴム工業で通常使用されている加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、充填剤、ワックス類、オイル、老化防止剤等の添加剤が適宜配合される。
加硫剤としては硫黄を用いることができる。硫黄の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、一般に0.1〜5質量部である。
加硫を促進させるための加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のベンゾチアゾール系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラウムジスルフィド、テトラオクチルチウラウムジスルフィド、テトラベンジルチウラウムジスルフィド等のチウラウム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩系;その他ジアルキルジチオリン酸亜鉛などを挙げることができる。
上記の加硫促進剤については、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸塩系等の1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用しておもよい。加硫挙動(速度)の調整等のため、加硫促進能力が比較的高いチウラム系及び/又はチアゾール系と、加硫促進能力が比較的中〜低程度のグアニジン系及び/又はスルフェンアミド系の加硫促進剤とを組み合わせることが好適に採用される。具体的には、テトラメチルチウラムジスルフィドとN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドとの組合せ、テトラブチルチウラムジスルフィドとN−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドとの組合せ、ジベンゾチアジルジスルフィドとジフェニルグアニジンとの組合せ等が挙げられる。加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2〜10質量部である。
本発明においては、加硫を更に促進する観点から、亜鉛華(ZnO)やステアリン酸等の加硫促進助剤を配合することができる。これら加硫促進助剤の配合量は上記ゴム成分100質量部に対し、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜7質量部である。配合量が10質量部を超えると、作業性の悪化及び動倍率の悪化等を招くおそれがあり、1質量部未満になると、加硫遅延等のおそれがある。
オイルとしては、公知のものを使用することができ、特に制限されないが、具体的には、パラフィンオイル等のプロセスオイルや、やし油等の植物油、アルキルベンゼンオイル等の合成油等を使用することができる。本発明においては、パラフィンオイルを好適に用いることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらオイルの配合量は、特に制限されるものではないが、上記ゴム成分100質量部に対し、概ね1〜40質量部とすることができる。配合量が上記範囲を逸脱すると、混練作業性が悪化するおそれがある。
老化防止剤としては、公知のものを用いることができ、特に制限されないが、フェノール系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤などを挙げることができる。これら老化防止剤の配合量は上記ゴム成分100質量部に対し、通常2〜10質量部、好ましくは3〜7質量部である。
充填剤としてはカーボンブラックやシリカ等を使用することができる。カーボンブラックとしては、公知のものを使用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラックを挙げることができ、本発明においては、FEFを好適に用いることができる。また、これらのカーボンブラックは、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
一方、シリカとしては、BET比表面積が70〜230m2/gの範囲にあるものが好ましく用いられる。このBET比表面積が70m2/g以上であれば良好な補強効果が得られ、ゴム物性の悪化や耐久性の劣化を抑えることができる。またBET比表面積が230m2/g以下であれば、ゴム組成物中へのシリカの分散不良を抑えることができ、その結果、分散不良による耐久性の低下や動倍率の悪化を抑制することができる。このBET比表面積のより好ましい範囲は80〜200m2/gである。
なお、上記BET比表面積は、「アメリカ化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)」、第60巻、第309頁に記載されているブルナウアー、エメットおよびテラー(“BET”)法により、測定される値である。
当該シリカとしては、BET比表面積が70〜230m2/gの各種の市販されているものを使用することができる。なお、本発明における「シリカ」の用語は、SiO2を組成式中に含む、二酸化珪素、珪酸、珪酸塩を包含する広義の概念であるが、無水珪酸である二酸化珪素が、上述の作用効果の点から好ましく、特にシリカゲルなどの湿式法で製造されたシリカが好適である。上記のようなシリカとしては、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、充填剤として、前述のカーボンブラックのみを用いてもよいし、シリカのみを用いてもよく、またカーボンブラックとシリカとを併用してもよい。
これら充填剤の配合量は上記ゴム成分100質量部に対して、通常15〜60質量部、好ましくは20〜50質量部である。配合量が60質量部を超えると、作業性が悪化するおそれがあり、15質量部未満になると、接着性の悪化を招くおそれがある。
また、本発明の防振ゴム組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、発泡剤、可塑剤、滑剤、粘着付与剤、石油系樹脂、紫外線吸収剤、分散剤、相溶化剤、均質化剤等の添加剤を更に含んでいてもよい。
本発明のゴム組成物を得る際、上記各成分の配合方法に特に制限はなく、全ての成分原料を一度に配合して混練しても良いし、2段階あるいは3段階に分けて各成分を配合して混練を行ってもよい。なお、混練に際してはロール、インターナルミキサー、バンバリーローター等の混練機を用いることができる。更に、シート状や帯状等に成形する際には、押出成形機、プレス機等の公知の成形機を用いればよい。
また、上記ゴム組成物を硬化させる際の加硫条件としては、特に限定されるものはないが、通常140〜180℃で、5〜120分間の加硫条件を採用することができる。
本発明の防振ゴムは、上述したゴム組成物を加硫して得られるものであるが、防振ゴムとしては、例えば、自動車のトーショナルダンパー、エンジンマウント、マフラーハンガー等に好適に使用されるものであるが、これらに限定されるものではない。
下記表に示した各材料を表示した配合組成で混練し加硫して、各実施例及び比較例各々の防振ゴム組成物を加硫硬化させ、長さ120mm×幅120mm×厚さ2mmのシート成型物を作製した。このシートを防振ゴムの評価体とした。
使用した材料の詳細は以下の通りである。
・天然ゴム(RSS#4)
・ブタジエンゴム(JSR製「T700」)
・硫黄原子含有シランカップリング剤(デグッサ製「SI−69」、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
・硫黄原子非含有シランカップリング剤(信越化学工業製「KBE1003」、ビニルトリエトキシシラン)
・カーボン(旭カーボン製「旭#65」、FEF級カーボンブラック)
・シリカ(東ソー製「ER−R」)
・ステアリン酸(新日本理化社製「ステアリン酸50S」)
・亜鉛華(ハクスイテック製「3号亜鉛華」)
・ワックス(精工化学製「サンタイトS」)
・老化防止剤RD(大内新興化学工業製「ノクラック224」、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
・老化防止剤6C(大内新興化学工業製「ノクラック6C」、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
・脱水ヒマシ油脂肪酸(伊藤製油製「DCO−FA」、共役脂肪酸として9,11−オクタデカジエン酸を35重量%の量で含む脂肪酸成分)
・ナフテン系オイル(出光興産(株)製「ダイアナプロセスオイルNS−100」)
・アロマ系オイル(出光興産(株)製「ダイアナプロセスオイルAH−24」)
・硫黄(鶴見化学製「粉末硫黄」)
・加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ−G」、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
<評価方法>
上記作製した防振ゴムの評価体について以下の評価試験を行った。
・硬度Hd(−)は、JIS K 6253(タイプA)に準拠して測定した。
・静バネ定数(Ks)、動バネ定数(Kd)及び動倍率(Kd/Ks)は、JIS K 6385に準拠し、Kdは100Hzで測定した。
1/(Kd/Ks^2)値は、静バネ定数(Ks)に対する動倍率(Kd/Ks)の値を示しており、静バネ定数の大小と動倍率との関係を数値化したものである。値が高いほど事実上の動倍率が低いことが示されるものである。
INDEXは、比較例1A、2A、3A及び4Aの1/(Kd/Ks^2)の値をそれぞれ100としたときにその対応する各実施例及び比較例の1/(Kd/Ks^2)の値をインデックス表示したものである。
なお、下記表において比較例1A〜G及び実施例1A〜Fは充填剤としてカーボンを使用した配合系であり、比較例2A及び実施例2Aは充填剤としてシリカを使用した配合系であり、比較例3A及び実施例3A〜Bは充填剤としてカーボンとシリカの両方を使用した配合系であり、比較例4A及び実施例4Aはゴム成分として天然ゴムとブタジエンゴムの両方を使用した配合系である。
Figure 0005830058
Figure 0005830058

<評価結果>
比較例1A〜G及び実施例1A〜Fのカーボン配合系において、硫黄原子含有シランカップリング剤と脱水ヒマシ油脂肪酸の両方を含んでいる場合には、動倍率が低く、1/(Kd/Ks^2)の値が向上していることが認められた。特に、実施例1A〜FのINDEXは、脱水ヒマシ油脂肪酸を単独で配合した場合(比較例1C)及び硫黄原子含有シランカップリング剤を単独で配合した場合(比較例1F)と比較して顕著に向上していることが認められた。
同様に、実施例2A、3A、3B及び4Aの組成物のように硫黄原子含有シランカップリング剤と脱水ヒマシ油脂肪酸の両方を含んでいる場合には、動倍率が低く、それぞれ対応する比較例2A、3A及び4Aに対して1/(Kd/Ks^2)の値が向上していることが認められた。

Claims (4)

  1. 天然ゴムを含むゴム成分、共役脂肪酸を含む脂肪酸成分、及び硫黄原子含有シランカップリング剤を含み、
    前記共役脂肪酸を含む脂肪酸成分に対する前記硫黄原子含有シランカップリング剤の含有量比(硫黄原子含有シランカップリング剤/共役脂肪酸を含む脂肪酸成分)が0.4〜2であり、
    前記硫黄原子含有シランカップリング剤は、前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜5質量部含み、
    前記共役脂肪酸は、前記脂肪酸成分の質量に対して10〜90質量%の量で含み、
    前記脂肪酸成分は、前記ゴム成分100質量部に対して2〜10質量部含むことを特徴とする防振ゴム組成物。
  2. 前記硫黄原子含有シランカップリング剤は、下記式(I)
    Figure 0005830058
    (式中、
    は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6の二価の炭化水素基を表し、
    は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6のアルコキシ基又は塩素原子を表し、
    Xは、1〜10の整数である。)
    で表されることを特徴とする請求項に記載の防振ゴム組成物。
  3. 前記共役脂肪酸は、炭素原子数5〜30のジエン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防振ゴム組成物。
  4. 請求項1〜の何れか1項に記載の防振ゴム組成物を用いてなる防振ゴム。
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