JP2009256576A - 防振ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性、耐久性に優れ、低動倍率化を図ることができる防振ゴム組成物の提供。
【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有し、(B)成分の配合量が(A)成分100重量部に対して10〜100重量部の防振ゴム組成物である。(A)ジエン系ゴム。(B)平均粒子径が10μm以下であるシリカ。(C)下記の一般式(1)で表されるシランカップリング剤。
〔式中、R1はアルキルポリエーテル基−O−(R5−Om−R6、R5はC1〜C30炭化水素基、mは平均で1〜30、R6は少なくとも11個のC原子を含有するアルキル等である。R2はR7O基等、R7はC9〜C30分枝鎖の一価のアルキル等である。R8はC1〜C30分枝鎖等のアルキル等である。R3は分枝鎖等の二価のC1〜C30炭化水素基等である。R4はH、CNまたは(C=O)−R9等であり、R9は分枝鎖等の一価のC1〜C30炭化水素基である。〕
【選択図】なし
【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有し、(B)成分の配合量が(A)成分100重量部に対して10〜100重量部の防振ゴム組成物である。(A)ジエン系ゴム。(B)平均粒子径が10μm以下であるシリカ。(C)下記の一般式(1)で表されるシランカップリング剤。
〔式中、R1はアルキルポリエーテル基−O−(R5−Om−R6、R5はC1〜C30炭化水素基、mは平均で1〜30、R6は少なくとも11個のC原子を含有するアルキル等である。R2はR7O基等、R7はC9〜C30分枝鎖の一価のアルキル等である。R8はC1〜C30分枝鎖等のアルキル等である。R3は分枝鎖等の二価のC1〜C30炭化水素基等である。R4はH、CNまたは(C=O)−R9等であり、R9は分枝鎖等の一価のC1〜C30炭化水素基である。〕
【選択図】なし
Description
本発明は、防振ゴム組成物に関するものであり、詳しくは、自動車等のエンジンの支持機能および振動伝達を抑制するためのエンジンマウント等に使用される防振ゴム組成物に関するものである。
一般に、自動車には、振動や騒音の低減を目的として、防振ゴム組成物が用いられている。このような防振ゴム組成物には、高剛性,高強度で、振動伝達の抑制が必要であることから、動倍率〔動的ばね定数(Kd)/静的ばね定数(Ks)〕の値を小さくすること(低動倍率化)が要求される。従来、この低動倍率化の対策としては、例えば、補強剤としてカーボンブラックを用い、カーボンブラックの配合量や粒子径,ストラクチャー等の因子を制御することで対応していたが、低動倍率化の対策としては不充分であった。そこで、補強剤であるカーボンブラックに代えてシリカを用いることにより、カーボンブラックを用いる場合に比べてより低動倍率化を図るようにした防振ゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献1,2)。また、シリカの中でも、一次粒子径の大きい(BET比表面積が小さい)ものが低動倍率化に有効であることから、例えば、天然ゴムを主成分とするゴム成分100重量部に対して、BET比表面積が25〜100m2 /gであり、熱重量測定における1000℃での熱重量減少率と、150℃での熱重量減少率との差で定義されるΔ熱重量減少率が3.0%以上であるシリカを20〜80重量部含有してなる防振ゴム組成物が提案されている(特許文献3)。
上記特許文献3に記載の防振ゴム組成物は、一次粒子径の大きいシリカを用いているため、通常のシリカを用いる場合に比べて、低動倍率化を図ることができるが、一次粒子径の大きいシリカを用いると、シリカとゴムとの相互作用が弱くなるため、防振ゴムの耐久性が劣るという難点がある。また、防振ゴム組成物には、耐熱性も要求されるが、上記特許文献に記載のものは、耐熱性の点でも不充分であった。このように、耐熱性、耐久性、低動倍率化の全てを満足することができる防振ゴム組成物は存在しないのが実情であり、耐熱性、耐久性、低動倍率化の全てを満足することができる防振ゴム組成物が待望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐熱性、耐久性に優れ、低動倍率化を図ることができる防振ゴム組成物の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の防振ゴム組成物は、下記の(A)および(B)成分とともに、下記の(C)成分を含有し、上記(B)成分の配合量が(A)成分100重量部に対して10〜100重量部であるという構成をとる。
(A)ジエン系ゴム。
(B)平均粒子径が10μm以下であるシリカ。
(C)下記の一般式(1)で表されるシランカップリング剤。
〔式中、R1 はアルキルポリエーテル基−O−(R5 −O)m −R6 であり、ここでR5 は同じかまたは異なり、かつ分枝鎖または非分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族の二価のC1 〜C30炭化水素基であり、mは平均で1〜30であり、R6 は少なくとも11個のC原子を含有し、かつ非置換かまたは置換された分枝鎖または非分枝鎖の一価のアルキル、アルケニル、アリールまたはアラルキル基である。R2 は同じかまたは異なり、かつR1 、C1 〜C12アルキルまたはR7 O基であり、ここでR7 はH、メチル、エチル、プロピル、C9 〜C30分枝鎖または非分枝鎖の一価のアルキル、アルケニル、アリールまたはアラルキル基または(R8 )3 Si基である。ここでR8 はC1 〜C30分枝鎖または非分枝鎖のアルキルまたはアルケニル基である。R3 は分枝鎖または非分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族、芳香族、混合脂肪族および芳香族からなる群から選ばれた少なくとも一つの二価のC1 〜C30炭化水素基である。R4 はH、CNまたは(C=O)−R9 であり、ここでR9 は分枝鎖または非分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族、芳香族、混合脂肪族および芳香族からなる群から選ばれた少なくとも一つの一価のC1 〜C30炭化水素基である。〕
(A)ジエン系ゴム。
(B)平均粒子径が10μm以下であるシリカ。
(C)下記の一般式(1)で表されるシランカップリング剤。
本発明者らは、耐熱性、耐久性に優れ、低動倍率化を図ることができる防振ゴム組成物を得るため、鋭意研究を重ねた。その結果、ジエン系ゴムと、平均粒子径が10μm以下のシリカと、特定のシランカップリング剤とを含有し、上記特定のシリカを上記ジエン系ゴムに対して特定の割合で配合してなる防振ゴム組成物により、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。すなわち、特定のシリカを用いることにより、シリカの分散性が向上し、低動倍率化を図ることができ、耐久性も優れるようになる。また、上記特定のシランカップリング剤は、長鎖のアルキルポリエーテル基〔好ましくは、−O−(CH2 CH2 O)m −C13H27〕を有するため、シリカの分散性が大幅に向上する。そのため、上記特定のシランカップリング剤の添加量を抑制することができる。また、上記特定のシランカップリング剤は、カップリング剤自体の硫黄(S)の比率が小さいため、防振ゴム組成物中の総イオウ量を抑制でき、耐熱性が向上する。
このように、本発明の防振ゴム組成物は、ジエン系ゴムと、平均粒子径が10μm以下のシリカと、特定のシランカップリング剤とを含有し、上記特定のシリカを上記ジエン系ゴムに対して特定の割合で配合してなる。すなわち、上記特定のシリカを用いることにより、シリカの分散性が向上し、低動倍率化を図ることができ、耐久性も優れるようになる。また、上記特定のシランカップリング剤は、長鎖のアルキルポリエーテル基〔好ましくは、−O−(CH2 CH2 O)m −C13H27〕を有するため、シリカの分散性が大幅に向上する。また、上記特定のシランカップリング剤は、長鎖のアルキルポリエーテル基を有することから、少量で効果を発揮することができる。さらに、上記特定のシランカップリング剤は、カップリング剤自体の硫黄(S)の比率が小さいため、防振ゴム組成物中の総硫黄量も抑制でき、従来のシランカップリング剤を用いた場合に比べて、耐熱性が向上する。
そして、上記ジエン系ゴム(A成分)、特定のシリカ(B成分)および特定のシランカップリング剤(C成分)とともに、カーボンブラックを併用すると、上記特定のシランカップリング剤(C成分)が長鎖のアルキルポリエーテル基〔好ましくは、−O−(CH2 CH2 O)m −C13H27〕を有するため、カーボンブラックの分散性、およびジエン系ゴム(A成分)との反応性も向上し、より低動倍率となる。
また、平均粒子径が100nmを超えて200nm以下のカーボンブラックを、上記ジエン系ゴム(A成分)100重量部に対して5〜15重量部配合すると、カーボンブラックの分散性、およびジエン系ゴム(A成分)との反応性もさらに向上し、より一層低動倍率となる。
また、平均粒子径が61〜100nmのカーボンブラックを、上記ジエン系ゴム(A成分)100重量部に対して10〜15重量部配合すると、カーボンブラックの分散性、およびジエン系ゴム(A成分)との反応性もさらに向上し、より一層低動倍率となる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の防振ゴム組成物は、ジエン系ゴム(A成分)と、特定のシリカ(B成分)と、特定のシランカップリング剤(C成分)とを用いて得ることができる。
上記ジエン系ゴム(A成分)としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、強度や低動倍率化の点で、天然ゴムが好適に用いられる。
また、上記ジエン系ゴム(A成分)とともに用いられる特定のシリカ(B成分)の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して10〜100部の範囲に設定する必要があり、好ましくは10〜80部の範囲である。すなわち、上記特定のシリカ(B成分)の配合量が少なすぎると、物性低下が著しく、逆に特定のシリカ(B成分)の配合量が多すぎると、動倍率が高くなったり、シリカ添加量が多すぎるとシリカ自身が異物として働くため、物性が低下するからである。
上記特定のシリカ(B成分)は、平均粒子径が10μm以下であり、好ましくは2〜10μmの範囲である。すなわち、上記平均粒子径が10μmを超えると、凝集塊が大きく、シリカ自身が異物として働くため、物性が低下したり、また、シリカの凝集により動倍率が高くなるからである。
なお、上記平均粒子径は、コールター法により測定した平均粒子径を示す。
また、上記特定のシリカ(B成分)は、下記の特性(α)および(β)を備えていることが好ましい。
(α)シアーズ滴定法により算出されるシリカ表面のシラノール基密度が3.0個/nm2 以上。
(β)BET比表面積が15〜60m2 /g。
(α)シアーズ滴定法により算出されるシリカ表面のシラノール基密度が3.0個/nm2 以上。
(β)BET比表面積が15〜60m2 /g。
まず、上記特性(α)について説明すると、上記シアーズ滴定法により算出されるシリカ表面のシラノール基密度は3.0個/nm2 以上が好ましく、特に好ましくは3〜30個/nm2 の範囲である。すなわち、上記シラノール基密度が3.0個/nm2 未満であると、シランカップリング剤(C成分)およびジエン系ゴム(A成分)との反応性(結合性)に劣るため、耐久性が悪化する傾向がみられ、シランカップリング剤(C成分)やジエン系ゴム(A成分)と充分反応せず、ゴム物性も低下する傾向がみられるからである。
ここで、本発明におけるシリカ表面のシラノール基密度は、G.W.シアーズによる Analytical Chemistry(アナリティカルケミストリー),vol.28,No.12,1956,1982〜1983に記載の方法により測定されたシアーズ滴定量により算出することができる。なお、シラノール基密度の算出に当たり、シアーズ滴定量とシラノール基量の関係は、以下のイオン交換反応によるものとする。
上記シラノール基密度の算出法としては、上述のシアーズ滴定法の他、例えば、灼熱減量(TG)測定法等があげられる。上記灼熱減量(TG)測定法によるシラノール基密度の算出では、加熱減量分を全て−OHとカウントするため、ゴムとの相互作用に無関係なシリカ凝集体の微細部分および一次粒子内部の−OHもカウントされる。これに対して、上述のシアーズ滴定法によるシラノール基密度の測定は、シリカ凝集体の表面の−OHのみをカウントする方法である。したがって、ゴム中でのシリカの分散状態およびゴムとの結合状態を考慮すると、シアーズ滴定法により算出したシラノール基密度の方が、実際に近い状態を表現する測定法であるため好ましい。
つぎに、上記特性(β)について説明すると、上記BET比表面積は15〜60m2 /gの範囲が好ましく、特に好ましくは15〜35m2 /gの範囲である。すなわち、上記BET比表面積が15m2 /g未満であると、一次粒子径が大きくなりすぎ、ジエン系ゴム(A成分)との接触面積自体が小さくなるため充分な補強性が得られず、破断時引っ張り強度(TSb)や破断伸び(Eb)が悪くなる傾向がみられ、逆にBET比表面積が大きすぎる(60m2 /gを超える)と、一次粒子径が小さくなりすぎ、一次粒子同士の凝集が強くなり、このため分散性が悪化し、動特性が悪くなる傾向がみられるからである。
なお、上記BET比表面積は、吸着気体として窒素ガスを用いる窒素吸着法に準じて測定することができる。
上記特定のシリカ(B成分)の調製方法としては、沈殿法シリカの反応処方があげられ、例えば、アルカリ珪酸塩水溶液(市販の珪酸ソーダ水溶液)を鉱酸で中和して沈殿シリカを析出させる方法に準じて調製することができる。具体的には、まず、所定濃度の珪酸ソーダ水溶液を所定量反応容器に張り込み、所定条件で鉱酸を添加する(片側添加反応)か、もしくは予め一定量の温水を張り込んだ反応溶液中に、pH、温度を制御しながら珪酸ソーダおよび鉱酸を一定時間添加する(同時添加方式)方法等が採用できる。つぎに、上記方法によって得られた沈殿シリカスラリーを、ケーキ洗浄が可能な濾過機(例えば、フィルタープレス、ベルトフィルター等)により濾別、洗浄して副生電界質を除去する。その後、得られたシリカケーキを乾燥機により乾燥する。一般的には、このシリカケーキをスラリー化し噴霧乾燥機により乾燥するが、ケーキのまま加熱オーブン等により静置乾燥してもよい。このようにして得た乾燥されたシリカは、続いて粉砕機により所定の平均粒子径とされ、必要に応じさらに分級機による、粗粒のカットを行うことにより、シリカの調製を行う。この粉砕・分級操作は、平均粒子径の調整・粗粒のカットを目的としており、粉砕方式(例えば、気流式粉砕機、衝撃式粉砕機等)は特に限定されるものではない。また、分級機においても同様に分級方式(例えば、風力式、篩い式等)も、特に限定されない。
つぎに、上記ジエン系ゴム(A成分)および特定のシリカ(B成分)とともに用いられる、特定のシランカップリング剤(C成分)としては、下記の一般式(1)で表されるシランカップリング剤が用いられる。
〔式中、R1 はアルキルポリエーテル基−O−(R5 −O)m −R6 であり、ここでR5 は同じかまたは異なり、かつ分枝鎖または非分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族の二価のC1 〜C30炭化水素基、有利にCH2 −CH2 、CH2 −CH(CH3 )、−CH(CH3 )−CH2 −、CH2 −CH2 −CH2 またはそれらの混合物であり、mは平均で1〜30、有利に2〜20、特に有利に2〜15、極めて特に有利に3〜10、抜群に有利に3.5〜7.9であり、R6 は少なくとも11個、有利に少なくとも12個のC原子を含有し、かつ非置換かまたは置換された分枝鎖または非分枝鎖の一価のアルキル、アルケニル、アリールまたはアラルキル基である。R2 は同じかまたは異なり、かつR1 、C1 〜C12アルキルまたはR7 O基であり、ここでR7 はH、メチル、エチル、プロピル、C9 〜C30分枝鎖または非分枝鎖の一価のアルキル、アルケニル、アリールまたはアラルキル基または(R8 )3 Si基である。ここでR8 はC1 〜C30分枝鎖または非分枝鎖のアルキルまたはアルケニル基である。R3 は分枝鎖または非分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族、芳香族、混合脂肪族および芳香族からなる群から選ばれた少なくとも一つの二価のC1 〜C30炭化水素基である。R4 はH、CNまたは(C=O)−R9 であり、ここでR9 は分枝鎖または非分枝鎖の飽和または不飽和の脂肪族、芳香族、混合脂肪族および芳香族からなる群から選ばれた少なくとも一つの一価のC1 〜C30、有利にC5 〜C30、特に有利にC5 〜C20、極めて特に有利にC7 〜C15、抜群に有利にC7 〜C11炭化水素基である。〕
上記特定のシランカップリング剤(C成分)は、一般式(1)におけるR3 の長さ(炭素数)<〔R6 の長さ(炭素数)−(R5 の長さ(炭素数)×m)〕を満たすものが好ましい。
なお、上記特定のシランカップリング剤(C成分)は、一般式(1)で表される種々のシランカップリング剤またはその縮合生成物の混合物であっても差し支えない。
上記特定のシランカップリング剤(C成分)としては、下記の一般式(2)で表されるもの、一般式(3)で表されるもの、もしくはこれらの混合物が好ましい。
本発明における特定のシランカップリング剤(C成分)としては、上記一般式(2)において、m=5であらわされるものが特に好ましい。
また、上記特定のシランカップリング剤(C成分)の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、0.5〜10部の範囲が好ましく、特に好ましくは2〜8部の範囲である。すなわち、上記C成分の配合量が少なすぎると、シリカの分散性の向上効果が小さくなり、逆にC成分の配合量が多すぎると、耐熱性が悪くなる傾向がみられるからである。
本発明の防振ゴム組成物においては、上記A〜C成分とともに、カーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、プロセスオイル等を必要に応じて適宜に配合しても差し支えない。
上記カーボンブラックとしては、例えば、フレームブラック法、ファーネス法、ガスブラック法、サーマル法等により製造されたものがあげられる。なお、上記カーボンブラックは、場合によりヘテロ原子、例えばSiを含有しても差し支えない。また、上記カーボンブラックは、CTAB比表面積が9〜200m2 /gの範囲が好ましい。
上記カーボンブラックとしては、大粒径(平均粒子径が100nmを超えて200nm以下)、中粒径(平均粒子径が61〜100nm)のものが好ましい。
上記カーボンブラックの配合量は、大粒径のカーボンブラックの場合、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して5〜15部の範囲が好ましく、中粒径のカーボンブラックの場合、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して10〜15の範囲が好ましい。
また、上記大粒径のカーボンブラックのCTAB比表面積は、9〜20m2 /gの範囲が好ましく、上記中粒径のカーボンブラックのCTAB比表面積は、20m2 /gを超えて34以下m2 /gの範囲が好ましい。
なお、CTAB比表面積とは、カーボンブラックの微細孔を含まない外部表面積を測定する方法であり、カーボンブラックに界面活性剤の一種であるCTAB(Cetyl Tri-methyl Ammonium Bromide) を吸着させたときの比表面積を示す。
上記加硫剤としては、例えば、硫黄(粉末硫黄,沈降硫黄,不溶性硫黄)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記加硫剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、0.3〜7部の範囲が好ましく、特に好ましくは1〜5部の範囲である。すなわち、上記加硫剤の配合量が少なすぎると、充分な架橋構造が得られず、動倍率、耐へたり性が悪化する傾向がみられ、逆に加硫剤の配合量が多すぎると、耐熱性が低下する傾向がみられるからである。
上記加硫促進剤としては、例えば、チアゾール系,スルフェンアミド系,チウラム系,アルデヒドアンモニア系,アルデヒドアミン系,グアニジン系,チオウレア系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、架橋反応性に優れる点で、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
また、上記加硫促進剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、0.5〜7部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部の範囲である。
上記チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、特に架橋反応性に優れる点で、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)が好適に用いられる。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NOBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド(BBS)、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド等があげられる。
上記チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等があげられる。
上記加硫助剤としては、例えば、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸、酸化マグネシウム等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記加硫助剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜25部の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜10部の範囲である。
上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス類等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記老化防止剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜10部の範囲が好ましく、特に好ましくは2〜5部の範囲である。
上記プロセスオイルとしては、例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、アロマ系オイル等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記プロセスオイルの配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜50部の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜30部の範囲である。
本発明の防振ゴム組成物は、例えば、つぎのようにして調製することができる。すなわち、上記ジエン系ゴム(A成分)と、特性のシリカ(B成分)と、特定のシランカップリング剤(C成分)と、必要に応じて加硫助剤,老化防止剤,プロセスオイル等を適宜に配合し、これらをバンバリーミキサー等を用いて、約50℃の温度から混練りを開始し、100〜160℃で、3〜5分間程度混練を行う。つぎに、これに、加硫剤,加硫促進剤等を適宜に配合し、オープンロールを用いて、所定条件(例えば、50℃×4分間)で混練することにより、防振ゴム組成物を調製することができる。その後、得られた防振ゴム組成物を、高温(150〜170℃)で5〜30分間、加硫することにより防振ゴムを作製することができる。
ここで、本発明における、特定のシランカップリング剤(C成分)と、特定のシリカ(B成分)との化学的結合について、前記一般式(2)で表されるシランカップリング剤を例に具体的に説明する。例えば、図1の模式図に示すように、シランカップリング剤中のEtO基(エトキシ基)が、シリカ3表面のOH基と化学的に結合し、その結果、シランカップリング剤中の長鎖のアルキルポリエーテル基〔−O−(CH2 CH2 O)m −C13H27〕1,2が、シリカ3全体を包みこむような状態になる。なお、図2に示すように、シランカップリング剤中の長鎖のアルキルポリエーテル基〔−O−(CH2 CH2 O)m −C13H27〕1,2の一方が、先端の−C13H27部分から略180℃反対側に折れ曲がっていても差し支えない。また、図3は、複数のシリカ3(なお、表面のOH基は省略する)と特定のシランカップリング剤との化学的結合状態を示す模式図である。すなわち、本発明においては、上記結合により大粒径のシリカ(B成分)を用いても、その分散性が向上する。したがって、特定のシランカップリング剤(C成分)の添加量を抑制することができる。そのため、本発明によれば防振ゴム組成物の低動倍率化を実現することができるとともに、防振ゴム組成物中の総硫黄量を抑制でき、耐熱性が向上する。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
下記の表1に示すように、ジエン系ゴム(A成分)である天然ゴム100部と、酸化亜鉛5部と、ステアリン酸1部と、老化防止剤2部と、ワックス2部と、鉱物油5部と、シランカップリング剤A(C成分)0.5部と、下記の表1に示す特性を備えたシリカ(B成分)20部を配合し、これらをバンバリーミキサーを用いて、約50℃の温度から混練りを開始し、最高温度(160℃)で4分間混練を行った。つぎに、これに、加硫促進剤(CBS)2部と、加硫促進剤(TMTD)1部と、加硫剤(硫黄)1部とを配合し、オープンロールを用いて、約50℃で4分間混練することにより、防振ゴム組成物を調製した。
下記の表1に示すように、ジエン系ゴム(A成分)である天然ゴム100部と、酸化亜鉛5部と、ステアリン酸1部と、老化防止剤2部と、ワックス2部と、鉱物油5部と、シランカップリング剤A(C成分)0.5部と、下記の表1に示す特性を備えたシリカ(B成分)20部を配合し、これらをバンバリーミキサーを用いて、約50℃の温度から混練りを開始し、最高温度(160℃)で4分間混練を行った。つぎに、これに、加硫促進剤(CBS)2部と、加硫促進剤(TMTD)1部と、加硫剤(硫黄)1部とを配合し、オープンロールを用いて、約50℃で4分間混練することにより、防振ゴム組成物を調製した。
〔実施例2〜40、比較例1〜6〕
下記の表1〜表9に示すように、各成分の配合量等を変更する以外は、実施例1に準じて、防振ゴム組成物を調製した。
下記の表1〜表9に示すように、各成分の配合量等を変更する以外は、実施例1に準じて、防振ゴム組成物を調製した。
上記表1〜表9に示した主な材料は、下記のとおりである。
〔酸化亜鉛〕
堺化学工業社製、酸化亜鉛2種
〔ステアリン酸〕
花王社製、ルーナックS30
〔老化防止剤〕
精工化学社製、オゾノン6C
〔ワックス〕
大内新興化学社製、サンノック
〔鉱物油〕
ナフテン系オイル(出光興産社製、ダイアナプロセスNM−280)
〔酸化亜鉛〕
堺化学工業社製、酸化亜鉛2種
〔ステアリン酸〕
花王社製、ルーナックS30
〔老化防止剤〕
精工化学社製、オゾノン6C
〔ワックス〕
大内新興化学社製、サンノック
〔鉱物油〕
ナフテン系オイル(出光興産社製、ダイアナプロセスNM−280)
〔シランカップリング剤A(C成分)〕
前記一般式(2)において、mが5であるシランカップリング剤(エボニックデグサ社製、VPSi363)
前記一般式(2)において、mが5であるシランカップリング剤(エボニックデグサ社製、VPSi363)
〔シランカップリング剤a(比較例用)〕
下記の構造式(4)で表されるメルカプト系シランカップリング剤(信越化学社製、KBM−803)
下記の構造式(4)で表されるメルカプト系シランカップリング剤(信越化学社製、KBM−803)
平均粒子径、シラノール基密度およびBET比表面積が、それぞれ所定値になるように調製したシリカの試作品を準備した。
〔シリカA(B成分)〕
平均粒子径:5μm、シラノール基密度:14.4個/nm2 、BET比表面積:15m2 /g
〔シリカB(B成分)〕
平均粒子径:5μm、シラノール基密度:7.5個/nm2 、BET比表面積:29m2 /g
〔シリカC(B成分)〕
平均粒子径:9.2μm、シラノール基密度:10.1個/nm2 、BET比表面積:18m2 /g
〔シリカD(B成分)〕
平均粒子径:3.7μm、シラノール基密度:3.2個/nm2 、BET比表面積:60m2 /g
〔シリカE(B成分)〕
平均粒子径:3.6μm、シラノール基密度:10.1個/nm2 、BET比表面積:18m2 /g
〔シリカF(B成分)〕
平均粒子径:2μm、シラノール基密度:10.1個/nm2 、BET比表面積:18m2 /g
〔シリカA(B成分)〕
平均粒子径:5μm、シラノール基密度:14.4個/nm2 、BET比表面積:15m2 /g
〔シリカB(B成分)〕
平均粒子径:5μm、シラノール基密度:7.5個/nm2 、BET比表面積:29m2 /g
〔シリカC(B成分)〕
平均粒子径:9.2μm、シラノール基密度:10.1個/nm2 、BET比表面積:18m2 /g
〔シリカD(B成分)〕
平均粒子径:3.7μm、シラノール基密度:3.2個/nm2 、BET比表面積:60m2 /g
〔シリカE(B成分)〕
平均粒子径:3.6μm、シラノール基密度:10.1個/nm2 、BET比表面積:18m2 /g
〔シリカF(B成分)〕
平均粒子径:2μm、シラノール基密度:10.1個/nm2 、BET比表面積:18m2 /g
〔シリカa(比較例用)〕
平均粒子径:20μm、シラノール基密度:2.6個/nm2 、BET比表面積:210m2 /g
〔シリカb(比較例用)〕
平均粒子径:12μm、シラノール基密度:2.4個/nm2 、BET比表面積:92m2 /g
〔シリカc(比較例用)〕
平均粒子径:12.6μm、シラノール基密度:14.4個/nm2 、BET比表面積:15m2 /g
平均粒子径:20μm、シラノール基密度:2.6個/nm2 、BET比表面積:210m2 /g
〔シリカb(比較例用)〕
平均粒子径:12μm、シラノール基密度:2.4個/nm2 、BET比表面積:92m2 /g
〔シリカc(比較例用)〕
平均粒子径:12.6μm、シラノール基密度:14.4個/nm2 、BET比表面積:15m2 /g
〔加硫促進剤〕
CBS(大内新興化学社製、ノクセラーCZ)
〔加硫促進剤〕
TMTD(三新化学工業社製、サンセラーTT)
〔加硫剤〕
硫黄(鶴見化学工業社製、粉末硫黄)
CBS(大内新興化学社製、ノクセラーCZ)
〔加硫促進剤〕
TMTD(三新化学工業社製、サンセラーTT)
〔加硫剤〕
硫黄(鶴見化学工業社製、粉末硫黄)
〔カーボンブラックA(FT系)〕
旭カーボン社製、旭♯15(平均粒子径:122nm、CTAB比表面積:12m2 /g)
〔カーボンブラックB(SRF系)〕
旭カーボン社製、旭♯50U(平均粒子径:70nm、CTAB比表面積:27m2 /g)
旭カーボン社製、旭♯15(平均粒子径:122nm、CTAB比表面積:12m2 /g)
〔カーボンブラックB(SRF系)〕
旭カーボン社製、旭♯50U(平均粒子径:70nm、CTAB比表面積:27m2 /g)
このようにして得られた実施例および比較例の防振ゴム組成物を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。これらの結果を、上記の表1〜表9に併せて示した。
〔初期物性〕
各防振ゴム組成物を、160℃×20分の条件でプレス成形、加硫して、厚み2mmのゴムシートを作製した。このゴムシートからJIS5号ダンベルを打ち抜き、このダンベルを用い、JIS K6251に準拠して、破断時引っ張り強度(TSb),破断伸び(Eb)および硬度(JIS A)をそれぞれ測定した。
各防振ゴム組成物を、160℃×20分の条件でプレス成形、加硫して、厚み2mmのゴムシートを作製した。このゴムシートからJIS5号ダンベルを打ち抜き、このダンベルを用い、JIS K6251に準拠して、破断時引っ張り強度(TSb),破断伸び(Eb)および硬度(JIS A)をそれぞれ測定した。
〔圧縮永久歪み〕
各防振ゴム組成物を、160℃×30分の条件でプレス成形し、テストピースを作製した。つぎに、JIS K6262に従い、上記テストピースを25%圧縮させたまま、100℃×70時間後の圧縮永久歪みを測定した。
各防振ゴム組成物を、160℃×30分の条件でプレス成形し、テストピースを作製した。つぎに、JIS K6262に従い、上記テストピースを25%圧縮させたまま、100℃×70時間後の圧縮永久歪みを測定した。
〔動特性〕
(静的ばね定数:Ks)
各防振ゴム組成物を用い、円板状金具(直径60mm、厚み6mm)をゴム片( 直径50mm、高さ25mm)の上下面に170℃×30分の加硫条件でプレス、加硫接着させたテストピースを作製した。つぎに、上記テストピースを円柱軸方向に7mm圧縮させ、2回目の往きの荷重たわみ曲線から1.5mmと3.5mmのたわみ時の荷重を読み取って、静的ばね定数(Ks)を算出した。
(動的ばね定数:Kd100)
上記テストピースを円柱軸方向に2.5mm圧縮し、この2.5mm圧縮の位置を中心に、下方から100Hzの周波数により、振幅0.05mmの定変位調和圧縮振動を与え、上方のロードセルにて動的荷重を検出して、JIS K 6394に準じて、動的ばね定数(Kd100)を算出測定した。
(動倍率:Kd100/Ks)
動倍率は、動的ばね定数(Kd100)/静的ばね定数(Ks)の値として求めた。
(静的ばね定数:Ks)
各防振ゴム組成物を用い、円板状金具(直径60mm、厚み6mm)をゴム片( 直径50mm、高さ25mm)の上下面に170℃×30分の加硫条件でプレス、加硫接着させたテストピースを作製した。つぎに、上記テストピースを円柱軸方向に7mm圧縮させ、2回目の往きの荷重たわみ曲線から1.5mmと3.5mmのたわみ時の荷重を読み取って、静的ばね定数(Ks)を算出した。
(動的ばね定数:Kd100)
上記テストピースを円柱軸方向に2.5mm圧縮し、この2.5mm圧縮の位置を中心に、下方から100Hzの周波数により、振幅0.05mmの定変位調和圧縮振動を与え、上方のロードセルにて動的荷重を検出して、JIS K 6394に準じて、動的ばね定数(Kd100)を算出測定した。
(動倍率:Kd100/Ks)
動倍率は、動的ばね定数(Kd100)/静的ばね定数(Ks)の値として求めた。
〔耐熱性〕
各防振ゴム組成物を、160℃×30分の条件でプレス成形し、テストピースを作製した。つぎに、JIS K6262に従い、上記テストピースを25%圧縮させたまま、100℃×70時間後の圧縮永久歪みを測定した。評価は、圧縮永久歪みが45%以下のものを○、45%を超えるものを×とした。
各防振ゴム組成物を、160℃×30分の条件でプレス成形し、テストピースを作製した。つぎに、JIS K6262に従い、上記テストピースを25%圧縮させたまま、100℃×70時間後の圧縮永久歪みを測定した。評価は、圧縮永久歪みが45%以下のものを○、45%を超えるものを×とした。
上記表1〜表9の結果から、平均粒子径が10μm以下の特定のシリカと、特定のシランカップリング剤とを用いた実施例品は、いずれも初期物性、圧縮永久歪み特性、動特性、耐熱性に優れていた。特に、特定粒径のカーボンブラックを併用した実施例11〜40は、カーボンブラックを併用していない実施例1〜10に比べて、動特性等の特性がさらに向上する点で優れていた。
これに対して、平均粒子径が10μmを超えるシリカa〜cを用いた比較例1〜3品は、圧縮永久歪み特性、耐熱性は優れているものの、動特性が劣っていた。長鎖のアルキル基を有さないシランカップリング剤aを用いた比較例4品は、シリカの分散性が悪く、破断時引っ張り強度(TSb)、破断伸び(Eb)が劣り、また、防振ゴム組成物中の総イオウ量が増加するため、耐熱性が劣っていた。シリカの量が少なすぎる比較例5品は、破断時引っ張り強度(TSb)が劣っていた。シリカの量が多すぎる比較例6品は、シリカが異物として働き、破断時引っ張り強度(TSb)、破断伸び(Eb)が劣り、硬度も硬く、圧縮永久歪み特性も劣っていた。
本発明の防振ゴム組成物は、例えば、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の防振材料として、好適に用いられる。
1 −(OCH2 CH2 )m O−
2 −C13H27
3 シリカ
2 −C13H27
3 シリカ
Claims (6)
- 下記の(A)および(B)成分とともに、下記の(C)成分を含有し、上記(B)成分の配合量が(A)成分100重量部に対して10〜100重量部であることを特徴とする防振ゴム組成物。
(A)ジエン系ゴム。
(B)平均粒子径が10μm以下であるシリカ。
(C)下記の一般式(1)で表されるシランカップリング剤。
- 上記(C)成分のシランカップリング剤の配合量が、上記(A)成分100重量部に対して0.5〜10重量部である請求項1記載の防振ゴム組成物。
- 上記(B)成分のシリカが、下記の特性(α)および(β)を備えている請求項1または2記載の防振ゴム組成物。
(α)シアーズ滴定法により算出されるシリカ表面のシラノール基密度が3.0個/nm2 以上。
(β)BET比表面積が15〜60m2 /g。 - 上記(A)〜(C)成分とともに、カーボンブラックを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
- 平均粒子径が100nmを超えて200nm以下のカーボンブラックを、上記(A)成分100重量部に対して5〜15重量部配合する請求項1〜4のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
- 平均粒子径が61〜100nmのカーボンブラックを、上記(A)成分100重量部に対して10〜15重量部配合する請求項1〜4のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
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