JP2006199899A - 防振ゴム組成物及び防振ゴム - Google Patents

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Abstract

【課題】 動倍率を低減し防振特性を向上したシリカ配合の防振ゴム組成物を提供する。
【解決手段】 天然ゴムを主成分とするゴム成分100重量部に対して、BET比表面積が25〜100m/gであり、熱重量測定における1000℃での熱重量減少率と150℃での熱重量減少率との差で定義されるΔ熱重量減少率が3.0%以上であるシリカを20〜80重量部含有してなる防振ゴム組成物であり、さらに末端変性ブタジエンゴムを前記ゴム成分100重量部中に20〜60重量部含むことが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防振ゴム組成物に関し、特に自動車用エンジンマウントなどの防振部材として好適に用いることができる防振ゴム組成物及びこれを用いた防振ゴムに関するものである。
一般に、自動車にはエンジンや車体の振動を吸収し、乗り心地の向上や騒音を防止するためのエンジンマウント等の防振ゴムが用いられている。
防振ゴムの防振性能を高めるには、防振部材である防振ゴム組成物の動倍率(動バネ定数(Kd)/静バネ定数(Ks))の値が十分小さいことが有効であり、従ってエンジンの振動を伝達する振動状態での動バネ定数が小さく、かつエンジンや車体の支持性能を示す静的剛性すなわち静バネ定数が大きいほど防振性能に優れるものとなり、従来より動倍率が低く強度の高い天然ゴムの単独、或いは天然ゴムを主体としてブタジエンゴムやスチレンブタジエンゴム等のジエン系合成ゴムをブレンドしたものをゴム成分としカーボンブラックを配合したものが使用されてきた。
この天然ゴム系ゴム組成物の動倍率を下げるものとして、天然ゴムに末端変性ブタジエンゴムと特定のDBP吸油量を有するハイストラクチャーのカーボンブラックとを配合した防振ゴム組成物が開示されている(特許文献1)。また、本出願人は、動倍率の小さい防振ゴム組成物として、カーボンブラックに代えて特定のBET比表面積を有するシリカを含有するものや、シランカップリング剤で表面処理されたシリカを含有する防振ゴム組成物を先に提案している(特許文献2,3)。
特開平8−269237号公報 特開平11−193338号公報 特開2002−20548号公報
近年の自動車の高性能、高出力化や高級化に伴い乗り心地の向上や車室内の静粛化の要求が一段と高まり、上記の従来技術ではかかる要求に対して十分な対応が困難な状況となり、より一層の防振特性の向上が防振ゴム組成物に求められるようになっている。
しかし、ゴム成分として天然ゴムを主体で用いた場合は天然ゴム自体が有する低い動倍率を示すものの、素材自体による動倍率のさらなる改善は困難であり、また天然ゴムにブタジエンゴムなどのジエン系ゴムをブレンドしたものは耐疲労性や耐へたり性の改良には効果が見られるがカーボンブラックとの親和性が低下し動倍率の改善には限界であった。また、先に提案したシリカの粒径を検討したものや、シランカップリング剤で表面処理されたシリカを含有して動倍率を下げたものも、シリカの再凝集による分散性低下に対しては十分な効果を奏するものではなく更なる改良が求められている。
本発明は、上記防振ゴムへの要求に対して、強度や耐疲労性、耐へたり性等の他の特性を損なうことなく、動倍率を低減し防振部材への幅広い適用を可能とする防振ゴム組成物及びそれを用いた防振ゴムを提供することを目的とするものである。
上記の課題に鑑みて、本発明者らはゴムとの分散性を良好にしゴム分子との結合を強固にする比較的粒子径の大きいシリカをカーボンブラックに代えて用いることを検討する中で、シリカの表面活性を高めることでゴム分子とのより強固な化学的結合が得られ、ゴム組成物の動倍率改良に著しい効果があることを見出し本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の防振ゴム組成物は、天然ゴムを主成分とするゴム成分100重量部に対して、BET比表面積が25〜100m/gであり、熱重量測定における1000℃での熱重量減少率と150℃での熱重量減少率との差で定義されるΔ熱重量減少率が3.0%以上であるシリカを20〜80重量部含有してなることを特徴とする。
本発明の防振ゴム組成物においては、末端変性ジエン系ゴムを前記ゴム成分100重量部中に20〜60重量部含むことができ、前記末端変性ジエン系ゴムが末端変性ブタジエンゴムであることが好ましい。
また、本発明の防振ゴム組成物においては、少なくとも1種のシランカップリング剤を前記シリカ含有量の5〜20重量%含むことが好ましく、シランカップリング剤としては、含イオウ系シランカップリング剤及びメルカプト系シランカップリング剤から選択されたものであることがより好ましい。
本発明の防振ゴム組成物によると、BET比表面積が25〜100m/gである比較的粒子径の大きいシリカを含有することにより、シリカの分散性を向上してゴム分子との結合を強固にし、さらにΔ熱重量減少率が3.0%以上である表面活性の大きいシリカとすることでシリカ表面のシラノール基が多くなってゴム分子との化学的結合を多くして一層強固に結合し、シリカの再凝集を抑制して分散性を向上する。すなわち、物理的及び化学的の両面からゴム分子に作用しやすいシリカを用いることにより、ゴム分子との結合量と結合力を高めて動的な状態での弾性率の変化を少なくしゴム組成物の強度や耐久性を維持しながら動倍率を小さくすることができる。
また、末端変性ジエン系ゴムを、特に末端変性ブタジエンゴムを含むことで、ゴム分子末端の官能基がシリカのシラノール基との相互作用あるいは化学反応を促進しシリカの特長を最大限に発現させることができる。
また、前記シランカップリング剤は、シリカとゴム分子との親和性を向上させ、ゴムに均一にシリカを分散させて補強効果や動倍率の改良効果をより向上する。
本発明の防振ゴム組成物によれば、ジエン系ゴム成分に比較的粒子径が大きく表面活性であるシリカを含有することで強度、耐久性など他のゴム特性を損なうことなく動倍率を低下させ、さらに、末端変性ジエン系ゴムやシランカップリング剤を含むことでゴム分子とシリカとの結合性をより向上し防振ゴム組成物の動倍率低減効果を向上することができ、これを用いた防振ゴムの防振性能を向上することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の防振ゴム組成物は、天然ゴム(NR)をゴム成分として含み、天然ゴム以外のゴム成分としては、ジエン系ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、ブチルゴム等が挙げられ、天然ゴムの単独、或いは天然ゴムと前記のゴム成分の1種類以上とをブレンドして用いることができる。
ジエン系ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。好ましくはBR、SBRであり、耐熱性が要求される防振ゴム組成物では、ゴム成分として耐熱特性に優れるEPDMを含むことが好ましい。
ゴム成分をブレンド使用する場合は、ゴム成分100重量部に少なくとも40重量部、好ましくは50重量部以上、さらには60重量部以上の天然ゴムを含むことが、強度、弾性率などの機械特性や加工性を確保する点で好ましい。
本発明の防振ゴム組成物において用いられる末端変性ジエン系ゴムは、シリカ表面のシラノール基と相互作用あるいは化学反応する官能基、例えば水酸基、アミノ基、エポキシ基、シアノ基、カルボキシル基、ハロゲン、アルコキシ基等をポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム等の分子末端に導入したものである。
特に、末端変性ブタジエンゴムは、その変性された末端分子がシリカ表面に相互作用を及ぼし親和性を向上させる効果が大きく、強度や加工性に優れる天然ゴムとのブレンド使用により強度、耐久性や加工性を低下させることなく動倍率を改善する点で好ましい。
この末端変性ブタジエンゴムの配合量は、ゴム成分100重量部中の20〜60重量部であり、20重量部未満ではシリカとの親和性向上の効果が得られず、60重量部を超えると強度や耐久性、加工性が低下する。
末端変性ブタジエンゴムは、例えば、コバルト化合物やニッケル化合物、リチウム化合物などの触媒を用いてミクロ構造を調整し重合したブタジエンゴムを公知の各種変性剤により末端変性したもので、変性率が30%以上、好ましくは40%以上であり、またシス−1,4結合含量が50%以上のものがシリカの分散性を向上し動倍率を低減し、強度等のゴム特性を維持し耐疲労性、耐へたり性等を向上する点で好ましい。
本発明の防振ゴム組成物に用いられるシリカは、BET比表面積が25〜100m/gであり、熱重量測定における1000℃での熱重量減少率と150℃での熱重量減少率との差で定義されるΔ熱重量減少率が3.0%以上である。
シリカのBET比表面積が25m/gより小さいと粒子径が大きくなり補強性が低下して強度や耐久性が不十分となり、100m/gよい大きくなると粒子が細かくなって分散性が悪化し、耐久性が低下するとともに動倍率が高くなり所望の防振特性が得られない。ここで、BET比表面積は、ISO 5794に準拠し測定されるものである。
また、Δ熱重量減少率は、シリカの熱重量測定において、150℃での熱重量減少率がシリカの付着水の揮発分を示し、1000℃での熱重量減少率がシリカ表面のシラノール基(Si−OH)が水分として揮発するものが主体であるので、両者の差であるΔ熱重量減少率がシリカ表面に存在するシラノール基の指標になる。すなわち、Δ熱重量減少率が大きいほどシリカ表面のシラノール基が多く、シリカの表面活性が大きいことを意味する。
従って、このΔ熱重量減少率が3.0%未満であると、シリカ表面の活性不足により、シリカとゴム分子との化学反応が弱くなり両者の結合力が低下し補強効果が得られなくなる。また、Δ熱重量減少率が大きくなると、シリカ表面のシラノール基が多くなって補強性を高めることになるが、シリカ同士が凝集しやすくなり分散不良を起こしやすくするのでその上限は10%程度であり、より好ましくは5%程度であることが望ましい。
すなわち、本発明の防振ゴム組成物は、比較的粒子径の大きいシリカが用いられるので、小粒径のシリカに比べてゴム分子との結合量が少なく補強性が低下する傾向にあり、しかもゴム分子との結合量が少ないことから再凝集を抑制する力が不足し分散不良を起こしやすくする。ここで、本発明では、比較的大粒径でありながらその短所を補う表面活性が大きいシリカが用いられることになり、シリカの物理的結合に加えて化学的にもゴム分子と強固に結合させ、またシリカとゴム分子との結合量を多くすることでシリカの再凝集を抑制してシリカの分散性を向上しゴム特性を維持して動倍率を改良するものである。
本発明においては、上記シリカはゴム成分100重量部に対して20〜80重量部配合される。シリカの配合量が20重量部未満では上記した各性能を発揮させることができず、80重量部を超えると分散性が急激に悪化し混練性や加工性が低下するとともにゴム特性が得られず上記効果が奏されない。
なお、シリカ表面のシラノール基量の調整は、反応時の酸性度及び乾燥条件等により行うことができる。
本発明の防振ゴム組成物においては、従来からシリカと併用される各種シランカップリング剤を使用することが、シリカとゴム分子との親和性を向上させ好ましく、これらのシランカップリング剤は1種で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤としては、含イオウ系シランカップリング剤の、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどが挙げられる。
また、メルカプト系シランカップリング剤としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
また、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などの各種のシランカップリング剤を用いることもできる。
上記のシランカップリング剤の中でも、カップリング効果とコストの両立から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(例えば、デグサ社のSi69)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(例えば、デグサ社のSi75)などの含イオウ系、またはγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(例えば、信越化学工業のKBM803)などのメルカプト系のシランカップリング剤が好適である。
上記シランカップリング剤の使用量は、シリカの含有量に対して5〜20重量%である。シランカップリング剤の配合量が5重量%未満ではシランカップリングを入れた効果が充分でなく、20重量%を超えるとコストが上がる割にカップリング効果が得られず補強性、耐摩耗性が低下する。分散効果、カップリング効果の面から、シランカップリング剤の配合量は15重量%程度が望ましい。
本発明の防振ゴム組成物には、前記したゴム成分、シリカ、シランカップリング剤の他に、通常の防振ゴム組成物に配合される公知の各種配合剤、すなわち、カーボンブラックやその他のフィラー系補強剤、加硫剤、加硫促進剤、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、老化防止剤、加工助剤等を本発明の目的に反しない範囲で適宜配合することができる。
本発明の防振ゴム組成物は、通常の方法、例えばバンバリーミキサーやニーダを用いて混練して作製することができる。そして、このゴム組成物を防振部材として公知の加硫条件で加硫すれば、強度や耐疲労性、耐へたり性等の特性を維持し動倍率を低減した防振性能に優れた防振ゴムが得られる。
この防振ゴム組成物は、常法に従い成形、加硫されエンジンマウント、トーショナルダンパー、ストラットマウントなどの各種自動車用防振ゴムを製造することができ、その防振ゴムは優れた防振性能と耐久性能を合わせ持つものであり、防振ゴムへの高度化、多様化された要求性能、機能に対応するものとなる。
本発明の防振ゴム組成物を用いてなるエンジンマウントの一例を図1に示す。このエンジンマウント1は、エンジン側に取り付けられる本体金具3と、車体側に取付けられる取付金具4と、本体金具3と取付金具4との間に介在して両者間を弾力性を有して連結する防振部材2とからなり、本発明の防振ゴム組成物を防振部材2として金具3,4を加硫成型してなるものである。
以下、本発明に係る防振ゴム組成物を実施例を挙げて詳細に説明する。
表1及び表2に示す配合内容にて下記原料ゴムとシリカA〜H、シランカップリング剤及び共通成分として下記の各種配合剤(重量部)を配合し、容量20リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて混練して、実施例1〜6及び比較例1〜8の防振ゴム組成物を作製した。
なお、表1は天然ゴムの単独配合系においてシリカを変更し比較したもの、表2はゴム成分として天然ゴムと末端変性ブタジエンゴムとのブレンド配合系においてシリカの種類を変更し比較したものである。なお、シリカの配合量はゴム組成物の硬度を一定にするために変量配合した。
Δ熱重量減少率%(ΔTG)は、空気の雰囲気ガス中で、常温から昇温速度10℃/分にて熱重量測定を行い、1000℃での減少率と150℃での減少率から両者の差を求めた。
[原料ゴム]
・天然ゴム(NR):RSS#3
・水酸基変性ブタジエンゴム(変性BR):変性率=50%、シス−1,4結合含量=62%
・ブタジエンゴム(BR):JSR製、BR01
[シリカ−A〜H、シランカップリング剤]
・シリカ−A:BET比表面積=125m/g、ΔTG=3.6%(デグサ社製、VN2)
・シリカ−B:BET比表面積=60m/g、ΔTG=2.5%(デグサ社製、FK360)
・シリカ−C:BET比表面積=83m/g、ΔTG=4.3%(試作品)
・シリカ−D:BET比表面積=55m/g、ΔTG=4.0%(試作品)
・シリカ−E:BET比表面積=40m/g、ΔTG=3.4%(試作品)
・シリカ−F:BET比表面積=26m/g、ΔTG=3.6%(試作品)
・シリカ−C:BET比表面積=18m/g、ΔTG=3.6%(試作品)
・シリカ−H:BET比表面積=28m/g、ΔTG=2.1%(試作品)
・シランカップリング剤:デグサ社製Si69を各シリカ配合量のそれぞれ8重量%を配合した。
[共通成分及び配合量]
・亜鉛華:5重量部(三井金属鉱業(株)、亜鉛華1号)
・ステアリン酸:2重量部(花王石鹸(株)、ゴム用ステアリン酸)
・老化防止剤:5重量部(フレキシス(株)サントフレックス13)
・硫黄:2重量部(細井化学工業(株)、ゴム用粉末硫黄)
・加硫促進剤:1.5重量部(大内新興化学工業(株)ノクセラーCZ)
ついで、これらのゴム組成物を150℃×25分の加硫条件で加硫して各テストピースを作成し、引張り強さ(TB)及び静バネ定数と動バネ定数を下記の測定法に従い測定し、静バネ定数と動バネ定数から動倍率を求めた。結果を表1,2に示す。
[測定法]
・引張り強さ(TB)(MPa)
JIS K6251に準拠し(3号形ダンベル使用)TB(MPa)を測定した。
・静バネ定数(Ks)
オリエンテック(株)製テンシロンを測定機に用い、50mmφ×25mmの加硫済みテストピースにつき、10mm/分のクロスヘッドスピードで0〜5mm間の圧縮を2回繰返し、2回目の荷重−たわみ線図を描き、次式(1)に基づいて静バネ定数を算出した。 静バネ定数(N/mm)=(w2−w1)/(δ2−δ1)……(1)
ここで、w1はたわみ量δ1が1.3mm時の荷重(N)、w2はたわみ量δ2が3.8mm時の荷重(N)である。
・動バネ定数(Kd)
(株)鷺宮製作所製ダイナミックサーボを測定機に用い、初期歪10%、周波数100Hz、振幅±0.05mmで行い、JIS K6394に記載の計算方法により動バネ定数を求めた。
・動倍率
上記の方法で測定された静バネ定数に対する動バネ定数の比(動バネ定数(Kd)/静バネ定数(Ks))として定義されるものであり、この値が小さいほど減衰性が良好である。
Figure 2006199899
表1より、天然ゴムの単独配合系において、従来のシリカ−Aを用いた比較例1に対して、本発明に係るシリカを用いた実施例1〜4は20MPa以上のTBを確保して動倍率を1.5未満に低下させ、シリカの大粒子径化と表面活性化とが相乗してゴム特性を維持して防振性能に優れる効果を奏することが分かる。これに対して、ΔTGが小さくシリカの表面活性が不足する比較例2は大粒径化の効果がと相乗されず動倍率の低減効果が得られず、比較例3,4は動倍率を低減することはできるが、シリカ粒子径の大きい比較例3は補強性に劣りTBが低下し、表面活性の小さい比較例4でシリカとゴム分子の化学結合が弱く親和性に欠けTBが維持できない。
Figure 2006199899
表2に示すNR−BRのブレンド配合系においては、従来のBRとシリカ−Aを用いた比較例5に対して、本発明に係るシリカを用いた実施例5,6はやはり20MPa以上のTBを維持して動倍率を1.5未満に低下させることができ、変性BRとシリカとの親和性向上の効果が動倍率の低減に現れている。これに対して、変性BRのみを変更した比較例6は動倍率の改良効果が認められず、シリカの表面活性が不足する比較例7は動倍率の低減効果が満足できず、粒子径の大きいシリカ−Gの比較例8は補強性が低下し耐久性能が不足する。
本発明の防振ゴム組成物は自動車用の各種防振ゴムの防振部材に用いることができ、車内振動や騒音を低減し走行時の乗り心地、静粛性を向上するものとなる。また、自動車用以外にも鉄道車両や建築構造物の防振ゴム、免震ゴム、橋梁や道路の支承などの防振、免震ゴム製品にも勿論適用することができる。
本発明の防振ゴム組成物を用いてなるエンジンマウントの一例を示す断面図である。
符号の説明
1……エンジンマウント
2……防振ゴム組成物
3……本体金具
4……取付金具

Claims (6)

  1. 天然ゴムを主成分とするゴム成分100重量部に対して、
    BET比表面積が25〜100m/gであり、熱重量測定における1000℃での熱重量減少率と150℃での熱重量減少率との差で定義されるΔ熱重量減少率が3.0%以上であるシリカを20〜80重量部含有してなる
    ことを特徴とする防振ゴム組成物。
  2. 末端変性ジエン系ゴムを前記ゴム成分100重量部中に20〜60重量部含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の防振ゴム組成物。
  3. 前記末端変性ジエン系ゴムが末端変性ブタジエンゴムである
    ことを特徴とする請求項2に記載の防振ゴム組成物。
  4. 少なくとも1種のシランカップリング剤を前記シリカ含有量の5〜20重量%含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防振ゴム組成物。
  5. 前記シランカップリング剤が、含イオウ系シランカップリング剤及びメルカプト系シランカップリング剤から選択されたものである
    ことを特長とする請求項4に記載の防振ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の防振ゴム組成物を用いてなる
    ことを特徴とする防振ゴム。
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