JP2011148913A - ポリエステルの製造方法、ポリエステル粒子の水分散液の製造方法、樹脂組成物、電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】常圧下、低い反応温度で、且つ短時間でポリエステルを製造するポリエステルの製造方法を提供することである。更に、得られたポリエステルを水相に分散してポリエステル粒子の水分散液とする製造方法、得られたポリエステルを含有する樹脂組成物、得られたポリエステル粒子を凝集・融着して得られる低温定着性に優れた電子写真用トナーの提供。
【解決手段】少なくともジオールと、ジカルボン酸と、界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒とを混合して混合物を作製する工程、該混合物にマイクロ波を照射して重縮合反応を行い、ポリエステルを作製する工程を有することを特徴とするポリエステルの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】少なくともジオールと、ジカルボン酸と、界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒とを混合して混合物を作製する工程、該混合物にマイクロ波を照射して重縮合反応を行い、ポリエステルを作製する工程を有することを特徴とするポリエステルの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、ジオール類とジカルボン酸類とから効率よくポリエステルを製造する製造方法、ポリエステル粒子の水分散液の製造方法、樹脂組成物、電子写真用トナーに関する。
従来、ポリエステルは、200℃以上250℃以下の高温で、且つ高減圧条件で重縮合反応を行い、作製されていた。
近年、高温、高減圧条件下で製造されてきたポリエステルが、省エネルギーの観点から常圧下、低温(例えば、200℃以下)で重縮合反応が進行する水中重縮合が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、提案された重縮合反応は、長時間の反応時間を必要とするうえ、脂肪族ジオール類と脂肪族ジカルボン酸類とから生成する結晶性ポリエステルの製造に限られ、より汎用に用いられる非晶質ポリエステルを製造できないのが現状であった。
一方、最近、重合にマイクロ波を利用する方法が提案され、クリーンで且つ低コストで短時間にポリエステルを作製する方法として注目されているが、反応時間の短縮はなされるものの、反応温度は従来同様であり、高温での反応が必須であり、必ずしも満足するものではなかった。
この為、常圧下、低温で、且つ短時間にポリエステルを作製する製造方法が求められている。
Polymer、2003,vol44,2833〜2841
本発明の目的は、常圧下、低い反応温度で、且つ短時間でポリエステルを製造するポリエステルの製造方法を提供することである。
更に、得られたポリエステルを水相に分散してポリエステル粒子の水分散液とする製造方法、得られたポリエステルを含有する樹脂組成物、得られたポリエステル粒子を凝集・融着して得られる低温定着性に優れた電子写真用トナーを提供することである。
本発明の目的は、下記構成により達成される。
1.少なくとも、ジオールと、ジカルボン酸と、界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒とを混合して混合物を作製する工程、
該混合物にマイクロ波を照射して重縮合反応を行い、ポリエステルを作製する工程
を有することを特徴とするポリエステルの製造方法。
該混合物にマイクロ波を照射して重縮合反応を行い、ポリエステルを作製する工程
を有することを特徴とするポリエステルの製造方法。
2.前記マイクロ波の照射強度が0.1W/cm3以上500W/cm3以下であることを特徴とする前記1に記載のポリエステルの製造方法。
3.前記混合物が、融点50℃以上95℃以下の結晶性化合物を含有することを特徴とする前記1又は2に記載のポリエステルの製造方法。
4.前記1〜3の何れか1項に記載のポリエステルの製造方法で得られたポリエステルを、アルカリ水溶液中に乳化分散してなることを特徴とするポリエステル粒子の水分散液の製造方法。
5.前記4に記載のポリエステル粒子の水分散液の製造方法で作製されたポリエステル粒子の水分散液中に、ラジカル重合性単量体を添加し、前記ポリエステル粒子の表面に前記ラジカル重合性単量体の樹脂を被覆してポリエステル粒子を作製することを特徴とするポリエステル粒子の水分散液の製造方法。
6.前記1〜3の何れか1項に記載のポリエステルの製造方法により作製されたポリエステルであることを特徴とする樹脂組成物。
7.少なくとも、前記4又は5に記載のポリエステル粒子の水分散液の製造方法で製造されたポリエステル粒子と着色剤とを凝集剤の存在下で凝集・融着を行って形成された粒子よりなることを特徴とする電子写真用トナー。
種々検討の結果、少なくともジオールとジカルボン酸と界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒とを混合して混合物を作製し、該混合物にマイクロ波を照射して重縮合反応を行うポリエステルの製造方法を見出した。
このポリエステルの製造方法は、有機溶媒等を用い溶解、乳化、脱溶媒という煩雑且つ長時間を要し多大なエネルギーを必要とせず、短時間に、常圧で、エネルギー消費も少なく高収率で製造することができる優れた効果を有する。
更に、安定した水分散液状態のポリエステル粒子が得られるため、性能の安定した樹脂組成物、および電子写真用のトナーを供給することができる。
本発明は、ジオールとジカルボン酸の重縮合反応において、界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒を使用することにより、低温(例えば、70℃以上200℃以下)で、且つ常圧条件での重縮合反応を可能としたものである。特に、界面活性剤触媒においては、重縮合反応にて生成した水を、界面活性剤のポンピング作用により反応系外へ脱水化できるため、反応時間をより短縮することが可能となったと考えている。
さらに、重縮合反応にマイクロ波を利用することにより、ジオールとジカルボン酸の分子に直接作用し反応を進行させることができるため熱効率も良くなる。その結果、エネルギーロスが少なく、反応時間も短縮でき、高熱効率化が可能になったものと考えている。
本発明のポリエステルの製造方法は、少なくとも、ジオールと、ジカルボン酸と、界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒とを混合して混合物を作製する工程、該混合物にマイクロ波を照射して重縮合反応を行い、ポリエステルを作製する工程を有することを特徴とするポリエステルの製造方法である。
以下、各工程について説明する。
〈混合物を作製する工程〉
混合物を作製する工程は、少なくとも、ジオールと、ジカルボン酸と、界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒を均一に混合させて混合物を作製する工程である。
混合物を作製する工程は、少なくとも、ジオールと、ジカルボン酸と、界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒を均一に混合させて混合物を作製する工程である。
好ましい混合物の作製方法としては、ジオールとジカルボン酸と重縮合触媒とを混合した後に加熱し、ジオールとジカルボン酸を溶解させた中に上記の重縮合触媒を均一に混合させる方法を挙げることができる。
更に、混合物には、混合物の作製時に、必要に応じて結晶性化合物を加えることができる。
〈ポリエステルを作製する工程〉
ポリエステルを作製する工程は、上記混合物にマイクロ波を照射してジオールとジカルボン酸の重縮合反応を行い、ポリエステルを作製する工程である。
ポリエステルを作製する工程は、上記混合物にマイクロ波を照射してジオールとジカルボン酸の重縮合反応を行い、ポリエステルを作製する工程である。
マイクロ波の照射には、出力30W以上1500W以下のマイクロ波照射装置を用いることが好ましく、乳化分散液に対して0.1W/cm3以上〜500W/cm3以下の強度で照射できることが好ましい。マイクロ波の照射は連続であっても間欠であっても良い。
マイクロ波照射装置のマグネトロン周波数としては、極長短波といわれる300MHz以上300GHz以下程度が好ましく、2450MHz±30MHz程度がより好ましい。
重縮合反応の温度は、70℃以上200℃以下の範囲に設定されることが好ましい。前記範囲であると、重縮合反応が効率よく進み好ましい。
尚、重縮合反応の温度は、ジオールとジカルボン酸の融点以上に維持されることが好ましい。
〈重縮合反応装置〉
ポリエステルを作製するのに用いられる重縮合反応装置としては、ジオールとジカルボン酸と特定の重縮合触媒とが均一に混合した混合物を作製でき、該混合物を撹拌しながらマイクロ波が照射できる装置を用いることが好ましい。
ポリエステルを作製するのに用いられる重縮合反応装置としては、ジオールとジカルボン酸と特定の重縮合触媒とが均一に混合した混合物を作製でき、該混合物を撹拌しながらマイクロ波が照射できる装置を用いることが好ましい。
反応容器内では、混合物にマイクロ波が照射され、混合物が重合温度まで加熱され重縮合反応が進行する。
図1は、マイクロ波を照射してポリエステルを製造する重縮合反応装置の一例を示す模式図である。
図1において、1は重縮合反応装置、2は反射板、3は反応容器、4は温度調節装置、5は温度測定器、6は混合物(混合液)、7はマイクロ波発生装置、8は攪拌装置を示す。
図1に示す重縮合反応装置1は、混合物6の入った反応容器3の外側の反射板2にマイクロ波照射装置7と温度調節装置4を取り付けた装置で、攪拌装置8により撹拌された状態の混合物にマイクロ波を照射することができる装置である。
反応容器3としては、マイクロ波を極力吸収せず、混合物と反応しない部材でできたものを用いる。このような反応容器の材質としては通常ガラス、セラミック、フッ樹脂等が挙げられる。
反射板2としては、マイクロ波を照射する部材でできたものを用いる。このような反射板としては金属板があげられる。
次に、本発明のポリエステルの製造方法に用いられる原材料について説明する。
《原材料》
本発明のポリエステルの製造方法に用いられる原材料としては、ジオール、ジカルボン酸類、特定の重縮合触媒、必要に応じ結晶性化合物が用いられる。
本発明のポリエステルの製造方法に用いられる原材料としては、ジオール、ジカルボン酸類、特定の重縮合触媒、必要に応じ結晶性化合物が用いられる。
ジオールとジカルボン酸との混合モル比は、特に制限されるものではないが、重縮合反応後の余剰の原材料との分離や多量の廃棄物の排出を防止するために、両者の混合モル比を1:1とすることが好ましい。
(ジカルボン酸)
ジカルボン酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。特にテレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸及びこれらのアルキルエステル類が好ましい。
ジカルボン酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。特にテレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸及びこれらのアルキルエステル類が好ましい。
更に脂肪族ジカルボン酸類として、例えば蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、又はその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。
又、フマル酸、マレイン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸も用いることができる。
更には、相溶性改良の為にヘキセニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクタドデセニルコハク酸等の側鎖に長鎖アルキル基を有するジカルボン酸を用いることができる。
更に必要に応じて酸価を上げる目的や架橋構造を導入する目的でトリメリット酸や無水トリメリット酸、1,3,5ベンゼントリルボン酸等を用いることができる。
(ジオール)
ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールを一種又は二種以上用いることができる。更に架橋構造あるいは分岐構造を導入する為に、三価以上の多価アルコール、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を併用しても良い。
ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールを一種又は二種以上用いることができる。更に架橋構造あるいは分岐構造を導入する為に、三価以上の多価アルコール、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を併用しても良い。
本発明のポリエステルは、前記ジオールとジカルボン酸の中から任意に組み合わせ、例えば「重縮合」(化学同人刊)、「高分子実験学」(重縮合と重付加 共立出版刊)、「ポリエステルハンドブック」(日刊工業新聞社刊)等に記載の従来公知の方法を組み合わせて作製することも可能である。例えばエステル交換法や直接重縮合法等を単独又は組み合わせて用いることができる。
(重縮合触媒)
本発明では、ジオールとジカルボン酸とを重縮合反応させるのに、界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒を用いる。
本発明では、ジオールとジカルボン酸とを重縮合反応させるのに、界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒を用いる。
重縮合触媒の添加量は、ジオールとジカルボン酸の総量に対して、1モル%以上100モル%以下が好ましく、1モル%以上30モル%以下がより好ましい。このとき一種類又は複数添加してもよい。
反応時間短縮への有効性、及びコストの面より、界面活性剤型触媒を用いることがより好ましい。
(界面活性型触媒)
界面活性剤型触媒としては、界面活性効果を有する化合物を用いる。例えばドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、5−フルオロドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、しょうのうスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルジスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルテトラリンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸、高級アルコールエーテルスルホン酸、アルキルジフェニルスルホン酸、モノブチルフェニルフェノール硫酸、ドデシル硫酸などの高級脂肪酸硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールエーテル硫酸、高級脂肪酸アミドアルキル化硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキロール化硫酸エステル、ナフテニルアルコール硫酸、硫酸か脂肪、スルホコハク酸エステル、各種脂肪酸、スルホン化高級脂肪酸、高級アルキル燐酸エステル、樹脂酸、ナフテン酸、二オブ酸、及びこれら全ての塩化合物、例えば下記に示す希土類金属類との塩化合物等を使用することができる。これらは必要に応じて複数組み合わせても良い。又これらに限定されない。
界面活性剤型触媒としては、界面活性効果を有する化合物を用いる。例えばドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、5−フルオロドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、しょうのうスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルジスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルテトラリンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸、高級アルコールエーテルスルホン酸、アルキルジフェニルスルホン酸、モノブチルフェニルフェノール硫酸、ドデシル硫酸などの高級脂肪酸硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールエーテル硫酸、高級脂肪酸アミドアルキル化硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキロール化硫酸エステル、ナフテニルアルコール硫酸、硫酸か脂肪、スルホコハク酸エステル、各種脂肪酸、スルホン化高級脂肪酸、高級アルキル燐酸エステル、樹脂酸、ナフテン酸、二オブ酸、及びこれら全ての塩化合物、例えば下記に示す希土類金属類との塩化合物等を使用することができる。これらは必要に応じて複数組み合わせても良い。又これらに限定されない。
好ましく用いられる界面活性剤型触媒としてはドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、しょうのうスルホン酸等を挙げることができる。
(希土類金属触媒)
希土類元素触媒としては、希土類金属を構成に含む化合物を用いる。
希土類元素触媒としては、希土類金属を構成に含む化合物を用いる。
希土類元素の例としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロジウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテニウム(Lu)が挙げられる。
希土類触媒の構造としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、トリフラート構造を有するものが有効である。前記トリフラートとしてはX(OSO2CF3)3が好ましく挙げられる。Xは希土類元素を表し、これらの中でもスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)などが好ましく用いられる。
又、ランタニドリフラート等も好ましい。ランタニドトリフラートに関しては、「有機合成化学協会誌、第53巻第5号P44〜54」に詳細に記載されている。
これらの中で好ましく用いられる希土類金属触媒としては、特にY、Sc、Yb、Sm等をその構成成分とする触媒の使用が好ましく、化合物としては、スカンジウム(III)トリフリルイミド、スカンジウム(III)トリフラート等を挙げることができる。
〈結晶性化合物〉
結晶性化合物を含有するポリエステルを電子写真用トナーの作製に用いると、非オフセット領域が広く、低温定着性にも優れた特性を有するものが得られるので好ましい。
結晶性化合物を含有するポリエステルを電子写真用トナーの作製に用いると、非オフセット領域が広く、低温定着性にも優れた特性を有するものが得られるので好ましい。
結晶性化合物の融点としては、電子写真におけるトナーの低温定着性と離型性との観点から、50℃以上95℃以下であることが好ましい。
結晶性化合物は、重縮合反応時において、ジオール、ジカルボン酸とともに添加し混合させることが好ましく、混合時には、溶融させることがより好ましい。
結晶性化合物(以下、ワックスとも云う)としては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニルなどのエステルワックス類などが挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
結晶性化合物の含有割合は、ポリエステル全質量の2質量%以上20質量%以下、好ましくは3質量%以上18質量%以下、さらに好ましくは4質量%以上15質量%以下である。
次に、ポリエステル粒子の水分散液、樹脂組成物、電子写真用トナーについて説明する。
〈ポリエステル粒子の水分散液〉
ポリエステル粒子の水分散液は、前記ポリエステルの製造方法で得られたポリエステルをアルカリ水溶液中に乳化分散して作製することができる。
ポリエステル粒子の水分散液は、前記ポリエステルの製造方法で得られたポリエステルをアルカリ水溶液中に乳化分散して作製することができる。
又、上記のポリエステル粒子の水分散液の製造方法で作製されたポリエステル粒子の水分散液中に、ラジカル重合性単量体を添加し、前記ポリエステル粒子表面に前記ラジカル重合性単量体の樹脂を被覆してポリエステル粒子の水分散液を作製すことができる。
ポリエステル粒子の水分散液中のポリエステル粒子の濃度は、特に限定されないが、取り扱いの観点から水100質量部に対してポリエステル粒子5質量部以上50質量部以下が好ましい。
〈樹脂組成物〉
本発明に係る樹脂組成物とは、少なくとも本発明の製造方法によって作製されたポリエステルを含むもののことである。樹脂組成物としては、必要に応じてポリエステル中に結晶性化合物を含有させてもよい。
本発明に係る樹脂組成物とは、少なくとも本発明の製造方法によって作製されたポリエステルを含むもののことである。樹脂組成物としては、必要に応じてポリエステル中に結晶性化合物を含有させてもよい。
この樹脂組成物は、例えば、電子写真用トナーの原料樹脂、塗料の原料樹脂として好ましく用いることができる。
〈電子写真用トナー〉
本発明で作製されたポリエステルを電子写真用トナーの結着樹脂として使用するトナー製法としては、粉砕法、乳化会合法、溶解懸濁法などが挙げられるが、粒子径、形状の制御性の観点より、乳化会合法が好ましい。
本発明で作製されたポリエステルを電子写真用トナーの結着樹脂として使用するトナー製法としては、粉砕法、乳化会合法、溶解懸濁法などが挙げられるが、粒子径、形状の制御性の観点より、乳化会合法が好ましい。
乳化会合法とは、少なくともポリエステル粒子と着色剤とを、凝集剤の存在下で凝集・融着して電子写真用トナー(以下、単にトナーとも云う)を作製する製法である。
乳化会合法に、本発明のポリエステルを用いる際には、ポリエステル粒子の水分散液を作製する必要があるため、水分散液の作製方法を含めて下記にトナーの製法について説明する。
(ポリエステル粒子の水分散液の作製)
ポリエステル粒子の水分散液の作製は、公知の乳化方法を用いて作製することができる。例えば水に混和せずポリエステルを溶解する酢酸エチル等の有機溶媒で溶解した後、界面活性剤水溶液中にポリエステル溶液を加え、機械的手段により微分散した後、溶媒を除去する方法を挙げることができる。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー(日本精機株式会社)、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)、マイクロフルイタイザー(みずほ工業株式会社)、クレアミックス(エムテック株式会社)等が挙げられる。
ポリエステル粒子の水分散液の作製は、公知の乳化方法を用いて作製することができる。例えば水に混和せずポリエステルを溶解する酢酸エチル等の有機溶媒で溶解した後、界面活性剤水溶液中にポリエステル溶液を加え、機械的手段により微分散した後、溶媒を除去する方法を挙げることができる。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー(日本精機株式会社)、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)、マイクロフルイタイザー(みずほ工業株式会社)、クレアミックス(エムテック株式会社)等が挙げられる。
更に、公知の方法の一つとして転相乳化法も挙げることができる。転相乳化法はポリエステルを溶解可能な両親媒性有機溶媒に溶解し油相とし、油相を攪拌しつつ塩基性化合物を少量滴下し、更に攪拌下水を少量ずつ滴下し、水の添加量がある量を超えると油相と水相が逆転し油相が油滴となる。その後有機溶媒を減圧下で除去することで分散液とすることができる。
ここで両親媒性有機溶媒とは、20℃における水に対する溶解度が5g/L以上、好ましくは10g/L以上のもの、例えばエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸−N−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体、更には3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコール、等が挙げられる。これらは単独又は二種以上混合して使用することができる。
又、塩基性化合物としては、アンモニア、沸点が250℃以下の有機アミン化合物、例えばトリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスイソプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールを挙げることができる。
更に、ポリエステルの溶融温度以上に加熱して溶解したポリエステルの溶融液を、前記塩基性化合物を含む水溶液中に添加し、機械的手段を用い乳化する方法も用いることができる。上記水性分散液の製造には、水相中に界面活性剤を加えることが乳化安定性を付与する点からも望ましい。特にアニオン性界面活性剤が一般に用いられる。重合触媒として界面活性剤型触媒を用いた場合は、水相中の塩基性化合物により塩の形になる為、安定性が向上するばかりでなく新たに界面活性剤を添加する必要は無い。
分散液中のポリエステル粒子の粒径は80nm以上400nm以下が好ましく、100nm以上250nm以下がより好ましい。
さらに、ポリエステル粒子の水分散液を調製した後に、ポリエステル粒子の水分散液中にラジカル重合性単量体を添加し、前記ポリエステル粒子表面に前記ラジカル重合性単量体の樹脂を被覆してポリエステル粒子の水分散液を作製することができる。
上記で得られたポリエステル粒子とビニル系樹脂からなる樹脂組成物は、トナーとしての物性の調整が容易で、且つトナー作製時の凝集反応の制御性向上等が図れる点で好ましい。
(凝集工程)
凝集工程においては、少なくともポリエステル粒子の水分散液、着色剤粒子の水分散液、必要に応じて結晶性化合物粒子や荷電制御剤粒子の水分散液を混合して凝集用分散液を調製し、ポリエステル粒子および着色剤粒子などを水系媒体中で凝集・融着させ、着色粒子の分散液を形成させる。
凝集工程においては、少なくともポリエステル粒子の水分散液、着色剤粒子の水分散液、必要に応じて結晶性化合物粒子や荷電制御剤粒子の水分散液を混合して凝集用分散液を調製し、ポリエステル粒子および着色剤粒子などを水系媒体中で凝集・融着させ、着色粒子の分散液を形成させる。
詳細には、凝集用分散液に臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、撹拌機構が後述の撹拌翼である反応装置において撹拌し、樹脂組成物のガラス転移点以上で加熱融着させて凝集粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、撹拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御して着色粒子を形成させる。
凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属の塩から選択されるものが好適に使用される。例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の塩などの一価の金属の塩、例えばカルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの二価の金属の塩、鉄、アルミニウムなどの三価の金属の塩などが挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどを挙げることができ、これらの中で特に好ましくは二価の金属の塩である。二価の金属の塩を使用すると、より少量で凝集を進めることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
凝集工程においては、凝集剤を添加した後に放置する放置時間(加熱を開始するまでの時間)をできるだけ短くすることが好ましい。すなわち、凝集剤を添加した後、凝集用分散液の加熱をできるだけ速やかに開始し、樹脂組成物のガラス転移点以上とすることが好ましい。この理由は明確ではないが、放置時間の経過によって粒子の凝集状態が変動して、得られるトナー粒子の粒径分布が不安定になったり、表面性が変動したりする問題が発生するおそれがあるからである。放置時間は、通常30分以内とされ、好ましくは10分以内である。凝集剤を添加する温度は特に限定されないが、ポリエステル粒子のガラス転移点温度以下であることが好ましい。
また、凝集工程においては、加熱により速やかに昇温させることが好ましく、昇温速度は1℃/分以上とすることが好ましい。昇温速度の上限は、特に限定されないが、急速な融着の進行による粗大粒子の発生を抑制する観点から15℃/分以下とすることが好ましい。さらに、凝集用分散液がガラス転移点温度以上の温度に到達した後、当該凝集用分散液の温度を一定時間保持することにより、融着を継続させることが肝要である。これにより、着色粒子の成長(ポリエステル粒子および着色剤粒子の凝集)と、融着(粒子間の界面の消失)とを効果的に進行させることができ、最終的に得られるトナー粒子の耐久性を向上することができる。
使用される着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などを任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロムなどを用いる事ができる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などを用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60などを用いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10nm以上200nm以下程度が好ましい。
荷電制御剤粒子を構成する荷電制御剤としては種々の公知のもので、かつ水系媒体中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体などが挙げられる。
この荷電制御剤粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10nm以上500nm以下程度とすることが好ましい。
着色剤粒子の分散液は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理においては、着色剤が均一に分散されることから、水系媒体中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度以上にした状態で行われることが好ましい。着色剤の分散処理に使用する分散機は公知の分散機を用いることができる。また、使用することのできる界面活性剤としては、公知のものを用いることができる。
樹脂組成物と着色剤を凝集・融着させて得られる着色粒子によるトナー粒子によって構成されるトナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の温度分布を均一化することができる撹拌翼および撹拌槽を使用して、凝集工程での温度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係数および均一性の高い形状分布を有するものとすることができる。均一性の高い形状分布を有するトナーを得ることができる理由は、層流を形成させた場で凝集工程を行うと、凝集および融着が進行している凝集粒子に強いストレスが加わらず、かつ流れが加速された層流においては撹拌槽内の温度分布が均一である結果、凝集粒子の形状分布が均一になるからであると推定される。さらに、加熱、撹拌による形状制御工程を行うことで、凝集粒子は徐々に球形化し、得られる着色粒子の形状を任意に制御できる。
樹脂組成物を凝集・融着させて得られる着色粒子によるトナー粒子によって構成されるトナーを製造する際に使用される撹拌翼を有する撹拌槽を用いることが好ましい。
〈濾過・洗浄工程〉
この濾過・洗浄工程では、上記の凝集工程で得られた着色粒子の分散液から当該着色粒子を濾別する濾過処理と、濾別された着色粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェなどを使用して行う減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
この濾過・洗浄工程では、上記の凝集工程で得られた着色粒子の分散液から当該着色粒子を濾別する濾過処理と、濾別された着色粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェなどを使用して行う減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
〈乾燥工程〉
この乾燥工程では、洗浄処理された着色粒子に乾燥処理が施される。この乾燥工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができる。乾燥処理された着色粒子の水分量は、1.0質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5質量%以下とされる。
この乾燥工程では、洗浄処理された着色粒子に乾燥処理が施される。この乾燥工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができる。乾燥処理された着色粒子の水分量は、1.0質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5質量%以下とされる。
また、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集して凝集体を形成している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
〈外添剤添加工程〉
この外添剤添加工程は、乾燥処理された着色粒子に、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で外添剤を添加する工程である。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
この外添剤添加工程は、乾燥処理された着色粒子に、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で外添剤を添加する工程である。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子および滑剤などを使用することができる。無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。
この外添剤の添加量は、トナー中に好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上4.0質量%以下である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
本発明の製造方法で得られたポリエステルを、電子写真用トナーの結着樹脂として用いる場合、ポリエステルの重量平均分子量は5,000以上50,000以下の範囲が好ましく、8,000以上25,000以下の範囲がより好ましい。
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)としては、5.0以下とすることが好ましい。
ポリエステルの重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)をカラム溶媒として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定することができる。
また、ポリエステルのガラス転移温度は40℃以上90℃以下の範囲が好ましい。
ガラス転移温度の測定は、DSC−7示差走査カロリメーター(パーキンエルマー製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー製)を用いて行うことができる。
ポリエステルの酸化は、分子量、原材料の酸の種類により、適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。
《ポリエステルの作製》
(ポリエステル1の作製)(実施例)
混合物1
ビスフェノールAエチレンオキサイド1モル付加物 63質量部(0.2モル)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 34質量部(0.2モル)
ドデシルベンゼンスルホン酸 2.6質量部
(ジカルボン酸、ジオール総量に対して2モル%)
混合物1を図1に示す重縮合反応装置の反応容器に入れ、下記条件で重縮合反応を行い、「ポリエステル1」の作製を行った。
(ポリエステル1の作製)(実施例)
混合物1
ビスフェノールAエチレンオキサイド1モル付加物 63質量部(0.2モル)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 34質量部(0.2モル)
ドデシルベンゼンスルホン酸 2.6質量部
(ジカルボン酸、ジオール総量に対して2モル%)
混合物1を図1に示す重縮合反応装置の反応容器に入れ、下記条件で重縮合反応を行い、「ポリエステル1」の作製を行った。
条件
マイクロ波照射最大強度 10W/cm3
マイクロ波照射のマグネトロン周波数 2450MHz
加熱温度 120℃
反応時間 2時間
尚、加熱温度の維持は、温度調節装置とマイクロ波の照射をON−OFFして行った。
マイクロ波照射最大強度 10W/cm3
マイクロ波照射のマグネトロン周波数 2450MHz
加熱温度 120℃
反応時間 2時間
尚、加熱温度の維持は、温度調節装置とマイクロ波の照射をON−OFFして行った。
上記条件で重縮合反応を2時間行った後、マイクロ波照射を停止し、冷却して反応を完了させた。
得られたポリエステルを回収し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い重量平均分子量(Mw)と、示差熱天秤測定装置(DSC)を用いガラス転移温点(Tg)と、常法に従い酸価(AV)を測定した。
ポリエステルの重量平均分子量 16,500
ポリエステルのガラス転移温点 54℃
酸価 14mgKOH/g
(ポリエステル2の作製)(実施例)
ポリエステル1の作製において用いたドデシルベンゼンスルホン酸を、表1に示す添加量の5−フルオロドデシルベンゼンスルホン酸に変更した以外は同様にして「ポリエステル2」を作製した。
ポリエステルのガラス転移温点 54℃
酸価 14mgKOH/g
(ポリエステル2の作製)(実施例)
ポリエステル1の作製において用いたドデシルベンゼンスルホン酸を、表1に示す添加量の5−フルオロドデシルベンゼンスルホン酸に変更した以外は同様にして「ポリエステル2」を作製した。
(ポリエステル3の作製)(実施例)
ポリエステル1の作製において用いたドデシルベンゼンスルホン酸を、表1に示す添加量のスカンジウム(III)トリフリルイミドに変更した以外は同様にして「ポリエステル3」を作製した。
ポリエステル1の作製において用いたドデシルベンゼンスルホン酸を、表1に示す添加量のスカンジウム(III)トリフリルイミドに変更した以外は同様にして「ポリエステル3」を作製した。
〈ポリエステル4の作製〉(実施例)
ポリエステル1の作製において用いたドデシルベンゼンスルホン酸を、表1に示す添加量のスカンジウム(III)トリフラートに変更した以外は同様にして「ポリエステル4」を作製した。
ポリエステル1の作製において用いたドデシルベンゼンスルホン酸を、表1に示す添加量のスカンジウム(III)トリフラートに変更した以外は同様にして「ポリエステル4」を作製した。
〈ポリエステル5の作製〉(実施例)
ポリエステル1の作製において設定したマイクロ波照射最大強度10W/cm3を、1W/cm3に変更した以外は同様にして「ポリエステル5」を作製した。
ポリエステル1の作製において設定したマイクロ波照射最大強度10W/cm3を、1W/cm3に変更した以外は同様にして「ポリエステル5」を作製した。
〈ポリエステル6の作製〉
ポリエステル1の作製において設定したマイクロ波照射最大強度10W/cm3を、50W/cm3に変更した以外は同様にして「ポリエステル6」を作製した。
ポリエステル1の作製において設定したマイクロ波照射最大強度10W/cm3を、50W/cm3に変更した以外は同様にして「ポリエステル6」を作製した。
〈ポリエステル7の作製〉(実施例)
ポリエステル1の作製において用いたジオールをビスフェノールAエチレンオキサイド1モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド1モル付加物(モル比24/76)0.2モルに、ジカルボン酸をテレフタル酸/フマル酸/アジピン酸/5−スルホイソフタル酸(モル比24/53/22/1)0.2モルに変更した以外は同様にして「ポリエステル7」を作製した。
ポリエステル1の作製において用いたジオールをビスフェノールAエチレンオキサイド1モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド1モル付加物(モル比24/76)0.2モルに、ジカルボン酸をテレフタル酸/フマル酸/アジピン酸/5−スルホイソフタル酸(モル比24/53/22/1)0.2モルに変更した以外は同様にして「ポリエステル7」を作製した。
(ポリエステル8の製造)(実施例)
ポリエステル1の作製において用いた混合物1を、下記混合物8に変更した以外は同様にして「ポリエステル8」を作製した。
ポリエステル1の作製において用いた混合物1を、下記混合物8に変更した以外は同様にして「ポリエステル8」を作製した。
混合物8
ビスフェノールAエチレンオキサイド1モル付加物 63質量部(0.2モル)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 34質量部(0.2モル)
ドデシルベンゼンスルホン酸 2.6質量部
ベヘン酸ベヘニル(融点71.2℃) 16質量部
(ポリエステル9の作製)(比較例)
ポリエステル1の作製において、マイクロ波照射を行わずに、加熱装置による加熱のみで重縮合反応を行った以外は同様にして「ポリエステル9」を作製した。
ビスフェノールAエチレンオキサイド1モル付加物 63質量部(0.2モル)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 34質量部(0.2モル)
ドデシルベンゼンスルホン酸 2.6質量部
ベヘン酸ベヘニル(融点71.2℃) 16質量部
(ポリエステル9の作製)(比較例)
ポリエステル1の作製において、マイクロ波照射を行わずに、加熱装置による加熱のみで重縮合反応を行った以外は同様にして「ポリエステル9」を作製した。
(ポリエステル10の作製)(比較例)
ポリエステル1の作製において用いたドデシルベンゼンスルホン酸を、ビス(テトラブチルスズ)オキシドに変更した以外は同様にして重合を行った。
ポリエステル1の作製において用いたドデシルベンゼンスルホン酸を、ビス(テトラブチルスズ)オキシドに変更した以外は同様にして重合を行った。
100時間反応を行った後、乳化分散液を目視観察したところ、重縮合反応が進んでいなかった。
表1に、ポリエステルの作製に用いた原材料、表2にポリエステルの作製条件、表3に得られたポリエステルの特性を示す。
表1〜3の結果から、本発明のポリエステルの製造方法で作製した「ポリエステル1〜8」は、短時間に、常圧で、エネルギー消費も少なく高収率でポリエステルを作製するという本発明の目的を達成できていることが判る。
一方、本発明の比較例となる「ポリエステル9、10」は、短時間に、常圧で、エネルギー消費も少なく高収率でポリエステルを作製低温、短時間、高熱効率でポリエステルを作製するという本発明の目的を達成できていないことが判る。
《ポリエステル粒子の水分散液の作製》
ポリエステル粒子の水分散液は、以下のようにして作製した。
ポリエステル粒子の水分散液は、以下のようにして作製した。
(ポリエステル粒子の水分散液1の作製)
下記「材料1」を100℃に加熱して、「ウルトラタラックスT50」(IKA製)にて十分に分散後、「圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー」(ゴーリン社製)で分散処理を1時間行い、平均粒径が200nm、固形分量が30質量部の「ポリエステル粒子の分散液1」を作製した。
下記「材料1」を100℃に加熱して、「ウルトラタラックスT50」(IKA製)にて十分に分散後、「圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー」(ゴーリン社製)で分散処理を1時間行い、平均粒径が200nm、固形分量が30質量部の「ポリエステル粒子の分散液1」を作製した。
材料1
ポリエステル1 90質量部
アニオン性界面活性剤「ネオゲンRK」(第一工業製薬社製) 1.8質量部
イオン交換水 210質量部
(ポリエステル粒子の水分散液2〜9の作製)
ポリエステル粒子の水分散液1の作製で用いたポリエステル1を「ポリエステル2〜9」に変更した以外は同様にして「ポリエステル粒子の水分散液2〜9」を作製した。
ポリエステル1 90質量部
アニオン性界面活性剤「ネオゲンRK」(第一工業製薬社製) 1.8質量部
イオン交換水 210質量部
(ポリエステル粒子の水分散液2〜9の作製)
ポリエステル粒子の水分散液1の作製で用いたポリエステル1を「ポリエステル2〜9」に変更した以外は同様にして「ポリエステル粒子の水分散液2〜9」を作製した。
《樹脂組成物の作製》
樹脂組成物は、以下のようにして作製した。
樹脂組成物は、以下のようにして作製した。
(樹脂組成物1の作製)
下記化合物を混合し、混合液を調製した。
下記化合物を混合し、混合液を調製した。
化合物
ポリエステル1の水分散液 100質量部(固形物換算)
スチレン 80質量部
n−ブチルアクリレート 20質量部
2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
2.7質量部
上記混合液を、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用い、6,000rpmで20分間撹拌処理することにより重合性単量体を含む液滴が分散してなる「分散液」を調製した。
ポリエステル1の水分散液 100質量部(固形物換算)
スチレン 80質量部
n−ブチルアクリレート 20質量部
2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
2.7質量部
上記混合液を、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用い、6,000rpmで20分間撹拌処理することにより重合性単量体を含む液滴が分散してなる「分散液」を調製した。
この分散液を撹拌装置、温度センサ、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に投入し、窒素気流下で撹拌しながら反応容器内の温度60℃にして5時間の重合処理を行った。さらに、反応容器内の温度を80℃に昇温させて5時間の重合処理を行った後、反応容器を室温まで冷却した。生成された樹脂に塩酸を添加してCa3(PO4)2を溶解させた後、水洗、ろ過、乾燥処理を経て「樹脂組成物1」を作製した。樹脂組成物1の数平均分子量(Mn)は29,900、重量平均分子量(Mw)は32,000であった。
(樹脂組成物2〜9の作製)
樹脂組成物1の作製で用いたポリエステル樹脂粒子の水分散液1を「ポリエステル樹脂粒子の水分散液2〜9」に変更した以外は同様にして「樹脂組成物2〜9」を作製した。
樹脂組成物1の作製で用いたポリエステル樹脂粒子の水分散液1を「ポリエステル樹脂粒子の水分散液2〜9」に変更した以外は同様にして「樹脂組成物2〜9」を作製した。
《電子写真用トナーの作製》
トナーは以下のようにして作製した。
トナーは以下のようにして作製した。
(トナー1の作製)
〈ワックス分散液の調製〉
アニオン系界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0質量部をイオン交換水30mlに撹拌溶解した。この溶液を90℃に加熱し、撹拌しながら、結晶性化合物としてベヘン酸ベヘニル(融点70℃)7質量部を90℃に加熱して溶解させたものを徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて90℃にて7時間分散処理し、次いで30℃に冷却し、ワックスの分散液(以下、「ワックス分散液」という。)を調製した。得られたワックス分散液(1)におけるワックスの粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準におけるメディアン径(D50)で95nmであった。
〈ワックス分散液の調製〉
アニオン系界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0質量部をイオン交換水30mlに撹拌溶解した。この溶液を90℃に加熱し、撹拌しながら、結晶性化合物としてベヘン酸ベヘニル(融点70℃)7質量部を90℃に加熱して溶解させたものを徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて90℃にて7時間分散処理し、次いで30℃に冷却し、ワックスの分散液(以下、「ワックス分散液」という。)を調製した。得られたワックス分散液(1)におけるワックスの粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準におけるメディアン径(D50)で95nmであった。
(着色剤分散液の調製)
アニオン系界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gをイオン交換水30mlに撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、着色剤として「C.I.ピグメントブルー15:3」7gを徐々に添加し、ついで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液(以下「着色剤分散液」ともいう)を調製した。得られた着色剤分散液における着色剤粒子の粒子径を、マイクロトラックUPA粒度分布計「9340−UPA」(HONEYWELL社製)を用いて測定したところ、体積平均粒径(体積で重みづけされた平均粒径)で92nmであった。
アニオン系界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gをイオン交換水30mlに撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、着色剤として「C.I.ピグメントブルー15:3」7gを徐々に添加し、ついで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液(以下「着色剤分散液」ともいう)を調製した。得られた着色剤分散液における着色剤粒子の粒子径を、マイクロトラックUPA粒度分布計「9340−UPA」(HONEYWELL社製)を用いて測定したところ、体積平均粒径(体積で重みづけされた平均粒径)で92nmであった。
〈着色粒子の製造〉
温度センサ、冷却管、窒素導入装置、温度調節装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に、「ポリエステル粒子の分散液1」(固形分換算で100質量部)と、イオン交換水400質量部と、「着色剤分散液」(固形分換算で8質量部)および「ワックス分散液」(固形分換算で6質量部)とを仕込み、内温を3℃に調製した後、この凝集用分散液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調製した。次いで、塩化マグネシウム・6水和物1質量部をイオン交換水20mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。1分間放置した後に昇温を開始し、この会合系を10分間かけて90℃まで昇温した。撹拌には撹拌装置を使用した。
温度センサ、冷却管、窒素導入装置、温度調節装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に、「ポリエステル粒子の分散液1」(固形分換算で100質量部)と、イオン交換水400質量部と、「着色剤分散液」(固形分換算で8質量部)および「ワックス分散液」(固形分換算で6質量部)とを仕込み、内温を3℃に調製した後、この凝集用分散液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調製した。次いで、塩化マグネシウム・6水和物1質量部をイオン交換水20mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。1分間放置した後に昇温を開始し、この会合系を10分間かけて90℃まで昇温した。撹拌には撹拌装置を使用した。
その状態でフロー粒子像分析装置「FPIA2000」(シスメックス社製)にて凝集粒子の粒径を測定し、個数基準におけるメディアン径(D50)が5.2μmになった時点で、塩化ナトリウム2質量部をイオン交換水20mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、95℃にて10時間にわたり加熱撹拌することにより、融着を継続させて形状制御を行った後、この系を30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調製し、撹拌を停止した。
生成した粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥して着色粒子を得た。
〈トナー1の製造〉
上記の着色粒子100質量部に、数平均一次粒子径が12nmの疎水化度が80であるシリカ1.0質量部と、数平均一次粒子径が25nmの疎水化度が80であるチタニア1.0質量部とを添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、個数基準におけるメディアン径(D50)が5.2μmのトナー1を作製した。
上記の着色粒子100質量部に、数平均一次粒子径が12nmの疎水化度が80であるシリカ1.0質量部と、数平均一次粒子径が25nmの疎水化度が80であるチタニア1.0質量部とを添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、個数基準におけるメディアン径(D50)が5.2μmのトナー1を作製した。
なお、これらのトナーを構成する着色粒子の形状および粒径は、外添剤の添加によっても変化はしなかった。
(トナー2〜7の作製)
トナー1の作製で用いポリエステル粒子の分散液1を、「ポリエステル粒子の分散液2〜7」に変更した以外はトナー1の作製と同様にして「トナー2〜7」を作製した。
トナー1の作製で用いポリエステル粒子の分散液1を、「ポリエステル粒子の分散液2〜7」に変更した以外はトナー1の作製と同様にして「トナー2〜7」を作製した。
(トナー8の作製)
トナー1の作製で用いたポリエステル粒子の分散液1を「ポリエステル粒子の分散液8」(ベヘン酸ベヘニル含有)に変更し、トナー1の作製で添加した「結晶性化合物分散液」を添加しなかった以外はトナー1の作製と同様にして「トナー8」を作製した。
トナー1の作製で用いたポリエステル粒子の分散液1を「ポリエステル粒子の分散液8」(ベヘン酸ベヘニル含有)に変更し、トナー1の作製で添加した「結晶性化合物分散液」を添加しなかった以外はトナー1の作製と同様にして「トナー8」を作製した。
〈トナーの評価〉
トナーの評価は、複写機「bizhub C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に上記で作製した「トナー1〜8」を順次装填し、下記の様に低温定着性を評価した。
トナーの評価は、複写機「bizhub C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に上記で作製した「トナー1〜8」を順次装填し、下記の様に低温定着性を評価した。
(低温定着性)
低温定着性は、画像評価装置の加熱ローラーの表面温度(ローラーの中心部で測定)を、90℃以上130℃以下の範囲で、5℃刻みで変化させ、それぞれの表面温度の際に、搬送方向に対して垂直方向に5mm幅のべたシアン帯状画像を有するA4画像を縦送りで搬送定着した後に、搬送方向に対して垂直に5mm幅のべた黒帯状画像と20mm幅のハーフトーン画像を有するA4画像を横送りで搬送し、定着オフセットに起因する画像汚れが発生しない温度領域(非オフセット領域)により判定を行った。
低温定着性は、画像評価装置の加熱ローラーの表面温度(ローラーの中心部で測定)を、90℃以上130℃以下の範囲で、5℃刻みで変化させ、それぞれの表面温度の際に、搬送方向に対して垂直方向に5mm幅のべたシアン帯状画像を有するA4画像を縦送りで搬送定着した後に、搬送方向に対して垂直に5mm幅のべた黒帯状画像と20mm幅のハーフトーン画像を有するA4画像を横送りで搬送し、定着オフセットに起因する画像汚れが発生しない温度領域(非オフセット領域)により判定を行った。
判定結果、本発明の「ポリエステル粒子の分散液1〜8」を用いて作製した「トナー1〜1〜8」は、非オフセット領域の下限温度が110℃以下であり、且つ温度領域が15℃以上で、低温定着性にも優れていることが判った。
1 重縮合反応装置
2 反射板
3 反応容器
4 温度調節装置
5 温度測定器
6 混合物(混合液)
7 マイクロ波発生装置
8 攪拌装置
2 反射板
3 反応容器
4 温度調節装置
5 温度測定器
6 混合物(混合液)
7 マイクロ波発生装置
8 攪拌装置
Claims (7)
- 少なくとも、ジオールと、ジカルボン酸と、界面活性剤型触媒及び希土類金属触媒の何れかから選択される少なくとも一種の重縮合触媒とを混合して混合物を作製する工程、
該混合物にマイクロ波を照射して重縮合反応を行い、ポリエステルを作製する工程
を有することを特徴とするポリエステルの製造方法。 - 前記マイクロ波の照射強度が0.1W/cm3以上500W/cm3以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記混合物が、融点50℃以上95℃以下の結晶性化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステルの製造方法。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のポリエステルの製造方法で得られたポリエステルを、アルカリ水溶液中に乳化分散してなることを特徴とするポリエステル粒子の水分散液の製造方法。
- 請求項4に記載のポリエステル粒子の水分散液の製造方法で作製されたポリエステル粒子の水分散液中に、ラジカル重合性単量体を添加し、前記ポリエステル粒子の表面に前記ラジカル重合性単量体の樹脂を被覆してポリエステル粒子を作製することを特徴とするポリエステル粒子の水分散液の製造方法。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のポリエステルの製造方法により作製されたポリエステルであることを特徴とする樹脂組成物。
- 少なくとも、請求項4又は5に記載のポリエステル粒子の水分散液の製造方法で製造されたポリエステル粒子と着色剤とを凝集剤の存在下で凝集・融着を行って形成された粒子よりなることを特徴とする電子写真用トナー。
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JP2010011654A JP2011148913A (ja) | 2010-01-22 | 2010-01-22 | ポリエステルの製造方法、ポリエステル粒子の水分散液の製造方法、樹脂組成物、電子写真用トナー |
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-
2010
- 2010-01-22 JP JP2010011654A patent/JP2011148913A/ja active Pending
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