JP5777598B2 - 静電潜像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電潜像現像用トナーの製造方法に関する。
トナーに関して、近年、画像の高画質化の要求から、トナーの粒子径を小さくして解像度を向上させることが望まれている。高画質な画像を出力するためには、トナーの平均粒子径を5μm程度に小径化することが有効である。
トナーを小径化する方法としては、例えば、トナー粒子の原料である樹脂や顔料のような成分を溶媒中で乳化分散させて、それらを凝集させてトナー粒子を形成する方法が挙げられる。しかし、この方法では、有機溶剤や、多量の界面活性剤が使用されることが多く、COD値やBOD値の高い排水が多量に生じる問題がある。
このような問題を解決するために、トナーの製造に用いる樹脂乳化液を、有機溶剤を用いずに製造する方法(特許文献1参照)や、トナー粒子の調製に用いる樹脂、顔料のような乳化分散液の調製時に、有機溶剤を用いないトナーの製造方法(特許文献2参照)が提案されている。
特開2007−106906号公報 特開平9−311502号公報
特許文献1及び2に記載の方法では、ポリエステル樹脂のような結着樹脂の溶融液と、塩基性物質の希薄な水溶液とを混合して結着樹脂中の酸性基を中和することで、結着樹脂の乳化分散液が形成される。このような方法では、中和工程の温度が低温である場合、結着樹脂の中和に長時間を要する問題がある。他方、中和工程の温度が高温である場合、結着樹脂の軟化点との関係から、中和温度が水の沸点を超えてしまうことがある。水の沸点以上の温度で中和を行う場合、中和処理に用いる装置として高価な耐圧装置が必要であり、また、中和作業自体も危険なものとなる。
上記のように、結着樹脂の乳化分散液を調製する際に、結着樹脂を低温且つ短時間で中和する方法が知られていないのが実情である。そして、中和温度が高くても、中和時間が長くても、結着樹脂の中和に要するエネルギー消費量が増大する。このため、結着樹脂の中和に要するエネルギー消費量を低減するためにも、結着樹脂を低温且つ短時間で中和する方法が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低温且つ短時間で結着樹脂を中和して結着樹脂を含む微粒子を含有する分散液を調製する工程を含む、静電潜像現像用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の工程(I)〜(V):
工程(I):液状の有機塩基と溶融状態の結着樹脂とを混合して結着樹脂を中和し、結着樹脂を含む樹脂溶融液を得る工程、
工程(II):前記樹脂溶融液と、水とを混合し、前記結着樹脂を含む微粒子を油相として含有する水中油型エマルジョンを得る工程、
工程(III):前記水中油型エマルジョンと、着色剤微粒子を含む水性分散液、離型剤微粒子を含む水性分散液、又は着色剤微粒子及び離型剤微粒子を含む水性分散液とを混合し、微粒子混合分散液を得る工程、
工程(IV):前記微粒子混合分散液に凝集剤を加えて、前記微粒子混合分散液中の微粒子を凝集させ、凝集粒子を形成させる工程、及び
工程(V):前記凝集粒子を、前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも10℃以上高く、前記結着樹脂の軟化点(Tm)よりも低い温度に保持し、前記凝集粒子に含まれる成分を合一化させる工程、
を含み、
前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、
前記有機塩基の使用量が、前記結着樹脂100質量部に対して、6質量部以上であり、
前記工程(I)中の、溶融状態の前記結着樹脂の中和度が100%以上である、静電潜像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明によれば、低温且つ短時間で結着樹脂を中和して結着樹脂を含む微粒子を含有する分散液を調製する工程を含む、静電潜像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
フローテスターを用いたポリエステル樹脂の軟化点の測定方法について説明する図である。 顔料微粒子分散液の調製に用いられるマイクロリアクターの断面の模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明は、以下の工程(I)〜(V)を含む静電潜像現像用トナーの製造方法である。
工程(I):液状の有機塩基と溶融状態の結着樹脂とを混合して結着樹脂を中和し、結着樹脂を含む樹脂溶融液を得る工程、
工程(II):樹脂溶融液と、水とを混合し、結着樹脂を含む微粒子を油相として含有する水中油型エマルジョンを得る工程、
工程(III):水中油型エマルジョンと、着色剤微粒子を含む水性分散液、離型剤微粒子を含む水性分散液、又は着色剤微粒子及び離型剤微粒子を含む水性分散液とを混合し、微粒子混合分散液を得る工程、
工程(IV):微粒子混合分散液に凝集剤を加えて、微粒子混合分散液中の微粒子を凝集させて凝集粒子を形成させる工程、及び
工程(V):凝集粒子を結着樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも10℃以上高く結着樹脂の軟化点(Tm)よりも低い温度に保持し、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる工程。
本発明で用いる結着樹脂はポリエステル樹脂である。上記工程(I)で使用される有機塩基の量は、結着樹脂100質量部に対して6質量部以上である。工程(I)中の結着樹脂の中和度が100%以上である。
以下、本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法において使用されるトナー材料、及び静電潜像現像用トナーの製造方法について順に説明する。
≪トナー材料≫
本発明の静電潜像現像用トナー(以下トナーともいう)の製造方法を用いて得られるトナーは、結着樹脂を必須に含み、必要に応じ、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤のような成分を含んでいてもよい。また、本発明のトナーの製造方法を用いて得られるトナーは、必要に応じ、その表面に外添剤を付着させたものであってもよい。また、本発明のトナーの製造方法を用いて得られるトナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。以下、トナーの製造に用いる、必須、又は任意の材料である、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤と、外添剤と、トナーを2成分現像剤として用いる場合に使用するキャリアとについて順に説明する。
〔結着樹脂〕
本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法では、結着樹脂としてポリエステル樹脂が用いられる。ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合や共縮重合で得られるものを使用できる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下の2価又は3価以上のアルコール成分や2価又は3価以上のカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAのようなビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコールが挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、又はn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸のようなアルキル又はアルケニルコハク酸のような2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、及び低級アルキルエステルのようなエステル形成性の誘導体としたものを用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を意味する。
ポリエステル樹脂の酸価は、10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下が好ましい。ポリエステル樹脂の酸価をこのような範囲とすることで、後述の工程(IV)において、ポリエステル樹脂の微粒子の凝集が良好に進行しやすい。ポリエステル樹脂の酸価が低すぎる場合、後述の工程(II)において、水中油型エマルジョンを形成させにくい。また、ポリエステル樹脂の酸価は、ポリエステル樹脂の合成に使用されるアルコール成分が有する水酸基と、カルボン酸成分が有するカルボキシル基との、官能基のバランスを調整することで調整できる。
ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、38℃以上68℃以下が好ましく、40℃以上60℃以下がより好ましい。ポリエステル樹脂のTgが低すぎる場合、トナー粒子全体の強度が低下しやすく、高温多湿環境下でトナー粒子の凝集が生じる場合がある。ポリエステル樹脂のTgが高すぎる場合、トナーを低温で良好に定着しにくくなる場合がある。
ポリエステル樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、ポリエステル樹脂の吸熱曲線を測定することで求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25℃以上200℃以下の条件で、昇温速度10℃/minで常温常湿下にて測定して得られたポリエステル樹脂の吸熱曲線からポリエステル樹脂のガラス転移点を求めることができる。
ポリエステル樹脂の軟化点は、78℃以上130℃以下が好ましく、80℃以上125℃以下がより好ましい。軟化点がこのような範囲のポリエステル樹脂をトナーの結着樹脂として用いることで、低温定着性に優れ、高温での定着時にオフセットが発生しにくいトナーを得やすい。ポリエステル樹脂の軟化点は、以下の方法に従って測定することができる。
<軟化点測定方法>
高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))を用いてポリエステル樹脂の軟化点の測定を行う。具体的には、以下のようにしてポリエステル樹脂の軟化点を測定する。ポリエステル樹脂1.5gを試料として用い、高さが1.0mmで直径1.0mmのダイを使用する。そして、昇温速度4℃/min、予熱時間300秒、荷重5kg、測定温度範囲60℃以上200℃以下の条件で測定を行う。フローテスターを用いたポリエステル樹脂の測定から得られた、温度(℃)とストローク(mm)とに関するS字カーブを用いて、軟化点を読み取る。
軟化点の読み取り方を、図1を用いて説明する。ストロークの最大値をSとし、低温側のベースラインのストローク値をSとする。S字カーブにおいて、ストロークの値が(S+S)/2となる温度を、ポリエステル樹脂の軟化点とする。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、1,000以上20,000以下が好ましい。また、数平均分子量(Mn)と質量平均分子量(Mw)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、1以上5以下が好ましい。ポリエステル樹脂の分子量分布をかかる範囲とすることで、オフセットの発生を抑制しやすくなり、また、オフセットが生じない温度範囲の広いトナーを得やすくなる。ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)と質量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
〔着色剤〕
本発明の静電潜像現像用トナーに含まれる着色剤は、トナー粒子の色に合わせて、公知の顔料や染料を用いることができる。トナーに添加することができる好適な着色剤の具体例としては以下の着色剤が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤としてしては後述するイエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤のような着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も利用することができる。カラートナー用着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤のような着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、194が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン誘導体、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
これら着色剤の各色は、単独又は混合して用いることができる。着色剤の使用量は、具体的には、トナーの質量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましい。
〔離型剤〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、トナーの定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。離型剤の種類は、従来からトナー用の離型剤として使用されているものであれば特に限定されない。
好適な離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス、及び酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、及びライスワックスのような植物系ワックス;みつろう、ラノリン、及び鯨ろうのような動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、及びベトロラクタムのような鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、及びカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルを一部、又は全部を脱酸化したワックスが挙げられる。
離型剤の使用量は、トナーの質量に対して、3質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、形成画像におけるオフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合がある。一方、離型剤の使用量が過多である場合、トナー同士の融着に起因してトナーの耐熱保存性が低下する場合がある。
〔電荷制御剤〕
本発明の静電潜像現像用トナーは、必要に応じ、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルの安定性や、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
電荷制御剤の種類は、従来よりトナーに使用されている電荷制御剤から適宜選択できる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンのようなアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディープブラック3RLのようなアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体のようなニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZのようなニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライドのような4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な立ち上がり性が得られる点で、ニグロシン化合物が特に好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
官能基として4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレンアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレンアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル樹脂、カルボキシル基を有するスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレンアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
負帯電性の電荷制御剤の具体例としては、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。有機金属錯体、及びキレート化合物としては、アルミニウムアセチルアセトナートや鉄(II)アセチルアセトナートのようなアセチルアセトン金属錯体、及び、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロムのようなサリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩がより好ましい。これらの負帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナー全量を100質量部とした場合に、0.5質量部以上15質量部以下が好ましく、1.0質量部以上8.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以上7.0質量部以下が特に好ましい。電荷制御剤の使用量が過少である場合、所定の極性にトナーを安定して帯電させ難いため、形成画像の画像濃度が所望する値を下回ったり、画像濃度の長期にわたる維持が困難になったりすることがある。また、このような場合、電荷制御剤がトナー中に均一に分散し難く、形成画像にかぶりが生じやすくなったり、トナー成分の付着に起因する潜像担持部の汚染が起こりやすくなったりする。電荷制御剤の使用量が過多である場合、耐環境性の悪化に起因する、高温高湿下での帯電不良に起因する形成画像における画像不良や、トナー成分の付着に起因する潜像担持部の汚染が起こりやすくなる。
〔外添剤〕
本発明の方法を用いて得られる静電潜像現像用トナーは、必要に応じてその表面が外添剤を用いて処理されていてもよい。外添剤の種類は、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらの外添剤は、アミノシランカップリング剤やシリコーンオイルのような疎水化剤を用いて疎水化して使用することもできる。疎水化された外添剤を用いる場合、高温高湿下でのトナーの帯電量の低下を抑制しやすく、流動性に優れるトナーを得やすい。
外添剤の粒子径は、0.01μm以上1.0μm以下が好ましい。外添剤の使用量は、外添処理前のトナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.2質量部以上5質量部以下がより好ましい。
〔キャリア〕
本発明の方法を用いて得られる静電潜像現像用トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
静電潜像現像用トナーを2成分現像剤とする場合の好適なキャリアとしては、キャリア芯材が樹脂を用いて被覆されたものが挙げられる。キャリア芯材の具体例としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、及びコバルトのような金属の粒子や、これらの材料と、マンガン、亜鉛、及びアルミニウムのような金属との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金のような鉄合金の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、及びニオブ酸リチウムのようなセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、及びロッシェル塩のような高誘電率物質の粒子、並びに樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリアが挙げられる。
キャリア芯材を被覆する樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアの粒子径は、電子顕微鏡を用いて測定される粒子径で、20μm以上120μm以下が好ましく、25μm以上80μm以下がより好ましい。
本発明の方法を用いて製造されるトナーを2成分現像剤として用いる場合、トナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して、3質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下が好ましい。2成分現像剤におけるトナーの含有量をこのような範囲とすることにで、形成画像の画像濃度を適度な水準に維持しやすく、現像装置からのトナー飛散の抑制に起因して、画像形成装置内部のトナー成分に起因する汚染や転写紙へのトナーの付着を抑制できる。
以上説明した材料を用いて、以下説明する方法に従って、静電潜像現像用トナーが調製される。
≪静電潜像現像用トナーの製造方法≫
本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法は、以下の工程(I)〜(V)を少なくとも含む。
工程(I):液状の有機塩基と溶融状態の結着樹脂とを混合して結着樹脂を中和し、結着樹脂を含む樹脂溶融液を得る工程、
工程(II):樹脂溶融液と、水とを混合し、結着樹脂を含む微粒子を油相として含有する水中油型エマルジョンを得る工程、
工程(III):水中油型エマルジョンと、着色剤微粒子を含む水性分散液、離型剤微粒子を含む水性分散液、又は着色剤微粒子及び離型剤微粒子を含む水性分散液とを混合し、微粒子混合分散液を得る工程、
工程(IV):微粒子混合分散液に凝集剤を加えて、微粒子混合分散液中の微粒子を凝集させて凝集粒子を形成させる工程、及び
工程(V):凝集粒子を、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも10℃以上高く結着樹脂の軟化点(Tm)よりも低い温度に保持し、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる工程。
結着樹脂としては、ポリエスエテル樹脂を用いる。工程(I)中の有機塩基の使用量は結着樹脂100質量部に対して6質量部以上である。溶融状態の結着樹脂の中和度は100%以上である。
本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法は、上記工程(I)〜(V)に加え、必要に応じ、以下の工程(VI)〜(VIII)を含んでいてもよい。
工程(VI):工程(V)で得られる合一化された粒子を洗浄する、洗浄工程。
工程(VII):工程(V)で得られる合一化された粒子を乾燥する、乾燥工程。
工程(VIII):トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる、外添工程。
以下、工程(I)〜(VIII)について順に説明する。
[工程(I)]
工程(I)では、液状の有機塩基と溶融状態の結着樹脂とを混合して結着樹脂を中和し、結着樹脂を含む樹脂溶融液を得る。樹脂溶融液の調製方法としては、有機塩基と結着樹脂とを混合した後に、混合物を結着樹脂の融点より高い温度まで加熱して、樹脂溶融液を得る方法と、結着樹脂を結着樹脂の融点以上の温度まで加熱して溶融させ、溶融状態の結着樹脂を、有機塩基を用いて中和して樹脂溶融液を得る方法とが挙げられる。
樹脂溶融液の調製方法としては、以下の工程(i)及び(ii):
工程(i):結着樹脂を軟化点(Tm)より高い温度に加熱して溶融させ、結着樹脂を含む溶融液を得る工程、及び
工程(ii):樹脂溶融液をTmより高い温度に保持しながら、溶融液と、有機塩基とを混合して、中和された結着樹脂を含む樹脂溶融液を得る工程、
を含む方法が好ましい。
有機塩基と結着樹脂とを混合した後に、混合物を結着樹脂の融点より高い温度まで加熱して、樹脂溶融液を得る方法では、結着樹脂を加熱する際に結着樹脂中の有機塩基の濃度にムラが生じる場合がある。有機塩基の濃度にムラがある状態で、結着樹脂と有機塩基との混合物を加熱すると、結着樹脂の熱劣化や、空気中の水分による結着樹脂の加水分解が生じる場合がある。上記の工程(i)及び(ii)を含む方法によれば、結着樹脂の熱劣化や、空気中の水分による結着樹脂の加水分解のような不具合を抑制しつつ、有機塩基で中和された結着樹脂を含む樹脂溶融液を速やかに調製することができる。
以下、工程(i)及び(ii)について、説明する。
(工程(i))
工程(i)では、結着樹脂を軟化点(Tm)より高い温度に加熱して、結着樹脂を溶融させる。結着樹脂を溶融させる温度は、特に限定されないが、Tm+10℃以上Tm+30℃以下が好ましい。
(工程(ii))
工程(ii)では、樹脂溶融液をTmより高い温度に保持しながら、溶融液と、液状の有機塩基とを混合して、有機塩基で中和された結着樹脂を含む樹脂溶融液を得る。溶融状態の結着樹脂と、液状の有機塩基とを混合するために用いられる混合装置は、例えば、混合・混錬装置(ハイビスディスパーミックス(プライミクス株式会社))、及びプラネタリーデスパ(浅田鉄工株式会社)のような混合・混錬装置が挙げられる。混合・混練装置としては、結着樹脂の溶融状態での保持が容易であることから、温度調整が可能なジャケットを備える装置が好ましい。
本発明のトナーの製造方法では、結着樹脂であるポリエステル樹脂を中和するために有機塩基を用いる。有機塩基は液状で溶融状態の結着樹脂と混合されるが、有機塩基は、液体として結着樹脂と混合される必要はない。例えば、室温で固体であり結着樹脂の軟化点では液体である有機塩基を、結着樹脂の溶融液に加えて結着樹脂を中和するような方法も、工程(I)での結着樹脂の中和方法に含まれる。
有機塩基は実質的に水を含まないため、本発明のトナーの製造法では、結着樹脂を中和する際に結着樹脂を100℃以上に加熱する必要がある場合でも、高価な耐圧装置を用いることなく結着樹脂を中和することができる。また、有機塩基は実質的に水を含まないため、本発明のトナーの製造方法では、結着樹脂の中和時の結着樹脂であるポリエステル樹脂の加水分解も抑制される。
なお、有機塩基は完全に無水である必要はなく、吸湿や不可避的な水の混入の影響で僅かな水分を含む有機塩基も使用することができる。有機塩基に許容される水の含有量としては、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が特に好ましい。
有機塩基の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、6質量部以上である。有機塩基は、工程(I)で得られる溶融状態の結着樹脂の中和度は100%以上となる量で使用される。このような量の有機塩基を使用することで、溶融状態の結着樹脂が可塑化しやすい。このため、工程(I)では、有機塩基と溶融状態の結着樹脂とを混合した後に、得られる混合物の温度を15℃以上30℃以下の範囲で低下させても、混合物の極端な増粘を招くことなく結着樹脂の中和を速やかに進行させることができる。このため、本発明のトナーの製造方法では、低温且つ短時間での結着樹脂の中和が可能となる。中和度は、下式で表される。
中和度(%)=100−(中和後の酸基のモル数/中和前の酸基のモル数)×100
結着樹脂の中和に使用される有機塩基の種類は特に限定されず、通常は、塩基性含窒素化合物である。塩基性含窒素化合物としては、特に限定されず、非環式アミン、環式アミン、及び芳香族複素環式化合物のような化合物を使用することができる。有機塩基は、1価の塩基に限定されず、2価以上の多価有機塩基であってもよい。溶融状態の結着樹脂と混合する際に、液状であるか、速やかに溶融する有機塩基の例としては、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、イソプロピルアミン、モノメタノールアミン、モルホリン、メトキシプロピルアミン、ピリジン、及びビニルピリジンが挙げられる。また、これらの有機塩基は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、有機塩基の沸点は、100℃以上が好ましく、125℃以上がより好ましく、150℃以上が特に好ましい。このような沸点を有する有機塩基を用いることで、大気圧下で結着樹脂の中和を行なう際の、揮発による有機塩基の損失を抑制することができる。
樹脂溶融液には、界面活性剤を含有させることができる。樹脂溶融液に、界面活性剤を含有させる場合、後述する工程(II)で、分散安定性に優れる水中油型エマルジョンを形成することができる。
樹脂溶融液に配合できる界面活性剤は特に限定されず、アニオン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤からなる群より適宜選択できる。アニオン系界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩型界面活性剤、スルホン酸塩型界面活性剤、リン酸エステル塩型界面活性剤、及び石鹸が挙げられる。ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物型界面活性剤、及びグリセリン、ソルビトール、ソルビタンのような多価アルコールの誘導体である多価アルコール型界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤の中では、アニオン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤の少なくとも一方を用いるのが好ましい。これらの界面活性剤は、1種を用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
界面活性剤の使用量は、以下説明する工程(II)で形成される水中油型エマルジョン中での界面活性剤の濃度が、0.5質量%以上5質量%以下となるような量が好ましい。
[工程(II)]
工程(II)では、樹脂溶融液と、水とを混合して、結着樹脂を含む微粒子を油相として含有する水中油型エマルジョンを得る。樹脂溶融液と水とを混合する際、樹脂溶融液の急激な温度変化を避けるために、水の温度と樹脂溶融液の温度との差(水の温度−樹脂溶融液の温度)は、−20℃以上5℃以下が好ましい。
工程(II)では、水中油型エマルジョンを形成する際に、必要に応じて界面活性剤を用いることができる。工程(II)で使用できる界面活性剤の種類及び量は、工程(I)において説明した界面活性剤の種類及び量と同様である。また、水は、上水、工業用水、蒸留水、イオン交換水から適宜選択できる。工程(I)で得られる樹脂溶融液に対する水の使用量は、工程(I)で調製される樹脂溶融液の質量の2.5質量倍以上20質量倍以下が好ましい。
[工程(III)]
工程(III)では、水中油型エマルジョンと、着色剤微粒子を含む水性分散液、離型剤微粒子を含む水性分散液、又は着色剤微粒子及び離型剤微粒子を含む水性分散液とを混合し、微粒子混合分散液を得る。以下、着色剤微粒子を含む水性分散液の調製方法と、離型剤微粒子を含む水性分散液とについて説明する。なお、着色剤微粒子及び離型剤微粒子を含む水性分散液は、着色剤微粒子を含む水性分散液と、離型剤微粒子を含む水性分散液とを所望する比率で混合し、必要に応じて固形分濃度を調整することで調製できる。
〔着色剤微粒子を含む水性分散液の調製〕
着色剤微粒子を含む水性分散液の調製方法は特に限定されないが、界面活性剤を含む水性媒体中で、着色剤と、必要に応じて着色剤の分散剤のような成分とを、公知の分散機を用いて分散処理することで、着色剤を含む微粒子が得られる。界面活性剤の種類は特に限定されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤の何れも使用できる。界面活性剤の使用量は特に限定されないが、臨界ミセル濃度(CMC)以上であるのが好ましい。
分散処理に使用する分散機は特に限定されず、例えば、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリン、及び圧力式ホモジナイザーのような加圧式分散機や、サンドグラインダー、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミルのような媒体型分散機を使用できる。
また、着色剤微粒子を含む水性分散液に分散される着色剤が顔料である場合、マイクロリアクターを用いて着色微粒子の水性分散液を調製するのが好ましい。マイクロリアクターを用いて顔料微粒子を含む水性分散液を調製する場合、マイクロリアクター内で、第一原液供給部から供給される第一の顔料原液と、第二原液供給部から供給される第二の顔料原液とを混合して顔料微粒子を析出させる。以下、図2を用いて、マイクロリアクターと、マイクロリアクターを用いる顔料微粒子を含む水性分散液の調製とについて説明する。
<マイクロリアクター>
図2は、顔料微粒子を含む水性分散液の調製に用いられるマイクロリアクターの断面の模式図である。図2に示すように、マイクロリアクターは、円盤状の二枚のディスクである固定ディスクA及び回転ディスクBを有し、固定ディスクAと、回転ディスクBとは、その間に、高さ1μm以上100μm以下の空隙が形成されるように配置される。
図2に示されるマイクロリアクターでは、第一原液供給部xから顔料微粒子分散液である第一原液が、第二原液供給部yから凝集剤を含む第二原液が、それぞれ供給される。第一原液と、第二原液とが供給されることで、固定ディスクAと、回転ディスクBとの間に形成される空隙にて顔料微粒子が製造され、顔料微粒子は液排出部zから顔料微粒子の分散液として排出される。
図2に示されるマイクロリアクターは、回転軸cと平行な方向に可動のフローティング構造である固定ディスクAを用いる。このような構造のため、固定ディスクAと、回転ディスクBとの間に形成される空隙の高さは、第一原液供給部から供給される、第一の顔料原液の流入で生じる、固定ディスクAを押し上げる方向(図2において上方向)に働く圧力と、固定ディスクAの自重及び、固定ディスクAを押し下げる方向(図2において下方向)に加えられる圧力とで調整される。つまり、固定ディスクAと、回転ディスクBとの間に形成される空隙の高さは、第一の顔料原液の流量、固定ディスクAの質量、及び/又は固定ディスクAの上側から加わる背圧力を調整することで調整できる。固定ディスクAへの上側からの圧力としては、ガスを用いる背圧力が挙げられる。
固定ディスクA及び回転ディスクBの材質は、第一原液や第二原液に起因する腐食が生じにくいものであって、十分な強度を有するものであれば特に限定されない。固定ディスクA及び回転ディスクBの材質の例としては、例えば、カーボン、炭化ケイ素、或いは耐薬品性に優れる点で、ハステロイ、グラス、セラミック、及びフッ素樹脂が挙げられる。
固定ディスクAと、回転ディスクBとの間に形成される空隙の高さは、第一の顔料原液、第二の顔料原液、及び析出させる顔料微粒子の種類に応じて調整するのが好ましい。顔料微粒子を含む水性分散液を調製する場合の空隙の高さは、1μm以上50μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。
回転ディスクBは、固定ディスクA及び回転ディスクBの中心を通る回転軸cを中心として回転する。回転ディスクBの回転速度は、顔料微粒子を含む水性分散液を調製する場合、200rpm以上4000rpm以下が好ましく、300rpm以上3600rpm以下がより好ましい。
固定ディスクAに設けられた第二原液供給部yの数は、1つであっても、複数であってもよい。第二原液供給部yの数が複数である場合、第二原液供給部から供給される第二の顔料原液は、1種であっても複数であってもよい。第二原液供給部yの形状は、第二の顔料原液の供給量を考慮して適宜設計される。
上記構成を備えるマイクロリアクターとしては、例えば、強制薄膜リアクター(ULREA SS−11(エム・テクニック株式会社製))が挙げられる。以下、マイクロリアクターを用いる顔料微粒子を含む顔料微粒子分散液の調製について説明する。
<マイクロリアクターを用いる顔料微粒子を含む水性分散液の調製>
マイクロリアクターを用いる顔料微粒子を含む水性分散液の調製では、まず、図2に示すように、第一原液供給部xから第一の顔料原液を供給して、固定ディスクAと、回転ディスクBとの間に形成される空隙を第一の顔料原液で満たし、薄膜流体を形成する。次いで、第一の顔料原液の薄膜流体に対し、図2に示す、第二原液供給部yから供給される第二の顔料原液を供給して、固定ディスクAと、回転ディスクBとの間に形成される空隙内で、第一の顔料原液と、第二の顔料原液とを混合し、顔料微粒子を析出させる。析出した顔料微粒子は、顔料微粒子を含む水性分散液として、液排出部zにて回収される。
顔料微粒子を含む水性分散液の調製に用いる第一の顔料原液は、特に限定されず、水、又はアルカリ性水溶液が好ましい。アルカリ水溶液としては、例えば、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、及び水酸化カリウム水溶液が挙げられる。
顔料微粒子を含む水性分散液の調製に用いる第二の顔料原液は、溶媒に顔料を溶解させた顔料溶液を用いる。顔料を溶解させる溶媒は、顔料を良好に溶解させることができれば特に限定されない。顔料を溶解させる溶媒の好適な例としては、有機溶媒や、酸性水溶液が挙げられ、酸性水溶液が好ましい。酸性水溶液に含まれる酸の具体例としては、硫酸、塩酸、硝酸、及びトリフルオロ酢酸が挙げられ、濃度95質量%以上である濃硫酸のような強酸を用いるのが特に好ましい。
上記のように、顔料微粒子を含む水性分散液の調製方法としては、顔料の酸性水溶液(第二の顔料原液)と、水又はアルカリ性水溶液(第一の顔料微粒子分散液)とを混合することで顔料微粒子を析出させる、アシッドペースティング法が好ましい。
アッシドペースティング法の他の方法としては、第二の顔料原液として顔料の有機溶媒溶液を用い、第一の顔料原液として顔料の貧溶媒を用い、第一の顔料原液と、第二の顔料原液とを混合して顔料を析出させる方法も好ましい。第二の顔料原液に含まれる有機溶媒の好適な例としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びスルホランのような非プロトン性極性有機溶媒が挙げられる。第一の顔料原液として用いる貧溶媒の好適な例としては、水、メタノール、エタノール、メタノール水溶液、エタノール水溶液が挙げられる。
上記第一の顔料原液、及び第二の顔料原液には、顔料が析出する際の結晶型や、結晶の大きさの制御を目的として、公知の有機溶剤、高分子化合物、及び界面活性剤を混合してもよい。
顔料微粒子を含む水性分散液が回収される液排出部zにて、顔料微粒子を含む水性分散液と水酸化ナトリウムのようなアルカリ性水溶液とを混合するのも好ましい。このような処理を行うことにで、顔料微粒子の表面を親水化することができる。親水化された顔料微粒子は、界面活性剤を用いる場合に良好に分散させやすい。このため、顔料微粒子を親水化することで、分散安定性に優れる顔料微粒子を含む水性分散液を得やすくなる。
第一の顔料原液の供給量は、マイクロリアクターの形状に応じても変わるが、典型的には、100ml/分以上1000ml/分以下が好ましい。第二の顔料原液の供給量は、第一の顔料原液の供給量に応じても変わるが、1ml/分以上500ml/分以下が好ましい。第一の顔料原液、及び第二の顔料原液の供給時の温度は、用いる顔料原液に応じて異なるが、通常0℃以上50℃以下である。
固定ディスクAの上側から加える背圧力を高くする、回転ディスクBの回転数を高くする、或いは第二の顔料原液の供給量を下げることで、顔料微粒子のCv値を小さくすることができる。
以上、マイクロリアクターを用いて、第一の顔料原液と、第二の顔料原液とを混合し、顔料微粒子を析出させて、顔料微粒子を含む水性分散液を得る方法を説明したが、顔料の合成原料を含む複数の顔料原液を混合して、それらの化学反応で、生成した顔料を微粒子として析出させる方法を用いて顔料微粒子を含む水性分散液を得てもよい。このような方法の具体例としては、ジアゾニウム塩を含む顔料原液と、カップラーを含む顔料原液とを混合して、マイクロリアクター内でアゾ顔料の微粒子を析出させる方法が挙げられる。
顔料微粒子の平均一次粒子径、及びCv値は、顔料微粒子の粒度分布を、粒度分布測定装置(マイクロトラック UPA150(日機装株式会社製))を用いて測定することで求めることができる。また、顔料微粒子の平均円形度は、顔料微粒子のTEM画像に基づいて求めることができる。
〔離型剤微粒子を含む水性分散液〕
離型剤を予め100μm以下程度に粗粉砕しておく。離型剤の粗粉砕品を、界面活性剤を含む水性媒体中に添加し、そのスラリーを離型剤の融点以上の温度に加熱する。加熱したスラリーに、ホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて強い剪断力を付与し、離型剤微粒子を含む水性分散液を調製する。
分散液に強い剪断力を与える装置としては、NANO3000(株式会社美粒製)、ナノマイザー(吉田機械興業株式会製)、マイクロフルダイザー(MFI社製)、ゴーリンホモジナイザー(マントンゴーリン社製)、及びクレアミックスWモーション(エム・テクニック株式会社製)が挙げられる。
[工程(IV)]
工程(IV)では、微粒子混合分散液に凝集剤を加えて、微粒子混合分散液中の微粒子を凝集させ、凝集粒子を形成させる。以下、凝集剤、及び、凝集粒子の形成について説明する。
〔凝集剤〕
微粒子混合分散液に加えることができる凝集剤としては、無機金属塩、無機アンモニウム塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。無機金属塩としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムのような金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウムのような無機金属塩重合体が挙げられる。無機アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムが挙げられる。また、4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミンも凝集剤として使用できる。
凝集剤としては、2価の金属の塩、及び1価の金属の塩が好ましく用いられる。2価の金属の塩と1価の金属の塩とは併用されるのが好ましい。2価の金属の塩と1価の金属の塩とでは、微粒子の凝集速度が異なるため、これらを併用することで、得られる凝集粒子の粒子径を制御しつつ、粒度分布をシャープなものとしやすい。
凝集剤の添加量は、微粒子混合分散液の固形分に対して0.1mmol/g以上10mmol/g以下が好ましい。また、凝集剤の添加量は、水中油型エマルジョンに含まれる界面活性剤の種類、及び量に応じて、適宜調整するのが好ましい。
〔凝集粒子の形成〕
微粒子混合分散液に凝集剤を加えた後は、微粒子混合分散液を、結着樹脂のガラス転移点(Tg)以上、Tgより15℃高い温度以下に保持するのが好ましい。この範囲の温度に微粒子混合分散液を保持することで、結着樹脂、離型剤、及び着色剤のような成分を凝集粒子中に、均一に分散させることができ、得られる凝集粒子を所望の粒子形状に制御しやすい。
また、微粒子混合分散液に凝集剤を加えた後、微粒子の凝集速度を抑制するために、界面活性剤を添加するのが好ましい。微粒子の凝集速度の抑制に用いることができる界面活性剤としては、上記した樹脂溶融液の調製に用いることができる界面活性剤と同様の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤の添加量は、トナーの材料として用いる成分の全質量に対して、5質量%以上20質量%以上が好ましい。
凝集粒子が所望の粒子径となるまで凝集が進行した後には、凝集停止剤を添加するのが好ましい。凝集停止剤の例としては、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウムが挙げられる。このようにして凝集粒子を得ることが出来る。
[工程(V)]
工程(V)では、凝集粒子を、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも10℃以上高く、結着樹脂の軟化点(Tm)よりも低い温度に加熱する。凝集粒子をこのような範囲の温度に加熱することで、凝集粒子に含まれる成分の合一化を良好に進行させることができ、好適な球形化度のトナーを調製しやすい。
凝集粒子を加熱することで、凝集粒子の形状が次第に球形に近づいていく。加熱時の温度と時間を制御することで、粒子の球形化度を所望の値に制御することが可能である。温度上昇に従って結着樹脂の溶融粘度が低下し、表面張力に起因して球形化の方向に形状変化が起こるためである。
[工程(VI)]
トナー粒子又はトナー母粒子である工程(V)で得られる合一化された粒子は、必要に応じて水を用いて洗浄される。洗浄方法は特に限定されず、合一化された粒子の分散液から、固液分離することで合一化された粒子をウエットケーキとして回収し、得られたウエットケーキを、水を用いて洗浄する方法や、合一化された粒子の分散液中の合一化された粒子を沈降させ、上澄み液を水と置換し、置換後に合一化された粒子を水に再分散させる方法が挙げられる。
[工程(VII)]
工程(V)で得られる合一化された粒子は、必要に応じて乾燥される。合一化された粒子を乾燥する方法は特に限定されない。好適な乾燥方法としては、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、減圧乾燥機のような乾燥機を用いる方法が挙げられる。これらの方法の中では、乾燥中の合一化された粒子の凝集を抑制しやすいことからスプレードライヤーを用いる方法がより好ましい。スプレードライヤーを用いる場合、合一化された粒子の分散液と共に、シリカのような外添剤の分散液を噴霧することで、表面に外添剤を備えるトナー粒子を得ることができる。乾燥された合一化された粒子は、トナー粒子としてもよいし、工程(VIII)で外添処理されるトナー母粒子としてもよい。
[工程(VIII)]
工程(VIII)では、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。外添剤をトナー母粒子の表面に付着させる方法は特に限定されない。好適な方法としては、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーのような混合機を用いて、外添剤がトナー母粒子の表面に埋没しないように条件を調整して混合する方法が挙げられる。
以上説明した本発明によれば、低温且つ短時間で結着樹脂を中和して結着樹脂を含む微粒子を含有する分散液を調製する工程を含む、静電潜像現像用トナーの製造方法を提供することができる。このため、本発明のトナーの製造方法によれば、トナーの製造に要するエネルギーの消費量を低減できる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
[調製例1]
(顔料微粒子分散液の調製)
以下の方法に従い、着色剤として顔料を用い、顔料微粒子を含む水性分散液である顔料微粒子分散液を調製した。
マイクロリアクターとして、強制薄膜リアクター(ULREA SS−11(エム・テクニック株式会社製))を用いて、アシッドペースティング法で、顔料微粒子分散液を調製した。
第二の顔料原液として、シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン))を濃硫酸(98%)に溶解させて、3%銅フタロシアニン顔料/98%濃硫酸水溶液を得た。
マイクロリアクターの装置条件を以下のように設定し、第一の顔料原液として純水を用い、以下の条件で第一原液供給部xから第一の顔料原液を供給し、以下の条件で第二原液供給部yから第二の顔料原液を供給した。
<装置条件>
プロセス供給圧力:0.3MPa
背圧力:0.02MPa
ディスク回転速度:1700rpm
<第一原液供給部条件>
液温度:5℃
流量:400ml/分
<第二原液供給部条件>
流量:3ml/分
次いで、冷却ジャケットを有する液排出部zにて、得られた顔料微粒子に対し、6N−NaOH水溶液を、流量24ml/分、液温度10℃で流入させ、ジャケット冷却水温度10℃にて顔料微粒子とNaOH水溶液とを素早く混合して、顔料微粒子の表面に親水基導入処理を行った。
得られた混合液を、撹拌装置(スリーワンモーターType600G(新東科学株式会社製),撹拌翼:インペラー型)にて、翼周速度1m/秒、混合時間2時間、ジャケット温度20℃の条件で撹拌した。撹拌することで顔料微粒子が軟凝集を形成した状態で、混合液から、メンブレンフィルター(孔径1μm)を用いて、顔料微粒子のウエットケーキをろ取した。その後、ろ取した顔料微粒子のウエットケーキと、ドデシル硫酸ナトリウム0.5質量%水溶液とを、クレアミックス(エム・テクニック株式会社製)に投入し、回転速度20000rpmで5分間、顔料微粒子の再分散を行い、固形分濃度が20質量%の顔料微粒子分散液(P−1)を得た。
得られた顔料微粒子分散液に含まれる顔料微粒子の粒度分布を、粒度分布測定装置(マイクロトラック UPA150(日機装株式会社製))を用いて測定した。顔料微粒子の体積平均粒子径は22nmであり、粒度分布のCv値は13%であった。また、顔料微粒子のTEM画像を用いて、顔料微粒子の円形度を測定した。顔料微粒子3000個について円形度を測定したところ、顔料微粒子の平均円形度は0.940であった。なお、Cv値、円形度は下記式に従って求められる。Cv値は、粒子径分布の広がりの指標となる値であり、Cv値が小さいほど、粒子径分布がシャープであることを意味する。
Cv値=100×標準偏差/体積平均粒子径
円形度=4πS/L(S:面積、L:周囲長)
[調製例2]
(離型剤微粒子分散液の調製)
以下の方法に従い、離型剤微粒子を含む水性分散液である離型剤微粒子分散液を調製した。
離型剤(パラフィンワックス、HNP−9PD(日本精蝋株式会社製))と、離型剤の固形分に対して20質量%となる量のアニオン性界面活性剤(エマール 0(花王株式会社製))と、離型剤微粒子分散液の固形分濃度が20質量%となる量のイオン交換水とを、ナノマイザー(吉田機械興業株式会社製)に投入した。ナノマイザー中の混合物を、50MPa/90℃の条件で、15分間、剪断乳化し、離型剤微粒子分散液を得た。
[実施例1〜6、及び比較例1〜4]
以下の工程(I)〜(VIII)に従って、トナーを調製した。結着樹脂としては、以下のポリエステル樹脂A〜Dを用いた。
・ポリエステル樹脂A
単量体組成:ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/フマル酸/トリメリット酸=25/25/46/4(モル比率)
数平均分子量(Mn):2,000
質量平均分子量(Mw):4,500
分子量分布(Mw/Mn):2.25
軟化点(Tm):80℃
ガラス転移点(Tg):41℃
酸価:20mgKOH/g
・ポリエステル樹脂B
単量体組成:ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/フマル酸/トリメリット酸=25/25/45/5(モル比率)
数平均分子量(Mn):2,400
質量平均分子量(Mw):5,700
分子量分布(Mw/Mn):2.38
軟化点:100℃
ガラス転移点(Tg):59℃
酸価:21mgKOH/g
・ポリエステル樹脂C
単量体組成:ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/フマル酸/トリメリット酸=25/24/45/6(モル比率)
数平均分子量(Mn):3,500
質量平均分子量(Mw):8,300
分子量分布(Mw/Mn):2.37
軟化点:122℃
ガラス転移点(Tg):65℃
酸価:22mgKOH/g
・ポリエステル樹脂D
単量体組成:ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/フマル酸/トリメリット酸=20/20/50/10(モル比率)
数平均分子量(Mn):2,400
質量平均分子量(Mw):5,700
分子量分布(Mw/Mn):2.38
軟化点:100℃
ガラス転移点(Tg):59℃
酸価:40mgKOH/g
〔工程(I)〕
以下の方法に従って、結着樹脂を含む樹脂溶融液を調製した。
(工程(i))
結着樹脂として表1及び表2に記載の種類のポリエステル樹脂を用い、以下の方法に従って、結着樹脂を溶融させた。結着樹脂を、混合・混錬装置(ハイビスディスパーミックス−3D−5型(プライミクス株式会社製))に投入し、プラネタリーミクサー:20rpm、ホモディスパー:1200rpmの条件で撹拌しながら、表1、及び表2に記載の温度まで加熱して溶融させた。
(工程(ii))
表1及び表2に記載の種類の塩基性化合物を用い、以下の手順に従って、溶融状態の結着樹脂を中和した。塩基性化合物としては、以下の塩基性化合物a〜eを用いた。
塩基性化合物a:トリエチルアミン
塩基性化合物b:トリエタノールアミン
塩基性化合物c:ピリジン
塩基性化合物d:モノエタノールアミン
塩基性化合物e:水酸化ナトリウム
工程(i)で得られた溶融状態の結着樹脂に、結着樹脂の固形分に対して表1及び表2に記載の割合[質量%]となる量の塩基性化合物を添加して、さらに、プラネタリーミクサー:20rpm、ホモディスパー:1200rpmの条件で撹拌を続けた。次いで、塩基性化合物の添加後、プラネタリーミクサーのトルク値が安定するまで撹拌を続け結着樹脂を含む樹脂溶融液を得た。塩基性化合物の添加後に撹拌を継続した時間(中和処理時間)を表1及び表2に記す。
(界面活性剤の添加工程)
工程(ii)の後、混合・混錬装置の撹拌条件を、プラネタリーミクサー:40rpm、ホモディスパー:1200rpmに変更し、混合・撹拌装置のプラネタリーミクサーに流れる電流が3.5A以上になるまで、樹脂溶融液の温度を下げた。このときの樹脂溶融液の温度を表1及び表2に記す。樹脂溶融液の温度を表1及び表2に記載の温度まで下げた後、同温度で、樹脂溶融液にアニオン性界面活性剤(エマール 0(花王株式会社製))を結着樹脂の固形分に対して5質量%となる量添加した。界面活性剤の添加後、樹脂溶融液を10分間撹拌し続けた。
〔工程(II)〕
工程(I)の後、混合・混錬装置の撹拌条件を、プラネタリーミクサー:70rpm、ホモディスパー:2000rpmとして、工程(I)で調製した樹脂溶融液に、95℃の水を、加水後の液中の結着樹脂の濃度が10質量%となるように加え、結着樹脂を含む微粒子を油相として含有する水中油型エマルジョンを調製した。なお、比較例1、及び3の工程(II)では、水の部分と、油相として含有される結着樹脂を含む微粒子とが分離されたことが確認され、水中油型エマルジョンは得られなかった。このため、比較例1及び3については、以降の操作は行わなかった。
得られた水中油型エマルジョンに含まれる、結着樹脂を含む微粒子の体積平均粒子径を、粒子径測定装置(LA−950V2(株式会社堀場製作所製))を用いて測定した。水中油型エマルジョンに含まれる、結着樹脂を含む微粒子の体積平均粒子径の測定結果を表1及び表2に記す。
〔工程(III)〕
ステンレス製の容量500mLの丸底フラスコ容器に、工程(II)で得た水中油型エマルジョン85gと、調製例1で得た顔料微粒子分散液2.5gと、調製例2で得た離型剤微粒子分散液10gとを入れ、これらを25℃で混合した。
〔工程(IV)〕
フラスコ内を、撹拌羽根(マックスブレンド翼(試作品))を用いて速度200rpmで撹拌した状態で、凝集剤として、濃度50質量%の塩化マグネシウム六水和物水溶液3.5gを、5分間かけてフラスコ内に添加した。凝集剤添加後、0.2℃/分の昇温速度でフラスコの内温を65℃まで上げ、結着樹脂の使用量に対して10質量%のアニオン性界面活性剤(エマール 0(花王株式会社製))をフラスコ内に添加して、微粒子の凝集速度を抑制しつつ、適度な凝集速度で凝集粒子を形成させた。
〔工程(V)〕
得られた凝集粒子の分散液を、65℃で、速度200rpm、2時間撹拌することで、凝集粒子を合一化させると共に、凝集粒子の形状を球状に制御した。その後、フラスコ内温を10℃/分の速度で、25℃まで低下させて、形状制御された粒子をトナー母粒子として含む、トナー母粒子分散液を得た。フラスコ内のトナー母粒子分散液に含まれるトナー母粒子の体積平均粒子径、及び球形化度を、粒度分布測定装置(マイクロトラック UPA150(日機装株式会社製))を用いて測定した。トナー母粒子の体積平均粒子径、及び球形化度の測定結果を表1及び表2に記す。
〔工程(VI):洗浄工程〕
トナー母粒子分散液から、吸引ろ過することで、トナー母粒子のウエットケーキをろ取した。その後、ウエットケーキを再度イオン交換水に分散させてトナー母粒子を洗浄した。トナー10gをイオン交換水100gに分散させた時の、分散液の電気伝導率が3.0μS/cm以下になるまで、トナー母粒子のイオン交換水を用いる同様の洗浄を繰り返した。分散液の電気伝導率が3.0μS/cm以下になった後、吸引ろ過することでトナー母粒子のウエットケーキを回収した。回収されたトナー母粒子のウエットケーキを、次工程で乾燥させた。なお、トナー母粒子を洗浄するために用いたイオン交換水の量は、トナー母粒子10gにつき250mLであった。また、分散液の電気伝導率の測定は、電気伝導率計(ES−51(株式会社堀場製作所製))を用いた。
〔工程(VII):乾燥工程〕
トナー母粒子のウエットケーキを、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを、連続式表面改質装置(コートマイザー(フロイント産業株式会社製))を用いて乾燥させて、トナー母粒子を得た。コートマイザーを用いる場合の乾燥条件は、熱風温度45℃、ブロアー風量2m/分であった。
このようにして得られたトナー母粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラック UPA150(日機装株式会社製))を用い、体積平均粒子径(MV)、球形化度、及び、MV/MN値を測定した。体積平均粒子径(MV)、球形化度、及びMV/MN値の測定結果を表1及び表2に記す。
〔工程(VIII):外添工程〕
トナー母粒子20質量部と、外添剤(90G(日本アエロジル株式会社製、一次粒子径20nm、シリコーンオイル及びアミノシランで表面処理したシリカ))0.4質量部とを、5Lヘンシェルミキサー(三井三池工業株式会社製)を用いて、5分間混合して外添剤を付着させた。その後、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いてトナーを篩別した。
≪画像形成確認≫
実施例1〜6、及び比較例2、4のトナーの製造方法で得られたトナーを、下記調製例3で調製した2成分現像剤として用い、画像形成を行った。画像形成装置として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製プリンター(FS−C5100)を用い、2成分現像剤を現像器に充填し、また、トナーをプリンターのトナーコンテナに充填して、画像形成を行った。実施例1〜6で得られたトナーを用いた場合、所望の品質の画像が形成されることが確認できた。これに対し、比較例2、及び4で得られたトナーを用いた場合、所望の品質の画像が形成されなかった。これは、工程(II)で得られた結着樹脂の微粒子の粒子径が大き過ぎ、工程(IV)で凝集粒子を形成させる際に、結着樹脂中に離型剤の微粒子や、顔料の微粒子を良好に取込むことができなかったためと推察される。
[調製例3]
フッ素化シリコーン樹脂でコートされたフェライトキャリア(平均粒子径35μm)と、フェライトキャリアの質量に対して10質量%のトナーとを、混合装置(ポリビン混合機)にて30分間混合して2成分現像剤を調製した。
Figure 0005777598
Figure 0005777598
表1、及び表2によれば上述の工程(I)〜(V)を含み、結着樹脂がポリエステル樹脂であり、有機塩基の使用量が結着樹脂100質量部に対して6質量部以上であり、工程(I)中の溶融状態の結着樹脂の中和度が100%以上である、方法を用いてトナーを製造することで、低温且つ短時間で結着樹脂を中和しつつトナーを製造し、トナー製造時の熱エネルギーの消費量を低減できることが分かる。

Claims (2)

  1. 以下の工程(I)〜(V):
    工程(I):液状の有機塩基と溶融状態の結着樹脂とを、前記有機塩基と前記結着樹脂とに対して水を加えることなく、且つ界面活性剤の存在しない状態において混合して前記結着樹脂を中和し、前記結着樹脂を含む樹脂溶融液を得る工程、
    工程(II):前記樹脂溶融液と、水とを混合し、前記結着樹脂を含む微粒子を油相として含有する水中油型エマルジョンを得る工程、
    工程(III):前記水中油型エマルジョンと、着色剤微粒子を含む水性分散液、離型剤微粒子を含む水性分散液、又は着色剤微粒子及び離型剤微粒子を含む水性分散液とを混合し、微粒子混合分散液を得る工程、
    工程(IV):前記微粒子混合分散液に凝集剤を加えて、前記微粒子混合分散液中の微粒子を凝集させて凝集粒子を形成させる工程、及び
    工程(V):前記凝集粒子を、前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも10℃以上高く前記結着樹脂の軟化点(Tm)よりも低い温度に保持し、前記凝集粒子に含まれる成分を合一化させる工程、
    を含み、
    前記工程(I)が、以下の工程(i)及び(ii):
    工程(i):前記結着樹脂を軟化点(Tm)より高い温度に加熱して溶融させ、前記結着樹脂を含む溶融液を得る工程、及び
    工程(ii):前記樹脂溶融液をTmより高い温度に保持しながら、前記溶融液と、有機塩基とを混合して、中和された結着樹脂を含む樹脂溶融液を得る工程、
    を含み、
    前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、
    前記有機塩基の使用量が、前記結着樹脂100質量部に対して6質量部以上であり、
    前記工程(I)中の前記結着樹脂の中和度が100%以上である、静電潜像現像用トナーの製造方法。
  2. 前記有機塩基が、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、イソプロピルアミン、モノメタノールアミン、モルホリン、メトキシプロピルアミン、ピリジン、及びビニルピリジンからなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーの
    製造方法。
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