JP2014077929A - 静電潜像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子の生成を抑制できる、静電潜像現像用トナーの製造方法を提供すること。
【解決手段】トナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)とを、混合して得られる水性媒体分散液(Z)を撹拌し、トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層を形成させる、静電潜像現像用トナーの製造方法について、水性媒体分散液中での、トナーコア粒子のゼータ電位と、樹脂微粒子のゼータ電位とを逆極性とし、水性媒体分散液(X)の導電率を所定の値以下とし、水性媒体分散液(Z)を所定の平均流速以上で撹拌する。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電潜像現像用トナーの製造方法に関する。
一般に電子写真法では、感光体ドラムの表面を、コロナ放電等を用いて帯電させた後にレーザー等を用いて露光することで静電潜像を形成する。形成された静電潜像が、トナーを用いて現像されトナー像が形成される。さらに、形成されたトナー像が被記録媒体に転写され、高品質な画像が得られる。通常トナー像の形成に使用されるトナーは、熱可塑性樹脂のような結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、及び磁性材料のような成分を混合した後、混練、粉砕、分級工程を経て得られる、平均粒径5μm以上10μm以下のトナー粒子(トナー母粒子)が用いられる。このような、トナーに含まれる材料の混練と、混練物の粉砕と、粉砕物の分級と、を含むトナーの製造法について、「粉砕法」と呼ばれている。そしてトナーに流動性を付与したり、トナーの帯電制御を行ったり、クリーニング性を向上させたりする目的で、シリカや酸化チタンのような無機微粉末がトナーに外添されている。
このようなトナーに関して、近年、形成画像の高画質化の要求から、トナーの粒子径を小さくして解像度を向上させることが検討されている。高画質な画像を出力するためには、トナーの平均粒子径を小径化し、且つトナー粒度分布をシャープにすることが有効である。
そこで、トナーの粒度分布をシャープにするため、結着樹脂と着色剤とを含有する微粒子を水性媒体中で凝集させてトナーを得る方法について、分散液のpHを、調整することで現像剤を製造する方法であって分散液中の粒子が、分散液のpHが7のとき粒子径が2μm以下とし、粒子のゼータ電位が−30mVのとき、分散液のpHを3.0以上6.9以下とする方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2011−128574号公報
特許文献1では、さらに、結着樹脂と着色剤とを含有する微粒子が凝集した凝集粒子(トナーコア粒子)のゼータ電位に対して逆極性のゼータ電位を有する樹脂微粒子の分散液を、トナーコア粒子を含む水性媒体分散液に添加して、トナーコア粒子を、樹脂微粒子(シェル材)を用いて被覆するコア−シェル構造のトナーの製造方法が開示されている。
しかし、特許文献1に記載の方法では、水性媒体中でシェル材である樹脂微粒子同士が凝集しやすく、コア粒子を被覆しない樹脂微粒子の凝集体が多く生成される。この場合、トナーコア粒子がシェル層によって完全に被覆されなかったり、トナーにシェル材である樹脂微粒子の凝集粒子が多量に含まれることに起因する画像欠陥が、画像形成の際に生じるやすかったりする。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子の生成を抑制できる、静電潜像現像用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、トナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)とを、混合して得られる水性媒体分散液(Z)を撹拌し、トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層を形成させる静電潜像現像用トナーの製造方法について、水性媒体分散液中での、トナーコア粒子のゼータ電位と、樹脂微粒子のゼータ電位とを逆極性とし、水性媒体分散液(X)の導電率を所定の値以下とし、水性媒体分散液(Z)を、所定の平均流速以上で撹拌することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明は、少なくとも結着樹脂を含むトナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)とを混合して得られる、前記トナーコア粒子及び前記樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Z)を撹拌し、前記トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層を形成させて、静電潜像現像用トナーを得る、静電潜像現像用トナーの製造方法であって、
前記水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位と、前記水性媒体分散液(Y)中の樹脂微粒子のゼータ電位とが逆極性であり、
前記水性媒体分散液(X)の導電率が3mS/cm以下であり、
前記水性媒体分散液(Z)を、平均流速10m/s以上で撹拌する、静電潜像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明によれば、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子の生成を抑制できる、静電潜像現像用トナーの製造方法を提供できる。
高化式フローテスターによる軟化点の測定方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明は、少なくとも結着樹脂を含むトナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)とを混合して得られる、トナーコア粒子及び樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Z)を撹拌し、トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層を形成させる、静電潜像現像用トナーの製造方法である。
また、本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法では、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位と、水性媒体分散液(Y)中の樹脂微粒子のゼータ電位とが逆極性であり、水性媒体分散液(X)の導電率が3mS/cm以下であり、水性媒体分散液(Z)は平均流速10m/s以上で撹拌される。
以下、本発明の製造方法を用いて得られる静電潜像現像用トナーに使用されるトナー材料、及び静電潜像現像用トナーの製造方法について順に説明する。
≪トナー材料≫
本発明の、静電潜像現像用トナー(以下トナーともいう)の製造方法を用いて得られるトナーは、結着樹脂中に、必要に応じて着色剤、電荷制御剤、離型剤、及び磁性粉のような成分が配合されたトナーコア粒子の表面が、シェル層によって被覆されている。また、本発明の製造方法を用いて得られるトナーは、その表面に、さらに外添剤を付着させることもできる。また、本発明の製造方法を用いて得られるトナーは、所望により、キャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。以下、本発明の製造方法を用いて得られるトナーについて、トナーコア粒子、シェル層、及び外添剤と、本発明の製造方法を用いて得られるトナーを2成分現像剤として使用する場合に用いるキャリアと、について順に説明する。
[トナーコア粒子]
本発明の製造方法を用いて得られるトナーは、結着樹脂を必須に含むトナーコア粒子と、トナーコア粒子を被覆するシェル層と、から構成される。また、トナーコア粒子と、シェル層を形成するための樹脂微粒子とは、本発明のトナーの製造方法では、それぞれ、水性媒体(X)と、水性媒体(Y)中に分散される。そして、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位と、水性媒体分散液(Y)中の樹脂微粒子のゼータ電位とは逆極性である。
水性媒体中に分散する粒子のゼータ電位の極性は、粒子の材質により定まる。このため、トナーコア粒子に含まれる結着樹脂の種類によって、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位が定まる。より具体的には、結着樹脂がカルボキシル基又はスルホン酸基のような負帯電性の官能基を有する場合、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位は負極性である。他方、結着樹脂が、4級アンモニウム塩官能基のような正帯電性の官能基を有する場合、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位は正極性である。なお、分散液のゼータ電位は、超音波方式粒度分布・ゼータ電位測定装置(DT−1200(Dispersion Technology社製))を用いて測定することができる。
トナーコア粒子は、必要に応じて、結着樹脂中に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、及び磁性粉のような成分を含んでいてもよい。以下、トナーコア粒子に含まれる成分に関して、必須、又は任意の成分である、結着樹脂、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉について順に説明する。
〔結着樹脂〕
トナーコア粒子に含まれる結着樹脂は、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位と、水性媒体分散液(Y)中の樹脂微粒子のゼータ電位とが逆極性となるように選択される。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂のような熱可塑性樹脂が挙げられる。
これらの樹脂の中でも、結着樹脂を含む微粒子の凝集が良好に進行することから、分子鎖の一部(末端、側鎖)に、カルボキシル基、又はスルホン酸基のような酸性基を有する樹脂が好ましい。このような酸性基を有する樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が挙げられる。また、このような酸性基を有する樹脂を結着樹脂として用いる場合、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位は負極性になる。
樹脂が酸性基を有する樹脂である場合、樹脂の酸価は、5mgKOH/g以上40mgKOH/g以下が好ましい。酸価が低すぎると、トナーコア粒子を含む水性媒体分散液を後述する凝集法を用いて調製する場合、凝集の際の処方によっては、微粒子の凝集が良好に進行しにくいことがある。一方、酸価が高すぎると、高湿条件下で、湿度の影響によってこのような樹脂を用いて製造したトナーの種々の性能が損なわれる可能性がある。
以下、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂について順に説明する。
<(メタ)アクリル系樹脂>
(メタ)アクリル系樹脂は、少なくとも(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマーを共重合して得られる樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂に含まれる、(メタ)アクリル系モノマーに由来する単位の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量%であるのが最も好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂の調製に使用される(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、及びプロピル(メタ)アクリレートのようなアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N−アリール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジアリール(メタ)アクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド化合物が挙げられる。また、(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来する単位に含まれるカルボキシル基を酸性基として含むのが好ましい。この場合、(メタ)アクリル系樹脂を調製する際に(メタ)アクリル酸の使用量を増減させることによって、(メタ)アクリル系樹脂の酸価を調整できる。
(メタ)アクリル系樹脂が、(メタ)アクリル系モノマーと(メタ)アクリル系モノマー以外の他のモノマーを共重合した樹脂である場合、他のモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、及びオクテン−1のようなオレフィン類;酢酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、及び乳酸アリルのようなアリルエステル類;ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、及びビニルナフチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルジエチルアセテート、ビニルクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフエニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、及びナフトエ酸ビニルのようなビニルエステルが挙げられる。
<スチレン−(メタ)アクリル系樹脂>
スチレン−(メタ)アクリル系樹脂は、少なくともスチレン系モノマーと、(メタ)アクリル系モノマーとを含むモノマーを共重合して得られる樹脂である。スチレン−(メタ)アクリル系樹脂に含まれる、スチレン系モノマーに由来する単位と(メタ)アクリル系モノマーとに由来する単位の含有量の合計は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量%であるのが最も好ましい。
スチレン−(メタ)アクリル系樹脂の調製に使用される、スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、及びp−クロロスチレンが挙げられる。
スチレン−(メタ)アクリル系樹脂の調製に使用される(メタ)アクリル系モノマーは、(メタ)アクリル系樹脂の調製に使用される(メタ)アクリル系モノマーと同様である。
また、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来する単位に含まれるカルボキシル基を酸性基として含むのが好ましい。この場合、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂を調製する際に(メタ)アクリル酸の使用量を増減させることによって、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂の酸価を調整できる。
スチレン−(メタ)アクリル系樹脂が、スチレン系モノマーと、(メタ)アクリル系モノマーと、スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル系モノマー以外の他のモノマーを共重合した樹脂である場合、他のモノマーの例は、(メタ)アクリル系樹脂での、(メタ)アクリル系モノマー以外の他のモノマーと同様である。
<ポリエステル樹脂>
低温で良好に定着でき、発色性に優れるトナーを調製しやすいことから、トナーコア粒子に含まれる結着樹脂としては、ポリエステル樹脂がより好ましい。ポリエステル樹脂は、2価又は3価以上のアルコール成分と2価又は3価以上のカルボン酸成分との縮重合や共縮重合によって得られるものを使用できる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のアルコール成分やカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAのようなビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボン酸、マロン酸、或いはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸のようなアルキル又はアルケニルコハク酸のような2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステルのようなエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
ポリエステル樹脂の酸価は、ポリエステル樹脂の合成に使用されるアルコール成分が有する水酸基と、カルボン酸成分が有するカルボキシル基との、官能基のバランスを調整することによって調整できる。
水性媒体分散液(X)中で、ゼータ電位が正極性となるようなトナーコア粒子を与える結着樹脂は、結着樹脂の具体例として挙げられた樹脂に、周知の方法に従って、4級アンモニウム塩官能基のような正帯電性の官能基を導入して得ることができる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、結着樹脂のTgは、30℃以上60℃以下が好ましい。結着樹脂のTgが低すぎる場合、トナーを洗浄、乾燥する際に、トナー粒子同士の融着が起こりやすくなる。結着樹脂のTgが高すぎる場合、結着樹脂を含む微粒子を凝集させる際の温度を高める必要があり、凝集に必要なエネルギーが大きくなる。
(ガラス転移点(Tg)測定方法)
結着樹脂のガラス転移点は、JIS K7121に準拠した測定方法を用いて求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、吸熱曲線を測定することで求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/minで常温常湿下にて測定して得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求めることができる。
結着樹脂の軟化点は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、結着樹脂の軟化点は、80℃以上150℃以下が好ましく、90℃以上140℃以下がより好ましい。結着樹脂の軟化点が高すぎると、トナーが低温で良好に記録媒体に定着しにくい場合がある。結着樹脂の軟化点が低すぎると、後述するトナーの製造方法の(II)シェル層形成工程で、トナーコア粒子に樹脂微粒子が埋没しやすくなる。樹脂微粒子がトナーコア粒子に埋没しやすいと、高温での保存時にトナーが凝集してしまう場合が有り、トナーの耐熱保存性が損なわれる場合がある。結着樹脂の軟化点は、以下の方法に従って測定することができる。
(軟化点測定方法)
高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))を用いて樹脂(トナー)の軟化点の測定を行う。トナー1.5gを試料として用い、高さが1.0mmで直径1.0mmのダイを使用し、昇温速度4℃/min、予熱時間300秒、荷重5kg、測定温度範囲60℃以上200℃以下の条件で測定を行う。フローテスターの測定によって得られた、温度(℃)とストローク(mm)とに関するS字カーブより、軟化点を読み取る。
軟化点の読み取り方を、図1を用いて説明する。ストロークの最大値をSとし、低温側のベースラインのストローク値をSとする。S字カーブにおいて、ストロークの値が(S+S)/2となる温度を、測定試料の軟化点とする。
樹脂の数平均分子量(Mn)は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,000以上20,000以下が好ましい。また、数平均分子量(Mn)と質量平均分子量(Mw)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、2以上60以下が好ましく、2以上10以下がより好ましい。樹脂の分子量分布をこのような範囲とすることで、凝集粒子の粒子径分布がよりシャープになりやすい。樹脂の数平均分子量(Mn)と質量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
〔着色剤〕
樹脂粒子に添加することができる着色剤は、公知ものを用いることができる。樹脂粒子に添加することができる好適な着色剤の具体例としては以下の着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリルアミド化合物のような着色剤が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、194;ネフトールイエローS、ハンザイエローG、及びC.I.バットイエローのような着色剤が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物のような着色剤が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254のような着色剤が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン誘導体、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物のような着色剤が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66;フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、及びC.I.アシッドブルーのような着色剤が挙げられる。
着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的には、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましい。
〔離型剤〕
本発明の製造方法を用いて得られるトナーは、トナーの用紙への定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。離型剤の種類は、従来からトナー用の離型剤として使用されているものであれば特に限定されない。
好適な離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス、及び酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、及びライスワックスのような植物系ワックス;みつろう、ラノリン、及び鯨ろうのような動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、及びペトロラクタムのような鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、及びカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルを一部、又は全部を脱酸化したワックスが挙げられる。
好適に使用できる離型剤としては、さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、及びさらに長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類のような飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、及びパリナリン酸のような不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、及びさらに長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコールのような飽和アルコール;ソルビトールのような多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、及びラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、及びヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミド、及びN,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、及びステアリン酸マグネシウムのような脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーをグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールとの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、5質量部以上20質量部以下がより好ましい。
〔電荷制御剤〕
本発明の製造方法を用いて得られるトナーは、必要に応じ、電荷制御剤を含んでいてもよい。このため、トナーコア粒子や、シェル層の材料である樹脂微粒子には電荷制御剤を含有させてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルの安定性や、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
電荷制御剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来よりトナーに使用されている電荷制御剤から適宜選択できる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンのようなアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディープブラック3RLのようなアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体のようなニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZのようなニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライドのような4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な立ち上がり性が得られる点で、ニグロシン化合物が特に好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
官能基として、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル樹脂、カルボキシル基を有するスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
正帯電性の電荷制御剤として使用できる樹脂の中では、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂において、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられ、ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられ、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドのようなヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤の具体例としては、例えば、有機金属錯体、及びキレート化合物が挙げられる。有機金属錯体、及びキレート化合物としては、アルミニウムアセチルアセトナートや鉄(II)アセチルアセトナートのようなアセチルアセトン金属錯体、及び、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロムのようなサリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩がより好ましい。これらの負帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナー全量を100質量部とした場合に、1.5質量部以上15質量部以下が好ましく、2.0質量部以上8.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以上7.0質量部以下が特に好ましい。
〔磁性粉〕
本発明の製造方法によりを用いて得られるトナーには、所望により、磁性粉を配合することができる。磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイトのような鉄;コバルト、ニッケルのような強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されない。具体的な磁性粉の粒子径は、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、0.1μm以上0.5μm以下がより好ましい。このような範囲の粒子径の磁性粉を用いる場合、樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
磁性粉は、トナー中での磁性粉の分散性の改良のような目的で、チタン系カップリング剤やシラン系カップリング剤のような表面処理剤を用いて表面処理されたものを使用できる。
磁性粉の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な磁性粉の使用量は、トナーを1成分現像剤として使用する場合、トナー全量を100質量部とした場合に、35質量部以上60質量部以下が好ましく、40質量部以上60質量部以下がより好ましい。また、トナーを2成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
[シェル層]
本発明の製造方法を用いて得られるトナーは、トナーコア粒子の表面に、樹脂微粒子からなるシェル層が形成されている。そして、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位と、水性媒体分散液(Y)中の樹脂微粒子のゼータ電位とが逆極性である限り、シェル層を形成する樹脂微粒子の材料は特に限定されない。
樹脂微粒子を構成する樹脂としては、粒子径の整った微粒子を調製しやすいことや、強度に優れるシェル層を形成しやすいことから、不飽和結合を有するモノマーの重合体が好ましい。
上述したように、トナーコア粒子の結着樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が好適である。これらの樹脂から選択される結着樹脂を用いる場合、水性媒体分散液(X)中でのトナーコア粒子のゼータ電位は負極性となる。従って、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂から選択される結着樹脂を用いる場合、シェル層の形成に用いられる樹脂微粒子は、水性媒体分散液(Y)中でのゼータ電位が正極性である必要がある。
よって、シェル層の形成に用いられる樹脂微粒子は、正帯電性の官能基を有する樹脂が好ましく、正帯電性の官能基を有し、不飽和結合を有するモノマーの重合体である樹脂がより好ましい。正帯電性の官能基を有し、不飽和結合を有するモノマーの重合体である樹脂の好適な例としては、正帯電性の電荷制御剤として使用可能な樹脂として上記した、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中では、シェル層の強度の観点から、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂が好ましい。
樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移点(Tg)は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されない。典型的には、樹脂微粒子を構成する樹脂のTgは、45℃以上75℃以下が好ましく、50℃以上70℃以下がより好ましく、55℃以上65℃以下が特に好ましい。樹脂微粒子を構成する樹脂のTgが低すぎると、高温多湿環境下でトナー粒子の凝集が生じる場合がある。樹脂微粒子を構成する樹脂のTgが高すぎると、トナーを低温で良好に定着させにくくなる場合がある。樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移点は、上記の結着樹脂のガラス転移点の測定方法と同様の方法によって測定することができる。
樹脂微粒子を構成する樹脂の数平均分子量(Mn)は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されない。典型的には、樹脂微粒子を構成する樹脂の数平均分子量(Mn)は、10,000以上100,000以下が好ましく、10,000以上40,000以下がより好ましい。また、数平均分子量(Mn)と質量平均分子量(Mw)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、1以上5以下が好ましく、1以上3以下がより好ましい。樹脂微粒子を構成する樹脂の数平均分子量(Mn)と質量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
シェル層の質量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的には、トナーコア粒子100質量部に対して、5質量部以上25質量部以下が好ましい。
[外添剤]
本発明の製造方法を用いて得られるトナーは、必要に応じてその表面に外添剤を付着させてもよい。なお、本出願の明細書、及び特許請求の範囲では、外添剤を用いて処理される前の粒子を、トナー母粒子と記載する場合がある。
外添剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらの外添剤は、アミノシランカップリング剤やシリコーンオイルのような疎水化剤を用いて疎水化して使用することもできる。疎水化された外添剤を用いる場合、高温高湿下でのトナーの帯電量の低下を抑制しやすく、流動性に優れるトナーを得やすい。
外添剤の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、典型的には0.01μm以上1.0μm以下が好ましい。
外添剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。外添剤の使用量は、典型的には、トナー母粒子100質量部に対して1質量部以上10質量部以下が好ましく、2質量部以上5質量部以下がより好ましい。
[キャリア]
本発明の製造方法を用いて得られるトナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
好適なキャリアとしては、キャリア芯材が樹脂によって被覆されたものが挙げられる。キャリア芯材としては、具体的に、例えば、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルトの粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウムのような金属との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウムのようなセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩のような高誘電率物質の粒子、樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリアが挙げられる。
キャリア芯材を被覆する樹脂としては、具体的に、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアの粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、電子顕微鏡を用いて測定される粒子径で、20μm以上120μm以下が好ましく、25μm以上80μm以下がより好ましい。
本発明の製造方法を用いて得られるトナーを2成分現像剤として用いる場合、トナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して、3質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下が好ましい。2成分現像剤中のトナーの含有量をこのような範囲とすることによって、形成画像の適度な画像濃度を維持し、現像装置からのトナー飛散の抑制によって画像形成装置内部のトナーによる汚染や転写紙のような被記録媒体へのトナーの付着を抑制できる。
≪静電潜像現像用トナーの製造方法≫
本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法は、
少なくとも結着樹脂を含むトナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)とを混合して得られる、トナーコア粒子及び樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Z)を撹拌し、トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層を形成させる、静電潜像現像用トナーの製造方法である。
また、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位と、水性媒体分散液(Y)中の樹脂微粒子のゼータ電位とが逆極性であり、水性媒体分散液(X)の導電率が3mS/cm以下であり、水性媒体分散液(Z)は平均流速10m/s以上で撹拌される。
換言すると、本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法は、以下の工程(I)及び(II):
(I)トナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)とを混合して、トナーコア粒子及び樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Z)を得る、混合工程、及び、
(II)トナーコア粒子及び樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Z)を、所定の条件下で撹拌して、トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層を形成させる、シェル層形成工程、
を含む。
また、本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法は、上記の工程(I)及び(II)に加え、下記の工程(III)〜(V)を含んでいてもよい。
(III)トナー粒子を洗浄する、洗浄工程。
(IV)洗浄されたトナー粒子を乾燥する、乾燥工程。
(V)トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる、外添工程。
以下、工程(I)〜(V)について説明する。
[(I)混合工程]
工程(I)では、トナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)とを混合して、トナーコア粒子及び樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Z)を得る。トナーコア粒子及び樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Z)は、トナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)とをそれぞれ調製した後、水性媒体分散液(X)と、水性媒体分散液(Y)とを混合して得る。
水性媒体分散液(X)と、水性媒体分散液(Y)とを混合する方法は、導電率が3mS/cm以下に調整された水性媒体分散液(X)を用いる方法であれば特に限定されない。水性媒体分散液(X)の導電率は、例えば、水性媒体(X)中の界面活性剤の含有量を調整することで調整できる。また、水性媒体分散液(X)を調製する際に用いられる凝集剤の使用量を調整することにより、水性媒体分散液(X)の導電率を調整することができる。水性媒体分散液の導電率は、電気伝導率計(ES−51(株式会社堀場製作所))を用いて測定することができる。
界面活性剤は、トナーコア粒子や、トナーコア粒子の調製に使用される結着樹脂を含む微粒子や、シェル層の材料である樹脂微粒子のような粒子を、水性媒体中で安定して分散させるために用いられる。このように、水性媒体分散液(X)の調製時には界面活性剤を用いるのが好ましいが、水性媒体分散液(X)と水性媒体分散液(Y)とを混合して得られる水性媒体分散液(Z)中の界面活性剤の量が過多であり、水性媒体分散液(Z)の導電率が高い場合、トナーコア粒子を樹脂微粒子によって被覆してシェル層を形成する際にシェル層の材料である樹脂微粒子の凝集粒子が発生しやすくなる。このため、水性媒体分散液(Z)の導電率を低くするために、水性媒体分散液(X)の導電率は、3mS/cm以下に調整される。水性媒体分散液(X)の導電率を調整する好適な方法としては、例えば、デカンテーションを用いて、界面活性剤を含む水性媒体を、界面活性剤を含む水性媒体と同等の量の水で置換する方法が挙げられる。この置換操作は、水性媒体分散液(X)の導電率が3mS/cm以下となるまで繰り返される。
同様の方法を用いて、水性媒体分散液(Y)の界面活性剤の含有量を低減させこともできる。しかし、水性媒体分散液(Y)中の樹脂微粒子は、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子に比べて、粒子径が小さいため、界面活性剤を含む水性媒体と水との置換操作を行うと樹脂微粒子同士が凝集しやすくなる。このため、水性媒体分散液(Y)の界面活性剤の含有量を低減させる操作は必ずしも必要ではない。
また、通常、トナーの調製に用いる、水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子の固形分量に対して、使用する水性媒体分散液(Y)の樹脂微粒子の固形分量は少ない。このため、通常、水性媒体分散液(Y)に含まれる界面活性剤の量は、水性媒体分散液(X)に含まれる界面活性剤の量よりも少ない。従って、水性媒体分散液(Z)の導電率を低くするためには、水性媒体分散液(X)の界面活性剤の含有量を調整するのが好ましい。
以下、トナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)の調製方法と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)の調製方法とについて説明する。
〔水性媒体分散液(X)の調製〕
トナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)の調製方法は、トナーコア粒子が水性媒体中で高度に分散され得る方法であれば特に限定されない。トナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)の好適な製造方法としては、凝集法を用いてトナーコア粒子を含む水性媒体分散液を製造する方法と、溶融混錬法を用いて得られるトナーコア粒子を水性媒体に分散させる方法とが挙げられる。以下、水性媒体分散液(X)の調製方法について、凝集法を用いて得られるトナーコア粒子を用いる場合と、溶融混錬法を用いて得られるトナーコア粒子を用いる場合とについて説明する。
<凝集法>
水性媒体分散液(X)に含まれるトナーコア粒子の調製方法としては、形状が均一であり、粒子径の揃ったトナーコア粒子を得やすい点で、凝集法が好ましい。凝集法によるトナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)の製造方法は、下記工程(i)及び(ii):
(i)結着樹脂を含む微粒子を、水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成させる、凝集工程、及び
(ii)前記微粒子凝集体に含まれる成分を、水性媒体中で合一化させてトナーコア粒子を形成させる合一化工程、
を含むのが好ましい。
以下、(i)凝集工程、及び(ii)合一化工程について説明する。
((i)凝集工程)
凝集工程では、結着樹脂を含む微粒子を用いる。結着樹脂を含む微粒子の調製方法は特に限定されない。結着樹脂を含む微粒子は、結着樹脂と共に、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤のような任意成分を含む樹脂組成物の微粒子であってもよい。
通常、結着樹脂を含む微粒子は、水性媒体中で、結着樹脂又は結着樹脂を含む組成物を所望のサイズに微粒子化することによって、微粒子を含む水性媒体分散液として調製される。また、微粒子を含む水性媒体分散液は、結着樹脂を含む微粒子以外の他の微粒子を含んでいてもよい。結着樹脂を含む微粒子以外の他の微粒子としては、例えば、着色剤の微粒子、離型剤の微粒子、着色剤と離型剤とからなる微粒子が挙げられる。以下、結着樹脂を含む微粒子の調製方法、着色剤の微粒子の調製方法、及び離型剤の微粒子の調製方法について順に説明する。なお、ここで説明する微粒子とは異なる成分を含む微粒子については、これらの微粒子の製造方法を、適宜選択することにより調製することができる。
・結着樹脂を含む微粒子の調製
結着樹脂、又は結着樹脂とトナーコア粒子が含んでいてもよい任意成分とを含む樹脂組成物を、ターボミルのような粉砕装置を用いて粗粉砕する。粗粉砕品を、イオン交換水のような水性媒体に分散させた状態で、フローテスターで測定される結着樹脂の軟化点より10℃以上高い温度(最高でも200℃程度までの温度)に加熱する。加熱された結着樹脂の分散液に、クレアミックス(エム・テクニック株式会社製)のような高速剪断乳化装置によって強い剪断力を与えることによって、結着樹脂を含む微粒子を含む水性媒体分散液(a)が得られる。
結着樹脂を含む微粒子の体積平均粒子径(D50)は1μm以下が好ましく,0.05μm以上0.5μm以下がより好ましい。結着樹脂を含む微粒子の粒子径がこのような範囲であると、粒子径分布がシャープであり、形状が均一なトナーを得やすいため、トナーの性能や生産性のばらつきが小さくなる。結着樹脂を含む微粒子の体積平均粒子径(D50)は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2200(株式会社島津製作所社製))を用いて測定することができる。
また、結着樹脂を含む微粒子を含む水性媒体分散液には、界面活性剤を含有させるのが好ましい。結着樹脂を含む微粒子を含む水性媒体分散液に、界面活性剤を含有させる場合、結着樹脂を含む微粒子を、水性媒体中で、安定して分散させることができる。
結着樹脂を含む微粒子を含む水性媒体分散液に含有させることができる界面活性剤は特に限定されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤からなる群より適宜選択できる。アニオン系界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩型活性剤、スルホン酸塩型活性剤、リン酸エステル塩型界面活性剤、及び石鹸が挙げられる。カチオン系界面活性剤の例としては、アミン塩型活性剤、及び4級アンモニウム塩型活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコール型活性剤、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物型活性剤、及びグリセリン、ソルビトール、ソルビタンのような多価アルコールの誘導体である多価アルコール型活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤の中では、アニオン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤の少なくとも一方を用いるのが好ましい。これらの界面活性剤は、1種を用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アニオン系界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の中では、下記式(1)で表わされるものが好ましい。
−O−(CHCHO)−SOM・・・(1)
(式(1)中、Rはアルキル基であり、Mは1価のカチオンであり、pは1以上50以下の整数である。)
は、直鎖アルキル基でもよく、分岐鎖アルキル基でもよく、直鎖アルキル基が好ましい。また、Rは、不飽和結合を有していてもよい。Rの炭素原子数は、10以上20以下が好ましく、12以上18以下がより好ましい。pは1以上50以下の整数である。微粒子の粒子径を好適な範囲に制御しやすいことから、pは1以上30以下の整数が好ましく、2以上20以下の整数がより好ましい。Mは1価のカチオンである。微粒子の粒子径を好適な範囲に制御しやすいことから、Mはナトリウムイオン、カリウムイオン、又はアンモニウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、又はアンモニウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
界面活性剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、界面活性剤の使用量は、結着樹脂の質量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましい。
上述したように結着樹脂としてカルボキシル基のような酸性基を有する樹脂を用いる場合、結着樹脂をそのまま水性媒体中で微粒子化させると、結着樹脂の比表面積が増大するため、微粒子表面に露出した酸性基の影響によって、水性媒体のpHが3〜4程度まで低下する場合がある。この場合、結着樹脂の加水分解が生じたり、得られる微粒子の粒子径を所望の粒子径まで微粒子化しにくかったりする場合がある。
このような問題を抑制するために、結着樹脂を含む微粒子を調製する際に、水性媒体中に塩基性物質を加えてもよい。塩基性物質は、上記問題を抑制できるものであれば特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、イソプロピルアミン、モノメタノールアミン、モルホリン、メトキシプロピルアミン、ピリジン、ビニルピリジンのような含窒素有機塩基が挙げられる。
・離型剤の微粒子の調製方法
以下、離型剤の微粒子を調製する方法の好適な例について説明する。離型剤の微粒子を調製する方法は、以下に説明する方法に限定されない。
離型剤を予め100μm以下程度に粉砕し、離型剤の粉体を得る。離型剤の粉体を、界面活性剤を含む水性媒体中に添加してスラリーを調製する。次いで、得られるスラリーを離型剤の融点以上の温度に加熱する。加熱されたスラリーに、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50(IKA社製))や圧力吐出型分散機を用いて強い剪断力を付与し、離型剤微粒子を含む水性分散液を調製する。
分散液に強い剪断力を与える装置としては、NANO3000(株式会社美粒製)、ナノマイザー(吉田機械興業株式会社製)、マイクロフルダイザー(MFI社製)、ゴーリンホモジナイザー(マントンゴーリン社製)、及びクレアミックスWモーション(エム・テクニック株式会社製)のような装置が挙げられる。
離型剤の微粒子を含む水性媒体分散液に含まれる離型剤の微粒子の体積平均粒子径(D50)は1μm以下が好ましく、0.1μm以上0.7μm以下がより好ましい。このような範囲の粒子径の離型剤の微粒子を用いることによって、結着樹脂中に離型剤が均一に分散したトナーを得やすい。離型剤の微粒子の体積平均粒子径(D50)は、結着樹脂を含む微粒子の体積平均粒子径(D50)と同様の方法で測定できる。
・着色剤の微粒子の調製方法
以下、着色剤の微粒子を調製する方法の好適な例について説明する。着色剤の微粒子を調製する方法は、以下に説明する方法に限定されない。
界面活性剤を含む水性媒体中で、着色剤と、必要に応じて着色剤の分散剤のような成分とを、公知の分散機によって分散処理することによって、着色剤を含む微粒子が得られる。界面活性剤の種類は特に限定されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤の何れも使用できる。界面活性剤の使用量は特に限定されないが、臨界ミセル濃度(CMC)以上であるのが好ましい。
分散処理に使用する分散機は特に限定されず、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー、及び高圧式ホモジナイザー(吉田機械興業株式会社製)のような加圧式分散機や、サンドグラインダー、横型及び縦型ビーズミル、ウルトラアペックスミル(寿工業株式会社製)、ダイノーミル(WAB社製)、MSCミル(日本コークス工業株式会社製)のような媒体型分散機を使用できる。
着色剤の微粒子の体積平均粒子径(D50)は0.05μm以上0.2μm以下が好ましい。着色剤の微粒子の体積平均粒子径(D50)は、結着樹脂を含む微粒子の体積平均粒子径(D50)と同様の方法で測定できる。
上記方法を用いて調製された結着樹脂を含む微粒子を含む水性媒体分散液は、トナーコア粒子に所定の成分が含まれるように、必要に応じて、離型剤微粒子を含む水性媒体分散液、及び着色剤微粒子を含む水性媒体分散液と適宜組み合わせた後、微粒子を凝集させることによって、結着樹脂を含む微粒子凝集体を含む水性媒体分散液とされる。微粒子を凝集させる方法は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されない。微粒子を凝集させる好適な方法としては、結着樹脂を含む微粒子を含む水性媒体分散液のpHを調整した後、水性媒体分散液に凝集剤を添加し、次いで、水性媒体分散液(a)の温度を所定の温度に調整して微粒子を凝集させる方法が挙げられる。
水性媒体分散液に添加できる凝集剤としては、無機金属塩、無機アンモニウム塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。無機金属塩としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムのような金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウムのような無機金属塩重合体が挙げられる。無機アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムが挙げられる。また、4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミンのような含窒素化合物も凝集剤として使用できる。
凝集剤としては、2価の金属の塩、及び1価の金属の塩が好ましく用いられる。凝集剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてよい。2種以上の凝集剤を組み合わせて用いる場合、2価の金属の塩と1価の金属の塩とを併用するのが好ましい。2価の金属の塩と1価の金属の塩とでは、微粒子の凝集速度が異なるため、これらを併用することによって、得られる微粒子凝集体の粒子径の増大化を制御しつつ、粒度分布をシャープなものとしやすい。
凝集剤の添加は、微粒子分散液のpHを調整した後で、行うのが好ましい。そして、凝集剤を添加する際の水性分散液のpHは8以上が好ましい。凝集剤は一時に添加してもよく、逐次的に添加することもできる。
凝集剤の添加量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、水性媒体分散液の固形分100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下が好ましい。また、凝集剤の添加量は、微粒子分散液中に含まれるアニオン性又はノニオン性分散剤の種類、及び量に応じて、適宜調整するのが好ましい。
微粒子を凝集させる際の水性媒体分散液の温度は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。微粒子を凝集させる際の水性媒体分散液の温度は、典型的には、結着樹脂のガラス転移点(Tg)以上、結着樹脂のTg+10℃未満の温度が好ましい。結着樹脂の微粒子を含む水性媒体分散液をこのような範囲の温度に加熱することによって、水性媒体分散液に含まれる微粒子の凝集を良好に進行させることができる。
微粒子凝集体が所望の粒子径となるまで凝集が進行した後には、凝集停止剤を添加してもよい。凝集停止剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムが挙げられる。このようにして微粒子凝集体を含む水性媒体分散液を得ることが出来る。
((ii)合一化工程)
(ii)合一化工程では、上記のようにして得られる微粒子凝集体を含む水性媒体分散液を加熱し、微粒子凝集体に含まれる成分を合一化して、所望の粒子径のトナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)を得る。微粒子凝集体を含む水性媒体分散液を加熱する際の温度は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、微粒子凝集体を含む水性媒体分散液は、結着樹脂のガラス転移点(Tg)+10℃以上、結着樹脂の融点以下の温度に加熱されるのが好ましい。微粒子凝集体を含む水性媒体分散液をこのような範囲の温度に加熱することによって、微粒子凝集体に含まれる成分の合一化を良好に進行させることができる。
<溶融混錬法>
溶融混練法は、結着樹脂と、着色剤、離型剤、電荷制御剤、磁性粉のような任意成分とを混合した後、混合物を溶融混練し、得られた溶融混練物を、粉砕、分級して、所望の粒子径のトナーコア粒子を得る方法である。
溶融混練法で得られるトナーコア粒子を、必要に応じて、上述の界面活性剤を用いて、水性媒体中に分散させることで水性媒体分散液(X)が調製される。
〔水性媒体分散液(Y)の調製〕
樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)の調製方法は特に限定されない。水性媒体分散液(Y)の調製方法としては、樹脂微粒子の材料となる樹脂を、上述の結着樹脂を含む微粒子の製造方法と同様の方法を用いて、水性媒体中で微粒子化させる方法や、所定の組成のモノマーを、水性媒体中で公知の方法を用いて重合させ樹脂微粒子を形成する方法が挙げられる。
水性媒体分散液(Y)の調製には、上述した結着樹脂を含む微粒子を含む水性媒体分散液の調製と同様に、界面活性剤を使用するのが好ましい。界面活性剤を使用する場合、水性媒体分散液(Y)中で、樹脂微粒子を安定して分散させることができ、トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層を形成させる際に、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子の生成を抑制することができる。
樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)は、水性媒体分散液(X)と混合する前に、予め、水性媒体分散液(Y)のpHが4以下になるように調整されているのが好ましい。樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)のpHをこのような範囲に調整しておくことにより、樹脂微粒子同士の凝集を抑制でき、樹脂微粒子を安定して分散させることができる。この場合、トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層を形成させる際に、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子の生成を抑制することができる。
水性媒体分散液(Y)に含まれる樹脂微粒子の体積平均粒子径(D50)は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。水性媒体分散液(Y)に含まれる樹脂微粒子の体積平均粒子径(D50)は0.03μm以上0.50μm以下が好ましく、0.05μm以上0.30μm以下がより好ましい。トナーコア粒子を被覆する樹脂微粒子の体積平均粒子径(D50)が、このような範囲である場合、トナーコア粒子を均一に被覆しやすい。トナーコア粒子を被覆する樹脂微粒子の体積平均粒子径は、例えば、電気泳動光散乱光度計(LA−950V2(株式会社堀場製作所製))を用いて、測定することができる。
[(II)シェル層形成工程]
工程(II)では、上記のようにして、トナーコア粒子及び樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Z)を調製した後、水性媒体分散液(Z)を平均流速10m/s以上で撹拌して、トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層が形成して、トナー粒子を得る。水性媒体分散液(Z)の撹拌速度の平均流速が過少である場合、樹脂微粒子同士が凝集しやすく、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子が増加しやすくなる。なお、水性媒体分散液(Z)を調製した後は、水性媒体分散液(Z)中のシェル層の材料である樹脂微粒子同士が凝集しやすい状態である。このため、水性媒体分散液(Z)の調製後、直ちに水性媒体分散液(Z)の撹拌を開始するのが好ましい。
また、トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層が形成した後、水性媒体分散液は加熱されてもよい。この際の加熱温度は、樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移点(Tg)以上90℃以下が好ましい。水性媒体分散液をこのような範囲の温度で加熱することによって、トナーコア粒子を被覆する樹脂微粒子層の膜化を良好に進行させ、トナーコア粒子をシェル層により良好に被覆することができる。
水性媒体分散液(Z)を撹拌するために用いる撹拌装置としては、撹拌槽内の水性媒体分散液(Z)の平均流速を10m/s以上にできる限り特に限定されず、公知の撹拌装置を用いることができる。種々の撹拌装置における、水性媒体分散液の平均流速は、周知の化学工学的な計算手法を用いて求められる。水性媒体分散液(Z)を撹拌するために用いることができる撹拌装置としては、T.K.フィルミックス(プライミクス株式会社製)、ロボミックス(プライミクス株式会社)、及びキャビトロン(株式会社ユーロテック)のような撹拌装置が挙げられる。
[(III)洗浄工程]
(III)洗浄工程では、上記方法で得られたトナー粒子を、水を用いて洗浄する。洗浄方法は特に限定されず、例えば、トナー粒子を含む水性媒体分散液から、固液分離を用いてトナー粒子をウェットケーキとして回収し、得られたウェットケーキを、水を用いて洗浄する方法や、トナー粒子を含む水性媒体分散液中のトナー粒子を沈降させ、上澄み液を水と置換し、置換後にトナー粒子を水に再分散させる方法が挙げられる。
[(IV)乾燥工程]
工程(II)又は(III)で得られるトナー粒子は、(IV)乾燥工程により乾燥されるのが好ましい。トナー粒子を乾燥する方法は特に限定されない。好適な乾燥方法としては、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、減圧乾燥機のような乾燥機を用いる方法が挙げられる。これらの方法の中では、乾燥中の樹脂粒子の凝集を抑制しやすいことからスプレードライヤーを用いる方法がより好ましい。スプレードライヤーを用いる場合、トナー粒子を含む水性媒体分散液と共に、シリカのような外添剤の分散液を噴霧することによって、トナー粒子の表面に外添剤を付着させることができる。
[(V)外添工程]
静電潜像現像用トナーは、必要に応じてその表面に外添剤が付着したものであってもよい。上記方法を用いて、トナー粒子がトナー母粒子として回収される場合、(V)外添工程では、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。外添剤をトナー母粒子の表面に付着させる方法は特に限定されない。好適な方法としては、例えば、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーのような混合機を用いて、外添剤がトナー表面に埋没しないように条件を調整して混合する方法が挙げられる。
以上説明した、本発明の製造方法によれば、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子の生成を抑制できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
[調製例1]
(結着樹脂微粒子分散液Aの調製)
以下の方法に従って、結着樹脂微粒子分散液Aを調製した。
結着樹脂として以下のポリエステル樹脂を用いた。
単量体組成:ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/フマル酸/トリメリット酸=25/25/46/4(モル比率)
数平均分子量(Mn):2,500
質量平均分子量(Mw):6,500
分子量分布(Mw/Mn):2.6
軟化点:91℃
ガラス転移点(Tg):51℃
酸価:15.5mgKOH/g
ターボミルT250(ターボ工業株式会社製)を用いて粗粉砕された、平均粒子径約10μmのポリエステル樹脂の粗粉砕物100gと、アニオン界面活性剤(エマールE27C(花王株式会社製))2gと、0.1N−水酸化ナトリウム水溶液(塩基性物質)50gとを混合し、さらに水性媒体としてイオン交換水を加えて全量500gのスラリーを調製した。
得られたスラリーを、耐圧丸底ステンレス容器に投入した。次いで、高速剪断乳化装置クレアミックス(CLM−2.2S(エム・テクニック社製))を用いて、スラリーを145℃、圧力0.5MPa(G)に加熱加圧した状態で、ローター回転数20,000rpmで30分間剪断分散を行った。剪断分散の後、5℃/分の速度でスラリーを冷却しながら、ステンレス容器内温が50℃になるまで、ローター回転数15,000rpmでスラリーを撹拌し続けた。その後、5℃/分の速度でスラリーを常温まで冷却した。常温に冷却されたスラリーに、分散液の質量に対する固形分の濃度が5質量%となるようにイオン交換水を加えて、平均粒子径が約140nmのポリエステル樹脂の微粒子が分散する結着樹脂微粒子分散液Aを得た。分散液中の微粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置(マイクロトラック UPA150(日機装株式会社製))を用いて測定した。
(結着樹脂微粒子分散液Bの調製)
以下の方法に従って、結着樹脂微粒子の分散液Bを調製した。
撹拌装置、冷却管、窒素導入管、温度センサーを備えた1000ml四つ口フラスコに、蒸留水550ml、ドデシル硫酸ナトリウム0.35gを仕込み、窒素気流下で撹拌しながら80℃に昇温した後、過硫酸カリウム水溶液(2.5質量%濃度)81gを添加した。滴下ロートにて、スチレン89g、アクリル酸n−ブチル58g、メタクリル酸14g、及びn−オクチルメルカプタン3.3gを含むモノマー混合液を1.5時間かけて滴下した。滴下後、同温度にて反応液を2時間撹拌して重合反応を完結させた。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却した後、固形分濃度が5質量%となるように蒸留水を加えて、粒径約90nmのスチレン−アクリル樹脂の微粒子が分散する、結着樹脂微粒子分散液Bを得た。なお、スチレン−アクリル樹脂の特性は以下のとおりである。
数平均分子量(Mn):5,400
質量平均分子量(Mw):18,000
分子量分布(Mw/Mn):3.3
軟化点:91℃
ガラス転移点(Tg):46℃
[調製例2]
(離型剤微粒子分散液の調製)
以下の方法に従って、離型剤微粒子の分散液を調製した。
離型剤(WEP−5、ペンタエリスリトールベヘン酸エステルワックス、溶融温度84℃、(日本油脂株式会社製))200g、アニオン界面活性剤(エマールE27C(花王株式会社製))2g、及びイオン交換水800gを混合した。混合液を100℃に加熱し離型剤を融解させた後、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50(IKA社製))を用いて5分間混合液を乳化させた。次いで、ゴーリンホモジナイザー(マントンゴーリン社製)を用いて、100℃にて、乳化処理を行った。このようにして、平均粒子径が250nm、融点が83℃、固形分濃度が20質量%の離型剤微粒子分散液を得た。
[調製例3]
(着色剤微粒子分散液の調製)
以下の方法に従って、着色剤微粒子の分散液を調製した。
シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン))90g、アニオン界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)10g、及びイオン交換水400gを混合した。混合液を、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(HJP30006(株式会社スギノマシン製))を用いて、1時間乳化・分散させて、固形分濃度が18質量%の着色剤微粒子分散液を得た。
得られた着色剤分散液に含まれる着色剤微粒子の粒度分布を、粒度分布測定装置(マイクロトラック UPA150(日機装株式会社製))を用いて測定した。得られた着色剤分散液に含まれる着色剤微粒子の体積平均粒子径(MV)は160nmであり、粒度分布のCv値は25%であった。また、着色剤微粒子のTEM画像より、円形度が0.800であることを確認した。
[調製例4]
(樹脂微粒子分散液Aの調製)
撹拌機、コンデンサー、温度計、及び窒素導入管を備えた容量2リットルの4つ口フラスコを反応容器として用いた。反応容器に、イソブタノール180gを加え、さらに、ジエチルアミノエチルメタクリレート16gと、パラトルエンスルホン酸メチル16gとを加えて、窒素雰囲気下、80℃、撹拌速度230rpmの条件(重合反応終了まで)で、フラスコ内容物を1時間撹拌し、4級化反応を行った。次いで、窒素気流下で、スチレン214gと、ブチルアクリレート72gと、を加え、過酸化物系開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(アルケマ吉富株式会社製)12gを加えた。次いで、反応容器の内温を、95℃(重合温度)まで上げた後、反応容器の内容物を3時間撹拌した。次いで、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6gをさらに反応容器内に加えた。その後、反応容器の内容物を95℃で3時間撹拌して、重合反応を終えた。反応容器の内容物を、繰り返し濾過、及び洗浄して、スチレン−アクリル系樹脂を得た。
得られたスチレンアクリル系樹脂を、ターボミルT250(ターボ工業株式会社製)を用いて粗粉砕して、粒子径約30μm以上50μm以下の粗粉砕物を得た。得られたスチレンアクリル系樹脂の粗粉砕物200gと、ラウリル硫酸ナトリウム20gと、イオン交換水780gとを混合し、加熱システムを備えた高圧ホモジナイザー(NV−200(吉田機械興業株式会製))を用いて170℃、吐出圧力150MPaにて、1回、乳化処理を行い、pHが5.8、平均粒子径が250nm、固形分濃度が20質量%の樹脂微粒子分散液Aを得た。得られた樹脂微粒子分散液A中の樹脂微粒子のゼータ電位は、+50mVであった。分散液のゼータ電位は、超音波方式粒度分布・ゼータ電位測定装置(DT−1200(Dispersion Technology社製))を用いて測定した。
(樹脂微粒子分散液Bの調製)
希塩酸を用いて、分散液のpHを3.9に調整することの他は、樹脂微粒子分散液Aと同様にして、pHが3.9、平均粒子径が250nm、固形分濃度が20質量%の樹脂微粒子分散液Bを得た。得られた樹脂微粒子分散液B中の樹脂微粒子のゼータ電位は、+65mVであった。
(樹脂微粒子分散液Cの調製)
希塩酸を用いて、分散液のpHを2.2に調整することの他は、樹脂微粒子分散液Aと同様にして、pHが2.2、平均粒子径が250nm、固形分濃度が20質量%の樹脂微粒子分散液Cを得た。得られた樹脂微粒子分散液C中の樹脂微粒子のゼータ電位は、+68mVであった。
[調製例5]
〔工程(II):トナーコア粒子分散液調製工程〕
(トナーコア粒子分散液Aの調製)
下記の微粒子分散液を用いて、トナーコア粒子の分散液を調製した。
結着樹脂微粒子分散液A(固形分濃度5質量%):425g
離型剤微粒子分散液(固形分濃度20質量%):12.5g
着色剤微粒子分散液(固形分濃度18質量%):7g
1リットルの四つ口フラスコに、温度センサー、冷却管、撹拌装置をセットした。上記の微粒子分散液と、アニオン界面活性剤(エマール 0(花王株式会社製))12gと、イオン交換水43.5gとをフラスコ内に投入し、200rpmの撹拌速度で撹拌した。さらに、フラスコ内にトリエタノールアミンを加えて、フラスコ内容物のpHを9に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物10.2gをイオン交換水10.2gに溶解させた水溶液をフラスコ内に添加した。フラスコの内の分散液を5分間静置した後に、5℃/分で50℃まで昇温し、その後、0.5℃/分の速度で73℃まで昇温した。その後、分散液の温度を73℃に保持し、分散液中の凝集粒子の体積平均粒径が6.5μmになった時点で、分散液を撹拌速度350rpmで10分間撹拌した。撹拌後、5℃/分の速度で分散液を室温まで冷却して、体積平均粒径(MV)6.6μm、個数平均粒径(MN)5.7μm、平均円形度0.93のトナーコア粒子を含む分散液Aを得た。得られたトナーコア粒子分散液のpHは8.3、導電率は18.9mS/cmであり、分散液中のトナーコア粒子のゼータ電位は−15mVであった。分散液の導電率は、電気伝導率計(ES−51(株式会社堀場製作所))を用いて測定した。
(トナーコア粒子分散液Bの調製)
トナーコア粒子分散液Aを12時間静置して、トナーコア粒子を沈降させ、上澄み液を、デカンテーションを用いて除去した後、除去した量と同量のイオン交換水を加えた。その後、トナーコア粒子を水性媒体に再分散させてトナーコア粒子分散液Bを得た。得られたトナーコア粒子分散液のpHは7.2、導電率は2.9mS/cmであり、分散液中のトナーコア粒子のゼータ電位は−35mVであった。
(トナーコア粒子分散液Cの調製)
トナーコア粒子分散液Bを12時間静置して、トナーコア粒子を沈降させ、上澄み液を、デカンテーションを用いて除去した後、除去した量と同量のイオン交換水を加えた。その後、トナーコア粒子を水性媒体に再分散させてトナーコア粒子分散液Cを得た。得られたトナーコア粒子分散液のpHは7.1、導電率は1.5mS/cmであり、分散液中のトナーコア粒子のゼータ電位は−37mVであった。
(トナーコア粒子分散液Dの調製)
下記の微粒子分散液を用いて、トナーコア粒子の分散液を調製した。
結着樹脂微粒子分散液B(固形分濃度5質量%):425g
離型剤微粒子分散液(固形分濃度20質量%):12.5g
着色剤微粒子分散液(固形分濃度18質量%):7g
1リットルの四つ口フラスコに、温度センサー、冷却管、撹拌装置をセットした。上記の微粒子分散液と、アニオン界面活性剤(エマール 0(花王株式会社製))12gと、イオン交換水43.5gとをフラスコ内に投入し、200rpmの撹拌速度で撹拌した。さらに、フラスコ内にトリエタノールアミンを加えて、フラスコ内容物のpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物10.2gをイオン交換水10.2gに溶解させた水溶液をフラスコ内に添加した。フラスコ内の分散液を5分間静置した後に、5℃/分で50℃まで昇温し、その後、0.5℃/分の速度で73℃まで昇温した。その後、分散液の温度を73℃に保持し、分散液中の凝集粒子の体積平均粒径が6.5μmになった時点で、分散液を撹拌速度350rpmで10分間撹拌した。撹拌後、5℃/分の速度で分散液を室温まで冷却して、トナーコア粒子を含む分散液を得た。
得られたトナーコア粒子を含む分散液を12時間静置して、トナーコア粒子を沈降させ、上澄み液を、デカンテーションを用いて除去した後、除去した量と同量のイオン交換水を加えた。その後、トナーコア粒子を水性媒体に再分散させてトナーコア粒子分散液Dを得た。得られたトナーコア粒子分散液Dは、体積平均粒径が6.72μm、個数平均粒径が5.61μm、平均円形度が0.94であった。また、得られたトナーコア粒子分散液のpHは7.4、導電率は2.2mS/cmであり、分散液中のトナーコア粒子のゼータ電位は−17mVであった。
[実施例1〜7、比較例1、及び比較例2]
〔工程(III):シェル化工程〕
表1〜3記載の種類のトナーコア粒子分散液30gと、表1〜3に記載の種類の樹脂微粒子分散液0.3gとを、T.K.フィルミックス(プライミクス株式会社製)の撹拌槽に投入した。その後、T.K.フィルミックスの撹拌速度を表1〜3に記載の速度に設定し、表1〜3に記載の温度条件で、撹拌槽内の内容物を撹拌してトナー粒子の分散液を得た。また、T.K.フィルミックスで設定した撹拌速度と、撹拌槽内の形状とから、下記方法に基づいて撹拌槽内の内容物の平均流速を求めた。撹拌槽内の内容物の平均流速の算出結果を表1〜3に記す。
得られた分散液のトナー粒子の体積平均粒子径(MV)、及び個数平均粒子径(MN)を、コールターカウンターマルチサイザー3(ベックマンコールター社製)を用いて測定した。トナー粒子の、体積平均粒子径(MV)、及び個数平均粒子径(MN)を表1〜3に記す。
<撹拌槽内の内容物の平均流速の算出方法>
半径Rの撹拌槽内について、撹拌混合される内容物中の粒子の運動を等速円運動として、下記式を用い、撹拌槽内の内容物の撹拌速度から求められる角速度ωと、撹拌槽内の半径Rとから、撹拌槽内の内容物の平均流速を求めた。なお、下記式中のNは、撹拌槽内に存在する全粒子数である。
半径r位置での粒子の速度:rω
最大速度:Vmax=Rω
速度rωで運動する粒子数:dr×2πr×N
粒子の平均速度:Vave=∫(rω・2πr・N)dr/πR^2N
ave=(2/3)Vmax
<トナー品質の評価>
実施例1〜7、比較例1、及び比較例2で得られたトナー粒子分散液について、トナー品質を評価した。具体的には、トナー粒子分散液について、FPIA−3000(シスメック株式会社製)を用いて、トナー粒子分散液中に含まれる粒子径2.876μm以下の粒子を、樹脂微粒子、又は樹脂微粒子の凝集体として、トナー粒子分散液中に含まれる樹脂微粒子、及び樹脂微粒子の凝集体の粒子数を測定した。測定された、樹脂微粒子、及び樹脂微粒子の凝集体の粒子数と、測定対象とした分散液中の全粒子数とから、下記式を用いて、全粒子数に対する、樹脂微粒子、及び樹脂微粒子の凝集体の粒子数の割合(未シェル化樹脂微粒子割合)を算出した。
(未シェル化樹脂微粒子割合)(%)=(樹脂微粒子及び樹脂微粒子の凝集体の粒子数)/(全粒子数)×100
未シェル化樹脂微粒子割合の算出結果から、下記基準に基づきトナー品質を評価した。
◎:未シェル化樹脂微粒子割合が5%未満。
○:未シェル化樹脂微粒子割合が5%以上10%未満。
×:未シェル化樹脂微粒子割合が10%以上。
Figure 2014077929
Figure 2014077929
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実施例1〜7によれば、トナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)とを、混合して得られる水性媒体分散液(Z)を撹拌し、トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層を形成させる、静電潜像現像用トナーの製造方法について、水性媒体分散液中での、トナーコア粒子のゼータ電位と、樹脂微粒子のゼータ電位とを逆極性とし、水性媒体分散液(X)の導電率を所定の値以下とし、水性媒体分散液(Z)を所定の平均流速以上で撹拌することによって、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子の生成を抑制し、高品質なトナーが得られることが分かる。
また、実施例4〜6によれば、水性媒体分散液(X)と、水性媒体分散液(Y)とを混合する際の、水性媒体分散液(Y)のpHを4以下に調整する場合、pHが4超である場合に比べて、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子の生成をより抑制することができることが分かる。
比較例1によれば、導電率が3mS/cm超である水性媒体分散液(X)を用いてトナーを製造した場合、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子の生成を抑制しにくいことが分かる。また、比較例1によれば、MV及びMNの測定結果から、シャープな粒度分布のトナーが得られにくいことが分かる。比較例1では、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子が多量に生成されているためと推察される。
比較例2によれば、水性媒体分散液(Z)を、平均流速10m/s未満で撹拌してトナーを製造した場合、シェル材である樹脂微粒子の凝集粒子の生成を抑制しにくいことが分かる。

Claims (5)

  1. 少なくとも結着樹脂を含むトナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)と、樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Y)とを混合して得られる、前記トナーコア粒子及び前記樹脂微粒子を含む水性媒体分散液(Z)を撹拌し、前記トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子からなるシェル層を形成させて、静電潜像現像用トナーを得る、静電潜像現像用トナーの製造方法であって、
    前記水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位と、前記水性媒体分散液(Y)中の樹脂微粒子のゼータ電位とが逆極性であり、
    前記水性媒体分散液(X)は、導電率が3mS/cm以下であり、
    前記水性媒体分散液(Z)を、平均流速10m/s以上で撹拌する、静電潜像現像用トナーの製造方法。
  2. 前記水性媒体分散液(X)中のトナーコア粒子のゼータ電位が負極性であり、前記水性媒体分散液(Y)中の樹脂微粒子のゼータ電位が正極性である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  3. 前記結着樹脂がポリエステル樹脂である、請求項2に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記水性媒体分散液(Y)のpHが4以下である、請求項2又は3に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記トナーコア粒子を含む水性媒体分散液(X)が、以下の工程(I)、及び(II):
    (i)結着樹脂を含む微粒子を、水性媒体中で凝集させて微粒子凝集体を形成させる凝集工程、及び
    (ii)前記微粒子凝集体に含まれる成分を、水性媒体中で合一化させてトナーコア粒子を形成させる合一化工程、
    を含む方法を用いて得られる、請求項1〜4の何れか1項に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016061863A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 株式会社東芝 電子写真用トナー及びその製造方法、並びに、トナーカートリッジ及び画像形成装置
JP2017015977A (ja) * 2015-07-02 2017-01-19 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 正帯電性トナー

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