JP2012046617A - 樹脂微粒子の水系分散体とその製造方法、及び樹脂微粒子の水系分散体を用いたトナーとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】100.0質量部の樹脂、界面活性剤、5.0質量部以上10.0質量部以下のアミンを少なくとも含有し、水の含有量が5.0質量部以下である混合物を、前記樹脂のガラス転移点の10℃以上、且つ100℃未満の温度範囲で攪拌することで、加熱混合物を得る第一工程と、前記加熱混合物を、前記樹脂のガラス転移点の10℃以上、且つ100℃未満の温度範囲で攪拌しながら、水系媒体を添加することで、樹脂微粒子の水系分散体を得る第二工程と、を少なくとも有することを特徴とする、樹脂微粒子の水系分散体の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明で使用可能な樹脂としては、スチレン−アクリル系共重合樹脂、スチレン−メタクリル系共重合樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタンのような公知の樹脂が例示できる。中でも、分散性の観点と樹脂設計の自由度の観点とからポリエステル、スチレン−アクリル系共重合樹脂が好ましいが、本発明の樹脂は前記樹脂に限定されるものではなく、単独でも2種以上を組み合わせて使用しても良い。また樹脂は、結晶性であっても非晶性であってもよい。
本発明では、樹脂の分散性を促進する目的で、界面活性剤を添加して分散を行う。使用可能な界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムのような水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムのようなアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドのようなカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイドのような両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンに代表されるノニオン性界面活性剤のような界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムのような無機化合物が挙げられる。これらの中でも、分散安定性の観点から、ノニオン性界面活性剤、及びアニオン性界面活性剤が、より好ましく、ノニオン性界面活性剤が、さらに好ましい。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
本発明におけるアミンの主たる役割としては、酸価を有する樹脂の酸性基のカウンターイオンとして作用し、樹脂の親水性を向上させることである。また、カウンターイオンとしてアミンを選択した理由としては、我々の鋭意検討の結果、他の無機塩基と比較して高い分散性を発現することが判明したためである。これは、無機塩基に比べ、疎水性の高いアミンは、水系媒体中において、樹脂表面に局在化しやすく、効果的に酸性基を中和することができるためと考えられる。
本発明における第一工程は、前記樹脂、前記アミン、前記界面活性剤、及び必要に応じて水の混合物の均一化とアミンによる酸性基の中和とを行う工程である。このため、加熱攪拌を行うことで、前記混合物を液体あるいは粘性を有する固体とし、効率的に前記目的を達成することができる。
本発明における第二工程は、前記第一工程で加熱攪拌された加熱混合物に、加熱攪拌下、水系媒体を添加して、樹脂の分散を進行させる工程である。
次に、本発明のトナーの製造方法に関して説明する。本発明のトナーの製造方法は、樹脂微粒子の水系分散体と着色剤微粒子の水系分散体とを少なくとも混合し、樹脂微粒子及び着色剤微粒子を水中で凝集させ凝集体を形成する凝集工程と、前記凝集体を加熱し融合する融合工程とを含むトナーの製造方法である。本発明のトナー製造方法においては、必要に応じて離型剤や荷電制御剤を用いることも可能である。
凝集工程では、本発明の樹脂微粒子の水系分散体及び着色剤微粒子の水系分散体、必要に応じて離型剤微粒子の水系分散体及びその他荷電制御剤のようなトナー成分を混合し、混合液を調製する。ついで該混合液中で、凝集粒子を形成させ、凝集粒子分散体を調製する。前記凝集粒子は、例えばpH調整剤、凝集剤、安定剤を上記混合液中に添加し、温度、機械的動力を適宜加えることにより該混合液中に形成することができる。
融合工程は、上記凝集粒子を加熱して融合する工程である。融合工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、前記pH調整剤、前記凝集剤、前記安定剤を適宜添加することができる。
樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、以下に示す条件で数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定した。
樹脂の酸価は、以下のように算出した。なお、基本操作は、JIS−K0070に準ずる。酸価は、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。
(1)試薬
(a)溶剤:エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)を使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1モル/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液:フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95V/v%)100mlに溶かす。
(c)0.1モル/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液:水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95V/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS−K8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
(2)操作
樹脂(試料)1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100ml及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1モル/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
(3)計算式
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価
B:0.1モル/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.1モル/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
上記ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)測定装置を用いて測定することが可能である。DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法は、ASTMのD3418−82に準じて行う。具体的には、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、10℃/minで昇温させた時に測定されるDSC曲線からガラス転移点(Tg(℃))を計算する。吸熱前後のベースラインと吸熱による曲線の接線との交点の中心値をTg(℃)とする。
樹脂の軟化温度(Tm)は、フローテスター(CFT−500D:島津製作所社製)を用いて測定する。具体的には、測定する試料1.2gを秤量し、高さが1.0mmで直径1.0mmのダイを使用し、昇温速度4.0℃/min、予熱時間300秒、荷重5kg、測定温度範囲60〜200℃の条件で測定を行う。上記の試料が半分量流出したときの温度を軟化温度とする。
水系分散体中における樹脂粒子の粒度分布は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定する。具体的には、前記測定装置の試料導入部で、透過率が測定範囲内(70〜95%)になるように、測定試料を調製し、D50V、及びD95Vを測定した。尚、測定試料は、目開き105μmの金属製メッシュに通したものを使用した。
上記トナー粒子の個数平均粒径(D1)及び重量平均粒径(D4)はコールター法による粒度分布解析にて測定する。測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定する。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%塩化ナトリウム水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。具体的な測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加え、さらに測定試料(トナー粒子)を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行う。得られた分散処理液を、アパーチャーとして100μmアパーチャーを装着した前記測定装置により、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定してトナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、個数平均粒径(D1)及び重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:550.0質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:180.0質量部
・テレフタル酸:292.0質量部
・無水トリメリット酸:1.5質量部
・ジブチルスズオキシド:0.1質量部
上記材料を2リットルのガラス製4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中で、窒素気流下にて230℃で22時間反応させることで、Mn=3810、Tg=57.2℃、Tm=96.1℃、酸価=2.4mg・KOH/gであるポリエステル樹脂Aを得た。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:550.0質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:180.0質量部
・テレフタル酸:290.0質量部
・無水トリメリット酸:3.0質量部
・ジブチルスズオキシド:0.1質量部
上記材料を用いた以外は、製造例1と同様な方法で、Mn=3890、Tg=57.8℃、Tm=97.5℃、酸価=3.7mg・KOH/gであるポリエステル樹脂Bを得た。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:390.0質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:350.0質量部
・テレフタル酸:270.0質量部
・無水トリメリット酸:50.0質量部
・ジブチルスズオキシド:0.1質量部
上記材料を用いた以外は、製造例1と同様な方法で、Mn=3920、Tg=58.1℃、Tm=99.1℃、酸価=11.8mg・KOH/gであるポリエステル樹脂Cを得た。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:380.0質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:270.0質量部
・テレフタル酸:270.0質量部
・無水トリメリット酸:80.0質量部
・ジブチルスズオキシド:0.1質量部
上記材料を用いた以外は、製造例1と同様な方法で、Mn=3970、Tg=57.2℃、Tm=105.2℃、酸価=32.0mg・KOH/gであるポリエステル樹脂Dを得た。
・スチレン:70.0質量部
・アクリル酸n−ブチル:25.0質量部
・マレイン酸モノブチル:5.0質量部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド:2.0質量部
四つ口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、攪拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させ、この還流下で、上記材料の混合物を4時間かけて滴下した後、2時間保持し重合を完了した後、脱溶剤することで、Mn=4600、Tg=55.1℃、Tm=100.8℃、酸価が12.0mg・KOH/gであるスチレン−アクリル共重合樹脂Eを得た。
・ポリエステル樹脂A:100.0質量部
・ノニオン性界面活性剤(ノイゲンXL−160:第一工業製薬製、曇点98℃):2.0質量部
・ジメチルアミノエタノール(以下、DMAEと記す)(キシダ化学社製):7.5質量部
上記材料を、500mlのビーカーに投入し、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、95.0℃で120分間、混合した(第一工程)。その後、温度を保ちつつ、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、95.0℃に加熱したイオン交換水200.0質量部を、2時間かけて滴下し(第二工程)、樹脂微粒子の水系分散体1を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通し、粗大粒子成分又はゲル状の成分の含有割合を確認したところ、メッシュ上には、何も残らなかった。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体1におけるD50V 及びD95V値は、それぞれ0.25μm、0.36μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
第一工程における処理温度を85.0℃、第二工程における処理温度を85.0℃とした以外は、実施例1と同様の方法で処理した結果、樹脂微粒子の水系分散体2を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、何も残らなかった。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体2におけるD50V 及びD95V値は、それぞれ0.28μm、0.38μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
第一工程における処理温度を70.0℃、第二工程における処理温度を70.0℃とした以外は、実施例1と同様の方法で処理した結果、樹脂微粒子の水系分散体3を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、何も残らなかった。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体3におけるD50V 及びD95V値は、それぞれ0.29μm、0.41μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
・ポリエステル樹脂A:100.0質量部
・ノニオン性界面活性剤(ノイゲンXL−160:第一工業製薬製、曇点98℃):2.0質量部
・DMAE:7.5質量部
・イオン交換水:2.5質量部
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、樹脂微粒子の水系分散体4を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、仕込んだ樹脂100.0質量部に対して1.0質量部の粗大粒子成分が残った。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体4におけるD50V 及びD95V値は、それぞれ0.32μm、0.43μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
イオン交換水の添加量を、4.5質量部とした以外は、実施例4と同様の方法で、樹脂微粒子の水系分散体5を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、仕込んだ樹脂100.0質量部に対して4.6質量部の粗大粒子成分が残った。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体5におけるD50V 及びD95V値は、それぞれ0.39μm、0.58μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
DMAEの添加量を、9.5質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、樹脂微粒子の水系分散体6を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、仕込んだ樹脂100.0質量部に対して0.8質量部のゲル状成分が残った。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体6におけるD50V 及びD95V値は、それぞれ0.18μm、0.30μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
・ポリエステル樹脂A:100.0質量部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンR−K:第一工業製薬製、固形分60%):3.3質量部
・DMAE:7.5質量部
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、樹脂微粒子の水系分散体7を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、何も残らなかった。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体7のD50V 及びD95V値は、それぞれ0.32μm、0.47μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
ノニオン性界面活性剤の添加量を、10.0質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、樹脂微粒子の水系分散体8を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、何も残らなかった。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体8のD50V 及びD95V値は、それぞれ0.19μm、0.33μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
第一工程における処理温度を63.0℃とした以外は、実施例1と同様の方法で処理した結果、材料の均一化が不十分となった。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、仕込んだ樹脂100.0質量部に対して13.5質量部の粗大粒子成分が残った。生産性が不良と判断し、粒径は測定しなかった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
第二工程における処理温度を63.0℃とした以外は、実施例1と同様の方法で処理した結果、第二工程における樹脂の粘度が高いため、分散が進行せず、固液が分離した。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
イオン交換水の添加量を、8.0質量部とした以外は、実施例4と同様の方法で比較用樹脂微粒子の水系分散体を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、仕込んだ樹脂100.0質量部に対して30.1質量部の粗大粒子成分が残った。生産性が不良と判断し、粒径は測定しなかった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
DMAEの添加量を、4.0質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で比較用樹脂微粒子の水系分散体を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、仕込んだ樹脂100.0質量部に対して10.9質量部の粗大粒子成分が残った。生産性が不良と判断し、粒経は測定しなかった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
DMAEの添加量を、12.0質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で比較用樹脂微粒子の水系分散体を得た。結果、アミン量が過剰のため、第二工程において、ゲル状の塊が生成した。この分散体を目開き105μmの金属製メッシュに通したところ、メッシュ上には、仕込んだ樹脂100.0質量部に対して9.3質量部のゲル状成分が残ったため、生産性が不良と判断し、粒経は測定しなかった。上記条件、及び得られた結果を、表1に示す。
・ポリエステル樹脂B:100.0質量部
・ノニオン性界面活性剤(ノイゲンXL−160:第一工業製薬製、曇点98℃):1.5質量部
・DMAE:7.0質量部
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、樹脂微粒子の水系分散体9を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、何も残らなかった。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体9におけるD50V 及びD95V値は、それぞれ0.21μm、0.34μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表2に示す。
・ポリエステル樹脂C:100.0質量部
・ノニオン性界面活性剤(ノイゲンXL−160:第一工業製薬製、曇点98℃):1.0質量部
・DMAE:6.0質量部
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、樹脂微粒子の水系分散体10を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、何も残らなかった。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体10におけるD50V 及びD95V値は、それぞれ0.10μm、0.12μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表2に示す。
・ポリエステル樹脂D:100.0質量部
・ノニオン性界面活性剤(ノイゲンXL−160:第一工業製薬製、曇点98℃):0.1質量部
・DMAE:5.2質量部
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、樹脂微粒子分散体11を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、何も残らなかった。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体11におけるD50V 及びD95V値は、それぞれ0.08μm、0.09μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表2に示す。
・スチレン−アクリル共重合樹脂E:100.0質量部
・ノニオン性界面活性剤(ノイゲンXL−160:第一工業製薬製、曇点98℃):1.0質量部
・DMAE:5.8質量部
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、樹脂微粒子の水系分散体12を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、何も残らなかった。メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体12におけるD50V 及びD95V値は、それぞれ0.19μm、0.32μmであり、良好であった。上記条件、及び得られた結果を、表2に示す。
イオン交換水の添加量を、8.0質量部とした以外は、実施例9と同様の方法で比較用樹脂微粒子の水系分散体を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、仕込んだ樹脂100.0質量部に対して25.6質量部の粗大粒子成分が残った。生産性が不良と判断し、粒経は測定しなかった。上記条件、及び得られた結果を、表2に示す。
イオン交換水の添加量を、10.0質量部とした以外は、実施例10と同様の方法で比較用樹脂微粒子の水系分散体を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、仕込んだ樹脂100.0質量部に対して23.5質量部の粗大粒子成分が残った。生産性が不良と判断し、粒径は測定しなかった。上記条件、及び得られた結果を、表2に示す。
DMAEの添加量を、2.5質量部とした以外は、実施例11と同様の方法で、比較用樹脂微粒子の水系分散体を得た。得られた分散体を目開き105μmの金属製のメッシュに通したところ、メッシュ上には、仕込んだ樹脂100.0質量部に対して9.5質量部の粗大粒子成分が残った。生産性が不良と判断し、粒径は測定しなかった。上記条件、及び得られた結果を、表2に示す。
DMAEの添加量を、10.5質量部とした以外は、実施例11と同様の方法で処理したところ、アミン量が過剰で、且つ樹脂の酸価が高いため、第二工程において、著しく増粘した。25℃まで冷却した際、分散体全体が、ゲル状の塊となったため、メッシュで濾過できなかった。上記条件、及び得られた結果を、表2に示す。
(着色剤粒子の水系分散体)
・シアン顔料(Pigment Blue 15:3:大日精化社製):100質量部
・アニオン界面活性剤(ネオゲンRK:第一工業製薬社製):15質量部
・イオン交換水:885質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の水系分散体を調製した。着色剤粒子の体積平均粒径は0.20μmであった。
・エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル、融点75℃):100質量部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK:第一工業製薬社製):10質量部
・イオン交換水:880質量部
以上を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック社製)へ循環しながらローター外径が3cm、クリアランスが0.3mmの剪断攪拌部位にて、ローター回転数19000r/min、スクリーン回転数19000r/minの条件にて攪拌し、60分間分散処理した。その後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、離型剤微粒子の水系分散体を得た。離型剤微粒子の体積平均粒径は0.15μmであった。
・メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体1:60質量部
・着色剤微粒子の水系分散体:10質量部
・離型剤微粒子の水系分散体:20質量部
・イオン交換水:90質量部
以上をステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて、室温下、5000r/minで攪拌し、混合した。
この混合液に、100質量部の硫酸マグネシウムの1質量%水溶液を滴下、滴下後もホモジナイザーで分散操作を継続した。加熱用オイルバスで攪拌しながら昇温した。43.5℃で昇温を停止し、その温度で60分間保持した。
次いで、600質量部のクエン酸3Naの5質量%水溶液を添加した後、攪拌を継続しながら85℃まで昇温して3時間保持した。冷却後、生成物をろ過し、600質量部のイオン交換水で洗浄する操作を5回繰り返した後、乾燥させることにより、トナー粒子1を得た。得られたトナー粒子について、該トナー粒子100質量部に、BET法で測定した比表面積200m2/gである疎水化処理されたシリカ粒子1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合してトナー1を得た。
混合液調製工程において、メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体1を、メッシュをパスした樹脂微粒子の水系分散体2〜12に変更した以外は、トナー製造例1と同様にして、トナー2〜12を得た。
Claims (10)
- 100.0質量部の樹脂、界面活性剤、及び5.0質量部以上10.0質量部以下のアミンを少なくとも含有し、水の含有量が5.0質量部以下である混合物を、前記樹脂のガラス転移点をTgとした時、Tg+10℃以上、且つTg+100℃未満の温度範囲で攪拌することで、加熱混合物を得る第一工程と、
前記加熱混合物を、Tg+10℃以上、且つTg+100℃未満の温度範囲で攪拌しながら、水系媒体を添加することで、樹脂微粒子の水系分散体を得る第二工程と、
を少なくとも有することを特徴とする、樹脂微粒子の水系分散体の製造方法。 - 前記混合物が、100.0質量部の樹脂に対し、3.0質量部以下の水を含有することを特徴する、請求項1に記載の樹脂微粒子の水系分散体の製造方法。
- 前記混合物が、水を含有しないことを特徴する、請求項1に記載の樹脂微粒子の水系分散体の製造方法。
- 前記樹脂の酸価が、2.0mg・KOH/g以上35.0mg・KOH/g以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂微粒子の水系分散体の製造方法。
- 前記樹脂の酸価が、3.0mg・KOH/g以上13.0mg・KOH/g以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂微粒子の水系分散体の製造方法。
- 前記界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂微粒子の水系分散体の製造方法。
- 前記樹脂がポリエステルであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂微粒子の水系分散体の製造方法。
- 前記請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法によって得られる、樹脂微粒子の水系分散体。
- 請求項8に記載の樹脂微粒子の水系分散体と着色剤微粒子の水系分散体とを少なくとも混合し、樹脂微粒子及び着色剤微粒子を水系媒体中で凝集させ、融合してトナー粒子を得ることを特徴とする、トナーの製造方法。
- 請求項9に記載のトナーの製造方法によって得られる、トナー。
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