JP2011148472A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロックパターンを有するタイヤにおいて、氷上性能を向上すると共にドライ性能を維持するようにした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】複数本の縦溝1及び横溝2によって複数のブロック3を区画形成した空気入りタイヤにおいて、これらブロック3のそれぞれに、タイヤ幅方向へ延びる複数本のサイプ4をタイヤ周方向に間隔をおいて形成し、これら複数本のサイプ4をブロック3のタイヤ幅方向中央で分断してブロック3のタイヤ幅方向中央部にタイヤ周方向に連続する第1陸部5を形成し、この第1陸部5に複数個の第1小穴6aを設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、氷上性能を向上すると共にドライ性能を維持するようにした空気入りタイヤに関する。
一般に氷雪路用の空気入りタイヤは、氷雪性能を向上するために、トレッドにブロックパターンを使用すると共に、ブロック表面にタイヤ幅方向のサイプを多数設けている。しかし、このようなブロックパターンにおいて、サイプの数をあまり多くし過ぎるとブロック剛性が低下する場合がある。そして、ブロック剛性が低下するとブロックが倒れ込み易くなるため接地性が不充分になり、むしろ氷上性能が低下することがある。
また、近年、氷雪路での使用を主目的としたタイヤにおいても、温暖化等の影響により、ドライ路面での走行性能が求められるようになっている。しかし、上述のようにサイプを設けることによってブロック剛性が低下した場合、ドライ性能も低下することになる。
そのため、上記問題点を解決し、氷上性能とドライ性能との両立を可能にするために、ブロック剛性を維持しながらエッジ効果を得るようにする様々な提案がなされている。例えば、特許文献1は、サイプをブロックの幅方向全長に延長させずに分断することで、ブロック剛性が低下することを防止している。また、特許文献2は、サイプを増やす代わりにサイプで細分化した小ブロックに複数個の小穴を設けることで、ブロック剛性を低下することなく更なるエッジ効果や除水効果を得るようにしている。
しかし、サイプを分断した場合、ブロック剛性が維持できてもエッジの減少により氷上性能が不充分になり、小穴を追加した場合、氷上性能を向上することは出来るもののドライ性能を向上することが出来ないという問題があった。
特開2007−314137号公報 特開2006−7796号公報
本発明の目的は、上述する問題点を解決するもので、ブロックパターンを有するタイヤにおいて、氷上性能を向上すると共にドライ性能を維持するようにした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の縦溝とタイヤ幅方向に延びる複数本の横溝とを設け、これら縦溝及び横溝によって複数のブロックを区画形成した空気入りタイヤにおいて、前記ブロックのそれぞれに、タイヤ幅方向へ延びる複数本のサイプをタイヤ周方向に間隔をおいて形成し、前記複数本のサイプを前記ブロックのタイヤ幅方向中央で分断して前記ブロックのタイヤ幅方向中央部にタイヤ周方向に連続する第1陸部を形成し、該第1陸部に複数個の第1小穴を設けたことを特徴とする。
また、上述する構成において、更に、以下(1)〜(9)に記載するように構成することが好ましい。
(1)前記第1小穴の深さを前記サイプの深さの80〜100%にする。
(2)前記第1小穴をそれぞれ前記サイプの延長線上に配置する。
(3)前記第1小穴をそれぞれタイヤ周方向に隣接するサイプの延長線間に配置する。
(4)前記第1小穴をタイヤ周方向に一直線上に配置する。
(5)前記第1小穴をタイヤ周方向に隣接する前記第1小穴同士が互いにタイヤ幅方向にオフセットするように配置する。
(6)前記サイプを前記縦溝に連通させずに前記ブロック内で終端させて、前記サイプの幅方向終端部と前記ブロックの幅方向端部との間にタイヤ周方向に連続する第2陸部を形成し、該第2陸部に第2小穴を設ける。
(7)前記第2小穴の深さを前記サイプの深さの80〜100%にする。
(8)前記ブロックの周方向端部と周方向最外側に配置された前記サイプとの最小間隔を、ブロックの周方向中央部における前記サイプのタイヤ周方向の最小間隔の1.2〜2.5倍にすると共に、前記ブロックの周方向端部と前記周方向最外側のサイプとの間の第3陸部に第3小穴を配置する。
(9)前記第3小穴の深さを前記サイプの深さの80〜100%にする。
本発明によれば、各ブロックにタイヤ幅方向へ延びる複数本のサイプをタイヤ周方向に間隔をおいて形成し、これら複数本のサイプをブロックのタイヤ幅方向中央で分断してブロックのタイヤ幅方向中央部にタイヤ周方向に連続する第1陸部を形成し、この第1陸部に複数個の第1小穴を設けたので、サイプによってブロックが細分化されずドライ制動性を向上することが出来、かつ、サイプが減少したことによって低下する氷上制動性を、ブロックの細分化を伴わない小穴によるエッジ効果と除水効果によって向上することで、氷上性能とドライ性能とを高度に両立することが出来る。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド面を示す正面図である。 本発明の実施形態からなるブロックを拡大して示す正面図である。 本発明の実施形態からなる他のブロックを拡大して示す正面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図2及び3の実施形態に対する変形例を示す正面図である。 本発明の実施形態からなる更に他のブロックを拡大して示す正面図である。 本発明の実施形態からなる更に他のブロックを拡大して示す正面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図5及び6の実施形態に対する変形例を示す正面図である。 本発明の実施形態からなる更に他のブロックを拡大して示す正面図である。 (a)〜(d)はそれぞれ図3、6、8の実施形態に対する変形例を示す正面図である。 従来のブロックの例を示す正面図である。 従来のブロックの他の例を示す正面図である。
図1に示す本発明の空気入りタイヤにおいて、トレッドTにはタイヤ周方向に延びる3本の縦溝1と、縦溝1間を斜めに連通するように複数本の横溝2がタイヤ周方向に間隔をおいて設けられている。このようにして、トレッドTには、複数のブロック3が区画形成されている。これらブロック3の表面には、それぞれ平面視でジグザグ形状をなし、タイヤ幅方向へ延びる複数本のサイプ4がタイヤ周方向に間隔をおいて設けられている。このサイプ4は、ブロック3のタイヤ幅方向中央で分断され、サイプを有さない第1陸部5を形成している。この第1陸部5は、ブロック3のタイヤ周方向の全長に亘って一直線上で連続している。そして、この第1陸部5には複数個の第1小穴6aが設けられている。
また、図1に示す空気入りタイヤにおいては、サイプ4の縦溝1に連通する側のタイヤ幅方向端部に底上げ部4aを設けて、ブロック剛性を維持するようにしている。尚、この底上げ部4aは必ずしも設けなくても良い。
トレッドTに設ける周方向に延びる縦溝1の本数は、図1のように3本に限定されるものではない。また、サイプ4の形状は、特に限定されるものではなく、上述のようにタイヤ幅方向に延びると共に幅方向中央付近で分断されていれば、どのような形状であってもよく、例えば、ジグザグ状でなく直線状であっても、分断される部分がブロック3の中心からずれていたり、中心からずれると共に幅方向にオフセットしていても構わない。
図1に示すように、サイプ4は、ブロック3の中央部で分断されてブロック3を細分化していないので、ブロック剛性の低下を抑制し、ドライ性能を向上することが出来るが、ブロック3の中央部にもサイプを有するブロックに比べてサイプによるエッジ効果は低下する。そこで、ブロック3を細分化しない第1小穴6aをサイプ間に配置することで、ブロック剛性を低下することなくエッジ効果及び除水効果を向上し、氷上性能とドライ性能とを両立することが出来る。
サイプ4の幅は0.1〜0.8mmにすることが好ましく、更に好ましくは、0.3〜0.6mmにするとよい。この幅が0.1mmより小さいと水の逃げ場が小さく充分な除水効果を得ることが出来ない。逆に、この幅が0.8mmより大きいとブロック剛性が低下する。また、サイプ4の周方向の間隔は2.5〜8mmにすることが好ましく、更に好ましくは、3.5〜6mmにするとよい。この間隔が2.5mmより小さいとブロック剛性が低下し、8mmより大きいとブロック当たりのサイプ本数が少な過ぎるため、充分なエッジ効果が得られなくなる。また、サイプ4の深さは4〜10mmにすることが好ましく、更に好ましくは、6〜8mmにするとよい。この深さが4mmより小さいと充分な氷上性能が得られない上、摩耗末期まで氷上性能を発揮することが出来ず、10mmより大きいとブロック剛性が低下する。
また、第1小穴6aの径は0.3〜3.0mmにすることが好ましく、更に好ましくは、0.5〜1.5mmにするとよい。この径が0.3mmより小さいと充分なエッジ効果及び除水効果が得られず、3.0mmより大きいと実接地面積が減少し、氷上性能の向上が不充分となる。また、第1小穴6aの配置間隔は2〜7mmにすることが好ましく、更に好ましくは、3〜6mmにするとよい。この配置間隔が2mmより小さいと第1小穴6a間の陸部の耐久性が低下し、7mmより大きいとブロック当たりに設けられる第1小穴6aが減少するので充分なエッジ効果及び除水効果が得られなくなる。
また、第1小穴6aの深さはサイプ深さの80〜100%にするとよく、更に好ましくは、85〜100%にするとよい。従来のサイプと小穴とを併用したブロックにおいては、サイプが分断されていないため、小穴を深くし過ぎるとブロック剛性が低下するので、小穴深さをサイプ深さのおよそ50%程度に設定していたが、本発明においては、第1陸部5によりブロック剛性が維持されるので小穴深さをサイプ深さと同等程度まで深くすることが出来る。深さがサイプ深さの80%未満であると摩耗末期までエッジ効果及び除水効果が得られなくなり、100%より大きいと金型からの離型性が低下する。
図2は、本発明のブロックの一例を示し、第1小穴6aがそれぞれサイプ4の延長線上に配置されている。このとき、サイプ4の終端と第1小穴6aとの距離が0.5mm以上であることが好ましく、更に好ましくは1.0mm以上であるとよい。図3は、ブロックの他の例を示し、第1小穴6aがそれぞれタイヤ周方向に隣接するサイプ4の延長線間に配置されている。この場合、サイプ4の終端と第1小穴6aとの距離が0.5mm以上であることが好ましく、更に好ましくは1mm以上であるとよい。これら図2及び3のどちらの場合も、サイプ4の終端と第1小穴6aとの距離が上述の範囲よりも小さいと、サイプ4と第1小穴6aとの間が薄くなるため耐久性が悪化する。
図2、3において、第1小穴6aはタイヤ周方向に一直線上に配置されていたが、図4(a)及び(b)に示すように、タイヤ周方向に隣接する第1小穴6a同士が互いにタイヤ幅方向にオフセットするように配置するようにしてもよい。このようにして、タイヤ周方向の同一直線上に重なる第1小穴6aを減少させることで除水効果をさらに向上することが出来る。
図5、6に示すように、サイプ4を縦溝1に連通させずにブロック3内で終端するようにしてもよい。この場合、サイプ4の幅方向終端部とブロック3の幅方向端部との間にタイヤ周方向に連続する第2陸部7が形成され、この第2陸部7に第2小穴6bを設けるようにするとよい。このとき、第2小穴6bは、図5に示すように、それぞれサイプ4の延長線上に配置しても、図6に示すように、それぞれタイヤ周方向に隣接するサイプ4の延長線間に配置してもよい。
一般に、ブロック剛性を確保するためには、サイプ4の溝に連通する部分にサイプ深さを浅くした底上げ部を形成しているが、その場合、摩耗末期には底上げ部のサイプがなくなりサイプが短くなるため、エッジ効果が低下してしまう。そのため、本発明のように底上げ部を設ける代わりにサイプをなくして第2陸部7を形成し、第2小穴6bを設けることで、ブロック剛性を確保しつつ摩耗末期までエッジ効果を得ることが出来る。
このとき、第2陸部7の幅、即ち、サイプ4の幅方向終端部とブロック3の幅方向端部との距離は1.5〜8mmであることが好ましく、更に好ましくは、3〜5mmであるとよい。この距離が1.5mmより小さいと、ブロック剛性が低下し、ドライ性能が低下する。逆に、この距離が8mmより大きいと、エッジ効果及び除水効果が低下し、氷上性能が低下する。
第2小穴6bは、ブロック3の幅方向端部から0.5mm以上離間すると共に、サイプ4の幅方向終端部から0.5mm以上離間していることが好ましい。第2小穴6bとブロック3の幅方向端部との離間距離及び第2小穴6bとサイプ4の幅方向終端部との離間距離が上述の範囲より小さいと、第2小穴6bとブロック3又はサイプ4の端部との間が薄くなるため耐久性が悪化する。
更に、第2小穴6bをサイプ4の延長線上に設けるときは、サイプ4の終端と第2小穴6bとの距離が0.5mm以上であることが好ましく、更に好ましくは1.0mm以上であるとよい。また、第2小穴6bをサイプ4の延長線間に設けるときは、サイプ4の終端と第2小穴6bとの距離が0.5mm以上であることが好ましく、更に好ましくは1.0mm以上であるとよい。このどちらの場合であっても、サイプ4の終端と第2小穴6bとの距離が上述の範囲よりも小さいと、サイプ4と第2小穴6bとの間が薄くなるため耐久性が悪化する。
図5、6において、第2小穴6bはタイヤ周方向に一直線上に配置されていたが、図7(a)及び(b)に示すように、タイヤ周方向に隣接する第2小穴6b同士が互いにタイヤ幅方向にオフセットするように配置するようにしてもよい。このようにして、タイヤ周方向の同一直線上に重なる第2小穴6bを減少させることで除水効果をさらに向上することが出来る。
図8に示すように、ブロック3の周方向端部と周方向最外側に配置されたサイプ4との最小間隔Lを、ブロック3の中央部におけるタイヤ周方向のサイプの最小間隔Lの1.2〜2.5倍にすると共に、ブロック3の周方向端部と周方向最外側のサイプ4との間の第3陸部8に第3小穴6cを配置するとよい。ブロック3の周方向端部にサイプの代わりに第3小穴6cを設けることで、ブロック3の接地前端及び後端の剛性を向上し、ドライ性能を向上することが可能である。
ブロック端部と最外側サイプとの最小間隔Lが、ブロック中央部におけるタイヤ周方向のサイプの最小間隔Lの1.2倍より小さいと、ブロック剛性が不足し、特にドライ性能が低下する。一方、2.5倍以上ではサイプや小穴がない領域が拡大するので、エッジ効果が不足して氷上性能が低下する。
更に、図9(a)〜(d)に示すように、タイヤ周方向に隣接するサイプ4間に更に第4小穴6dを設けてもよい。図9(a)及び(b)は、図3の例を基礎として、隣接するサイプ4間に、第4小穴6dを一直線上、或いは隣接する第4小穴6d同士が互いにタイヤ幅方向にオフセットするように配置した例である。図9(c)は、図6を基礎として、隣接するサイプ4間に、隣接する第4小穴6d同士が互いにタイヤ幅方向にオフセットするように第4小穴6dを配置した例である。図9(d)は、図8を基礎として、隣接するサイプ4間に、隣接する第4小穴6d同士が互いにタイヤ幅方向にオフセットするように第4小穴6dを配置した例である。
このように第4小穴6dを追加して設けることで、ブロック剛性を維持したまま、更に氷上性能を向上することが出来る。特に、図9(b)〜(d)のように、第4小穴6dをタイヤ幅方向にオフセットするように設けると、周方向の同一直線上に重なる小穴が減少するので除水性能を更に向上することが出来る。
図5〜9の実施形態において設けられる第2小穴6b、第3小穴6c、第4小穴6dの形状は、いずれも前述の第1小穴6aと同様の形状にすればよい。即ち、径を0.3〜3.0mmにすることが好ましく、更に好ましくは、0.5〜1.5mmにするとよい。この径が0.3mmより小さいと充分なエッジ効果及び除水効果が得られず、3.0mmより大きいと実接地面積が減少し、氷上性能の向上が不充分となる。また、配置間隔を2〜7mmにすることが好ましく、更に好ましくは、3〜6mmにするとよい。この配置間隔が2mmより小さいと第2小穴6b間の陸部の耐久性が低下し、7mmより大きいとブロック当たりに設けられる第2小穴6bが減少するので充分なエッジ効果及び除水効果が得られなくなる。また、第2小穴6bの深さはサイプ深さの80〜100%にするとよく、更に好ましくは、85〜100%にするとよい。深さがサイプ深さの80%未満であると摩耗末期までエッジ効果及び除水効果が得られなくなり、100%より大きいと金型からの離型性が低下する。
尚、本発明は、前述の実施形態の説明に限定されるものではなく、その他、種々の態様で実施可能である。
タイヤサイズを215/60R16で共通にし、表1に記載のようにトレッドパターン、底上げ部の有無、サイプ深さに対する底上げ部の深さ、及び、サイプ深さに対する小穴深さを異ならせた従来例1、2及び実施例1〜8の10種類の空気入りタイヤを製作した。
従来例1は、図10に対応し、小穴は設けずに単にサイプをブロック中心部で分断した例である。従来例2は、図11に対応し、サイプを分断せずにサイプで分割された小ブロックにそれぞれ小穴を設けた例である。また、従来例1、2はいずれもサイプのタイヤ幅方向外側に底上げ部を有している。
実施例1、2、3は、それぞれ図2、3、4(b)に対応し、各ブロックにおいて、サイプを分断して第1陸部を形成し、そこに第1小穴を設けると共に、タイヤ幅方向端部に底上げ部を設けた例である。実施例1は小穴がサイプの延長線上にある例、実施例2は小穴がサイプの延長線間にある例、実施例3は小穴がサイプの延長線間にあると共に隣接する小穴同士が互いに幅方向にオフセットしている例である。
実施例4は、図5に対応し、実施例1に対して、更にサイプをブロック内で終端させ第2陸部を形成すると共に、サイプの延長線上に位置する第2小穴を設けた例である。実施例5は、図6に対応し、実施例2に対して、更にサイプをブロック内で終端させ第2陸部を形成すると共に、第2陸部にサイプの延長線間に位置する小穴を設けた例である。実施例6は、図7(b)に対応し、実施例3に対して、更にサイプをブロック内で終端させ第2陸部を形成すると共に、第2陸部にサイプの延長線間に位置する第2小穴を設け、その第2小穴をタイヤ幅方向にオフセットさせた例である。
実施例7は、図8に対応し、実施例4に対して、タイヤ周方向最外側のサイプを第3小穴に置換した例である。また、実施例8は、図9(d)に対応し、実施例7に対して、更にサイプ間に小穴を設けた例である。
これら10種類のタイヤについて、16×7Jのリムに組み付け、空気圧230kPaを充填して、それぞれ2500ccの国産後輪駆動車に取り付けて下記の方法で氷上制動性、ドライ制動性、及び、摩耗時氷上制動性を評価した。
氷上制動性
テストコースにおいて、上記車両が40km/hの走行状態から停止するまでの距離を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数で示した。指数値が大きいほど氷上制動性が優れている。
ドライ制動性
テストコースにおいて、上記車両が100km/hの走行状態から停止するまでの距離を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数で示した。指数値が大きいほどドライ制動性が優れている。
摩耗時氷上制動性
テストコースの周回路において、上記車両を用いて一定の走行パターンで12000kmを走行した後、テストコースにおいて、上記車両が40km/hの走行状態から停止するまでの距離を測定した。評価結果は測定値の逆数を用い、各試験タイヤの新品時を100とする指数で示した。指数値が大きいほど氷上制動性が優れている。
Figure 2011148472
従来例1が基準である。従来例2は、小穴の効果により氷上制動性及び摩耗時氷上制動性が従来例1よりも向上するものの、ブロック剛性が低下するためドライ制動性が大幅に悪化した。実施例1〜3は、氷上制動性及び摩耗時氷上制動性を従来例1よりも向上すると共にドライ制動性を小穴を有さない従来例1のレベルに維持した。実施例4〜8は、実施例1〜3と同様に氷上制動性を向上すると共にドライ制動性を維持し、更に、摩耗時にも新品時レベルの氷上制動性が維持できるので摩耗時氷上制動性が大幅に向上した。
1 縦溝
2 横溝
3 ブロック
4 サイプ
5 第1陸部
6 小穴
6a 第1小穴
6b 第2小穴
6c 第3小穴
6d 第4小穴
7 第2陸部
8 第3陸部

Claims (10)

  1. トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の縦溝とタイヤ幅方向に延びる複数本の横溝とを設け、これら縦溝及び横溝によって複数のブロックを区画形成した空気入りタイヤにおいて、
    前記ブロックのそれぞれに、タイヤ幅方向へ延びる複数本のサイプをタイヤ周方向に間隔をおいて形成し、前記複数本のサイプを前記ブロックのタイヤ幅方向中央で分断して前記ブロックのタイヤ幅方向中央部にタイヤ周方向に連続する第1陸部を形成し、該第1陸部に複数個の第1小穴を設けた空気入りタイヤ。
  2. 前記第1小穴の深さを前記サイプの深さの80〜100%にした請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1小穴をそれぞれ前記サイプの延長線上に配置した請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1小穴をそれぞれタイヤ周方向に隣接するサイプの延長線間に配置した請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第1小穴をタイヤ周方向に一直線上に配置した請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1小穴をタイヤ周方向に隣接する前記第1小穴同士が互いにタイヤ幅方向にオフセットするように配置した請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記サイプを前記縦溝に連通させずに前記ブロック内で終端させて、前記サイプの幅方向終端部と前記ブロックの幅方向端部との間にタイヤ周方向に連続する第2陸部を形成し、該第2陸部に第2小穴を設けた請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記第2小穴の深さを前記サイプの深さの80〜100%にした請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ブロックの周方向端部と周方向最外側に配置された前記サイプとの最小間隔を、ブロックの周方向中央部における前記サイプのタイヤ周方向の最小間隔の1.2〜2.5倍にすると共に、前記ブロックの周方向端部と前記周方向最外側のサイプとの間の第3陸部に第3小穴を配置した請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記第3小穴の深さを前記サイプの深さの80〜100%にした請求項9に記載の空気入りタイヤ。
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