JP2011121093A - レーザ加工装置およびこれを用いた工具のレーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工装置およびこれを用いた工具のレーザ加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 工具等の移動や回転状態に応じたレーザ加工により高い寸法精度が得られるレーザ加工装置およびこれを用いた工具のレーザ加工方法を提供すること。
【解決手段】 被加工対象物Iにレーザ光Lを照射して加工する装置であって、入力されるトリガー信号によりレーザ光を発振して被加工対象物Iに照射するレーザ照射機構2と、回転軸6aに被加工対象物Iを保持して移動または回転させると共に移動ステージの移動変位量または回転軸6aの回転変位量をエンコーダ信号として出力可能な移動機構4と、エンコーダ信号をカウントすると共に任意に設定したカウント数毎にトリガー信号をレーザ照射機構2へ出力するトリガー信号発生回路部5と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、cBN工具等の加工に好適なレーザ加工装置およびこれを用いた工具のレーザ加工方法に関する。
通常、超高圧焼結体であるcBN(立方晶窒化ホウ素)焼結体を使用したcBN工具は、cBN焼結体をワイヤー放電加工によりチップ状に加工し、工具母材へロウ付けした後、さらに精密研磨装置にて形状を作製して切削インサート工具としている。極小のインサート工具を精密研磨装置に固定し研磨する場合、工具自体が小さいため、砥石に接触した際に、ロウ付け部からの剥離やチッピング、がたつき等による寸法精度の低下等の問題があった。
従来、精密研磨装置以外で工具を加工する方法として、例えば特許文献1には、丸チップのすくい面に逆角錐台形状のくぼみをレーザ光による加工で形成する方法が提案されている。なお、この方法では、超高圧焼結体の表面を加工すべく、ガルバノメーターミラーにより集光性を高めた波長1064nmの高出力パルスYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザを用いている。
特許第3698207号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記従来の工具のレーザ加工技術では、通常の一般的なレーザ加工機を採用するため、高速回転が可能な大型のモータが必要になるなど装置自体が大きく、制御が難しいなどにより高コストになるだけでなく、加工機を動作させた直後のステージや各軸が動き出す加速時や停止時の減速時に、レーザ光が過度に照射され、加工面が粗くなることや充分な寸法精度が得られない等の不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、工具等の移動や回転状態に応じたレーザ加工により高い寸法精度が得られるレーザ加工装置およびこれを用いた工具のレーザ加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のレーザ加工装置は、被加工対象物にレーザ光を照射して加工する装置であって、入力されるトリガー信号によりレーザ光を発振して前記被加工対象物に照射するレーザ照射機構と、移動ステージまたは回転軸に前記被加工対象物を保持して移動または回転させると共に前記移動ステージの移動変位量または前記回転軸の回転変位量をエンコーダ信号として出力可能な移動機構と、前記エンコーダ信号をカウントすると共に任意に設定したカウント数毎に前記トリガー信号を前記レーザ照射機構へ出力するトリガー信号発生回路部と、を備えていることを特徴とする。
このレーザ加工装置では、エンコーダ信号をカウントすると共に任意に設定したカウント数毎にトリガー信号をレーザ照射機構へ出力するトリガー信号発生回路部を備えているので、設定したカウント数に対応した一定の距離毎または回転量毎にレーザ光が1発分照射されることで、移動距離または回転量に応じたレーザ光照射が可能になる。したがって、加工時に移動または回転させられる被加工対象物の加減速領域でも、一定速度領域と同等の加工が可能になり、加工面の荒れを抑制すると共に高い寸法精度を得ることができる。特に、加工始点と加工終点とを決めてレーザ加工したい場合などに加工領域全体で同様の加工性状が得られる。また、被加工対象物を一定速度に高速移動又は高速回転させる必要が無く、小型のモータ等を用いて装置全体を小型化することが可能である。すなわち、回転位置・速度(加減速)によらず、同じ間隔や重なり量でレーザ光を照射可能になり、加工始点および加工終点の位置決めが可能になる。このため、低速度で回転させた場合でも、擬似的に高速移動または高速回転させたときと同様な加工が可能になり、モータ等のスペックを下げることも可能になる。
また、本発明のレーザ加工装置は、前記移動機構が、保持された前記被加工対象物を互いに直交する3方向に移動可能な前記移動ステージと、保持された前記被加工対象物を水平軸に対して傾斜可能な傾斜機構と、を備え、前記レーザ照射機構が、照射するレーザ光を走査させるガルバノスキャナを備えていることを特徴とする。
すなわち、このレーザ加工装置では、移動ステージと、傾斜機構と、ガルバノスキャナと、を備えているので、被加工対象物を通常のX軸、Y軸、Z軸の3方向に加えて傾斜方向にも移動可能であると共にガルバノスキャナでレーザ光の照射方向も制御することで、被加工対象物に対するレーザ光の照射位置および照射角度を3次元的に自在に制御可能である。
本発明の工具のレーザ加工方法は、被加工対象物として工具母材にロウ付けしたチップ状焼結体にレーザ光を照射して加工する方法であって、上記本発明のレーザ加工装置により、前記チップ状焼結体の加工面に対して略水平にレーザ光を照射する第1加工工程と、該第1加工工程後に、前記チップ状焼結体の加工面に対して略垂直にレーザ光を照射する第2加工工程と、を有し、前記第2加工工程において、レーザ光を前記第1加工工程よりも低パルスエネルギーに設定または高速に走査して照射することを特徴とする。
すなわち、この工具のレーザ加工方法では、第2加工工程において、レーザ光を第1加工工程よりも低パルスエネルギーに設定または高速に走査して照射するので、第1加工工程の加工痕を低パルスエネルギーのレーザ光または高速走査されるレーザ光でならし、チップ状焼結体の加工面を滑らかに、かつ高い寸法精度で加工することができる。したがって、第1加工工程で最終製品形状に切断し、第2加工工程で加工痕をならして粗い研磨状態にすることができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るレーザ加工装置によれば、エンコーダ信号をカウントすると共に任意に設定したカウント数毎にトリガー信号をレーザ照射機構へ出力するトリガー信号発生回路部を備えているので、被加工対象物の加減速領域でも、一定速度領域と同等の加工が可能になり、加工面の荒れを抑制すると共に高い寸法精度を得ることができる。また、このレーザ加工装置を用いた本発明の工具のレーザ加工方法によれば、第2加工工程において、レーザ光を第1加工工程よりも低パルスエネルギーに設定または高速に走査して照射するので、チップ状焼結体の加工面を滑らかに、かつ高い寸法精度で加工することができる。
したがって、cBN工具等を精密研磨装置で研磨する際に、外観形状が本発明のレーザ加工方法でほぼ作製されているため、砥石が接触する際のロウ付け部からの剥離や、チッピング、がたつき等による寸法精度の低下等を防ぐことが可能になり、かつ消耗品である砥石の寿命を大幅に伸ばすことが可能になる。また、レーザ光による研削のみで使用可能な工具については、この研磨工程自体を省くことが可能になり、低コストで作製することができる。
本発明に係るレーザ加工装置およびこれを用いた工具のレーザ加工方法の一実施形態において、レーザ加工装置を示す全体の構成図である。 本実施形態において、工具のレーザ加工方法を工程順に示す説明図である。 本実施形態において、工具のレーザ加工方法を工程順に示す説明図である。 本実施形態において、回転開始時の回転速度に対するエンコーダ信号とトリガー信号との関係を示す図である。 本実施形態において、エンコーダ信号とトリガー信号との合成工程を示すフローチャートである。 本実施形態の場合および従来例の場合において、加工開始時における加工形状(断面)を示す模式図である。 本発明に係る工具のレーザ加工方法の従来例(a)および実施例(b)において、レーザ加工を行った加工面の加工痕を示す拡大図である。
以下、本発明に係るレーザ加工装置およびこれを用いた工具のレーザ加工方法の一実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態のレーザ加工装置1は、被加工対象物として工具母材にロウ付けしたcBN焼結体等のチップ状焼結体にレーザ光を照射して加工する装置であって、図1に示すように、入力されるトリガー信号によりレーザ光Lを発振して被加工対象物Iに照射するレーザ照射機構2と、移動ステージ3上の回転軸6aに被加工対象物Iを保持して回転させると共に回転軸6aの回転変位量をエンコーダ信号として出力可能な移動機構4と、エンコーダ信号をカウントすると共に任意に設定したカウント数毎にトリガー信号をレーザ照射機構2へ出力するトリガー信号発生回路部5と、を備えている。
上記移動機構4は、被加工対象物Iを回転軸6aの先端に保持して回転させるモータ6と、保持された被加工対象物Iを互いに直交する3方向に移動可能な移動ステージ3と、保持された被加工対象物Iを水平軸に対して傾斜可能な傾斜機構7と、被加工対象物Iを保持するモータ6を水平方向に移動可能な水平移動機構8と、からなる駆動機構を備えている。
上記移動ステージ3は、水平面に平行なX方向に移動可能なX軸ステージ部3xと、該X軸ステージ部3x上に設けられX方向に対して垂直なかつ水平面に平行なY方向に移動方向なY軸ステージ部3yと、該Y軸ステージ部3y上に設けられ水平面に対して垂直方向に移動可能なZ軸ステージ部3zと、で構成されている。
上記傾斜機構7は、Z軸ステージ部3z上に傾斜軸7aを配して任意の傾斜角度で傾斜可能な傾斜台部7bを有している。
また、上記水平移動機構8は、傾斜台部7b上に水平軸を配して水平方向に移動可能な水平移動部8aを有している。
上記モータ6は、水平移動部8a上に設置されている。
上記レーザ照射機構2は、トリガー信号によりレーザ光を発振するレーザ光源9と、照射するレーザ光を走査させるガルバノスキャナ10と、保持された被加工対象物Iを加工位置を確認するために撮像するCCDカメラ11と、を備えている。
上記レーザ光源9は、固体レーザ光のうち熱影響が少ない2倍波から5倍波が採用され、例えばNd:YAGレーザ光の2倍波である波長532nmのレーザ光Lを発振して出射する構成となっている。
このレーザ光源9は、Qスイッチのトリガー信号が入力されると上記波長のレーザ光Lを発振するようにトリガー信号発生回路部5に接続されている。
レーザ光Lのパルスエネルギーは、5mJ〜0.2mJに設定される。特に、切断時は高いパルスエネルギーの5mJ〜1mJ程度に設定し、研磨時には低いパルスエネルギーの0.1mJ〜0.5mJ程度に設定することで、短時間で表面粗さRz<2μmの研磨面が得られる。なお、切断時に5mJより高いパルスエネルギーを投入したとしても切断速度はほぼ変化しないと共に、2mJより低いパルスエネルギーであると切断自体が困難になる。また、研磨時に0.2mJより低いパルスエネルギーであると加工除去物の影響により加工深さが安定しないと共に、0.5mJより高いパルスエネルギーであると加工面が荒れて表面粗さRz<2μmを得ることが困難となる。
上記ガルバノスキャナ10は、傾斜機構7および水平移動機構8の直上に配置されている。また、上記CCDカメラ11は、ガルバノスキャナ10に隣接して設置されている。
上記トリガー信号発生回路部5は、例えば回転軸6aの1/2850回転に相当するエンコーダ信号のカウント数でトリガー信号を1回出力するように設定される。
次に、本実施形態のレーザ加工装置1を用いた工具のレーザ加工方法について、図2から図5を参照して説明する。
本実施形態のレーザ加工方法は、図2の(a)に示すように、例えば被加工対象物Iとして工具母材12にロウ付けしたcBN焼結体等のチップ状焼結体13にレーザ光Lを照射して加工する方法であって、上記レーザ加工装置1により、チップ状焼結体13の加工面に対して略水平にレーザ光Lを照射する第1加工工程と、該第1加工工程後に、チップ状焼結体13の加工面に対して略垂直にレーザ光Lを照射する第2加工工程と、を有している。
また、上記第2加工工程において、レーザ光Lを第1加工工程よりも低パルスエネルギーに設定または高速に走査して照射している。
このレーザ加工方法の一例について詳述すると、まず第1加工工程として、図2の(b)(c)に示すように、移動機構4の多軸制御によって保持した被加工対象物Iの位置および傾きを調整して、被加工対象物Iを移動および回転させると共に、ガルバノスキャナ10でレーザ光Lを走査することにより、加工面に水平にレーザ光Lを照射して最終製品形状に加工する。このとき、レーザ光Lは、例えば波長532nmで0.5mJ/Pulseに設定される。
ここで、実際の角度は指定されたテーパ角度にレーザ光Lの加工角度を足した分、傾斜機構7の傾斜軸7aを動作させる。例えば、指定された角度が20度である場合、レーザ光Lの加工角度(例えば、6度)を足した26度に傾斜軸7aを合わせる。この際、加工位置確認用のCCDカメラ11にて加工位置を確認する。確認後、レーザ光照射位置へと移動ステージ3を動作させ、ガルバノスキャナ10を用いて工具母材12に沿ってレーザ光Lを照射して加工する。さらに、工具母材12の他の辺も同様に加工を行う。
次に、上記CCDカメラ11にてチップ状焼結体13のノーズアール部分の加工開始位置を決定する。レーザ光照射位置に移動ステージ3を動作させ、モータ6を駆動して回転軸6aを回転させる。この際、レーザ光Lのトリガー信号は回転軸6aのエンコーダ信号と同期させておく。
すなわち、チップ状焼結体13のノーズアール部分については、回転軸6aのエンコーダ信号をカウントし、移動距離に応じたレーザ光Lのトリガー信号を発生させることにより、移動機構4(本工程では、モータ6)の加減速領域でも一定速度領域と同様の加工が可能になる。例えば、従来のレーザ加工方法では、被加工対象物Iの加工形状(断面)が、図6の(a)に示すように、加工開始直後の回転速度の加速領域で、一定の回転速度となった領域よりも多く加工痕が重なって一定回転速度領域よりも深くかつ広く加工されてしまうのに対し、本実施形態のレーザ加工方法では、図6の(b)に示すように、加工開始直後も一定回転速度領域と同様の間隔で加工痕が形成される。
なお、このとき、エンコーダ信号とトリガー信号との合成は、図5に示すように、エンコーダ信号が出力されると(ステップS1)、トリガー信号発生回路部5のカウンタがエンコーダ信号をカウントし(ステップS2)、外部データ入力で設定されたカウント数毎(何μmで1回など)にトリガー信号を1回出力して、レーザ光源9からレーザ光Lを1ショット発生させる(ステップS3)。このとき、発生させるレーザ光Lは、外部データ入力で設定されたパルス幅に設定される。さらに、出力したトリガー信号は、ジャイアントパルス制御回路により外部データ入力で設定されたレーザ周波数等の条件に設定され(ステップS4)、RF(高周波)ドライバによってレーザ光源9のQスイッチへ出力される(ステップS5)。
次に、第2加工工程として、図3の(a)に示すように、傾斜機構7で被加工対象物Iを傾斜させ、加工面に垂直にレーザ光Lを照射する角度に制御し、図3の(b)に示すように、第1加工工程よりも低いパルスエネルギーまたは高速の走査でレーザ光Lを照射して研磨し、第1加工工程で残った加工痕をならす。
このとき、レーザ光Lは、例えば波長532nmで0.02mJ/Pulseに設定される。また、レーザビームの集光径の1/3程度のピッチにて走査することにより、レーザ光Lによる研磨面が表面粗さRz<2μmにすることが可能である。
上述したように、第1加工工程では高い出力またはパルスエネルギーでレーザ光Lを照射することにより、わずかな加工時間で大まかな形状を作製することができる。この際、切断面はレーザ光Lのパルス形状に応じた加工痕で荒れているが、第2加工工程で、低パルスエネルギーまたは高速で走査したレーザ光Lの照射により、レーザ光Lの加工痕をならし、粗い研磨状態(表面粗さRz<2μm)にすることが可能になる。
また、チップ状焼結体13のノーズアール部分については、従来のレーザ加工機によるガルバノスキャナを用いたレーザ加工方法の場合、ノーズアール部分のテーパに対応することが難しいが、本実施形態では、パルスの同期および回転軸6aの動作によりテーパ付きのノーズアール部分の作製が可能になる。
このように本実施形態のレーザ加工装置1では、エンコーダ信号をカウントすると共に任意に設定したカウント数毎にトリガー信号をレーザ照射機構2へ出力するトリガー信号発生回路部5を備えているので、設定したカウント数に対応した一定の距離毎または回転量毎にレーザ光Lが1発分照射されることで、移動距離または回転量に応じたレーザ光照射が可能になる。したがって、加工時に移動または回転させられる被加工対象物Iの加減速領域でも、一定速度領域と同等の加工が可能になり、加工面の荒れを抑制すると共に高い寸法精度を得ることができる。
特に、加工始点と加工終点とを決めてレーザ加工したい場合などに加工領域全体で同様の加工性状が得られる。また、被加工対象物Iを一定速度に高速移動又は高速回転させる必要が無く、小型のモータ等を用いて装置全体を小型化することが可能である。すなわち、回転位置・速度(加減速)によらず、同じ間隔や重なり量でレーザ光Lを照射可能になり、加工始点および加工終点の位置決めが可能になる。このため、低速度で回転させた場合でも、擬似的に高速移動または高速回転させたときと同様な加工が可能になり、モータ等のスペックを下げることも可能になる。
また、移動ステージ3と、傾斜機構7と、ガルバノスキャナ10と、を備えているので、被加工対象物Iを通常のX軸、Y軸、Z軸の3方向に加えて傾斜方向にも移動可能であると共にガルバノスキャナ10でレーザ光Lの照射方向も制御することで、被加工対象物Iに対するレーザ光の照射位置および照射角度を3次元的に自在に制御可能である。
また、本実施形態のレーザ加工方法では、第2加工工程において、レーザ光Lを第1加工工程よりも低パルスエネルギーに設定または高速に走査して照射するので、第1加工工程の加工痕を低パルスエネルギーのレーザ光Lまたは高速走査されるレーザ光Lでならし、チップ状焼結体13の加工面を滑らかに、かつ高い寸法精度で加工することができる。したがって、第1加工工程で最終製品形状に切断し、第2加工工程で加工痕をならして粗い研磨状態にすることができる。
次に、上記実施形態のレーザ加工装置を用いて実際に工具を加工した実施例について、図7を参照して説明する。
Siウェハを被加工対象物とし、その表面を上記実施形態のレーザ加工装置を用いて直線状に加工した表面の拡大画像を、図7の(a)に示す。なお、従来例として、従来のレーザ加工によって同様に加工した表面の拡大画像も、図7の(b)に示す。
この結果からわかるように、従来のレーザ加工では、被加工対象物の加工形状(断面)が、加工開始直後では、加工痕が多く重なって他の領域よりも広い幅で加工されてしまっているのに対し、本実施例のレーザ加工では、加工開始直後も他の領域と同様の間隔で加工痕が形成され、全体に均一な幅で加工されている。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態における傾斜機構の傾斜ステージをゴニオステージ等に置き換えることも可能である。さらに、加工位置確認用のCCDカメラを、ガルバノスキャナに隣接して設置される以外に、レーザ照射機構に設けられる加工光学系と光学的に同軸に設置してもかまわない。
また、上記実施形態では、回転軸に被加工対象物を保持して回転させると共に回転軸の回転変位量をエンコーダ信号として出力しているが、特定方向へスライドさせる場合、すなわち移動ステージに被加工対象物を保持して一方向に移動させる場合にも適用可能であり、移動ステージの移動変位量をエンコーダ信号として出力しても構わない。
さらに、移動機構における各駆動機構を同期して動作させ、且つ各々のエンコーダ信号を出力し、それぞれに対応してトリガー信号発生回路部にカウンタを設け、その出力を加算器にて合成、比較器を用い、2軸以上のエンコーダ信号から、トリガー信号を発生させることにより、3次元での移動追従加工や、螺旋形態の加工を実施することが可能となる。これによりインサート工具だけでなく、ドリルやエンドミルといった工具への応用も可能となる。さらにはエンコーダ信号の合成を用いることにより、水平移動機構の機能をX軸とZ軸との同期によって実現させ、水平移動にかかる機構をより簡略化することが可能となる。
本発明のレーザ加工装置およびこれを用いた工具のレーザ加工方法は、微小インサート工具等の加工に用いられ、特にcBN焼結体等の超高圧焼結体を用いた工具の加工に好適である。
1…レーザ加工装置、2…レーザ照射機構、3…移動ステージ、4…移動機構、5…トリガー信号発生回路部、6a…回転軸、7…傾斜機構、10…ガルバノスキャナ、12…工具母材、13…チップ状焼結体、L…レーザ光、I…被加工対象物

Claims (3)

  1. 被加工対象物にレーザ光を照射して加工する装置であって、
    入力されるトリガー信号によりレーザ光を発振して前記被加工対象物に照射するレーザ照射機構と、
    移動ステージまたは回転軸に前記被加工対象物を保持して移動または回転させると共に前記移動ステージの移動変位量または前記回転軸の回転変位量をエンコーダ信号として出力可能な移動機構と、
    前記エンコーダ信号をカウントすると共に任意に設定したカウント数毎に前記トリガー信号を前記レーザ照射機構へ出力するトリガー信号発生回路部と、を備えていることを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ加工装置において、
    前記移動機構が、保持された前記被加工対象物を互いに直交する3方向に移動可能な前記移動ステージと、
    保持された前記被加工対象物を水平軸に対して傾斜可能な傾斜機構と、を備え、
    前記レーザ照射機構が、照射するレーザ光を走査させるガルバノスキャナを備えていることを特徴とするレーザ加工装置。
  3. 被加工対象物として工具母材にロウ付けしたチップ状焼結体にレーザ光を照射して加工する方法であって、
    請求項1または2に記載のレーザ加工装置により、前記チップ状焼結体の加工面に対して略水平にレーザ光を照射する第1加工工程と、
    該第1加工工程後に、前記チップ状焼結体の加工面に対して略垂直にレーザ光を照射する第2加工工程と、を有し、
    前記第2加工工程において、レーザ光を前記第1加工工程よりも低パルスエネルギーに設定または高速に走査して照射することを特徴とする工具のレーザ加工方法。
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