JP2002273584A - レーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工装置

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JP2002273584A
JP2002273584A JP2001075990A JP2001075990A JP2002273584A JP 2002273584 A JP2002273584 A JP 2002273584A JP 2001075990 A JP2001075990 A JP 2001075990A JP 2001075990 A JP2001075990 A JP 2001075990A JP 2002273584 A JP2002273584 A JP 2002273584A
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laser
laser beam
irradiation
position detection
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JP2001075990A
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English (en)
Inventor
Shinji Takahashi
慎治 高橋
Masanari Watanabe
眞生 渡辺
Takashi Akaha
崇 赤羽
Seiichi Morimoto
精一 森本
Katsuto Takada
勝人 高田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 XYテーブル(ワーク)の加速領域及び減速
領域においても良好なレーザ加工を行うことができるレ
ーザ加工装置を提供する。 【解決手段】 ワークを搭載したXYテーブルの加速領
域及び減速領域において、ワークの移動位置をリアルタ
イムエンコーダ8により検出し、この位置検出信号を位
置決めユニット22をバイパスして直接比較回路23に
入力するように構成とするとともに、この比較回路では
位置検出信号と位置決めユニットから入力した目標照射
位置とを比較して、ワークの移動位置が目標照射位置に
達するごとにパルスレーザ発振器1へレーザ光の発振指
令信号を出力するよう構成する。或いは、出力調整回路
により、ワークの移動速度に応じて連続レーザ発振器の
出力を調整することにより、ワークに照射されるレーザ
光のエネルギが一様になるように調整するよう構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ加工装置に関
し、具体的にはXYテーブル(ワーク)の加速領域及び
減速領域においてもレーザ加工を行うことを可能にした
レーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ワークに対して薄膜の剥離のような微細
加工等を施す場合、従来のレーザ加工装置では、ワーク
を搭載したXYテーブルの等速領域において、一定周波
数のパルス(PW)レーザ発振を行うことにより、前記
ワークに等ピッチで点状のレーザ加工を行っていた。点
状のレーザ加工を等ピッチで行うことにより、全体とし
て線状に加工される(図3参照)。
【0003】詳述すると、ワークをXYテーブルによっ
て目標位置まで移動させる場合、XYテーブル(ワー
ク)の速度分布は図7に示すような加速領域と等速領域
と減速領域とからなる。加速領域ではXYテーブル(ワ
ーク)が移動開始(速度ゼロ)から所定速度に達するま
で徐々に加速しながら移動し、等速領域ではXYテーブ
ル(ワーク)が前記所定速度を維持して(一定速度で)
移動し、減速領域ではXYテーブル(ワーク)が前記所
定速度から移動停止(速度ゼロ)に至るまで徐々に減速
しながら移動する。
【0004】そして、これらの速度領域のうち、従来は
等ピッチ加工が容易な等速領域においてのみレーザ加工
を行っていた。つまり、等速領域であれば、一定の発振
周波数でパルスレーザ光を発振するだけで容易に等ピッ
チ加工を行うことができるためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来は
等速領域においてのみレーザ加工を行い、加速領域及び
減速領域ではレーザ加工を行っていなかった。ところ
が、長距離の線状加工であればあまり問題にはならない
が、短距離の線状加工を繰り返し行うような場合にはX
Yテーブルの起動・停止を頻繁に繰り返すことになり、
レーザ加工が行われない加速領域及び減速領域の割合が
大きくなるため、時間のロスが大きくなってタクトタイ
ムが長くなる。更には、等速領域において例えば500
mmの線状加工を行う場合、この前後に加速領域及び減
速領域のための助走距離として例えば200mm程度の
移動距離を確保しておく必要があるため、XYテーブル
の所要ストロークが長くなり、装置が大型化してしま
う。
【0006】特に、現在開発されている高速のレーザ加
工装置の場合、即ち、パルスレーザ光の発振周波数を例
えば数kHZ とし、XYテーブルの等速領域における速
度を例えば1100mm/secとして高速加工を行う
場合には、加減速時間も長くなり、また、その間の移動
距離も長くなるため、上記のような問題が非常に顕著と
なる。
【0007】従って、本発明は上記のような事情に鑑
み、XYテーブル(ワーク)の加速領域及び減速領域に
おいても良好なレーザ加工を行うことができるレーザ加
工装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
発明のレーザ加工装置は、ワークを搭載したXYテーブ
ルの加速領域及び減速領域において、前記ワークの移動
位置を位置検出手段により検出し、この位置検出手段の
位置検出信号を前記ワークの位置決め手段をバイパスし
て直接比較手段に入力するように構成とするとともに、
この比較手段により、前記位置検出信号と目標照射位置
設定手段から入力した目標照射位置とを比較して、前記
ワークの移動位置が前記目標照射位置に達するごとにパ
ルスレーザ発振器へレーザ光の発振指令信号を出力する
ように構成したことを特徴とする。
【0009】また、第2発明のレーザ加工装置は、ワー
クを搭載したXYテーブルの加速領域及び減速領域にお
いて、前記ワークの移動位置を位置検出手段により検出
し、この位置検出手段の位置検出信号を前記ワークの位
置決め手段をバイパスして直接出力調整手段に入力する
ように構成するとともに、この出力調整手段により、前
記位置検出信号と照射開始終了位置設定手段から入力し
た照射開始位置及び照射終了位置とを比較して前記ワー
クの移動位置が前記照射開始位置に達してから前記照射
終了位置に達するまでの間、前記位置検出信号から求め
た前記ワークの移動速度に応じて連続レーザ発振器の出
力を調整することにより、前記ワークに照射されるレー
ザ光のエネルギが一様になるように調整するよう構成し
たことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0011】<実施の形態1>図1は本発明の実施の形
態1に係るレーザ加工装置の全体概要を示す構成図であ
る。図1に示すように、本実施の形態1のレーザ加工装
置では、Qスイッチ2を備えたYAGレーザ発振器等の
パルス(PW)レーザ発振器1を備えている。このレー
ザ発振器1ではQスイッチ2を備えることによって高繰
り返しパルス発振が可能となっており、例えば3〜4k
Hzの発振周波数でQスイッチ発振を行うことができ
る。
【0012】レーザ発振器1から出力されたパルスレー
ザ光5は、集光レンズ等を備えてなる入射光学系3によ
り光ファイバ4に入射され、この光ファイバ4によって
XYテーブル6の近傍に配設されている加工光学系10
まで伝送される。その後、光ファイバ4から出たレーザ
光5は、集光レンズ等を備えてなる加工光学系10によ
り集光されて、XYテーブル6に搭載されたワーク7へ
照射される。
【0013】かくして、ワーク7には点状のレーザ加工
(薄膜の剥離等)が施され、この点状のレーザ加工を等
ピッチで行うことにより、全体として線状の加工を施す
ことができる。例えば、図2に示すようにワーク7のA
点からB点まで等ピッチΔxで点状のレーザ加工を行う
ことにより、これらの点状加工部12が連続して線状と
なる。なお、図2では矢印A方向がワーク7の移動方向
であり、その逆の矢印B方向が加工方向である。
【0014】図1に示すように、XYテーブル6は、走
行系としてリニアモータ等の駆動装置9を備えており、
この駆動装置9によって水平面内をX方向及びY方向に
高速移動可能となっている。例えば、XYテーブル6で
は1100mm/secの高速移動が可能であり、この
場合、XYテーブル6(ワーク7)の速度分布は図3に
示すような加速領域と等速領域と減速領域とからなる。
加速領域ではXYテーブル6(ワーク7)が移動開始
(速度ゼロ)から所定速度(1100mm/sec)に
達するまで徐々に加速しながら移動し、等速領域ではX
Yテーブル6(ワーク7)が前記所定速度を維持して
(一定速度で)移動し、減速領域ではXYテーブル6
(ワーク7)が前記所定速度から移動停止(速度ゼロ)
に至るまで徐々に減速しながら移動する。
【0015】そして、これらの速度領域において、XY
テーブル6のX方向及びY方向の移動位置は、それぞれ
の移動方向に沿って配設した位置検出手段としての2台
のリアルタイムエンコーダ8によって検出する。このリ
アルタイムエンコーダ8は、微細な位置情報が得られる
高分解能のリニアエンコーダ(リニアスケール)であ
る。
【0016】リアルタイムエンコーダ8の位置検出信号
はコントローラ11に入力され、コントローラ11で
は、前記位置検出信号に基づいて、駆動装置9の駆動制
御を行うことによりXYテーブル6の位置決め(ワーク
7の位置決め)を行うとともに、詳細は後述するが、X
Yテーブル6(ワーク7)の移動位置に同期するように
レーザ発振器1の発振タイミングを制御する。
【0017】ここで図4等に基づき、レーザ発振器1と
XYテーブル6(ワーク7)との同期制御について詳述
する。図4は本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装
置の制御系の主要構成を示すブロック図である。
【0018】図4に示すように、コントローラ11はC
PU21、位置決めユニット22の一部、比較回路23
などによって構成されている。リアルタイムエンコーダ
8の位置検出信号は、ワーク7の位置決め手段としての
位置決めユニット22に入力され、且つ、この位置決め
ユニット22をバイパスして、直接、比較手段としての
比較回路23にも入力される。
【0019】位置決めユニット22はXYテーブル6の
走行系や同走行系を駆動制御する制御系などを有し、ま
た、CPU21から入力した加工情報に基づき比較回路
23に対して目標照射位置を与える目標照射位置設定手
段としての機能も備えている。CPU21では予め入力
された加工情報を記憶しており、この加工情報を位置決
めユニット22に出力する。加工情報としては、例えば
図2に示すようにワーク7のA点からB点までレーザ加
工することを指示するデータなどである。位置決めユニ
ット22では、CPU21から入力した加工情報に基づ
いて目標照射位置を比較回路23に与える。例えば、図
2に示すワーク7のA点の位置を、まず、最初の目標照
射位置として与え、続いて、ワーク7のA点からB点に
至るまでΔxごとの位置を、順次目標照射位置として与
える。
【0020】比較回路23では、位置決めユニット22
から入力した目標照射位置と、リアルタイムエンコーダ
8から入力した位置検出信号とを比較して、ワーク7の
移動位置が目標照射位置に達するごとにレーザ発振器1
へレーザ光の発振指令信号であるON/OFF信号を出
力する。レーザ発振器1では、比較回路23からON/
OFF信号を入力するごとにQスイッチ2が作動してパ
ルス発振を行う。
【0021】以上の処理は、図3に示す加速領域及び減
速領域において行われ、また、ここでは等速領域におい
ても行うこととする。
【0022】加速領域では、ワーク7が徐々に加速しな
がら移動するのに応じて、レーザ発振器1から発振され
るパスルレーザ光の間隔(パルスレーザ光が発振されて
から次のパルスレーザ光が発振されるまでの時間)が徐
々に短くなり、その結果、加速領域であっても、図2に
例示するようにワーク7に対して等ピッチΔxで良好な
レーザ加工が行われる。
【0023】等速領域では、ワーク7が一定速度で移動
するのに応じて、レーザ発振器1から発振されるパスル
レーザ光の間隔も一定となり、その結果、図2に例示す
ようにワーク7に対して等ピッチΔxでレーザ加工が行
われる。なお、等速領域においては、従来のように単に
一定の発振周波数でパルスレーザ光を発振するだけにす
ることも考えられるが、高精度の加工を行うには等速領
域においても、上記の処理を行ってレーザ発振器1とX
Yテーブル6(ワーク7)とを同期させることが望まし
い。
【0024】減速領域では、ワーク7が徐々に減速しな
がら移動するのに応じて、レーザ発振器1から発振され
るパスルレーザ光の間隔が徐々に長くなり、その結果、
減速領域であっても、図2に例示するようにワーク7に
対して等ピッチΔxで良好なレーザ加工が行われる。
【0025】このように、等速領域だけでなく、加速領
域及び減速領域においても良好なレーザ加工を行うこと
ができることから、時間のロスがなく、タクトタイムを
短くすることができる。また、加速領域や減速領域のた
めの無駄な助走距離を確保しておく必要がないため、X
Yテーブル6の所要ストロークが短くなり、装置をコン
パクトにすることができる。特に、これらの効果は、X
Yテーブル6が高速のものであるため、非常に顕著であ
る。
【0026】また、図4に示すように、リアルタイムエ
ンコーダ8における処理時間は500nsec、比較回
路23における処理時間は数百nsec、レーザ発振器
1における処理時間は10μsecである。しかも、C
PU21及び位置決めユニット22において、比較回路
23へ目標照射位置を与えるための処理時間は数百ns
ecである。つまり、位置決めユニット22において目
標照射位置と位置検出信号との比較も行ってON/OF
F信号をレーザ発振器1に出力するようにした場合に
は、処理時間が長くなってしまう。これに対して、本実
施の形態1のようにリアルタイムエンコーダ8から位置
決めユニット22をバイパスして直接比較回路23へ位
置検出信号を入力し、位置決めユニット22では目標照
射位置を与える処理だけを行うようにした場合には、処
理時間が非常に短くなる。
【0027】従って、これらの処理時間を合計しても、
制御系の送れ時間は非常に短くなる。特に、XYテーブ
ル6は高速のものであるため、制御系の遅れが大きい場
合には、ワーク7の移動位置(目標照射位置)とレーザ
光5の発振タイミングとのずれが大きくなって、精度が
悪くなってしまうが、本実施の形態1では、制御系の送
れ時間が非常に短いため、目標照射位置からあまりずれ
ることなく高精度にレーザ光5を照射することができ
る。
【0028】<実施の形態2>図5は本発明の実施の形
態2に係るレーザ加工装置の全体概要を示す構成図であ
る。なお、図5において上記実施の形態1(図1)と同
様の部分には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は
省略する。
【0029】図5に示すように、本実施の形態2のレー
ザ加工装置では、YAGレーザ発振器等の連続(CW)
レーザ発振器31を備えており、このレーザ発振器31
では連続波のレーザ光35を出力する。レーザ発振器3
1から出力されたレーザ光35は、入射光学系3により
光ファイバ4に入射されて加工光学系10まで伝送され
た後、加工光学系10により集光されてXYテーブル6
上のワーク7へ照射される。かくして、ワーク7には線
状のレーザ加工(薄膜の剥離等)が施される。
【0030】つまり、上記実施の形態1ではパルスのレ
ーザ光5を照射して等ピッチで点状のレーザ加工を行う
ことにより、全体として線状の加工を施すのに対して、
本実施の形態2では連続波のレーザ光31を照射するこ
とにより線状の加工を施す。
【0031】リアルタイムエンコーダ8の位置検出信号
はコントローラ41に入力され、コントローラ41で
は、前記位置検出信号に基づいて、駆動装置9の駆動制
御を行うことによりXYテーブル6の位置決め(ワーク
7の位置決め)を行うとともに、詳細は後述するが、加
速領域及び減速領域においてもワーク7に照射されるレ
ーザ光35のエネルギが一様になるようにレーザ発振器
31の出力を調整する。
【0032】ここで図6等に基づき、レーザ発振器31
の出力調整について詳述する。図6は本発明の実施の形
態2に係るレーザ加工装置の制御系の主要構成を示すブ
ロック図である。なお、図6において上記実施の形態1
(図4)と同様の部分には同一の符号を付している。
【0033】図6に示すように、コントローラ41はC
PU21、位置決めユニット51の一部、出力調整回路
52などによって構成されている。リアルタイムエンコ
ーダ8の位置検出信号は、ワーク7の位置決め手段とし
ての位置決めユニット51に入力され、且つ、この位置
決めユニット51をバイパスして、直接、出力調整手段
としての出力調整回路52にも入力される。
【0034】位置決めユニット51はXYテーブル6の
走行系や同走行系を駆動制御する制御系などを有し、ま
た、CPU21から入力した加工情報に基づき出力調整
回路52に対して照射開始位置及び照射終了位置を与え
る照射開始終了位置設定手段としての機能も備えてい
る。例えば、図2に示すワーク7のA点の位置を照射開
始位置として与え、B点の位置を照射終了位置として与
える。
【0035】出力調整回路52では、リアルタイムエン
コーダ8から入力した位置検出信号と、位置決めユニッ
ト51から入力した照射開始位置及び照射終了位置とを
比較して、ワーク7の移動位置が前記照射開始位置に達
してから前記照射終了位置に達するまでの間、前記位置
検出信号から求めたワーク7の移動速度に応じてレーザ
発振器31の出力(電力)を調整することにより、ワー
ク7に照射されるレーザ光35のエネルギが一様になる
ように調整する。なお、ワーク7(XYテーブル6)の
移動速度は、リアルタイムエンコーダ8の位置検出信号
(移動距離)を時間で微分すること(移動距離の時間的
な変化率を求めること)によって求めることができる。
【0036】以上の処理は、図3に示す加速領域及び減
速領域において行われ、また、ここでは等速領域におい
ても行うこととする。
【0037】加速領域では、ワーク7が徐々に加速しな
がら移動するのに応じて、レーザ発振器1の出力を徐々
に大きくしていく。その結果、加速領域であっても、ワ
ーク7に照射されるレーザ光35のエネルギが一様にな
る。つまり、加速領域において一定の出力でレーザ光3
5を照射すると、ワーク7が低速のときに過剰な照射エ
ネルギとなってワーク7の焼損などを招き、或いは、ワ
ーク7が高速のときに照射エネルギが不足して加工不良
となる。これに対し、ワーク7の移動速度に応じてレー
ザ発振器31の出力を調整すれば、加速領域であって
も、ワーク7に照射されるレーザ光35のエネルギが一
様になり、良好な加工を行うことができる。
【0038】等速領域では、ワーク7が一定速度で移動
するため、レーザ発振器1の出力も一定とし、その結
果、ワーク7に照射されるレーザ光35のエネルギが一
様になる。
【0039】減速領域では、ワーク7が徐々に減速しな
がら移動するのに応じて、レーザ発振器1の出力を徐々
に小さくしていく。その結果、減速領域であっても、ワ
ーク7に照射されるレーザ光35のエネルギが一様にな
る。つまり、加速領域の場合と同様、ワーク7の移動速
度に応じてレーザ発振器31の出力を調整すれば、減速
領域であっても、ワーク7に照射されるレーザ光35の
エネルギが一様になり、良好な加工を行うことができ
る。
【0040】このように、等速領域だけでなく、加速領
域及び減速領域においてもレーザ加工を行うことから、
時間のロスがなく、タクトタイムを短くすることができ
る。また、加速領域や減速領域に応じた無駄な助走距離
を確保しておく必要がないため、XYテーブル6の所要
ストロークが短くなり、装置をコンパクトにすることが
できる。特に、これらの効果は、XYテーブル6が高速
のものであるため、非常に顕著である。
【0041】また、図6に示すように、リアルタイムエ
ンコーダ8における処理時間は500nsec、出力調
整回路52における処理時間は数百nsec、レーザ発
振器31における処理時間は10μsecである。しか
も、CPU21及び位置決めユニット51において、出
力調整回路52へ照射開始位置及び照射終了位置を与え
るための処理時間は数百nsecである。つまり、位置
決めユニット51においてレーザ発振器31の出力調整
も行うようにした場合には、処理時間が長くなってしま
う。これに対して、本実施の形態2のようにリアルタイ
ムエンコーダ8から位置決めユニット51をバイパスし
て直接出力調整回路52へ位置検出信号を入力し、位置
決めユニット51では照射開始位置及び照射終了位置を
与える処理だけを行うようにした場合には、処理時間が
非常に短くなる。
【0042】従って、これらの処理時間を合計しても、
制御系の送れ時間は非常に短くなる。特に、XYテーブ
ル6は高速のものであるため、制御系の遅れが大きい場
合には、ワーク7の移動速度の変化に対するレーザ光3
5の出力調整のタイミングが大きくずれて、精度が悪く
なってしまうが、本実施の形態2では、制御系の送れ時
間は非常に短いため、ワーク7の移動速度の変化に追従
して精度よくレーザ光35の出力を調整することができ
る。
【0043】
【発明の効果】以上、発明の実施の形態とともに具体的
に説明したように、第1発明のレーザ加工装置によれ
ば、ワークを搭載したXYテーブルの加速領域及び減速
領域において、前記ワークの移動位置を位置検出手段に
より検出し、この位置検出手段の位置検出信号を前記ワ
ークの位置決め手段をバイパスして直接比較手段に入力
するように構成とするとともに、この比較手段により、
前記位置検出信号と目標照射位置設定手段から入力した
目標照射位置とを比較して、前記ワークの移動位置が前
記目標照射位置に達するごとにパルスレーザ発振器へレ
ーザ光の発振指令信号を出力するように構成したことに
より、加速領域及び減速領域においても良好なレーザ加
工を行うことができるため、時間のロスがなく、タクト
タイムを短くすることができる。また、加速領域や減速
領域に応じた無駄な助走距離を確保しておく必要がない
ため、XYテーブルの所要ストロークが短くなり、装置
をコンパクトにすることができる。しかも、制御系の送
れ時間が非常に短くなるため、目標照射位置からあまり
ずれることなく高精度にレーザ光を照射することができ
る。
【0044】また、第2発明のレーザ加工装置は、ワー
クを搭載したXYテーブルの加速領域及び減速領域にお
いて、前記ワークの移動位置を位置検出手段により検出
し、この位置検出手段の位置検出信号を前記ワークの位
置決め手段をバイパスして直接出力調整手段に入力する
ように構成するとともに、この出力調整手段により、前
記位置検出信号と照射開始終了位置設定手段から入力し
た照射開始位置及び照射終了位置とを比較して前記ワー
クの移動位置が前記照射開始位置に達してから前記照射
終了位置に達するまでの間、前記位置検出信号から求め
た前記ワークの移動速度に応じて連続レーザ発振器の出
力を調整することにより、前記ワークに照射されるレー
ザ光のエネルギが一様になるように調整するよう構成し
たことによって、加速領域及び減速領域においても良好
なレーザ加工を行うことができるため、時間のロスがな
く、タクトタイムを短くすることができる。また、加速
領域や減速領域に応じた無駄な助走距離を確保しておく
必要がないため、XYテーブルの所要ストロークが短く
なり、装置をコンパクトにすることができる。しかも、
制御系の送れ時間が非常に短くなるため、ワークの移動
速度の変化に追従して精度よくレーザ光の出力を調整す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装置の
全体概要を示す構成図である。
【図2】レーザ加工の状態を示す説明図である。
【図3】速度分布と本発明の加工領域を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装置の
制御系の主要構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るレーザ加工装置の
全体概要を示す構成図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るレーザ加工装置の
制御系の主要構成を示すブロック図である。
【図7】速度分布と従来の加工領域を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 Qスイッチ 3 入射光学系 4 光ファイバ 5 レーザ光 6 XYテーブル 7 ワーク 8 リアルタイムエンコーダ 9 駆動装置 10 加工光学系 11 コントローラ 12 点状加工部 21 CPU 22 位置決めユニット 23 比較回路 31 レーザ発振器 35 レーザ光 41 コントローラ 51 位置決めユニット 52 出力調整回路
フロントページの続き (72)発明者 赤羽 崇 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 森本 精一 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 高田 勝人 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 4E068 CA02 CA03 CA15 CB01 CC06 CE04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを搭載したXYテーブルの加速領
    域及び減速領域において、前記ワークの移動位置を位置
    検出手段により検出し、この位置検出手段の位置検出信
    号を前記ワークの位置決め手段をバイパスして直接比較
    手段に入力するように構成とするとともに、この比較手
    段により、前記位置検出信号と目標照射位置設定手段か
    ら入力した目標照射位置とを比較して、前記ワークの移
    動位置が前記目標照射位置に達するごとにパルスレーザ
    発振器へレーザ光の発振指令信号を出力するように構成
    したことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 【請求項2】 ワークを搭載したXYテーブルの加速領
    域及び減速領域において、前記ワークの移動位置を位置
    検出手段により検出し、この位置検出手段の位置検出信
    号を前記ワークの位置決め手段をバイパスして直接出力
    調整手段に入力するように構成するとともに、この出力
    調整手段により、前記位置検出信号と照射開始終了位置
    設定手段から入力した照射開始位置及び照射終了位置と
    を比較して前記ワークの移動位置が前記照射開始位置に
    達してから前記照射終了位置に達するまでの間、前記位
    置検出信号から求めた前記ワークの移動速度に応じて連
    続レーザ発振器の出力を調整することにより、前記ワー
    クに照射されるレーザ光のエネルギが一様になるように
    調整するよう構成したことを特徴とするレーザ加工装
    置。
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