JP2011116125A - 記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に、アルミナ水和物およびバインダーを含有するインク受容層を有する記録媒体であって、該インク受容層の表面はカチオン性ポリウレタンを含有する複数の皮膜で形成された部分皮膜で被覆されており、該複数の皮膜の平均長径は0.03μm以上1.00μm未満であり、該部分皮膜によるインク受容層表面の被覆率は10%以上70%未満である、ことを特徴とする記録媒体。
【選択図】なし
Description
本発明の記録媒体は、支持体と、インク受容層と、部分皮膜とを有する。本発明の記録媒体は、インクジェット記録媒体として使用できる。前記インク受容層は、多孔性であることが好ましい。なお、前記インク受容層は、前記支持体と前記部分皮膜の間に位置することができる。また、前記部分皮膜は、インク受容層の表面を被覆し、記録媒体の最表面に位置する。
本発明の記録媒体に用いる支持体は、特に限定されず、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙などの紙類、合成紙、白色プラスチックフィルム、透明プラスチックフィルム、または半透明プラスチックフィルム、樹脂被覆紙などを使用できる。
本発明に用いるインク受容層は、多孔質構造を形成し、高速吸収性、染料定着性、透明性、印字濃度、発色性、および光沢性を満たすものとして、アルミナ水和物およびバインダーを含有する。また、前記インク受容層は、例えばアルミナ水和物およびバインダーを含む塗工液(以後、インク受容層用塗工液と呼ぶこととする)を塗工して得ることができ、その塗工液の固化物であることができる。なお、インク受容層は、1層からなる場合、および2層以上からなる場合がある。これら全ての場合において、各層が後述する条件を満たすのが好ましい。
本発明では、多孔質構造を形成し、高速吸収性、染料定着性、透明性、印字濃度、発色性、および光沢性を満たすものとして、インク受容層に、アルミナ水和物を含む。
Al2O3-n(OH)2n・mH2O・・・・(X)
(上記式中、nは0、1、2および3の何れかを表し、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下の数を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。)
mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数または整数でない値をとることができる。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0の値になることもあり得る。
本発明に用いるインク受容層は、バインダーを含有する。バインダーとしては、上記アルミナ水和物を結着し、被膜を形成する能力のある材料であって、且つ、本発明の効果を損なわないものであれば、特に制限なく利用することができる。バインダーとしては例えば、下記のものを挙げることができる。
酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体。カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白およびポリビニルアルコールならびにその誘導体。各種重合体として、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役重合体ラテックス。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体等のアクリル系重合体ラテックス。エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス。上記の各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス。カチオン基を用いて上記各種重合体をカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤を用いて上記各種重合体の表面をカチオン化したもの。カチオン性ポリビニルアルコール下で上記各種重合体を重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの。カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で上記各種重合体の重合を行い、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの。メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性バインダー。ポリメチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルやアクリル酸エステルの重合体および共重合体樹脂。ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダー。
本発明の記録媒体は、必要に応じて、インク受容層が下記の架橋剤を含有してもよい。架橋剤の具体的な例としては、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、およびホウ酸塩が挙げられる。また、架橋剤はこれらの少なくとも1種類であることが好ましい。これらの中でも、架橋剤は架橋速度及び塗工面のひび割れ防止の観点から、特にホウ酸あるいはホウ酸塩が好ましい。
本発明の記録媒体には、インク受容層中に、それぞれ必要に応じて各種の添加剤、例えば各種カチオン性樹脂等の定着剤、多価金属塩等の凝集剤、界面活性剤、蛍光増白剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、pH調節剤、その他本発明の技術分野で公知の各種助剤を添加することが可能であり、またその添加量も適宜調整することができる。
・インク受容層用塗工液について
インク受容層用塗工液は、少なくともアルミナ水和物およびバインダーを含み、さらには添加剤および水等の分散媒を含むことができる。なお、インク受容層用塗工液の調製方法の具体例としては、以下の方法を挙げることができる。アルミナ水和物の水分散液とバインダーの水溶液と架橋剤を撹拌混合して得ることができる。
本発明に用いるアルミナ水和物は、解膠剤で解膠された水性分散液の状態でインク受容層塗工液に含まれる。アルミナ水和物およびアルミナをそれぞれ単独に用いた場合、前記解膠剤で解膠された水性分散液の状態を、それぞれアルミナ水和物分散液およびアルミナ分散液と呼ぶこととする。
一般式[I] R1−SO3H
〔一般式[I]において、R1は水素原子を表すか、炭素数1以上3以下の分岐もしくは非分岐のアルキル基またはアルケニル基を表す。ただしR1は、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基(−OR)およびアシル基(R−CO−)のうちの少なくとも一つを置換基として有しても良い。これらの置換基中のRは水素原子または炭素数1以上2以下のアルキル基を表す。ただし、置換基がアルコキシ基の場合は、Rは水素原子ではない。〕
調製したインク受容層用塗工液を支持体上に塗布する方法としては、公知の任意の塗布方法が適用でき、例えば、ブレードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンダイコーティング法、スロットダイコーティング法、バーコーティング法、グラビアコーティング法、ロールコーティング法などの塗布方法による塗布が可能である。2層以上のインク受容層は、逐次塗工で塗工、乾燥する他、同時多層塗工によってもよい。特にスライドビードによる同時多層塗工は生産性が高く、好ましい方法である。
インク受容層の表面は、カチオン性ポリウレタンを含有する複数の皮膜で形成された部分皮膜で被覆されている。その部分皮膜を形成するために、例えばカチオン性ポリウレタンエマルションを使用する。カチオン性ポリウレタンエマルション(必要に応じて後述の各種添加剤を配合する)をインク受容層等(他の層を有する場合はその他の層等)に塗布(塗工)および乾燥して、カチオン性ポリウレタンエマルションの固形物を部分皮膜とすることができる。
カチオン性ポリウレタンエマルションの平均粒子径、すなわち前記エマルション中の分散粒子の平均粒子径は、0.01μm以上、0.10μm以下であることが好ましい。前記平均粒子径が0.01μm以上であれば、部分皮膜を形成するときに、カチオン性ポリウレタンエマルションの分散粒子がインク受容層の中に浸透することを容易に防ぎ、インク受容層上で部分皮膜を形成しにくくなることを容易に防ぐことができる。一方で、前記平均粒子径が0.10μm以下であると、インクを吸収しない部分皮膜のサイズが大きくなることを容易に防ぐため、印字するときの外観の劣化を容易に防ぐことができる。
以下にカチオン性ポリウレタンを製造する際に用いるポリウレタンについて説明する。
本発明に用いるカチオン性ポリウレタンエマルションに使用するカチオン性基含有ポリウレタン(カチオン性ポリウレタン)は、例えば、上記ポリウレタンの合成時に、カチオン性基を有するジオールを使用することによって得ることができる。この場合、カチオン性基はポリマー主鎖の置換基としてポリウレタンに導入することで、カチオン性ポリウレタンを合成できる。上記カチオン性ポリウレタンのカチオン性基は、種々の方法でポリウレタンに導入することができる。ポリウレタンを重付加反応により製造後、ポリウレタンの末端に残存する−OH基またはアミノ基等の反応性基に対し、カチオン性基含有化合物等を反応させることによってカチオン性基を導入し、カチオン性ポリウレタンを合成することもできる。なお、前記カチオン性基含有化合物としては、1〜3級アミン、4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
本発明に用いるカチオン性ポリウレタンエマルションの分散媒としては、水が好ましく用いられる。分散媒に水を用いたカチオン性ポリウレタンの水分散物(エマルション)の調整方法について以下に説明する。上記カチオン性ウレタン樹脂を分散媒である水と混合し、必要に応じて分散化剤などの添加剤を混合して、その混合液を分散機によって細粒化することで、粒子の平均粒子径が0.10μm以下のカチオン性ポリウレタン水分散液を得ることができる。
カチオン性ポリウレタンを含有する複数の皮膜で形成された部分皮膜は、インク吸収性を阻害することなくインク受容層の優れた特性を維持するため、部分皮膜構造を有する。なお、部分皮膜とは、インク受容層全面に連続的に形成された皮膜ではなく、インク受容層の部分に形成され、インク受容層の表面の細孔を完全に塞ぐことのない皮膜を意味する。
前記複数の皮膜の平均長径は0.03μm以上1.00μm未満である。複数の皮膜の平均長径とは、記録面(インク受容層(および部分皮膜)を有する面)中の任意の100個の皮膜を電子顕微鏡(SEM)により観察し、各皮膜について皮膜部の端から端までの長さを直線で最長となるように取ったものの平均値(個数平均)を意味する。前記複数の皮膜の平均長径は0.03μm未満になると、光沢発現効果や耐傷性の効果が低下する。一方で、前記複数の皮膜の平均長径が1.00μm以上であると、インク受容層の表面に形成されている細孔が広い範囲で塞がれてしまい、その上に印字する場合に、インクを吸収できない広い皮膜が目立ってしまい、外観が劣化してしまう。複数の皮膜の平均長径は、好ましくは0.05μm以上である。より好ましくは0.08μm以上である。
部分皮膜を形成するために用いる部分皮膜用塗工液としては、例えば前記カチオン性ポリウレタンエマルションを使用することができる。部分皮膜用塗工液としてのカチオン性ポリウレタンエマルションには、本発明の効果を妨げない範囲で各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、界面活性剤、増粘剤、消泡剤、ドット調整剤、防腐剤、pH調整剤、帯電防止剤、導電剤などを挙げることができる。
<支持体>
下記条件にて支持体を作製した。まず、下記組成の紙料を固形分濃度が3.0質量%となるように水で調製した。
・パルプ 100.00質量部
(濾水度450mlCSF(Canadian Standarad Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)(80.00質量部)、
および濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)(20.00質量部))。
・カチオン化澱粉 0.60質量部。
・重質炭酸カルシウム 10.00質量部。
・軽質炭酸カルシウム 15.00質量部。
・アルキルケテンダイマー 0.10質量部。
・カチオン性ポリアクリルアミド 0.03質量部。
上記支持体の上に、固形分濃度が20質量%となるように水で調整した下記組成のインク受容層用塗工液を、乾燥塗布量が35g/m2となるようスライドダイで塗布した後、乾燥機で80℃にて乾燥して、インク受容層を1層設けた。
・アルミナ水和物の微粒子 100.0質量部(サソール製のDisperal.HP−14、平均二次粒径160nm)。
・メタンスルホン酸 1.5質量部。
・ホウ酸 2.5質量部。
・ポリビニルアルコール 9.0質量部(クラレ製、ケン化度88モル%、重量平均重合度3500)。
粒子の平均粒子径が0.03μmのカチオン性ポリウレタン水性分散液(商品名:スーパーフレックス620、第一工業製薬製)を塗工液に対して固形分で0.50質量%となるように添加した。更に界面活性剤(商品名:TDX−50、第一工業製薬製)を塗工液に対して固形分で0.005質量%となるように添加して、部分皮膜用塗工液としてカチオン性ポリウレタンエマルションを調製した。このエマルションを、部分皮膜のインク受容層表面全面に対する塗工量(乾燥塗布量)が0.010g/m2となるよう、メイヤーバーで上記インク受容層の表面にオーバーコートした後、乾燥機で60℃、20分間乾燥して本発明の記録媒体1を作製した。なお、以降上記塗工量を部分皮膜の乾燥塗布量とする。
部分皮膜の乾燥塗布量を0.020g/m2とした以外は、実施例1と同様の条件で記録媒体2を作製した。
部分皮膜の乾燥塗布量を0.050g/m2とした以外は、実施例1と同様の条件で記録媒体3を作製した。
部分皮膜の乾燥塗布量を0.100g/m2とした以外は、実施例1と同様の条件で記録媒体4を作製した。
部分皮膜に用いたカチオン性ポリウレタンの水性分散液を、粒子の平均粒子径が0.01μmであるカチオン性ポリウレタン水性分散液(商品名:スーパーフレックス650、第一工業製薬製)に変更した以外は、実施例2と同様の条件で記録媒体5を作製した。
部分皮膜の乾燥塗布量を0.050g/m2とした以外は、実施例5と同様の条件で記録媒体6を作製した。
部分皮膜に用いたカチオン性ポリウレタンの水性分散液を、粒子の平均粒子径が0.07μmであるカチオン性ポリウレタン水性分散液(商品名:ハイドランCP7060、DIC製)に変更した以外は、実施例3と同様の条件で記録媒体7を作製した。
部分皮膜を設けなかった以外は、実施例1と同様にして記録媒体8を作製した。
部分皮膜に用いたカチオン性ポリウレタンの水性分散液を粒子の平均粒子径が0.2μmであるカチオン性ポリウレタン水性分散液(商品名:ハイドランCP7040、DIC製)に変更した以外は、実施例3と同様の条件で記録媒体9を作製した。
部分皮膜に用いたカチオン性ポリウレタンの水性分散液を粒子の平均粒子径が0.03μmであるアニオン性ポリウレタン水性分散液(商品名:スーパーフレックス840、第一工業製薬製)に変更した以外は、実施例3と同様の条件で記録媒体10を作製した。
部分皮膜に用いたカチオン性ポリウレタンの水性分散液を粒子の平均粒子径が0.07μmであるSBRラテックス(商品名:スマーテックスPA−3232、日本エイアンドエル製)に変更した以外は、実施例3と同様の条件で記録媒体11を作製した。
部分皮膜に用いたカチオン性ポリウレタンの水性分散液をポリビニルアルコール(商品名:PVA235、クラレ製)の水溶液に変更した以外は、実施例3と同様の条件で本発明の記録媒体12を作製した。比較例5においては、ポリビニルアルコールがインク受容層に含浸し、皮膜(部分皮膜および完全皮膜)が形成できなかった。
部分皮膜に用いたカチオン性ポリウレタンの水性分散液の添加量を0.35質量%とし、部分皮膜のインク受容層表面全面に対する塗工量(乾燥塗布量)を0.007g/m2とした以外は、実施例1と同様の条件で記録媒体13を作製した。
部分皮膜に用いたカチオン性ポリウレタンの水性分散液を粒子の平均粒子径が0.2μmであるカチオン性ポリウレタン水性分散液(商品名:ハイドランCP7040、DIC製)に変更した以外は、実施例2と同様の条件で記録媒体14を作製した。
次に上記記録媒体に対してそれぞれ以下の評価を行った。なお、記録媒体8および12は、皮膜(部分皮膜および完全皮膜)を有していないので、評価1及び2は行っていない。評価方法について説明する。上記記録媒体それぞれの各評価方法に対する評価結果の一覧を表1に示す。
得られた記録媒体それぞれの記録面(インク受容層(および部分皮膜)を有する面)が部分皮膜であるか、あるいは完全皮膜であるかをまず判定した。電子顕微鏡(SEM 日立製S−4300(商品名))により、3万倍の倍率で、まず全面を観察し、インク受容層の細孔が完全に塞がれ、観察されなかった場合は、完全皮膜であり、インク受容層の細孔が一部観察された場合は部分皮膜であると判定した。
得られた記録媒体それぞれの記録面(インク受容層(および部分皮膜)を有する面)を電子顕微鏡(SEM 日立製S−4300(商品名))により、記録面中の任意の100個の皮膜について、3万倍の倍率で観察した。各記録媒体の各部分皮膜について皮膜部の端から端までの長さを直線で最長となるように取ったものの平均値を平均長径として求めた。
上記記録媒体それぞれの記録面(インク受容層(および部分皮膜)を有する面)について、光沢計(商品名:VG−2000、日本電色工業製)を用いて、75°光沢を測定し、以下の評価基準に基づき評価した。
5:80以上、
4:70以上80未満、
3:60以上70未満、
2:50以上60未満、
1:50未満。
得られた記録媒体それぞれの記録面をJIS−L0849に定めた学振型摩擦試験機II型(テスター産業製)を用いて、以下のようにそれぞれ耐傷性を評価した。
A:10未満、
B:10以上20未満、
C:20以上。
作製した上記記録媒体それぞれの記録面にインクジェット記録装置(商品名:iP4500、キヤノン製)を用い、スーパーフォトペーパー、色補正なしモードにてブラックのパッチをベタ印字した。これらの光学濃度を光学反射濃度計(X−Rite製、商品名:530分光濃度計)を用いてそれぞれ測定した。
5:2.35以上、
4:2.25以上2.35未満、
3:2.15以上2.25未満、
2:2.05以上2.15未満、
1:2.05未満。
上記記録媒体の記録面(インク受容層(および部分皮膜)を有する面)のインク吸収性をそれぞれ評価した。印字はiP4600(商品名、キヤノン製)の印字処理方法を改造した装置を使用した。印字パターンは、Green色の64階調のベタを使用(6.25%Duty刻みで64階調、0〜400%Duty)し、キャリッジ速度が25インチ/秒で、往復2回のパスで印字が完了する双方向印字で検討した。なお、400%Dutyとは、600dpi四方(600dpiで1平方インチの正方形)に44ngのインクを付与することを意味する。インク吸収性とビーディングはほぼ相関性があるため、ビーディングを評価することによって、記録媒体のインク吸収性を評価した。評価は目視で行い、下記の評価基準に基づきランクを決定した。表1からわかるように、本発明の記録媒体は、次世代の高速印字プリンターの印字速度であっても、十分使用可能なインク吸収性を有する。
A:300%Dutyでビーディングが観察されない。
B:300%Dutyではビーディングがやや観察されるものの、200%Dutyではビーディングが観察されない。
C:200%Dutyでもビーディングが観察される。
Claims (2)
- 支持体上に、アルミナ水和物およびバインダーを含有するインク受容層を有する記録媒体であって、
該インク受容層の表面はカチオン性ポリウレタンを含有する複数の皮膜で形成された部分皮膜で被覆されており、該複数の皮膜の平均長径は0.03μm以上1.00μm未満であり、該部分皮膜によるインク受容層表面の被覆率は10%以上70%未満である、ことを特徴とする記録媒体。 - 前記部分皮膜は、平均粒子径が0.01μm以上0.10μm以下のカチオン性ポリウレタンエマルションの固形物である請求項1に記載の記録媒体。
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