JP5082958B2 - インクジェット処理液、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents
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Description
1)インクと反応してにじみやブリードを防止するものであること。
2)フィルムメディア上に塗布可能で、フィルムメディアに対して密着性や接着性があり、しかも塗布後透明であること。
3)経時で特性が低下しない、つまり保存安定性を備えること。
4)フィルムメディアへの塗布後、乾燥しやすいこと。
5)インクジェット吐出でき、しかも実使用においてインクジェットヘッドが目詰まらないものであること。
この技術は、記録メディアそのものを改良することによって、画像の特性を向上させようとするものであって、前記のようなインクジェット吐出によって記録メディアを前処理する処理液ではなく、そもそもインクジェット吐出に適さないものであった。
1.少なくとも、カチオン性ポリウレタンと、ポリアミン及び/又はポリアミン誘導体と、アルキル鎖が5〜8のアルキルグリコールエーテルと、を含むインクジェット処理液。
本発明のインクジェット処理液は、既述のとおり、カチオン性ポリウレタン、ポリアミン、及び/又はポリアミン誘導体を含むことを特徴とする。
例えば、下記の調製(1)〜(2)等により得られるカチオン性ポリウレタンが挙げられ、特にカチオン性ポリウレタンが水に分散された組成物、すなわち水分散物が好ましい。
ポリイソシアネート(A)としては、従来から慣用されている脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族等のポリイソシアネートを使用することができる。
調製(2)に用いられるポリイソシアネート(A)は、前記調製(1)で用いられる前記ポリイソシアネート(A)と同様であり、既述した通りである。
調製(2)に使用される前記ポリカーボネートポリオール(B2)としては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のグリコール類と、ジフェニルカーボネート及びホスゲンとの反応によって得られる化合物等が挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸は単独又は2種以上併用して用いることができる。
前記調製(2)において用いられる鎖伸長剤(C)の添加量は、ポリイソシアネート(A)とポリカーボネートポリオール(B2)と鎖伸長剤(C)とポリアルキレンオキサイド(D)との合計に対して5〜15質量%であることが好ましい。この鎖伸長剤(C)の添加量が5質量%より少ないと、導入される三級アミノ基が少なくなり、密着性が低下する傾向が現れるので好ましくない。また、鎖伸長剤(C)の添加量が15質量%より多いと、添加量に見合った密着性を向上させる効果が得られなくなるので好ましくない。
このようなポリアミン、及び/又はポリアミン誘導体としては、市販品を用いることができ、例えば、「PAA−HCL−01」、「PAA−HCL−03」、「PAA−HCL−05」、「PAA−HCL−3L」、「PAA−HCL−10L」、「PAA−H−HCL」、「PAA−SA」、「PAA−01」、「PAA−03」、「PAA−05」、「PAA−08」、「PAA−15」、「PAA−15C」、「PAA−25」、「PAA−H−10C」、「PAA−D11−HCL」、「PAA−D41−HCL」、「PAA−D19−HCL」、「PAS−21CL」、「PAS−M−1L」、「PAS−M−1」、「PAS−22SA」、「PAS−M−1A」、「PAS−H−1L」、「PAS−H−5L」、「PAS−H−10L」、「PAS−92」、「PAS−92A」、「PAS−J−81L」、「PAS−J−81」(商品名、日東紡績株式会社製)、「ハイモNeo−600」、「ハイモロックQ−101」、「ハイモロックQ−311」、「ハイモロックQ−501」、「ハイマックスSC−505」、「ハイマックスSC−505」(商品名、ハイモ株式会社製)等を用いることができる。
このような長鎖アルキルグリコールエーテル類の具体例としては、例えば、エチレングリコールモノn−ペンチルエーテル、エチレングリコールモノiso−ペンチルエーテル、エチレングリコールモノネオペンチルエーテル、エチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノiso−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノiso−ペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノネオペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノiso−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノiso−ペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノネオペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノiso−ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn−ペンチルエーテル、プロピレングリコールモノiso−ペンチルエーテル、プロピレングリコールモノネオペンチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノiso−ヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノiso−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノネオペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノiso−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノiso−ペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノネオペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノiso−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルなどをが挙げることができ、これらのグリコールエーテル類は、1種のみを添加してもよく、2種以上を混合して添加してもよい。
特に、フィルムへの濡れ特性と、フィルムメディアへの塗布後の乾燥性のバランスが良い点で、エチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn−ヘキシルエーテルが好ましく、その中でも特に、フィルムへの濡れ性と塗布後の乾燥性と水溶性の点でもっともバランスが良いのがジエチレングリコールモノn−ヘキシルエーテルである。
前記式(1)の一般式で表されるジアセチレンテトラオールとしては、例えば、「サーフィノールMD−20」(商品名、Air Products and Chmicals Inc.製)の市販品を用いることもできる。
前記ジアセチレンテトラオールの含有量は、処理液中、好ましくは0.01〜1重量%、更に好ましくは0.05〜0.5重量%である。
このようなシリコーン系界面活性剤の中でも、特にポリオルガノポリシロキサン系界面活性剤は処理液の表面張力低下によるフィルムメディア等への濡れ性向上に有効である。
で表される一種ままたは二種以上の化合物を含んでなることがより好ましい。このような特定のオルガノポリシロキサン系界面活性剤を使用することにより、特に処理液をフィルムメディア等へ塗布した場合、塗布面の凹凸を平滑化に有効である。
このようなシリコーン系界面活性剤は、本発明による処理液中に、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%含有される。特に、Rがメチル基である上記界面活性剤を使用する場合は、RがHである上記界面活性剤を用いた場合よりも、含有量を多くすることが好ましい。
(処理液1の組成)
ハイドランCP−7010(固形分30%) 15部
PAA−01(固形分15%) 10部
エチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル 0.5部
1,2−ペンタンジオール 4部
BYK−347 0.3部
N−メチル−2−ピロリドン 10部
トリエタノールアミン 0.5部
水 残
上記組成の処理液を十分混合攪拌し、ポアサイズ10μmのメンブレンフィルターでろ過して処理液1を作製した。
(処理液2の組成)
ハイドランCP−7020(固形分40%) 10部
PAS−A−1(固形分24%) 5部
ジレチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル 2.5部
1,2−ヘキサンジオール 3部
BYK−348 0.5部
N−メチル−2−ピロリドン 10部
トリプロパンールアミン 0.5部
水 残
上記組成の処理液を十分混合攪拌し、ポアサイズ10μmのメンブレンフィルターでろ過して処理液2を作製した。
(処理液3の組成)
ハイドランCP−7050(固形分25%) 36部
PAS−J−81L(固形分25%) 4部
プロピレングリコールモノn−ヘキシルエーテル 0.5部
1,2−ペンタンジオール 4部
BYK−348 0.5部
N−メチル−2−ピロリドン 8部
トリエタノールアミン 0.5部
水 残
上記組成の処理液を十分混合攪拌し、ポアサイズ10μmのメンブレンフィルターでろ過して処理液3を作製した。
(処理液4の組成)
ハイドランCP−7030(固形分22%) 20部
PAA−HCL−05(固形分40%) 10部
エチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル 1部
1,2−ヘキサンジオール 4部
サーフィノールMD−20 0.1部
BYK−348 0.5部
N−メチル−2−ピロリドン 10部
トリプロパノールアミン 0.5部
エタノール 3部
水 残
上記組成の処理液を十分混合攪拌し、ポアサイズ10μmのメンブレンフィルターでろ過して処理液4を作製した。
(処理液5の組成)
スーパーフレックス650(固形分25%) 40部
PAS−05(固形分40%) 2部
エチレングリコールモノnヘキシルエーテル 4部
1,2−ペンタンジオール 5部
BYK−348 0.5部
N−メチル−2−ピロリドン 8部
トリエタノールアミン 0.5部
水 残
上記組成の処理液を十分混合攪拌し、ポアサイズ10μmのメンブレンフィルターでろ過して処理液5を作製した。
(処理液6の組成)
スーパーフレックス650(固形分25%) 8部
PAA−05(固形分20%) 2.5部
ジエレチレングリコールモノnヘキシルエーテル 2部
1,2−ヘキサンジオール 6部
BYK−347 0.5部
N−メチル−2−ピロリドン 10部
トリプロパノールアミン 0.5部
水 残
上記組成の処理液を十分混合攪拌し、ポアサイズ10μmのメンブレンフィルターでろ過して処理液6を作製した。
処理液をインクジェットプリンタPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)に充填し、PETフィルムに対して単位面積あたり処理液の吐出量が(1)3g/m2、(2)5g/m2になるように、それぞれの塗布量でベタ印刷を実施し、印刷後のPETフィルムを60℃の恒温槽で約1分間乾燥した。
乾燥後のPETフィルムの塗布面を顕微鏡(倍率50倍)で観察して、処理液の塗布状態を評価した。
A:PETフィルム上の処理液はムラなく均一に塗布されている。
B:PETフィルム上の処理液に若干筋状の塗布ムラが見受けられる。
C:PETフィルム上の処理液に塗布ムラが目立つ。
前記、塗布性評価実施後のPETフィルムに対して、「ベンコットM−3」(小津産業製)を使用して擦ることでその耐擦性を評価した。擦る際はベンコットを八折りにしその折った角でフィルムの塗布面を約300g重の過重がかかるようにして5回擦り、塗布面の状態を下記の評価基準で比較評価した。
A:ベンコットで擦った部分の跡が目視では殆どわからない。
B:ベンコットで擦った部分の跡が若干筋状に確認できる。
C:ベンコットで擦った部分の処理液が剥がれていることを目視にて確認できる。
前記耐擦性評価と同様の方法でPETシートに処理液を塗布乾燥し、乾燥後のPETシートの塗布面に対して、インクジェットプリンタPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)の純正インクを用いて、印字評価を実施した。評価は印字画像のにじみやブリードについて下記の基準に基づき比較評価した。
A:印字画像ににじみやブリードが無い。
B:印字画像に若干のにじみやブリードが見受けられる。
C:印字画像ににじみやブリードが目立つ。
処理液をガラス瓶に入れ密閉後、それぞれ60℃/1週間放置した。放置後の異物(浮遊物又は沈降物)の有無を目視観察し、異物の発生がないものについては、更に物性(粘度、表面張力、pH、粒子径)の変化について調べ、下記の基準に基づき保存安定性を評価した。
A:異物の発生がなく、物性の変化もない。
B:異物の発生はないが、物性が若干変化する。
C:異物が発生するか、物性が著しく変化する。
処理液をインクジェットプリンタPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)に充填し、全ノズルが正常に吐出することを確認した後、インクジェットプリンタを停止し、プリンタヘッドをキャップしない状態で、40℃の環境下で24時間放置した。放置後、再び全ノズルよりインク組成物が吐出するまでに要したクリーニングの回数を調べ、下記の基準に基づき目詰まり回復性の評価を行った。
A:2回以内のクリーニングで全ノズルが回復した。
B:3〜 5回のクリーニングで全ノズルが回復した。
C:6回のクリーニングでは全ノズル回復できなかった。
Claims (6)
- 少なくとも、カチオン性ポリウレタンと、ポリアミン及び/又はポリアミン誘導体と、アルキル鎖が5〜8のアルキルグリコールエーテルと、を含むインクジェット処理液。
- さらに、1,2−アルカンジオールを含む、請求項1又は2記載のインクジェット処理液。
- さらに、シリコーン系界面活性剤を含む、請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット処理液。
- インクジェット記録用インクの液滴を、請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット処理液で処理した記録媒体上に吐出することによって印字画像を形成するインクジェット記録方法。
- 請求項5記載のインクジェット記録方法によって印刷された記録物。
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