JP2008126550A - インクジェット用記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いインク吸収性と、染料インクの印字適性に優れ、印字部と白紙部の光沢度差による違和感を解消し、表面層の定着性、顔料インクの耐擦過性に優れ、ギザローラー跡の付きにくい、インクジェット用記録材料を提供する。
【解決手段】支持体上に、多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録材料において、厚みが200nm以下の表面層を有し、該表面層は粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子、あるいは平均一次粒子径が50nm以下の無機微粒子を併用し形成され、有機微粒子を40体積%以上含み、該インクジェット用記録材料のインク受容層を有する側の表面がJIS−B−0601に規定される算術平均粗さ(Ra)が0.3〜3.5μmであり、前記インク受容層の乾燥過程中の減率乾燥領域以後、もしくは乾燥終了後に、前記表面層を塗設するための塗布液を前計量タイプの塗工方式にて塗布し、乾燥させてなることを特徴とするインクジェット用記録材料。
【選択図】なし。

Description

本発明はインクジェット用記録材料に関し、詳しくは高反射率光学薄膜として機能する表面層を有し、高いインク吸収性と、染料インクの印字適性に優れ、かつ顔料インクを印字した際に生じる印字部と白紙部の光沢度差による違和感を解消し、表面層の定着性に優れ、顔料インクの耐擦過性に優れ、ギザローラー跡の付きにくい、半光沢面、微光沢面、マット面、エンボス面、絹目面、バライタ面等と称されるインクジェット用記録材料を提供するものである。
近年のインクジェット記録の飛躍的な技術革新に伴い、例えば染料インクを用いたプリンターによる精細な印字画像は銀塩写真で得ることの出来るプリントに匹敵あるいは凌駕しつつある。また、顔料インクを用いたプリンターに関する技術革新が著しく、染料インクを用いたプリンターの画質に匹敵するところまで印字品質が向上しつつある。
これらのプリンターに用いられる記録材料として、支持体上にシリカ等の顔料と、ポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる、多孔質のインク受容層を設けてなるインクジェット用記録材料が知られており、例えば、平均二次粒子径が500nm以下まで粉砕・分散した気相法シリカや湿式法シリカ等をインク受容層の顔料として用いることが提案されている。例えば、特公平3−56552号、特開平10−119423号、同2000−211235号、同2000−309157号公報に気相法シリカの使用例が、特開平9−286165号、同平10−181190号公報には粉砕した沈降法シリカの使用例が、特開2001−277712号公報には粉砕したゲル法シリカの使用例が開示されている。また、特開昭62−174183号、同平2−276670号、同平5−32037号、同平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。
このような、多孔質のインク受容層を持つインクジェット用記録材料と染料インクを用いたインクジェット記録物では、外気に暴露された状態で経時した際に画像の濃度が低下するなど、画像の保存性に劣ることが知られている。
この画像の保存性を向上させるために、色剤として堅牢な顔料インクを用いることが知られている。しかしながら、染料インクは色素が単分子で存在しているため、多孔質のインク受容層の内部へ浸透し画像を形成するが、顔料インクは顔料インク粒子が、多孔質のインク受容層の表面に皮膜となり画像を形成するために、表面が擦過された際に画像を形成している顔料インク粒子が削り取られ、画像が傷つく、画像濃度が低下する等の問題を有している。この問題をインク受容層表面の形状を変化させることで改善した顔料インク用インクジェット用記録材料が提案されており、例えば特開2001−96907号公報(特許文献1)には、JIS−B−0601によるインク受理層表面の十点平均粗さが8μm以上とする発明が開示されている。
また、同様の問題点をインク受容層の表面に顔料インクの接着性を向上させるための表面層を設ける事で改善したインクジェット用記録材料が提案されており、例えば特開2001−270231号公報(特許文献2)には、エマルジョンタイプの樹脂とポリビニルアルコールなどの接着剤からなる表面層を0.3〜5g/m2の乾燥固形分量で設ける発明が開示されている。
また、顔料インクにより形成された画像には、画像様の光沢ムラが発生することが知られている。これは、100nm程度の顔料インク粒子が多孔質のインク受容層表面に皮膜を形成すると、本来多孔質であるために低かった表面反射率が、皮膜形成により均一な面となり反射率が増加し光沢が高くなる現象であり、そのため、画像濃度に相関を持つ光沢ムラが発生し、画像の品位が下がってしまう。このグロスディファレンシャルと呼ばれる現象を改善するべく、例えば特開2001−341409号公報(特許文献3)に記載されているが如く、インク受容層を微粒面を有する支持体に塗布する事や、特開2003−200649号(特許文献4)等に記載されている如く、インク受容層上に有機微粒子を含有する多孔質層(表面層)を設ける事が開示されている。近年の顔料インクプリンターにおいては、シアン・イエロー・マゼンタ・ブラックの4色のみならず、ライトシアン・ライトマゼンタなどの淡色顔料インクを低印字濃度領域に用い、画像の粒状感を低減せしめることが行われている。しかしこのライトシアン・ライトマゼンタなどの淡色顔料インクは、顔料インク粒子のサイズを小さくしたり、バインダーとして混ぜられる樹脂量を多くする事により実現されているため、従来の顔料インク以上に印字部の光沢が高くなりやすい。そのため、これら特許文献3あるいは4に記載されている従来から知られている記録材料では、やはり画像状に光沢度が変化するグロスディファレンシャルが発生する事となり、満足のいく印字品質を得る事は出来ず、このグロスディファレンシャルの解消が望まれていた。
特開2005−254769号公報(特許文献5)には、表面層が最低成膜温度(MFT)40℃未満である熱可塑性樹脂粒子からなり、表面層の塗布時に40℃以上で乾燥し、且つ乾燥固形分量が0.2g/m2以下であることを特徴とする顔料インク用インクジェット記録材料が開示されている。これにより鏡面あるいは微粗面のクーリングロールを用いて作製されたポリオレフィン樹脂被覆紙を用いた際には、写真用印画紙と同等の光沢を得ることが可能であるが、半光沢面、微光沢面、マット面、エンボス面、絹目面等のクーリングロールを用いて作製されたポリオレフィン樹脂被覆紙については記載されていない。また表面層の塗布にグラビア塗布を用いているため、表面層の均一性に若干欠けるものであった。
また、インクジェットプリンター内部に、インクジェット用記録材料の保持を目的に、巾の非常に狭い歯車状のロール(以下ギザロールとする)が多数取り付けられている。このロールは、インクが打ち込まれた直後に接するロールであるため、通常の円柱状のロールを用いると、表面が湿潤状態にある画像を乱してしまうので、歯車の歯の部分が接するようにすることで、見かけ上接触面積を極小化して、画像に与える影響を少なくしたロールである。しかしながら、染料インクを用いた画像形成ではインク受容層内部に画像を形成するため、ギザロールの歯があたった部分に形成される窪みは目立たないが、顔料インクでは、顔料インクが形成した皮膜に孔を開けてしまうため、ある程度以上のサイズになると、識別出来るようになり、画像の品位を下げてしまう問題があった。これは、多量の印字を行い、ギザロール表面が汚れてくると発生しやすく、解決が望まれていた。
特開2001−96907号公報 特開2001−270231号公報 特開2001−341409号公報 特開2003−200649号公報 特開2005−254769号公報
本発明の目的は、インクジェット用記録材料に関し、詳しくは高いインク吸収性を持ち、染料インクの印字適性に優れ、かつ顔料インクを印字した際に生じる印字部と白紙部の光沢度差による違和感を解消し、表面層の定着性に優れ、顔料インクの耐擦過性に優れ、ギザローラー跡の付きにくい、半光沢面、微光沢面、マット面、エンボス面、絹目面、バライタ面等と称されるインクジェット用記録材料を提供するものである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1.支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子と樹脂バインダーを含有する多孔質のインク受容層と、その上層に表面層を有するインクジェット用記録材料において、該表面層の厚みが200nm以下であって、該表面層が、平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子、もしくは粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子と平均一次粒子径が50nm以下の無機微粒子により実質的に形成される表面層であり、該有機微粒子の比率が、表面層の全固形分量の40体積%以上であり、該インクジェット用記録材料のインク受容層を有する側の表面がJIS−B−0601に規定される基準長4.0mm、カットオフ値0.8mmで測定したときの算術平均粗さ(Ra)が0.3〜3.5μmであり、前記インク受容層を支持体上に塗設するための塗布液を支持体に塗布し、乾燥過程中の減率乾燥領域以後、もしくは乾燥終了後に、前記表面層を塗設するための塗布液をインク受容層の空隙容量以下の塗布量で、且つ剪断速度1000(1/S)以上を与えて前計量タイプの塗工方式にて塗布し、乾燥させてなることを特徴とするインクジェット用記録材料。
2.前記表面層に無機微粒子が含まれる場合、該無機微粒子が、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化チタンから選択される少なくとも一つの無機微粒子である事を特徴とする上記1記載のインクジェット用記録材料。
3.前記インク受容層を構成する無機微粒子がアルミナ、アルミナ水和物、気相法シリカ、湿式法シリカから選ばれる少なくとも一つあるいはそれらの混合物である事を特徴とする上記1あるいは2に記載のインクジェット用記録材料。
本発明によれば、高いインク吸収性を持ち、染料インクの印字適性に優れ、かつ顔料インクを印字した際に生じる印字部と白紙部の光沢度差による違和感を解消し、表面層の定着性に優れ、顔料インクの耐擦過性に優れ、ギザローラー跡の付きにくい、半光沢面、微光沢面、マット面、エンボス面、絹目面、バライタ面等と称されるインクジェット用記録材料を提供することが出来る。
本発明は、表面層に高反射率光学薄膜の機能を持たせることで、淡色顔料インクによる印字部と同程度の光沢を白紙部に持たせることに成功し、グロスディファレンシャルが認識されがたい、半光沢面、微光沢面、マット面、エンボス面、絹目面、バライタ面等の面質を有するインクジェット用記録材料を得る事が可能となる。
例えば、グロスディファレンシャルの指針としてJIS−Z−8741に規定される20度光沢度数値を用い、淡色顔料インク印字部分と白紙部を比較すると、本発明の表面層を設けない場合には、光沢度の差異は5倍を超えることも珍しくなく、画像を観察した際にグロスディファレンシャルが強く認識されるが、本発明の表面層を設ける事により、光沢度の差異を3倍以下に抑制することが出来、グロスディファレンシャルは認識されがたくなる。この淡色顔料インク印字部分の光沢は(半光沢面、微光沢面、マット面、エンボス面、絹目面、バライタ面等の面質を持つインクジェット用記録材料としては)極めて高く、従来の技術では同等の白紙光沢と顔料インクの擦過性等の性能を満足させることは不可能であった。
また、染料インクにおいては、色素は単分子で存在し、多孔質のインク受容層の内部へ浸透し画像を形成するので、顔料インクの様にインクジェット用記録材料の表面に皮膜を形成する事はなく、グロスディファレンシャルは観察され難い。そのため、本発明の表面層による光沢の向上は全印字濃度領域において発現し、均一な光沢の画像を得ることが出来る。
本発明と近似の層構成を持つ、特開2003−200649号公報に記載されているインクジェット用記録材料では、インクの乾燥後に有機粒子の一部又は全部が溶解、或いは膨潤することによって層が軟化し、インク顔料粒子が表層中に全部あるいは一部埋め込まれる結果、インク顔料粒子に起因する凹凸が形成されない、あるいは凹凸が目立たない画像を形成することにより、グロスディファレンシャルを抑制していると記載されている。つまり、インク顔料粒子に起因する凹凸(つまり、印字部の凹凸による光の散乱)がグロスディファレンシャルの原因となる場合には有効な技術であるが、淡色インクを用いたプリンターにおいては、淡色インク印字部の光沢増加がグロスディファレンシャルの原因であるため、淡色インク顔料粒子に起因する凹凸を抑制すると、さらに光沢を高める場合も有る等好ましくない。これに対し本発明は上述の様に表面層に高反射率光学薄膜の機能を持たせ、淡色インク印字部と同等の光沢を白紙部に持たせるものであり、異なる原理に基づいているため、淡色インクの印字濃度によらず白紙部と同等な一定の光沢を得ることが可能となり、グロスディファレンシャルが観察され難くなる効果を得ている。
光学薄膜とは、一般的に厚みが200nm程度以下の可視光において透明な薄膜の事を示し、光学薄膜の下側に存在する層の屈折率が光学薄膜の屈折率より高ければ反射率が低下、つまり光沢を低下させることが可能となる。逆に光学薄膜の下側に存在する層の屈折率が低ければ反射率が増加、つまり光沢が向上する。これは、光学薄膜とその下側に存在する層との界面において、入射光の位相変化を伴った反射が発生するためであり、光学薄膜の屈折率がその下側に存在する層の屈折率よりも高い場合、表面の反射光(この表面における反射率は最表面の屈折率と正の相関を持つ)と界面の反射光の位相が揃う反射となり、反射率つまり光沢が著しく増大する。本発明ではこの反射率を向上させる光学薄膜を高反射率光学薄膜と称する。
本発明において表面層を高反射率光学薄膜として機能せしめるには、この下側に存在する層、つまり本発明におけるインク受容層と表面層との間に界面が明確に形成されている事が好ましい。例えば、インク受容層と表面層の同時重層塗布を行い同様の構成をもつインクジェット用記録材料を製造しようとしても、インク受容層と表面層の塗布液が接する部分では塗布液同士の局所的な混合が必ず生じるため、混合された部分の屈折率はインク受容層と表面層の中間値を持ち、インク受容層の屈折率から表面層の屈折率へとなだらかに変化する屈折率の傾斜を持つことになる。すると界面での反射率は著しく低下する、あるいは反射そのものが発生しなくなりため、光沢は表面の反射のみから与えられる事となり、本発明が必要とする光沢を得ることは出来なくなる。
本発明を平滑な面に適用すると、各角度での光沢度数値で100以上の値を得る事が出来、これは界面での反射が実際に生じており高反射率光学薄膜として機能していることを示している。光沢度数値は屈折率屈折率1.567の平滑なガラス表面での反射率を100として定義されており、その反射率と屈折率は正の相関を持つ。本発明の表面層を形成している、例えばスチレンアクリル樹脂の屈折率は1.5程度、しかも孔があいているので、その孔の分だけ屈折率は低下し(屈折率は孔の部分は1とし、体積平均で求めることが出来る)、表面の反射のみでは光沢度数値100を超えることはあり得ないため、界面での反射が発生していることが判る。
この様な、光学薄膜は一般的に平滑な面において議論されることが多いが、発明の如く平滑では無い面においても、同様に機能しており、本発明においては、高反射率光学薄膜を設けることにより、例えば可視光領域における20度反射率を大幅に増大させている。
本発明において、光学薄膜である表面層の厚みは200nm以下であり、150nm以下がより好ましく、100nm未満が特に好ましい。150nmを超えると可視光領域の短波長域における反射率が低下し、問題とはならないレベルではあるが、光学干渉により若干の長波長域での発色が観察される様になる。200nmを超えると、この光学干渉による着色が大きくなりインクジェット用記録材料の表面が赤色として認識される様になるため、好ましくない。表面層の厚みは、例えば超微粒子酸化チタンを含む場合には、その高い屈折率により数十nm程度の厚みでも本発明を満足するが、薄くなるに従い短波長側の反射率が高くなり、インクジェット用記録材料の表面がごく淡い青色として認識される様になる場合がある。よって表面層の厚みは10nm以上である事が必要であり、より好ましくは20nm以上である。
本発明において高反射率光学薄膜として機能する表面層について、表面層を設けることによる反射率の増大は、表面層の厚みと屈折率、透明度により左右され、同一の厚みであれば、屈折率の高い方が反射率は高くなり、同一の厚み・屈折率であれば、透明度が高い方が反射率は高くなる。これは、表面層の屈折率と厚みを乗じた光学厚みとインク受容層の屈折率を用い、光学関係の書籍に記載されているフレネル係数を用いた計算により、近似的に見積もる事が出来る。
更に、本発明における表面層は、高反射率光学薄膜としての機能のみならず、インクジェット用記録材料と使用するために、インク成分(染料インクであればインクそのもの、顔料インクであれば顔料を分散している水や高沸点有機溶媒)の高い透過性(以後液体透過性とする)が必要である。
本発明において、平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子、もしくは平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子と平均一次粒子径50nm以下の無機微粒子から実質的に形成される表面層を、後述する表面層の塗布方法を使用し形成することにより、均一かつ緻密な多孔質構造を表面層に持たせる事が可能となり、表面層を液体透過性を有する高反射率光学薄膜として機能させる事が出来る。
表面層は、平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子、もしくは平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子と平均一次粒子径50nm以下の無機微粒子から実質的に形成され、バインダー(接着剤)としての水溶性樹脂、例えばゼラチン、カゼイン、ポリビニルピロリドン、プルラン、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールおよびこれらポリビニルアルコール類と他樹脂の共重合体、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を含む事は、含有量が増えるに従いインク吸収性を低下させるためあまり好ましくない。これは本発明において、一旦インク受容層を形成した後、表面層を形成することにより光学薄膜を得ているため、この表面層を形成する段階で上記水溶性樹脂がインク受容層表面で孔の無い極薄層の皮膜を形成してしまうためである。従って本発明において表面層が、平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子、もしくは平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子と平均一次粒子径50nm以下の無機微粒子から実質的に形成されるとは、表面層の固形分において95質量%以上、より好ましくは98質量%以上が前記無機微粒子あるいは前記有機微粒子から形成されている事を示し、水溶性樹脂の含有量は表面層を形成する微粒子の固形分に対し、5質量%以下、より好ましくは2質量%以下とすることを意味する。
表面層を形成する塗布液に含まれる成分としては、上記微粒子と必要で有れば極少量のバインダー、微粒子の分散媒としての水あるいは有機溶剤以外に、各種界面活性剤、各種無機塩類(例えば酢酸ジルコニウム等)、各種画像保存剤、水溶性蛍光増白剤等、インク受容層表面に皮膜を作るなどして局所的に残留せず、インク受容層側へ水あるいは有機溶剤と共に吸収される成分を含むことが出来る。
表面層が平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子、もしくは平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子と平均一次粒子径50nm以下の無機微粒子から実質的に形成される場合、有機微粒子は、顔料インクの擦過性の向上やギザロール跡を出にくくするため、少なくとも表面層の全固形分量の40体積%以上含まれている必要があり、好ましくは50体積%以上であり、より好ましくは60体積%以上である。例えば表面層を形成する有機微粒子にアクリル樹脂(比重1.19)を選択し、表面層を形成する無機微粒子にコロイダルシリカ(比重2.1)を選択した場合、表面層1m2あたりアクリル樹脂を40mg、コロイダルシリカを60mg混合し塗布すると、有機微粒子であるアクリル樹脂の体積%は(40/1.19)/(40/1.19+60/2.1)で求める事が出来、結果は54体積%となる。
表面層の厚みは断面のSEM観察や超薄切片をTEM観察することで求めることが出来る。凹凸により表面層の厚みに偏差が存在する場合には、平均厚みとして求めることが出来る。
本発明に用いる有機微粒子としては、媒質中に分散状態にあるポリマー微粒子のことであり、その材質として、例えば、アクリル重合体、スチレン−アクリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル等の多元共重合体、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、メチルメタクリレートブタジエン共重合体、カルボキシル化スチレンブタジエン共重合体、カルボキシル化アクリロニトリルブタジエン共重合体、カルボキシル化メチルメタクリレートブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エピスルフィド系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アクリル樹脂等、従来公知のものから広く選ぶ事が出来る。また、これらのポリマーのモノマー中に屈折率を高める目的で硫黄原子を導入したものや、耐候性を向上させる、あるいは屈折率を下げるためにフッ素置換基を導入したものも好ましく用いることが出来る。例えば屈折率が高いポリマー微粒子を用いた場合には、同じ光沢値が必要とされる場合に表面層の塗布量をより少なくすることが出来る。なお、本発明に用いる有機微粒子は、水系エマルジョンとして調製し用いることが好ましく、成膜助剤として有機溶剤を若干含んでいても良い。
本発明において、表面層を形成する有機微粒子は、平均粒子径15nm以上400nm以下であり、好ましくは20nm以上300nm以下である。平均粒子径が400nmを超えると、グロスディファレンシャルを抑制するために必要な淡色顔料インク印字部と同等の光沢を得ることは困難となる。また、粒子径が15nmより小さくなると、インク吸収性の劣化が生じるため好ましくない。表面層の厚みが200nm以下であるのにもかかわらず、有機微粒子の平均粒子径が200nm以上の粒子を使用する事は、一見矛盾するように見えるが、後述する表面層の塗布方法を用いる事により、有機微粒子は変形するため、200nm以下の厚みを持つ表面層を形成することが出来る。
本発明において、表面層を形成するために用いる有機微粒子は、1)均一組成の有機微粒子(異相構造を持たず各々の有機微粒子が均一な組成を持つ)を用いる場合、2)複数の有機微粒子の混合して用いる場合、3)モノマー組成、粒子径、重合度の異なる複数の重合体が混合されて単一粒子内に存在する異相構造粒子を用いる場合、に大別することが出来る。
1)の均一組成の有機微粒子を用いる場合、ガラス転移温度(Tg)が50℃未満の場合には平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子を用いることができるが、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上である場合には、平均粒子径は80nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。ガラス転移温度(Tg)が50℃以上かつ平均粒子径が80nmを超えると、有機微粒子のインク受容層表面に対する定着性が低下する傾向が見られ、表面層が擦過により傷つき易くなる場合がある。
2)の複数の有機微粒子を混合して用いる場合、表面電荷の符合が同じ有機微粒子を混合することが、表面層を形成する塗布液の経時安定性の面から好ましい。ガラス転移温度(Tg)が50℃未満の有機微粒子同士を混合する場合には、平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子を任意に2種類以上混合して用いることが出来る。また、ガラス転移温度(Tg)が50℃未満、且つ平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子と共に、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上の有機微粒子を併用する場合は、全有機微粒子中に対しガラス転移温度(Tg)が50℃以上の有機微粒子は80体積%以下が好ましく、60体積%以下がより好ましく、且つ平均粒子径は80nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。
3)モノマー組成、粒子径、重合度の異なる複数の重合体が混合されて単一粒子内に存在する異相構造粒子を用いる場合、異相構造微粒子としては、特にその構造は限定しない。異相構造粒子の構造例及び調整方法は「合成ラテックスの応用(杉村孝明・片岡靖男・鈴木聡一・笠原啓司編集(株)高分子刊行会発行(1993))」に記載されている。例として、コアシェル構造、複合構造、局在構造、だるま状構造、ラズベリー状構造、多粒子複合構造、みずかき構造、IPN(相互貫入網目構造)などがあり、好ましい様態の一つとしてコアシェル構造をあげることが出来る。
コアシェル構造を持つ場合、シェル部分のガラス転移温度(Tg)をコア部分よりも低く設計する事が好ましく、50℃未満とする事がより好ましく、10℃未満とする事が特に好ましい。各々の有機微粒子中において、シェル部分の体積%は20体積%以上が好ましく、30体積%以上がより好ましい。
本発明に用いる有機微粒子の組成の例示を行うと、スチレン−アクリル共重合体を用い、スチレンとアクリルの比率を変更し、ガラス転移温度(Tg)を60℃とした平均粒子径35nm程度の有機微粒子、あるいはスチレン−アクリル共重合体を用い、スチレンとアクリルの比率を変更し、シェル部分のガラス転移温度(Tg)を−20℃とし、コア部分のガラス転移温度(Tg)を60℃とし、シェル部分が全体の50体積%である平均粒子径100nm程度の有機微粒子、あるいはエチレン−塩化ビニル共重合体を用い、有機微粒子の100体積%がガラス転移温度(Tg)0℃とした平均粒子径200nm程度の有機微粒子をあげることが出来る。
特に、ガラス転移温度(Tg)が50℃未満の部分を、有機微粒子として、あるいは各々の有機微粒子の異相構造部分として含み、且つ後述する表面層の塗布方法を併用することにより、有機微粒子が変形融着し少数の孔が空いている、曰く”少孔質構造”とでも言うべき、均一かつ非常に緻密な構造を形成することが出来、液体透過性と高反射率光学薄膜として性能を両立させる事が容易となり好ましい。
従来、最表層に有機微粒子を含む場合、該有機微粒子のガラス転移温度あるいは最低増膜温度が、製造時の乾燥工程中、あるいは保存時の上限環境温度(例えば50℃)以下の粒子は、乾燥工程あるいは保存過程において、相互に融着しインク吸収性を劣化させる事が知られていたが(例えば特開2003−200649号公報)、本発明の如く、200nm以下の薄層の場合では、加圧して高温環境下に保存したとしても、表面層に形成された孔が封鎖されることはなく、インク吸収性は低下しない。また、例えばインクジェット用記録材料が枚葉状に重ねられ加圧された状態や、ロール状に堅く巻き取られた状態で高温環境下に保存された場合においても、ブロッキングなどの現象は生じない。これは表面層の厚みが200nm以下と極めて薄いため、裏面との接触が例え加圧されていても点接触となり、ブロッキングには至らないものと考えている。
本発明において、無機微粒子は有機微粒子と同様に高反射率光学薄膜を形成する素材として用いるだけではなく、例えばインクジェット用記録材料表面の摩擦係数を制御したり、液体透過性の制御を行うために添加することが出来る。インクジェット用記録材料の表面に非常に高い反射率が要求される場合には、屈折率が2以上の無機微粒子を用いる事が好ましい。
本発明において、表面層に無機微粒子が含まれる場合、該無機微粒子の平均一次粒子径は50nm以下である。粒子径が50nmを大きく超えると、光沢値が低下し、無機微粒子の定着性も低下するため好ましくない。平均一次粒子径の下限は特に無いが、1nm以上であることが好ましい。また、一次粒子が複数個結合した二次粒子を形成する場合には、その平均二次粒子径は200nm以下であることが好ましく、150nm以下がより好ましく、更に100nm以下であることがより好ましい。
本発明において、表面層に無機微粒子が含まれる場合、用いる事の出来る無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、鉛白、酸化アンチモン類、アンチモン酸亜鉛、チタン酸鉛、チタン酸カリウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化モリブデン、ATO、ITO等があり、これらは単独あるいは混合して用いることが可能であり、これらの複合酸化物あるいは複合硫化物等についても広く用いることが出来る。また、酸化チタン、酸化亜鉛等光触媒活性をもつ無機微粒子の場合には、無機微粒子表面に極めて薄く、シリカ、アルミナ、ホウ素などによる被覆が行われていることが好ましい。また、無機微粒子と少量の有機高分子による複合粒子を用いた場合などでも、実質的には無機微粒子と見なす。この場合の無機微粒子と少量の有機高分子による複合粒子において、有機高分子/無機微粒子の質量比は概ね1/100〜1/4である。上記の無機微粒子の中でも、価格、入手性を勘案するとシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化チタン(ルチル型およびアナターゼ型)が好ましい。また、表面層に用いるシリカに関し、コロイダルシリカあるいは気相法シリカを用いることが好ましく特に平均一次粒子径50nm以下のコロイダルシリカが好ましい。また、表面層に用いるアルミナに関し、γ型、θ型、ベーマイトや擬ベーマイト型が好ましい。
気相法シリカや、ベーマイトあるいは擬ベーマイト型のアルミナは、一次粒子がつながった高次構造を持つためポーラスな構造を取りやすいことが知られており、そのため表面層に微細な孔を形成し、インク吸収性を向上させる事が出来る。本発明に於いては、併用する有機微粒子を構成するポリマーの重合度が低く柔らかい場合に、インク受容層の細孔を封鎖しインク吸収性を低下させる場合があるが、インク吸収性を確保するために、これらのポーラスな構造を取りやすい無機微粒子を15体積%以下の量で混合することが出来る。添加量が15体積%を超えると、表面層の定着性の劣化と光沢の低下(表面層が粗となり屈折率が低下するため高反射率光学薄膜として機能しにくくなる)するため好ましくなく、使用量は最低限に抑える必要がある。
使用する無機微粒子は1種類であってもよいし、2種以上混合して用いても良い。2種以上の無機微粒子を混合して用いる場合には、表面電荷の符合が同じ無機微粒子を混合することが、表面層を形成する塗布液の経時安定性の面から好ましい。
有機微粒子と無機微粒子を併用する場合には、混合するのみならず、有機微粒子層と無機微粒子層に分離していても良く、層を分離する場合には顔料インクの耐擦過性を高める観点から有機微粒子を上の層とすることが好ましい。
表面層に用いる有機微粒子の平均粒子径あるいは無機微粒子の平均二次粒子径は、適当な分散媒に分散させ、レーザ散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA910)を用いて求めることができる。また無機微粒子の平均一次粒子径は、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均し、求めることが出来る。
表面層塗布液の固形分濃度は、0.05〜5質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲であり、特に0.15〜2質量%の範囲が好ましい。
表面層塗布液の25℃における粘度は、10mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以下がより好ましく、特に1〜3mPa・sの範囲が好ましい。
本発明において、インク受容層の上への表面層塗布液の塗布は、インク受容層の塗布液を塗布し、乾燥工程中の減率乾燥領域以後、もしくは乾燥終了点より後に行う。詳しくは、支持体上に塗布されたインク受容層が完全に乾燥した後、あるいは乾燥過程でインク受容層中に空隙が形成される減率乾燥領域に到達した後に、表面層塗布液を塗布する時点におけるインク受容層の空隙容量以下の湿分塗布量に調整し塗布を行う。空隙が形成された後に空隙容量以下の表面層塗布液を塗布することにより、表面層塗布液がインク受容層中に急激に吸収される。この吸引圧により表面層塗布液中に分散している無機微粒子や有機微粒子がインク受容層表面上に強く押しつけられ、インク受容層との間に結着力が生じ、所謂圧着と同様の事象が発現し、無機微粒子や有機微粒子が密に充填された表面層がインク受容層上に明確な界面を保持して固定され、高反射率光学薄膜として機能しうる薄膜を形成する事が出来る。
前述した様に、インク受容層塗布液と表面層塗布液の同時重層塗布は、インク受容層塗布液と表面層塗布液が接する部分では塗布液同士の局所的な混合が必ず生じるため好ましくない。
インク受容層の空隙容量を超えた量の塗布を行うと、吸収されなかった塗布液が表面に残留するため、吸収が進んでいる段階でインク受容層表面に堆積していた有機微粒子や無機微粒子の間に水が存在する形でゆっくりと乾燥するため、インク受容層に対する表面層の結着力が十分に得られず表面層定着性が劣化したり、表面層を形成する有機微粒子や無機微粒子の間隔が粗になるため、表面層の屈折率の低下とそれによる光沢度低下が発生する場合もあり好ましくない。また、吸収されなかった表面層塗布液が、水滴状に凝集し乾燥する場合もあり、この場合には、水滴状に凝集し乾燥した部分の表面層の厚みが大きくなるため、厚くなったところに選択的に発生する光学干渉による着色や、吸収性の劣化が発生し、インクジェット用記録材料として好ましくないものとなりやすい。また、インク受容層内部に含まれていた気体が泡として表面に現れ、塗布故障となる場合も多い。
表面層塗布液の塗布は、減率乾燥領域以降であれば良いが、減率乾燥領域においても、乾燥過程の進行により、インク受容層がその乾燥過程時点で持つ空隙容量は増大する。表面層塗布液を塗布する時点でのインク受容層の空隙容量が大きければ多いほど、前述した吸引圧による有機微粒子や無機微粒子の圧着や配列が良好になるため、減率乾燥領域でも後半に塗布することが好ましく、乾燥終了後に表面層塗布液の塗布を行うことがより好ましい。また、インク受容層を塗布した後に一旦巻き取り、その後表面層を塗布しても良いし、巻き取り後に加温、調湿などのアニール処理を行った後、表面層を塗布しても良い。
また、表面層塗布液を塗布、乾燥を行った後、従来のインクジェット用記録材料と同様に、例えば40℃で1日加温するなどのアニール処理を好ましく行う事が出来る。
乾燥工程は、恒率乾燥領域、減率乾燥領域、乾燥終了点に大別される。乾燥の初期段階である恒率乾燥領域においては、塗層中の水や溶剤が蒸発潜熱を奪いながら単純に蒸発していくため、塗層の表面温度は湿球温度(湿り空気の平衡状態での水滴の温度であり、空気の湿度が小さいほど低い。)とほぼ等しくなる。減率乾燥領域においては、塗層に含まれる物質と水とのインターラクションを乖離させる為のエネルギーが必要となったり、形成されはじめる空隙により水分移動が阻害されるため、塗層中における水や溶媒の移動速度が塗層表面からの水や溶媒の蒸発速度より低下し、蒸発潜熱が次第に奪われにくくなるため、塗層の表面温度は湿球温度と比較し、次第に高くなる。乾燥終了点においては、蒸発潜熱が奪われなくなるため、塗層の表面温度は乾燥空気の温度と等しくなる。
従って、本発明における減率乾燥領域以降とは、乾燥工程中に表面温度計を用いて塗層の表面温度と同条件における湿球温度を比較し、表面温度が湿球温度より高くなる領域以降の事である。
本発明でいうインク受容層の空隙容量とは、水銀ポロシメーター(測定器名称 Autopore II 9220 製造者 micromeritics instrument corporation)を用い測定・処理された、インク受容層部分における細孔半径3nmから400nmまでの累積細孔容積(mL/g)に、インク受容層の乾燥固形分量(g/平方メートル)を乗ずる事で、単位面積(平方メートル)当たりの数値として求める事が出来る。
以上説明した様に表面層塗布液の湿分塗布量は、インク受容層がその乾燥過程時点で持つ空隙容量に依存するため一概には規定できないが、一例として乾燥終了点より後に塗布する場合においては、25g/m2以下が好ましく、22g/m2以下がより好ましく、18g/m2以下が特に好ましい。安定的な塗布を行う観点から湿分塗布量の下限は、2g/m2程度である。
また、表面層塗布液の塗布は、少なくとも剪断速度1000(1/S)以上を与えて塗布する。これは、剪断を与えることで表面層の有機微粒子や無機微粒子が均一に配列するため、厚みが均一かつ緻密な表面層を形成できるためであり、前述した様に有機微粒子が変形融着し少数の孔が空いている非常に緻密な表面層を形成することが出来るからである。
この様に、正確な塗布量を与え、表面層のインク受容層への圧着を阻害せず、剪断力を与える為に、前計量タイプの塗布装置を使用する事が必要であり、スライドビード、スロットダイのような塗布液を塗布巾方向に均一に流出するためのスリットを持つ塗布装置、あるいはグラビアロールを使用する塗布装置を用いることが好ましい。
本発明における前計量タイプの塗布装置について説明する。各種塗布方式は、前計量タイプと後計量タイプに大別できる。前計量タイプは、予め所定の塗布量になるように計量しておいた塗布液を塗布する方式である。後計量タイプは、所定の塗布量より過剰に塗布しておいてから、後で所定の塗布量になるように掻き取る塗布方式である。前計量タイプの塗布方式としては、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式、スプレー方式等があり、後計量タイプの塗布方式としては、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバー(ワイヤーバー)コーティング方式等がある。グラビアロール方式は、グラビアロール上に過剰に塗布液を供給し、ブレードにより掻き落とした後、基材に転写して塗布を行う。塗布後に掻き取る工程を持たないため、前計量方式といえる。
前計量タイプの塗布方式として、例えば特開2003−326836号公報には、スロットノズルスプレーによる塗布方式が開示されているが、液滴の飛翔により塗布を行うスプレー塗布装置では、液滴の噴霧時には高い剪断速度がかかる事が知られているが、塗布される段階、つまり実際に液滴が基材上に付着し塗布される時には、剪断速度は1000(1/S)以上にはならない。
グラビアロールを使用する塗布装置として、基材(本発明の場合にはインク受容層が塗布された支持体)の進行方向に対して、接触するグラビアロールの面の進行方向が同一であるグラビア塗布装置と、反対方向に向いているリバースグラビア塗布装置がある。リバースグラビア塗布装置は、本発明を満足する大きな剪断速度を与える事が出来るが、一般的にグラビアロールの直径は少なくとも200mm以上ある。そのため、グラビアロールとインク受容層との接触時間が長く、インク受容層がグラビアロールに接触している間に、表面層塗布液が吸収されてしまい、インク受容層表面に形成された表面層とグラビアロールとの物理的な接触が発生し表面層の乱れが発生する場合もある。
そのため、使用するグラビアロールの直径を細くし、インク受容層とグラビアロールの接触時間を短くした塗布装置を用いる事がより好ましく、グラビアロールの直径が100mm以下の斜線グラビアロール(斜線の溝を有するグラビアロール)をリバース回転で使用することが特に好ましい。ロール直径のより好ましい範囲は20〜80mm程度である。
以上、本発明の表面層塗布液の塗布装置として、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式を好ましい塗布方式として例示することが出来る。
本発明において必要な剪断速度は1000(1/S)以上であり、例えば、スライドビード方式あるいはスロットダイ方式の様に、基材との間にある程度のギャップを設けて塗布を行う方式において、塗布液に与えられる剪断速度は塗布速度をギャップの距離で除した値で近似され、例えば塗布速度120m/分、ギャップが150μmの場合には、2(m/s)/(150×10-6(m))=1.33×104(1/S)となる。スライドビードあるいはスロットダイによる塗布では一般的に剪断速度は1000〜50000(1/S)であり、グラビアロールをリバース回転で使用する塗布装置では、10000〜100000(1/S)程度である。
次に、本発明における多孔質のインク受容層について説明する。
本発明のインク受容層に用いられる平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、インク吸収性と生産性の点で非晶質合成シリカ、アルミナ又はアルミナ水和物が好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソーシリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販さている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明には、気相法シリカが好ましく使用できる。本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いることである。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均粒子径を求めたものであり、本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散するのが好ましい。分散された気相法シリカの平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは10〜300nm、更に好ましくは20〜200nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることが出来るが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することが出来る。
本発明では、平均二次粒子径500nm以下に粉砕した湿式法シリカも好ましく使用できる。ここで用いられる湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均凝集粒子径が5〜50μmである湿式法シリカ粒子が好ましく、これをカチオン性化合物の存在下で平均二次粒子径500nm以下、好ましくは10〜300nm程度まで、更に好ましくは20〜200nm程度まで微粉砕した湿式法シリカ微粒子を使用することが好ましい。
通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均凝集粒子径を有するため、これを微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。この際、分散液の初期粘度上昇が抑制され、高濃度分散が可能となり、粉砕・分散効率が上昇してより微粒子に粉砕することができることから、平均凝集粒子径5μm以上の沈降法シリカを使用することが好ましい。高濃度分散液を使用することによって、記録用紙の生産性も向上する。
本発明における平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子を得る具体的な方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕し、平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同昭59−33176号、同昭59−33177号、同昭59−155088号、同昭60−11389号、同昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭60−109894号、同昭62−198493号、同昭63−49478号、同昭63−115780号、同昭63−280681号、同平1−40371号、同平6−234268号、同平7−125411号、同平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。
本発明に使用するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで粉砕したものが使用できる。
本発明のアルミナ水和物はAl23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
上記した無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、微粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用、微粉砕した湿式法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用、気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用が挙げられる。この併用の場合の比率は、いずれの様態も、7:3〜3:7の範囲が好ましい。
本発明のインク受容層において、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子の含有量は、インク受容層の全固形分に対して50質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上がより好ましく、特に65〜90質量%の範囲が好ましい。このように無機微粒子の含有比率が高いインク受容層は、空隙率の高い多孔質なインク受容層となる。
本発明において、インク受容層を構成する無機微粒子とともに用いられるインク受容層を構成するバインダーとしては、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等が挙げられる。これら親水性バインダーは2種類以上併用することも可能である。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールや、カチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度200〜5000のものが好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
本発明は、インク受容層を構成する上記親水性バインダーと共に必要に応じ硬膜剤を用いることもできる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号明細書、同2,983,611号明細書記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
親水性バインダーとしてケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したポリビニルアルコールを用いる場合には、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類が好ましく、ホウ酸が特に好ましい。
また、インク受容層を構成する親水性のバインダーとしてケト基を有する樹脂バインダーを用いる事も出来る。ケト基を有する樹脂バインダーは、ケト基を有するモノマーと他のモノマーを共重合する方法等によって合成することができる。ケト基を有するモノマーの具体例としては、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクレート、4−ビニルアセトアセトアニリド、アセトアセチルアリルアミド等が挙げられる。また、ポリマー反応でケト基を導入してもよく、例えばヒドロキシ基やアミノ基とジケテンとの反応等によってアセトアセチル基を導入することができる。ケト基を有する樹脂バインダーの具体例としては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性セルロース誘導体、アセトアセチル変性澱粉、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、特開平10−157283号公報に記載の樹脂バインダー等が挙げられる。本発明では、特にケト基を有する変性ポリビニルアルコールが好ましい。ケト基を有する変性ポリビニルアルコールとしては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとジケテンの反応等の公知の方法によって製造することができる。アセトアセチル化度は0.1〜20モル%が好ましく、更に1〜15モル%が好ましい。ケン化度は80モル%以上が好ましく、更に85モル%以上が好ましい。重合度としては、500〜5000のものが好ましく、特に2000〜4500のものが更に好ましい。
ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールは、ジアセトンアクリルアミド−酢酸ビニル共重合体をケン化する等公知の方法によって製造することができる。ジアセトンアクリルアミド単位の含有量としては、0.1〜15モル%の範囲が好ましく、更に0.5〜10モル%の範囲が好ましい。ケン化度としては85モル%以上、重合度としては500〜5000のものが好ましい。
本発明において、インク受容層に含有するケト基を有する樹脂バインダーは、その架橋剤で架橋される事が好ましい。かかる架橋剤としては以下の化合物が挙げられる。
(1)ポリアミン類
脂肪族ポリアミン類;
・アルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、
・ポリアルキレンポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、イミノビス(プロピルアミン)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど)、
・これらのアルキルまたはヒドロキシアルキル置換体(例えば、アミノエチルエタノールアミン、メチルイミノビス(プロピルアミン)など)
・脂環または複素環含有脂肪族ポリアミン(例えば、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど)
・芳香環含有脂肪族アミン類(例えば、キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)
C4〜C15の脂環式ポリアミン;
例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等。
C4〜C15の複素環式ポリアミン;
例えば、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノピペラジン等。
C6〜C20の芳香族ポリアミン類;
・非置換芳香族ポリアミン(たとえば1,2−,1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4´−および4,4´−ジフェニルメタンジアミン、ポリフェニルポリメチレンポリアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン,チオジアニリン,ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチレンジアミンなど)
・核置換アルキル基(たとえばC1〜C4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミン(例えば、2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン,4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトライソプロピルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラブチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジイソプロピル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルスルホンなど)
ポリアミドポリアミン;
例えば、ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類:(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量(例えば分子量200〜5000)ポリアミドポリアミンなど)
ポリエーテルポリアミン;
例えば、分子量100〜5000のポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など)
(2)ジシアンジアミド誘導体;
ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物など。
(3)ヒドラジン化合物;
ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン、ヒドラジンの無機塩類(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、チオシアン酸、炭酸などの無機塩類)、ヒドラジンの有機塩類(例えば、ギ酸、シュウ酸などの有機塩類)。
(4)ポリヒドラジド化合物(ジヒドラジド、トリヒドラジド);
カルボヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド等。
(5)アルデヒド類;
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のモノアルデヒド、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、1,8−オクタンジアール、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、両末端アルデヒド化PVA等のジアルデヒド類、アリリデン酢酸ビニルジアセテート共重合体をケン化して得られる側鎖アルデヒド含有共重合体、ジアルデヒド澱粉、ポリアクロレイン等。
(6)メチロール化合物;
メチロールホスフィン、ジメチロール尿素、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、尿素樹脂初期重合物、メラミン樹脂初期重合物等。
(7)活性化ビニル化合物;
ジビニルスルホン系化合物、β−ヒドロキシエチルスルホン系化合物等。
(8)エポキシ化合物;
エピクロルヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジ又はトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、ポリエポキシ化合物等。
(9)イソシアネート系化合物;
トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン−トリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス−4−フェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック物、ポリイソシアネート等が挙げられる。
(10)フェノール系化合物;
フェノール系樹脂初期縮合物、レゾルシノール系樹脂等。
(11)多価金属塩;
・ジルコニウム塩(硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、フッ化ジルコニウム化合物等)
・チタン塩(4塩化チタン、乳酸チタン、テトライソプロピルチタネート等)
・アルミニウム塩(塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム等)
・カルシウム塩(塩化カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム等)
・マグネシウム塩(塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等)
・亜鉛塩(塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等)
上記した架橋剤の中でも、ポリヒドラジド化合物、及び多価金属塩が好ましい。ポリヒドラジド化合物の中でも特にジヒドラジド化合物が好ましく、更にアジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドが好ましい。多価金属塩としては、特にジルコニウム塩が好ましく、更に、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウムが好ましい。架橋剤の添加量は、ケト基を有する樹脂バインダーに対して1〜40質量%の範囲が適当であり、2〜30質量%の範囲が好ましく、特に3〜20質量%の範囲が好ましい。また、アセトアセチル変性、ジアセトンアクリルアミド変性された部位以外は、通常のポリビニルアルコールと同様の構造を持つため、硬膜剤を併用することが出来る。特にホウ砂あるいはホウ酸、ホウ酸塩を併用することが好ましい。
本発明では完全または部分ケン化のポリビニルアルコールや、カチオン変性ポリビニルアルコールと、ケト基を有する樹脂バインダーを併用することも可能であり、その場合には、硬膜剤あるいは架橋剤を併用することもできる。
本発明では、更に他の公知の樹脂バインダーを併用してもよい。例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、澱粉や各種変性澱粉、ゼラチンや各種変性ゼラチン、キトサン、カラギーナン、カゼイン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールや各種変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を必要に応じて併用することができる。更に、バインダー樹脂として各種ラテックスを併用してもよい。
インク受容層における樹脂バインダーの含有量は、前述した平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子に対して5〜40質量%の範囲が好ましく、特に10〜30質量%がインク受容層内に微細な空隙を形成し、多孔質な層を形成するために好ましい。
インク受容層の乾燥塗布量は、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子に換算して10〜50g/m2の範囲が好ましく、12〜40g/m2の範囲がより好ましく、特に15〜35g/m2の範囲が好ましい。インク受容層には更に、カチオン性ポリマー、防腐剤、界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などを添加することもできる。
インク受容層は、2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク受容層の構成はお互いに同じであっても異なっていても良い。
本発明において、インク受容層の塗布に用いられる塗布方式としては、公知の各種塗布方式を用いることができる。例えば、スライドビード方式、スライドカーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
次に、本発明におけるインクジェット用記録材料の表面粗さと、使用される支持体について説明する。
本発明のインクジェット用記録材料は多孔質のインク受容層を有し所謂、半光沢面、微光沢面、マット面、エンボス面、絹目面、バライタ面等と称される”光沢面”以外のインクジェット用記録材料に相当し、インク受容層および表面層の塗布、乾燥を行いインクジェット用記録材料として作製した後、インク受容層を有する側の表面をJIS−B−0601に規定される基準長4.0mm、カットオフ値0.8mmで測定したときの算術平均粗さ(Ra)が0.3〜3.5μmとし、0.4〜3.0μmとすることがより好ましい。3.5μmを超えると、形成される画像の鮮鋭性が損なわれる場合があり好ましくなく、0.3μmより小さくなると所謂”光沢面”と認識される様になり、外光の写り込みなどが生じる場合がある。支持体には従来インクジェット用記録材料に用いられる公知のものを適宜使用することができ、吸水性支持体、非吸水性支持体のいずれも利用することが出来る。特に銀塩写真と同等の質感を付与するという観点から、非吸収性支持体が好ましく、また、ポリオレフィン樹脂被覆紙がより好ましい。
また、インク受容層を有する側の表面がJIS−B−0601に規定される基準長4.0mm、カットオフ値0.8mmで測定したときに算術平均粗さ(Ra)が0.3〜1.5μmのインクジェット用記録材料において、インク受容層が塗設されただけでは光沢面として認識されないが、ここに本発明の高反射率光学薄膜の機能を有する表面層を設けると、各角度での光沢度数値を、Raが0.2μm未満の光沢面と同等以上とすることが可能である。これにより、屋外で観察する場合に不適となる外光の写り込みを効果的に抑制しながら、光沢のある面として見えるという、従来には無かった新規な光沢面を得ることが可能となる。具体的には、外光の写り込みの尺度として像鮮明度光沢(ASTM E430規定)を用いると、本数値を9以下とすることにより外光の写り込みは無視できる程度に抑制され、かつ20度光沢度数値を20以上とすることにより、光沢面として認識される様になる。市販されているポリオレフィン樹脂被覆紙を用いた光沢面インクジェット用記録材料の像鮮明度光沢度数値は30程度、20度光沢度数値は20程度であり、外光の写り込みが観察される。
インクジェット用記録材料のインク受容層を有する側の表面粗さをJIS−B−0601に規定される基準長4.0mm、カットオフ値0.8mmで測定したときの算術平均粗さ(Ra)が0.3〜3.5μmとするために、インク受容層にマット剤を含有させる、あるいはインク受容層が塗布・乾燥された後にエンボス加工されたロール面を加圧転写する等の方法を好ましく用いる事が出来るが、支持体のインク受容層が塗布される面に凹凸を設けることも好ましい一つの様態である。
本発明で用いることのできる吸水性支持体としては、例えば、一般の上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙等の紙支持体や、合成紙等を挙げることができるが、紙支持体を用いることは、基材自身の吸水性によりインク溶媒を吸収出来ること、かつコスト的にも非吸水性支持体に対し優れている点から好ましい。紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。又、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用することができる。
上記紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加することができる。
紙支持体は、前記の木材パルプなどの繊維状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することができる。又、必要に応じて抄紙段階又は抄紙後にスターチ、ポリビニルアルコール等を用い、サイズプレス処理を行う事も出来る。その他、各種コート処理、カレンダー処理、キャスト処理等を行っても良い。一般的に、各種コート処理、カレンダー処理、キャスト処理を行うと表面粗さは低下する傾向にあるが、インク受容層塗布液が塗布されると、インク受容層塗布液中の水分により繊維状物質が膨潤し、表面粗さが大きくなるため、あらかじめこられの処理を行っておくことも本発明を満足する表面粗さを得るために好ましい。
非吸水性支持体としては、透明支持体及び不透明支持体がある。透明支持体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料を有するフィルム等を挙げることが出来、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。このような透明支持体の厚さとしては、50〜300μmが好ましい。非吸水性支持体をインクジェット用記録材料の基材として用いることは、印字された部分の寸法安定性に優れ、コックリングなどの印字障害を生じないため好ましい。これら支持体を本発明に用いる際には、例えば樹脂への大粒径顔料の添加、あるいはビーズの塗布や、エンボス加工等により支持体表面に凹凸を設ける事が好ましい。
また、不透明支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方にポリオレフィン樹脂被覆層を有するポリオレフィン樹脂被覆紙、ポリエチレンテレフタレートに酸化チタン、硫酸バリウム等の白色顔料の添加、あるいは微細な気泡を内部に形成した、所謂ホワイトペット等を好ましく用いることが出来る。
本発明に用いる特に好ましい支持体であるポリオレフィン樹脂被覆紙について以下に説明する。ポリオレフィン樹脂に被覆される原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ或いはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPの何れも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP又はLDPの比率は10〜70質量%が好ましい。
上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エピクロルヒドリン等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
原紙の坪量は30〜450gが好ましく、特に50〜300gが好ましい。原紙の厚さは40〜350μmが好ましい。
原紙は抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/cm3(JIS−P−8118)が一般的である。また、原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良い。
原紙の片面あるいは両面を被覆するポリオレフィンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙は、ポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、紙基体とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状が転写される。本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙を製造する際には、微粒面、マット面、絹目面、エンボス面等の規則的あるいは不規則なパターンに加工されたクーリングロールを用いる事が好ましい。
インク受容層側のポリオレフィン層には、ルチル又はアナターゼ型の酸化チタンを添加し、不透明度及び白色度を改良したものを用いることが好ましい。酸化チタン含有量はポリオレフィンに対して通常3〜20質量%、好ましくは4〜13質量%である。また、目的に応じ蛍光増白顔料等をポリオレフィン樹脂中に添加することも出来る。
支持体、特に耐水性支持体であるフィルムやポリオレフィン樹脂被覆紙を使用する場合には、インク受容層を設ける面上に天然高分子化合物や合成樹脂を主体とするプライマー層を設ける事が好ましい。天然高分子化合物としては、ゼラチン、カゼイン等を、合成樹脂としては、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。プライマー層は、支持体上に0.01〜5μmの膜厚(乾燥膜厚)で設けられる。好ましくは0.01〜2μmの範囲である。
本発明における支持体には筆記性、帯電防止性、搬送性、カール調整などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、各種親水性バインダー、各種ラテックス、各種顔料、硬化剤、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
本発明のインク受容層塗布液を塗布する場合には、塗布に先立ってコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等を支持体に施すことが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は、質量部及び質量%を示す。
実施例1
<ポリオレフィン樹脂被覆紙1の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100部の樹脂に対して、10部のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粒面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、表面(インク受容層塗設面)とした。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙1の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下塗り層1をゼラチンの付着量が60mg/m2となるように塗布乾燥した。
<下塗り層1>
ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 8部
得られたポリオレフィン樹脂被覆紙1のインク受容層塗設面をJIS−B−0601に則り、基準長4.0mm、カットオフ値0.8mmで測定したときの算術平均粗さ(Ra)値は1.2μmであった。測定には(株)東京精密Surfcom1400A型を用いた。以下、算術平均粗さ(Ra)の測定は同条件にて実施した。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙2の作製>
ポリオレフィン樹脂被覆紙1の作製において、クーリングロールを微粒面加工されたものから、エンボス面加工されたものへ変更し、ポリオレフィン樹脂被覆紙2を作製した。得られたポリオレフィン樹脂被覆紙2のインク受容層塗設面の算術平均粗さ(Ra)値は1.6μmであった。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙3の作製>
ポリオレフィン樹脂被覆紙1の作製において、クーリングロールを微粒面加工されたものから、マット面加工されたものへ変更し、ポリオレフィン樹脂被覆紙3を作製した。得られたポリオレフィン樹脂被覆紙3のインク受容層塗設面の算術平均粗さ(Ra)値は2.0μmであった。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙4の作製>
ポリオレフィン樹脂被覆紙1の作製において、クーリングロールを微粒面加工されたものから、絹目面加工されたものへ変更し、ポリオレフィン樹脂被覆紙4を作製した。得られたポリオレフィン樹脂被覆紙4のインク受容層塗設面の算術平均粗さ(Ra)値は3.4μmであった。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙5の作製>
ポリオレフィン樹脂被覆紙1の作製において、クーリングロールを微粒面加工されたものから、微粗面加工されたものへ変更し、ポリオレフィン樹脂被覆紙5を作製した。得られたポリオレフィン樹脂被覆紙5のインク受容層塗設面の算術平均粗さ(Ra)値は0.13μmであった。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙6の作製>
ポリオレフィン樹脂被覆紙1の作製において、クーリングロールを微粒面加工されたものから、ポリオレフィン樹脂被覆紙4の作成に用いられたクーリングロールよりも粗く絹目面加工されたものへ変更し、ポリオレフィン樹脂被覆紙6を作製した。得られたポリオレフィン樹脂被覆紙6のインク受容層塗設面の算術平均粗さ(Ra)値は5.1μmであった。
<吸水性紙支持体1の作製>
ポリオレフィン樹脂被覆紙1の作製において、ポリオレフィン樹脂組成物による被覆を行わなずポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙をそのまま吸水性支持体1とし、下塗り層1の塗布も行わなかった。この吸水性紙支持体1のインク受容層塗設面の算術平均粗さ(Ra)値は1.4μmであった。
《記録シート1の作製》
ポリオレフィン樹脂被覆紙1に下記組成のインク受容層塗布液1をスライドビード塗布装置を用いて塗布し、35℃及び50℃の熱風を順次吹き付けて乾燥した。インク受容層塗布液の塗布量は、シリカ固形分換算で21g/m2であった。乾燥終了後、水銀ポロシメーター(測定器名称 Autopore II 9220 製造者 micromeritics instrument corporation)を用いて、空隙容量を測定したところ、25ml/m2であった。更に下記組成の表面層塗布液1を斜線グラビアロールを用いた塗布装置にて塗布速度30m/分で塗布を行い、50℃の熱風を吹き付けて乾燥し、記録シート1を得た。ここで用いた斜線グラビアロールは、直径60mm、斜線角度45度、線数90線/インチ、溝深さ110ミクロンのグラビアロールであり、リバース回転で用いた。、表面層塗布液の湿分塗布量は、斜線グラビアロールの回転数を調整し20g/m2に設定した。湿分塗布量は塗布中における単位時間当たりの塗布液減少量から求めた。表面層塗布液をインク受容層の上に塗布したところインク受容層の空隙に塗布液中の溶媒である水が瞬時に吸収され、均一な塗布面が得られた。
<シリカ分散液1の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液を製造した。平均二次粒子径は、堀場製作所製LA910を用いて測定すると130nmであった。
<インク受容層塗布液1>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 4部
ノニオン性界面活性剤 0.3部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が12.85%になるように水で調整した。
<表面層塗布液1>
スチレンアクリル樹脂有機微粒子水分散体(濃度30%) 1.00部
(XMM−2027、三井化学株式会社、平均粒子径97nm、
コアシェル型、コアTg60℃、シェルTg−20℃、シェルは33体積%)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.3%)
得られた記録シート1の表面層側表面粗さをJIS−B−0601に則り、基準長4.0mm、カットオフ値0.8mmで測定したときの算術平均粗さ(Ra)値は0.43μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均80nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート2の作製》
上記記録シート1のポリオレフィン樹脂被覆紙1からポリオレフィン樹脂被覆紙2に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
得られた記録シート2の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は0.99μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均80nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート3の作製》
上記記録シート1のポリオレフィン樹脂被覆紙1からポリオレフィン樹脂被覆紙3に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
得られた記録シート3の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.07μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均80nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート4の作製》
上記記録シート1のポリオレフィン樹脂被覆紙1からポリオレフィン樹脂被覆紙4に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
得られた記録シート4の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は2.96μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均80nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート5の作製》
上記記録シート1のポリオレフィン樹脂被覆紙1から吸水性支持体1に変更した以外は記録シート1と同様にして作製した。
得られた記録シート5の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は0.41μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均80nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート6の作製》
上記記録シート1の作製において、表面層塗布液1を塗布しない以外は記録シート1と同様にして作製した。
得られた記録シート6の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は0.47μmであった。
《記録シート7の作製》
上記記録シート2の作製において、表面層塗布液1を塗布しない以外は記録シート2と同様にして作製した。
得られた記録シート7の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は0.95μmであった。
《記録シート8の作製》
上記記録シート3の作製において、表面層塗布液1を塗布しない以外は記録シート3と同様にして作製した。
得られた記録シート8の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.05μmであった。
《記録シート9の作製》
上記記録シート4の作製において、表面層塗布液1を塗布しない以外は記録シート4と同様にして作製した。
得られた記録シート9の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は2.88μmであった。
《記録シート10の作製》
上記記録シート5の作製において、表面層塗布液1を塗布しない以外は記録シート5と同様にして作製した。
得られた記録シート10の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は0.46μmであった。
《記録シート11の作製》
上記記録シート3のインク受容層塗布液1を、下記組成のインク受容層塗布液2に変更し、インク受容層塗布液2を下層、架橋剤含有塗布液を上層にしてスライドビード塗布装置にて同時重層塗布を行い、乾燥後表面層塗布液の塗布を行った。インク受容層塗布液2の塗布量はシリカ固形分換算で21g/m2、架橋剤含有塗布液の塗布量はアジピン酸ジヒドラジド換算で0.45g/m2とした以外は記録シート3と同様にして作製した。乾燥終了後、水銀ポロシメーターを用いて、空隙容量を測定したところ、26ml/m2であった。
<インク受容層塗布液2>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
ノニオン性界面活性剤 0.3部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が12.51%になるように水で調整した。
<架橋剤含有塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド 100部
塩化ナトリウム 0.6部
ノニオン性界面活性剤 2部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
水にて全量を2000部とした。
得られた記録シート11の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.11μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均80nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート12の作製》
上記記録シート3のインク受容層塗布液1を、下記組成のインク受容層塗布液3に変更し、インク受容層塗布液3の塗布量はシリカ固形分換算で22g/m2とした以外は記録シート3と同様にして作製した。乾燥終了後、水銀ポロシメーターを用いて、空隙容量を測定したところ、24ml/m2であった。
<シリカ分散液2>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と沈降法シリカ(吸油量200ml/100g、平均一次粒子径16nm、平均凝集粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散液をビーズミルで処理して、固形分濃度30%のシリカ分散液2を得た。平均二次粒子径は200nmであった。
<インク受容層塗布液3>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)50部
シリカ分散液2 (シリカ固形分として)50部
ポリビニルアルコール 18部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 3部
ノニオン性界面活性剤 0.3部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が12.91%になるように水で調整した。
得られた記録シート12の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.09μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均80nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート13の作製》
上記記録シート3のインク受容層塗布液1を、下記組成のインク受容層塗布液4に変更し、インク受容層塗布液4の塗布量はアルミナ固形分換算で30g/m2とした以外は記録シート3と同様にして作製した。乾燥終了後、水銀ポロシメーターを用いて、空隙容量を測定したところ、23ml/m2であった。
<アルミナ水和物分散液1>
水に硝酸(2.5部)とアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を用いて、固形分濃度30%のアルミナ水和物分散液を作製した。平均二次粒子径は160nmであった。
<インク受容層塗布液4>
アルミナ水和物分散液1 (アルミナ水和物固形分として)100部
ポリビニルアルコール 12部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 0.5部
ノニオン性界面活性剤 0.3部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が16.12%になるように水で調整した。
得られた記録シート13の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.08μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均80nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート14の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液2に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液2>
スチレンアクリル樹脂有機微粒子水分散体(濃度30%) 1.67部
(XMM−2027、三井化学株式会社、平均粒子径97nm、
コアシェル型、コアTg60℃、シェルTg−20℃、シェルは33体積%)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.5%)
得られた記録シート14の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.06μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均120nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート15の作製》
上記記録シート4の表面層塗布液1を、上記組成の表面層塗布液2に変更した以外は記録シート4と同様にして作製した。
得られた記録シート15の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は2.93μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均120nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート16の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液3に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液3>
ウレタン樹脂有機微粒子水分散体(濃度34.4%) 0.73部
(スーパーフレックス130、第一工業製薬株式会社、平均粒子径20nm、
Tg101℃)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.25%)
得られた記録シート16の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.06μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均60nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート17の作製》
上記記録シート2の表面層塗布液1を、上記組成の表面層塗布液3に変更した以外は記録シート2と同様にして作製した。
得られた記録シート17の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は0.97μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均60nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート18の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液4に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液4>
エチレン塩化ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度50%) 1.0部
(スミエリート1010、住友化学株式会社、平均粒子径200nm、Tg0℃)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.5%)
得られた記録シート18の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.06μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均130nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート19の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液5に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液5>
スチレンアクリル樹脂有機微粒子水分散体(濃度30%) 1.67部
(XMM−2030、三井化学株式会社、平均粒子径34nm、Tg60℃)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.5%)
得られた記録シート19の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.07μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均140nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート20の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液6に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液6>
スチレンアクリル樹脂有機微粒子水分散体(濃度30%) 1.67部
(XMM−2024、三井化学株式会社、平均粒子径55nm、Tg100℃)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.5%)
得られた記録シート20の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.06μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均140nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート21の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液7に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液7>
スチレンアクリル樹脂有機微粒子水分散体(濃度30%) 1.67部
(XMM−2028、三井化学株式会社、平均粒子径99nm、
コアシェル型、コアTg60℃、シェルTg−20℃、シェルは23体積%)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.5%)
得られた記録シート21の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.07μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均130nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート22の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液8に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液8>
エチレン酢酸ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度55%) 0.91部
(スミカフレックス500、住友化学株式会社、平均粒子径300nm、Tg0℃)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.5%)
得られた記録シート22の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.06μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均130nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート23の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液9に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液9>
ウレタン樹脂有機微粒子水分散体(濃度25%) 1.0部
(スーパーフレックス600、第一工業製薬株式会社、平均粒子径10nm、
Tg70℃)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.25%)
得られた記録シート23の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.07μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均70nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート24の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液10に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液10>
エチレン酢酸ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度51%) 0.98部
(スミカフレックス755、住友化学株式会社、平均粒子径500nm、Tg−15℃)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.5%)
得られた記録シート24の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.01μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均170nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート25の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液11に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液11>
エチレン塩化ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度50%) 2.0部
(スミエリート1010、住友化学株式会社、平均粒子径200nm、Tg0℃)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度1.0%)
得られた記録シート25の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.05μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均260nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート26の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液12に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液12>
エチレン塩化ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度50%) 0.8部
(スミエリート1010、住友化学株式会社、平均粒子径200nm、Tg0℃)
水溶性ポリビニルアルコール樹脂水溶液(濃度8%) 1.25部
(PVA124 株式会社クラレ 重合度2400)
水にて全量を100部とした。
(有機微粒子濃度0.4%、ポリビニルアルコール濃度0.1%)
得られた記録シート26の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.05μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均120nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート27の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液13に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液13>
エチレン塩化ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度50%) 0.4部
(スミエリート1010、住友化学株式会社、平均粒子径200nm、Tg0℃)
コロイダルシリカ水分散体(濃度20%) 1.5部
(クォートロンPL−3L、扶桑化学工業株式会社、平均一次粒子径35nm)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.2%、無機微粒子濃度0.3%)
エチレン塩化ビニル樹脂の比重を1.11、コロイダルシリカ比重を2.1として、体積%を算出すると、有機微粒子56体積%、無機微粒子44体積%となった。
得られた記録シート27の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.04μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均120nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート28の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液14に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液14>
エチレン塩化ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度50%) 0.5部
(スミエリート1010、住友化学株式会社、平均粒子径200nm、Tg0℃)
酸化スズ水分散体(濃度8%) 1.25部
(セラメースS−8、多木化学株式会社、平均一次粒子径2nm)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.25%、無機微粒子濃度0.1%)
エチレン塩化ビニル樹脂の比重を1.11、酸化スズ比重を6.35として、体積%を算出すると、有機微粒子93体積%、無機微粒子7体積%となった。
得られた記録シート28の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.04μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均70nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート29の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液15に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液15>
スチレンアクリル樹脂有機微粒子水分散体(濃度30%) 0.5部
(XMM−2027、三井化学株式会社、平均粒子径97nm、
コアシェル型、コアTg60℃、シェルTg−20℃、シェルは33体積%)
酸化ジルコニウム水分散体(濃度20%) 2.5部
(ZR50/20、Nyacol Nano Technologies,Inc.製、平均一次粒子径50nm)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.15%、無機微粒子濃度0.5%)
スチレンアクリル樹脂の比重を1.08、酸化ジルコニウムの比重を5.56として、体積%を算出すると、有機微粒子61体積%、無機微粒子39体積%となった。
得られた記録シート29の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.03μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均90nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート30の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液16に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液16>
五酸化アンチモン水分散体(濃度48.5%) 2.06部
(A−2550、日産化学工業株式会社、平均一次粒子径40nm)
水にて全量を100部とした。(無機微粒子濃度1.0%)
得られた記録シート30の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.03μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均90nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート31の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液17に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液17>
コロイダルシリカ水分散体(濃度20%) 2.5部
(クォートロンPL−3L、扶桑化学工業株式会社、平均一次粒子径35nm)
水にて全量を100部とした。(無機微粒子濃度0.5%)
得られた記録シート31の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.03μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均90nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート32の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液18に変更し、塗布装置を斜線グラビアロールを用いた塗布装置からスライドビード塗布装置へ変更し、塗布速度を150m/分とした以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液18>
エチレン塩化ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度50%) 1.0部
(スミエリート1010、住友化学株式会社、平均粒子径200nm、Tg0℃)
エタノール 10部
アルキレングリコール系ノニオン性界面活性剤 0.1部
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.5%)
得られた記録シート32の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.05μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均130nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート33の作製》
上記記録シート32の塗布装置をスライドビード塗布装置からスロットダイによるスロットコーターへ変更した以外は記録シート32と同様にして作製した。
得られた記録シート33の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.06μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均130nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート34の作製》
上記記録シート18の塗布装置を、斜線グラビアロールを用いた塗布装置からスプレー塗布装置へ変更した以外は、記録シート18と同様にして作製した。湿分塗布量は、同じ20g/m2に設定した。
得られた記録シート34の表面層側の算術平均粗さ(Ra)値は1.05μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均170nmの厚みを持つ表面層が観察された。また、表面の目視観察において、スプレー塗布装置の液滴に起因すると思われる斑点が視認された。
《記録シート35の作製》
上記記録シート18の塗布装置を、斜線グラビアロールを用いた塗布装置からアプリケートにファウンテン、メタリングにワイヤーバーを使用したバーコーター塗布装置へ変更した以外は、記録シート18と同様にして作製した。後計量であるバーコーターではメタリングに用いるワイヤーバーの番手を小さくしても、湿分塗布量を制御することが困難であり、湿分塗布量は24g/m2となった。また、ワイヤーバーに起因する塗布筋が観察された。
得られた記録シート35の表面層側の算術平均粗さ(Ra)値は1.07μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均170nmの厚みを持つ表面層が観察された。また、ワイヤーバーに起因する塗布筋部での干渉着色と、ポリオレフィン樹脂被覆紙のうねり様の凸凹において、塗布量の偏差が発生し、干渉着色の有無が発生していた。
《記録シート36の作製》
ポリオレフィン樹脂被覆紙3に、インク受容層塗布液1と下記組成の表面層塗布液19を、スライドビード塗布装置を用い塗布速度100m/分にて同時重層塗布を行い、35℃及び50℃の熱風を順次吹き付けて乾燥した。。インク受容層塗布液1の塗布量は、シリカ固形分換算で21g/m2、表面層塗布液の塗布量は、有機微粒子固形分換算で0.1g/m2とした。
<表面層塗布液19>
スチレンアクリル樹脂有機微粒子水分散体(濃度30%) 1.67部
(XMM−2027、三井化学株式会社、平均粒子径97nm、
コアシェル型、コアTg60℃、シェルTg−20℃、シェルは33体積%)
エタノール 10部
アルキレングリコール系ノニオン性界面活性剤 0.1部
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.5%)
得られた記録シート36の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.06μmであった。また、断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面層を形成する有機微粒子は、インク受容層の気相法シリカやポリビニルアルコールと混ざっており、表面まで混合層となっていた。混合層の厚みは400nm程度であり、表面に近くなるほど、有機微粒子の比率が増える混合率の傾斜を示していた。
《記録シート37の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液20に変更し、斜線グラビアロールを直径60mm、斜線角度45度、線数50線/インチ、溝深さ200ミクロンのものへ変更し、グラビアロールの回転数を調整することにより、表面層塗布液の湿分塗布量を33g/m2に設定した。表面層を形成する有機微粒子の固形分は、記録シート3と同じく、60mg/m2とした。表面層塗布液をインク受容層の上に塗布したところ、インク受容層の空隙容量を超えているため、表面層塗布液中の溶媒である水を吸収しきることが出来ず、インク受容層表面に表面層塗布液の層が形成され、乾燥工程中において徐々に乾燥した。
<表面層塗布液20>
スチレンアクリル樹脂有機微粒子水分散体(濃度30%) 0.67部
(XMM−2027、三井化学株式会社、平均粒子径97nm、
コアシェル型、コアTg60℃、シェルTg−20℃、シェルは33体積%)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.2%)
得られた記録シート37の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.05μmであった。また、表面にはインク受容層から発生した泡に起因する塗布故障が見られ、外観上好ましくないものであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、球状の有機微粒子が表面に多数観察され、平均110nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート38の作製》
上記記録シート14のポリオレフィン樹脂被覆紙3をポリオレフィン樹脂被覆紙5に変更した以外は記録シート14と同様にして作製した。
得られた記録シート38の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は0.10μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、平均120nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート39の作製》
上記記録シート14のポリオレフィン樹脂被覆紙3をポリオレフィン樹脂被覆紙6に変更した以外は記録シート14と同様にして作製した。
得られた記録シート39の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は4.30μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均120nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート40の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液21に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液21>
エチレン塩化ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度50%) 0.25部
(スミエリート1010、住友化学株式会社、平均粒子径200nm、Tg0℃)
コロイダルシリカ水分散体(濃度20%) 3.75部
(クォートロンPL−3L、扶桑化学工業株式会社、平均一次粒子径35nm)
水にて全量を100部とした。
(有機微粒子濃度0.13%、無機微粒子濃度0.75%)
エチレン塩化ビニル樹脂の比重を1.11、コロイダルシリカ比重を2.1として、体積%を算出すると、有機微粒子24体積%、無機微粒子76体積%となった。
得られた記録シート40の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.04μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、表面の凸凹により若干厚みが変化し、凸部が薄く凹部が厚い形状をしているが、平均140nmの厚みを持つ表面層が観察された。
《記録シート41の作製》
上記記録シート3の表面層塗布液1を、下記組成の表面層塗布液22に変更した以外は記録シート3と同様にして作製した。
<表面層塗布液22>
スチレンアクリル樹脂有機微粒子水分散体(濃度30%) 0.5部
(XMM−2027、三井化学株式会社、平均粒子径97nm、
コアシェル型、コアTg60℃、シェルTg−20℃、シェルは33体積%)
酸化ジルコニウム水分散体(濃度20%) 2.5部
(ZR100/20、Nyacol Nano Technologies,Inc.製、平均一次粒子径100nm)
水にて全量を100部とした。(有機微粒子濃度0.15%、無機微粒子濃度0.5%)
スチレンアクリル樹脂の比重を1.08、酸化ジルコニウムの比重を5.56として、体積%を算出すると、有機微粒子61体積%、無機微粒子39体積%となった。
得られた記録シート41の表面層側表面粗さを同様に測定すると、算術平均粗さ(Ra)値は1.06μmであった。また、表面及び断面を走査型電子顕微鏡にて観察すると、酸化ジルコニウムの粒子が散在した表面層が観察された。酸化ジルコニウム粒子の頂点を表面層の表側とし厚みを測定した。平均110nmの厚みを持つ表面層が観察された。
上記記録シート1〜41について、下記の評価方法に準じて評価した結果を表1に示す。
<顔料インク吸収性>
市販の顔料インクを用いたインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、PX−G920)にてレッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で評価した。なお、印字メディアにはエプソン写真用紙を選択し、ドライバーによる色補正は行わない設定とした。
○:転写しない。
△:印字部にごくわずかに転写が観察されるが、問題とはならないレベル。
×:印字部に転写が観察される。
<染料インク吸収性>
市販の染料インクを用いたインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、PX−G820)にてレッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で評価した。また、PPC用紙を重ねていないブルーのベタ印字部分を斜光にて観察し、ブロンジング発生の有無を評価に加えた。なお、印字メディアにはエプソン写真用紙を選択し、ドライバーによる色補正は行わない設定とした。
○:転写せず、ブロンジングの発生も見られない。
△:転写せず、ブロンジングの発生は若干見られるが問題とはならないレベル。
×:印字部全体に濃い転写が観察され、強いブロンジングの発生が見られる。
<20度光沢>
白紙部の20度光沢度数値を、ISO準拠光沢計GM−26 PRO(株式会社村上色彩技術研究所製)で測定した。
<60度光沢>
白紙部の60度光沢度数値を、ISO準拠光沢計GM−26 PRO(株式会社村上色彩技術研究所製)で測定した。
<表面層定着性>
白紙部を指の腹で強く擦り、光沢の変化から表面層の定着性を評価した。
○:問題なし。
△:実用限界。
×:不可。
−:表面層が無いため評価対象外。
<顔料インク擦過性>
市販の顔料インクを用いたインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、PX−G920)にてブラックのベタ印字を行い、印字後24時間経時後、爪及び指で擦ってインクの剥離を評価した。印字メディアにはエプソン写真用紙を選択し、ドライバーによる色補正は行わない設定とした。
○:問題なし。
△:実用限界。
×:不可。
−:インク吸収性不良により評価できず。
<ギザローラー耐久>
市販の顔料インクを用いたインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、PX−G920)にてブラックのベタ印字をA4用紙に連続して行い、ギザローラー跡が白く抜ける現象が視認された枚数を記載した。最大印字枚数は500枚とした。ギザローラーは各評価毎に洗浄を行った。印字メディアにはエプソン写真用紙を選択し、ドライバーによる色補正は行わない設定とした。なお、「−」表記はインク吸収性不良により評価できなかった事を示し、「無し」表記は500枚印字してもギザローラー跡が視認出来なかったことを示す。
<白紙部の干渉着色>
表面層の光学干渉による、インクジェット用記録材料表面の着色を観察した。
○:着色は全く観察されない。
△:着色は観察されるが、非常に淡いため問題とはならない。
×:着色として認識される。
−:表面層が無いため評価対象外。
<印字部光沢差違>
画像作成ソフトを用い、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、ブルー、グリーン、ブラック各色を20%、40%、60%、80%、100%の各濃度となるような矩形パターンを作成し、市販の顔料インクを用いたインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、PX−G920)を用いて印字した。印字メディアにはエプソン写真用紙を選択し、ドライバーによる色補正は行わない設定とした。各濃度の矩形パターンの間には白地部分を残し、全体面積の40%は未印字とし白紙部分を残した。この印字物を用い、光沢の違和感の有無を評価した。未印字とは透明インクを含む一切のインクが印字されていないことを示す。
○:白紙部、印字部の光沢差違が非常に少なく、均一である。
△:白紙部、印字部の光沢差違が少なく、比較的均一である。
×:白紙部、印字部の光沢差違がある。
−:インク吸収性が悪く、評価パターン作製出来ず。
<20度光沢差異>
上記印字部光沢差異の評価に使用したサンプルを用い、白紙部および各印字部の20度光沢度数値を、ISO準拠光沢計GM−26 PRO(株式会社村上色彩技術研究所製)で測定し、最大値を最小値で除した数値、つまり最大光沢度数値が最小光沢度数値の何倍になっているかという数値を記した。”−”表記は、インク吸収性が悪い為に、評価パターンを作製出来なかったサンプルを示す。
<光沢面評価>
各記録シートをA4サイズに裁断し、市販の染料インクを用いたインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、PX−G820)にて、ISO/JIS−SCID(高精細カラーディジタル標準画像データ)N−1(人物画像)(財団法人 日本規格協会)の人物画像を印字した。印字メディアにエプソン写真用紙を選択した以外は、全て標準の設定とした。写り込みの比較は、晴天時の屋外の壁面に各印字物を貼り付け、目視にて観察し光沢面に見えるかどうかを評価した。
○:光沢面に見えない。
×:光沢面に見える。
<画像鮮鋭性>
上記光沢面の評価に使用したサンプルを用い、目視による画像の鮮鋭性を評価した。
○:十分な鮮鋭性を持つ。
△:若干鮮鋭性の低下が見られるが、十分許容できる。
×:鮮鋭性が悪化している。
Figure 2008126550
表1から明らかなように、本発明による記録シートは、染料インクと顔料インクに対するインク吸収性が良く印字適性が有り、表面層の定着性が良好であり、顔料インクの耐擦過性が良く、ギザロール耐久性の問題もなく、顔料インクで印字した際の印字部と白紙部の光沢差違も少ないことが判る。表面層を持たない比較例の記録シート6〜10は、20度光沢差異に示されているが如く、印字部と非印字部の光沢差異が大きく、視覚的にも光沢差異(グロスディファレンシャル)を感じる事が判る。本発明の記録シート4を斜めに切削し、切削面付近のSEM写真を図1に示す。上半分の白い部分は表面層の無いインク受容層部分であり、下半分の黒い部分は本発明の表面層が設けられている部分である。本発明の表面層は、塗布した有機微粒子(粒径97nm)は一切観察されず、100nm程度の孔が散在している緻密な薄膜である事が判る。本発明の記録シート11〜13から明らかな様に、インク受容層の構成にはよらない事が判る。本発明の記録シート16、18、19、20よりガラス転移温度(Tg)が50℃以上の場合には、粒子径が大きいと表面層の定着性や顔料の定着性が、実用上は問題がないものの、若干悪化傾向になることが判る。比較例の記録シート23、24より、使用する有機微粒子の平均粒子径には最適な範囲が有ることが判る。比較例の記録シート25より、表面層の厚みが厚いと光学干渉による着色が観察されるだけではなく、インク吸収性も悪化することが判る。本発明の記録シート18と、比較例の記録シート26より明らかな様に、表面層の有機微粒子の20%を水溶性樹脂に入れ替えるだけで、インク吸収性が大きく劣化し、満足な印字が出来なくなる事が判る。本発明の記録シート27、28、29と、比較例の記録シート40、41より明らか様に、無機微粒子を混ぜることも好ましく行えることが判るが、無機微粒子の粒子径が大きい、あるいは有機微粒子の含有量が少ないと、表面層定着性やギザローラー耐久性を満足することは出来ないことが判る。本発明の記録シート3、21より明らかな様に、ガラス転移温度(Tg)が50℃未満の割合が減少(33%→23%)すると、表面層定着性が、実用上は問題がないものの、若干悪化傾向になる事が判る。本発明の記録シート3、32、33と比較例の記録シート34、35より、前計量方式かつ剪断速度のかかる塗布方式を用いれば良好な特性を得ることが出来るが、前計量ではあるもの塗布時に剪断速度がかからないスプレー塗布装置、あるいは後計量のバーコーターでは良好な結果を得るこは出来ない事が判る。比較例の記録シート36より、同時重層塗布では、20度光沢差異が大きく、表面層がグロスディファレンシャルを抑制する高反射率光学薄膜としての機能を有していないと推測され、本発明を満足することは出来ないことが判る。本発明の記録シート3と比較例の記録シート37より、表面層塗布液の塗布量がインク受容層の空隙容量を超えた場合には、表面層の定着性も悪く、表面層が高反射率光学薄膜としての機能を発現しておらず、印字部の光沢差異が見られることが判る。比較例の記録シート38、39より、インクジェット用記録材料の表面のJIS−B−0601に規定される基準長4.0mm、カットオフ値0.8mmで測定したときの算術平均粗さ(Ra)が小さいと、写り込みが発生し光沢面として認識され、大きいと画像の鮮鋭性が劣化することが判る。
上記記録シートの内、記録シート2、記録シート7、記録シート14、記録シート8について、以下の評価を行い、その結果を表2に示す。
<各印字部光沢値>
上記、印字部光沢差違試料の各印字部および白紙部の20度光沢値を、ISO準拠光沢計GM−26 PRO(株式会社村上色彩技術研究所製)で測定した。記録シート1種類あたり、濃度0%位置に記載されている白紙部光沢および、印字部35種類、合計36種の光沢データを示す。
Figure 2008126550
表2から明らかなように、本発明による表面層を設けた記録シートは、各印字部の光沢度差が極めて低い事が判る。
上記記録シートの内、記録シート2、記録シート7について、以下の評価を行い、その結果を表5に示す。
<各印字部光沢値>
使用するプリンターを、PX−G920から、市販の顔料インクを用いたセイコーエプソン株式会社製、PM−4000PXに変更し、同様に印字部光沢差違試料を作製した。各印字部および白紙部の20度光沢値を、ISO準拠光沢計GM−26 PRO(株式会社村上色彩技術研究所製)で測定した。記録シート1種類あたり、濃度0%位置に記載されている白紙部光沢および、印字部35種類、合計36種の光沢データを示す。
Figure 2008126550
表3から明らかなように、本発明による表面層を設けた記録シート2は、異なるプリンターにおいても各印字部の光沢度差が少ない事が判る。
上記記録シートの内、記録シート14、記録シート8について、以下の評価を行い、その結果を表4に示す。
<各印字部光沢値>
使用するプリンターを、PX−G920から、市販の顔料インクを用いたセイコーエプソン株式会社製、PX−5500、および、市販の顔料インクを用いたキヤノン株式会社製、W8200に変更し、同様に印字部光沢差違試料を作製した。各印字部および白紙部の20度光沢値を、ISO準拠光沢計GM−26 PRO(株式会社村上色彩技術研究所製)で測定した。記録シート1種類あたり、濃度0%位置に記載されている白紙部光沢および、印字部35種類、合計36種の光沢データを示す。
Figure 2008126550
表4から明らかなように、本発明による表面層を設けた記録シート14は、異なるプリンターにおいても各印字部の光沢度差が少ない事が判る。
図1は、本発明の記録シート4を斜めに切削し、切削面付近を倍率1万倍で撮影したSEM写真である。

Claims (3)

  1. 支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子と樹脂バインダーを含有する多孔質のインク受容層と、その上層に表面層を有するインクジェット用記録材料において、該表面層の厚みが200nm以下であって、該表面層が、平均粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子、もしくは粒子径15nm以上400nm以下の有機微粒子と平均一次粒子径が50nm以下の無機微粒子により実質的に形成される表面層であり、該有機微粒子の比率が、表面層の全固形分量の40体積%以上であり、該インクジェット用記録材料のインク受容層を有する側の表面がJIS−B−0601に規定される基準長4.0mm、カットオフ値0.8mmで測定したときの算術平均粗さ(Ra)が0.3〜3.5μmであり、前記インク受容層を支持体上に塗設するための塗布液を支持体に塗布し、乾燥過程中の減率乾燥領域以後、もしくは乾燥終了後に、前記表面層を塗設するための塗布液をインク受容層の空隙容量以下の塗布量で、且つ剪断速度1000(1/S)以上を与えて前計量タイプの塗工方式にて塗布し、乾燥させてなることを特徴とするインクジェット用記録材料。
  2. 前記表面層に無機微粒子が含まれる場合、該無機微粒子が、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化チタンから選択される少なくとも一つの無機微粒子である事を特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録材料。
  3. 前記インク受容層を構成する無機微粒子がアルミナ、アルミナ水和物、気相法シリカ、湿式法シリカから選ばれる少なくとも一つあるいはそれらの混合物である事を特徴とする請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット用記録材料。
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