JP2011103208A - 二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー密度が高く、且つ、サイクル特性を向上することが可能な二次電池を提供すること。
【解決手段】本発明の二次電池は、正極及び負極の少なくとも一方が、カルボニル基またはアミン基を有する有機レドックス化合物と、アミン基またはカルボニル基を有するリンカー化合物と、が、縮重合によりアミドまたはイミド結合を形成することによって得られた共重合体を有することを特徴とする。本発明の二次電池は、共重合体が電解液への溶出を抑制でき、サイクル特性の向上を可能とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池に関する。
ノート型パソコン、携帯電話などの携帯型電子機器の急速な市場拡大に伴い、これらに用いるエネルギー密度が大きな小型大容量二次電池への要求が高まっている。この要求に応えるためにリチウムイオン等のアルカリ金属イオンを荷電担体としてその電荷授受に伴う電気化学反応を利用した二次電池が開発されている。
近年、エネルギー密度が高く、より軽量な電池を作製するために、有機化合物を電極材料に用いる検討が行われている。このような電池は、例えば、特許文献1に開示されている。
しかしながら、有機化合物を活物質として用いた電極では、軽量という特性は実現することができるが、繰り返し充放電特性に問題を有していた。その理由としては、有機化合物として例えばテトラチアフルバレンを用いた場合、充放電反応が進むと電子が抜けてカチオンとなり、電解液のアニオンと塩を形成し、溶解性が増加し、電解液中に溶出することでサイクル特性が低下するという問題があった。
このような問題に対して、金属や炭素材料に担持、ポリマー化等、有機化合物を不溶化する報告や、充放電利用範囲を制限することより溶出を抑制するなどの報告がされている。(例えば特許文献2,3参照)
しかしながら、導電材等の基材に担持させたり、充放電利用範囲を制限してしまうと重量当りの容量が低下してしまうという問題があった。また、従来の技術で用いられている電解重合では大量生産に向かないことや、硫黄を含む系でのラジカル重合は難しいため工業化には至っていなかった。
特許第3687736号 特開2004−111374号公報 特開2007−305461号公報
本発明は、上記実情に鑑み完成されたものであり、エネルギー密度が高く、且つ、サイクル特性を向上することが可能であり、工業化が容易な活物質及びそれを用いた二次電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者等は二次電池の電極について検討を重ねた結果、正極または負極の少なくとも一方の活物質に、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体を用いることで、エネルギー密度が高くかつサイクル特性が向上した二次電池となることを見出した。
すなわち、請求項1に記載の本発明の二次電池は、正極活物質を有する正極及び負極活物質を有する負極を有する二次電池において、正極及び負極の少なくとも一方が、カルボニル基またはアミン基を有する有機レドックス化合物(化11,12)と、アミン基またはカルボニル基を有するリンカー化合物(化14,15)と、が、縮重合によりアミドまたはイミド結合を形成することによって得られた共重合体を有することを特徴とする二次電池。
Figure 2011103208
Figure 2011103208
(化11,12のいずれにおいても、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素、鎖状または環状の炭化水素であり、窒素、酸素、硫黄、燐を含んでいても良い。X1、X2は水酸基、ハロゲン元素または酸無水物であり、n,m,l,kは0〜3の整数である。ここで(A)は化13で示されるテトラチアフルバレンであり、カルボニル基、アミン基、R1〜R4の置換基はa、b、c、dの任意の位置をとる事ができる。)
Figure 2011103208
Figure 2011103208
Figure 2011103208
(化14,15のいずれにおいても、Lは鎖状または環状の炭化水素であり、窒素、酸素、硫黄、燐を含んでいても良く、化11〜12中の(A)と同じく化13で示されるテトラチアフルバレンであってもよい。X3、X4は水酸基、ハロゲン元素または酸無水物である。)
請求項1に記載の本発明の二次電池では、正極と負極の少なくとも一方の活物質としてアミドまたはイミド結合によって有機レドックス化合物とリンカー化合物が共重合体を形成することにより得られた共重合体を有している。この共重合体は、安定なアミド結合またはイミド結合によって結合しており、電解液への溶出が抑制されることで二次電池のサイクル特性が向上する。
すなわち、本発明の二次電池は、有機レドックス構造により活物質としても機能する共重合体が、有機レドックス化合物とリンカー化合物とが縮重合した構造を有していることから、電解液へ溶出することが抑制され、かつサイクル特性が向上した二次電池となっている。
さらに、活物質に用いられる共重合体は、大量生産に不向きな電解重合や、硫黄を含むポリマーの重合に適さないラジカル重合とは異なり、カルボニル基とアミン基の縮合反応によって得られるため、工業化も容易に行うことができる効果を発揮する。
請求項2に記載の本発明の二次電池は、請求項1において、有機レドックス化合物は、化16で表される化合物であり、リンカー化合物が化17で表される化合物である。
Figure 2011103208
(Xは水酸基、ハロゲンまたは酸無水物である。)
Figure 2011103208
(LはCが2〜6のアルキル基または、フェニル基及びその誘導体である。)。
上記の化11で示されるカルボニル基を有するレドックス化合物の具体的な例として、化16で示されるレドックス化合物を、化14で示されるアミン基を有するリンカー化合物の具体的な例として、化17で示される化合物をあげることができ、このレドックス化合物及びリンカー化合物を用いることで、請求項1に記載の効果を発揮できるようになる。
請求項3に記載の本発明の二次電池は、請求項1において、有機レドックス化合物は、化17で表される化合物であり、リンカー化合物が前記化17で表される化合物である。
Figure 2011103208
(Xは水酸基、ハロゲンまたは酸無水物である。)
上記の化12で示されるアミン基を有するレドックス化合物の具体的な例として、化18で示されるレドックス化合物を、化14で示されるアミン基を有するリンカー化合物の具体的な例として、化17で示される化合物をあげることができ、このレドックス化合物及びリンカー化合物を用いることで、請求項1に記載の効果を発揮できるようになる。
請求項4に記載の本発明の二次電池は、請求項1において、有機レドックス化合物は、化19で表される化合物であり、リンカー化合物が化20で表される化合物である。
Figure 2011103208
Figure 2011103208
(LはCが2〜6のアルキル基または、フェニル基及びその誘導体である。)
上記の化12で示されるアミン基を有するレドックス化合物の具体的な例として、化19で示されるレドックス化合物を、化15で示されるカルボニル基を有するリンカー化合物の具体的な例として、後記の化34で示される化合物をあげることができ、このレドックス化合物及びリンカー化合物を用いることで、請求項1に記載の効果を発揮できるようになる。
本発明の二次電池は、活物質としてアミドまたはイミド結合によって有機レドックス化合物とリンカー化合物が共重合体を形成することにより、電解液への溶出を抑制でき、サイクル特性の向上を可能とするものである。
また、有機レドックス化合物とリンカー化合物の共重合体は、大量生産に不向きな電解重合や、硫黄を含むポリマーの重合に適さないラジカル重合とは異なり、カルボニル基とアミン基の縮合反応によって得られるため、工業化も容易である。
実施例で製造したコイン型電池の構造を概略的に示す縦断面図である。
(二次電池)
本発明の二次電池は、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体を電極活物質として有している。
この共重合体は、その製造方法が限定されるものではなく、たとえば、有機溶媒中で有機レドックス化合物及びリンカー化合物を適切な指示薬を用い、適切な温度で混合することにより沈殿として得られる方法を例示できる。
本発明の二次電池は、正極活物質と負極活物質の少なくとも一方に、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体を採用した構成を有すること以外は、その電池の種類が特に限定されるものではない。なお、本発明の二次電池は、共重合体が非水電解液に溶解しないことから、非水電解液電池であることが好ましい。そして、非水電解液電池としては、リチウム電池、リチウムイオン電池であることがより好ましい。
また、本発明の二次電池は、正極活物質と負極活物質の少なくとも一方に、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体を採用した構成を有する以外の構成は、特に限定されるものではなく、従来公知の二次電池と同様の構成とすることができる。
本発明の二次電池において、電極は、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体を有すること以外の構成は、従来の二次電池の電極と同様な構成とすることができる。つまり、電極は、電極活物質、導電材、バインダ、添加材を必要に応じて選択して用いることができる。本発明において、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体は、電極活物質として機能するが、電極活物質としては、従来公知の電極活物質と混合して用いてもよい。
(リチウムイオン電池)
本発明の二次電池は、正極が、リチウム遷移金属複合酸化物よりなる正極活物質と、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体と、を有するリチウムイオン(二次)電池であることが好ましい。
リチウム含有遷移金属酸化物は、Liイオン(Li)を脱挿入できる材料であり、層状構造またはスピネル構造のリチウム−金属複合酸化物を挙げることができる。具体的には、Li1−ZNiO、Li1−ZMnO、Li1−ZMn、Li1−ZCoOなどの金属酸化物系材料をあげることができる。さらに、Li1−ZβPOとしては、LiFePOをあげることができ、それらを1種以上含む化合物をあげることができる。なお、Zは0〜1の数を示す。また、各々の金属酸化物系材料は、Li、Mg、Al、又はCo、Ti、Nb、Cr等の遷移金属を添加または置換した材料等であってもよい。さらに、これらのリチウム−金属複合酸化物を単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いてもよい。
本発明の二次電池(リチウムイオン電池)の正極は、導電材を有することができる。この導電材としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、非晶質炭素等などをあげることができる。また、導電性高分子ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセンなどもあげることができる。
また、本発明の二次電池(リチウムイオン電池)の正極は、バインダを添加することができる。このバインダは、高分子材料から形成されることが望ましく、二次電池内の雰囲気において化学的・物理的に安定な材料であることが望ましい。このバインダとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)をあげることができる。
本発明の二次電池(リチウムイオン電池)の正極は、正極活物質、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体、を有する正極合剤層が集電体の表面に形成された形態とすることが好ましい。そして、正極合剤層が、導電材その他の材料から必要に応じて選択されるバインダ、添加材を有することができる。
本発明の二次電池の好ましい形態であるリチウムイオン電池においては、正極が正極活物質と有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体を有すること以外の構成は、従来のリチウムイオン電池と同様な構成とすることができる。すなわち、従来公知のリチウムイオン電池用の負極、電解液をケース内に収容した構成とすることができる。
本発明の二次電池(リチウムイオン電池)の負極は、リチウムイオンを充電時には吸蔵し且つ放電時には放出する化合物を負極活物質として用いることができる。この負極活物質は、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料、構成のものを用いることができる。例えば、リチウム金属、グラファイト又は非晶質炭素等の炭素材料等、ケイ素、スズなどを含有する合金材料、LiTi12、Nb等の酸化物材料をあげることができる。
電解液は、特に限定されるものではなく、有機溶媒などの溶媒に支持塩を溶解させたもの、自身が液体状であるイオン液体、そのイオン液体に対して更に支持塩を溶解させたものをあげることができる。
有機溶媒としては、通常のリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる有機溶媒をあげることができる。例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等をあげることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等及びそれらの混合溶媒を用いることが好ましい。これらの有機溶媒のうち、特に、カーボネート類、エーテル類からなる群より選ばれた一種以上の非水溶媒が、支持塩の溶解性、誘電率および粘度において優れ、かつ電池の充放電効率も高いため、好ましい。
イオン液体は、通常リチウム二次電池の電解液に用いられるイオン液体であれば特に限定されるものではない。例えば、イオン液体のカチオン成分としては、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムや、ジメチルエチルメトキシアンモニウムカチオン等をあげることができ、アニオン成分としは、BF−、N(SOCF−等をあげることができる。
本発明の二次電池(リチウムイオン電池)において、電解液に用いられる支持塩としては、特に限定されるものではなく、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiSbF、LiSCN、LiClO、LiAlCl、NaClO、NaBF、NaI、これらの誘導体等の塩化合物をあげることができる。これらの中でも、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiCFSOの誘導体、LiN(CFSOの誘導体及びLiC(CFSOの誘導体からなる群から選ばれる1種以上の塩を用いることが、電気特性の観点から、好ましい。
本発明の二次電池(リチウムイオン電池)においては、正極と負極との間には電気的な絶縁作用とイオン伝導作用とを両立する部材であるセパレータを介装することが好ましい。支持電解質が液状である場合にはセパレータは、液状の支持電解質を保持する役割をも果たす。セパレータとしては、多孔質合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔質膜をあげることができる。更に、セパレータは、正極及び負極の間の絶縁を担保する目的で、正極及び負極よりも更に大きい形態を採用することが好ましい。
本発明の二次電池(リチウムイオン電池)は、上記の要素以外に、その他必要に応じた要素とからなる。本発明の二次電池は、その形状は特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型、ラミネートセル等、種々の形状、形態の電池とすることができる。
(二次電池の製造方法)
本発明の二次電池は、その製造方法が特に限定されるものではなく、従来公知の二次電池の製造方法を用いることができる。つまり、電極活物質と、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体と、を溶媒に分散してスラリーを調製し、このスラリーを塗布、乾燥させることで、電極活物質と有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体を有する電極を製造することができる。なお、乾燥後に、スラリーから形成される電極合剤層をプレス等で圧縮してもよい。
そして、製造された電極を含む正極と負極を、セパレータを介した状態で積層して電極体を形成し、電解液と共にケース内に収容して封止することで、二次電池を製造できる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
本発明の実施例として、リチウム二次電池を製造した。
(実施例1)
(共重合体の合成)
化21で示されるジカルボン酸化合物(有機レドックス化合物)6gと、化22で示されるジアミン化合物(リンカー化合物)2.2gを、N,N−ジメチルホルムアミド中で、ピリジン、亜りん酸ジフェニル存在下で100℃、16時間加熱した。生じた沈殿を、ろ取、洗浄して、化23で示される共重合体5.5gが得られた。なお、共重合反応は、シュレンクフラスコ中で、アルゴン雰囲気下で行われた。また、生成した共重合体は、化23に示したように、化21と化22の化合物がアミド結合をした高分子化合物である。
Figure 2011103208
Figure 2011103208
Figure 2011103208
(正極の作成)
生成された共重合体40mgと、導電材としてアセチレンブラック40mgと、を均一に混合し、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン2mlと、バインダとしてポリフッ化ビニリデン10mgを加えて、均一になるまで混合して黒色のスラリーを調製した。これにより正極スラリーが製造された。
正極スラリーをアルミニウム箔集電体上にキャストし、60℃で真空乾燥を1時間行った。これを14mmの円盤状に打ち抜いて正極とした。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の質量比で混合した有機溶媒に、LiPFを1.0mol/Lの濃度となるように添加し電解液とした。
(リチウム二次電池の作製)
製造された本実施例の正極1を用いてコイン型のリチウム二次電池を製造した。本実施例のリチウム二次電池10を断面図で図1に示した。
本実施例の二次電池10は、正極1、負極2、電解液3およびセパレータ7を有する。負極2には金属リチウムを、電解液3は調製した前記電解液を、セパレータ7は厚さ25μmのポリエチレン製の多孔質膜を用いた。なお、正極1は正極集電体1aをもち、負極2は負極集電体2aをもつ。
これらの発電要素をステンレス製のケース5(正極ケースと負極ケースから構成されている)中に収納した。正極ケースと負極ケースとは正極端子と負極端子とを兼ねている。正極ケースと負極ケースとの間にはポリプロピレン製のガスケット6を介装することで密閉性と正極ケースと負極ケースとの間の絶縁性とを担保している。
(実施例2)
有機レドックス化合物として化24で示されるジカルボン酸化合物を、リンカー化合物として化25で示されるジアミン化合物を用いて、化26で示される共重合体を生成し、この共重合体を化23に示される化合物に替えて用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を製造した。なお、生成した共重合体は、化26に示したように、化24と化25の化合物がアミド結合をした高分子化合物である。
Figure 2011103208
Figure 2011103208
Figure 2011103208
(実施例3)
有機レドックス化合物として化27で示されるジカルボン酸化合物を、リンカー化合物として化28で示されるジアミン化合物を用いて、化29で示される共重合体を生成し、この共重合体を化23に示される化合物に替えて用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を製造した。なお、生成した共重合体は、化29に示したように、化27と化28の化合物がイミド結合をした高分子化合物である。
Figure 2011103208
Figure 2011103208
Figure 2011103208
(実施例4)
有機レドックス化合物として化30で示されるジカルボン酸化合物を、リンカー化合物として化31で示されるジアミン化合物を用いて、化32で示される共重合体を生成し、この共重合体を化23に示される化合物に替えて用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を製造した。なお、生成した共重合体は、化32に示したように、化30と化31の化合物がイミド結合をした高分子化合物である。
Figure 2011103208
Figure 2011103208
Figure 2011103208
(実施例5)
有機レドックス化合物として化33で示されるジカルボン酸化合物を、リンカー化合物として化34で示されるジアミン化合物を用いて、化35で示される共重合体を生成し、この共重合体を化23に示される化合物に替えて用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を製造した。なお、生成した共重合体は、化35に示したように、化33と化34の化合物がアミド結合をした高分子化合物である。
Figure 2011103208
Figure 2011103208
Figure 2011103208
(実施例6)
有機レドックス化合物として化36で示されるテトラカルボン酸化合物を、リンカー化合物として化37で示されるジアミン化合物を用いて、化38で示される共重合体を生成し、この共重合体を化23に示される化合物に替えて用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を製造した。なお、生成した共重合体は、化38に示したように、化36と化37の化合物がイミド結合をした高分子化合物である。
Figure 2011103208
Figure 2011103208
Figure 2011103208
(比較例1)
テトラチアフルバレン(東京化成工業株式会社製)を、化23に示される化合物に替えて用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を製造した。
(比較例2)
テトラチアフルバレン誘導体であるビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン(東京化成工業株式会社製)を、化23に示される化合物に替えて用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を製造した。
(評価)
作製したリチウム二次電池評価として、サイクル特性を測定した。
サイクル特性の測定は、定電流充放電を電流値100μA、電圧範囲2.5〜4.2Vで行い、1、10、20サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量を100として求めた。結果を表1に示した。
Figure 2011103208
表1から明らかなように、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体を正極に有する実施例1〜6は、サイクル特性に優れていることが確認できる。これに対し、共重合体を形成していない有機レドックス化合物を正極に有する比較例1〜2では、10サイクル目の放電容量が10以下と、大きく減少していることが確認できる。なお、比較例1〜2は、10サイクル目以後の放電容量の落ち込みが大きく、測定しなかった。
このように、有機レドックス化合物とリンカー化合物との共重合体を正極に有することで、共重合体(有機レドックス化合物)の電解液への溶出を抑制でき、サイクル特性が向上した。
さらに、実施例の有機レドックス化合物とリンカー化合物の共重合体は、大量生産に不向きな電解重合や、硫黄を含むポリマーの重合に適さないラジカル重合とは異なり、カルボニル基とアミン基の縮合反応によって得られるため、容易に工業化できる。
1:リチウムイオン二次電池
2:正極 2a:正極集電体
3:負極 3a:負極集電体
4:電解液
50:正極ケース 51:負極ケース
6:ガスケット
7:セパレータ

Claims (4)

  1. 正極活物質を有する正極及び負極活物質を有する負極を有する二次電池において、
    該正極及び該負極の少なくとも一方が、カルボニル基またはアミン基を有する有機レドックス化合物(化1,2)と、アミン基またはカルボニル基を有するリンカー化合物(化4,5)と、が、縮重合によりアミドまたはイミド結合を形成することによって得られた共重合体を有することを特徴とする二次電池。
    Figure 2011103208
    Figure 2011103208
    (化1,2のいずれにおいても、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素、鎖状または環状の炭化水素であり、窒素、酸素、硫黄、燐を含んでいても良い。X1、X2は水酸基、ハロゲン元素または酸無水物であり、n,m,l,kは0〜3の整数である。ここで(A)は化3で示されるテトラチアフルバレンであり、カルボニル基、アミン基、R1〜R4の置換基はa、b、c、dの任意の位置をとる事ができる。)
    Figure 2011103208
    Figure 2011103208
    Figure 2011103208
    (化4,5のいずれにおいても、Lは鎖状または環状の炭化水素であり、窒素、酸素、硫黄、燐を含んでいても良く、化1〜2中の(A)と同じく化3で示されるテトラチアフルバレンであってもよい。X3、X4は水酸基、ハロゲン元素または酸無水物である。)
  2. 前記有機レドックス化合物は、化6で表される化合物であり、前記リンカー化合物が化7で表される化合物である請求項1記載の二次電池。
    Figure 2011103208
    (Xは水酸基、ハロゲンまたは酸無水物である。)
    Figure 2011103208
    (LはCが2〜6のアルキル基または、フェニル基及びその誘導体である。)
  3. 前記有機レドックス化合物は、化8で表される化合物であり、前記リンカー化合物が前記化7で表される化合物である請求項1記載の二次電池。
    Figure 2011103208
    (Xは水酸基、ハロゲンまたは酸無水物である。)
  4. 前記有機レドックス化合物は、化9で表される化合物であり、前記リンカー化合物が化10で表される化合物である請求項1記載の二次電池。
    Figure 2011103208
    Figure 2011103208
    (LはCが2〜6のアルキル基または、フェニル基及びその誘導体である。)
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