JP5126570B2 - リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性高分子にて表面を被覆した正極を有するリチウム二次電池を製造する方法に関する。
ノート型コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ等の携帯型電子機器の普及に伴い、これら電子機器を駆動する二次電池の需要が拡大している。近年、これら電子機器は高機能化の進展に伴い消費電力が増大していることや、小型化が期待されていることから、二次電池に対しては容量の増大が求められている。
二次電池の中でも正極活物質にニッケル酸リチウム等のリチウム複合酸化物、負極活物質にグラファイト等の炭素材料を用いたリチウム二次電池は、高いエネルギー密度を有することから有力視されている。
正極の活物質として用いられているリチウム複合酸化物は導電性が極めて低い物質なので、炭素等の導電助剤を配合することで電子伝導性を確保している。しかし、この導電助剤である炭素は粉末であることから、活物質であるリチウム複合酸化物と部分的にしか接触できない。導電助剤が接触していない活物質表面では、充放電時の電子授受の効率が低下して容量の低下や内部抵抗の増大につながる。導電助剤と活物質であるリチウム複合酸化物との接触を増やし十分な導電性を確保する方法として、多量の導電助剤を添加する方法も考えられるが、導電助剤である炭素は電池反応(酸化還元反応)に直接関与しない材料なので、導電助剤の添加量増大に伴い容量が低下する問題がある。
そこで、酸化還元反応に活性をもち活物質としても機能する導電助剤を用いて正極活物質であるリチウム複合酸化物表面の導電性を確保する手段が特許文献1、2などに開示されている。
特許文献1及び2には、導電性高分子であるポリピロール粉末をリチウム複合酸化物粒子に分散させることで表面に付着させる手法や、リチウム複合酸化物を酸化材としてピロールモノマーを酸化重合させてリチウム複合酸化物の表面をポリピロールで被覆する手法が開示されている。
しかしながら前者のポリピロール粉末をリチウム複合酸化物粒子に分散させて表面に付着させる手法では、ポリピロール、リチウム複合酸化物共に粉末なので、両者を均一に分散・付着させることが難しく、調製方法により効果にバラツキが多くなる問題を有する。
また、後者のリチウム複合酸化物を酸化材としてピロールモノマーを酸化重合させてリチウム複合酸化物表面をポリピロールで被覆する手法では、リチウム複合酸化物の種類によっては酸化重合が進行せず被覆が困難である欠点を有する。
一方、特許文献3、4には、酸化還元反応に活性をもつ導電性高分子であるポリアニリンを溶解した有機溶媒とリチウム複合酸化物とを混合することで調製した均質塗料液を製膜しリチウム複合酸化物表面をポリアニリンで被覆した正極活物質層を形成する手法や酸化還元反応に活性をもつ導電性高分子のモノマー、正極活物質粒子及び導電助剤を含む電解液を電解重合し、正極活物質粒子の表面をポリアニリンで被覆した電極を作製する手法が開示されている。
しかしながら、前社のポリアニリンを溶解した有機溶媒とリチウム複合酸化物を混合することで調製した塗料液を製膜しリチウム複合酸化物表面をポリアニリンで被覆する手法では、ポリアニリンなどの有機溶媒に可溶な導電性高分子にしか適用できず、ポリピロール、ポリアセチレンなどの有機溶媒への可溶化が困難な導電性高分子には適用できない不都合がある。
また後者の酸化還元反応に活性をもつ導電性高分子のモノマー、粒子状活物質及び導電助剤を含む電解液を電解重合することで、正極活物質粒子の表面をポリアニリンで被覆した電極を作製する手法では、リチウム複合酸化物の表面にポリアニリンを均一に被覆することが可能であるが、電解重合を行うための専用設備が別途必要となることから他の方法と比較し高コストである問題があった。
特開2001−135312号公報 特開2001−351634号公報 特開平7−130356号公報 特開平9−73893号公報
そこで本発明は、上記従来技術の課題を解決し、リチウム複合酸化物の表面を導電性高分子で均一に被覆したリチウム二次電池を簡便に製造可能な製造方法の提供を解決すべき課題とする。
本発明のリチウム二次電池の製造方法は、リチウムイオンを放出乃至吸蔵できる正極と、リチウムイオンを吸蔵乃至放出できる負極と、該正極及び該負極の間で該リチウムイオンを移動させる電解液とを備えるリチウム二次電池を製造する方法である。
上記課題を解決する目的で本発明者らは鋭意検討を行い以下の発明を完成した。すなわち、本発明のリチウム二次電池の製造方法は、前記電解液中に電解重合性を有する導電性高分子のモノマーである重合性化合物を含有させるモノマー添加工程と、
前記正極を前記電解液に接触させた状態で電位を付与することで前記重合性化合物を該正極にて重合させる重合工程と、を有することを特徴とする。
導電性高分子のモノマーを電解液中に含有させた状態で重合反応を行うことで導電性高分子にて被覆する工程を行う専用の装置を採用する必要が無くなる。更に重合反応として電池内に存在する電位差を利用して重合を進行させる電解重合を採用することにより、重合を行う目的で、何らかの添加物や何らかの装置を導入する必要が無くなる利点がある。
そして、前記重合工程は前記正極及び前記負極を前記電解液に接触させた状態で、該正極及び該負極の間に電圧を印加する工程であることが望ましい。正負極間への電圧の印加はリチウム二次電池として通常行う操作であり製造工程、製造設備の簡略化が期待できる。
また、前記正極はリチウム複合酸化物からなる正極活物質粒子を含有し、前記重合工程は前記導電性高分子及び該正極活物質粒子を均一に複合化させる工程であることが望ましい。正極として粒子状の正極活物質を含有させることで電解重合による生成する導電性高分子との間で均一に分散させることができる。
更に、前記重合性化合物がピロール、ピロール誘導体、チオフェン及びチオフェン誘導体からなる群から選択される1以上の化合物を含むことが望ましい。
この重合性化合物としては下記一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物を含むことができる。
(式(A)及び式(B)中、R1〜R5は水素、炭素数1〜4のアルキル基からそれぞれ独立して選択される。)
特に、前記一般式(A)を含み一般式(A)中、R1〜R3のうちの少なくとも1つは下記式(1)〜(4)のいずれかである。
(式(1)〜(4)は*の部分にて、前記式(A)におけるピロール環の炭素原子又は窒素原子に結合する。式(1)〜(4)中、RはH、OH、CH又はNHである。式(1)〜(4)中、Yは−(CH−(mは0〜10の整数)であり、mが1以上のときはYを構成するメチレン基の1つ以上が、−O−、−NH−、−S−、
で置換されてもよい。)
また、前記重合性化合物としては下記一般式(C)で表される化合物を含むことができる。
(式(C)中、mは1〜10の整数)
本発明のリチウム二次電池の製造方法は以上の構成をもつことから以下の作用効果を発揮する。すなわち、正極に形成する導電性高分子のモノマーである重合性化合物を電解液中に添加した状態で電解重合させて導電性高分子を生成することが可能になり簡便に正極に導電性高分子を導入することができる。
更に、リチウム二次電池が実際に使用される形態にした上で電解重合を進行させることができるので生成した導電性高分子と正極の表面との間を十分に密着させることができる。つまり、電解液中に正極を浸漬させ、且つ、重合性化合物を電解液中に含有させた状態で電解重合を進行させることで、導電性高分子は正極の表面に密着性良く生成することができる上に、その後、大きな変形などを伴う加工をする必要が無く、そのまま使用することができるので、生成した導電性高分子が確実に正極の表面に密着した状態を保つことができ高い性能を発揮・維持することができる。
本発明のリチウム二次電池の製造方法について実施形態に基づき以下詳細に説明する。
本実施形態のリチウム二次電池の製造方法は正極と負極と電解液とを備えるリチウム二次電池を製造する方法であり、モノマー添加工程と重合工程とを有する。本実施形態のリチウム二次電池の製造方法はその他の工程として、正極、負極及び電解液の調製工程、それらを組み合わせる工程、その他必要な工程を有する。
(モノマー添加工程)
モノマー添加工程は電解液中にモノマーを添加する工程である。モノマー添加工程は重合工程を完了するまでに完了すれば充分である。例えば、電解液を調製する際にモノマーも併せて添加する、電池を組み立てた後にモノマーを別に添加する、重合工程を行いながらモノマーを添加するなどである。添加されたモノマーは重合工程を経ることで電解液中から概ね消費されることになる。
添加するモノマーは最終的に生成する導電性高分子を構成するモノマーであり、電解重合可能な重合性化合物である。重合性化合物としては、ピロール、ピロール誘導体、チオフェン及びチオフェン誘導体からなる群から選択される1以上の化合物が例示できる。
重合性化合物としては特に前記一般式(A)で表される化合物を含む。一般式(A)で表される化合物はピロール及びその誘導体である。R1〜R5として採用できるアルキル基としては特にメチル基が望ましい。
更に一般式(A)中におけるR1〜R3のうちの少なくとも1つは前記式(1)〜(4)のいずれかである。これらの基は電池反応に寄与できるラジカルを有するので電池容量の向上や内部抵抗の低下に寄与する。従って、これら式(1)〜(4)の基はすべての重合性化合物が有することが望ましい。
また、重合性化合物としては前記一般式(C)で表される化合物が特に望ましい。ここで、一般式(C)及び式(1)〜(4)中におけるmの値としては1〜3程度にすることが望ましい。
特に、R〜Rが水素であるピロールや上記一般式(C)で表される化合物のうちmが3である下記化合物eを採用することが望ましい。
重合性化合物の添加量は、電解重合の進行のしやすさを考慮すると、電解液中に0.01mol/L〜1.0mol/L程度添加することが望ましい。
電解重合の条件は製造されるリチウム二次電池内にて実現可能な雰囲気下にて進行可能な範囲で決定できる。従って、重合性化合物としては、リチウム二次電池内における一般的な電位状態である3.0V〜4.5Vの範囲で電解重合が可能である化合物を採用することが望ましい。
(重合工程)
重合工程は正極を電解液に接触させた状態で電位を付与することで重合性化合物を正極にて重合させる工程である。望ましくは、正極、負極及び電解液を電池ケース内にて組み立てた状態を採用することで電解重合を行うことで製造設備が簡略化できる。
特に、電池ケース内に組み立てた状態で電解重合を行うと、リチウム二次における正負極の電極を用いて正負極の間に電圧を印加することが可能になって製造設備がより簡略化できる。この場合、重合工程を経た後の正極、負極及び電解液は完成したリチウム二次電池にそのまま用いることが望ましい。
重合工程は電解液中に有する重合性化合物を概ね全部反応させるまで行うことが望ましく、特にすべての重合性化合物を反応させることがより望ましい。反応が終了したか否かの正確な判断は重合工程において印加する電圧と電流との関係から判断できる。例えば、電池に定電流にて充電を行う場合に、電池の端子電圧が電解重合が進行する電位を継続的に超えることをもって重合が完了したものと考えることができる。
(リチウム二次電池)
以下に本製造方法が適用できるリチウム二次電池の構成要素並びにリチウム二次電池の製造方法について詳述する。
本製造方法が適用できるリチウム二次電池としてはリチウムイオンを放出乃至吸蔵できる正極と、リチウムイオンを吸蔵乃至放出できる負極と、正極及び負極の間でリチウムイオンを移動させる電解液とを備えるものであれば充分である。
正極としては特に限定しないが、アルミニウム箔などの集電体の表面に正極活物質を含む活物質層が形成されたものが例示できる。活物質層は正極活物質、結着材、導電助剤等を水、NMP等の溶媒中で混合した後、集電体上に塗布され形成される。
正極活物質としてはリチウム複合酸化物が例示できる。正極活物質としては粒子状の形態を採用することで重合により生成した導電性高分子との間でより均一に分散させることが可能になるので好ましい。
リチウム複合酸化物としてはLiNiO、LiMnO、LiMn、LiCoO、LiFeO、LiFePOが例示できるがこれらに限定されるものではない。また、上記リチウム複合酸化物は、単独で用いるだけでなく、これらを複数種類混合して用いることもできる。
中でもリチウム複合酸化物としてはリチウムマンガン含有複合酸化物、リチウムニッケル含有複合酸化物及びリチウムコバルト含有複合酸化物のうちの1種以上であることが好ましい。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDM、SBR、NBR、フッ素ゴム等が挙げられる。また導電助剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素粉末が挙げられる。本製造方法によると導電性高分子を正極に形成できるので導電助剤の添加量は最小限(例えば、重合工程における最初の電圧印加が達成できる程度)にすることができる。
負極としては特に限定しないが、銅箔などの集電体の表面に負極活物質を含む活物質層が形成されたものや、金属リチウム、リチウム合金などの負極活物質をそのまま成形したものが例示できる。活物質層は負極活物質、結着材等を水、NMP等の溶媒中で混合した後、集電体上に塗布され形成される。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる化合物である。化合物の一例としてはリチウム等の金属材料、ケイ素、スズ等を含有する合金材料、グラファイト、コークス、有機高分子化合物焼成体又は非晶質炭素等の炭素材料があるが、これに限定されるものではない。これら化合物は、単独で用いるだけでなく、複数種類混合して用いることもできるが、中でもグラファイトが好ましい。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDM、SBR、NBR、フッ素ゴム等が挙げられる。
電解液は、有機溶媒に支持電解質を溶解させたものである。
有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これら有機溶媒は、単独で用いるだけでなく、複数種類混合して用いることもできる。中でもカーボネート系溶媒を含む電解液は、高温での安定性が高いことから好ましい。
支持電解質としては、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これら支持電解質は、単独で用いるだけでなく、複数種類混合して用いることもできる。
また、本製造方法が適用可能なリチウム二次電池としては上述の構成要素に加えて、正負極の間を電気的に絶縁するセパレータや、電池ケースなどの公知の構成要素を適用可能であることは言うまでもない。
図1に示す構成をもつリチウム二次電池100を製造した。
(正極の作製)
正極活物質粒子としてのLiNiOを87質量部と、導電助剤としてのアセチレンブラックを10質量部と、結着材としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1質量部と、結着材としてのポリエチレンオキシド(PEO)を1質量部と、結着材としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を1質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。
この塗料液をアルミ製の正極集電体11両面に塗布し、乾燥、プレスすることで正極合材層を形成後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。
(負極の作製)
負極活物質としてのグラファイト粉末を98質量部と、結着材としてのCMCを1質量部、結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)を1質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。
この塗料液を銅製の負極集電体21両面に塗布し、乾燥、プレスすることで負極合材層を形成後、所定のサイズに裁断することで負極を作製した。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比3:7で混合し、その混合有機溶媒に支持電解質としてのLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させた。同時に、電解重合性を有する導電性高分子のモノマーであり重合性化合物としてのピロール(和光純薬工業製)を0.1mol/Lの濃度で溶解(モノマー添加工程)し、電解液とした。
(電池の作製)
上記で得られた正極1及び負極2を、セパレータとしての厚さ25μmの微孔ポリエチレン製のフィルム4を介した状態で巻回させて、巻回型電極体を形成した。得られた巻回型電極体をケース7の内部に挿入し、ケース7内に保持した。このときシート状正極1及びシート状負極2のリードタブ溶接部に集電リード13及び23の一端を溶接し、その集電リード13及び23の他端のそれぞれをケースの正極端子部5及び負極端子部6に接合した。
その後、巻回型電極体を保持したケース7内に重合性化合物を含有する上記電解液3を注入した後、ケース7を密閉、封止した。以上の手順により、φ18mm、軸方向の長さ65mmの円筒型二次電池を製作し本実施例の試験電池とした。
(容量特性の評価)
作製したリチウム二次電池の容量特性の評価は、1C相当の電流値にて4.1Vまで充電した後、1C相当の電流値で3.0Vまで放電した際の放電容量を測定した。放電容量値は、電解重合性を有する導電性高分子のモノマーを含有しない以外は本実施例と同様の組成比で調製された電解液を使用し、他の構成要素については本実施例と同じものを採用して作製した電池(比較例1)の放電容量を100として換算した。評価結果を表1に示す。
電解重合性を有する導電性高分子のモノマーとしてピロール(和光純薬工業製)を0.2mol/Lの濃度で溶解して調製した電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で電池を作製し、放電容量を測定した。評価結果を表1に示す。
電解重合性を有する導電性高分子のモノマーである重合性化合物として上述の化合物eを0.01mol/Lの濃度で溶解して調製した電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で電池を作製し、放電容量を測定した。評価結果を表1に示す。
なお、化合物eは以下に示す方法にて合成した。
・ステップ1:化合物b(3−アミノ−1−プロパノール:18mL、0.24mol)を酢酸33mL中に氷浴で冷却しながら加えた後、化合物a(2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン:9mL、0.07mol)を一気に加え、その後、2時間還流した。
室温まで放冷後、水120mLを加え、ジクロロメタン50mLで3回抽出操作を行った。得られた有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を減圧除去した。メタノール60mLと20質量%NaOH水溶液60mLとを残留物に加え、室温で2.5時間撹拌した。
その後、飽和NaCl水溶液100mLを加え、ジクロロメタン50mLで3回抽出操作を行った。得られた有機層をNaSOで乾燥した後、溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン1:1)で精製を行い化合物f(1−(3−ヒドロキシプロピル)−1H−ピロール)を得た。収量4.77g、収率54%であった。
・ステップ2:窒素雰囲気下、氷浴で冷却しながら、化合物c(3.5g、0.28mol)とトリエチルアミン(4.16mL、0.30mol)とをジクロロメタン25mL中に加えた後、メタンスルホン酸クロライド(2.45mL、0.30mol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。水60mLを加え、ジクロロメタン60mLで抽出操作を行った。
得られた有機層を5質量%NaHCO水溶液60mLで洗浄した後、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧除去した。その後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)で精製を行い化合物d(1−(3’−MsO−プロピル)−1H−ピロール)を得た。収量5.45g、収率96%であった。
・ステップ3:窒素雰囲気下、ヘキサンで洗浄したNaH(60%in Oil、0.81g、0.203mol)と4−ヒドロキシ−TEMPO(3.5g、0.203mol)をDMF30mL中に加え、0℃で1時間撹拌した。
その後、化合物d(5g、0.246mol)を滴下し、室温で15時間撹拌した。水60mLを加え、ヘキサン150mLで抽出操作を行った。得られた有機層を水25mLで6回洗浄した後、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧除去した。その後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン1:3)で精製を行い化合物eを得た。収量3.28g、収率58%であった。
電解重合性を有する導電性高分子のモノマーとして化合物eを0.1mol/Lの濃度で溶解して調製した電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で電池を作製し、放電容量を測定した。評価結果を表1に示す。
比較例1
電解重合性を有する導電性高分子のモノマーを含有しない電解液を用いた以外は実施例1と同様の方法で電池を作製し、放電容量を測定した評価結果を表1に示す。
表1より明らかなように、電解重合性を有する重合性化合物を含有させた電解液を用いてリチウム二次電池を調製することで従来の電池である比較例1の試験電池よりも高性能の電池が得られることが明らかになった。
電解液中の重合性化合物は、充電を行うことで発生する電位差により正極にて電解重合し、正極上のリチウム複合酸化物を均一に被覆することができたことで性能が向上したものと推測される。
以上説明したように、本製造方法は電解液中に重合性化合物を含有させた状態で、最初の充電を行うのみという、従来よりも安価且つ簡便なプロセスにて容量特性に優れた電池を作製することが可能であることが確認できた。
ピロールの添加濃度は電解液に対して0.1mol/L添加した実施例1の電池容量が113、0.2mol/L添加した実施例2の電池容量が112と大差ないことから0.2mol/L程度まで添加、更には0.1mol/L程度まで添加すれば充分な効果が得られることが示唆された。
電解液に対して化合物eを0.01mol/L添加した実施例3の電池容量が116と、ピロールを添加した実施例1及び2よりも高い値を示した。これは化合物eがもつラジカルが電池反応に寄与することで電池容量が高くなったものと考えられる。
化合物eの添加濃度は電解液に対して0.01mol/L添加した実施例3の電池容量が116と、0.1mol/L添加した実施例4の電池容量が119と大差ないが添加量の増加に従い大きくなっており、0.1mol/L程度まで、更にはそれ以上添加することが望ましいことが分かった。
実施例において作成される円筒形リチウム二次電池の構成を示した図である。
符号の説明
100…リチウム二次電池
1…正極 11…正極集電体
12…正極合材層 13…集電リード
2…負極 21…負極集電体
22…負極合材層 23…集電リード
3…電解液 4…セパレータ
5…正極端子部 6…負極端子部 7…ケース

Claims (8)

  1. リチウムイオンを放出乃至吸蔵できる正極と、リチウムイオンを吸蔵乃至放出できる負極と、該正極及び該負極の間で該リチウムイオンを移動させる電解液とを備えるリチウム二次電池の製造方法であって、
    前記電解液中に電解重合性を有する導電性高分子のモノマーである重合性化合物を含有させるモノマー添加工程と、
    前記正極を前記電解液に接触させた状態で電位を付与することで前記重合性化合物を該正極にて重合させる重合工程と、
    を有し、
    前記重合性化合物が下記一般式(A)で表される化合物を含み、
    前記一般式(A)中、R〜Rのうちの少なくとも1つは下記式(1)〜(4)のいずれかであることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。

    (式(A)中、R〜R は水素、炭素数1〜4のアルキル基からそれぞれ独立して選択される。)

    (式(1)〜(4)は*の部分にて、前記式(A)におけるピロール環の炭素原子又は窒素原子に結合する。式(1)〜(4)中、RはH、OH、CH又はNHである。式(1)〜(4)中、Yは−(CH−(mは0〜10の整数)であり、mが1以上のときはYを構成するメチレン基の1つ以上が、−O−、−NH−、−S−、

    で置換されてもよい。)
  2. 前記重合性化合物が下記一般式(C)で表される化合物を含む請求項に記載のリチウム二次電池の製造方法。

    (式(C)中、mは1〜10の整数)
  3. 前記重合性化合物が記一般式(B)で表される化合物を含む請求項1又は2に記載のリチウム二次電池の製造方法。

    (式(B)中、R 〜Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基からそれぞれ独立して選択される。)
  4. 前記重合工程は前記正極及び前記負極を前記電解液に接触させた状態で、該正極及び該負極の間に電圧を印加する工程である請求項1〜3のうちのいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
  5. 前記正極はリチウム複合酸化物からなる正極活物質粒子を含有し、
    前記重合工程は前記導電性高分子及び該正極活物質粒子を均一に複合化させる工程である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
  6. 前記重合性化合物がピロール、ピロール誘導体、チオフェン及びチオフェン誘導体からなる群から選択される1以上の化合物を含む請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
  7. 前記電解液中における前記重合性化合物の濃度は0.01〜1.0mol/Lである請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
  8. 前記重合性化合物は3.0V〜4.5Vの範囲で電解重合が可能である請求項1〜7のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
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