JP5367836B2 - 複素環含有アルコール誘導体を含有する非水電解液、リチウム二次電池の非水電解液用添加剤、及びリチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液、リチウム二次電池の非水電解液用添加剤、及びリチウム二次電池に関するものである。
リチウム二次電池用正極活物質としては、リチウムと遷移金属とを含む活物質が各種知られている。従来実用化されたリチウム二次電池の多くでは、正極活物質として用いられる遷移金属の主成分は、コバルトまたはニッケルであった。コバルトまたはニッケルが多用された背景としては、他の遷移金属に比較して電池長寿命を実現しやすい為である。
しかし従来多用されてきたコバルトまたはニッケルは、高価な上に資源量も限られている。近年のリチウム二次電池の大きな需要増加、さらには近い将来、自動車用途や新エネルギー関連の蓄電用途などの大型電池用途での劇的な需要増加が予想されることから、コバルトまたはニッケルに変わる安価でかつ資源量の豊富な遷移金属正極活物質への転換が強く求められている。
その中でも、コバルトまたはニッケルに比較して安価で資源量が豊富なマンガンは有力な次世代正極活物質候補の一つである。しかし、一般にマンガン正極を用いた電池は、コバルトまたはニッケル正極を用いた電池に比べ、短寿命である。一方、近い将来において劇的な需要増加が予想される大型電池市場における要求性能は、正極の種類に拘わらず電池の長寿命化である。
とりわけ解決すべき問題は、高温環境下での電池性能の劣化である。リチウム二次電池の高温環境下での劣化は、様々な要因により引き起こされる。そのような要因としては、例えば、リチウム遷移金属酸化物の変質や、電解液の分解、負極表面に形成された皮膜の破壊等を挙げることができる。このような電池性能の劣化を防止する方法の一つとして、電解液にピリジン誘導体を添加することにより長寿命化を図る試みがなされてきた。例えば、特開2002−83631号公報ではピリジンを、また特開2002−93462号公報では、アルキルピリジン誘導体を、さらに特開2004−14352号公報ではビピリジン誘導体を添加する例が開示されている。
しかしながら、上記従来の電解液では、高温環境下における電池の保存特性向上(例えば、容量劣化の改善)について、更なる改善が求められている状況である。
また、負極の皮膜強化等を目的として新たな添加剤を導入すると、電池の抵抗が増大し、出力特性が低下することが懸念される。
従って、本発明の課題は、電池抵抗の増大を抑制し、高温環境下における保存特性を改善し、長寿命化を実現できる非水電解液及びリチウム二次電池の非水電解液用添加剤、並びに前記非水電解液を用いたリチウム二次電池を提供することである。
本発明者は上記課題に対し鋭意検討した結果、非水電解液に特定の添加剤を加えることにより、電池抵抗の増大を抑制し、高温環境下における保存特性を改善し、長寿命化を実現できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(1)で表される化合物を含有する非水電解液。
〔一般式(1)中、
が、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、若しくはパーフルオロプロピル基であり、かつ、R が、水素原子、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、若しくはフェニル基であるか、または、R 及びR が、互いに結合し、R 及びR に結合する炭素原子と共にパーフルオロシクロペンチル基若しくはパーフルオロシクロヘキシル基を形成し、
が、水素原子、メチル基、エチル基、アリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルスルホニル基、アリルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ジメチルホスホリル基、ジエチルホスホリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、またはジメチルtert−ブチルシリル基であり、
Qが、無置換であっても置換されていてもよい、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、または1,3,5−トリアジン環であり、
mが、1又は2である。
mが2であるとき、複数存在するR、R、及びRのそれぞれは、同一でも互いに異なっていてもよい。〕
> 前記Rが、トリフルオロメチル基であり、
前記Rが、トリフルオロメチル基、メチル基、またはフェニル基であり、
前記Rが、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メチルスルホニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、またはジメチルtert−ブチルシリル基であり、
前記Qが、無置換であっても炭素数1〜6のアルキル基若しくはハロゲン原子によって置換されていてもよい、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環、またはピラジン環である<1>に記載の非水電解液。
> 前記Rが、トリフルオロメチル基であり、
前記Rが、トリフルオロメチル基、メチル基、またはフェニル基であり、
前記Rが、水素原子、メチル基、エトキシカルボニル基、またはトリメチルシリル基であり、
前記Qが、無置換であっても炭素数1〜6のアルキル基若しくはハロゲン原子によって置換されていてもよい、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環、またはピラジン環である<1>に記載の非水電解液。
> 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である<1>〜<>のいずれか1項に記載の非水電解液。
> 更に、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物、及び下記一般式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する<1>〜<>のいずれか1項に記載の非水電解液。
〔一般式(2)中、R、R、R10、及びR11は、各々独立に、フッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12のアルキル基、水素原子、又はフッ素原子であり、nは0〜3の整数を表す。nが2または3であるときは、複数存在するR10及びR11は、それぞれ、同一でも互いに異なっていてもよい。〕
〔一般式(3)中、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を示す。〕
〔一般式(4)中、X、X、X及びXは、各々独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。ただし、X、X、X及びXが同時に水素原子である場合は除く。〕
> 前記一般式(3)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である<>に記載の非水電解液。
> 前記一般式(4)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である<>又は<>に記載の非水電解液。
> 下記一般式(1)で表される化合物を含有するリチウム二次電池の非水電解液用添加剤。
〔一般式(1)中、
が、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、若しくはパーフルオロプロピル基であり、かつ、R が、水素原子、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、若しくはフェニル基であるか、または、R 及びR が、互いに結合し、R 及びR に結合する炭素原子と共にパーフルオロシクロペンチル基若しくはパーフルオロシクロヘキシル基を形成し、
が、水素原子、メチル基、エチル基、アリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルスルホニル基、アリルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ジメチルホスホリル基、ジエチルホスホリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、またはジメチルtert−ブチルシリル基であり、
Qが、無置換であっても置換されていてもよい、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、または1,3,5−トリアジン環であり、
mが、1又は2である。
mが2であるとき、複数存在するR、R、及びRのそれぞれは、同一でも互いに異なっていてもよい。〕
> 正極と、
金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属、リチウムとの合金化が可能な合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料から選ばれる少なくとも1種を負極活物質として含む負極と、
<1>〜<>のいずれか1項に記載の非水電解液と、
を有するリチウム二次電池。
10> 正極と、
金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属、リチウムとの合金化が可能な合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料から選ばれる少なくとも1種を負極活物質として含む負極と、
<1>〜<>のいずれか1項に記載の非水電解液と、
を有するリチウム二次電池を充放電させて得られたリチウム二次電池。
本発明によれば、電池抵抗の増大を抑制し、高温環境下における電池の保存特性を改善し、電池の長寿命化を実現できる非水電解液及びリチウム二次電池の非水電解液用添加剤、並びに前記非水電解液を用いたリチウム二次電池を提供することができる。
本発明のリチウム二次電池の一例であるコイン型電池の模式的断面図である。
本発明の非水電解液、リチウム二次電池の非水電解液用添加剤(以下、「リチウム二次電池用添加剤」ともいう)、及びリチウム二次電池について詳細に説明する。
<非水電解液>
本発明の非水電解液は、添加剤として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
本発明の非水電解液は、電池(例えばリチウム二次電池)の非水電解液として用いたときに、電池抵抗の増大を抑制し、高温環境下における電池の保存特性を改善する。従って、本発明の非水電解液を用いることで、電池の長寿命化が実現される。
また、本発明の非水電解液は、添加剤として、更に、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物、及び下記一般式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。更に、必要に応じ、その他の成分を含んでいてもよい。
(複素環含有アルコール化合物又はその誘導体)
本発明の非水電解液は、添加剤として、下記一般式(1)で表される化合物(複素環含有アルコール化合物又は複素環含有アルコール化合物の誘導体)を含有する。
一般式(1)中、Rは、炭素数1〜12のハロアルキル基を表し、Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基(当該アリール基は、ハロゲン原子、または炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)を表す。R及びRは、互いに結合し、当該R及び当該Rに結合する炭素原子と共に炭素数3〜7のフルオロシクロアルキル基を形成してもよい。
は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜12のジアルキルアミノカルボニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数2〜12のアルケニルスルホニル基、フェニルスルホニル基(当該フェニルスルホニル基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、炭素数2〜12のジアルキルホスホリル基、または−SiR基(R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、または炭素数6〜14のアリール基を表す)を表す。
Qは、ベンゼン環と縮合してもよい5員または6員の芳香族複素環を表す。当該芳香族複素環は、無置換であっても置換されていてもよい。例えば、当該芳香族複素環は、下記A群から選ばれる1個〜3個の置換基により置換されてもよい。
A群は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基、炭素数1〜12のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数6〜14のアリールオキシ基(当該アリールオキシ基は、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、炭素数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜12のジアルキルアミノカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、イソシアナト基、イソチオシアナト基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、5員複素環基(当該5員複素環基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、6員複素環基(当該6員複素環基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、及び−SiR141516基(R14、R15、及びR16は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、または炭素数6〜14のアリール基を表す)からなる群である。
mは、1,2または3を表す。mが2または3を表すとき、複数存在するR、R、及びRは、それぞれ、同一でも互いに異なっていてもよい。
前記一般式(1)で表される化合物は、非水電解液中で、使用する金属酸化物製の正極から溶出してくる金属イオンをトラップする働き(以下、「トラップ効果」という)をもっているものと考えられる。このトラップ効果は主に、負極上での金属析出をおさえ、また、負極上での非水溶媒の分解等を抑制しているものと推察できる。
従って、非水電解液に前記一般式(1)で表される化合物を含有することで、負極上での金属析出や、負極上での非水溶媒の分解等が抑制される結果、電池抵抗の増大が抑制され、高温環境下における保存特性が改善されるものと推測される。
但し、本発明は上記の推測によって限定されることはない。
以上のように、一般式(1)で表される化合物は、負極上の非水電解液の還元分解を抑制する効果が高く、高温保存試験の電池の容量低下を抑制する。また、高温保存試験やサイクル試験時の正極の界面インピーダンスの上昇を抑制して、負荷特性の劣化を抑制する。
前記一般式(1)において「ハロゲン原子」とは、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記一般式(1)において、「炭素数1〜12のハロアルキル基」とは、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、パーフルオロペンチル、パーフルオロヘキシル、パーフルオロヘプチル、パーフルオロオクチル、パーフルオロノニル、パーフルオロデシル、パーフルオロウンデカニル、パーフルオロドデカニル、パーフルオロイソプロピル、パーフルオロイソブチル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピルが挙げられる。
前記一般式(1)において、「炭素数1〜12のアルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−メチルブチル、1−メチルペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、3,3−ジメチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデカニル、ドデカニルが挙げられる。
前記一般式(1)において、「炭素数6〜14のアリール基(当該アリール基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)」とは、例えば、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、テトラメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、トリフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、ナフチル、メチルナフチル、エチルナフチル、アンスリルなどが挙げられる。好適には、フェニル、メチルフェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニルが挙げられる。
前記一般式(1)において、R及びRが互いに結合し、当該R及び当該Rに結合する炭素原子と共に形成してもよい「炭素数3〜7のフルオロシクロアルキル基」としては、例えば、パーフルオロシクロプロピル、パーフルオロシクロブチル、パーフルオロシクロペンチル、パーフルオロシクロヘキシル、パーフルオロシクロヘプチルが挙げられる。
前記一般式(1)において、「炭素数2〜12のアルケニル基」とは、例えば、ビニル、アリル、ブテニル、ブテン−3−イル、ペンテニル、ペンテン−4−イル、へキセニル、ヘキセン−5−イル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニルが挙げられる。
前記一般式(1)において、「炭素数2〜12のアルキルカルボニル基」とは、例えば、アセチル、プロピオニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、2−メチルブチルカルボニル、1−メチルペンチルカルボニル、ネオペンチルカルボニル、1−エチルプロピルカルボニル、ヘキシルカルボニル、3,3−ジメチルブチルカルボニル、ヘプチルカルボニル、オクチルカルボニル、ノニルカルボニル、デシルカルボニル、ウンデカニルカルボニル、ドデカニルカルボニルが挙げられる。
「炭素数2〜12のアルキルカルボニル基」は、ハロゲン原子によって置換されていてもよい。
前記一般式(1)において、「炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基」とは、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、2−メチルブチルオキシカルボニル、1−メチルペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、1−エチルプロピルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、3,3−ジメチルブチル、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル、ウンデカニルオキシカルボニル、ドデカニルオキシカルボニルが挙げられる。
前記一般式(1)において、「炭素数3〜12のジアルキルアミノカルボニル基」とは、例えば、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジプロピルアミノカルボニル、ジブチルアミノカルボニル、ジペンチルアミノカルボニル、メチルエチルアミノカルボニル、メチルプロピルアミノカルボニル、メチルブチルアミノカルボニル、メチルペンチルアミノカルボニル、メチルヘキシルアミノカルボニル、メチルヘプチルアミノカルボニル、メチルオクチルアミノカルボニル、メチルノニルアミノカルボニル、メチルデシルアミノカルボニル、ジイソプロピルアミノカルボニルが挙げられる。
前記一般式(1)において、「炭素数1〜12のアルキルスルホニル基」とは、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、2−メチルブチルスルホニル、1−メチルペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、1−エチルプロピルスルホニル、ヘキシルスルホニル、3,3−ジメチルブチルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル、ノニルスルホニル、デシルスルホニル、ウンデカニルスルホニル、ドデカニルスルホニルが挙げられる。
前記一般式(1)において、「炭素数2〜12のアルケニルスルホニル基」とは、例えば、ビニルスルホニル、プロペニルスルホニル、イソプロペニルスルホニル、ブテニルスルホニル、ペンテニルスルホニル、ヘキセニルスルホニル、ヘプテニルスルホニル、オクテニルスルホニル、ノネニルスルホニル、デセニルスルホニル、ウンデセニルスルホニル、ドデセニルスルホニルが挙げられる。
前記一般式(1)において、フェニルスルホニル基(当該フェニルスルホニル基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)とは、例えば、フルオロフェニルスルホニル、ジフルオロフェニルスルホニル、トリフルオロフェニルスルホニル、ペンタフルオロフェニルスルホニル、クロロフェニルスルホニル、ジクロロフェニルスルホニル、トリクロロフェニルスルホニル、メチルフェニルスルホニル、ジメチルフェニルスルホニル、トリメチルフェニルスルホニル、エチルフェニルスルホニル、プロピルフェニルスルホニル、ブチルフェニルスルホニル、ペンチルフェニルスルホニル、ヘキシルフェニルスルホニルが挙げられる。
前記一般式(1)において、炭素数2〜12のジアルキルホスホリル基とは、例えば、ジメトキシホスホリル、ジエトキシホスホリル、ジプロピルオキシホスホリル、ジブチルオキシホスホリル、ジペンチルオキシホスホリル、ジヘキシルオキシホスホリルが挙げられる。
前記一般式(1)において、「炭素数1〜12のアルコキシ基」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブチル、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、2−メチルブトキシ、1−メチルペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、1−エチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、3,3−ジメチルブトキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデカニルオキシ、ドデカニルオキシが挙げられる。
前記A群において、「炭素数2〜12のアルケニルオキシ基」とは、例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ、ブテニルオキシ、ブテン−3−イルオキシ、ペンテニルオキシ、ペンテン−4−イルオキシ、へキセニルオキシ、ヘキセン−5−イルオキシ、ヘプテニルオキシ、オクテニルオキシ、ノネニルオキシ、デセニルオキシ、ウンデセニルオキシ、ドデセニルオキシが挙げられる。
前記A群において、「炭素数1〜6のアルキルチオ基」とは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、2−メチルブチルチオ、1−メチルペンチルチオ、ネオペンチルチオ、1−エチルプロピルチオ、ヘキシルチオ、3,3−ジメチルブチルチオが挙げられる。
前記A群において、「炭素数1〜6のアルキルスルホニル基」とは、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、2−メチルブチルスルホニル、1−メチルペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、1−エチルプロピルスルホニル、ヘキシルスルホニル、3,3−ジメチルブチルスルホニルが挙げられる。
前記A群において、「炭素数6〜14のアリールオキシ基(当該アリールオキシ基は、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)」とは、例えば、フルオロフェノキシ、ジフルオロフェノキシ、トリフルオロフェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ、クロロフェノキシ、ジクロロフェノキシ、トリクロロフェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、トリメチルフェノキシ、エチルフェノキシ、プロピルフェノキシ、ブチルフェノキシ、ペンチルフェノキシル、ヘキシルフェノキシ、ナフトキシ、メチルナフトキシ、エチルナフトキシ、アンスリルオキシなどが挙げられる。
前記A群において、「5員複素環基(当該5員複素環基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)」とは、例えば、前記ハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよいフリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基またはテトラゾリル基であり、好適には、ピロリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基またはテトラゾリル基が挙げられる。
前記A群において、「6員複素環基(当該6員複素環基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)」とは、例えば、前記ハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよいピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基が挙げられる。
なお、A群におけるその他の基およびハロゲン原子の具体例は前記と同様である。
以下、高温環境下における保存特性をより向上させる観点からみた、前記一般式(1)中における、m、R、R、R、Q、及びA群の好ましい範囲について説明する。
mは、前述のとおり1、2、または3を表すが、好ましくは1または2である。
は、前述のとおり炭素数1〜12のハロアルキル基を表すが、好ましくは、炭素数1〜6フルオロアルキル基であり、より好ましくは、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基であり、最も好ましくは、トリフルオロメチル基である。
は、前述のとおり、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基(当該アリール基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)を表すが、好ましくは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基(当該アリール基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)であり、より好ましくは、水素原子、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基であり、さらに好ましくは、トリフルオロメチル基、メチル基、フェニル基であり、最も好ましくはトリフルオロメチル基である。
また、前述のとおり、R及びRは、当該R及び当該Rに結合する炭素原子と共に互いに結合し炭素数3〜7のフルオロシクロアルキル基を形成してもよい。当該フルオロシクロアルキル基の炭素数としては5〜7が好ましい。
また、当該フルオロシクロアルキル基としてはパーフルオロシクロアルキル基が好ましく、パーフルオロシクロペンチル基またはパーフルオロシクロヘキシル基がより好ましい。
は、前述のとおり、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜12のジアルキルアミノカルボニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数2〜12のアルケニルスルホニル基、フェニルスルホニル基(当該フェニルスルホニル基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、炭素数2〜12のジアルキルホスホリル基、−SiR基(R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリール基を表す)を表すが、好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜7のジアルキルアミノカルボニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数2〜6のアルケニルスルホニル基、フェニルスルホニル基(当該フェニルスルホニル基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基で置換されてもよい)、炭素数2〜8のジアルキルホスホリル基、−SiR基(R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリール基を表す)であり、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、アリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルスルホニル基、アリルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ジメチルホスホリル基、ジエチルホスホリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、ジメチルtert−ブチルシリル基である。
として、更に好ましくは、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メチルスルホニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、ジメチルtert−ブチルシリル基であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エトキシカルボニル基、トリメチルシリル基である。
また、Rとしては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メチルスルホニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、ジメチルtert−ブチルシリル基であることも好ましい。
Qは、前述のとおり、ベンゼン環と縮合してもよい5員または6員の芳香族複素環(即ち、ベンゼン環と縮合してもよい芳香族5員複素環、または、ベンゼン環と縮合してもよい芳香族6員複素環)である。当該芳香族5員複素環または当該芳香族6員複素環は、無置換であっても置換されていてもよい。例えば、当該芳香族5員複素環または当該芳香族6員複素環は、前記A群から選択される1個〜3個の置換基により置換されていてもよい。
Qで表される芳香族複素環として、好ましくは、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、1,3,5−トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、フタラジン環であり、より好ましくは、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、1,3,5−トリアジン環であり、特に好ましくは、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環、またはピラジン環であり、最も好ましくは、ピリジン環である。
前記A群として、好ましくは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、水酸基、5員複素環基(当該5員複素環基は、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基で置換されてもよい)、6員複素環基(当該6員複素環基は、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基で置換されてもよい)、−SiR141516基(R14、R15、及びR16は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリール基を表す)からなる群である。
前記A群として、より好ましくは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、水酸基、5員複素環基(当該5員複素環基は、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基で置換されてもよい)、6員複素環基(当該6員複素環基は、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基で置換されてもよい)、及び−SiR141516基(R14、R15、及びR16は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基を表す)からなる群であり、更に好ましくは、フッ素原子、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基、メチルスルホニル基、トリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、水酸基、及びトリメチルシリル基からなる群であり、特に好ましくは、フッ素原子、メチル基、tert−ブチル基、及びトリメチルシリル基からなる群である。
また、本発明による効果をより効果的に奏する観点からは、前記A群として、ハロゲン原子及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群も好ましい。
以下、前記一般式(1)で表される化合物の具体例として、下記式(1a)で表される化合物(化合物番号1〜127;以下、「例示化合物1〜127」ともいう)を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
なお、化合物番号1〜127(例示化合物1〜127)において、「Me」はメチル基を、「Et」がエチル基を、「t−Bu」はターシャリブチル基を、「Ph」は、フェニル基をそれぞれ表わす。
また、化合物番号1〜127(例示化合物1〜127)において、Q〜Q33はそれぞれ以下の芳香族複素環基を表す。
本発明の非水電解液中における前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、0.0001質量%〜30質量%が好ましく、0.001質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜7質量%が更に好ましく、0.2質量%〜5質量%が更に好ましい。
非水電解液中における前記一般式(1)で表される化合物の含有量が上記範囲内にあると、高温環境下における保存特性がより改善し、更なる長寿命化が実現される。
前記一般式(1)で表される化合物のうち、Rが水素原子である化合物(アルコール化合物)は、例えば、Tetrahedron, 2005, 61, 1813-1820記載の方法、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2006, 16, 3484-3488記載の方法、或いは、Journal of Organic Chemistry, 1983, 48, 4156-4158記載の方法により製造される。
前記一般式(1)で表される化合物のうち、Rが水素原子以外である化合物は、例えば、一般式(1)においてRが水素原子である化合物を、溶媒中又は無溶媒で、塩基存在下、対応するR−X(Xはハロゲン原子をあらわす)で表される親電子試薬と反応させることにより製造することができる。
本方法で用いられるR−Xとしては、例えば、ヨウ化アルキル、臭化アルキル、塩化アルキルなどのハロゲン化アルキル、アルキルカルボニルクロリド、クロロ炭酸アルキル、ジアルキルアミノカルボニルクロリド、アルキルスルホニルクロリド、アリールスルホニルクロリド、ジアルキル燐酸クロリド、トリアルキルシリルクロリド、トリアルコキシシリルクロリドであり、好ましくは、ヨウ化メチル、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、ジメチルアミノカルボニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、エタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、ジメチル燐酸クロリド、ジエチル燐酸クロリド、トリメチルシリルクロリド、ジメチル(t−ブチル)シリルクロリド、ジエチルシリルクロリド、トリメトキシシリルクロリド、トリエトキシシリルクロリドである。
本方法で用いられるR−Xの使用量は、一般式(1)でRが水素原子である化合物1モルに対し、0.9〜10モルであり、好ましくは1.0〜3.0モルである。
本方法で使用される溶媒としては、反応に不活性であれば特に限定はされないが、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、塩化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、N,N,−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキド類、酢酸エチル、ジメチルカーボネート等のエステル類、又はこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、トルエン、塩化メチレン、酢酸エチルである。
前記溶媒の使用量は、一般式(1)でRが水素原子である化合物1質量部に対して、0〜30質量部であり、好ましくは1〜15質量部である。
本方法で使用される塩基としては、無機塩基及び有機塩基のいずれを使用することができる。またこれらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。使用される無機塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、及び酸化カルシウムが挙げられる。使用される有機塩基としては、直鎖又は分岐した脂肪族3級アミン及び含窒素芳香族化合物であり、好ましくは、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ルチジンである。
前記塩基の使用量は、一般式(1)でRが水素原子である化合物1.0モルに対して、1.0〜5.0モルであり、好ましくは1.0〜3.0モルである。
反応温度は、−20℃〜80℃であり、好ましくは、−10℃〜60℃である。
反応時間は、前記反応温度やスケールによるが、反応時間が短すぎると未反応物が残り、逆に反応時間が長すぎると生成物の分解や副反応の恐れが生じるため、好ましくは0.1〜12時間であり、好ましくは0.2〜6.0時間である。
前記一般式(1)で表される化合物(複素環含有アルコール化合物又はその誘導体)は、単独で用いてもよいが、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物、及び下記(4)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種(より好ましくは、下記一般式(3)で表される化合物及び下記(4)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種)と組み合わせて用いることで、本発明の効果をより効果的に得ることができ、更に、電池の高温サイクル特性を向上させることができると考えられる。
(不飽和スルトン化合物)
本発明の非水電解液は、不飽和スルトン化合物である、下記一般式(2)で表される化合物を含有することが好適である。
前記一般式(2)中、R、R、R10、及びR11は、各々独立に、フッ素を含んでもよい炭素数1〜12の炭化水素基、水素原子、又はフッ素原子であり、nは0〜3の整数を示す。nが2または3であるときは、複数存在するR10及びR11のそれぞれは、同一でも互いに異なっていてもよい。
つまり、前記一般式(2)で表される化合物は、環状スルホン酸エステルであって環内に炭素−炭素不飽和結合を有するスルトン化合物である。
前記一般式(2)で表される化合物は、非水電解液用添加剤として有効であり、電解液中において負極で還元分解し、硫黄化合物が正極側で皮膜をつくることが考えられる。
詳細には、一般式(2)で表される化合物中の不飽和結合が負極上で反応し、負極上に結合して安定的な皮膜を形成する一方、負極上の皮膜を形成しなかった不飽和スルトンは、スルトン基が負極上で還元分解することで一般式(2)で表される化合物自体が分解し、この分解で生成した硫黄化合物が正極上で酸化反応を行い、正極上にも皮膜を生成することが考えられる。すなわち、一般式(2)で表される化合物は、正極、負極共に、皮膜を作ることが可能な化合物であると考えられる。
すなわち、前記一般式(2)で表される化合物は、正極を構成するマンガンなどの溶出による、正極、負極へのサイクル特性の低下を抑制することができると考えられる。
本発明の非水電解液が、既述の一般式(1)で表される化合物に加え、前記一般式(2)で表される化合物を含有することにより、本発明の効果がより効果的に奏される。
この原因は以下のように推測されるが、本発明は以下の原因によって制限されることはない。
即ち、一般式(1)で表される化合物により、正極から溶出した金属イオンがトラップされ、一般式(2)で表される化合物による皮膜の形成がより適切なものとなり、正極及び負極での副反応が相乗的に抑制されるものと推測される。その結果、電池抵抗の増大がより抑制され、高温環境下における保存特性がより改善され、電池の更なる長寿命化が実現されるものと推測される。
前記一般式(2)中、R、R、R10、及びR11は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜12のフッ素を含んでもよい炭化水素基であり、R、R、R10及びR11は、互いに同一でも異なってもよい。nは0〜3の整数を示す。
前記一般式(2)中、R、R、R10、及びR11で表されるフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の炭化水素基は、具体的には、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−メチレンプロピル基、1−メチル−2−プロペニル基、1,2−ジメチルビニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−メチル−2−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ビニルフェニル基、エチニルフェニル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロウンデシル基、パーフルオロドデシル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが例示される。
以上例示した中でも、R、R、R10、及びR11で表される炭化水素基は、炭素数が4以下であることが望ましく、より望ましくは2以下である。
前記一般式(2)において、特に望ましくはR、R、R10、及びR11の全てが水素原子の場合である。
前記一般式(2)中、nは0〜3の整数を表す。
nが2または3であるときは、複数存在するR10は同一でも互いに異なっていてもよく、同様に、複数存在するR11は同一でも互いに異なっていてもよい。
n=1又は2であることが好ましく、更にはn=1であることが好ましい。
本発明に係る前記一般式(2)で表される化合物のうち最も望ましい化合物は、1,3−プロパ−1−エンスルトンである。
この化合物は、以下の文献に記載される方法などで合成することができる。
Angew. Chem. /70. Jahrg. 1958 / Nr.16、 Ger. Pat. 1146870 (1963) (Ca 59, 11259 (1963))、Can. J. Chem., 48, 3704 (1970)、 Synlett, 1411 (1988)、 Chem. Commun., 611 (1997)、Tetrahedron 55, 2245 (1999)。
本発明の非水電解液が前記一般式(2)で表される化合物を含む場合、本発明の非水電解液中における前記一般式(2)で表される化合物の含有量は、0.0001質量%〜30質量%が好ましく、0.001質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜7質量%が更に好ましく、0.2質量%〜5質量%が更に好ましい。
不飽和スルトンの非水電解液への添加量が上記範囲内にあると、本発明の効果がより効果的に奏され、且つ負極の界面インピーダンスの上昇が抑えられる。
(ビニレンカーボネート又はビニレンカーボネート誘導体)
本発明の非水電解液は、本発明の効果をより効果的に奏する観点より、ビニレンカーボネート又はビニレンカーボネート誘導体である、下記一般式(3)で表される化合物を含有することが好適である。
一般式(3)中、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。R12及びR13は、互いに同一でも異なってもよい。
つまり、上記一般式(3)で表される化合物は、ビニレンカーボネート又はビニレンカーボネート誘導体である。
一般式(3)で表される化合物の添加は、電池の保存特性及びサイクル特性を改善する点で好ましい。
また、一般式(3)で表される化合物は、負極側にて表面皮膜を作り、負極の安定化に寄与する。
従って、本発明の非水電解液が、既述の一般式(1)で表される化合物に加え、前記一般式(3)で表される化合物を含有することにより、本発明の効果がより効果的に奏される。この原因は以下のように推測されるが、本発明は以下の原因によって制限されることはない。
即ち、一般式(1)で表される化合物により、正極から溶出した金属イオンがトラップされ、一般式(3)で表される化合物による皮膜の形成がより適切なものとなり、正極及び負極での副反応が相乗的に抑制されるものと推測される。その結果、電池抵抗の増大がより抑制され、高温環境下における保存特性がより改善され、電池の更なる長寿命化が実現されるものと推測される。
一般式(3)で表される化合物としては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、ブロピルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ジプロピルビニレンカーボネートなどが例示される。
これらのうち一般式(3)で表される化合物としては、R12及びR13が水素原子の場合、すなわちビニレンカーボネートが最も好ましい。
本発明の非水電解液が前記一般式(3)で表される化合物を含む場合、本発明の非水電解液中における前記一般式(3)で表される化合物の含有量は、目的に応じて適宜選択できるが、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜3質量%であることが更に好ましい。
(ハロゲン化環状カーボネート誘導体)
本発明の非水電解液は、本発明の効果をより効果的に奏する観点より、ハロゲン化環状カーボネート誘導体である、下記一般式(4)で表される化合物を含有することが好適である。
一般式(4)中、X、X、X及びXは、各々独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。ただし、X、X、X及びXが同時に水素原子である場合は除く。
つまり、上記一般式(4)で表される化合物は、ハロゲン化環状カーボネート誘導体である。
一般式(4)で表される化合物の添加は、電池の保存特性及びサイクル特性を改善する点で好ましい。
また、一般式(4)で表される化合物は、負極側にて表面皮膜を作り、負極の安定化に寄与する。
従って、本発明の非水電解液が、既述の一般式(1)で表される化合物に加え、前記一般式(4)で表される化合物を含有することにより、本発明の効果がより効果的に奏される。この原因は以下のように推測されるが、本発明は以下の原因によって制限されることはない。
即ち、一般式(1)で表される化合物により、正極から溶出した金属イオンがトラップされ、一般式(4)で表される化合物による皮膜の形成がより適切なものとなり、正極及び負極での副反応が相乗的に抑制されるものと推測される。その結果、電池抵抗の増大がより抑制され、高温環境下における保存特性がより改善され、電池の更なる長寿命化が実現されるものと推測される。
一般式(4)で表されるハロゲン化環状カーボネート誘導体としては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−5−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ビストリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが例示される。
これらのうち一般式(4)で表される化合物としては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、或いは、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンが最も好ましい。
本発明の非水電解液が前記一般式(4)で表される化合物を含む場合、本発明の非水電解液中における前記一般式(4)で表される化合物の含有量は、目的に応じて適宜選択できるが、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜3質量%であることが更に好ましい。
(非水溶媒)
本発明の非水電解液は、非水溶媒を含有する。
前記非水溶媒は、種々公知のものを適宜選択することができるが、特には、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒とからなることが好ましい。
環状の非プロトン性溶媒は、電池の安全性の向上のために、溶媒の引火点の向上を志向する場合は、非水溶媒として、使用することが好ましい。環状の非プロトン性溶媒は単独で使用してもよいし、複数種混合して使用してもよい。また、環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒とを混合して使用してもよい。
−環状の非プロトン性溶媒−
環状の非プロトン性溶媒としては、エチレンカーボネートのような環状カーボネート、γ−ブチロラクトンのような環状カルボン酸エステル、スルホランのような環状スルホン、ジオキソランのような環状エーテルが例示される。
環状カーボネートの例として具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネートなどが挙げられる。特に、誘電率が高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが好適に使用される。負極活物質に黒鉛を使用した電池の場合は、特にエチレンカーボネートが好ましい。また、これら環状カーボネートは2種類以上混合して使用してもよい。
環状カルボン酸エステルとして、具体的にはγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、あるいはメチルγ−ブチロラクトン、エチルγ−ブチロラクトン、エチルδ−バレロラクトンなどのアルキル置換体などを例示することができる。
環状カルボン酸エステルは、蒸気圧が低く、粘度が低く、かつ誘電率が高い。このため、電解液の引火点と電解質の解離度を下げることなく電解液の粘度を下げることができる。このため、電解液の引火性を高くすることなく電池の放電特性に関わる指標である電解液の伝導度を高めることができるという特徴を有するので、溶媒の引火点の向上を指向する場合は、前記環状の非プロトン性溶媒として環状カルボン酸エステルを使用することが好ましい。環状カルボン酸エステルの中でも、特にγ−ブチロラクトンが最も望ましい。
また、環状カルボン酸エステルは他の環状の非プロトン性溶媒との混合物にするのが好ましい。例えば、環状カルボン酸エステルと、環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートとの混合物にすることが考えられる。
環状カルボン酸エステルと環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートの組み合わせの例として、具体的には、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとスルホラン、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとスルホラン、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとスルホラン、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとスルホラン、γ−ブチロラクトンとスルホランとジメチルカーボネートなどが挙げられる。
環状カルボン酸エステルの非水溶媒中の混合割合は、10質量%〜100質量%、さらに好ましくは20質量%〜90質量%、特に好ましくは30質量%〜80質量%である。このような比率にすることによって、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。
環状スルホンの例としては、スルホラン、2−メチルスルホラン、3―メチルスルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルプロピルスルホンなどが挙げられる。
−鎖状の非プロトン性溶媒−
本発明の鎖状の非プロトン性溶媒としては、ジメチルカーボネートのような鎖状カーボネート、ピバリン酸メチルのような鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタンのような鎖状エーテル、リン酸トリメチルのような鎖状のリン酸エステルが例示される。
鎖状カーボネートとして具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、メチルペンチルカーボネート、エチルペンチルカーボネート、ジペンチルカーボネート、メチルヘプチルカーボネート、エチルヘプチルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、メチルヘキシルカーボネート、エチルヘキシルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、メチルオクチルカーボネート、エチルオクチルカーボネート、ジオクチルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネートなどが挙げられる。これら鎖状カーボネートは2種類以上混合して使用してもよい。
鎖状カルボン酸エステルとして具体的には、ピバリン酸メチルなどが挙げられる。
鎖状エーテルとして具体的には、ジメトキシエタンなどが挙げられる。
鎖状のリン酸エステルとして具体的には、リン酸トリメチルなどが挙げられる。
−溶媒の組み合わせ−
本発明に係る非水溶媒は、1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。また、環状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、鎖状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、又は環状の非プロトン性溶媒及び鎖状のプロトン性溶媒を混合して用いてもよい。
これらの中でも、電池の負荷特性、低温特性の向上を特に意図した場合は、非水溶媒を環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒との組み合わせにすることが望ましい。さらに、電解液の電気化学的安定性から、環状の非プロトン性溶媒には環状カーボネートを、鎖状の非プロトン性溶媒には鎖状カーボネートを適用することが最も好ましい。また、環状カルボン酸エステルと環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートの組み合わせによっても電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。
環状カーボネートと鎖状カーボネートの組み合わせとして、具体的には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートなどが挙げられる。
環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合割合は、質量比で表して、環状カーボネート:鎖状カーボネートが、5:95〜80〜20、さらに好ましくは10:90〜70:30、特に好ましくは15:85〜55:45である。このような比率にすることによって、電解液の粘度上昇を抑制し、電解質の解離度を高めることができるため、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。また、電解質の溶解度をさらに高めることができる。よって、常温又は低温での電気伝導性に優れた電解液とすることができるため、常温から低温での電池の負荷特性を改善することができる。
−その他の溶媒−
本発明の非水電解液は、非水溶媒として、上記以外の他の溶媒を含んでいてもよい。
他の溶媒としては、具体的には、ジメチルホルムアミドなどのアミド、メチル−N,N−ジメチルカーバメートなどの鎖状カーバメート、N−メチルピロリドンなどの環状アミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノンなどの環状ウレア、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリブチル、ほう酸トリオクチル、ほう酸トリメチルシリル等のホウ素化合物、及び下記の一般式で表されるポリエチレングリコール誘導体などを挙げることができる。
HO(CHCHO)
HO[CHCH(CH)O]
CHO(CHCHO)
CHO[CHCH(CH)O]
CHO(CHCHO)CH
CHO[CHCH(CH)O]CH
19PhO(CHCHO)[CH(CH)O]CH
(Phはフェニル基)
CHO[CHCH(CH)O]CO[OCH(CH)CHOCH
前記式中、a〜fは、5〜250の整数、g〜jは2〜249の整数、5≦g+h≦250、5≦i+j≦250である。
(電解質)
本発明の非水電解液は、電解質を含有する。
前記電解質としては、種々公知の電解質を使用することができ、通常、非水電解液用電解質として使用されているものであれば、いずれをも使用することができる。電解質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解質の具体例としては、(CNPF、(CNBF、(CNClO、(CNAsF、(CSiF、(CNOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、(CNPF[C(2k+1)(6−n)(n=1〜5、k=1〜8の整数)などのテトラアルキルアンモニウム塩、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPF[C(2k+1)(6−n)(n=1〜5、k=1〜8の整数)などのリチウム塩が挙げられる。また、次の一般式で表されるリチウム塩も使用することができる。
LiC(SO)(SO)(SO)、LiN(SOOR10)(SOOR11)、LiN(SO12)(SO13)(ここでR〜R13は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基である)。これらの電解質は単独で使用してもよく、また2種類以上を混合してもよい。
これらのうち、特にリチウム塩が望ましく、さらには、LiPF、LiBF、LiOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiClO、LiAsF、LiNSO[C(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPF[C(2k+1)(6−n)(n=1〜5、k=1〜8の整数)が好ましい。
本発明における電解質は、本発明の非水電解液中に、通常0.1モル/リットル〜3モル/リットル、好ましくは0.5モル/リットル〜2モル/リットルの濃度で含まれることが好ましい。
本発明の非水電解液において、非水溶媒として、γ−ブチロラクトンなどの環状カルボン酸エステルを併用する場合には、特にLiPFを含有することが望ましい。LiPFは、解離度が高いため、電解液の伝導度を高めることができ、さらに負極上での電解液の還元分解反応を抑制する作用がある。LiPFは単独で使用してもよいし、LiPFとそれ以外の電解質を使用してもよい。それ以外の電解質としては、通常、非水電解液用電解質として使用されるものであれば、いずれも使用することができるが、前述のリチウム塩の具体例のうちLiPF以外のリチウム塩が好ましい。
具体例としては、LiPFとLiBF、LiPFとLiN[SO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPFとLiBFとLiN[SO(2k+1)](k=1〜8の整数)などが例示される。
リチウム塩中に占めるLiPFの比率は、1質量%〜100質量%、好ましくは10質量%〜100質量%、さらに好ましくは50質量%〜100質量%が望ましい。このような電解質は、0.1モル/リットル〜3モル/リットル、好ましくは0.5モル/リットル〜2モル/リットルの濃度で非水電解液中に含まれることが好ましい。
本発明の非水電解液は、リチウム二次電池用の非水電解液として好適であるばかりでなく、一次電池用の非水電解液、電気化学キャパシタ用の非水電解液、電気二重層キャパシタ、アルミ電解コンデンサー用の電解液としても用いることができる。
<リチウム二次電池用添加剤>
本発明のリチウム二次電池用添加剤は、前記一般式(1)で表される化合物を含む。
本発明のリチウム二次電池用添加剤は、リチウム二次電池の非水電解液に添加する添加剤として用いたときに、電池抵抗の増大を抑制し、電池の高温環境下における保存特性を改善する。従って、本発明のリチウム二次電池用添加剤を含む非水電解液を用いることで、リチウム二次電池の長寿命化が実現される。
本発明のリチウム二次電池用添加剤は、前記一般式(1)で表される化合物単体であってもよいし、必要に応じ、一般式(1)で表される化合物以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、上記効果をより効果的に得る観点より、前記一般式(2)で表される化合物、前記一般式(3)で表される化合物、及び前記一般式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
<リチウム二次電池>
本発明のリチウム二次電池は、負極と、正極と、前記の非水電解液とを基本的に含んで構成されており、通常、負極と正極との間にセパレータが設けられている。
(負極)
前記負極を構成する負極活物質としては、金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属、リチウムとの合金化が可能な合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。リチウムイオンとの合金化が可能な金属またはリチウムとの合金化が可能な合金としては、シリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金などを挙げることができる。
負極活物質としては、上記の中でもリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料が好ましい。
このような炭素材料としては、カーボンブラック、活性炭、黒鉛材料(例えば、人造黒鉛、天然黒鉛等)、非晶質炭素材料、等が挙げられる。
また、前記炭素材料の形態は、繊維状、球状、ポテト状、フレーク状いずれの形態であってもよい。
前記非晶質炭素材料として、具体的には、ハードカーボン、コークス、1500℃以下に焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソペーズビッチカーボンファイバー(MCF)などが例示される。
また、前記黒鉛材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛などが例示される。
前記人造黒鉛としては、黒鉛化MCMB、黒鉛化MCFなどが用いられる。
また、黒鉛材料としては、ホウ素を含有する黒鉛材料なども用いることができる。
また、前記炭素材料としては、金、白金、銀、銅、スズなどの金属で被覆した黒鉛材料や、非晶質炭素で被覆した黒鉛材料、を用いることもできる。
また、前記炭素材料としては、非晶質炭素材料と黒鉛材料との混合物も使用することができる。
これらの炭素材料は、1種類で使用してもよく、2種類以上混合して使用してもよい。 炭素材料としては、特にX線解析で測定した(002)面の面間隔d(002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましい。
また、前記炭素材料としては、真密度が1.70g/cm以上である黒鉛又はそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料が好ましい。
以上のような炭素材料を使用すると、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
(正極)
本発明における正極を構成する正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な遷移金属を含有する物質であり、当該遷移金属の少なくとも一部としてマンガンを含有する物質が用いられる。マンガンは安価で入手が容易であり、かつ安全性が高いことから、正極活物質として好ましい。
具体的には、本発明における正極活物質としては、含有される遷移金属のうち35モル%以上がマンガンである複合酸化物を用いることが好ましい。即ち、本発明における正極活物質としては、遷移金属を含有する複合酸化物であって、前記遷移金属中におけるマンガンの含有率が35モル%以上である複合酸化物を用いることが好ましい。
前記遷移金属中におけるマンガンの含有率は、より好ましくは50モル%以上であり、最も好ましくは80モル%以上である。このように正極活物質中の遷移金属に占めるマンガンの割合が多い場合には、経済的に低コストである点で好ましい。
さらに、前記複合酸化物はリチウムを含有することが好ましい。即ち、前記複合酸化物は、マンガンを35モル%以上含む遷移金属と、リチウムと、を含有する複合酸化物であることが好ましい。
上記のマンガンを含有する正極活物質に特に制限はないが、例えば、下記の組成式(6)で表される複合酸化物が好ましい。
LiMn(1−y) 組成式(6)
組成式(6)中、xは0<x≦1.2を満たす数を示し、yは0≦y≦0.65を満たす数を示し、MはNi、Co、Al、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn、及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
組成式(6)において、MはNi、Co、Feであることが特に好ましい。
また、組成式(6)において、xは0.2≦x≦1.15であることが特に好ましい。
また、組成式(6)において、yは0≦y≦0.5であることが特に好ましく、yは0≦y≦0.2であることが最も好ましい。
また、下記の組成式(7)で表される複合酸化物も好ましい。
LiMn(2−y) 組成式(7)
組成式(7)中、xは0<x≦1.2を満たす数を示し、yは0≦y≦1.3を満たす数を示し、MはNi、Co、Al、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn、及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
組成式(7)において、MはNi、Co、Al、Mgであることが特に好ましい。
また、組成式(7)において、xは0.05≦x≦1.15であることが特に好ましい。
また、組成式(7)において、yは0≦y≦1であることが特に好ましく、yは0≦y≦0.4であることが最も好ましい。
組成式(7)で表される複合酸化物の具体例としては、例えば、LiMn1.8Al0.2、LiMn1.5Ni0.5等を挙げることができる。
上記の正極活物質は、1種類で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
正極活物質は導電性が不充分である場合には、導電性助剤とともに使用して正極を構成することができる。
前記導電性助剤としては、カーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイトなどの炭素材料を例示することができる。
(セパレータの説明)
本発明におけるセパレータは、正極と負極とを電気的に絶縁し、且つ、リチウムイオンを透過する膜であって、多孔性膜や高分子電解質が例示される。
前記多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。
前記多孔性膜としては、特に、多孔性ポリオレフィンが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、又は多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルムを例示することができる。多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れる他の樹脂がコーティングされてもよい。
前記高分子電解質としては、リチウム塩を溶解した高分子や、電解液で膨潤させた高分子等が挙げられる。
本発明の非水電解液は、高分子を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよい。
(電池の構成)
本発明のリチウム二次電池は、前記の負極活物質、正極活物質及びセパレータを含む。 本発明のリチウム二次電池は、種々公知の形状をとることができ、円筒型、コイン型、角型、フィルム型その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は、形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。
本発明のリチウム二次電池の一例として、図1に示すコイン型電池が挙げられる。
図1に示すコイン型電池では、円盤状負極2、非水電解液を注入したセパレータ5、円盤状正極1、必要に応じて、ステンレス、又はアルミニウムなどのスペーサー板7,8が、この順序に積層された状態で、正極缶3と封口板4との間に収容される。正極缶3と封口板4とはガスケット6を介してかしめ密封する。
なお、本発明のリチウム二次電池は、負極と、正極と、前記本発明の非水電解液とを含むリチウム二次電池(充放電前のリチウム二次電池)を、充放電させて得られたリチウム二次電池であってもよい。
即ち、本発明のリチウム二次電池は、まず、負極と、正極と、前記本発明の非水電解液と、を含む充放電前のリチウム二次電池を作製し、次いで、該充放電前のリチウム二次電池を1回以上充放電させることによって作製されたリチウム二次電池(充放電されたリチウム二次電池)であってもよい。
本発明の非水電解液、リチウム二次電池用添加剤、及びリチウム二次電池の用途は特に限定されず、種々公知の用途に用いることができる。
本発明の非水電解液、リチウム二次電池用添加剤、及びリチウム二次電池は、例えば、ノートパソコン、モバイルパソコン、携帯電話、ヘッドホンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、電子手帳、電卓、ラジオ、バックアップ電源用途、モーター、自動車、電気自動車、バイク、電動バイク、自転車、電動自転車、照明器具、ゲーム機、時計、電動工具、カメラ等に広く利用可能なものである。
以下に実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。また、特に断りのない限り、「%」は質量%を表し、室温は「25℃」を表す。
<一般式(1)で表される化合物の合成>
以下、一般式(1)で表される化合物(複素環含有アルコール化合物又はその誘導体)の合成例を示す。
〔合成例1〕
<1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(例示化合物1)の合成>
2−ピリジンカルボン酸(10.00g,81.2mmol)、及びパーフルオロフェノール(14.95g,81.2mmol)を、1,4−ジオキサン(200ml)に溶かし、25℃で、ジシクロヘキシルカルボジイミド(17.59g,85.3mmol)を加え、24時間撹拌した。生じたスラリーをセライトにてろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、得られた組成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)にて精製し、2−ピリジンカルボン酸パーフルオロフェニルエステルを(23.08g,収率98.3%)を得た。
上記で得た、2−ピリジンカルボン酸パーフルオロフェニルエステル(23.08g,79.8mmol)を、1,2−ジメトキシエタンに溶かし、0℃に冷却下、トリフルオロメチルトリメチルシラン(26.0ml,176mmol)及びテトラメチルアンモニウムフロリド(16.35g、176mmol)を加えた後、温度を徐々に室温まで上げ、6時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、希釈したアンモニア水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)にて精製し、例示化合物1(15.28g,収率78.1%)を得た。例示化合物1のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):8.68(1H,d,J=4.9Hz),7.96−7.90(1H,m),7.84−7.75(1H,m),7.56−7.52(1H,m),7.25(1H,brd.s).
〔合成例2〕
<2,2’−(ピリジン−2,6−ジイル)ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール)(例示化合物78)の合成>
合成例1において、2−ピリジンカルボン酸を2,6−ピリジンジカルボン酸に変更したこと以外は合成例1と同様の方法により、例示化合物78(1.35g、67.1%)を得た。例示化合物78のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):8.17−8.11(1H,m),8.02−7.98(2H,m),5.83(2H,brs.s).
〔合成例3〕
<2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリメチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)ピリジン(例示化合物12)の合成>
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(例示化合物1)(1.00g,4.08mmol)を、ジクロロメタン(15ml)に溶かし、0℃に冷却下、トリエチルアミン(1.7ml,12.2mmol)及び、トリメチルシリルクロリド(0.8ml、6.12mmol)を加えた後、温度を徐々に室温まで上げ、4時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)にて精製し、例示化合物12(0.81g,収率62.5%)を得た。例示化合物12のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):8.67−8.64(1H,m),7.81(1H,dt,J=1.6,8.2Hz),7.69(1H,d,J=7.9Hz),7.40(1H,ddd,J=1.0,4.6,7.2Hz),0.23(9H,s).
〔合成例4〕
<2,6−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリメチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)ピリジン(例示化合物79)の合成>
合成例3において、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(例示化合物1)を、2,2’−(ピリジン−2,6−ジイル)ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール)(例示化合物78)に変更したこと以外は合成例3と同様の方法により例示化合物79(324.2mg、52.1%)を得た。例示化合物79のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):7.97−7.91(1H,m),7.76(2H,d,J=7.9Hz),0.22(18H,s).
〔合成例5〕
<2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−1−(ピリジン−2−イル)エタノール(例示化合物19)の合成>
1.6M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(3.94ml,6.3mmol)を−78℃に冷却したTHF(12ml)に加えた。2−ブロモピリジン(0.95g,6.0mmol、THF 6mlに溶解)を同温度にて10分で滴下し、20分間撹拌した。さらに2,2,2−トリフルオロアセトフェノン(1.10g,6.0mmol、THF 6mlに溶解)を同温度にて10分で滴下し、30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(2ml)を加え、温度を徐々に室温まで上げた。反応溶液に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄した。抽出液を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、例示化合物19(0.84g,収率55.3%)を得た。例示化合物19のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):8.61−8.58(1H,m),7.73(1H,dt,J=1.7,7.6Hz),7.67−7.64(2H,m),7.50−7.46(1H,m),7.41−7.31(4H,m),7.01(1H,s).
〔合成例6〕
<1,1,1−トリフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(例示化合物18)の合成>
合成例5において、2,2,2−トリフルオロアセトフェノンを、1,1,1−トリフルオロアセトン(0.76g,6.0mmol)に変更したこと以外は合成例5と同様の方法により例示化合物18(0.60g,収率52.3%)を得た。例示化合物18のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):8.59(1H,dq,J=1.0,4.9Hz),7.81(1H,dt,J=1.7,7.6Hz),7.52(1H,dq,J=1.0,7.9Hz),7.37(1H,ddd,J=1.0,4.9,7.6Hz),6.33(1H,s),1.73(3H,d,J=1.0Hz).
〔合成例7〕
<エチル 1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ピリジン−2−イル)プロパン−2−イル カーボネート(例示化合物5)の合成>
合成例3において、トリメチルシリルクロリドをクロロ炭酸エチルに変更したこと以外は合成例3と同様の方法を行い、例示化合物5(452.6mg,収率70.2%)を得た。例示化合物5のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):8.69(1H,ddd,J=1.0,1.6,4.6Hz),7.83(1H,dt,J=1.6,8.2Hz),7.53(1H,brd.d,J=7.6Hz),7.41(1H,ddd,J=1.0,4.6,7.6Hz),4.27(2H,q,J=7.3Hz),1.37(3H,t,J=7.3Hz).
〔合成例8〕
<1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ピリジン−4−イル)プロパン−2−オール(例示化合物47)の合成>
合成例1において、2−ピリジンカルボン酸を4−ピリジンカルボン酸に変更したこと以外は合成例1と同様の方法により例示化合物47(1.12g、57.1%)を得た。例示化合物47のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):6.68(2H,dd,J=2.0,5.9Hz),8.62(1H,brd.s),7.71(2H,brd.d,H=5.9).
〔合成例9〕
<1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ピラジン−2−イル)プロパン−2−オール(例示化合物121)の合成>
合成例1において、2−ピリジンカルボン酸を2−ピラジンカルボン酸に変更したこと以外は合成例1と同様の方法により例示化合物121(1.14g、49.4%)を得た。例示化合物121のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):9.10(1H,brd.s),8.88(1H,d,J=2.3Hz),8.69(1H,dd,J=1.6,2.3Hz),6.48(1H,brd.s).
〔合成例10〕
<2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)ピリジン(例示化合物122)の合成>
合成例3において、トリメチルシリルクロリドをヨウ化メチルに、トリエチルアミンをカリウム tert-ブトキシドに、ジクロロメタンをN,N−ジメチルホルムアミドに変更したこと以外は合成例3と同様の方法により例示化合物122(419.4mg、79.3%)を得た。例示化合物122のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):8.76(1H,ddd,J=1.0,2.0,4.9Hz),7.58(1H,dt,J=2.0,7.6Hz),7.70(1H,d,J=8.2Hz),7.41(1H,ddd,J=1.3,4.9, 7.6Hz),3.45(3H,m).
〔合成例11〕
<1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(6−メチルピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(例示化合物123)の合成>
合成例1において、2−ピリジンカルボン酸を6−メチル−2−ピリジンカルボン酸に変更したこと以外は合成例1と同様の方法により例示化合物123(1.32g、72.8%)を得た。例示化合物123のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):7.79(1H,t,J=7.6Hz),7.56(1H,d,J=7.6Hz),7.43(1H,s),7.36(1H,d,J=7.6Hz),2.64(3H,s).
〔合成例12〕
<1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(6−クロロピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(例示化合物124)の合成>
合成例1において、2−ピリジンカルボン酸を6−クロロ−2−ピリジンカルボン酸に変更したこと以外は合成例1と同様の方法により例示化合物124(1.15g、68.6%)を得た。例示化合物124のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):7.90(1H,t,J=7.9Hz),7.72−7.68(1H,m),7.56(1H,dd,J=0.7,7.9Hz),6.48(1H,s).
〔合成例13〕
<2−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール(例示化合物125)の合成>
合成例1において、2−ピリジンカルボン酸を1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸に変更したこと以外は合成例1と同様の方法により例示化合物125(0.90g、42.9%)を得た。例示化合物125のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):6.92(1H,s),6.29(1H,s),3.94(3H,s),2.17(3H,s).
〔合成例14〕
<1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−ピロール−2−イル)プロパン−2−オール(例示化合物126)の合成>
ピロール(0.50g,7.45mmol)を、トルエン(15ml)に溶かし、室温で、ヘキサフルオロアセトン・1.5水和物(1.58g,8.20mmol)を加え、温度で30分、60℃で3時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製し、例示化合物126(1.51g,収率87.1%)を得た。例示化合物126のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):8.70(1H,brd.s),6.91−6.88(1H,m),6.49(1H,brd.s),6.29−6.25(1H,m),3.72(1H,brd.s).
〔合成例15〕
<1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(3−メチルピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(例示化合物127)の合成>
合成例1において、2−ピリジンカルボン酸を3−メチル−2−ピリジンカルボン酸に変更したこと以外は合成例1と同様の方法により例示化合物127(1.68g、81.0%)を得た。例示化合物127のNMR測定の結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):8.53−8.49(2H,m),7.77−7.73(1H,m),7.43(1H,dd,J=4.9,7.9Hz),2.55(3H,s).
以上、一般式(1)で表される化合物の合成例として、例示化合物1、例示化合物5、例示化合物12、例示化合物18、例示化合物19、例示化合物47、例示化合物78、例示化合物79、例示化合物121、例示化合物122、例示化合物123、例示化合物124、例示化合物125、例示化合物126、例示化合物127の合成例を説明したがその他の一般式(1)で表される化合物についても上記合成例と同様の方法により合成できる。
〔実施例1〕
<負極の作製>
人造黒鉛20質量部、天然黒鉛系黒鉛80質量部、カルボキシメチルセルロース1質量部及びSBRラテックス2質量部を水溶媒で混錬してペースト状の負極合剤スラリーを調製した。
次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して負極集電体と負極活物質層とからなるシート状の負極を得た。このときの負極活物質層の塗布密度は10mg/cmであり、充填密度は1.5g/mlであった。
<正極の作製>
LiMnを90質量部、アセチレンブラック5質量部及びポリフッ化ビニリデン5質量部を、N−メチルピロリジノンを溶媒として混錬してペースト状の正極合剤スラリーを調製した。
次に、この正極合剤スラリーを厚さ20μmの帯状アルミ箔の正極集電体に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して正極集電体と正極活物質とからなるシート状の正極を得た。このときの正極活物質層の塗布密度は30mg/cmであり、充填密度は2.5g/mlであった。
<非水電解液の調製>
非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とメチルエチルカーボネート(EMC)とを、それぞれ34:33:33(質量比)の割合で混合した。
得られた混合溶媒中に、電解質であるLiPFを、最終的に調製される非水電解液全量中における電解質濃度が1モル/リットルとなるように溶解させた。
得られた溶液に対し、一般的な添加剤としてビニレンカーボネートを、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した。
上記ビニレンカーボネート添加後の溶液に対し、添加剤として上記で合成された例示化合物1を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加し、非水電解液を得た。
<コイン型電池の作製>
上述の負極を直径14mmで、上述の正極を直径13mmで、それぞれ円盤状に打ち抜いて、コイン状の電極(負極及び正極)を得た。また、厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを直径17mmの円盤状に打ち抜き、セパレータを得た。
得られたコイン状の負極、セパレータ、及びコイン状の正極を、この順序でステンレス製の電池缶(2032サイズ)内に積層し、上記で得られた非水電解液20μlを注入してセパレータと正極と負極に含漬させた。
更に、正極上に、アルミニウム製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)及びバネを乗せ、ポリプロピレン製のガスケットを介して、電池缶蓋をかしめることにより電池を密封し、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池(試験用電池)を作製した。
<評価>
得られたコイン型電池(試験用電池)について、初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
(電池の初期特性評価)
試験用電池を、1mA定電流かつ4.2V定電圧で充電し、1mA定電流で2.85Vまで放電を10サイクル行った。
その際、1サイクル目の充電容量[mAh]及び放電容量[mAh]から、初回の充放電効率を下記式にて計算を行った。
初回の充放電効率[%]
=1サイクル目の放電容量[mAh]/1サイクル目の充電容量[mAh]×100[%]
更に、定電圧4.0V充電し、Solartronを用いて、恒温槽内で電池を−10℃に冷却し、インピーダンス測定を行い、0.2Hzでの抵抗値[Ω]を電池抵抗とした。電池抵抗の測定結果を下記表1に示す。
(電池の高温保存試験)
インピーダンス測定を終えた試験用電池を、25℃の恒温槽中で1mA定電流かつ4.2V定電圧で充電し、この25℃の恒温槽中で、1mA定電流で2.85Vまで放電し、高温保存前の放電容量[mAh]を測定した。
次に、上記試験用電池に対し、25℃の恒温槽中で1mA定電流かつ4.2V定電圧充電を行った後、恒温槽の温度を80℃に上昇させ、80℃の恒温槽中に上記試験用電池を2日間保存した(高温保存)。
上記高温保存後、恒温槽の温度を25℃に戻し、25℃の恒温槽中で上記試験用電池を1mA定電流で2.85Vまで放電し、電池に残っている残存放電容量[mAh](即ち、高温保存後の放電容量[mAh])を測定した。
そして、下記式にて、高温保存前後の容量維持率を算出した。
高温保存後の放電容量及び高温保存前後の容量維持率を下記表1に示す。
高温保存前後の容量維持率[%]
=(高温保存後の放電容量[mAh]/高温保存前の放電容量[mAh])×100[%]
〔実施例2〕
例示化合物1に代えて例示化合物12を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例3〕
例示化合物1に代えて例示化合物18を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例4〕
例示化合物1に代えて例示化合物19を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例5〕
例示化合物1に代えて例示化合物78を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例6〕
例示化合物1に代えて例示化合物79を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例7〕
例示化合物1に代えて例示化合物5を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例8〕
例示化合物1に代えて例示化合物47を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例9〕
例示化合物1に代えて例示化合物121を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例10〕
例示化合物1に代えて例示化合物122を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例11〕
例示化合物1に代えて例示化合物123を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例12〕
例示化合物1に代えて例示化合物124を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例13〕
例示化合物1に代えて例示化合物125を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例14〕
例示化合物1に代えて例示化合物126を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例15〕
例示化合物1に代えて例示化合物127を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔実施例16〕
一般的な添加剤であるビニレンカーボネートの代わりにフルオロエチレンカーボネート(FEC)を最終的に調整される非水電解液全量中における含有量が2.0質量%となるように添加したこと、及び、例示化合物1に代えて例示化合物12を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表1に示す。
〔比較例1〕
非水電解液中に例示化合物1を含有させなかったこと以外は実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
〔比較例2〕
例示化合物1に代えて、ピリジン(比較化合物A)を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
〔比較例3〕
例示化合物1に代えて、ビピリジン(比較化合物B)を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
〔比較例4〕
例示化合物1に代えて、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン(比較化合物C)を、最終的に調製される非水電解液全量中における含有量が0.5質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、実施例1と同様にして初期特性評価及び高温保存試験を実施した。評価及び試験の結果を下記表2に示す。
〜表1及び表2の説明〜
・添加剤の各欄に示した「0.5質量%」などの表記は、最終的に調製された非水電解液の全量中における各添加剤の含有量を示している。
・VCはビニレンカーボネートを示す。
・FECはフルオロエチレンカーボネートを示す。
表1及び表2に示すように、リチウム二次電池の非水電解液中に添加剤として一般式(1)で表される化合物を添加した実施例1〜16では、電池抵抗が低減され、高温保存特性が向上されていた。
特に、実施例1〜15と比較例1とを比較すると、リチウム二次電池の非水電解液中に添加剤として一般式(1)で表される化合物を添加することにより、電池抵抗を低減できると共に、高温保存特性を向上させることができることがわかる。
更に、実施例1〜15と比較例2〜4とを比較すると、添加剤として一般式(1)で表される化合物を添加することにより、ピリジン骨格持つ他の添加剤を添加した場合と比べて、電池抵抗を低減できると共に、高温保存特性を向上させることができることがわかる。
日本出願2009−235781の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を含有する非水電解液。


    〔一般式(1)中、
    が、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、若しくはパーフルオロプロピル基であり、かつ、R が、水素原子、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、若しくはフェニル基であるか、または、R 及びR が、互いに結合し、R 及びR に結合する炭素原子と共にパーフルオロシクロペンチル基若しくはパーフルオロシクロヘキシル基を形成し、
    が、水素原子、メチル基、エチル基、アリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルスルホニル基、アリルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ジメチルホスホリル基、ジエチルホスホリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、またはジメチルtert−ブチルシリル基であり、
    Qが、無置換であっても置換されていてもよい、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、または1,3,5−トリアジン環であり、
    mが、1又は2である。
    mが2であるとき、複数存在するR、R、及びRのそれぞれは、同一でも互いに異なっていてもよい。〕
  2. 前記Rが、トリフルオロメチル基であり、
    前記Rが、トリフルオロメチル基、メチル基、またはフェニル基であり、
    前記Rが、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メチルスルホニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、またはジメチルtert−ブチルシリル基であり、
    前記Qが、無置換であっても炭素数1〜6のアルキル基若しくはハロゲン原子によって置換されていてもよい、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環、またはピラジン環である請求項1に記載の非水電解液。
  3. 前記Rが、トリフルオロメチル基であり、
    前記Rが、トリフルオロメチル基、メチル基、またはフェニル基であり、
    前記Rが、水素原子、メチル基、エトキシカルボニル基、またはトリメチルシリル基であり、
    前記Qが、無置換であっても炭素数1〜6のアルキル基若しくはハロゲン原子によって置換されていてもよい、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環、またはピラジン環である請求項1に記載の非水電解液。
  4. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である請求項1に記載の非水電解液。
  5. 更に、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物及び下記一般式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載の非水電解液。


    〔一般式(2)中、R、R、R10、及びR11は、各々独立に、フッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12のアルキル基、水素原子、又はフッ素原子であり、nは0〜3の整数を表す。nが2または3であるときは、複数存在するR10及びR11のそれぞれは、同一でも互いに異なっていてもよい。〕


    〔一般式(3)中、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を示す。〕


    〔一般式(4)中、X、X、X及びXは、各々独立に、フッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を示す。ただし、X、X、X及びXが同時に水素原子である場合は除く。〕
  6. 前記一般式(3)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である請求項に記載の非水電解液。
  7. 前記一般式(4)で表される化合物の含有量が、0.001質量%〜10質量%である請求項に記載の非水電解液。
  8. 下記一般式(1)で表される化合物を含有するリチウム二次電池の非水電解液用添加剤。


    〔一般式(1)中、
    が、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、若しくはパーフルオロプロピル基であり、かつ、R が、水素原子、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、若しくはフェニル基であるか、または、R 及びR が、互いに結合し、R 及びR に結合する炭素原子と共にパーフルオロシクロペンチル基若しくはパーフルオロシクロヘキシル基を形成し、
    が、水素原子、メチル基、エチル基、アリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルスルホニル基、アリルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ジメチルホスホリル基、ジエチルホスホリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、またはジメチルtert−ブチルシリル基であり、
    Qが、無置換であっても置換されていてもよい、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、または1,3,5−トリアジン環であり、
    mが、1又は2である。
    mが2であるとき、複数存在するR、R、及びRのそれぞれは、同一でも互いに異なっていてもよい。〕
  9. 正極と、
    金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属、リチウムとの合金化が可能な合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料から選ばれる少なくとも1種を負極活物質として含む負極と、
    請求項1に記載の非水電解液と、
    を有するリチウム二次電池。
  10. 正極と、
    金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属、リチウムとの合金化が可能な合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料から選ばれる少なくとも1種を負極活物質として含む負極と、
    請求項1に記載の非水電解液と、
    を有するリチウム二次電池を充放電させて得られたリチウム二次電池。
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