JP2014096327A - 硫黄系活物質とその製造方法及びリチウムイオン二次電池用電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電中にLiイオンと反応した硫黄が電解液中に溶出するのを防止できる硫黄系活物質を提供する。
【解決手段】アミノ基とカルボキシル基との縮合反応によるポリマーの生成時に硫黄を共存させ、アミド結合を有するポリマー由来の炭素骨格と、アミド結合を生成する縮合反応の進行に伴って炭素骨格に取り込まれた硫黄(S)とからなる。硫黄と電解液との直接接触を防止できる。
【選択図】図15

Description

本発明は、蓄電装置の電極に用いられ硫黄を含む硫黄系活物質とその製造方法、及びその硫黄系活物質を含むリチウムイオン二次電池用電極に関する。
非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池は、充放電容量の大きな電池であり、主として携帯電子機器用の電池として用いられている。また、リチウムイオン二次電池は、電気自動車用の電池としても期待されている。
リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、コバルトやニッケル等のレアメタルを含むものが一般的である。しかし、これらの金属は流通量が少なく高価であるため、近年では、これらのレアメタルに代わる物質を用いた正極活物質が求められている。
またリチウムイオン二次電池の正極活物質として、硫黄を用いる技術が知られている。硫黄を正極活物質として用いることで、リチウムイオン二次電池の充放電容量を大きくすることができる。例えば、硫黄を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池の充放電容量は、一般的な正極材料であるコバルト酸リチウム正極材料を用いたリチウムイオン二次電池の充放電容量の約6倍である。
しかし、正極活物質として単体硫黄を用いたリチウムイオン二次電池においては、放電時に硫黄とリチウムとの化合物が生成する。この硫黄とリチウムとの化合物は、リチウムイオン二次電池の非水系電解液(例えば、エチレンカーボネートやジメチルカーボネート等)に可溶である。このため、正極活物質として硫黄を用いたリチウムイオン二次電池は、充放電を繰り返すと、硫黄化合物の電解液への溶出により次第に劣化し、電池容量が低下するという問題があった。
そこで硫黄化合物の電解液への溶出を抑制するために、硫黄を含む正極活物質(以下、硫黄系正極活物質と呼ぶ)に、例えば炭素材料等の硫黄以外の材料を配合する技術が提案されている(例えば、特開2002−154815号公報参照)。
特開2002−154815号公報には、硫黄系正極活物質として、炭素と硫黄を主な構成要素とするポリ硫化カーボンを用いる技術が紹介されている。このポリ硫化カーボンは、直鎖状不飽和ポリマーに硫黄が付加されたものである。同公報によれば、この硫黄系正極活物質は、充放電の繰り返しに伴うリチウムイオン二次電池の充放電容量低下を抑制できるとされている。以下、充放電の繰り返しに伴って充放電容量が低下するリチウムイオン二次電池の特性を「サイクル特性」と呼ぶ。充放電容量の低下度合いが小さいリチウムイオン二次電池はサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池であり、充放電容量の低下度合いの大きなリチウムイオン二次電池はサイクル特性に劣るリチウムイオン二次電池である。
しかし、特開2002−154815号公報に紹介されている硫黄系正極活物質によっても、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を充分に向上させることはできなかった。これは、放電時に硫黄とリチウムとが結合することにより、ポリ硫化カーボンに含まれる-CS-CS-結合や-S-S-結合が切断されて、ポリマーが切断されるためだと考えられている。
そこで本発明の発明者らは、ポリアクリロニトリルと硫黄との混合原料を熱処理して得られる硫黄系正極活物質を発明した(国際公開第2010/044437号参照)。この正極活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池の充放電容量は大きく、かつ、この正極活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池はサイクル特性に優れる。
その一方で、ポリアクリロニトリルは比較的高価な材料である。また、この正極活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池は、ポリアクリロニトリル原料粉末の品質(特に粒径)によって充放電容量、サイクル特性等の電池性能が大きく左右される。品質の一定なポリアクリロニトリルはさらに高価である。このため、国際公開第2010/044437号に開示されている硫黄系正極活物質によると、大きな充放電容量を持ち、かつサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を、安価に提供し難いという問題があった。
特開2002−154815号公報 国際公開第2010/044437号
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン二次電池の電極を提供できる硫黄系活物質、この硫黄系活物質の製造方法、およびこの硫黄系活物質を用いたリチウムイオン二次電池用電極を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、鋭意研究の結果、アミド結合を有するポリマー由来の炭素骨格をもつ材料の内部に硫黄を取り込んでなる硫黄系材料をリチウムイオン二次電池用電極活物質として用いることで、大きな充放電容量が発現されることを見いだした。
すなわち、上記課題を解決する本発明の硫黄系活物質の製造方法の特徴は、一分子中に少なくとも二つのアミノ基をもつ化合物(イ)、一分子中に少なくとも二つのカルボキシル基をもつ化合物(ロ)及び一分子中にアミノ基とカルボキシル基とをもつ化合物(ハ)のうち、
化合物(イ)と化合物(ロ)からそれぞれ選ばれる少なくとも二種の化合物の混合物、
又は化合物(イ)と化合物(ロ)から選ばれる少なくとも一種の化合物と化合物(ハ)との混合物、
又は化合物(ハ)単体、
と、
硫黄粉末と、を含む原料を混合して混合原料とする混合工程と、混合原料をアミノ基とカルボキシル基とが縮合反応する温度以上に加熱する熱処理工程と、を行うことにある。
そして上記製造方法によって製造される本発明の硫黄系活物質の特徴は、アミド結合を有するポリマー由来の炭素骨格と、アミド結合を生成する縮合反応の進行に伴って炭素骨格に取り込まれた硫黄(S)とからなることにある。
上記課題を解決する本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、本発明の硫黄系活物質を正極又は負極に含むことを特徴とする。
本発明の硫黄系活物質の製造方法では、熱処理工程において、アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)とが縮合反応してアミド基(-CONH-)をもつポリマーが生成すると同時に、ポリマー鎖どうしが絡み合った内部に硫黄が取り込まれると考えられる。
したがって本発明の製造方法により得られた硫黄系活物質では、アミド結合を有するポリマー由来の炭素骨格中に硫黄が取り込まれている。そのためこの硫黄系活物質を正極又は負極に含むリチウムイオン二次電池によれば、LiとSとの反応物(Li2Sx)が電解液中に溶出しにくくなると考えられ、サイクル特性が向上する。
実施例の硫黄系活物質の製造方法で用いた反応装置を模式的に表す説明図である。 実施例2,5及び比較例1の硫黄系活物質をラマンスペクトル分析した結果を表すグラフである。 実施例2,5及び比較例1の硫黄系活物質をFT-IRスペクトル分析した結果を表すグラフである。 実施例1の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池の充放電曲線を示すグラフである。 実施例1の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性を示すグラフである。 実施例2の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池の充放電曲線を示すグラフである。 実施例2の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性を示すグラフである。 実施例3の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池の充放電曲線を示すグラフである。 実施例3の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性を示すグラフである。 実施例4の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池の充放電曲線を示すグラフである。 実施例4の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性を示すグラフである。 実施例5の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池の充放電曲線を示すグラフである。 実施例5の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性を示すグラフである。 実施例6の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池の充放電曲線を示すグラフである。 実施例6の硫黄系活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性を示すグラフである。 実施例2の硫黄系活物質を負極に用いたリチウムイオン二次電池の充放電曲線を示すグラフである。 本発明の硫黄系活物質の構造を説明する模式的な説明図である。
(硫黄系活物質の製造方法)
本発明の硫黄系活物質の製造方法(以下、本発明の製造方法と略する)においては、一分子中に少なくとも二つのアミノ基をもつ化合物(イ)と、一分子中に少なくとも二つのカルボキシル基をもつ化合物(ロ)と、一分子中にアミノ基とカルボキシル基とをもつ化合物(ハ)と、を硫黄系活物質の出発原料としている。
化合物(イ)としては、尿素、エチレンジアミン、プトレシン、カダベリン、ヘキサメチレンジアミン、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4-アミノベンゼンメタンアミン、4-アミノベンゼンエタンアミン、メラミン、1,2,4-トリアミノベンゼン、1,3,5-トリアミノベンゼン、ベンゾグアナミンなどがある。
化合物(ロ)としては、テレフタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、ベンゼン-1,3-ジカルボン酸、フタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、エチレンジアミン四酢酸などがある。また無水フタル酸、無水マレイン酸などの酸無水物を用いることもできる。
同一分子内にアミノ基とカルボキシル基との両方をもつ化合物(ハ)としては、3,4-ジアミノ安息香酸、3,5-ジアミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸、m-アミノ安息香酸、4-アミノフェニル酢酸、3-アミノフェニル酢酸、3-(4-アミノフェニル)プロピオン酸、3-アミノプロピオン酸、4-アミノブタン酸、5-アミノペンタン酸、2,5ジアミノペンタン酸、アミノ酸類としてアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、テアニン、トリコロミン酸、カイニン酸、ドウモイ酸、イボテン酸、アクロメリン酸などがある。
本発明の製造方法では先ず混合工程において、化合物(イ)と化合物(ロ)からそれぞれ選ばれる少なくとも二種の化合物の混合物、又は化合物(イ)と化合物(ロ)から選ばれる少なくとも一種の化合物と化合物(ハ)との混合物、又は化合物(ハ)単体、と、硫黄粉末と、を含む原料を混合して混合原料とする。混合工程は、選択された化合物を粉砕し硫黄粉末と混合してもよいし、選択された化合物を溶媒に溶解した溶液と硫黄粉末を混合してもよい。混合手段は、ミキサー、各種ミルなどを用いることができる。
化合物(イ)と化合物(ロ)からそれぞれ選ばれる少なくとも二種の化合物の混合物を採用した場合には、混合比は特に制限されないものの、化合物(イ)のアミノ基(-NH2)と化合物(ロ)のカルボキシル基(-COOH)とが当量となるように混合することが好ましい。
化合物(イ)から選ばれる少なくとも一種の化合物と化合物(ハ)との混合物を採用した場合には、化合物(イ)のアミノ基(-NH2)及び化合物(ハ)のアミノ基(-NH2)と化合物(ハ)のカルボキシル基(-COOH)とが反応する。また化合物(ロ)から選ばれる少なくとも一種の化合物と化合物(ハ)との混合物を採用した場合には、化合物(ロ)のカルボキシル基(-COOH)及び化合物(ハ)のカルボキシル基(-COOH)と化合物(ハ)のアミノ基(-NH2)とが反応する。この場合もアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)とが当量となるように混合するのが好ましいが、どちらかが過剰となる場合があるので、過剰の基が未反応で残留してもよい。
以下、化合物(イ)と化合物(ロ)からそれぞれ選ばれる少なくとも二種の化合物の混合物、又は化合物(イ)と化合物(ロ)から選ばれる少なくとも一種の化合物と化合物(ハ)との混合物、又は化合物(ハ)単体、から選択されたものを「選択された化合物」という。
熱処理工程では、アミノ基とカルボキシル基とが縮合反応する温度以上(例えば400℃以上)に加熱し、選択された化合物に含まれるアミノ基とカルボキシル基とを縮合させる。これによりアミド基をもつポリマーが生成するとともに、ポリマー中に硫黄が取り込まれる。この反応は、選択された化合物の量に対して硫黄の量を過大として反応させ、硫黄を高濃度で含む活物質とすることが望ましい。この熱処理工程の温度は、生成したアミド基をもつポリマーの少なくとも一部と硫黄の少なくとも一部とが液体となる条件で行うことが望ましい。このようにすることで、アミド基をもつポリマーと硫黄との接触面積を充分に大きくでき、硫黄を充分に含みかつ硫黄の脱離が抑制された硫黄系活物質を得ることができる。
熱処理工程では、あまり高温にすると硫黄が気化するため反応系内の硫黄濃度が低くなる場合がある。そのような場合には、硫黄を還流しながら反応させることが望ましい。このようにすることで、硫黄を充分に含む硫黄系活物質を得やすくなる。熱処理工程において硫黄を還流する場合、選択された化合物の融点以上で、硫黄が気化する温度以上の温度とすれば良い。ここで言う気化とは、硫黄が液体または固体から気体に相変化することを指し、沸騰、蒸発、昇華の何れによっても良い。参考までに、α硫黄(斜方硫黄、常温付近で最も安定な構造である)の融点は112.8℃、β硫黄(単斜硫黄)の融点は119.6℃、γ硫黄(単斜硫黄)の融点は106.8℃である。硫黄の沸点は444.7℃である。ところで、硫黄の蒸気圧は高いため、混合原料の温度が150℃以上になると、硫黄の蒸気の発生が目視でも確認できる。したがって、混合原料の温度が150℃以上であれば硫黄の還流は可能である。なお、熱処理工程において硫黄を還流する場合には、既知構造の還流装置を用いて硫黄を還流すれば良い。
ここで、熱処理工程を如何なる雰囲気で行うかについては特に問わないが、選択された化合物の縮合反応と硫黄の取り込み反応を妨げない雰囲気(例えば、水素を含有しない雰囲気、非酸化性雰囲気)下で行うのが好ましい。例えば、雰囲気中に水素が存在すると、反応系中の硫黄が水素と反応して硫化水素となるため、反応系中の硫黄が失われる場合があるからである。また、ここでいう非酸化性雰囲気とは、酸化反応が進行しない程度の低酸素濃度とした減圧状態、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気、硫黄ガス雰囲気等を含む。
混合原料における選択された化合物及び硫黄の形状、粒径等は特に問わない。熱処理工程において生成したアミド基をもつポリマーと硫黄とが液体状で接触するのが好ましいため、選択された化合物や硫黄の粒径が不均一であったり大きかったりする場合にも、生成するアミド基をもつポリマーと硫黄とが液体状で接触する条件とすれば、アミド基をもつポリマーと硫黄とが充分接触するためである。また、混合原料中の選択された化合物と硫黄とは、均一に分散しているのが好ましいが、不均一であっても良い。
熱処理工程における混合原料の加熱時間は、加熱温度に応じて適宜設定すれば良く、特に限定しない。上述した好ましい温度で混合原料を加熱する場合には、10分〜10時間程度加熱するのが好ましく、30分〜6時間加熱するのがより好ましい。
本発明の製造方法において、混合原料中の選択された化合物と硫黄との配合比にも好ましい範囲が存在する。選択された化合物に対する硫黄の配合量が過小であるとアミド基をもつポリマーに充分量の硫黄を取り込めず、選択された化合物に対する硫黄の配合量が過大であると、硫黄系活物質中に遊離の硫黄(単体硫黄)が多く残存して、リチウムイオン二次電池内の特に電解液を汚染するためである。アミド基をもつポリマーと硫黄との配合比は、質量比でアミド基をもつポリマー:硫黄が1:0.5〜1:10であるのが好ましく、1:1〜1:7であるのがより好ましく、1:2〜1:5であるのが特に好ましい。選択された化合物の量は、生成するアミド基をもつポリマーの量に対して一義的に決まる。
なお、選択された化合物に対する硫黄の配合量を過大とすれば、熱処理工程においてアミド基をもつポリマーに充分な量の硫黄を容易に取り込むことができる。そして選択された化合物に対して硫黄を必要以上の量で配合したとしても、熱処理工程後の被処理体から過剰の単体硫黄を除去する単体硫黄除去工程を行うことで、上述した単体硫黄による悪影響を抑制できる。詳しくは、アミド基をもつポリマーと硫黄との配合比を、質量比で1:2〜1:10とする場合、熱処理工程後の被処理体を、減圧しつつ200℃〜250℃で加熱する(単体硫黄除去工程)ことで、アミド基をもつポリマーに充分な量の硫黄を取り込みつつ、残存する単体硫黄による悪影響を抑制できる。熱処理工程後の被処理体に単体硫黄除去工程を施さない場合には、この被処理体をそのまま硫黄系活物質として用いれば良い。また、熱処理工程後の被処理体に単体硫黄除去工程を施す場合には、単体硫黄除去工程後の被処理体を硫黄系活物質として用いれば良い。
混合原料は、選択された化合物および硫黄のみで構成しても良いし、正極又は負極に配合可能な一般的な材料(導電助剤等)を配合しても良い。
(硫黄系活物質)
本発明の硫黄系活物質は、本発明の製造方法で製造できる。本発明の硫黄系活物質は、正極、負極および電解質を持つリチウムイオン二次電池用の正極又は負極に用いることができる。正極と負極の両方に本発明の硫黄系活物質を用いてもよい。
本発明の硫黄系活物質の構造は明らかではないが、FT−IRスペクトルあるいはラマンスペクトルで同定できる可能性がある。
本発明の硫黄系活物質を元素分析すると、硫黄(S)と炭素(C)とが大部分を占め、少量の酸素および水素が検出される。硫黄(S)と炭素(C)の組成比は、原子比(S/C)で1/5以上の範囲で含まれていることが望ましい。この範囲より硫黄が少ないと、リチウムイオン二次電池用電極に用いた時に充放電特性が低下する場合がある。
(リチウムイオン二次電池用電極)
本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、上述した本発明の硫黄系活物質を含む。リチウムイオン二次電池用の正極又は負極は、本発明の硫黄系活物質、導電助剤、バインダ、および溶媒を混合した電極材料を、集電体に塗布することによって製作できる。
導電助剤としては、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、炭素粉末、カーボンブラック(CB)、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、黒鉛、アルミニウムやチタンなどの正極電位において安定な金属の微粉末等が例示される。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride:PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂(PMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が例示される。
溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、アルコール、水等が例示される。これら導電助剤、バインダおよび溶媒は、それぞれ複数種を混合して用いても良い。これらの材料の配合量は特に問わないが、例えば、硫黄系活物質100質量部に対して、導電助剤20〜100質量部程度、バインダ10〜20質量部程度を配合するのが好ましい。また、その他の方法として、本発明の硫黄系活物質と上述した導電助剤およびバインダとの混合原料を乳鉢やプレス機などで混練しかつフィルム状にし、フィルム状の混合原料をプレス機等で集電体に圧着することで、本発明のリチウムイオン二次電池用電極を製造することもできる。
集電体としては、リチウムイオン二次電池用電極に一般に用いられるものを使用すれば良い。例えば、集電体としては、アルミニウム箔、アルミニウムメッシュ、パンチングアルミニウムシート、アルミニウムエキスパンドシート、ステンレススチール箔、ステンレススチールメッシュ、パンチングステンレススチールシート、ステンレススチールエキスパンドシート、発泡ニッケル、ニッケル不織布、銅箔、銅メッシュ、パンチング銅シート、銅エキスパンドシート、チタン箔、チタンメッシュ、カーボン不織布、カーボン織布等が例示される。このうち黒鉛化度の高いカーボンから成るカーボン不織布/織布集電体は、水素を含まず、硫黄との反応性が低いために、硫黄系活物質用の集電体として好適である。黒鉛化度の高い炭素繊維の原料としては、カーボン繊維の材料となる各種のピッチ(すなわち、石油、石炭、コールタールなどの副生成物)やポリアクリロニトリル繊維(PAN)等を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、活物質として、上述した本発明の硫黄系活物質を含む。したがって本発明のリチウムイオン二次電池用電極を用いたリチウムイオン二次電池は、充放電容量が大きくサイクル特性に優れ、かつ安価に製造できる。
<リチウムイオン二次電池>
以下、本発明の硫黄系活物質を用いたリチウムイオン二次電池の構成について説明する。
(本発明の硫黄系活物質を正極に用いた場合)
負極活物質としては、公知の金属リチウム、黒鉛などの炭素系材料、シリコン薄膜などのシリコン系材料、銅−錫やコバルト−錫などの合金系材料を使用できる。また本発明の硫黄系活物質を用いてもよい。負極材料として、リチウムを含まない材料、例えば、上記した負極材料の内で、炭素系材料、シリコン系材料、合金系材料等を用いる場合には、デンドライトの発生による正負極間の短絡を生じ難い点で有利である。ただし、これらのリチウムを含まない負極材料を用いる場合には、正極および負極が何れもリチウムを含まない。このため、負極および正極の何れか一方、または両方にあらかじめリチウムを挿入するリチウムプリドープ処理が必要となる。
リチウムのプリドープ法としては公知の方法に従えば良い。例えば、負極にリチウムをドープする場合には、対極に金属リチウムを用いて半電池を組み、電気化学的にリチウムをドープする電解ドープ法によってリチウムを挿入する方法や、金属リチウム箔を電極に貼り付けたあと電解液の中に放置し電極へのリチウムの拡散を利用してドープする貼り付けプリドープ法によりリチウムを挿入する方法が挙げられる。また、正極にリチウムをプリドープする場合にも、上記した電解ドープ法を利用することが出来る。
リチウムを含まない負極材料としては、特に、高容量の負極材料であるシリコン系材料が好ましく、その中でも電極厚さが薄くて体積当りの容量で有利となる薄膜シリコンがより好ましい。
(本発明の硫黄系活物質を負極に用いた場合)
正極活物質としては、金属リチウム、LiCoO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、Li2MnO3、LiNi0.5Mn1.5O4などが挙げられる。負極にはリチウムを含まないので、上記と同様にリチウムをプリドープすることが望ましい。また負極活物質は、本発明の硫黄系活物質にさらにSiOxなどを混合することもできる。
(電解質)
リチウムイオン二次電池に用いる電解質としては、有機溶媒に電解質であるアルカリ金属塩を溶解させたものを用いることができる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル等の非水系溶媒から選ばれる少なくとも一種を用いるのが好ましい。電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiI、LiClO4等を用いることができる。電解質の濃度は、0.5mol/l〜1.7mol/l程度であれば良い。なお、電解質は液状に限定されない。例えば、リチウムイオン二次電池がリチウムポリマー二次電池である場合、電解質は固体状(例えば、高分子ゲル状)をなす。
(その他)
リチウムイオン二次電池は、上述した負極、正極、電解質以外にも、セパレータ等の部材を備えても良い。セパレータは、正極と負極との間に介在し、正極と負極との間のイオンの移動を許容するとともに、正極と負極との内部短絡を防止する。リチウムイオン二次電池が密閉型であれば、セパレータには電解液を保持する機能も求められる。セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリイミド、セルロース、ガラス等を材料とする薄肉かつ微多孔性または不織布状の膜を用いるのが好ましい。リチウムイオン二次電池の形状は特に限定されず、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状にできる。
以下、本発明の硫黄系活物質の製造方法、硫黄系活物質、および、リチウムイオン二次電池用正極を具体的に説明する。
(実施例1)
〈硫黄系活物質の製造〉
〔1〕混合工程
[化1]式に示す4-アミノ安息香酸(キシダ化学製、99%)粉末に平均粒径50μmの硫黄粉末(キシダ化学製、99%)を混合し、混合原料を調製した。混合原料中における4-アミノ安息香酸と硫黄との配合比率は、重量比で硫黄が5質量部に対して4-アミノ安息香酸が1質量部となるようにした。
Figure 2014096327
〔2〕装置
図1に示すように、反応装置1は、反応容器2、蓋3、熱電対4、アルミナ保護管40、2つのアルミナ管(ガス導入管5、ガス排出管6)、アルゴンガス配管50、アルゴンガスを収容したガスタンク51、トラップ配管60、水酸化ナトリウム水溶液61を収容したトラップ槽62、電気炉7、電気炉に接続されている温度コントローラ70を有する。
反応容器2としては、有底筒状をなすガラス管(石英ガラス製)を用いた。後述する熱処理工程において、反応容器2には混合原料9を収容した。反応容器2の開口部は、3つの貫通孔を持つシリコーンゴム製の蓋3で閉じた。貫通孔の1つには、熱電対4を収容したアルミナ保護管40(アルミナSSA-S、株式会社ニッカトー製)を取り付けた。貫通孔の他の1つには、ガス導入管5(アルミナSSA-S、株式会社ニッカトー製)を取り付けた。貫通孔の残りの1つには、ガス排出管6(アルミナSSA-S、株式会社ニッカトー製)を取り付けた。なお、反応容器2は、外径60mm、内径50mm、長さ300mmであった。アルミナ保護管40は、外径4mm、内径2mm、長さ250mmであった。ガス導入管5およびガス排出管6は、外径6mm、内径4mm、長さ150mmであった。ガス導入管5およびガス排出管6の先端は、蓋3の外部(反応容器2内)に露出した。この露出した部分の長さは3mmであった。ガス導入管5およびガス排出管6の先端は、後述する熱処理工程においてほぼ100℃以下となる。このため、熱処理工程において生じる硫黄蒸気は、ガス導入管5およびガス排出管6から流出せず、反応容器2に戻される(還流する)。
アルミナ保護管40に入れた熱電対4の先端は、間接的に反応容器2中の混合原料9の温度を測定した。熱電対4で測定した温度は、電気炉7の温度コントローラ70にフィードバックした。
ガス導入管5にはアルゴンガス配管50を接続した。アルゴンガス配管50はアルゴンガスを収容したガスタンク51に接続した。ガス排出管6にはトラップ配管60の一端を接続した。トラップ配管60の他端は、トラップ槽62中の水酸化ナトリウム水溶液61に挿入した。なお、トラップ配管60およびトラップ槽62は、後述する熱処理工程で生じる硫化水素ガスのトラップである。
〔3〕熱処理工程
混合原料9を収容した反応容器2を、電気炉7(ルツボ炉、開口幅φ80mm、加熱高さ100mm)に収容した。このとき、ガス導入管5を介して反応容器2の内部にアルゴンを導入した。このときのアルゴンガスの流速は100ml/分であった。アルゴンガスの導入開始10分後に、アルゴンガスの導入を継続しつつ反応容器2中の混合原料9の加熱を開始した。このときの昇温速度は5℃/分であった。混合原料9が100℃になった時点で、混合原料9の加熱を継続しつつアルゴンガスの導入を停止した。混合原料9が約200℃になるとガスが発生した。混合原料9が360℃になった時点で加熱を停止した。加熱停止後、混合原料9の温度は400℃にまで上昇し、その後低下した。したがって、この熱処理工程において、混合原料9は400℃にまで加熱された。その後、混合原料9を自然冷却し、混合原料9が室温(約25℃)にまで冷却された時点で反応容器2から生成物(すなわち、熱処理工程後の被処理体)を取り出した。なお、このときの加熱時間は400℃で約5分であり、硫黄は還流された。
〔4〕単体硫黄除去工程
熱処理工程後の被処理体に残存する単体硫黄(遊離の硫黄)を除去するために、以下の工程をおこなった。
熱処理工程後の被処理体を乳鉢で粉砕した。粉砕物2gをガラスチューブオーブンに入れ、真空吸引しつつ200℃で3時間加熱した。このときの昇温温度は10℃/分であった。この工程により、熱処理工程後の被処理体に残存する単体硫黄が蒸発・除去され、単体硫黄を含まない(または、ほぼ含まない)実施例1の硫黄系活物質を得た。
〈リチウムイオン二次電池の製作〉
〔1〕正極
実施例1の硫黄系活物質3mgとアセチレンブラック2.7mgとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)0.3mgとの混合物を、ヘキサンを適量加えつつ、メノウ製乳鉢でフィルム状になるまで混練し、フィルム状の正極材料を得た。この正極材料全量を、φ14mmの円形に打ち抜いたアルミニウムメッシュ(#100メッシュ)の上に置き、卓上プレス機で圧着し、100℃で3時間乾燥した。この工程で、実施例1のリチウムイオン二次電池用正極を得た。
〔2〕負極
負極としては、厚さ0.5mmの金属リチウム箔(本城金属社製)をφ14mmに打ち抜いたものを用いた。
〔3〕電解液
電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを混合した混合溶媒に、LiPF6を溶解した非水電解質を用いた。エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとは体積比1:1で混合した。電解液中のLiPF6の濃度は、1.0mol/lであった。
〔4〕電池
〔1〕、〔2〕で得られた正極および負極を用いて、コイン電池を製作した。詳しくは、ドライルーム内で、厚さ25μmのポリプロピレン微孔質膜からなるセパレータ(「Celgard2400」Celgard社製)と、厚さ500μmのガラス不織布フィルタと、を正極と負極との間に挟装して、電極体電池とした。この電極体電池を、ステンレス容器からなる電池ケース(CR2032型コイン電池用部材、宝泉株式会社製)に収容した。電池ケースには〔3〕で得られた電解液を注入した。電池ケースをカシメ機で密閉して、実施例1のリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例2)
4-アミノ安息香酸に代えて、[化2]に示す3,4-ジアミノ安息香酸(東京化成製)を用いたこと以外は実施例1と同様の混合原料を調製した。この混合原料を用い、実施例1と同様の装置を用いて実施例1と同様に熱処理工程を行い、その後、実施例1と同様に単体硫黄除去工程を行って、実施例2の硫黄系活物質を得た。
Figure 2014096327
そして実施例2の硫黄系活物質を用い、実施例1と同様にして実施例2のリチウムイオン二次電池用正極を形成し、実施例1と同様にして実施例2のリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例3)
4-アミノ安息香酸に代えて、[化3]に示す3,5-ジアミノ安息香酸(東京化成製)を用いたこと以外は実施例1と同様の混合原料を調製した。この混合原料を用い、実施例1と同様の装置を用いて実施例1と同様に熱処理工程を行い、その後、実施例1と同様に単体硫黄除去工程を行って、実施例3の硫黄系活物質を得た。
Figure 2014096327
そして実施例3の硫黄系活物質を用い、実施例1と同様にして実施例3のリチウムイオン二次電池用正極を形成し、実施例1と同様にして実施例3のリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例4)
4-アミノ安息香酸に代えて、[化4]に示すテレフタル酸(キシダ化学製、99%)と[化5]に示す1,6-ヘキサンジアミン(キシダ化学製、99%)とを同モル量となるように混合した粉末を用いたこと以外は実施例1と同様の混合原料を調製した。この混合原料を用い、実施例1と同様の装置を用いて実施例1と同様に熱処理工程を行い、その後、実施例1と同様に単体硫黄除去工程を行って、実施例4の硫黄系活物質を得た。
Figure 2014096327
Figure 2014096327
そして実施例4の硫黄系活物質を用い、実施例1と同様にして実施例4のリチウムイオン二次電池用正極を形成し、実施例1と同様にして実施例2のリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例5)
4-アミノ安息香酸に代えて、テレフタル酸と[化6]に示すp-フェニレンジアミン(メルク製、99%)とを同モル量となるように混合した粉末を用いたこと以外は実施例1と同様の混合原料を調製した。この混合原料を用い、実施例1と同様の装置を用いて実施例1と同様に熱処理工程を行い、その後、実施例1と同様に単体硫黄除去工程を行って、実施例5の硫黄系活物質を得た。
Figure 2014096327
そして実施例5の硫黄系活物質を用い、実施例1と同様にして実施例5のリチウムイオン二次電池用正極を形成し、実施例1と同様にして実施例5のリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例6)
3,4-ジアミノ安息香酸に加えて、テレフタル酸とp-フェニレンジアミンとをそれぞれ同モル量となるように混合した粉末を用いたこと以外は実施例1と同様の混合原料を調製した。この混合原料を用い、実施例1と同様の装置を用いて実施例1と同様に熱処理工程を行い、その後、実施例1と同様に単体硫黄除去工程を行って、実施例6の硫黄系活物質を得た。
そして実施例6の硫黄系活物質を用い、実施例1と同様にして実施例6のリチウムイオン二次電池用正極を形成し、実施例1と同様にして実施例6のリチウムイオン二次電池を得た。
(比較例1)
実施例1と同様の平均粒径50μmの硫黄粉末を25.008gと、平均粒径1μmのポリアクリロニトリル粉末(ポリサイエンス社製)を5.061gと、を乳鉢で混合し、混合原料を調製した。
この混合原料を用い、実施例1と同様の装置を用いて実施例1と同様に熱処理工程を行い、その後、熱処理温度を250℃としたこと以外は実施例1と同様にして単体硫黄除去工程を行って、比較例1の硫黄系活物質を得た。
そして比較例1の硫黄系活物質を用い、実施例1と同様にして比較例1のリチウムイオン二次電池用正極を形成し、実施例1と同様にして比較例1のリチウムイオン二次電池を得た。
<元素分析>
実施例1,2,5及び比較例1の各硫黄系活物質について元素分析を行った。結果を表1に示す。
Figure 2014096327
<ラマンスペクトル分析による硫黄系正極活物質の分析>
実施例2、実施例5、比較例1の各硫黄系活物質についてラマンスペクトル分析を行った。分析装置には日本分光株式会社製の「RMP-320」(励起波長λ=532nm、グレーチング:1800gr/mm、分解能:3cm-1)を用いた。得られたラマンスペクトルを図2に示す。図2における横軸はラマンシフト(cm-1)であり、縦軸は相対強度である。
実施例2,5の硫黄系活物質における1330cm-1付近と1560cm-1付近のピークは、比較例1と同様にそれぞれカーボンのDバンドとGバンドに対応する。但し、比較例1と比較してDバンドに対するGバンドの相対強度が小さいことから、比較例1に比べると黒鉛化が進んでいないと考えられる。
単体硫黄(S8硫黄)のピークは500〜550cm-1付近に存在し、非常に強いピークであることが知られている。図2には、このS8硫黄のピークは認められなかった。この結果から、実施例2、実施例5、比較例1の各硫黄系活物質に硫黄はS8硫黄としては存在していないと考えられる。このため、本発明の硫黄系活物質の硫黄は、-C-S結合等の結合をした状態で存在するか、または、ラマンスペクトルで検出できない非晶質の状態で存在するか、あるいはポリマー内に物理的に閉じこめられた状態と考えられる。
<FT−IRスペクトル分析>
実施例2、実施例5、比較例1の各硫黄系活物質についてFT−IRスペクトル分析を行った。分析装置には島津社製の「IRAffinity-1」を用い、測定条件は、拡散反射法を用いて、分解能:4cm-1、積算回数:100回、測定範囲:400cm-1〜4000cm-1とした。得られたスペクトルを図3にそれぞれ示す。
実施例2と実施例5の硫黄系活物質では、3360cm-1、1730cm-1、1500cm-1付近のピークが第二アミド基由来のピークと考えられる。また実施例2の硫黄系活物質では、3640cm-1、1600cm-1、1300cm-1、680cm-1付近に、原料である3,4-ジアミノ安息香酸の中で反応に使われなかったメタ位の-NH2に由来する芳香族第一アミンと考えられるピークが現れている。
500cm-1、1100cm-1、2600cm-1付近に-C-S、=C=S、S-Hに由来するピークが存在する可能性があるが、判別は困難である。いずれにしても、各実施例の硫黄系活物質は多量のSを含むことが元素分析によって確認されている。
<充放電容量・サイクル特性測定試験>
実施例1〜6の各リチウムイオン二次電池の充放電容量とサイクル特性を測定した。正極活物質の1gあたり50mAに相当する電流値で充放電を行った。このときの放電終止電圧は1.0V、充電終止電圧は3.0Vとした。充放電を複数回繰り返したときの充放電曲線を図4,6,8,10,12,14にそれぞれ示す。また0.1Cで1.0VまでCC放電(低電流放電)を行い、それ以降のサイクルは0.1Cで3.0VまでCC充電を行った後に0.1Cで1.0VまでCC放電を行う充放電を30℃で繰り返すサイクル試験を行った。結果を図5,7,9,11,13,15にそれぞれ示す。
実施例1のリチウムイオン二次電池は、実施例2に比べて初期容量が低くサイクル劣化も著しい。一方、実施例2のリチウムイオン二次電池は、高い容量を発現し、サイクル特性も優れている。しかし実施例3では、サイクル特性は比較的良好な性能であるものの、初期容量が低い。したがって化合物(ハ)としてアミノ安息香酸系の化合物を原料として用いる場合には、アミノ基を二つもち、カルボキシル基に対してパラ位にアミノ基をもつ3,4-ジアミノ安息香酸が特に好ましいことがわかる。
また、化合物(ロ)としてテレフタル酸を用いた場合には、実施例4より実施例5が好ましいことから、化合物(イ)としてはp-フェニレンジアミンが好ましいことがわかる。
(実施例7)
〈リチウムイオン二次電池の製作〉
〔1〕正極
LiNi0.5Mn1.5O4を90質量部と、ケッチェンブラック5質量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量部との混合物と、NMPとを混合したスラリーを調製した。このスラリーをAl箔集電体に塗布し、大気中80℃で20分間乾燥した後、減圧下150℃で3時間乾燥させた。これをφ11mmの電極サイズに打ち抜いて、試作電池に適用した。この電極の容量は、140mAh/g換算で1.66mAhであった。
〔2〕負極
実施例2の硫黄系活物質75質量部と、ケッチェンブラック5質量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量部との混合物と、NMPとを混合したスラリーを調製した。このスラリーをAl箔集電体に塗布し、大気中80℃で20分間乾燥した後、減圧下150℃で3時間乾燥させた。これをφ11mmの電極サイズに打ち抜いて、試作電池に適用した。この電極の容量は、500mAh/g換算で2.50mAhであった。
プリドーピング用対極として、厚さ0.5mmの金属リチウム箔(本城金属社製)をφ14mmに打ち抜いたものを用いた。このプリドーピング用対極および負極を用いて、半電池を製作した。詳しくは、ドライルーム内で、セパレータ(「GA100」ADVANTEC社製)をプリドーピング用正極と負極との間に挟装して、電極体電池とした。この電極体電池を、ステンレス容器からなる電池ケース(CR2032型コイン電池用部材、宝泉株式会社製)に収容し、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:1体積比で混合した混合溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解した非水電解質を注入した。
この半電池を用い、開放電圧(約3V)から0.2C率定電流(100mA/g、0.50mA)で負極にLiを吸蔵させ、1Vに達したところで5分間電流を休止した後、同じく0.2C率定電流でLiを放出させる。その際、本実施例に用いる正極の容量(1.66mAh)を考慮して、1.7mAh分のLiを放出させたところで電流を休止した。
〔3〕電池
この状態で半電池を解体し、プリドーピング用対極に代えて上記のLiNi0.5Mn1.5O4を含む正極を用い、上記半電池と同様にしてコイン電池を作製した。
<充放電容量・サイクル特性測定試験>
実施例7のリチウムイオン二次電池を、上限電圧3.8V、下限電圧1.5Vの間で充放電させた。電流値は0.2C率定電流(28mA/g、0.332mA)とした。7サイクル目までの充放電曲線を図16に示す。
初回放電容量は112mAh/g(正極重量当たり)、2nd放電容量は114mAh/gであり、サイクル特性の劣化も見られなかった。すなわち本発明の硫黄系活物質は、リチウムイオン二次電池の正極活物質ばかりでなく負極活物質としても有用であることがわかる。
ところで単体の無機硫黄を活物質とした電極をもつリチウムイオン二次電池は、初期は大容量が得られるが、繰り返し充放電中に電解液に可溶なLi2Sxが生成し、電解液に溶出して性能が急激に劣化するという問題がある。
そこで-C-S結合によって硫黄を固定化した有機スルフィドを活物質としても、結合が切断されるとLi2Sxが生成して電解液に溶出したり、一旦切断された-C-S結合は元に戻り難いなどの理由によって、サイクル特性の劣化が避けられない。
またカーボン材料の細孔中に硫黄を固定した硫黄系活物質を用いても、硫黄と電解液とは容易に接触するために、Li2Sxが電解液中に溶出してしまう。
ところが実施例1を除く各実施例のリチウムイオン二次電池は、いずれもサイクル特性に優れ、繰り返し充放電後も高い容量が得られている。これは、正極又は負極からの硫黄の離脱が抑制されていることによる効果であり、硫黄と電解液との接触が抑制されているためと考えられる。
すなわち本発明では、アミノ基とカルボキシル基との縮合反応によるポリマー生成と同時に硫黄が共存しているので、硫黄がポリマー中に取り込まれ、図17に示すように、出口のない細孔中に硫黄が閉じこめられていると考えられる。そのため電解液と硫黄との直接接触が抑制され、Li2Sxの溶出が防止されているため、サイクル特性に優れていると考えられる。なお一部の硫黄が電解液と直接接触可能であっても、その硫黄が初回の充放電時にLi2Sxとして電解液に溶出した後は、安定した充放電容量が維持される。
本発明の硫黄系活物質は、リチウムイオン二次電池ばかりでなく、ナトリウム二次電池、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタなどの蓄電装置の電極としても利用可能である。また電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用、パソコン、携帯通信機器、家電製品、オフィス機器、産業機器などに利用される非水系二次電池用電極活物質として有用であり、特に、大容量、大出力が必要な電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用に好適に用いることができる。
1:反応装置 2:反応容器 3:蓋 4:熱電対
5:ガス導入管 6:ガス排出管 7:電気炉

Claims (11)

  1. アミド結合を有するポリマー由来の炭素骨格と、該アミド結合を生成する縮合反応の進行に伴って該炭素骨格に取り込まれた硫黄(S)とからなることを特徴とする硫黄系活物質。
  2. 前記アミド結合を有するポリマーは3,4-ジアミノ安息香酸の縮合物である請求項1に記載の硫黄系活物質。
  3. 前記アミド結合を有するポリマーはテレフタル酸と1,6-ヘキサンジアミンの縮合物である請求項1に記載の硫黄系活物質。
  4. 前記アミド結合を有するポリマーはテレフタル酸とp-フェニレンジアミンの縮合物である請求項1に記載の硫黄系活物質。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の硫黄系活物質を正極に含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の硫黄系活物質を負極に含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極。
  7. 一分子中に少なくとも二つのアミノ基をもつ化合物(イ)、一分子中に少なくとも二つのカルボキシル基をもつ化合物(ロ)及び一分子中にアミノ基とカルボキシル基とをもつ化合物(ハ)のうち、
    該化合物(イ)と該化合物(ロ)からそれぞれ選ばれる少なくとも二種の化合物の混合物、
    又は該化合物(イ)と該化合物(ロ)から選ばれる少なくとも一種の化合物と該化合物(ハ)との混合物、
    又は該化合物(ハ)単体、
    と、
    硫黄粉末と、を含む原料を混合して混合原料とする混合工程と、該混合原料をアミノ基とカルボキシル基とが縮合反応する温度以上に加熱する熱処理工程と、を行うことを特徴とする硫黄系活物質の製造方法。
  8. 前記熱処理工程における加熱温度は250℃〜500℃である請求項7に記載の硫黄系活物質の製造方法。
  9. 前記熱処理工程において、前記硫黄を還流する請求項7又は請求項8に記載の硫黄系活物質の製造方法。
  10. 前記混合原料中の前記少なくとも二種の化合物の混合物又は前記化合物(ハ)と前記硫黄との配合比は、質量比で1:1〜1:5である請求項7〜請求項9の何れか一つに記載の硫黄系活物質の製造方法。
  11. 前記混合原料中の前記少なくとも二種の化合物の混合物又は前記化合物(ハ)と前記硫黄との配合比は、質量比で1:2〜1:10であり、
    前記熱処理工程後の前記混合原料を、減圧しつつ200℃〜250℃で加熱する単体硫黄除去工程を含む請求項7〜請求項9の何れか一つに記載の硫黄系活物質の製造方法。
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