JP2006164779A - 正極材料、非水電解質二次電池および正極材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高エネルギー密度が得られる正極材料、非水電解質二次電池および正極材料の製造方法を提供する。
【解決手段】 硫黄単体および炭素をメカニカルミリング処理することにより、硫黄単体と炭素との混合物からなる正極材料を作製する。メカニカルミリング処理前の硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度に対するメカニカルミリング処理により得た混合物のタップ密度の比率が1.4以上1.93以下となるように設定する。硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度が0.364g/ml以上0.503g/ml以下となるように硫黄単体および炭素をメカニカルミリング処理する。または、硫黄単体と炭素との混合物のメディアン径が3.4μm以上6.1μm以下となるように硫黄単体および炭素をメカニカルミリング処理する。
【選択図】 図7
【解決手段】 硫黄単体および炭素をメカニカルミリング処理することにより、硫黄単体と炭素との混合物からなる正極材料を作製する。メカニカルミリング処理前の硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度に対するメカニカルミリング処理により得た混合物のタップ密度の比率が1.4以上1.93以下となるように設定する。硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度が0.364g/ml以上0.503g/ml以下となるように硫黄単体および炭素をメカニカルミリング処理する。または、硫黄単体と炭素との混合物のメディアン径が3.4μm以上6.1μm以下となるように硫黄単体および炭素をメカニカルミリング処理する。
【選択図】 図7
Description
本発明は、正極材料、正極、負極および非水電解質からなる非水電解質二次電池ならびに正極材料の製造方法に関する。
現在、高エネルギー密度の二次電池として、非水電解質を使用し、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うようにした非水電解質二次電池が利用されている。
このような非水電解質二次電池において、一般に正極としてコバルト酸リチウム(LiCoO2 )等のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられ、負極としてリチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料、リチウム金属、リチウム合金等が用いられている。また非水電解質として、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等の有機溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )等の電解質塩を溶解させたものが使用されている。
近年、このような非水電解質二次電池が様々な携帯用機器の電源等として使用されているが、携帯機器の多機能化による消費電力の増加に伴って、さらに高いエネルギー密度の非水電解質二次電池が要望されている。
しかし、非水電解質二次電池の正極に現在使用されているコバルト酸リチウム(LiCoO2 )等のリチウム遷移金属複合酸化物は重量が大きく、反応電子数も少ないため、単位重量当たりの容量を充分に高めることが困難であった。
このため、高エネルギー密度が得られる正極材料の開発が必要不可欠である。近年、硫黄単体を正極材料に用いた研究が行われている(例えば、特許文献1参照)。
硫黄単体は、1675mAh/gという大きな理論容量を有しており、次世代の非水電解質二次電池の有望な正極材料の1つである。上記の研究においては、エーテル系の有機溶媒が用いられ、硫黄単体の充放電特性について検討されている。
なお、有機溶媒として、ポリマーを用いたものも報告されているが、基本的にはエーテル系の有機溶媒をポリマー化したものであり、この基本的な特性は、エーテル系の有機溶媒と同じである。
特開平2002−367678号公報
エーテル系の有機溶媒を用いた場合、硫黄単体は、良好な可逆特性を維持しつつリチウムと反応することが知られている。しかしながら、硫黄単体の導電性は低いため、高エネルギー密度を得ることは困難である。
本発明の目的は、高エネルギー密度が得られる正極材料、非水電解質二次電池および正極材料の製造方法を提供することである。
第1の発明に係る正極材料は、メカニカルミリング処理により得た硫黄単体と炭素との混合物を含み、メカニカルミリング処理前の硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度に対するメカニカルミリング処理により得た混合物のタップ密度の比率は、1.4以上1.93以下であるものである。
本発明に係る正極材料においては、メカニカルミリング処理前の硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度に対するメカニカルミリング処理により得た混合物のタップ密度の比率が1.4以上1.93以下となるように、硫黄単体および炭素がメカニカルミリング処理されている。それにより、高エネルギー密度が得られる。
第2の発明に係る正極材料は、硫黄単体と炭素との混合物を含み、混合物のタップ密度は、0.364g/ml以上0.503g/ml以下であるものである。
本発明に係る正極材料においては、硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度が0.364g/ml以上0.503g/ml以下となっている。それにより、高エネルギー密度が得られる。
第3の発明に係る正極材料は、硫黄単体と炭素との混合物を含み、混合物のメディアン径は、3.4μm以上6.1μm以下であるものである。
本発明に係る正極材料においては、硫黄単体と炭素との混合物のメディアン径が3.4μm以上6.1μm以下となっている。それにより、高エネルギー密度が得られる。
炭素は、カーボンブラックを含んでもよい。それにより、より高いエネルギー密度が得られる。
カーボンブラックの比表面積は、800m2 /g以上であってもよい。それにより、さらに高いエネルギー密度が得られる。
第4の発明に係る非水電解質二次電池は、第1〜第3の発明のいずれかに記載の正極材料を含む正極と、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極と、非水電解質とを備えたものである。
本発明に係る非水電解質二次電池においては、第1〜第3の発明のいずれかに係る正極材料が用いられているので、高エネルギー密度が得られる。
負極はケイ素または炭素を含んでもよい。それにより、より高いエネルギー密度が得られる。
第5の発明に係る正極材料の製造方法は、メカニカルミリング処理により硫黄単体と炭素との混合物を作製し、メカニカルミリング処理前の硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度に対するメカニカルミリング処理後の硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度の比率が、1.4以上1.93以下に設定されたものである。
本発明に係る正極材料の製造方法においては、メカニカルミリング処理前の硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度に対するメカニカルミリング処理により得た混合物のタップ密度の比率が1.4以上1.93以下となるように設定し硫黄単体および炭素をメカニカルミリング処理する。それにより、高エネルギー密度が得られる。
第6の発明に係る正極材料の製造方法は、メカニカルミリング処理により硫黄単体と炭素との混合物を作製し、混合物のタップ密度が、0.364g/ml以上0.503g/ml以下に設定されたものである。
本発明に係る正極材料の製造方法においては、硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度が0.364g/ml以上0.503g/ml以下となるように設定し硫黄単体および炭素をメカニカルミリング処理する。それにより、高エネルギー密度が得られる。
第7の発明に係る正極材料の製造方法は、メカニカルミリング処理により硫黄単体と炭素との混合物を作製し、混合物のメディアン径が、3.4μm以上6.1μm以下に設定されたものである。
本発明に係る正極材料の製造方法においては、硫黄単体と炭素との混合物のメディアン径が3.4μm以上6.1μm以下となるように設定し硫黄単体および炭素をメカニカルミリング処理する。それにより、高エネルギー密度が得られる。
本発明によれば、高いエネルギー密度を得ることができる。
以下、本実施の形態に係る正極に用いる材料(以下、正極材料と呼ぶ)およびこの正極を用いた非水電解質二次電池について説明する。
本実施の形態に係る非水電解質二次電池は、負極、正極および非水電解質により構成される。
本実施の形態では、正極材料は、活物質の硫黄単体および炭素を含む。硫黄単体および炭素をメカニカルミリング処理することにより、硫黄単体と炭素との混合物からなる正極材料を作製する。
ここで、メカニカルミリング処理とは、遊星ボールミル等を用いて機械的なエネルギーを物質に加えることにより、化学反応を起こし易くし、熱処理では得られないような準安定な非晶質材料を得ることができる処理である。
メカニカルミリング処理前における硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度に対するメカニカルミリング処理により得た硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度の比率は、1.4〜1.93となることが好ましい。なお、タップ密度とは、硫黄単体と炭素との混合物が入った容器を振動させた場合における容器内の混合物の単位体積当たりの質量である。
また、メカニカルミリング処理により得た硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度は、0.364g/ml以上0.503g/ml以下であることが好ましい。
さらに、メカニカルミリング処理により得た硫黄単体と炭素との混合物のメディアン径は、3.4μm以上6.1μm以下であることが好ましい。なお、メディアン径とは、1次元の確率分布Φxにおいて、Φx([−∞,a])≧1/2およびΦx([a,∞])≧1/2の関係を満たす粒径aをいう。
硫黄単体と混合する炭素としては、カーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラックおよびケッチェンブラック等が挙げられる。この中でも、800m2 /g以上の比表面積を有するケッチェンブラックを用いることが好ましい。なお、上記炭素は導電剤であり、この導電剤の添加量が少ないと、正極の導電性を十分に向上させることができない一方、その添加量が多くなりすぎると正極の活物質の割合が少なくなることにより高い容量が得られなくなる。したがって、上記導電材料としての炭素の添加量は、正極全体の5重量%以上84重量%以下の範囲とし、好ましくは5重量%以上54重量%以下の範囲とし、より好ましくは5重量%以上20重量%以下の範囲とする。
また、導電剤として、炭素以外に、導電性の窒化物または炭化物を用いてもよい。導電性の窒化物の例としては、窒化チタン、窒化タンタル、窒化ニオブおよび窒化タングステン等が挙げられる。導電性の炭化物の例としては、炭化チタン、炭化タンタル、炭化ニオブおよび炭化タングステン等が挙げられる。
負極としては、例えば、リチウム金属を含む黒鉛等の炭素材料、リチウム金属またはリチウム合金等が用いられる。
高いエネルギー密度の非水電解質二次電池を得るためには、負極として、容量の大きなケイ素を用いることが望ましい。特に、特開2001−266851号公報および特開2002−83594号公報(またはWO01/029912号)に提案されるように、集電体に粗面化箔を用いるケイ素負極、柱状構造を有するケイ素負極もしくは銅(Cu)が内部に拡散したケイ素負極、またはこれらのうち少なくとも1つの特徴を有するケイ素負極を用いることが好ましい。なお、ケイ素負極にあらかじめリチウム金属を含ませるようにする。
本実施の形態における非水電解質の非水溶媒の例としては、通常、電池用非水溶媒として用いられる常温溶融塩、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、ニトリル類またはアミド類等が挙げられ、これらの中から選択される少なくとも1種を用いることができる。
常温溶融塩の例としては、第4級アンモニウム塩、イミダゾリウム塩またはピラゾリウム塩等が挙げられる。
常温溶融塩としては、上記の第4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。これは、第4級アンモニウム塩は、イミダゾリウム塩およびピラゾリウム塩等の他の常温溶融塩と比較して耐還元性が優れており、リチウム金属と反応することがないためである。
上記のイミダゾリウム塩またはピラゾリウム塩等の常温溶融塩は、耐還元性が低く、リチウム金属と反応するため非水電解質の非水溶媒として用いることは好ましくない。
上記の第4級アンモニウム塩としては、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 )3 N+ (C3 H7 )N- (SO2 CF3 )2 )、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 )3 N+ (C8 H17)N- (SO2 CF3 )2 )、トリメチルアリルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 )3 N+ (Allyl)N- (SO2 CF3 )2 )、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 )3 N+ (C6 H13)N- (SO2 CF3 )2 )、メトキシメチルトリメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 )3 N+ (CH2 OCH3 )N- (SO2 CF3 )2 )、トリメチルエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 )3 N+ (C2 H5 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリメチルアリルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 )3 N+ (Allyl)(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリメチルプロピルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 )3 N+ (C3 H7 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、テトラエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C2 H5 )4 N+ (CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C2 H5 )3 N+ (CH3 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))等が挙げられる。
環状炭酸エステルの例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはブチレンカーボネート等が挙げられ、これらの水素基の一部または全部がフッ素化されているトリフルオロプロピレンカーボネートまたはフルオロエチルカーボネート等も挙げられる。
鎖状炭酸エステルの例としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネートまたはメチルイソプロピルカーボネート等が挙げられ、これらの水素の一部または全部がフッ素化されているものも挙げられる。
エステル類の例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルまたはγ−ブチロラクトン等が挙げられる。
環状エーテル類の例としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオールまたはクラウンエーテル等が挙げられる。
鎖状エーテル類の例としては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテルまたはテトラエチレングリコールジメチル等が挙げられる。
ニトリル類の例としてはアセトニトリル等が挙げられ、アミド類としてはジメチルホルムアミド等が挙げられる。
なお、非水電解質の非水溶媒に下記に示すようなリチウム塩を加えてもよい。
リチウム塩の例としては、従来の非水電解質二次電池において電解質として一般に使用されているものを用いることができ、例えば、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiC4 F9 SO3 、LiN(CF3 SO2 )2 、LiN(C2 F5 SO2 )2 、LiAsF6 、下記の構造式で示されるジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム等が挙げられる。
上記のリチウム塩のうち1種を用いてもよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このように、本実施の形態では、メカニカルミリング処理前における硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度に対するメカニカルミリング処理により得た硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度の比率は、1.4倍以上1.93倍以下となることが好ましい。それにより、高エネルギー密度が得られる。
また、メカニカルミリング処理により得た硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度は、0.364g/ml以上0.503g/ml以下であることが好ましい。それにより、高エネルギー密度が得られる。
さらに、メカニカルミリング処理により得た硫黄単体と炭素との混合物のメディアン径は、3.4μm以上6.1μm以下であることが好ましい。それにより、より高いエネルギー密度が得られる。
実施例の正極材料および非水電解質二次電池について説明する。なお、本発明における正極材料および非水電解質二次電池は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
以下の実施例1〜3および比較例1〜3では、硫黄単体とケッチェンブラックとを所定の条件でメカニカルミリング処理することにより正極材料を作製し、作製された正極材料としての混合物のタップ密度を測定するとともに、混合物の粒径を測定し粒径分布を作成した。また、作成された粒径分布に基づいてメディアン径を算出した。
また、以下の実施例4〜6および比較例4〜6では、実施例1〜3および比較例1〜3で作製した正極材料をそれぞれ用いて試験セルを作製し、作製した各試験セルにおける初期充放電特性をそれぞれ評価した。
(実施例1)
実施例1では、正極の活物質として硫黄単体15gと、導電材として1200m2 /gの比表面積を有するケッチェンブラック8.75gとを混合し、メカニカルミリング処理した。なお、遊星ボールミルの回転速度は100rpmとした。
実施例1では、正極の活物質として硫黄単体15gと、導電材として1200m2 /gの比表面積を有するケッチェンブラック8.75gとを混合し、メカニカルミリング処理した。なお、遊星ボールミルの回転速度は100rpmとした。
硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物のタップ密度を表1に示す。また、粒径分布を図1に示すとともに、混合物のメディアン径をタップ密度と同様に表1に示す。
(実施例2)
実施例2では、遊星ボールミルの回転速度を150rpmとした点を除いて実施例1と同様にメカニカルミリング処理を行った。
実施例2では、遊星ボールミルの回転速度を150rpmとした点を除いて実施例1と同様にメカニカルミリング処理を行った。
硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物のタップ密度を実施例1と同様に表1に示す。また、粒径分布を図2に示すとともに、混合物のメディアン径をタップ密度と同様に表1に示す。
(実施例3)
実施例3では、遊星ボールミルの回転速度を200rpmとした点を除いて実施例1と同様にメカニカルミリング処理を行った。
実施例3では、遊星ボールミルの回転速度を200rpmとした点を除いて実施例1と同様にメカニカルミリング処理を行った。
硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物のタップ密度を実施例1と同様に表1に示す。また、粒径分布を図3に示すとともに、混合物のメディアン径をタップ密度と同様に表1に示す。
(比較例1)
比較例1では、遊星ボールミルの回転速度を250rpmとした点を除いて実施例1と同様にメカニカルミリング処理を行った。
比較例1では、遊星ボールミルの回転速度を250rpmとした点を除いて実施例1と同様にメカニカルミリング処理を行った。
硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物のタップ密度を実施例1と同様に表1に示す。また、粒径分布を図4に示すとともに、混合物のメディアン径をタップ密度と同様に表1に示す。
(比較例2)
比較例2では、遊星ボールミルの回転速度を300rpmとした点を除いて実施例1と同様にメカニカルミリング処理を行った。
比較例2では、遊星ボールミルの回転速度を300rpmとした点を除いて実施例1と同様にメカニカルミリング処理を行った。
硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物のタップ密度を実施例1と同様に表1に示す。また、粒径分布を図5に示すとともに、混合物のメディアン径をタップ密度と同様に表1に示す。
(比較例3)
比較例3では、正極の活物質として硫黄単体15gと、導電材として1200m2 /gの比表面積を有するケッチェンブラック8.75gとをめのう乳鉢を用いて混合した。
比較例3では、正極の活物質として硫黄単体15gと、導電材として1200m2 /gの比表面積を有するケッチェンブラック8.75gとをめのう乳鉢を用いて混合した。
硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物のタップ密度を実施例1と同様に表1に示す。また、粒径分布を図6に示すとともに、混合物のメディアン径をタップ密度と同様に表1に示す。
以下、実施例1〜3および比較例1〜3で作製した正極材料をそれぞれ用いて試験セルを作製し、作製した各試験セルにおける初期充放電特性をそれぞれ測定した。
(実施例4)
実施例4では、上記の実施例1で作製した硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンラバーと、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレンと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースとをそれぞれ重量比95:1:3:1で混合することによりスラリーを作製した。
実施例4では、上記の実施例1で作製した硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンラバーと、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレンと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースとをそれぞれ重量比95:1:3:1で混合することによりスラリーを作製した。
作製したスラリーをドクターブレード法を用いて電解アルミ箔上に塗布し、ホットプレートにより50℃の温度環境下で上記の電解アルミ箔を乾燥させた。
そして、乾燥処理後、電解アルミ箔を2cm×2cmのサイズに切り取り、さらに50℃の温度環境下で真空乾燥させたものを正極とした。
図7は、実施例4および後述の実施例5、6ならびに比較例4〜6において作製した試験セルの概略説明図である。
図7に示すように、不活性雰囲気下において、作用極に作製された正極1を使用した。また、対極となるリチウム金属からなる負極2とリチウム金属からなる参照極3とを用い、セル容器10内に非水電解質5を注液することにより試験セルを作製した。なお、正極1と負極2との間にはセパレータ4が介挿されている。
上記試験セルにおいて、放電電流0.25mA/cm2 で放電終止電位1.5V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.25mA/cm2 で充電終止電位2.8V(vs.Li/Li+ )まで充電を行うことにより、初期放電容量密度(mAh/g)を測定した。測定結果を表2に示す。
(実施例5,6および比較例4〜6)
実施例5,6および比較例4〜6では、上記実施例2,3および比較例1〜3における所定の方法で作製した硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物を含む正極1を用いた点を除いて、上記実施例4と同様に試験セルをそれぞれ作製し、作製した試験セルを用いて初期放電容量密度をそれぞれ測定した。測定結果を実施例4と同様に表2に示す。
実施例5,6および比較例4〜6では、上記実施例2,3および比較例1〜3における所定の方法で作製した硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物を含む正極1を用いた点を除いて、上記実施例4と同様に試験セルをそれぞれ作製し、作製した試験セルを用いて初期放電容量密度をそれぞれ測定した。測定結果を実施例4と同様に表2に示す。
また、実施例5の試験セルの充放電特性を図8に示す。
(評価)
表2に示すように、遊星ボールミルの回転数を100〜200に設定したメカニカルミリング処理により得た正極1を用いた実施例4〜6の試験セルの初期放電容量密度が、比較例4〜6の試験セルの初期放電容量密度よりも著しく大きな値を示した。
表2に示すように、遊星ボールミルの回転数を100〜200に設定したメカニカルミリング処理により得た正極1を用いた実施例4〜6の試験セルの初期放電容量密度が、比較例4〜6の試験セルの初期放電容量密度よりも著しく大きな値を示した。
これは、硫黄単体とケッチェンブラックとをメカニカルミリング処理することにより、硫黄単体とケッチェンブラックとが均一に混合されたため、正極1の導電性が向上したためであると考えられる。
一方、実施例4〜6と同様にメカニカルミリング処理を実施しているにもかかわらず、比較例4、5の初期放電容量密度が実施例4〜6の初期放電容量密度よりも低い値となったのは、ケッチェンブラックがメカニカルミリング処理により押しつぶされた結果、正極1の導電性が低下したためであると考えられる。一般的に、ケッチェンブラックは、その粒子の中心部に中空部分が存在する。そのため、メカニカルミリング処理によりこの中空部分が押しつぶされたと考えられる。
以上より、硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物を作製する方法は、手混合よりもメカニカルミリング処理が好ましいことがわかった。
また、メカニカルミリング処理前における硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物のタップ密度に対するメカニカルミリング処理により得た硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物のタップ密度の比率は、1.4倍以上1.93倍以下となることが好ましいことがわかった。
また、メカニカルミリング処理により得た硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物のタップ密度は、0.364g/ml以上0.503g/ml以下であることが好ましいことがわかった。
さらに、メカニカルミリング処理により得た硫黄単体とケッチェンブラックとの混合物のメディアン径は、3.4μm以上6.1μm以下であることが好ましいことがわかった。
本発明に係る正極材料および非水電解質二次電池は、携帯用電源、自動車用電源等の種々の電源として利用することができる。
1 正極
2 負極
3 参照極
4 セパレータ
5 非水電解質
10 セル容器
2 負極
3 参照極
4 セパレータ
5 非水電解質
10 セル容器
Claims (10)
- メカニカルミリング処理により得た硫黄単体と炭素との混合物を含み、
メカニカルミリング処理前の硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度に対するメカニカルミリング処理により得た前記混合物のタップ密度の比率は、1.4以上1.93以下であることを特徴とする正極材料。 - 硫黄単体と炭素との混合物を含み、
前記混合物のタップ密度は、0.364g/ml以上0.503g/ml以下であることを特徴とする正極材料。 - 硫黄単体と炭素との混合物を含み、
前記混合物のメディアン径は、3.4μm以上6.1μm以下であることを特徴とする正極材料。 - 前記炭素は、カーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の正極材料。
- 前記カーボンブラックの比表面積は、800m2 /g以上であることを特徴とする請求項4記載の正極材料。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の正極材料を含む正極と、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極と、非水電解質とを備えたことを特徴とする非水電解質二次電池。
- 前記負極はケイ素または炭素を含むことを特徴とする請求項6記載の非水電解質二次電池。
- メカニカルミリング処理により硫黄単体と炭素との混合物を作製し、
前記メカニカルミリング処理前の硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度に対する前記メカニカルミリング処理後の硫黄単体と炭素との混合物のタップ密度の比率が、1.4以上1.93以下に設定されたことを特徴とする正極材料の製造方法。 - メカニカルミリング処理により硫黄単体と炭素との混合物を作製し、
前記混合物のタップ密度が、0.364g/ml以上0.503g/ml以下に設定されたことを特徴とする正極材料の製造方法。 - メカニカルミリング処理により硫黄単体と炭素との混合物を作製し、
前記混合物のメディアン径が、3.4μm以上6.1μm以下に設定されたことを特徴とする正極材料の製造方法。
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