JP2011092186A - 離水防止効果に優れた液状調味料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 グアガム0.02〜1重量%と、必要に応じキサンタンガム、タマリンドシードガム、タラガム、ローカストビーンガムの中から選ばれた1種以上とを含む、食品からの離水防止効果を有する液状調味料。
【選択図】なし
Description
第二に、キサンタンガム(別名:キサンタン多糖類、ザンサンガム)0.1〜1重量%を含む、上記第一に記載の液状調味料である。
第三に、粘度が10Pa・s以上かつ250Pa・s以下である、上記第一または第二に記載の液状調味料である。
第四に、タマリンドシードガム(別名:タマリンドガム、タマリンド種子多糖類)、タラガム、ローカストビーンガム(別名:カロブビーンガム)の中から選ばれた1種以上を含む、上記第一から第三の何れか一つに記載の液状調味料である。
第五に、調味料がドレッシングまたはソースであることを特徴とする、上記第一から第四の何れか一つに記載の液状調味料である。
第六に、上記第一から第五の何れか一つに記載の液状調味料を使用した食品である。
第七に、上記第一から第五の何れか一つに記載の液状調味料を使用したサラダである。
本発明の液状調味料には液状および半固形状の調味料が含まれる。当然のことながら、乳化液状の調味料も本発明の対象となる。液状または半固形状であって流動性を有する調味料であれば、如何なる調味料であっても本発明の対象と成り得るが、コールスロードレッシング、サウザンアイランドドレッシング、シーザーサラダドレッシング、サラダクリーミードレッシング、イタリアンドレッシング、フレンチドレッシング、ロシアンドレッシング、タルタルソース、サルサソース、オーロラソース、フルーツソースなどのドレッシング・ソース類は特に本発明に適している。
また、特開昭61−185161号公報では、キサンタンガムを1.1%含むドレッシングを用いることでサラダからの離水を24時間防止できることが開示されているが、本発明の範囲である0.02〜1.0%という低濃度域においてグアガムが2−3日間に渡ってサラダからの離水を防止できることは全く予期せぬことであった。さらに、キサンタンガムを1.1%含むドレッシングを用いたサラダが喫食に耐え得ることから、キサンタンガムよりも曳糸性の低いグアガムが1.0%を超えた濃度域において著しいネトツキを発現して食味を極端に劣化させることも予想外のことであった。
本発明は、ドレッシング等の調味料に所定濃度のガム類を別々または同時に分散・溶解することで成し遂げることができるが、予めガム類を混合した離水防止製剤を調整して、その製剤を調味料に適量分散・溶解することでも成し遂げることができる。離水防止製剤には添加量を調節するための増量剤としてデキストリンを使用することができる。デキストリンには離水防止効果ないが、澱粉とは異なってネトツキを増大させることがないので、離水防止製剤を設計するときの増量剤として最も有効な素材である。
グアガムは、キサンタンガムと併用すると相乗的に粘度が増加することやキサンタンガムほどではないが曳糸性を示すことが知られている。したがって、グアガムが持つ曳糸性の観点から、グアガムを離水防止目的に使用することはキサンタンガムと同様に十分な離水防止効果がある範囲ではネトツキによる食味劣化が起こるという考えに至ることは容易であり、これまでは特定の濃度範囲でキサンタンガムとは異なってネトツキがなく十分な離水防止効果を発揮するとは想像し得なかった。ましてや共に曳糸性を有するばかりでなく相乗的に粘度が増加するグアガムとキサンタンガムの併用は食味低下の一要因であるネトツキを増大させる以外の何物でもないと考えることが極普通である。しかし、本発明者によって単純なガム類の効果検証に止まらず添加量の調整や組み合わせによる相加・相乗効果を鋭意検討した結果、意外にもグアガムの添加量を規定して有効な粘度範囲を設定することによって食味に対する影響が少なく十分な離水防止効果を奏することが見出された。また、更に意外なことには、グアガムとキサンタンガムの併用においても通常増大すると考えられるネトツキが問題にならず長期保存における食味劣化の原因である食品からの離水防止を実現することができた。
本発明において、以下の増粘多糖類を使用した。
キサンタンガム(JUNG BUNZLAU社製)、
グアガム(Pakistan Gum & Chemicals Limited社製)(実施例1−6、実施例8−21、比較例2、および比較例4)、
グアガム(HABGEN社製)(実施例7)、
タラガム(MRCポリサッカライド株式会社製)、
タマリンドシードガム(大日本住友製薬株式会社製)、
デキストリン「サンデックス#70」(三和澱粉工業株式会社製)
本発明において粘度測定には、粘度計として、BH型粘度計(TOKIMEC,Inc.製)を使用した。
(コールスロードレッシングの調製)
食酢(ミツカン穀物酢、ミツカン株式会社製)850重量部、精製塩(ダイヤソルト並塩、ダイヤソルト株式会社製)350重量部、上白糖(精製上白糖ST、大日本明治製糖株式会社製)250重量部、マスタード(S&Bマスタード、ヱスビー食品株式会社製)300重量部を電動ハンドミキサー(東芝ハンドミキサーHM-300、株式会社東芝製)で30秒攪拌、混合溶解した。ここにマヨネーズ(キユーピーマヨネーズ、キユーピー株式会社製)1500重量部、サラダ油(日清キャノーラ油、日清オイリオグループ社製)1500重量部を加え電動ハンドミキサーで2分攪拌、混合し、コールスロードレッシングを得た。
千切りキャベツ300部に市販コールスロードレッシング(キユーピーコールスロードレッシング、キユーピー株式会社製)100部を混和し、10℃で、3時間静置した。これをコールスローサラダとして食味および離水の評価に供した。食味および離水の評価は以下の実施例1〜21と同様に行った。
千切りキャベツ300部に調製例1で調製したコールスロードレッシング100部を混和し、10℃で、3時間静置した。これをコールスローサラダとして食味および離水の評価に供した。食味および離水の評価は以下の実施例1〜21と同様に行った。
表1に従って市販コールスロードレッシング100部に所定量のガム類を分散、溶解させ、千切りキャベツ300部に混和し、10℃で、3時間静置した。これをコールスローサラダとして食味および離水の評価に供した。
食味は「水っぽさ」と「ネトツキ」の2項目について評価した。離水については、内容量60mL(開口部内径62φ)のカップにコールスローサラダ40gを入れ、カップ開口部をフィルムで封じた後に10℃における経日的な離水状態を観察、評価した。離水の評価ではカップ底部に貯まった水位を測定して離水状態の指標とした。食感、離水についての評価は表2に示す。
市販コールスロードレッシング100部に離水防止製剤(グアガム55%、キサンタンガム15%、デキストリン30%)1.2部を分散、溶解させ、千切りキャベツ300部に混和し、10℃で、3時間静置した。これをコールスローサラダとして食味および離水の評価に供した。食味および離水の評価は実施例1〜6と同様に行った。
尚、このときの千切りキャベツ300部およびドレッシング100部に対するガム類およびデキストリンの添加量は表1に示したとおりである。
実施例1と2の結果比較および実施例3と4の結果比較から、グアガムとタマリンドシードガムおよび/またはタラガムを併用することで、グアガム単独よりも離水防止効果がさらに向上することが分かる。また、実施例5と6の結果比較から、グアガムとキサンタンガムおよびタマリンドシードガムを併用することで、グアガム単独よりも食味に対する影響が改善されることが分かる。
尚、実施例2、4、5、6、および7については 10℃で、4日経過した時点でも離水は全く認められなかった。
表3に従って調製例1で調製したコールスロードレッシング100部に所定量のガム類を分散、溶解させ、千切りキャベツ300部に混和し、10℃で、3時間静置した。これをコールスローサラダとして食味および離水の評価に供した。食味および離水の評価は実施例1〜6と同様に行った。食感、離水についての評価は表4に示す。
表1に従って市販コールスロードレッシング100部に所定量のガム類(グアガム、キサンタンガム、タマリンドシードガム、タラガム)を分散、溶解させ、千切りキャベツ300部に混和し、10℃で、3時間静置した。これをコールスローサラダとして食味および離水の評価に供した。食味および離水の評価は実施例1〜6と同様に行った。
表3に従って調製例1で調製したコールスロードレッシング100部に所定量のガム類(グアガム、キサンタンガム)を分散、溶解させ、千切りキャベツ300部に混和し、10℃で、3時間静置した。これをコールスローサラダとして食味および離水の評価に供した。食味および離水の評価は実施例1〜6と同様に行った。
比較例2および4の結果から、グアガムを過度に添加すると、グアガムの曳糸性が強く出ることや粘度が増大することによって食味が著しく劣化することが理解できる。
Claims (7)
- グアガム0.02〜1重量%を含む、食品からの離水防止効果を有する液状調味料。
- キサンタンガム0.1〜1重量%を含む、請求項1に記載の液状調味料。
- 測定法Aによる粘度が10Pa・s以上かつ250Pa・s以下である、請求項1または2に記載の液状調味料。
- タマリンドシードガム、タラガム、ローカストビーンガムの中から選ばれた1種以上を含む、請求項1〜3の何れか一つに記載の液状調味料。
- 調味料がドレッシングまたはソースであることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一つに記載の液状調味料。
- 請求項1〜5の何れか一つに記載の液状調味料を使用した食品。
- 請求項1〜5の何れか一つに記載の液状調味料を使用したサラダ。
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