JP2011074364A - 樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリビニルアルコール系重合体(A)と、芳香族ビニル化合物の重合体ブロック、共役ジエン化合物の重合体ブロックおよび/またはその水素添加ブロックを有するブロック共重合体(B)を含有し、該ブロック共重合体(B)が、カルボキシル基を有さないブロック共重合体(B1)と、カルボキシル基を有するブロック共重合体(B2)からなる。
【化1】
〔式中、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5 及びR6 はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。〕
【選択図】 なし
Description
しかしながら、PVA系樹脂は通常、融点と分解温度が近接しているため、実質的に溶融成形は不可能であり、その成形法としては、水溶液とした後、これを流延・乾燥してフィルム化したり、各種基材表面に塗工・乾燥する方法を採用せざるをえず、この制約がPVA系樹脂を包装材用途に広範に展開する際の大きな障害となっていた。
PVA系樹脂が高融点であり、ガスバリア性に優れるのは、分子構造が単純であるため結晶性が高いことと、結晶部および非晶部において、分子鎖が水酸基同士の水素結合によって強く拘束されていることによるものである。かかる特許文献1に記載のPVA系樹脂は、側鎖の立体障害によって結晶性が低下し、低融点化されるにもかかわらず、非晶部における側鎖水酸基による強い水素結合によって結晶性低下によるガスバリア性の低下が抑制されているものと推測される。
例えば、水溶性PVA系樹脂に対し、熱可塑性エラストマーとしてビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックを2個以上、共役ジエン化合物からなる重合体ブロックを1個以上有するブロック共重合体を水素添加して得られた水添ブロック共重合体を配合することによって、柔軟性や耐衝撃性が改善された樹脂組成物が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
すなわち本発明はガスバリア性と耐屈曲疲労性に優れる成形物を得ることが可能な樹脂組成物の提供を目的とするものである。
〔式中、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5 及びR6 はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。〕
本発明では、海成分として特定構造のPVA系樹脂(A)を用い、島成分となるブロック共重合体(B)としてカルボキシル基を有するものと有さないものを併用することによって、両成分の親和性のバランスが改善され、あるいはカルボキシル基を有するものがPVA系樹脂(A)との相溶化剤として機能して、島成分が微細かつ均一に海成分中に分散し、その結果、効率よくエネルギーが吸収されるようになったものと推測される。
また、同時にPVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の界面の密着性が向上し、海成分から島成分へのエネルギー伝達が効率よく行われるようになったものと推測される。
以下、各順に説明する。
まず、本発明で用いられるPVA系樹脂(A)について説明する。
本発明の樹脂組成物に用いられるPVA系樹脂は、下記一般式(1)で示される構造単位を有するもので、一般式(1)におけるR1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示すものである。
なかでも、共重合反応性および工業的な取り扱い性に優れるという点から、(i)の方法において、一般式(2)で表わされる化合物として3,4−ジアシロキシ−1−ブテンを用いることが好ましく、特に3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましく用いられる。
なお、ビニルエステル系モノマーとして酢酸ビニルを用い、これと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを共重合させた際の各モノマーの反応性比は、r(酢酸ビニル)=0.710、r(3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)=0.701、であり、これは(ii)の方法で用いられる一般式(3)で表される化合物であるビニルエチレンカーボネートの場合の、r(酢酸ビニル)=0.85、r(ビニルエチレンカーボネート)=5.4、と比較して、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが酢酸ビニルとの共重合反応性に優れることを示すものである。
また、試薬レベルではアクロス社の製品を市場から入手することができる。
よって、かかる点からも、(i)の方法によって得られたPVA系樹脂が本発明においては好適に用いられる。
また上述のモノマー(ビニルエステル系モノマー、一般式(2)、(3)、(4)で示される化合物)の他に、樹脂物性に大幅な影響を及ぼさない範囲であれば、共重合成分として、エチレンやプロピレン等のαーオレフィン;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1,2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類、およびそのアシル化物などの誘導体;イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル;アクリロニトリル等のニトリル類、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、AMPS等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩などの化合物、などが共重合されていてもよい。
また、PVA系樹脂(A)の210℃、荷重2160gでのメルトフローレート(MFR)は、通常、0.5〜50g/10分であり、特に3〜20g/10分、さらに5〜10g/10分のものが好ましく用いられる。かかるMFRは、東洋精機社製の「メルトインデクサーF−801」を用いて測定したものである。
また、PVA系樹脂(A)の220℃、せん断速度122sec−1での溶融粘度は、通常、100〜3000Pa・sであり、特に300〜2000Pa・s、さらに800〜1500Pa・sのものが好ましく用いられる。かかる溶融粘度は、東洋精機社製の「キャピログラフ1B」を用いて測定したものである。
かかる平均重合度が小さすぎたり、MFRが大きすぎたり、溶融粘度が小さすぎると得られた成形物の機械的強度が不足する場合があり、逆に平均重合度が大きすぎたり、MFRが小さすぎたり、溶融粘度が大きすぎると、流動性が不足して成形性が低下する場合があり、成形時せん断発熱が異常発生して樹脂が熱分解しやすくなる傾向がある。
次に、本発明において用いられるブロック共重合体(B)について説明する。
本発明の樹脂組成物に含有されるブロック共重合体(B)は、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと、共役ジエン化合物の重合体ブロックおよび/またはその水素添加ブロックを有するものである。さらに、本発明では、かかるブロック共重合体(B)として、カルボキシル基を有さないブロック共重合体(B1)と、これを有するブロック共重合体(B2)を併用することを特徴とするものである。
まず、カルボキシル基を有さないブロック共重合体(B1)について説明する。
かかるブロック共重合体(B1)は、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックをハードセグメントとし、共役ジエン化合物の重合体ブロックおよび/またはその水素添加ブロックをソフトセグメントとする熱可塑性エラストマーである。かかるブロック共重合体(B1)中の各ブロックの構成は、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックをXで示し、共役ジエン化合物の重合体ブロックおよび/またはその水素添加ブロックをYで示した場合に、X−Yで表されるジブロック共重合体、X−Y−XまたはY−X−Yで表されるトリブロック共重合体、さらにXとYが交互に接続したポリブロック共重合体などを挙げることができ、その構造も直鎖状、分岐状、星型などを挙げることができる。中でも、力学特性の点でX−Y−Xで表される直鎖状のトリブロック共重合体が好適である。
また、ブロック共重合体(B1)の220℃、せん断速度122sec−1での溶融粘度は、通常100〜3000Pa・sであり、特に300〜2000Pa・s、さらに800〜1500Pa・sのものが好ましく用いられる。
かかる重量平均分子量が大きすぎたり、溶融粘度が高すぎると、PVA系樹脂(A)と溶融混練する際の作業性やPVA系樹脂(A)中での分散性が低下する場合があり、逆に重量平均分子量が小さすぎたり、溶融粘度が低すぎると、ブロック共重合体(B1)自体の機械強度が低下し、本発明の樹脂組成物、およびその成形体の特性に悪影響を及ぼす場合がある。
なお、かかるブロック共重合体(B1)の重量平均分子量は、GPCを用い、ポリスチレンを標準として求めた値である。
まず、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと、共役ジエン化合物の重合体ブロックを有するブロック共重合体の製造法としては、公知の方法を用いることができるが、例えば、アルキルリチウム化合物などを開始剤とし、不活性有機溶媒中で芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物を逐次重合させる方法などを挙げることができる。
次に、この芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックを有するブロック共重合体を水素添加する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、水素化ホウ素化合物などの還元剤を用いる方法や、白金、パラジウム、ラネーニッケルなどの金属触媒を用いた水素還元などを挙げることができる。
その他の市販品として、シェルジャパン社製の「クレイトンG」「クレイトンD」「カリフレックスTR」、クラレ社製の「セプトン」、「ハイプラー」、JSR社製の「ダイナロン」、「JSR−TR」、「JSR−SIS」、日本ゼオン社製の「クインタック」、電気化学社製の「電化STR」などを挙げることができる。
次に、本発明で用いられるカルボキシル基を有するブロック共重合体(B2)について説明する。
かかるブロック共重合体(B2)は、ブロック共重合体(B1)と同様、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックをハードセグメントとし、共役ジエン化合物の重合体ブロックおよび/またはその水素添加ブロックをソフトセグメントとする熱可塑性エラストマーであり、さらに側鎖にカルボキシル基を有するものである。
かかるブロック共重合体(B2)中の芳香族ビニル化合物の重合体ブロック、および共役ジエン化合物の重合体ブロックおよび/またはその水素添加ブロックを構成する構造単位、およびこれらのブロック構成は、いずれもブロック共重合体(B1)と同様のものから選ばれ、これらはブロック共重合体(B1)と同じものであっても、異なるものであってもよい。
また、ブロック共重合体(B2)の220℃、せん断速度122sec−1での溶融粘度は、通常100〜3000Pa・sであり、特に300〜2000Pa・s、さらに800〜1500Pa・sのものが好ましく用いられる。
ブロック共重合体(B1)の場合と同様、かかる重量平均分子量が大きすぎたり、溶融粘度が高すぎると、PVA系樹脂(A)と溶融混練する際の作業性やPVA系樹脂(A)中での分散性が低下する場合があり、逆に重量平均分子量が小さすぎたり、溶融粘度が低すぎると、ブロック共重合体(B2)自体の機械強度が低下し、本発明の樹脂組成物、およびその成形体の特性に悪影響を及ぼす場合がある。
かかる酸価が高すぎても低すぎてもPVA系樹脂(A)中のブロック共重合体(B)の分散性が低下する傾向がある。
本発明の樹脂組成物は、上述のPVA系重合体(A)と、上述の芳香族ビニル化合物の重合体ブロック、共役ジエン化合物の重合体ブロックおよび/またはその水素添加ブロックを有するブロック共重合体(B)を含有し、かかるブロック共重合体(B)が、カルボキシル基を有さないブロック共重合体(B1)と、カルボキシル基を有するブロック共重合体(B2)からなるものである。
220℃、せん断速度122sec−1での溶融粘度比(ηA/ηB)は、通常、1/5〜5/1であり、特に1/3〜3/1、さらに1/2〜2/1の範囲が好ましく用いられる。
かかる溶融粘度比が大きすぎても、小さすぎても溶融混練時に均一に混合できない場合がある。すなわち、PVA系重合体(A)とブロック共重合体(B)の溶融粘度は近いほうが好ましい傾向がある。
かかる押出機を用いて溶融混練し、本発明の樹脂組成物を得る条件としては、PVA系樹脂(A)の融点などに応じて適宜調節する必要があるが、通常、160〜220℃の範囲が採用される。
かかる混合によって得られた本発明の樹脂組成物は、成形材料として使用するために、通常はペレットや粉末などの形状とされる。中でも成形機への投入や、取扱い、微粉発生の問題が小さい点から、ペレット形状とすることが好ましい。
なお、かかるペレット形状への成形は公知の方法を用いることができるが、上述の押出機からストランド状に押出し、冷却後所定の長さに切断し、円柱状のペレットとする方法が効率的である。
本発明の樹脂組成物は、成形性、特に溶融成形性に優れていることから、成形材料として有用である。溶融成形方法としては、押出成形、インフレーション成形、射出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、圧縮成形、カレンダー成形、など公知の成形法を用いることができる。
また、本発明の樹脂組成物から得られる成形品としては、フィルム、シート、パイプ、円板、リング、袋状物、ボトル状物、繊維状物など、多種多用の形状のものを挙げることができる。
特に、本発明の樹脂組成物はPVA系樹脂を主体とするものであり、低湿度条件下では優れたガスバリア性が得られるものの、吸湿によってその特性は大きく変化する場合があるため、水蒸気バリア性が高い素材を表面に配した積層構造体としての使用が望ましい。
また、各種電気部品、自動車部品、工業用部品、レジャー用品、スポーツ用品、日用品、玩具、医療器具などに用いることも可能である。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
〔PVA系樹脂(A1)の製造〕
還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル68.0部、メタノール23.8部、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン8.2部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.3モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液とした。
〔PVA系樹脂(A2)の製造〕
還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル68.5部、メタノール20.5部、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン11.0部を酢酸ビニルの初期仕込率10%とし、酢酸ビニル、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを9時間等速滴下の条件で仕込、アゾイソブチロニトリルを0.3モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液とした。
〔PVA系樹脂(A3)の製造〕
還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル72.1部、メタノール21.6部、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン6.3部を酢酸ビニルの初期仕込み率40%とし、酢酸ビニル、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを8時間等速滴下の条件で仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.16モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液とした。
〔樹脂組成物の作製〕
PVA系樹脂(A1)80重量部と、ブロック共重合体(B1)としてカルボキシル基を有さないスチレン/エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEBS)(旭化成社製「タフテックH1041」、溶融粘度1160Pa・s(220℃ せん断速度122sec−1))10重量部、ブロック共重合体(B2)としてカルボキシル基を有するスチレン/エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEBS)、(旭化成社製「タフテックM1911」、酸価2mgCH3ONa/g、溶融粘度1317Pa・s(220℃ せん断速度122sec−1))10重量部をドライブレンドした後、これを二軸押出機にて下記条件で溶融混練し、ストランド状に押出してペレタイザーでカットし、円柱形ペレットの樹脂組成物を得た。
この時のブロック共重合体(B)の220℃、せん断速度122sec−1での溶融粘度は1121Pa・sであり、PVA系樹脂(A1)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)は1/1.1であった。
直径(D)15mm、
L/D=60
スクリュ回転数 :200rpm
設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6/D=90/205/210/210
/210/215/220/220/220℃
吐出量:1.5kg/hr
得られたペレットを、押出機にて下記条件で製膜し、厚さ約30μmの単層フィルムを作製し、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
直径(D)15mm、
L/D=60
スクリュ回転数 :200rpm
設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6/D=90/205/210/210
/210/215/220/220/220℃
吐出量:1.5kg/hr
ダイ:幅300mm、コートハンガータイプ
引取速度:2.6m/min
ロール温度:50℃
エアーギャップ:1cm
酸素透過度試験機(MOCON社製「Oxtran2/20」)を用い、23℃、65%RH条件下の酸素透過度を測定した。
ゲルボフレックステスター(理学工業社製)を用い、23℃、50%RHの条件下で捻じり試験を行った。
25インチ水平に進んだ後に、3.5インチで440°の捻じりを100回(40サイクル/分)加えた後、該単層フィルムの中央部28cm×17cmあたりのピンホール発生数を数えた。かかるテストを5回試行し、その平均値を求めた。
単層フィルムを60℃のキシレン中に浸漬し、1時間超音波処理を行って、エッチングしものを走査電子顕微鏡(SEM)にて、ブロック共重合体(B)の分散状態を目視観察し、以下のとおり評価した。
○・・・ドメイン径が4μm未満
△・・・ドメイン径が4〜10μm
×・・・ドメイン径が10μmを超える
実施例1において、ブロック共重合体(B2)としてカルボキシル基を有するスチレン/エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEBS)、(旭化成社製「タフテックM1913」、酸化10mgCH3ONa/g、溶融粘度1060Pa・s(220℃ せん断速度122sec−1))を用いた以外は実施例1と同様に樹脂組成物、成形体を作製し、同様に評価した。
この時のブロック共重合体(B)の220℃、せん断速度122sec−1での溶融粘度は1100Pa・sであり、PVA系樹脂(A1)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)は1/1.1であった。結果を表1に示す。
実施例1において、ブロック共重合体(B1)としてカルボキシル基を有さないスチレン/エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEBS)(旭化成社製「タフテックH1141」、溶融粘度138Pa・s(220℃ せん断速度122sec−1))を用い、ブロック共重合体(B2)としてカルボキシル基を有するスチレン/エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEBS)、(旭化成社製「タフテックM1913」、酸化10mgCH3ONa/g、溶融粘度1060Pa・s(220℃ せん断速度122sec−1))を用いた以外は実施例1と同様に樹脂組成物、成形体を作製し、同様に評価した。
この時のブロック共重合体(B)の220℃、せん断速度122sec−1での溶融粘度は370Pa・sであり、PVA系樹脂(A1)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)は2.8/1であった。結果を表1に示す。
実施例1において、PVA系樹脂(A1)に代えてPVA系樹脂(A2)を用い、PVA系樹脂(A2)の配合量を70重量部とし、ブロック共重合体(B1)、およびブロック共重合体(B2)の配合量をそれぞれ15重量部とした以外は実施例1と同様に樹脂組成物、成形体を作製し、同様に評価した。
この時のブロック共重合体(B)の220℃、せん断速度122sec−1での溶融粘度は1121Pa・sであり、PVA系樹脂(A2)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)は1/4.1であった。結果を表1に示す。
実施例1において、PVA系樹脂(A1)に代えてPVA系樹脂(A3)を用い、PVA系樹脂(A3)の配合量を90重量部とし、ブロック共重合体(B1)、およびブロック共重合体(B2)の配合量をそれぞれ5重量部とした以外は実施例1と同様に樹脂組成物、成形体を作製し、同様に評価した。
この時のブロック共重合体(B)の220℃、せん断速度122sec−1での溶融粘度は1121Pa・sであり、PVA系樹脂(A2)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)は1/1.1であった。結果を表1に示す。
実施例1において、ブロック共重合体(B1)の配合量を20重量部とし、ブロック共重合体(B2)を用いなかった以外は実施例1と同様に樹脂組成物、成形体を作製し、同様に評価した。
この時のPVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B1)の溶融粘度比(A/B1)は1/1.1であった。結果を表1に示す。
実施例1において、ブロック共重合体(B1)を用いず、ブロック共重合体(B2)の配合量を20重量部とした以外は実施例1と同様に樹脂組成物、成形体を作製し、同様に評価した。
この時のPVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B2)の溶融粘度比(A/B2)は1/1.5であった。結果を表1に示す。
Claims (6)
- ポリビニルアルコール系重合体(A)と、芳香族ビニル化合物の重合体ブロック、共役ジエン化合物の重合体ブロックおよび/またはその水素添加ブロックを有するブロック共重合体(B)を含有する樹脂組成物であって、該ポリビニルアルコール系重合体(A)が、下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリビニルアルコール系重合体(A)であり、該ブロック共重合体(B)が、カルボキシル基を有さないブロック共重合体(B1)と、カルボキシル基を有するブロック共重合体(B2)からなるものであることを特徴とする樹脂組成物。
〔式中、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5 及びR6 はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。〕 - ポリビニルアルコール系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の含有比率(A)/(B)が、98/2〜60/40(重量比)であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- ポリビニルアルコール系共重合体(A)の溶融粘度ηAと、ブロック共重合体(B)の溶融粘度ηB+Cの比ηA/ηB+Cが1/5〜5/1である請求項1または2記載の樹脂組成物。
- ブロック共重合体(B1)とブロック共重合体(B2)の含有比率(B1)/(B2)が、10/90〜90/10(重量比)であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
- ブロック共重合体(B2)の酸価が0.5〜20mgCH3ONa/gであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載の樹脂組成物を溶融成形してなる成形品。
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