JP5322887B2 - 樹脂組成物およびその成形物 - Google Patents

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Description

本発明はポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂と略記する。)を主成分とする樹脂組成物に関し、さらに詳しくは溶融成形によって優れた耐屈曲疲労性を持つ成形物が得られる樹脂組成物に関する。
従来、PVA系樹脂は、耐溶剤性、ガスバリア性、強度、透明性などに優れることから、食品や衣料品などの包装用フィルムなどに用いられている。通常、PVA系樹脂は、融点と熱分解温度が近接しており、溶融成形によって成形物を得ようとする場合は、分解温度の近傍で成形せざるを得ず、得られた成形物の外観(焦げや熱分解物に起因する異物の混入)に問題があった。また、PVA系樹脂は、結晶性が高くなるため、さらに水酸基同士の水素結合により、分子間力が大きくなるため、成形物とした場合の柔軟性が不充分である。
近年、溶融成形可能なPVA系樹脂として、側鎖に1,2−ジオール成分を有するPVA系樹脂が提案された。(例えば、特許文献1参照。)かかるPVA系樹脂は側鎖の立体障害によって結晶性が低下するため、融点が低下し、低温で溶融成形が可能になったものである。その結果、焦げやゲル、フィッシュアイなどの欠点がない優れた外観のPVA系樹脂成形物を得ることができた。一方、通常、PVA系樹脂の結晶性が低下すると、ガスバリア性が低下するが、かかるPVA系樹脂は、側鎖水酸基の水素結合により、非晶部における分子の動きが拘束されるため、ガスバリア性の低下が抑制されたものである。
しかしながら、かかるPVA系樹脂は溶融成形時の熱安定性の向上は認められるものの、これから溶融成形されて得られる成形物の柔軟性は、市場から要求されるレベルから見るとさらなる改良の余地があるものであった。
一方、エチレンとの共重合によって溶融成形性が付与されたPVA系樹脂として、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(以下、EVOHと略記する。)が知られており、ガスバリア性が求められる飲料などの容器などに広く用いられているが、他のPVA系樹脂と同様、その高結晶性により、成形物の柔軟性には問題があった。そこで、かかる問題を解決する手段として、EVOHに熱可塑性エラストマーを配合することが検討されており、かかる熱可塑性エラストマーとして芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を主体とする重合体ブロックとイソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロックのブロック共重合体とを用いた樹脂組成物が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
特開2004−075866号公報 特開平10−087923号公報
一般的に溶融成形樹脂に熱可塑性エラストマーなどを複合させる場合、溶融状態で混練する方法が用いられるが、両成分を均一に混合し、分散性に優れた複合材料とするには両者の溶融粘度の関係は重要である。
例えば、特許文献2には、EVOHと熱可塑性エラストマーであるブロック共重合体を溶融混練する際、下記式を満たす材料の組合せが好ましいと記載されている。
1.0≦(φB/φA)×(ηA/ηB)≦8.0
(φA:EVOHの含有量、φB:ブロック共重合体の含有量、ηA:EVOHの溶融粘度、ηB:ブロック共重合体の溶融粘度)
これを、ガスバリア性が要求される場合の配合組成、例えばEVOH/ブロック共重合体=80/20の場合にあてはめると、その粘度比(ηA/ηB)は4〜32となる。すなわち、EVOHを主体とする場合、EVOHと複合させる熱可塑性エラストマーは、粘度が1/4以下である低粘度のブロック共重合体の使用が好ましいことが示されている。
しかしながら、引用文献1に記載の側鎖に1,2−ジオール成分を有するPVA系樹脂を用い、これに特許文献2の可塑性エラストマーをその組成比と粘度比が特許文献2の式を満たすようなブロック共重合体を配合して得られた樹脂組成物の成形物は、柔軟性についてはかなり改善されているものの、繰り返し屈曲させるような状況下ではピンホールが生じやすく、耐屈曲疲労性については、まだまだ不十分であることが判明した。
すなわち、本発明の目的とするところは、溶融成形により得られる成形物の耐屈曲疲労性に優れたPVA系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記問題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。本発明は側鎖に1,2−ジオール成分を有するPVA系樹脂(A)と芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)とイソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(b)を有するブロック共重合体(B)(以下、ブロック共重合体(B)と略記する。)を含有する樹脂組成物であって、PVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)が1.5〜3である樹脂組成物に関するものである。なお、かかるPVA系樹脂およびブロック共重合体(B)の溶融粘度は、東洋精機(株)キャピログラフ、温度210℃、せん断速度122sec−1の条件で測定したものである。
本発明はPVA系樹脂として側鎖に1,2−ジオール成分を有するPVA系樹脂(A)を用い、かかるPVA系樹脂に対し、溶融粘度が若干小さいブロック共重合体(B)を選択した点を最大の特徴とするものである。本発明の効果である成形物の優れた対屈曲疲労性は、PVA系樹脂(A)とかかるPVA系樹脂に対して、特定粘度比のブロック共重合体(B)を溶融混練したことにより、ブロック共重合体(B)がPVA系樹脂(A)中に微分散したことによるものと推測される。
本発明の樹脂組成物を溶融成形してなる成形物は、耐屈曲疲労性に優れているため、湾曲や折りたたみなどの不規則な繰り返し変形に強く、バックインボックスなどの液体を充填させる容器や高圧での通気を目的として用いられるチューブ等に好適である。
以下、本発明につき詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、これらの内容に特定されるものではない。
[PVA系樹脂(A)]
まず、本発明で用いられるPVA系樹脂(A)について説明する。
本発明の樹脂組成物で用いられる側鎖に1,2−ジオール成分を有するPVA系樹脂は、例えば下記一般式(1)で表される構造単位を有するものであり、一般式(1)におけるR,RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R,RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または有機基を示すものである。
特に、かかる一般式(1)で表される構造単位中のR〜RおよびR〜Rは、すべて水素であり、Xは単結合であることが望ましく、下記一般式(1’)で表されるような構造単位を有するPVA系樹脂が好適に用いられる。
なお、かかる一般式(1)で表される構造単位中のR〜R及びR〜Rは、樹脂特性を大幅に損なわない程度の量であれば、有機基であってもよく、その有機基としては特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、必要に応じて、これらのアルキル基がハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していても良い。
また、一般式(1)で表わされる構造単位中のXは、熱安定性の点や高温下/酸性条件
下での構造安定性の点で、単結合であることが最も好ましいが、本発明の効果を阻害しな
い範囲であれば結合鎖であってもよい。かかる結合鎖としては特に限定されないが、アル
キレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素基(これら
の炭化水素基はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等を有していても良い)の他、−O−、
−(CHO)−、−(OCH−、−(CHO)CH−、−CO−、−C
OCO−、−CO(CHCO−、−CO(C)CO−、−S−、−CS−、
−SO−、−SO−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NR
CS−、−NRNR−、−HPO−、−Si(OR)−、−OSi(OR)−、−
OSi(OR)O−、−Ti(OR)−、−OTi(OR)−、−OTi(OR)
O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−等(Rは各々独
立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは自然数である。)
が挙げられる。中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で炭素数6以下のアルキレン基
、特にメチレン基、あるいは−CHOCH−が好ましい。
本発明で用いられるPVA系樹脂の製造法は、特に限定されないが、(i)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(2)で示される化合物との共重合体をケン化する方法や、(ii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(3)で示される化合物との共重合体をケン化及び脱炭酸する方法や、(iii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(4)で示される化合物との共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法が好ましく用いられる。
上記一般式(2)、(3)、(4)中のR1、R2、R3、X、R4、R5、R6は、いずれも一般式(1)の場合と同様である。また、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子またはR9−CO−(式中、R9はアルキル基である。)である。R10及びR11はそれぞれ独立して水素原子または有機基である。
(i)、(ii)、及び(iii)の方法については、例えば、特開2006−95825に説明されている方法を用いることができる。
なかでも、共重合反応性および工業的な取り扱い性に優れるという点から、(i)の方法において、一般式(2)で表わされる化合物として3,4−ジアシロキシ−1−ブテンを用いることが好ましく、さらに3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましく用いられる。
なお、ビニルエステル系モノマーとして酢酸ビニルを用い、これと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを共重合させた際の各モノマーの反応性比は、r(酢酸ビニル)=0.710、r(3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)=0.701、であり、これは(ii)の方法で用いられる一般式(3)で表される化合物であるビニルエチレンカーボネートの場合の、r(酢酸ビニル)=0.85、r(ビニルエチレンカーボネート)=5.4、と比較して、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが酢酸ビニルとの共重合反応性に優れることを示すものである。
また、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの連鎖移動定数は、Cx(3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)=0.003(65℃)であり、これはビニルエチレンカーボネートの場合の、Cx(ビニルエチレンカーボネート)=0.005(65℃)や、(iii)の方法で用いられる一般式(4)で表される化合物である2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソランの場合のCx(2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン)=0.023(65℃)と比較して、重合度が上がりにくくなったり、重合速度低下の原因となることがないことを示すものである。
また、かかる3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、その共重合体をケン化する際に発生する副生物が、ビニルエステル系モノマーとして多用される酢酸ビニルに由来する構造単位からケン化時に副生する化合物と同一であり、その後処理や溶剤回収系に敢えて特別な装置や工程を設ける必要がなく、従来からの設備を利用出来るという点も、工業的に大きな利点である。
なお、上記3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、例えば、WO00/24702に記載の1,3−ブタジエンを出発物質とした合成ルートで製造された製品や、USP5623086、USP6072079に記載の技術によるエポキシブテン誘導体を中間体として製造された製品を入手することができ、また試薬レベルではアクロス社の製品をそれぞれ市場から入手することができる。また、1,4−ブタンジオール製造工程中の副生成物として得られる3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを精製して利用することもできる。
また、1,4−ブタンジオール製造工程の中間生成物である1,4−ジアセトキシ−1−ブテンを塩化パラジウムなどの金属触媒を用いた公知の異性化反応することによって3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに変換して用いることもできる。また、再公表WO00−24702号公報に記載の有機ジエステルの製造方法に準じて製造することも可能である。
なお、(ii)や(iii)の方法によって得られたPVA系樹脂は、脱炭酸あるいは脱アセタール化が不充分な場合に、側鎖に微量のカーボネート環やアセタール環が残存する場合があり、溶融混練あるいは溶融成形時にかかる官能基による架橋反応がおこり、ゲル化物が発生する場合があるため、(i)による方法が最も好ましく用いられる。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済的にみて中でも酢酸ビニルが好ましく用いられる。
また上述のモノマー(ビニルエステル系モノマー、一般式(2)、(3)、(4)で示される化合物)の他に、樹脂物性に大幅な影響を及ぼさない範囲であれば、共重合成分として、エチレンやプロピレン等のα−オレフィン;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1,2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類、およびそのアシル化物などの誘導体;イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル;アクリロニトリル等のニトリル類、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、AMPS等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩などの化合物、などが共重合されていてもよい。
本発明においては、かかるPVA系樹脂(A)のケン化度(JIS K6726に準拠して測定)は、通常70〜100モル%であり、さらには75〜99.9モル%、特には80〜99モル%であることが好ましく、かかるケン化度が低すぎると、溶融粘度の安定性が低下し、PVA系樹脂が分解しやすく、溶融成形時に酢酸臭がするおそれがあり、好ましくない。
また、かかるPVA系樹脂(A)の平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)は、通常200〜2000であり、さらには200〜1500であることが好ましく、特には300〜1300であることが好ましく、殊に300〜1000であることが好ましい。かかる重合度が小さすぎると、得られる成形物の強度が低下する傾向にあり、重合度が大きすぎると溶融成形時の溶融粘度が高くなりすぎたり、せん断発熱が大きくなって成形中に分解したりするおそれがあり、好ましくない。
かかるPVA系樹脂(A)に含まれる1,2ジオール成分の含有量は、通常0.1〜15モル%であり、さらには2〜10モル%、特に3〜8モル%であることが好ましい。かかる1,2−ジオール成分の含有量が小さすぎると、分解温度と融点が近接するため、熱分解を起こさない温度での形成が困難になり、1,2−ジオール成分の含有量が大きすぎると、溶融成形時の金属密着性が増加するおそれがあるため、押出ダイ内の流動性が低下し、好ましくない。
また、本発明で用いられるPVA系樹脂(A)は、一種類であっても、二種類以上の混合物であってもよいが、混合物を用いる場合には、重合度、ケン化度、1,2−ジオール構造単位の含有量の平均値が上述の範囲内であることが好ましい。
かかる1,2−ジオール成分の含有率(モル分率)は、1,2−ジオール成分が一般式(i)で示される構造単位の場合を例に挙げると、PVA系樹脂を完全にケン化したものの1H−NMRスペクトル(溶媒:DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン)から求めることができ、具体的には1,2−ジオール単位中の水酸基プロトン、メチンプロトン、およびメチレンプロトン、主鎖のメチレンプロトン、主鎖に連結する水酸基のプロトンなどに由来するピーク面積から算出すればよい
本発明で用いられるPVA系樹脂(A)の温度210℃、せん断速度122sec−1における溶融粘度は、通常150〜4800Pa・sであり、さらには300〜3000Pa・s、特に1000〜2000Pa・sが好ましい。かかるPVA系樹脂(A)溶融粘度が小さすぎると成形物がもろくなり好ましくなく、逆に大きすぎると溶融成形時にせん断発熱が発生しやすく、熱分解する可能性があり、好ましくない。
[ブロック共重合体(B)]
次に、本発明で用いられるブロック共重合体(B)について説明する。
本発明の樹脂組成物に含有されるブロック共重合体(B)は、芳香族ビニル系化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)とイソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(b)を有するものである。
芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)の形成に用いられるモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン等のアルキルスチレン;モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン等のハロゲン化スチレン;ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどのベンゼン環以外の芳香環を有するビニル化合物、およびその誘導体等を挙げることができる。かかる芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)は、上述のモノマーの単独重合ブロックでも、複数のモノマーによる共重合ブロックでもよいが、スチレンの単独重合ブロックが好適に用いられる。
なお、かかる芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、芳香族ビニル化合物以外のモノマーが少量共重合されたものでもよく、かかるモノマーとしては、ブテン、ペンテン、ヘキセンなどのオレフィン類、ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物やアリルエーテル化合物等を挙げることができ、その共重合比率は、通常、重合体ブロック全体の10モル%以下である。
ブロック共重合体(B)中の芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)の重量平均分子量は、通常、10,000〜300,000であり、特に20,000〜200,000、さらに50,000〜100,000のものが好ましく用いられる。
かかるイソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロックも、本発明の効果を阻害しない範囲で、イソブチレン以外のモノマーが少量共重合されたものでもよく、かかるモノマーとしては、スチレンなどの芳香族ビニル化合物、ブテン、ペンテン、ヘキセンなどのオレフィン類、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物やアリルエーテル化合物等を挙げることができ、その共重合比率は、通常、重合体ブロック全体の10モル%以下である。
また、ブロック共重合体(B)中のイソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(b)の重量平均分子量は、通常、10,000〜300,000であり、特に20,000〜200,000、さらに50,000〜100,000のものが好ましく用いられる。
本発明のブロック共重合体(B)中の各ブロックの構成は、芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)をXで示し、イソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(b)をYで示した場合に、X−Yで表されるジブロック共重合体、X−Y−XまたはY−X−Yで表されるトリブロック共重合体、さらにXとYが交互に接続したポリブロック共重合体などを挙げることができ、その構造も直鎖状、分岐状、星型などを挙げることができる。中でも、力学特性の点でX−Y−Xで表される直鎖状のトリブロック共重合体が好適である。
本発明で用いられるブロック共重合体(B)中の芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)と、イソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(b)の含有比率は、重量比(a/b)で、通常、10/90〜70/30であり、特に、20/80〜50/50の範囲のものが好適である。ブロック共重合体(B)中の芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)の含有比率が多すぎたり、少なすぎたりすると、ブロック共重合体(B)の柔軟性と熱可塑性のバランスが崩れる場合があり、その結果、本発明の樹脂組成物、およびその成形体としたときに、本発明の効果が得られなくなる場合がある。
ブロック共重合体(B)は、芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)、イソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(b)のほかにも、本発明の目的を阻害しない範囲において、他の重合ブロックが構成に含まれていてもよい。他の重合ブロックの単量体成分としては、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらの単量体は他の重合ブロックのうち、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて使用されていても良い。ジエン類は共役ジエン類も含み、共役ジエン類を含む重合体ブロックは、その中の二重結合を水素添加したものでも良い。また、ブロック共重合体(B)には、上記に挙げた他の重合ブロックが、それぞれ単独で又は2種類以上の組合せて含まれていても良い。
芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主成分とする重合体ブロック(a)と、イソブチレンに由来する構成単位を主成分とする重合体ブロック(b)を有するブロック共重合体(B)の製造法としては、公知の方法を用いることができるが、例えば、アルキルリチウム化合物などを開始剤とし、不活性有機溶媒中で芳香族ビニル化合物とイソブチレンを逐次重合させる方法などを挙げることができる。
本発明で用いられるブロック共重合体(B)の重量平均分子量は、通常、50,000〜500,000であり、特に120,000〜450,000、さらに150,000〜400,000のものが好ましく用いられる。
本発明で用いられるブロック共重合体(B)の温度210℃、せん断速度122sec−1における溶融粘度は、通常100〜1600Pa・sであり、さらには200〜1300Pa・s、特に400〜800Pa・sが好ましい。かかるブロック共重合体(B)溶融粘度が小さすぎても、逆に大きすぎても、ブロック共重合体(B)の良好な微分散状態が得られず、柔軟性とガスバリア性の両立が出来ず、好ましくない。
以上のような構成を有するブロック共重合体(B)の具体例としては、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)、スチレン−イソブチレン−ブタジエン−非晶ポリオレフィンブロック共重合体(SIBC)などが挙げられる。これらのうち、熱安定性、耐候性で優れているSIBSが好ましく用いられる。
かかるSIBSの市販品としては、カネカ社製SIBSTAR053T,072T,073T,102Tなどを挙げることができる。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、上述のPVA系樹脂(A)と、上述の芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主成分とする重合体ブロック(a)及びイソブチレンに由来する構成単位を主成分とする重合体ブロック(b)を有するブロック共重合体(B)を含有するものである。
本発明の樹脂組成物は、PVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)は1.5〜3であるものであり、さらに2〜3であることが最も好ましい。溶融粘度比(A/B)が小さすぎると、ブロック共重合体(B)の安定した微分散状態が得られず、ガスバリア性が低下するおそれがあり、逆に大きすぎると溶融成形性が不安定になる恐れがある。
本発明の樹脂組成物では、実質的に、PVA系樹脂(A)がマトリックス相を構成し、ブロック共重合体(B)が分散粒子相を構成する。該樹脂組成物の成形品はゴム弾性に優れたブロック共重合体(B)から構成される分散粒子相を有することにより、成形品が機械的衝撃や変形を受けたとき、ブロック共重合体(B)がそれを吸収することにより成形物全体の衝撃を和らげる作用が働く。PVA系樹脂(A)の衝撃をブロック共重合体(B)へ移動させるためには、ブロック共重合体(B)の分散性と両者の界面活性が良好であることが不可欠であり、これらは溶融粘度比によって大きな影響を受ける。
PVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)を含有する樹脂組成物の場合では、これらの溶融粘度比(A/B)が1.5〜3のものを組み合わせることで、その成形物の耐屈曲疲労性は良好となる。これは、この溶融粘度比であるPVA樹脂(A)とブロック共重合体(B)を溶融混練りした際、ブロック共重合体(B)の分散粒子径が1μm以下になり、非常に均一に微分散できる。このことにより、微分散粒子は、安定にPVA樹脂(A)に分散保持され、良好なガスバリア性と対屈曲疲労性を発現することができるのである。
本発明のPVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の重量組成比は通常70/30〜97/3であり、76/24〜95/5がさらに好ましく、78/22〜90/10が最も好ましい。ブロック共重合体(B)の重量組成比が小さすぎると耐屈曲疲労性に劣る傾向があり、PVA系樹脂(A)の重量組成比が小さすぎるとガスバリア性に劣る傾向がある。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば、樹脂組成物の10重量%以下)で他の重合体を含有していてもよい。含有しうる重合体としては、例えば、上述のPVA系重合体以外の一般PVA、各種変性PVA系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの各種熱可塑性樹脂を挙げることができる。
また、本発明の樹脂組成物では、所望の性能を付与するも目的で、本発明の効果が損なわれない範囲内において(例えば、樹脂組成物の10重量%以下)、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤等の添加剤を適宜含有してもよい。
本発明の樹脂組成物の調製は、以上のような成分を混合することで調製できる。かかる混合方法としては、特に限定されないが、溶融混合法、溶液混合法などが挙げられる。生産性の観点から、溶融混合法が好ましい。
溶融混合方法としては、各成分をドライブレンドした後に溶融して混合する方法や、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の混練装置を使用して行うことができるが、通常は単軸又は二軸の押出機を用いることが工業上好ましく、また、必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設けることも好ましい。
溶液混合方法としては、例えば各成分を良溶媒に溶解して混合し、貧溶媒中で析出させる方法等が挙げられる。
かかる押出機を用いて溶融混練し、本発明の樹脂組成物を得る条件としては、PVA系樹脂(A)の融点などに応じて適宜調節する必要があるが、通常、160〜220℃、より好ましくは190〜210℃の範囲が採用される。
かかる混合によって得られた本発明の樹脂組成物は、成形材料として使用するために、通常はペレットや粉末などの形状とされる。中でも成形機への投入や、取扱い、微粉発生の問題が小さい点から、ペレット形状とすることが好ましい。
なお、かかるペレット形状への成形は公知の方法を用いることができるが、上述の押出機からストランド状に押出し、冷却後所定の長さに切断し、円柱状のペレットとする方法が効率的である。
〔成形品〕
本発明の樹脂組成物は、成形性、特に溶融成形性に優れていることから、成形材料として有用である。溶融成形方法としては、押出成形、インフレーション成形、射出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、圧縮成形、カレンダー成形、など公知の成形法を用いることができる。
また、本発明の樹脂組成物から得られる成形品としては、フィルム、シート、パイプ、円板、リング、袋状物、ボトル状物、繊維状物など、多種多用の形状のものを挙げることができる。
さらに、本発明の樹脂組成物からなる層と他の材料による層との積層構造体とすることも可能である。
特に、本発明の樹脂組成物はPVA系樹脂を主体とするものであり、低湿度条件下では優れたガスバリア性が得られるものの、吸湿によってその特性は大きく変化する場合があるため、水蒸気バリア性が高い素材を表面に配した積層構造体としての使用が望ましい。
かかる水蒸気バリア性が高い素材としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩化ビニル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂に代表される熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、金属、各種金属の蒸着フィルムなどを挙げることができ、その用途、所望される特性に応じて選択すればよい。
かかる積層構造体においては、本発明の樹脂組成物からなる層と他の素材からなる層との間に、接着剤層を介在させてもよく、かかる接着剤層に用いられる接着剤としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体などのカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体等を挙げることができる。
なお、かかる積層構造体を形成する方法としては、熱可塑性樹脂と積層する場合には、共押出、共射出などが可能であり、その他の方法としては押出しコーティング、あるいは各層を予め形成しておき、それらを積層する方法など、所望の形状や厚さなどに応じて、各種方法を採用することができる。
本発明の樹脂組成物からなる成形品は、各種期待に対する優れたバリア性を有し、さらに優れた柔軟性、耐屈曲疲労性を有しているので、これらの特性を要求される物品に使用することができる。かかる用途例としては、飲食品用包装材、容器、バッグインボックス用内袋、容器用パッキング、医療用輸液バッグ、有機液体用容器、有機液体輸送用パイプ、各種ガスの容器、チューブ、ホースなどが挙げられる。
また、各種電気部品、自動車部品、工業用部品、レジャー用品、スポーツ用品、日用品、玩具、医療器具などに用いることも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の「%」は、特にことわりがない限り、質量基準を意味する。
実施例1
〔PVA系樹脂(A)の製造〕
還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル68.0部、メタノール23.8部、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン8.2部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.3モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液とした。
ついで、上記メタノール溶液をさらにメタノールで希釈し、濃度45%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位および3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して10.5ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行するとともにケン化物が析出し、粒子状となった時点で濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、目的とするPVA系樹脂(A)を作製した。
得られたPVA系樹脂(A)のケン化度は、残存酢酸ビニルおよび3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量にて分解したところ、98.0モル%であった。また、平均重合度は、JIS K 6726に準じて分析を行ったところ、450であった。また、一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位の含有量は、1H−NMR(300MHzプロトンNMR、d6−DMSO溶液、内部標準物質;テトラメチルシラン、50℃)にて測定した積分値より算出したところ、6モル%であった。また、MFR(210℃、荷重2160g)は5.5g/10分、溶融粘度は1550mPa・s(210℃、せん断速度122sec−1)であった。
[樹脂組成物の作製]
得られたPVA系樹脂(A)80重量部と、ブロック共重合体(B)としてスチレン−イソブチレン−スチレン樹脂(SIBS)(カネカ社製「SIBSTAR072T」、溶融粘度585Pa・s、210℃、せん断速度122sec−1)20重量部をドライブレンドした後、これを二軸押出機にて下記条件で溶融混練し、ストランド状に押出してペレタイザーでカットし、円柱形ペレットの樹脂組成物を得た。
この時のPVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)は2.6であった。
[成形品の作製]
得られたペレットを、押出機にて下記条件で製膜し、厚さ約30μmの単層フィルムを作製し、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
押出機:直径(D)15mm、二軸押出機、L/D=60
スクリーンパック:90/90メッシュ
スクリュ回転数 :200rpm
設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6/C7/C8/D=90/185/190/195/200/205/205/210/210℃
吐出量:1.5kg/hr
ダイ:幅300mm、コートハンガータイプ
引取速度:2.6m/min
ロール温度:50℃
エアーギャップ:1cm
(成形物中の微分散粒径測定)
成形したフィルムを液体窒素内でTD方向に割り、その後、60℃のキシレン中で2時間、超音波洗浄を行い、フィルム断面のブロック共重合体(B)を溶解させ、測定サンプルとした。このサンプルの断面をSEMにて観察し(倍率2000〜6000倍)、空孔の径を測定した。結果は表1に記載した。
(屈曲疲労試験)
乾燥状態で30cm×21cmサイズ、厚み30μmの乾燥状態のフィルムを、23℃、65%RHの条件下で、理学工業社のゲルボフレックステスターを用いて、捻じり試験を行った。
25インチ水平に進んだ後に、3.5インチで440°の捻じりを100回(40サイクル/分)加えた後、該フィルム全体のピンホール発生数を数えた。かかるテストを5回試行し、その平均値を求めた。
実施例2
実施例1において、ブロック共重合体(B)としてスチレン−イソブチレン−スチレン樹脂(SIBS)(カネカ社製「SIBSTAR073T」、溶融粘度555Pa・s、210℃、せん断速度122sec−1)を用いた以外は実施例1と同様に樹脂組成物、成形品を作製し、評価を行った。この時のPVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)は2.8であった。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、ブロック共重合体(B)としてスチレン−イソブチレン−スチレン樹脂(SIBS)(カネカ社製「SIBSTAR102T」、溶融粘度1570Pa・s、210℃、せん断速度122sec−1)を用いた以外は実施例1と同様に樹脂組成物、成形品を作製し、評価を行った。この時のPVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)は1.0であった。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、ブロック共重合体(B)としてスチレン−イソブチレン−スチレン樹脂(SIBS)(カネカ社製「SIBSTAR053T」、溶融粘度216Pa・s、210℃、せん断速度122sec−1)を用いた以外は実施例1と同様に樹脂組成物、成形品を作製し、評価を行った。この時のPVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)は7.2であった。結果を表1に示す。
本発明の樹脂組成物は、耐屈曲疲労性とガスバリア性に優れ、バックインボックスなどの液体を充填させる容器や高圧で通気する目的で用いられるチューブなど、不規則な変形を要する容器類及びチューブ類、飲食品包装材、容器用パッキング、医療用油液バッグ、などの材料として好適である。

Claims (4)

  1. 側鎖に1,2−ジオール成分を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とし、芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(a)とイソブチレンに由来する構成単位を主体とする重合体ブロック(b)を有するブロック共重合体(B)を含有する樹脂組成物であって、ポリビニルアルコール系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の溶融粘度比(A/B)が1.5〜3であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. ポリビニルアルコール系樹脂(A)が下記一般式(1)で表される構造単位を有するものであることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。

    [式中、R,RおよびRはそれぞれ独立しては水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R,RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]

  3. ポリビニルアルコール系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の含有比(A/B)が70/30〜97/3(重量比)である請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物を溶融成形してなる成形物。
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