JP2006312313A - 積層構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】共押出成形による製造時のロングラン成形性に優れ、層間接着性、延伸性、ガスバリア性、耐屈曲性に優れた積層構造体を提供すること。
【解決手段】ビニルエステル系モノマーと一般式(1)で示される化合物との共重合体をケン化して得られる側鎖1,2−ジオール構造を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)を含有する層と、熱可塑性樹脂(B)を含有する層を有してなる。
【化1】
Figure 2006312313


[式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子またはR9−CO−(式中、R9はアルキル基である)を示す]
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂(A)を含有する層と熱可塑性樹脂(B)を含有する層を有する積層構造体に関し、さらに詳しくは、共押出成形による製造時のロングラン成形性に優れ、層間接着性、延伸性、ガスバリア性、耐屈曲性に優れた積層構造体に関する。
従来より、包装用材料としてポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などによる樹脂フィルムが用いられているが、飲食品、医薬品、化学薬品など、酸素によって品質が劣化するような物品の場合、上記樹脂の単体フィルムでは充分な酸素ガスバリア性が得られないため、酸素ガスバリア性を有する材料をコーティング、ラミネート、共押出成形などによって複合した積層構造体が広く用いられている。
かかる酸素ガスバリア性を有する材料としては、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、ポリビニルアルコールをPVAと略記する。)が知られており、例えば、基材フィルムの少なくとも一方の面に、ケン化度90モル%以上、重合度200〜2600のPVA系樹脂と、ケン化度90モル%未満、重合度1500〜3800のPVA系樹脂の混合物を主成分とする酸素ガスバリア層が形成された多層フィルム(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
また、積層構造体の製造法としては一工程でフィルム化と積層が可能な共押出成形法が好ましく、これに用いられるPVA系樹脂も熱溶融成形が可能であることが必要となるがが、通常のPVA系樹脂は融点が分解点(230℃以上)に近いため熱溶融成形は困難である。そこで、本出願人は、熱溶融成形が可能なPVA系樹脂として、側鎖に1,2−グリコール結合を2〜10モル%含有し、ケン化度が96モル%以上である溶融成形用PVA系樹脂(例えば、特許文献2参照。)を提案している。
特開2004−082619号公報 特開2004−075866号公報
しかしながら、特許文献1に記載の多層フィルムに用いられるPVA系樹脂は融点が高く、溶融成形が困難であるため溶液コーティング法で製造せざるをえず、塗工液の調製、コーティング、乾燥など、煩雑な工程が必要となるものであった。また、特許文献2に記載のPVA系樹脂は、熱可塑性樹脂との共押出成形は可能ではあるが、隣接する層、例えば熱可塑性樹脂層や接着性樹脂との接着性が充分ではなく、延伸や繰り返し屈曲などの過酷な条件下ではクラック、ボイド、延伸ムラあるいは層間剥離がおき、白化などにより外観が悪化したり、ガスバリヤ性が低下するなどの問題点があり、まだまだ改善の余地があるものであった。
すなわち、共押出成形による製造時のロングラン成形性に優れ、層間接着性、延伸性、ガスバリア性、耐屈曲性に優れた積層構造体が求められるところである。
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ビニルエステル系モノマーと下記一般式(1)で示される化合物との共重合体をケン化して得られる、側鎖に1,2−ジオール構造を含有するPVA系樹脂(A)を含有する層と熱可塑性樹脂(B)を含有する層を有する積層構造体が上記目的に合致することを見出し、本発明を完成した。
Figure 2006312313

なお、式中のR1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素または有機基を示し、Xは単結合、すなわちビニル構造部分の炭素と1,2−ジオール構造部分の炭素が直接結合したもの、または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子またはR9−CO−(式中、R9はアルキル基である)である。
本発明の最大の特徴は、PVA系樹脂として一般式(1)で示される化合物とビニルエステル系モノマーとの共重合体をケン化して得られる、側鎖に1,2−ジオール構造を有するPVA系樹脂(A)を用いたことであり、それによって本発明特有の効果が得られたものである。
すなわち、側鎖の1,2−ジオール構造によってPVA系樹脂の結晶性が阻害され、融点を下げることで熱分解温度よりはるか低温で安定して溶融成形することが可能になり、さらに、かかる1,2−ジオール構造を導入するためのコモノマーとして一般式(1)で示される化合物を用いたことにより、積層構造体としたときに隣接する層との接着性が改善され、その結果、延伸や繰り返し屈曲による層間剥離が起こらず、優れた外観やガスバリヤー性を有する積層構造体が得られたものである。
本発明の積層構造体は、共押出成形が可能で、ロングラン成形性が良好であり、ガスバリア性、延伸性に優れ、層間接着性が良好であるため、延伸によるクラックやボイド、延伸ムラがなく、耐屈曲性に優れるため、酸素によって品質劣化するような物品の包装用材料として好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる側鎖に1,2−ジオール構造を含有するPVA系樹脂(A)は、ビニルエステル系モノマーと下記一般式(1)で示される化合物との共重合体をケン化して得られたPVA系樹脂である。
Figure 2006312313

なお、式中のR1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素または有機基を示し、Xは単結合、すなわちビニル構造部分の炭素と1,2−ジオール構造部分の炭素が直接結合したもの、または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子またはR9−CO−(式中、R9はアルキル基である)である。
なお、一般式(1)で示される化合物中のR1、R2、R3、およびR4、R5、R6は代表的には水素であり、本発明の効果を阻害しない範囲であればアルキル基等の有機基であってもよい。
また、一般式(1)で示される化合物中のXは代表的には単結合、すなわちビニル構造部分の炭素と1,2−ジオール構造部分の炭素が直接結合したものであるが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば結合鎖であってもよく、かかる結合鎖としては特に限定されないが、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素(これらの炭化水素はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていても良い)鎖や、−CO−、−COCO−、−CO(CH2mCO−、−CO(C64)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO4−、−Si(OR)2−、−OSi(OR)2−、−OSi(OR)2O−、−Ti(OR)2−、−OTi(OR)2−、−OTi(OR)2O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−、等が挙げられ(Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは自然数である)、その中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で炭素数6以下のアルキレン基が好ましい。なお、かかる結合鎖中にエーテル結合を有するものは熱安定性が不足する場合があり、溶融成形時、あるいは積層構造体とした後に熱延伸した場合に、熱分解する場合があり、好ましくない。
式(1)で示される化合物としては、具体的にXが単結合である3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、Xがアルキレン基である4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン、などが挙げられる。
なかでも、共重合反応性及び工業的な取り扱いにおいて優れるという点で、R1、R2、R3、R4、R5、R6が水素、Xが単結合、R7、R8がR9−CO−でありR9がアルキル基である3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、そのなかでも特にR9がメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましく用いられる。なお、酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1―ブテンを共重合させた時の各モノマーの反応性比は、r(酢酸ビニル)=0.710、r(3,4−ジアセトキシ−1ブテン)=0.701、であり、これはビニルエチレンカーボネートの場合の、r(酢酸ビニル)=0.85、r(ビニルエチレンカーボネート)=5.4と比較して、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが酢酸ビニルとの共重合反応性に優れることを示すものである。
なお、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、工業生産用ではイーストマンケミカル社、試薬レベルではアクロス社の製品を市場から入手することができる。また、1,4―ブタンジオール製造工程中の副生成物として得られる3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを利用することも出来る。
ビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられる。なかでも、経済的な点から酢酸ビニルが好ましく用いられる。
また、本発明に用いるPVA系樹脂(A)は、本発明の目的を阻害しない範囲、例えば0.5〜10モル%の範囲内で各種不飽和モノマーを共重合したものを用いることができる。かかる不飽和モノマーの導入量としては、一概にはいえないが、導入量が多すぎると熱安定性が損なわれたり、ガスバリアー性が低下することがあるため、好ましくない。
かかる不飽和モノマーとしては、例えばエチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル等のビニル化合物、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類、塩化ビニリデン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、、ビニルエチレンカーボネート、グリセリンモノアリルエーテル、ビニレンカーボネート、アセトアセチル基含有モノマー等が挙げられる。
更に、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等のポリオキシアルキレン基含有モノマー、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有モノマー等も挙げられる。
又、重合温度を100℃以上にすることにより、PVA主鎖中に1,2−ジオール結合を1.6〜3.5モル%程度導入したものを使用することが可能である。
上記のビニルエステル系モノマーと一般式(1)で示される化合物(さらには他のモノマー)を共重合するに当たっては特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、またはエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用されるが、一般式(1)で示される化合物に由来する構造単位がポリビニルエステル系ポリマーの分子鎖中に均一に分布させられる点や、重合物中の未反応モノマーの残存を極力低減する意味から滴下重合が好ましく、特にはHANNA法に基づく重合方法が好ましい。
かかる共重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、ブタノール等の低級アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的にはメタノールが好適に使用される。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時はS(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
共重合に当たっては重合触媒が用いられ、かかる重合触媒としては例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒やアゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温活性ラジカル重合触媒等が挙げられ、重合触媒の使用量は、触媒の種類により異なり一概には決められないが、重合速度に応じて任意に選択される。例えば、アゾイソブチロニトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系モノマーに対して0.01〜0.2モル%が好ましく、特には0.02〜0.15モル%が好ましい。
また、共重合反応の反応温度は使用する溶媒や圧力により30℃〜沸点程度で行われ、より具体的には35〜150℃、好ましくは40〜75℃の範囲で行われる。
なお、本発明においては、式(1)で示される化合物の共重合割合は特に限定されず、後述の1,2−ジオール結合の導入量に合わせて共重合割合を決定すればよい。
得られた共重合体は次いでケン化されるのであるが、かかるケン化にあたっては上記で得られた共重合体をアルコール又は含水アルコールに溶解し、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行われる。アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の共重合体の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、硫酸、塩酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。
かかるケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度等により適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は通常、ビニルエステル系モノマー及び一般式(1)で示される化合物の合計量1モルに対して0.1〜30ミリモル、好ましくは2〜17ミリモルが適当である。かかるケン化触媒の使用量が少なすぎるとケン化反応に長時間を要することがあり、逆に多すぎると生成物中に多量に残存することとなり、中和が必要になる場合があるため好ましくない。
また、ケン化反応の反応温度は特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜50℃である。
なお、本発明のPVA系樹脂(A)は、ケン化時にビニルエステル系モノマーのエステル部分と式一般(1)で示される化合物のアシロキシ部分を同時に水酸基へ変換することによって製造される。
かくして側鎖に1,2−ジオール構造を有したPVA系樹脂(A)が得られるわけであるが、かかるPVA系樹脂中の1,2−ジオール構造含有量は、特に制限されないが、PVA系樹脂(A)の全ビニル構造単位に対して4〜20モル%、さらには4〜15モル%、特に5〜12モル%であることが好ましい。かかる1,2−ジオール構造の含有量が少なすぎると積層体の層間接着性が低下したり、延伸性が低下する場合があり、逆に多すぎるとPVA系樹脂の重合度が低下し、かかるPVA系樹脂を用いて得られる成型物の強度等が低下する恐れがあるため好ましくない。なお、PVA系樹脂(A)中の全ビニル構造単位とは、ビニルエステル、一般式(1)で表される化合物、その他の共重合モノマーに由来する構造単位である。
また、かかるPVA系樹脂のケン化度は95モル%以上、さらには97モル%以上、特には99.5モル%以上であることが好ましく、かかるケン化度が低すぎるとガスバリア性が低下したり、得られる積層構造体に酢酸臭が残存したりする場合があるため好ましくない。
なお、本発明におけるケン化度とは、ビニルエステルモノマーのエステル部分と一般式(1)で示される化合物に由来する構造単位中のアシロキシ部分との総量の水酸基への変化率(モル%)で表示される。
また、本発明においては、かかるPVA系樹脂(A)の平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)が200〜3000、さらには200〜1800、特には300〜1700、殊に300〜1500であることが好ましく、かかる重合度が小さすぎると得られる積層構造体の強度が低下する傾向にあり、逆に大きすぎると成形時の溶融粘度が高くなりすぎ、せん断発熱が大きくなって成形中に分解したりする恐れがあり、好ましくない。
なお、PVA系樹脂に1,2−ジオール構造を導入する手段としては、本発明のような共重合によるものと、前述のように重合を高温で行い、頭−頭結合の割合を増やすことで主鎖に導入する方法が挙げられるが、後者の方法ではその導入量に限界があり、3モル%以上の導入は事実上不可能であるが、本発明のPVA系樹脂(A)は1,2−ジオール構造の含有量を上述の範囲内で任意に制御することが可能である。
また、本発明で使用されるPVA系樹脂(A)は、異なる他のPVA系樹脂との混合物であってもよく、かかる他のPVA系樹脂としては、一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造の含有量が異なるもの、ケン化度が異なるもの、重合度が異なるもの、他の共重合成分が異なるものなどを挙げることができる。
また、かかるPVA系樹脂(A)の融点は200℃以下、さらには195℃以下であることが好ましく、融点が200℃を超えると溶融成形温度もそれに応じて高くせざるをえず、そのためにPVA系樹脂(A)が熱劣化し易く、ロングラン成形性の低下、フィッシュアイ等の原因、PVA系樹脂の分解等によるフィルムの発泡生成の原因となる場合があるため好ましくない。なお、かかる融点はJIS K7121の示差走査熱量測定(以下、DSCと略記する。)によって測定したものである。また、PVA系樹脂(A)中の1,2−ジオール構造を含有する側鎖の量が多くなると無定形ポリマーとなり、DSC法による明確な融解ピークが得られず、融点として特定が困難になるが、かかる無定形ポリマーであるPVA系樹脂(A)も本発明において好ましく使用することができる。なお、かかる融点は側鎖の1,2−ジオール構造の含有量やケン化度によって調整することが可能である。
さらに、本発明においては、かかるPVA系樹脂(A)に本発明の目的を阻害しない範囲において飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、などの滑剤、酸素吸収剤[(例えば無機系酸素吸収剤として還元鉄粉類、さらにこれに吸水性物質や電解質等を加えたもの、アルミニウム粉、亜硫酸カリウム、光触媒酸化チタン等が、有機化合物系酸素吸収剤としてアスコルビン酸、さらにその脂肪酸エステルや金属塩等、ハイドロキノン、没食子酸、水酸基含有フェノールアルデヒド樹脂等の多価フェノール類、ビス−サリチルアルデヒド−イミンコバルト、テトラエチレンペンタミンコバルト、コバルト−シッフ塩基錯体、ポルフィリン類、大環状ポリアミン錯体、ポリエチレンイミン−コバルト錯体等の含窒素化合物と遷移金属との配位結合体、テルペン化合物、アミノ酸類とヒドロキシル基含有還元性物質の反応物、トリフェニルメチル化合物等が、高分子系酸素吸収剤として窒素含有樹脂と遷移金属との配位結合体(例えばMXDナイロンとコバルトの組合せ)、三級水素含有樹脂と遷移金属とのブレンド物(例えばポリプロピレンとコバルトの組合せ)、炭素−炭素不飽和結合含有樹脂と遷移金属とのブレンド物(例えばポリブタジエンとコバルトの組合せ)、光酸化崩壊性樹脂(例えばポリケトン等)、アントラキノン重合体(例えばポリビニルアントラキノン)等や、更にこれらの配合物に光開始剤(例えばベンゾフェノン等)や過酸化物補足剤(例えば市販の酸化防止剤等)や消臭剤(例えば活性炭等)を添加したものなど]、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、などを配合しても良い。
特に、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩を含有することがさらなる溶融成形性の改善の点で好ましく、かかるアルカリ金属塩としては、カリウム、ナトリウム等の酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の有機酸や、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸等の無機酸の金属塩が挙げられ、またアルカリ土類金属塩としては、カルシウム、マグネシウム等の、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の有機酸や、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸等の無機酸の金属塩を挙げることができる。
これらの金属塩の含有量としてはPVA系樹脂(A)に対して金属換算で5〜3000ppm(さらには20〜2500ppm、特には50〜2000ppm)とすることが好ましく、かかる含有量が5ppm未満では溶融成形性の改善効果、例えばゲルや目やにの抑制効果に乏しく、逆に3000ppmを超えると溶融成形時に分解が激しく発泡や臭気が発生しやすく、着色の程度も強くなったりして好ましくない。なお、2種以上のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の塩が含有される場合は、その総計が上記の含有量の範囲にあることが好ましい。
PVA系樹脂(A)にアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を含有させる方法については特に限定されないが、一旦PVA系樹脂(A)を得た後にアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンを含有する化合物を押出成形前に添加する方法、PVA系樹脂(A)の製造(ケン化)時にケン化触媒としてアルカリ金属イオンを含有するアルカリ性物質を使用し、ケン化後のPVA系樹脂(A)を洗浄して該樹脂中に含まれるアルカリ金属イオンの量を制御する方法等が挙げられる。なお、PVA系樹脂(A)中のアルカリ金属やアルカリ土類金属の含有量は、原子吸光分析法で求めることができる。
本発明のPVA系樹脂(A)は可塑剤を配合しなくても良好な共押出成形性を得ることができるが、別段必要に応じて可塑剤を配合することも可能で、かかる可塑剤としては脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等)、グリセリン等の多価アルコールへエチレンオキサイドを付加した化合物、各種アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの混合付加体等)、糖類(例えば、ソルビトール、マンニトール、ペンタエリスリトール、キシロール、アラビノース、リブロース等)、ビスフェノールAやビスフェノールS等のフェノール誘導体、N−メチルピロリドン等のアミド化合物、α−メチル−D−グルコシド等のグルコシド類、水等が挙げられる。なお、その配合量としては、PVA系樹脂(A)100重量部に対して、100重量部以下、さらには20重量部以下、特には10重量部以下とすることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂(例えば、相溶化剤存在下でポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル)、香料、発泡剤、消臭剤、増量剤、充填剤(タルク、クレー、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラス繊維、シリカ、マイカ、アルミナ、ハイドロタルサイト、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化硼素、窒化アルミニウム等の無機充填剤、メラミンーホルマリン系樹脂等の有機充填材)、剥離剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、加工安定剤、耐候性安定剤、防かび剤、防腐剤等の添加剤を適宜配合することが出来る。
上記の如く得られた側鎖に1,2−ジオール構造を含有するPVA系樹脂(A)あるいはその組成物は、そのまま共押出成形に供することも可能であるが、成形時の作業性や吐出安定性を考慮すれば、一度溶融状態で混練後冷却固化させてペレット状等にすることが好ましい。
かかる手段としては、たとえば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、ブラストミルなどの公知の混練装置を用いて行うことができるが、通常は、単軸または二軸押出機を用いることが工業的に好ましく、また、必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置、ストランド支持用ベルト、ドライフォッグ発生器等を設けることも好ましい。特に、水分や副生成物(熱分解低分子量物等)を除去するために、押出機に1個以上のベント孔を設けて減圧下に吸引したり、押出機中への酸素の混入を防止するためにホッパー内に窒素等の不活性ガスを連続的に供給したりすることにより、熱着色や熱劣化が軽減された、品質に優れたPVA系樹脂(A)あるいはその組成物のペレットを得ることができる。
本発明の積層構造体は、上記の側鎖に1,2−ジオール構造を含有するPVA系樹脂(A)を含有する層と熱可塑性樹脂(B)を含有する層を有するもので、該積層構造体を製造するに当たっては、該PVA系樹脂(A)を含有する層の片面又は両面に熱可塑性樹脂(B)を含有する層を積層すればよく、その積層方法としては、例えば該PVA系樹脂(A)を含有するフィルムやシートに熱可塑性樹脂(B)を溶融押出ラミネートする方法、逆に熱可塑性樹脂(B)等を含有する基材に該PVA系樹脂(A)あるいは該PVA系樹脂(A)を含有する樹脂組成物を溶融押出ラミネートする方法、該PVA系樹脂(A)あるいは該PVA系樹脂(A)を含有する樹脂組成物と熱可塑性樹脂(B)とを共押出する方法、更には該PVA系樹脂(A)を含有するフィルムやシートと熱可塑性樹脂(B)を含有するフィルム、シートと有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着性樹脂を用いてドライラミネートする方法等が挙げられる。特に、別途積層工程を設ける必要がなく、一工程で積層構造体が得られることから、共押出成形法が好ましく用いられる。なお、PVA系樹脂(A)を含有する層を溶融成形によって製造する際の成形温度は、側鎖の1,2−ジオール構造の含有量等により適宜融点を判断して成形温度を決める必要があるが、120から200℃(さらには185〜200℃の範囲が好ましく用いられる。
上記の熱可塑性樹脂(B)としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、芳香族および脂肪族ポリケトン、脂肪族ポリアルコール等が挙げられ、好適にはポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が用いられ、中でもボトル等の容器に適用する時には、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましく、包装用フィルム等に適用する時には、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
かかるポリオレフィン系樹脂としては、具体的に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したものやこれらのブレンド物などの広義のポリオレフィン系樹脂を挙げることができ、なかでも、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマーが、得られる積層包装材の耐屈曲疲労性、耐振動疲労性等に優れる点で好ましい。
特に、密度0.86〜0.95g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく用いられ、密度が上記範囲より小さいときは、積層包装材の機械的諸物性が不足したり、ブロッキングが発生したりする。逆に、大きいときは、耐屈曲疲労性や耐振動疲労性等が不充分となることがあり好ましくない。尚、ここで言う密度とは、20℃においてJIS K6760によって測定される値であり、エチレン−α−オレフィンとは、エチレンとブテン−1,ペンテン−1,4−メチルペンテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1等の炭素数18以下の共重合物である。これらの中でも炭素数が4〜8のオレフィンを用いたエチレン−α−オレフィン共重合体が好適に用いられる。
上記の直鎖状低密度ポリエチレンにおいては、更に、シングルサイト触媒の存在下に製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体であることが、本発明の効果をより発現できうる点で好ましい。シングルサイト触媒とは、現行のチーグラー触媒やフィリップス触媒が活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一(シングルサイト)である特徴を有する触媒のことであり、代表的なものとしてメタロセン系触媒等が挙げられる。具体的な商品名としては、『カーネル』(日本ポリケム社製)、『エボリュー』(三井化学社製)、『エグザクト』(エクソンケミカル社製)、『アフィニティー』(ダウケミカル社製)などが挙げられる。
かかるポリアミド系樹脂としては、具体的に、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン26)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン86)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン108)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン6/66)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン12/66)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン26/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン66/610)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン6/66/610)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ヘキサメチレンイソフタルアミド/テレフタルアミド共重合体あるいはこれらのポリアミド系樹脂をメチレンベンジルアミン、メタキシレンジアミン等の芳香族アミンで変性したものやメタキシリレンジアンモニウムアジペート等が挙げられ、本発明においては、これらの1種または2種以上のブレンド物を用いることができる。
また、ポリアミド系樹脂の分子末端のカルボキシル基および/またはアミノ基が、アルキルモノカルボン酸、アルキルジカルボン酸、アルキルモノアミン、アルキルジアミン等で調整(変性)されたものを用いることもできる。
かかるポリエステル系樹脂としては、具体的に、芳香族ジカルボン酸またはこれらのアルキルエステルとグリコールを主成分とする縮合重合体が挙げられ、代表的にはエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするものが好ましい。さらに、加工性、強度等を大幅に損なわない範囲で共重合成分を含有させることも可能で、そのような共重合成分として、酸成分としては、イソフタル酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸およびこれらのエステル形成性誘導体の他、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができる。
また、グリコール成分としては、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールの他、グリセリン、1,3−プロパンジオール、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。
エチレンテレフタレート単位の含有量は75〜100モル%、好ましくは85〜100モル%程度である。また、好ましい固有粘度(フェノールとテトラクロルエタンの50重量%/50重量%の混合溶剤中、温度30℃にて測定)は、0.5〜1.3dl/g、さらには0.65〜1.2dl/gである。
次に代表的なものとしては、エチレンテレナフタレートを主たる繰り返し単位とするものが挙げられる。上記と同様の共重合成分を含有させることも可能であり、エチレンテレナフタレートの含有量は、75〜100モル%、好ましくは85〜98モル%程度である。また、好ましい固有粘度は0.4〜1.2dl/g、さらには0.55〜1.0dl/gである。
また、上記エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とエチレンテレナフタレート系樹脂をブレンドして使用することも、ガスバリア性や紫外線遮断性、溶融成形性が向上する点で好ましく、その場合のブレンド比率は、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂が5〜90重量%、更には15〜85重量%であり、エチレンテレナフタレート系ポリエステル樹脂が95〜10重量%、更には85〜15重量%である。
更に、諸特性を大幅に損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂や添加剤を配合することも可能で、熱可塑性樹脂としては、MXD−6ナイロン、ポリカーボネート、ポリアリレート、液晶ポリマー等が挙げられる。
本発明の積層構造体の層構成としては、PVA系樹脂(A)を含有する層をa(a1、a2、・・・)、熱可塑性樹脂(B)を含有する層をb(b1、b2、・・・)とするとき、a/bの二層構造のみならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2、b1/b2/a/b3/b4、a1/b1/a2/b2等任意の組み合わせが可能で、特にb/a/bまたはb2/b1/a/b1/b2の層構成が好ましい。
尚、上記の層構成において、それぞれの層間には必要に応じて接着性樹脂層を設けることができ、かかる接着性樹脂としては種々のものを使用することができ、bの樹脂の種類によって異なり一概に言えないが、不飽和カルボン酸又はその無水物をオレフィン系重合体(上述の広義のポリオレフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を挙げることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられる。このときの、オレフィン系重合体に含有される不飽和カルボン酸又はその無水物の量は、0.001〜3重量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.03〜0.5重量%である。該変性物中の変性量が少ないと、接着性が不充分となることがあり、逆に多いと架橋反応を起こし、成形性が悪くなることがあり好ましくない。またこれらの接着性樹脂には、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラストマー成分、更にはb層の樹脂等をブレンドすることも可能である。特に、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすることにより、接着性が向上することがあり有用である。
積層構造体の各層の厚みは、層構成、熱可塑性樹脂(B)の種類、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に言えないが、通常は、PVA系樹脂(A)を含有する層は5〜500μm、さらには10〜200μm、熱可塑性樹脂(B)を含有する層は5〜5000μm、さらには30〜1000μm、接着性樹脂層は5〜400μm、さらには10〜150μm程度の範囲から選択される。a層が5μm未満ではガスバリア性が不足し、またその厚み制御が不安定となり、逆に500μmを越えると耐屈曲疲労性が劣り、かつ経済的でなく、重量も大きくなるため好ましくなく、またb層が5μm未満では剛性が不足し、逆に5000μmを越えると耐屈曲疲労性が劣り、かつ重量が大きくなり好ましくなく、接着性樹脂層が5μm未満では層間接着性が不足し、またその厚み制御が不安定となり、逆に400μmを越えると重量が大きくなり、かつ経済的でなく好ましくない。
また、本発明の積層構造体の各層には、成形加工性や諸物性の向上のために、前述の各種添加剤や改質剤、充填材、他樹脂等を本発明の効果を阻害しない範囲で添加することもできる。
かかる積層構造体はそのまま各種形状のものに使用されるが、さらに物性を改善したり目的とする任意の容器形状に成形するためには加熱延伸処理を施すことも好ましい。ここで加熱延伸処理とはフィルムなどを融点以下の温度に加熱し、機械的に引き伸ばすことで引っ張り方向に平行に分子を配向させる操作をいい、かかる延伸については一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、できるだけ高倍率の延伸を行ったほうが物性的に良好で、強度、強靭性、ガスバリア性等に優れた延伸成形物が得られる。
延伸方法としてはロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等のうち延伸倍率の高いものも採用できる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は60〜170℃、好ましくは80〜160℃程度の範囲から選ばれる。
延伸が終了した後、次いで熱固定を行うことも好ましい。熱固定は周知の手段で実施可能であり、上記延伸フィルムを緊張状態を保ちながら50〜170℃、好ましくは70〜160℃で2〜600秒間程度熱処理を行う。
また、かかる加熱延伸処理によって本発明の積層構造体にシュリンク性を付与することも可能であり、生肉、加工肉、チーズ等の食品包装におけるシュリンク包装あるいはスキンパック包装用途に有用である。
以下に、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例の記載に限定されるものではない。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
[PVA系樹脂(A1)の製造]
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶(1m3)に、酢酸ビニル250kg、メタノール250kg、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン23.76kgを仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.09モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。その後、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの20%メタノール溶液をHANNA法に従って10時間かけて33.10 kg滴下し、酢酸ビニルの重合率が95%となった時点で、重合禁止剤としてm−ジニトロベンゼン10ppm(対仕込み酢酸ビニル)を加え、重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1-ブテンの合計量1モルに対して8ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出して、粒子状となった時点で濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A1)を得た。
得られたPVA系樹脂(A1)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び残存3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ99.0モル%であり、平均重合度はJIS K6726に準じて分析を行ったところ500であった。また、1,2−ジオール構造を含有する側鎖の導入量は、1H−NMR(内部標準:テトラメチルシラン、溶媒:DMSO−d6)で測定して算出したところ6モル%であり、融点は185℃であった。
[ペレット化]
得られたPVA系樹脂(A1)を2軸同方向押出機に供給し、以下の条件でペレット化を行った。
スクリュー内径 30mm
L/D 30
スクリュー回転数 100rpm
押出温度 C1:185℃
C2:195℃
C3:195℃
C4:190℃
H(ヘッド):190℃
D(ダイ):190℃
[積層構造体の製造]
得られたPVA系樹脂(A1)ペレット、および熱可塑性樹脂(B)として直鎖状低密
度ポリエチレン(MFR1.5g/10分(190℃、2160g)、密度0.920g/cm3)および接着性樹脂として無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン(MFR
2.0g/10分(190℃、2160g))をもちい、これらを5層の多層Tダイを備え
た多層押出装置に供給して、熱可塑性樹脂(B)層/接着性樹脂層/PVA系樹脂(A1
)層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂(B)層(厚み80/20/40/20/80μm)
の層構成を有する積層構造体を得た。成形条件は以下の通り。
スクリュー内径 40mm〔熱可塑性樹脂(B)、PVA系樹脂(A1)〕
30mm〔接着性樹脂〕
L/D 25
スクリュー圧縮比 3.2
スクリュー回転数 40rpm〔熱可塑性樹脂(B)〕
20rpm〔PVA系樹脂(A1)、接着性樹脂〕
ダイ 5層コンバイニングアダプター付きTダイ
ダイ幅 450mm
押出温度 C1:180℃〔PVA系樹脂(A1)〕
C2:198℃〔〃〕
C3:198℃〔〃〕
C4:198℃〔〃〕
C1:190℃〔熱可塑性樹脂(B)、接着性樹脂〕
C2:200℃〔〃〕
C3:210℃〔〃〕
C4:210℃〔〃〕
A(アダプター):200℃
D(ダイ):200℃
[ロングラン成形性]
上記条件でロングラン成形を行い、得られた積層構造体の外観およびダイリップ付近の状況を目視観察して、以下の基準で評価を行った。結果を表1に示す。
(外観)
◎・・・2日以上成形を行ってもゲルの発生が認められない
○・・・1日以上、2日未満の成形でゲルの発生が認められた
△・・・3時間以上、1日未満の成形でゲルの発生が認められた
×・・・3時間未満の成形でゲルの発生が認められた
(目やに)
◎・・・3日以上成形を行っても目やにが認められない
○・・・2日以上、3日未満の成形で目やにが認められた
△・・・3時間以上、2日未満の成形で目やにが認められた
×・・・3時間未満の成形で目やにが認められた
[層間接着性]
得られた積層構造体の流れ方向(MD)に平行に短冊状の試験片(幅15mm、長さ150mm)を切り出し、23℃、50%RHの雰囲気下で、島津製作所社製『オートグラフIS−5000』を用い、PVA系樹脂(A1)層と接着性樹脂層との層間剥離強度(g/15mm)をTピール法(剥離速度200mm/分)にて測定した。結果を表1に示す。
[延伸性]
得られた積層構造体を100℃で5分間予熱し、同じ温度で、延伸速度100mm/秒、縦方向6倍、横方向6倍の同時ニ軸延伸を行い、延伸の後、100℃で5分間の熱固定を行って、多層延伸フィルムを得た。得られた多層延伸フィルムの外観を目視観察し、以下の基準で評価を行った。結果を表1に示す。
(外観)
◎・・・平滑かつ透明である
×・・・白化あるいはフィブリル化が認められる
(延伸むら)
◎・・・スジが認められない
○・・・スジが1〜2本認められた
×・・・3本以上のスジが認められた
[ガスバリア性]
得られた多層延伸フィルムの酸素透過度を、MOCON社製『OXTRAN2/20』を用い、20℃、65%RHの条件下で測定した。結果を表1に示す。
[耐屈曲性]
得られた多層延伸フィルムから21cm×30cmの試験片を50枚切り出し、20℃、65%RHで5日間調湿した後、理学工業社製『ゲルボフレックステスター』を用い、屈曲試験後の酸素透過度が急激に大きくなるまでの回数を測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎・・・2000回以上
○・・・1000回以上、2000回未満
×・・・1000回未満
実施例2
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶(1m3)に、酢酸ビニル400kg、メタノール20kg、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン38.02kgを仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.04モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。その後、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの20%メタノール溶液をHANNA法に従って11時間かけて52.83kg滴下し、酢酸ビニルの重合率が95%となった時点で、重合禁止剤としてm−ジニトロベンゼン10ppm(対仕込み酢酸ビニル)を加え、重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1-ブテンの合計量1モルに対して9ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出して、粒子状となった時点で濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A2)を得た。
得られたPVA系樹脂(A2)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び残存3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ99.5モル%であり、平均重合度はJIS K6726に準じて分析を行ったところ1100であった。また、1,2−ジオール構造を含有する側鎖の導入量は、1H−NMR(内部標準:テトラメチルシラン、溶媒:DMSO−d6)で測定して算出したところ6モル%であり、融点は190℃であった。
かかるPVA系樹脂(A2)を用い、実施例1と同様にして積層構造体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶(1m3)に、酢酸ビニル260kg、メタノール52kg、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン15.08kgを仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.06モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。その後、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの20%メタノール溶液をHANNA法に従って11時間かけて28.7kg滴下し、酢酸ビニルの重合率が95%となった時点で、重合禁止剤としてm−ジニトロベンゼン10ppm(対仕込み酢酸ビニル)を加え、重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1-ブテンの合計量1モルに対して8ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出して、粒子状となった時点で濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A3)を得た。
得られたPVA系樹脂(A3)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び残存3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ97.2モル%であり、平均重合度はJIS K6726に準じて分析を行ったところ1000であった。また、1,2−ジオール構造を含有する側鎖の導入量は、1H−NMR(内部標準:テトラメチルシラン、溶媒:DMSO−d6)で測定して算出したところ4.0モル%であり、融点は182℃であった。
かかるPVA系樹脂(A3)を用い、実施例1と同様にして積層構造体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶(1m3)に、酢酸ビニル260kg、メタノール78.0kg、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン20.81kgを仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.06モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。その後、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの20%メタノール溶液をHANNA法に従って11時間かけて31.75kg滴下し、酢酸ビニルの重合率が95%となった時点で、重合禁止剤としてm−ジニトロベンゼン10ppm(対仕込み酢酸ビニル)を加え、重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1-ブテンの合計量1モルに対して9ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出して、粒子状となった時点で濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A4)を得た。
得られたPVA系樹脂(A4)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び残存3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ99.6モル%であり、平均重合度はJIS K6726に準じて分析を行ったところ800であった。また、1,2−ジオール構造を含有する側鎖の導入量は、1H−NMR(内部標準:テトラメチルシラン、溶媒:DMSO−d6)で測定して算出したところ5モル%であり、融点は192℃であった。
かかるPVA系樹脂(A4)を用い、実施例1と同様にして積層構造体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5
実施例3のPVA系樹脂(A3)の製造において、ケン化時の水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液の添加量を、共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1-ブテンの合計量1モルに対して5ミリモルとした以外は実施例3と同様にしてPVA系樹脂(A5)を得た。
得られたPVA系樹脂(A5)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び残存3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ90モル%であり、平均重合度はJIS K6726に準じて分析を行ったところ1000であった。また、1,2−ジオール構造を含有する側鎖の導入量は、1H−NMR(内部標準:テトラメチルシラン、溶媒:DMSO−d6)で測定して算出したところ4モル%であり、融点は163℃であった。
かかるPVA系樹脂(A5)を用い、実施例1と同様にして積層構造体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶(1m3)に、酢酸ビニル260kg、メタノール10.4kg、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン59.59kgを仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.10モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。その後、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの20%メタノール溶液をHANNA法に従って12時間かけて87.58kg滴下し、酢酸ビニルの重合率が95%となった時点で、重合禁止剤としてm−ジニトロベンゼン10ppm(対仕込み酢酸ビニル)を加え、重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1-ブテンの合計量1モルに対して8ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出して、粒子状となった時点で濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A4)を得た。
得られたPVA系樹脂(A4)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び残存3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ99.8モル%であり、平均重合度はJIS K6726に準じて分析を行ったところ500であった。また、1,2−ジオール構造を含有する側鎖の導入量は、1H−NMR(内部標準:テトラメチルシラン、溶媒:DMSO−d6)で測定して算出したところ12モル%であり、DSCのセカンドランによる融点ピークは存在しない。
かかるPVA系樹脂(A4)を用い、実施例1と同様にして積層構造体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7
PVA系樹脂(A2)に第二リン酸カリウム150ppm、酢酸カリウム150ppmを加え、実施例1と同様にペレット化を行い、同様に積層構造体を得て、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、PVA系樹脂(A1)に替えてケン化度99.0モル%、平均重合度1100、融点230℃の未変性PVAを用い、実施例1と同様にして積層構造体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
ただし、ガスバリア性については、延伸時にクラックが生じたため測定不能であった。
なお、ペレット化および積層構造体の製造における押出温度条件は、PVA系樹脂の融点に応じて下記のように条件を変更して行った。
[ペレット化]
押出温度 C1:220℃
C2:225℃
C3:230℃
C4:230℃
H(ヘッド):220℃
D(ダイ):220℃
[積層構造体の製造]
押出温度 C1:220℃〔PVA系樹脂(A5)〕
C2:198℃〔〃〕
C3:198℃〔〃〕
C4:198℃〔〃〕
A(アダプター):200℃
D(ダイ):200℃
Figure 2006312313
本発明の積層構造体は共押出成形が可能で、かかる成形時のロングラン成形性に優れ、ガスバリア性、延伸性に優れ、層間接着性が良好であるため延伸による層剥離やクラック、ボイド、延伸むらがおこらず、耐屈曲性も良好であることから、飲食品、医薬品、化学薬品などの酸素によって品質が劣化しうる物品の包装用材料として好適である。


Claims (12)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂(A)を含有する層と熱可塑性樹脂(B)を含有する層を有する積層構造体において、ポリビニルアルコール系樹脂(A)が、ビニルエステル系モノマーと下記一般式(1)で示される化合物との共重合体をケン化して得られる、側鎖に1,2−ジオール構造を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)であることを特徴とする積層構造体。
    Figure 2006312313

    [式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子またはR9−CO−(式中、R9はアルキル基である)を示す]
  2. 一般式(1)で示される化合物が、3,4−ジアシロキシ−1−ブテンであることを特徴とする請求項1記載の積層構造体。
  3. ポリビニルアルコール系樹脂(A)の融点が200℃以下であるか、または無定形であることを特徴とする請求項1または2記載の積層構造体。
  4. ポリビニルアルコール系樹脂(A)中の1,2−ジオール構造を含有する構造単位の含有量が、全ビニル構造単位に対して4〜15モル%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の積層構造体。
  5. ポリビニルアルコール系樹脂(A)のケン化度が95モル%以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の積層構造体。
  6. ポリビニルアルコール系樹脂(A)を含有する層が、さらにアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の積層構造体。
  7. アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩の含有量が、ポリビニルアルコール系樹脂(A)に対して5〜3000ppmであることを特徴とする請求項6記載の積層構造体。
  8. 熱可塑性樹脂(B)がポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の積層構造体。
  9. 中間層がポリビニルアルコール系樹脂(A)を含有する層であり、両外層が熱可塑性樹脂(B)を含有する層であることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の積層構造体。
  10. ポリビニルアルコール系樹脂(A)を含有する層と熱可塑性樹脂(B)を含有する層の間に、接着性樹脂層が設けられてなることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の積層構造体。
  11. 共押出成形によって得られたことを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の積層構造体。
  12. 少なくとも一軸方向に延伸されてなることを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の積層構造体。







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