JP2011057549A - 点火プラグ - Google Patents
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Abstract
能が高い抵抗体形成用ガラス組成物を創案することにより、小型の点火プラグの信頼性お
よび生産性を向上させること。
【解決手段】本発明の抵抗体形成用ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、Si
O2 40〜60%、B2O3 28〜43%、Li2O+Na2O+K2O 0〜20
%、MgO+SrO 1〜25%含有することを特徴とし、好ましくは25℃、1MHz
における誘電率が5.5以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
抵抗体形成用ガラス組成物に関する。
。図1に示すように、抵抗体入り点火プラグは、絶縁碍子(図示せず)の内孔中に端子電
極1と接する導電ガラス体2aと、中心電極3と接する導電ガラス体2bとの間に抵抗体
4を介在させたものである。点火プラグに抵抗体を導入すると、点火プラグの点火時に発
生する高周波雑音電波の漏洩を抑制することができる。
端に中心電極3を挿入し、所定量の導電ガラス体材料を絶縁碍子の内孔に充填した後、導
電ガラス体材料にプレス圧力を加え、導電ガラス体材料の表面を平坦にする。次に、導電
ガラス体材料上に、所定量の抵抗体材料を充填した後、抵抗体材料にプレス圧力を加え、
抵抗体材料の表面を平坦にする。その後、抵抗体材料上に導電ガラス体材料を所定量充填
する。ここで、導電ガラス体材料および抵抗体材料は、絶縁碍子の内孔に充填しやすくす
るために顆粒に加工されている。次いで、端子電極1を絶縁碍子の内孔の上端に挿入した
後、約900℃で加熱しながら端子電極1に荷重をかける、いわゆるホットプレス工程に
より、導電ガラス体材料および抵抗体材料を焼結させて導電ガラス体2a、2bおよび抵
抗体4を形成するとともに、導電ガラス体2a中に端子電極1の先端を圧入し、導電ガラ
ス体2b中に中心電極3の先端を圧入する。最後に、接地電極を備えたハウジングに絶縁
碍子を固定し、点火プラグとする。
末等からなる抵抗体材料を顆粒化したものが使用される。この抵抗体材料を用いて作製さ
れた抵抗体は、粗粒ガラス粉末やセラミック粉末がその原型を留めるとともに、これらの
粒子の間隙に、微粒ガラス粉末が溶融固化した結合ガラス相が存在した状態となる。また
結合ガラス相中には導電粉末が分散しており、粗粒ガラス粉末は導電パスを曲折(迂回)
させるブロック粒子として機能する(例えば特許文献1、2参照)。そして、導電パスを
曲折させると、抵抗体の高周波雑音電波の吸収能が高まることが知られている。
かし、点火プラグが小型化されると、絶縁碍子の内孔に形成される抵抗体の含有量を減少
させる必要があるため、換言すれば、点火プラグ内部で高周波雑音電波を吸収する粗粒ガ
ラス粉末等の含有量(ガラス層)を減少させる必要があるため、このことに起因して、抵
抗体は、高周波雑音電波の漏洩を抑制し難くなる。なお、点火プラグの点火時には、高周
波雑音電波が発生するが、この高周波雑音電波が多量に漏洩すれば、車載用のTV、ラジ
オ、無線等を妨害するおそれがある。
「本発明のスパークプラグは、軸方向に延びる貫通孔を有し、該貫通孔が第1貫通孔及び
該第1貫通孔よりも後端側に当該第1貫通孔よりも孔径が大きい第2貫通孔となる絶縁体
と、前記絶縁体の第1貫通孔内に配置される中心電極と、前記絶縁体の第2貫通孔内に配
置される端子金具と、を備えるスパークプラグであって、前記第2貫通孔内に、導電性セ
ラミック焼結体で形成されると共に、前記中心電極と前記端子金具とを電気的に接続する
セラミック焼結体抵抗器が配置されてなり、前記セラミック焼結体抵抗器の軸方向長さが
前記第2貫通孔の軸方向長さの40%以上であることを特徴とする。本発明では、このよ
うな抵抗体として予め焼結されたセラミック焼結体抵抗器を絶縁体の第2貫通孔に挿入す
るものとすることで、従来のような製造上の長さの制約を受けず、セラミック焼結体抵抗
器の長さを十分に長くすることができる。これにより、中心電極と端子電極との間の実効
誘電率を小さくし、点火時に発生する容量放電電流を小さくし、雑音防止効果を大きくす
ることができる。そして、セラミック焼結体抵抗器の長さ(LR)を第2貫通孔の長さ(
LH)の40%以上とする((LR/LH)×100≧40)ことで、中心電極と端子電
極との間の実効誘電率を小さくし、点火時に発生する容量放電電流を小さくし、十分な雑
音防止効果を得ることが可能となる。なお、セラミック焼結体抵抗器の長さ(LR)が第
2貫通孔の長さ(LH)の40%未満であると、十分な効果を得られにくい。さらに、よ
り好ましいセラミック焼結体抵抗器の長さ(LR)は、第2貫通孔の長さ(LH)の50
%以上である((LR/LH)×100≧50)。」と記載されている通り、点火プラグ
の構造を最適化することにより、端子電極と中心電極間の実効誘電率を低下させて、高周
波雑音電波の発生を防止することが示されている。しかし、このような最適化を行ったと
しても、十分には高周波雑音電波の漏洩を抑制することができない。
入時の摩擦抵抗が大きくなることから、端子電極を圧入し難くなり、抵抗体の抵抗値のば
らつきやすくなる。加えて、ホットプレス温度の変動に対しても影響を受けやすくなり、
さらに抵抗体の抵抗値がばらつきやすくなると考えられる。なお、点火プラグの製造工程
において、ホットプレス温度を厳密に規制することは困難であり、ホットプレス温度は、
ある程度の変動幅で管理せざるを得ないのが実情である。
音電波の吸収能が高い抵抗体形成用ガラス組成物を創案することにより、小型の点火プラ
グの信頼性および生産性を向上させることを技術的課題とする。
低下させること、具体的にはMgOとSrOのいずれかをガラス組成に導入することによ
り、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。す
なわち、本発明の抵抗体形成用ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、SiO2
40〜60%、B2O3 28〜43%、Li2O+Na2O+K2O(Li2OとN
a2OとK2Oの合量) 0〜20%、MgO+SrO(MgOとSrOの合量) 1〜
25%含有することを特徴とする。
このようにすれば、ガラスの誘電率を低下できるため、ガラスの高周波雑音電波の吸収能
を顕著に高めることができ、その結果、点火プラグの小型化を容易に図ることができる。
また、このようにすれば、ガラスの屈伏点を不当に上昇させずに、ガラスの熱的安定性を
向上させつつ、ガラスの熱膨張係数を下げることができる。
.5以下であることに特徴付けられる。このようにすれば、ガラスの高周波雑音電波の吸
収能が顕著に向上し、抵抗体中のガラスの含有量が少なくても、高周波雑音電波を十分に
吸収できるため、点火プラグを小型化しやすくなる。ここで、「25℃、1MHzにおけ
る誘電率」は、50×50×3mmのガラス基板(ガラス粉末を緻密に焼結させたもの)
、或いは50×50×3mmのガラスインゴットを測定試料として用い、光学研磨された
ガラス基板の表裏面に30mmφの電極を貼り付け、電極間に電圧を印加して測定した値
を指す。
きる点に着目し、そのためには上記のようにガラス組成範囲を規制すればよいことを見出
した。これにより、中心電極―端子電極間の実行誘電率が小さくなり、点火プラグの点火
時に発生する容量放電電流を小さくすることができ、結果として、高周波雑音電波の吸収
能を向上させることができる。
0.0018より大きいことを特徴とする。このようにすれば、ガラスの高周波雑音電波
の吸収能が向上させることができるため、点火プラグを小型化しやすくなる。ここで、「
25℃、1MHzにおける誘電正接」は、50×50×3mmのガラス基板(ガラス粉末
を緻密に焼結させたもの)、或いは50×50×3mmのガラスインゴットを測定試料と
して用い、光学研磨されたガラス基板の表裏面に30mmφの電極を貼り付け、電極間に
電圧を印加して測定した値を指す。
音電波の吸収能が高まることを見出した。なお、このメカニズムの詳細は明らかではなく
、現在、鋭意調査中であるが、本発明者等は、ガラスの誘電正接が大きいと、点火プラグ
の点火時に、抵抗体の粗粒ガラスの界面において高周波雑音電波のエネルギーが熱エネル
ギーに変換されやすく、高周波雑音電波が減衰するものと推定している。
ることに特徴付けられる。ここで、「ガラス転移点」とは、押棒式熱膨張係数測定(TM
A)装置で測定した値を指す。
に特徴付けられる。ここで、「屈伏点」とは、TMA装置で測定した値を指す。
℃であることに特徴付けられる。ここで、「熱膨張係数」とは、TMA装置で測定した値
を指し、30〜380℃の温度範囲で測定した値を指す。
徴付けられる。このようにすれば、近年の環境的要請を満たすことができる。ここで、「
実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm以
下の場合を指す。
れる。
るガラス粉末を含有することに特徴付けられる。
。ここで、「分相特性を有する」とは、600〜900℃のいずれかの温度で10分間熱
処理を加えた場合にガラスが分相する場合を指し、例えば、TEM(Transmiss
ion Electron Microscope)等で観察すれば、ガラスが分相して
いるか否かを判定することができる。なお、抵抗体形成用ガラス粉末が、熱処理を加える
前に、既に分相している場合も「分相特性を有する」と判断する。
と、その他の成分からなる低粘性ガラス相とに分離する状態を指し、分相したガラスは、
通常、シリカリッチ相が骨格をなし、その間隙に低粘性ガラス相が存在する構造となる。
抵抗体形成用ガラス粉末が分相特性を有すると、粗粒ガラス粉末は、ホットプレス工程で
カーボンブラック、炭化チタン、窒化チタン、炭化珪素等の導電粉末をガラス中に溶解し
難くなる。一方、細粒ガラス粉末は、ホットプレス工程で導電粉末をガラス中に溶解する
。その結果、粗粒ガラス粉末の近傍に導電粉末からなる導電パスを形成することができる
。なお、ホットプレス工程で粗粒ガラス粉末が導電粉末を取り込まない理由は、ガラスの
分相性に起因していると考えられるが、詳細なメカニズムは不明であり、現在、鋭意調査
中である。また、抵抗体形成用ガラス粉末が分相特性を有すると、粗粒ガラス粉末は、ホ
ットプレス工程で低粘性ガラス相の軟化流動に起因して塑性変形が生じるものの、シリカ
リッチ相の存在によってその形状を維持することができ、ブロック粒子として機能するこ
とができる。
mであることに特徴付けられる。
理由を下記に示す。
に、ガラスの熱膨張係数を下げる成分であり、その含有量は40〜60%、好ましくは4
5〜55%、より好ましくは48〜52%である。SiO2の含有量が40%より少ない
と、ガラスが熱的に不安定になり、ガラスを安定生産し難くなることに加えて、ガラスの
熱膨張係数が上昇し過ぎて、抵抗体と導電ガラス体または絶縁碍子の界面で剥離またはク
ラックが発生しやすくなる。一方、SiO2の含有量が60%より多いと、ガラスの屈伏
点が不当に上昇し、ホットプレス工程でガラスが変形し難くなり、端子浮き等の不具合が
発生しやすくなる。
に、ガラスの屈伏点を下げる成分であり、更にはガラスを分相させるための成分であり、
その含有量は28〜43%、好ましくは32〜39%、より好ましくは33〜38%であ
る。B2O3の含有量が28%より少ないと、ガラスが熱的に不安定になり、ガラスを安
定生産し難くなることに加えて、ガラスの屈伏点が不当に上昇し、ホットプレス工程でガ
ラスが変形し難くなり、端子浮き等の不具合が発生しやすくなる。一方、B2O3の含有
量が43%より多いと、ガラスの熱膨張係数が上昇し過ぎて、抵抗体と導電ガラス体また
は絶縁碍子の界面で剥離またはクラックが発生しやすくなる。
を促進させるための成分であり、その含有量は0〜20%、好ましくは0.1〜15%、
より好ましくは1〜10%、更に好ましくは3〜8%である。Li2O+Na2O+K2
Oの含有量が20%より多いと、ガラスの熱膨張係数が上昇し過ぎて、抵抗体と導電ガラ
ス体または絶縁碍子の界面で剥離またはクラックが発生しやすくなる。
成分であり、その含有量は0〜20%、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは1〜
7%、更に好ましくは3〜5%である。Li2Oの含有量が20%より多いと、ガラスの
熱膨張係数が上昇し過ぎて、抵抗体と導電ガラス体または絶縁碍子の界面で剥離またはク
ラックが発生しやすくなる。なお、ガラスの分相を促進させる観点から、ガラス組成中に
Li2Oを必須成分として1%以上、好ましくは3%以上含有させることが好ましい。
成分であり、その含有量は0〜20%、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜2%
である。Na2Oの含有量が20%より多いと、ガラスの熱膨張係数が上昇し過ぎて、抵
抗体と導電ガラス体または絶縁碍子の界面で剥離またはクラックが発生しやすくなる。
分であり、その含有量は0〜20%、好ましくは0〜15%、好ましくは0〜5%、より
好ましくは0〜2%である。K2Oの含有量が20%より多いと、ガラスの熱膨張係数が
上昇し過ぎて、抵抗体と導電ガラス体または絶縁碍子の界面で剥離またはクラックが発生
しやすくなる。
る成分であり、またホットプレス温度が変動すると、点火プラグの抵抗値がばらつく不具
合を防止する成分であり、その含有量は1〜25%、好ましくは3〜20%、より好まし
くは4〜14%である。MgO+SrOの含有量が25%より多いと、ガラスの熱膨張係
数が上昇し過ぎて、抵抗体と導電ガラス体または絶縁碍子の界面で剥離またはクラックが
発生しやすくなる。一方、MgO+SrOの含有量が1%より少ないと、ガラスの高周波
雑音電波の吸収能が低下し、その結果、点火プラグを小型化することが困難になる。また
、MgO+SrOの含有量が1%より少ないと、ガラスの屈伏点が不当に上昇し、ホット
プレス工程でガラスが変形し難くなり、端子浮き等の不具合が発生しやすくなる。
成分であり、またガラスの分相を促進させるための成分であり、その含有量は0〜20%
、好ましくは0〜15%、より好ましくは1〜8%である。MgOの含有量が20%より
多いと、ガラスの熱的安定性が低下しやすくなることに加えて、ガラスの熱膨張係数が上
昇し過ぎて、抵抗体と導電ガラス体または絶縁碍子の界面で剥離またはクラックが発生し
やすくなる。なお、ガラスの高周波雑音電波の吸収能を高める観点から、ガラス組成中に
MgOを必須成分として1%以上含有させることが好ましい。
下させる成分である。また、SrOは、ホットプレス温度が変動すると、点火プラグの抵
抗値がばらつく不具合を防止する成分であり、その含有量は0〜25%、好ましくは1〜
20%、より好ましくは3〜15%、より好ましくは4〜13%である。SrOの含有量
が25%より多いと、ガラスの熱膨張係数が上昇し過ぎて、抵抗体と導電ガラス体または
絶縁碍子の界面で剥離またはクラックが発生しやすくなる。なお、ガラスの高周波雑音電
波の吸収能を高める観点から、ガラス組成中にSrOを必須成分として1%以上、望まし
くは3%以上含有させることが好ましい。
、以下の成分を含有させることができる。
る成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜5%である。Al2O3の含有
量が10%より多いと、ガラスの屈伏点が不当に上昇し、ホットプレス工程でガラスが変
形し難くなり、端子浮き等の不具合が発生しやすくなる。
成分であり、その含有量は0〜20%、好ましくは0〜15%、より好ましくは0〜10
%である。CaOの含有量が20%より多いと、ガラスの熱膨張係数が上昇し過ぎて、抵
抗体と導電ガラス体または絶縁碍子の界面で剥離またはクラックが発生しやすくなる。
すると、点火プラグの抵抗値がばらつく不具合を防止する成分であり、その含有量は0〜
25%、好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜15%である。BaOの含有量が2
5%より多いと、ガラスの誘電率が上昇し、ガラスの高周波雑音電波の吸収能が低下する
。また、BaOの含有量が25%より多いと、ガラスの熱膨張係数が上昇し過ぎて、抵抗
体と導電ガラス体または絶縁碍子の界面で剥離またはクラックが発生しやすくなる。なお
、ガラスの誘電率を確実に低下させる観点から、ガラス組成として、BaOの含有量は1
5%以下、望ましくは10%以下、より望ましくは実質的に含有しないことが好ましい。
ここで、「実質的にBaOを含有しない」とは、ガラス組成中のBaOの含有量が300
0ppm以下の場合を指す。
させるための成分であると同時に、ガラスの誘電率に影響を与える成分である。アルカリ
土類金属酸化物のイオン半径が小さい程、ガラスが分相しやすくなり、具体的にはMgO
、CaO、SrO、BaOの順で、ガラスが分相しやすくなる。ガラスの分相傾向が高く
なると、熱処理温度の小さな変化に対しても、分相状態が大きく変動しやすくなり、その
影響により、ホットプレス温度が変動すると、点火プラグの抵抗値がばらつく不具合が生
じやすくなる。一方、アルカリ土類金属酸化物の分子量が小さい程、ガラスの誘電率が小
さくなり、具体的にはMgO、CaO、SrO、BaOの順で、ガラスの誘電率が小さく
なる。誘電率、分相、屈伏点等の特性を総合的に考慮すると、本願明細書の段落[003
3]に記載の通り、ガラス組成中のMgO+SrOの含有量を1〜25%、好ましくは3
〜20%、より好ましくは4〜14%に規制すべきである。このようにすれば、高周波雑
音電波の吸収能を飛躍的に高めることができ、更には点火プラグの抵抗値がばらつく不具
合を防止することができ、結果として、点火プラグの信頼性および生産性を向上させるこ
とができる。
0%まで添加することができる。例えば、TiO2、ZrO2、Bi2O3、Cs2O、
La2O3、Gd2O3、V2O5、WO3、Sb2O3、SnO2、Nb2O5、Y2
O3、CeO2、P2O5等を20%、好ましくは10%まで添加することができる。な
お、本発明の抵抗体形成用ガラス組成物は、PbOの含有を完全に排除するものではない
が、既述の通り、環境的観点から実質的にPbOを含有しないことが好ましい。
.5以下が好ましく、5.4以下がより好ましく、5.3以下が更に好ましい。25℃、
1MHzにおける誘電率が5.5より大きいと、ガラスの高周波雑音電波の吸収能が低く
なり、点火プラグを小型化した場合、高周波雑音電波を十分に吸収し難くなり、車載用の
TV、ラジオ、無線等を妨害するおそれがある。
0.018より大きいことが好ましく、0.0020以上がより好ましく、0.0025
以上が更に好ましい。25℃、1MHzにおける誘電正接が0.0018より小さいと、
ガラスの高周波雑音電波の吸収能を高め難くなり、点火プラグを小型化した場合、高周波
雑音電波を十分に吸収し難くなり、車載用のTV、ラジオ、無線等を妨害するおそれがあ
る。
しく、2.50g/cm3以下がより好ましく、2.45g/cm3以下が更に好ましい
。密度が小さい程、ガラスを軽量化することができ、結果として、点火プラグを軽量化す
ることができる。
しく、500〜550℃がより好ましく、505〜540℃が更に好ましい。ガラス転移
点が490℃より低いと、ホットプレス工程で粗粒ガラス粉末が導電粉末を溶解しやすく
なるため、粗粒ガラス粉末が導電路を迂回させるブロック粒子として機能し難くなり、抵
抗体の高周波雑音電波の吸収能が低下しやすくなる。一方、ガラス転移点が590℃より
高いと、ホットプレス工程でガラスが変形し難くなり、端子浮き等の不具合が発生しやす
くなる。
540〜650℃がより好ましく、550〜600℃が更に好ましい。屈伏点が530℃
より低いと、ホットプレス工程で粗粒ガラス粉末が導電粉末を溶解しやすくなるため、粗
粒ガラス粉末が導電路を迂回させるブロック粒子として機能し難くなり、抵抗体の高周波
雑音電波の吸収能が低下しやすくなる。一方、屈伏点が700℃より高いと、ホットプレ
ス工程でガラスが変形し難くなり、端子浮き等の不具合が発生しやすくなる。
が好ましく、45〜58×10−7/℃がより好ましく、53〜58×10−7/℃が更
に好ましい。熱膨張係数を40×10−7/℃より低くするためには、ガラス組成中のS
iO2等の含有量を増加させる必要があるため、このような場合、ガラスの屈伏点が高く
なることに起因して、ホットプレス工程でガラスが変形し難くなり、端子浮き等の不具合
が発生しやすくなる。一方、熱膨張係数が60×10−7/℃より高いと、抵抗体と導電
ガラス体または絶縁碍子の界面で剥離またはクラックが発生しやすくなる。
粉末を用いる。ガラス粉末に加工すれば、ホットプレス工程でガラスが変形しやすくなる
とともに、顆粒に加工すれば、絶縁碍子の内孔に抵抗体材料を充填しやすくなる。
は、既述であるため、ここでは、便宜上、その記載を省略する。
好ましく、200〜350μmがより好ましい。ガラス粉末の粒度を150〜450μm
にすれば、ブロック粒子として適正に機能することができる。ガラス粉末の粒度が150
μmより小さいと、ホットプレス工程でガラス粉末が導電粉末を溶解し、粗粒ガラス粉末
が導電路を迂回させるブロック粒子として機能し難くなり、抵抗体の高周波雑音電波の吸
収能が低下しやすくなる。一方、ガラス粉末の粒度が450μmより大きいと、顆粒に加
工し難くなり、絶縁碍子の内孔にガラス粉末を充填し難くなることに加えて、ホットプレ
ス工程でガラス粉末が変形し難くなり、端子浮き等の不具合が発生しやすくなる。ここで
、「150〜450μmの粒度」とは、目開き450μmの篩を通過し、目開き150μ
mの篩を通過しないことを意味する。
450μmが好ましく、200〜350μmがより好ましい。ガラス粉末の平均粒子径D
50を150〜450μmにすれば、ブロック粒子として適正に機能することができる。
ガラス粉末の平均粒子径D50が150μmより小さいと、ホットプレス工程でガラス粉
末が導電粉末を溶解し、粗粒ガラス粉末が導電路を迂回させるブロック粒子として機能し
難くなり、抵抗体の高周波雑音電波の吸収能が低下しやすくなる。一方、ガラス粉末の平
均粒子径D50が450μmより大きいと、顆粒に加工し難くなり、絶縁碍子の内孔にガ
ラス粉末を充填し難くなることに加えて、ホットプレス工程でガラス粉末が変形し難くな
り、端子浮き等の不具合が発生しやすくなる。ここで、「平均粒子径D50」とは、レー
ザー回折法で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度
分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す
。
使用することができる。その場合、ガラス粉末の平均粒子径D50は150μm未満が好
ましく、100μm以下がより好ましい。ガラス粉末の平均粒子径D50が150μm以
上であると、ホットプレス工程でガラス粉末が溶融し難くなり、端子浮き等の不具合が発
生しやすくなる。なお、粗粒ガラス粉末と細粒ガラス粉末を同一のガラス組成とすれば、
ホットプレス工程で両者が強固に結合するため、抵抗体の機械的強度を高めることができ
る。
μm以下が好ましく、400μm以下がより好ましい。ガラス粉末の平均粒子径Dmax
が450μmより大きいと、絶縁碍子の内孔が細径化された場合に、絶縁碍子の内孔にガ
ラス粉末を充填し難くなる。ここで、「最大粒子径Dmax」は、レーザー回折法で測定
した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において
、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
抵抗体形成用ガラス粉末は、ガラス粉末の充填量を減らしても、高周波雑音電波を十分に
吸収できるため、点火プラグが小型化された場合に有利である。
料No.1〜17)、比較例(試料No.18)を示している。なお、試料No.18は
、従来の抵抗体形成用ガラス粉末である。
バッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1300℃で2時間溶融した。次に、溶融ガラ
スの一部をカーボン製の型に流し出し、板状のガラス試料を得た。また、水冷ローラーに
より、溶融ガラスの一部を薄片状に成形した後、ボールミルにて粉砕後、試験篩で分級し
、各ガラス粉末を得た。
体積抵抗率、ブロック粒子としての機能、焼結性、分相性を評価した。
ラス粉末を焼結させたものを使用した。
MAの測定試料は、ガラス粉末を焼結させたものを使用した。
緻密に焼結させたもの)を測定試料として用い、ガラス基板の表裏面に30mmφの電極
を貼り付け、電極間に電圧を印加して測定した。測定条件は、25℃、1MHzとし、ガ
ラス基板の表裏面を光学研磨した。
mm×0.7mm厚のガラス基板(ガラス粉末を緻密に焼結させたもの、表裏面を光学研
磨)を測定試料とした。このガラス基板の表裏面に、蒸着法で金属Al膜を形成し、厚み
約2000nmの電極を形成した。主電極は直径29mmの円形、ガード電極は外径44
mm、内径31mmの環状、ボトム電極は直径44mmの円形とした。次いで、表中の各
温度の体積抵抗率を測定した。なお、体積抵抗率は、参考のために示すものであり、ガラ
スの導電性を示す指標となり得る値である。
質量の各ガラス粉末(粒度150〜450μm、平均粒子径D50=300μm)にカー
ボンブラックを5質量%添加した試料を金型により外径20mmのボタン状にプレスした
。続いて、得られたボタン試料をアルミナ基板で挟んだ後、900℃に保持された電気炉
に投入し、100kg/cm2のプレス圧力を加えて10分間加熱し、次いで電気炉から
ボタン試料を取り出し、得られたボタン試料の外観を観察することで評価した。ガラス粉
末が多少変形しているが、完全に溶融しておらず、ガラス中にカーボンブラックが溶解し
ていないものを「○」とし、ガラス粉末が完全に溶融し、或いはガラス中にカーボンブラ
ックが溶解しているものを「×」として評価した。
を金型により外径20mmのボタン状にプレスし、次に得られたボタン試料をアルミナ基
板上に載置した後、電気炉で20℃/分で昇温し、900℃で10分間保持した上で、2
0℃/分の速度で降温し、得られたボタン試料の外観を観察することで評価した。ボタン
試料が光沢を有しており、ボタン試料の直径が17.8mm以下のものを「○」とし、ボ
タン試料に光沢がなく、或いはボタン試料の直径が17.8mmより大きいのものを「×
」として評価した。
ることで評価した。ガラスが分相しているものを「○」、分相していないものを「×」と
した。
係数、誘電率、誘電正接、ブロック粒子としての機能、焼結性および分相性の評価が良好
であった。特に、試料No.1〜17は、誘電率が低いため、端子電極と中心電極間の実
効誘電率を低下させることができ、結果として、点火プラグを小型化しても、高周波雑音
電波を的確に吸収することができると考えられる。一方、試料No.18は、ガラス組成
中にMgO+SrOを含有していないため、誘電率が高く、点火プラグを小型化すると、
高周波雑音電波が漏洩してしまうと考えられる。
絶縁碍子の内孔に抵抗体を形成するための粗粒ガラス粉末、或いは微粒ガラス粉末として
好適である。
2a、2b 導電ガラス体
3 中心電極
4 抵抗体
Claims (11)
- ガラス組成として、質量%で、SiO2 40〜60%、B2O3 28〜43%、L
i2O+Na2O+K2O 0〜20%、MgO+SrO 1〜25%含有することを特
徴とする抵抗体形成用ガラス組成物。 - 25℃、1MHzにおける誘電率が5.5以下であることを特徴とする請求項1に記載
の抵抗体形成用ガラス組成物。 - 25℃、1MHzにおける誘電正接が0.0018より大きいことを特徴とする請求項
1または2に記載の抵抗体形成用ガラス組成物。 - ガラス転移点が490〜590℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載の抵抗体形成用ガラス組成物。 - 屈伏点が530〜700℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の抵
抗体形成用ガラス組成物。 - 熱膨張係数が40〜60×10−7/℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
かに記載の抵抗体形成用ガラス組成物。 - 実質的にPbOを含有しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の抵抗体
形成用ガラス組成物。 - 点火プラグに用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の抵抗体形成用ガ
ラス組成物。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の抵抗体形成用ガラス組成物からなるガラス粉末を含有
することを特徴とする抵抗体形成用ガラス粉末。 - 分相特性を有することを特徴とする請求項9に記載の抵抗体形成用ガラス粉末。
- ガラス粉末の粒度が150〜450μmであることを特徴とする請求項9または10に
記載の抵抗体形成用ガラス粉末。
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