JP2011039504A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光体1Kと中間転写ベルト8とを1つの共通駆動モータ160で駆動して低コスト化を図るとともに、その共通駆動モータ160によって駆動が伝達される感光体1Kの1周回を1周期とする周期的な伸縮による画像の乱れを抑える。
【解決手段】感光体1Kと中間転写ベルト8とを1つの共通駆動モータ160で駆動するように駆動伝達系を構成し、感光体1Kの回転角変位を検知するエンコーダーを設け、且つ、共通駆動モータ160を等速で駆動した状態で形成したパターン画像をパターンセンサ90によって検知した結果に基づいてベルト上画像の伸縮パターンを把握し、把握結果に基づいて、前記伸縮パターンを打ち消し得る潜像伸縮パターンを露光ポイントSPで潜像に発生させる共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンを求める処理を実施する制御手段を設けた。
【選択図】図4

Description

本発明は、潜像担持体の表面上の可視像を、搬送手段によって搬送されている転写体に転写する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
従来、この種の画像形成装置として、潜像担持体たるドラム状の感光体の表面上に形成したトナー像を、転写体たる無端状のベルト部材の表面に転写するものが知られている。ベルト部材は、複数のローラに掛け回された状態で駆動ローラの回転駆動に伴って無端移動せしめられる。かかる構成において、ドラム状の感光体の回転軸に固定された駆動受入ギヤとしての感光体ギヤに偏心があると、感光体1回転あたりに1周期分のサインカーブを描く特性の速度変動を感光体に発生させてしまう。感光体にこのような速度変動が起こると、感光体に対して潜像が本来の形状よりも伸縮して書き込まれたり、感光体上のトナー像がベルト部材に対して本来の形状よりも伸縮して転写されたりして、画像の形状が乱れてしまう。
そこで、特許文献1に記載の画像形成装置は、画像の乱れを次のようにして抑えるようになっている。即ち、所定のタイミングで、速度変動波形検出用のパターン画像を感光体上に形成し、それをベルト部材の表面に転写する。このパターン画像は、複数のパッチ状のトナー像を感光体表面移動方向に並べたものであり、感光体に速度変動が生じていなければ、それらのトナー像が等間隔に並ぶ。これに対し、感光体に速度変動が生じていると、ベルト部材上で各トナー像が等間隔で並ばなくなり、その間隔のズレは感光体の速度変動を反映している。ベルト上のトナー像を検知するフォトセンサからの出力に基づいて、その間隔のズレを検出することで、感光体のサインカーブ状の速度変動波形を検出する。そして、そのサインカーブ状の速度変動波形を打ち消し得る感光体駆動モータの駆動速度変化パターンを求めて、データ記憶手段に記憶しておく。プリントジョブの際には、感光体の回転軸に固定されたエンコーダーからの出力に基づいて、感光体の1回転周期における基準タイミングを把握する。そして、感光体駆動モータの駆動速度を、その基準タイミングと、予め記憶しておいた駆動速度変化パターンとに基づいて微調整する。この微調整により、感光体の速度変動をほぼ無くすことで、画像の乱れを抑えることができる。
低コスト化や省スペース化が求められる近年においては、複数の機器で駆動源を共用することが望ましい。複数の機器で駆動源を共用する態様の1つとして、感光体と、ベルト部材を無端移動させる駆動ローラとを、1つのモータで駆動することが挙げられる。しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置のように、モータの駆動速度を微調整するものにおいては、感光体と駆動ローラとを1つのモータで駆動すると、モータの駆動速度の微調整により、感光体のみならず、ベルト部材の速度まで変化させてしまう。すると、モータの駆動速度を微調整して感光体の速度変動を無くしたとしても、その微調整に伴ってベルトの速度変動をきたすことから、ベルト速度変動による新たな画像の乱れを発生させてしまう。このため、本発明者らは、感光体を駆動するモータの駆動速度を微調整する構成において、感光体とベルト部材とを1つのモータで駆動することは困難であると考えていた。
ところが、本発明者らは、感光体の速度変動と、画像の伸縮との関係について鋭意研究を行ったところ、感光体とベルト部材とを1つのモータで駆動する構成を採用しても、そのモータの駆動速度の微調整により、画像の乱れを有効に抑え得ることを見出した。具体的には、図12は、潜像担持体たるドラム状の感光体501と、その周囲構成との一例を示す構成図である。同図において、ドラム状の感光体501は、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される。感光体501の周面に対しては、所定の回転位置である露光ポイントSPで光書込用のレーザー光Lが照射され、これによって感光体501表面に静電潜像が書き込まれる。潜像書込位置としての露光ポイントSPで書き込まれた静電潜像は、感光体501の回転に伴って図示しない現像装置との対向位置を通過する際に現像されてトナー像になる。このトナー像は、感光体501の回転に伴って、感光体501と中間転写ベルト508とが当接する転写ポイントTPに進入する。そして、転写ポイントTPで感光体501から中間転写ベルト508に転写される。以下、理解を容易にするために、露光ポイントSPと転写ポイントTPとを180[°]点対称の位置に設けた構成を例にして説明する。
同図に示す構成において、感光体501の回転軸に固定する図示しない感光体ギヤとして、偏心のある安価なものを用いたとする。感光体501を駆動するモータについては、中間転写ベルト508を駆動するモータとは別の専用モータとし、それを等速駆動したとする。すると、感光体501には、感光体ギヤの偏心に起因して、図13に示すような感光体1回転を1周期とするサインカーブ状の速度変動が発生する。このとき、別のモータで駆動される中間転写ベルト8の速度は、図14に示すように一定である。
図13に示すサインカーブの下側のピークを迎えた時点t1において、露光ポイントSPで書き込まれる静電潜像は、本来よりも感光体表面移動方向に収縮した形状になる。そして、この静電潜像は、現像装置によって現像されてトナー像になった後、時点t2に転写ポイントTPに進入して感光体501から中間転写ベルト508に転写される。このとき、感光体501の速度は、図13に示すように、サインカーブの上側のピークとなっている。中間転写ベルト8の速度は、図14に示したように感光体501の回転角度にかかわらず、ほぼ目標の速度で安定しているので、図13の時点t2では、感光体501の線速がベルト線速よりも速くなる。すると、感光体501上のトナー像が、それよりもベルト表面移動方向に収縮して中間転写ベルト8上に転写される。このようにして、画像は、露光ポイントSP、転写ポイントTPのそれぞれで収縮する。時点t1にて露光ポイントSPで書き込まれる画像について説明したが、時点t2にて露光ポイントSPで書き込まれる画像は、その逆に、露光ポイントSP(時点t2)、転写ポイントTP(時点t3)のそれぞれで引き伸ばされることになる。このように、感光体ギヤの偏心に起因する感光体501の速度変動が発生すると、露光ポイントSP、転写ポイントTPのそれぞれで、画像が伸縮する。
従来の画像形成装置では、感光体501を駆動するモータの駆動速度を図13に示すような感光体の速度変動を反転させた目標速度(以下、「従来の目標速度」という)に微調整して図13に示すサインカーブ状の速度変動をできるだけ低減することで、露光ポイントSPや転写ポイントTPにおける画像の伸縮をできるだけ抑えるようにしていた。
一方、本発明者らは、感光体501の速度変動を低減する代わりに、感光体501の速度を意図的に変動させることを考えた。例えば、感光体501の回転軸に固定する図示しない感光体ギヤとして、偏心が全く生じないように高精度に加工された高価なものを用いたとする。また、感光体501を回転駆動させる図示しないモータを、中間転写ベルト508の駆動源として共用したとする(以下、共通モータという)。かかる構成において、感光体ギヤの偏心に起因する感光体501の速度変動は発生しないが、共通モータの駆動速度を変動させて同様の速度変動を感光体501に意図的に発生させたとする。図15は、このときに発生する感光体501の速度変動を示すグラフである。また、図16は、このときに発生する中間転写ベルト8の速度変動を示すグラフである。感光体501と中間転写ベルト8とを1つの共通モータで駆動しているので、それらのグラフに示すように、感光体501と中間転写ベルト8とで互いに同じ振幅、且つ同じ位相の速度変動が発生する。
図15に示すサインカーブの上側のピークを迎えた時点t1において、露光ポイントSPで書き込まれる静電潜像は、本来よりも感光体表面移動方向に引き伸ばされた形状になる。そして、この静電潜像は、現像されてトナー像になった後、時点t2に転写ポイントTPに到達して感光体501から中間転写ベルト508に転写される。このとき、感光体501の速度は、図15に示すように、サインカーブの下側のピークとなっている。またこのとき、中間転写ベルト8の速度も、図16に示すようにサインカーブの下側のピークとなっている。よって、時点t2では、感光体501と中間転写ベルト508との間に線速差は発生しない。すると、転写ポイントTPにおいて、感光体501上のトナー像がそのまま伸縮することなく中間転写ベルト8上に転写される。このように、共通モータの駆動制御によって感光体501の速度を意図的に変動させても、感光体ギヤの偏心に起因する感光体501の速度変動とは異なり、転写ポイントTPで画像を伸縮させることはない。共用モータの駆動制御に起因する画像の伸縮は、露光ポイントSPだけで発生するのである。
例えば、図15の時点t1においては、共用モータの駆動制御により、感光体501の速度を従来の目標速度よりもサインカーブの振幅が2倍に相当する値だけ速くしている。このため、露光ポイントSPでは、潜像を本来よりもその値に相当する分の2倍に引き伸ばして書き込むことになる。このとき、転写ポイントTPにおいても、感光体501を従来の目標速度よりもサインカーブの振幅が2倍に相当する値だけ速くしているが、中間転写ベルト508も同じ値だけ速くしているので、感光体〜ベルト間で線速差を発生させていない。よって、共用モータの駆動制御に起因して転写ポイントTPで画像を伸縮させることはない。従って、感光体ギヤの偏心に起因する露光ポイントSP、転写ポイントTPの2箇所で生ずる画像の収縮に対して、露光ポイントSPの1箇所だけで画像(静電潜像)を2倍に引き伸ばして書き込むことで、その収縮を相殺することができる。
具体的には、既に述べたように、感光体ギヤの偏心に起因する画像の伸縮は、露光ポイントSPで生ずる伸縮と、転写ポイントTPで生ずる伸縮とが重畳されたものになる。重畳によってベルト上の画像に最終的に発生する画像伸縮パターンがどのようなものになるのかについては、従来から行われているように、パターン画像をセンサで検知した結果に基づいて把握することが可能である。その画像伸縮パターンが発生することを予め見込んで、その伸縮パターンとは逆位相の潜像伸縮パターンを露光ポイントSPで発生させ得る速度変動パターンで共通モータを駆動制御すれば、画像伸縮パターンを潜像伸縮パターンで相殺することができる。図12に示したように、露光ポイントSPと転写ポイントTPとを180[°]の位相角の位置関係で配設した場合には、図17に一点鎖線で示す速度変動パターンを発生させる駆動速度パターンで共通モータを駆動制御すればよい。感光体ギヤの偏心に起因して感光体501に発生する速度変動パターンに対して、逆位相で且つ振幅が2倍の速度変動パターンを発生させる駆動制御である。すると、感光体501に実際に発生する速度変動パターンは、図中実線で示すように、感光体ギヤの偏心に起因する速度変動パターン(点線グラフ)と、共通モータの駆動制御による速度変動パターン(一点鎖線グラフ)とを重畳したものとなる。より詳しくは、感光体ギヤの偏心に起因して感光体501に発生する速度変動パターンと逆位相で且つ振幅が等しいパターンとなる。このとき、中間転写ベルト508には、図18に示すように、共通モータの駆動制御による感光体速度変動パターンと全く同じ速度変動パターンが発生する。図17において、時点t1における実線グラフは上側のピークを迎えているので、このときに露光ポイントSPで書き込まれる静電潜像は本来よりも引き伸ばされた状態になる。そして、この静電潜像は、現像装置によって現像されてトナー像になった後、時点t2で転写ポイントTPに進入する。このとき、実線グラフは下側のピークを迎えている。一方、時点t2における中間転写ベルト508の速度も、図18に示すように下側のピークを迎えているが、その波高は図17の実線グラフの2倍になっている。よって、時点t2においては、中間転写ベルト508が感光体501よりも遅い速度で移動し、その線速差は感光体501の速度変動パターンの波高に等しくなる。このような線速差が転写ポイントTPで発生すると、先に露光ポイントSPで静電潜像に発生した引き伸ばし量と同じ量だけ、トナー像が収縮して中間転写ベルト508に転写される。これにより、露光ポイントSPにおける静電潜像の引き伸ばしが、転写ポイントTPにおけるトナー像の収縮で相殺されて、中間転写ベルト508上のトナー像は伸縮のない正しいサイズのものとなる。このようにして、共通モータの駆動制御によって露光ポイントSPで発生させた潜像伸縮パターンにより、感光体ギヤの偏心に起因して発生してしまう画像伸縮パターンを相殺することができる。
なお、露光ポイントSPと転写ポイントTPとを180[°]の位相角の関係で配設している図12の構成では、両ポイントでそれぞれ画像を引き伸ばしたり、両ポイントでそれぞれ画像を収縮させたりする。このため、ベルト上の画像に発生する画像伸縮パターンは、図15に示した感光体ギヤの偏心に起因する感光体速度変動パターンの2倍の振幅で且つ同位相のものとなる。このような画像伸縮パターンを相殺するには、それと同振幅且つ逆位相の潜像伸縮パターンを露光ポイントSPで発生させればよい。そして、そのために、図17に示したように、感光体ギヤの偏心に起因する感光体速度変動パターンの2倍の振幅で且つ逆位相となる速度変動パターンを、共用モータの駆動制御によって発生させている。露光ポイントSPと転写ポイントTPとの位相角を180[°]とは異なる値に設定した場合、ベルト上の画像に発生する画像伸縮パターンは、180[°]の場合とは異なってくる。例えば、位相角を90[°]に設定した場合には、ベルト上の画像に発生する画像伸縮パターンは、180[°]の場合に比べて振幅が7/10になる。その位相は感光体501の速度変動パターンに対して45[°]遅れる。かかる画像伸縮パターンを相殺し得る潜像伸縮パターンを露光ポイントSPで発生させるには、感光体ギヤの偏心に起因して発生する画像収縮パターンと同振幅且つ逆位相となる画像収縮パターンを露光ポイントSpで発生させ得る速度変動パターンを、共用モータの駆動制御によって発生させればよい。前述の位相角をどのような角度に設定したとしても、感光体ギヤの偏心に起因してベルト上の画像に発生する画像伸縮パターンは、感光体1回転を1周期とするサインカーブ状の特性を有するものとなる。そして、その画像伸縮パターンを相殺し得る潜像伸縮パターンを発生させるための共用モータの駆動速度変化パターンも、感光体1回転を1周期とするサインカーブ状の特性を有するものとなる。
これまで、感光体の速度変動に起因する画像の乱れについて説明してきたが、画像の乱れは、ベルト部材の速度変動によっても発生する。例えば、ベルト部材を駆動する駆動ローラが偏心していると、駆動ローラ1回転を1周期とするサインカーブ状の速度変動がベルト部材に発生し、これによってサインカーブ状の画像伸縮パターンが発生する。また、遠心成型法によるベルト部材では、成型時の型の偏心に起因して、ベルト1周を1周期とするサインカーブ状の厚みムラパターンがベルト周方向に発生する。このようなベルト部材を用いると、ベルト1周を1周期とするサインカーブ状の速度変動がベルト部材に発生し、これによってサインカーブ状の画像伸縮パターンが発生する。これらベルト部材の速度変動に起因する画像伸縮パターンは、潜像書込位置における感光体の速度変動とは関係なく、転写位置における感光体とベルト部材との線速差だけによって発生する。そして、かかる画像伸縮パターンについては、それと逆位相の潜像伸縮パターンを露光ポイントSPで発生させるように共用モータの駆動速度を微調整することで、打ち消すことが可能である。つまり、ベルト部材の速度変動に起因する画像の乱れについても、感光体とベルト部材とを駆動する共用モータの駆動速度を微調整すれば、解消することが可能なのである。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的はとするところは、次のような画像形成装置を提供することである。即ち、潜像担持体と、転写体を搬送するベルト駆動装置等の搬送手段とを1つの共通駆動源で駆動して低コスト化を図るとともに、その共通駆動源によって駆動が伝達される潜像担持体などの部材の1周回を1周期とする周期的な伸縮による画像の乱れを抑えることができる画像形成装置である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像情報を受信する受信手段と、自らの移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、前記画像情報に基づいて、前記潜像担持体の表面のうち、所定の潜像書込位置に移動した箇所に対して潜像を書き込む潜像書込手段と、前記表面上の潜像を現像して可視像を得る現像手段と、前記潜像担持体の表面のうち、所定の転写位置に移動した箇所に担持されている可視像部分を転写体に転写する転写手段と、前記転写体を前記転写位置における前記表面の移動方向と同じ方向に搬送する搬送手段と、前記転写体の表面上に転写された可視像を検知する像検知手段とを備える画像形成装置において、前記潜像担持体と前記搬送手段とを1つの共通駆動源で駆動するように駆動伝達系を構成し、前記駆動伝達系の各部材のうち、自らの回転移動又は無端移動に伴ってその周回の周期と同じ周期で前記潜像担持体又は転写体の速度を増減させる速度変動パターンを発生させてしまう部材、の周軌道内における位置を検知する位置検知手段を設け、且つ、前記共通駆動源を等速で駆動した状態で、前記周期で発生してしまう画像の伸縮パターンを検出するためのパターン画像を前記潜像担持体の表面に形成して前記転写体に転写し、前記転写体上の前記パターン画像を前記像検知手段によって検知した結果に基づいて前記伸縮パターンを把握し、把握結果に基づいて、前記伸縮パターンを打ち消し得る潜像伸縮パターンを前記潜像書込位置で潜像に発生させる前記共通駆動源の駆動速度変動パターンを求める処理を、前記画像情報に基づく画像を形成するためのプリントジョブ実行時とは別のタイミングで実施した後、プリントジョブにて、前記位置検知手段による検知結果及び前記駆動速度変動パターンに基づいて前記共通駆動源を駆動する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記駆動速度変動パターンとして、前記パターン画像の検知結果に基づいて把握した前記伸縮パターンに対して同振幅且つ逆位相となる潜像伸縮パターンを前記潜像書込位置で発生させるものを求める処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置であって、前記潜像担持体が回転駆動される円柱状の円柱状潜像担持体であり、前記速度変動パターンが、前記円柱状潜像担持体に発生する1回転あたりの速度変動パターンであり、該速度変動パターンを発生させてしまう部材が、前記円柱状潜像担持体の回転軸線上で回転しながら、原動側の回転駆動力を前記円柱状潜像担持体に伝達する回転部材であり、且つ、前記位置検知手段が、前記回転部材の回転位置を検出するものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの画像形成装置であって、前記搬送手段が、無端状のベルト部材を駆動回転体に掛け回した状態で前記駆動回転体の回転駆動に伴って無端移動せしめつつ、前記転写体たる前記ベルト部材、又はベルト表面に保持した前記転写体たる記録部材を、前記転写位置で前記潜像担持体の表面移動方向と同じ方向に搬送するものであり、前記速度変動パターンが、前記駆動回転体の1回転周期で前記ベルト部材に発生する速度変動パターンであり、該速度変動パターンを発生させてしまう部材が、前記駆動回転体であり、且つ、前記位置検知手段が、前記駆動回転体の回転位置を検出するものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの画像形成装置であって、前記搬送手段が、無端状のベルト部材を駆動回転体に掛け回した状態で前記駆動回転体の回転駆動に伴って無端移動せしめつつ、前記転写体たる前記ベルト部材、又はベルト表面に保持した前記転写体たる記録部材を、前記転写位置で前記潜像担持体の表面移動方向と同じ方向に搬送するものであり、前記速度変動パターンが、前記ベルト部材に発生する1周あたりの速度変動パターンであり、該速度変動パターンを発生させてしまう部材が、前記駆動回転体であり、且つ、前記位置検知手段が、前記ベルト部材の周方向における位置を検出するものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3の画像形成装置であって、前記搬送手段の転写体搬送方向に沿って並ぶ複数の前記円柱状潜像担持体を備えるとともに、それら円柱状潜像担持体のそれぞれに形成した可視像を前記転写体に重ね合わせて転写する手段を備え、前記駆動伝達系が、前記共通駆動源の駆動力を全ての円柱状潜像担持体に伝達し、且つ、それぞれの円柱状担持体の速度変動パターンの位相を互いに一致させるように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、前記複数の円柱状潜像担持体にそれぞれ個別に対応する複数の回転部材に対して、それぞれ回転方向における同じ箇所に目印を設け、それら複数の回転部材のそれぞれにおける原動側からの配列順番をnで表し、第n番目の回転部材とこれに対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部における回転方向の中心線と、該回転部材とこれに対する従動側駆動伝達部材との噛み合い部における回転方向の中心線とのなす角を挟み角θinで表し、且つ、最も原動側に位置する回転部材(n=1)の前記目印が該回転部材に対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部の回転方向の中心線に位置したときにおける、第n番目の回転部材とこれに対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部の回転方向の中心線と、第n番目の回転部材の前記目印とのなす角度をθanで表した次式を満足させたことを特徴とするものである。
Figure 2011039504
※但し、この数式において、θa1は、n=1の回転部材についてのθanを表している。
また、請求項8の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記円柱状潜像担持体として、前記搬送手段の転写体搬送方向に沿って並べた複数のものを設け、それら円柱状潜像担持体に形成された可視像を前記転写体に重ね合わせて転写する処理を実施するように前記転写手段を構成し、前記複数の円柱状潜像担持体のうち、2つ以上を前記共通駆動源とは別の駆動源によって駆動するように前記駆動伝達系を構成し、前記複数の円柱状潜像担持体にそれぞれ個別に対応する複数の回転部材に対して、それぞれ回転方向における同じ箇所に目印を設け、それら複数の回転部材のうち、前記別の駆動源によって駆動が伝達される回転部材のそれぞれにおける原動側からの配列順番をnで表し、第n番目の回転部材とこれに対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部における回転方向の中心線と、該回転部材とこれに対する従動側駆動伝達部材との噛み合い部における回転方向の中心線とのなす角を挟み角θinで表し、且つ、前記別の駆動源によって駆動が伝達される2つ以上の回転部材の中で最も原動側に位置する回転部材(n=1)の前記目印が該回転部材に対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部の回転方向の中心線に位置したときにおける、第n番目の回転部材とこれに対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部の回転方向の中心線と、第n番目の回転部材の前記目印とのなす角度をθanで表した次式を満足させたことを特徴とするものである。
Figure 2011039504
※但し、この数式において、θa1は、n=1の回転部材についてのθanを表している。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかの画像形成装置において、前記像検知手段によるパターン画像検知位置における前記転写体の速度変動によって発生する伸縮パターン検出誤差を補正する検出誤差補正手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れかの画像形成装置において、上記搬送手段として、複数の支持回転体に掛け回した無端状のベルト部材を駆動回転体の回転駆動に伴って無端移動せしめることで、転写体たる前記ベルト部材、あるいは前記ベルト部材の表面に保持した転写体、を搬送するものを用い、前記複数の支持回転体のうち、前記ベルト部材の無端移動に伴って従動回転する従動回転体の回転角速度又は回転角変位を検知する回転検知手段を設け、該回転検知手段による検知結果に基づいて、前記駆動速度変動パターンを補正する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10の何れかの画像形成装置において、前記パターン画像として潜像担持体表面移動方向に並ぶ複数の可視像からなるものを形成する処理を実施するように前記制御手段を構成するとともに、前記像検知手段として、前記パターン画像内における可視像間の距離を計測可能なものを用いたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、潜像担持体と搬送手段とを1つの共通駆動源で駆動することで低コスト化を図ることができる。
また、これらの発明においては、パターン画像を検知した結果に基づいて、共通駆動源によって駆動が伝達される潜像担持体などの部材の1周回を1周期とする周期的な画像の伸縮パターンを把握する。そして、その伸縮パターンを打ち消し得る潜像伸縮パターンを潜像書込位置で潜像に発生させる共通駆動源の駆動速度変動パターンを求め、プリントジョブ実行時にはその駆動速度変動パターンに従って共通駆動源を駆動することで、前述した周期的な伸縮による画像の乱れを抑えることができる。
第1実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタにおけるY用のプロセスユニットを拡大して示す拡大構成図。 同プロセスユニットと、プリンタ本体に固定されたY用の感光体ギヤとを示す斜視図。 同プリンタの転写ユニットと駆動伝達系とを示す概略構成図。 同駆動伝達系を示す概略構成図。 同プリンタのメイン制御部と駆動制御部との組合せによって実施される制御フローの一部を示すフローチャート。 中間転写ベルト上に形成されるパターン画像を示す模式図。 パターン画像におけるパッチ像の位置と検知タイミングとの関係を説明する模式図。 パターンセンサを中間転写ベルト8とともに示す斜視図。 メイン制御部や駆動制御部の構成を示すブロック図。 第5変形例に係るプリンタの要部を示す概略構成図。 感光体とその周囲構成との一例を示す構成図。 感光体ギヤの偏心に起因して生ずる感光体の速度変動パターンを示すグラフ。 中間転写ベルトの速度を示すグラフ。 共通モータの駆動制御による感光体の速度変動パターンを示すグラフ。 共通モータの駆動制御による中間転写ベルトの速度変動パターンを示すグラフ。 感光体における、感光体ギヤの偏心による速度変動パターンと、共通モータの駆動制御による速度変動パターンと、実際の速度変動パターンとを示すグラフ。 図17に示した共通駆動モータの駆動制御によって中間転写ベルトに発生する速度変動パターンを示すグラフ。 回転速度変動を互いに同期させたい2つの従動ギヤの噛み合わせを示す概略構成図。 第1実施形態に係るプリンタにおいて、感光体ギヤ151Y,C,M,Kの回転速度変動の位相を互いに同期させ得る噛み合わせを説明するための概略構成図。 第2実施形態に係るプリンタにおいて、感光体ギヤ151Y,C,M,Kの回転速度変動の位相を互いに同期させ得る噛み合わせを説明するための概略構成図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の第1実施形態について説明する。
まず、第1実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、第1実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー,シアン,マゼンタ,黒(以下、Y,C,M,Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット6Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット6Yを例にすると、図2に示すように、円柱状潜像担持体たるドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像器5Y等を備えている。プロセスユニット6Yは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動される感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このY用の静電潜像は、Yトナーと磁性キャリアとを含有するY現像剤を用いる現像器5YによってYトナー像に現像される。そして、後述するベルト部材としての中間転写ベルト8上に中間転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(6C,M,K)においても、同様にして感光体(1C,M,K)上に(C,M,K)トナー像が形成されて、中間転写ベルト8上に中間転写される。
現像手段たる現像器5Yは、そのケーシングの開口から一部露出させるように配設された現像ロール51Yを有している。また、互いに平行配設された2つの搬送スクリュウ55Y、ドクターブレード52Y、トナー濃度センサ(以下、Tセンサという)56Yなども有している。
現像器5Yのケーシング内には、磁性キャリアとYトナーとを含む図示しないY現像剤が収容されている。このY現像剤は2つの搬送スクリュウ55Yによって撹拌搬送されながら摩擦帯電せしめられた後、上記現像ロール51Yの表面に担持される。そして、ドクターブレード52Yによってその層厚が規制されてからY用の感光体1Yに対向する現像領域に搬送され、ここで感光体1Y上の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体1Y上にYトナー像が形成される。現像器5Yにおいて、現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール51Yの回転に伴ってケーシング内に戻される。
2つの搬送スクリュウ55Yの間には仕切壁が設けられている。この仕切壁により、現像ロール51Yや図中右側の搬送スクリュウ55Y等を収容する第1供給部53Yと、図中左側の搬送スクリュウ55Yを収容する第2供給部54Yとがケーシング内で分かれている。図中右側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Y内のY現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像ロール51Yに供給する。図中右側の搬送スクリュウ55Yによって第1供給部53Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられた図示しない開口部を通って第2供給部54Y内に進入する。第2供給部54Y内において、図中左側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Yから送られてくるY現像剤を図中右側の搬送スクリュウ55Yとは逆方向に搬送する。図中左側の搬送スクリュウ55Yによって第2供給部54Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられたもう一方の開口部(図示せず)を通って第1供給部53Y内に戻る。
透磁率センサからなる上述のTセンサ56Yは、第2供給部54Yの底壁に設けられ、その上を通過するY現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤の透磁率は、トナー濃度と良好な相関を示すため、Tセンサ56YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。この制御部は、Tセンサ56Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefを格納したRAMを備えている。このRAM内には、他の現像器に搭載された図示しないTセンサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータも格納されている。Y用Vtrefは、後述するY用のトナー搬送装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、Tセンサ56Yからの出力電圧の値をY用Vtrefに近づけるように、図示しないY用のトナー搬送装置を駆動制御して第2供給部54Y内にYトナーを補給させる。この補給により、現像器5Y内のY現像剤中のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他のプロセスユニットの現像器についても、C,M,K用のトナー搬送装置を用いた同様のトナー補給制御が実施される。
先に示した図1において、プロセスユニット6Y,C,M,Kの図中下方には、潜像書込装置としての光書込ユニット7が配設されている。光書込ユニット7は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、プロセスユニット6Y,C,M,Kにおけるそれぞれの感光体に照射して露光する。この露光により、感光体1Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット7は、光源から発したレーザー光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
光書込ユニット7の図中下側には、紙収容カセット26、これらに組み込まれた給紙ローラ27など有する紙収容手段が配設されている。紙収容カセット26は、シート状の記録体たる記録シートPを複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の記録シートPには給紙ローラ27を当接させている。給紙ローラ27が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の記録シートPが給紙路70に向けて送り出される。
この給紙路70の末端付近には、レジストローラ対28が配設されている。レジストローラ対28は、記録シートPを挟み込むべく両ローラを回転させるが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、記録シートPを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
プロセスユニット6Y,C,M,Kの図中上方には、中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写手段としての転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他に、2次転写バイアスローラ19、ベルトクリーニング装置10などを備えている。また、4つの1次転写バイアスローラ9Y,C,M,K、駆動ローラ12、クリーニングバックアップローラ13、従動ローラ14、テンションローラ11なども備えている。中間転写ベルト8は、これらのローラに張架されながら、駆動ローラ12の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。1次転写バイアスローラ9Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これらは中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものである。1次転写バイアスローラ9Y,C,M,Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
駆動回転体としての駆動ローラ12は、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された可視像たる4色トナー像は、この2次転写ニップで記録シートPに転写される。そして、記録シートPの白色と相まって、フルカラートナー像となる。2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトベルトクリーニング装置10によってクリーニングされる。2次転写ニップで4色トナー像が一括2次転写された記録シートPは、転写後搬送路71を経由して定着装置20に送られる。
定着装置20は、内部にハロゲンランプ等の発熱源を有する定着ローラ20aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ20bとによって定着ニップを形成している。定着装置20内に送り込まれた記録シートPは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ20aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化せしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
定着装置20内でフルカラー画像が定着せしめられた記録シートPは、定着装置20を出た後、排紙路72と反転前搬送路73との分岐点にさしかかる。この分岐点には、第1切替爪75が揺動可能に配設されており、その揺動によって記録シートPの進路を切り替える。具体的には、爪の先端を反転前送路73に近づける方向に動かすことにより、記録シートPの進路を排紙路72に向かう方向にする。また、爪の先端を反転前搬送路73から遠ざける方向に動かすことにより、記録シートPの進路を反転前搬送路73に向かう方向にする。
第1切替爪75によって排紙路72に向かう進路が選択されている場合には、記録シートPは、排紙路72から排紙ローラ対100を経由した後、機外へと配設されて、プリンタ筺体の上面に設けられたスタック50a上にスタックされる。これに対し、第1切替爪75によって反転前搬送路73に向かう進路が選択されている場合には、記録シートPは反転前搬送路73を経て、反転ローラ対21のニップに進入する。反転ローラ対21は、ローラ間に挟み込んだ記録シートPをスタック部50aに向けて搬送するが、記録シートPの後端をニップに進入させる直前で、ローラを逆回転させる。この逆転により、記録シートPがそれまでとは逆方向に搬送されるようになり、記録シートPの後端側が反転搬送路74内に進入する。
反転搬送路74は、鉛直方向上側から下側に向けて湾曲しながら延在する形状になっており、路内に第1反転搬送ローラ対22、第2反転搬送ローラ対23、第3反転搬送ローラ対24を有している。記録シートPは、これらローラ対のニップを順次通過しながら搬送されることで、その上下を反転させる。上下反転後の記録シートPは、上述の給紙路70に戻された後、再び2次転写ニップに至る。そして、今度は、画像非担持面を中間転写ベルト8に密着させながら2次転写ニップに進入して、その画像非担持面に中間転写ベルトの第2の4色トナー像が一括2次転写される。この後、転写後搬送路71、定着装置20、排紙路72、排紙ローラ対100を経由して、機外のスタック部50a上にスタックされる。このような反転搬送により、記録シートPの両面にフルカラー画像が形成される。
上記転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部50aとの間には、ボトル支持部31が配設されている。このボトル支持部31は、Y,C,M,Kトナーを収容するトナー収容部たるトナーボトル32Y,C,M,Kを搭載している。トナーボトル32Y,C,M,Kは、互いに水平よりも少し傾斜した角度で並ぶように配設され、Y、C、M、Kという順で配設位置が高くなっている。トナーボトル32Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、それぞれ後述するトナー搬送装置により、プロセスユニット6Y,C,M,Kの現像器に適宜補給される。これらのトナーボトル32Y,C,M,Kは、プロセスユニット6Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
本プリンタにおいては、モノクロ画像を形成するモノクロモードと、カラー画像を形成するカラーモードとで、感光体と中間転写ベルト8との接触状態を異ならせるようになっている。具体的には、転写ユニット15における4つの1次転写バイアスローラ9Y,C,M,Kのうち、K用の1次転写バイアスローラ9Kについては、他の1次転写バイアスローラとは別に、図示しない専用のブラケットで支持している。また、Y,C,M用の3つの1次転写バイアスローラ9Y,C,Mについては、それらを図示しない共通の移動ブラケットで支持している。この移動ブラケットについては、図示しないソレノイドの駆動によって、Y,C,M用の感光体1Y,C,Mに近づける方向と、感光体1Y,C,Mから遠ざける方向とに移動させることが可能である。移動ブラケットを感光体1Y,C,Mから遠ざける方向に移動させると、中間転写ベルト8の張架姿勢が変化して、中間転写ベルト8がY,C,M用の3つの感光体1Y,C,Mから離間する。但し、K用の感光体1Kと中間転写ベルト8とは接触したままである。モノクロモードにおいては、このように、K用の感光体1Kだけを中間転写ベルト8に接触させた状態で、画像形成動作を行う。このとき、4つの感光体のうち、K用の感光体1Kだけを回転駆動させ、Y,C,M用の感光体1Y,C,Mについては、駆動を停止させている。
上述の移動ブラケットを3つの感光体1Y,C,Mに近づける方向に移動させると、中間転写ベルト8の張架姿勢が変化して、それまで3つの感光体1Y,C,Mから離間していた中間転写ベルト8がそれら3つの感光体1Y,C,Mに接触する。このとき、K用の感光体1Kと中間転写ベルト8とは接触したままである。カラーモードにおいては、このように、4つの感光体1Y,C,M,Kの全てを中間転写ベルト8に接触させた状態で、画像形成動作を行う。かかる構成においては、移動ブラケットや上述したソレノイドなどが、感光体と中間転写ベルト8とを接離させる接離手段として機能している。
本プリンタは、4つのプロセスユニット6Y,C,M,Kや、光書込ユニット7などの駆動を制御する制御手段としての図示しないメイン制御部を備えている。このメイン制御部は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)、データ記憶手段たるRAM(Random Access Memory)、データ記憶手段たるROM(Read Only Memory)などを具備しており、ROMに記憶しているプログラムに基づいて、プロセスユニットや光書込ユニットの駆動を制御する。
また、メイン制御部とは別に、図示しない駆動制御部を有している。そして、この駆動制御部は、CPUや、ROM、データ記憶手段たる不揮発性RAMなどを具備しており、ROMに記憶しているプログラムに基づいて、後述する共用駆動モータや感光体モータの駆動を制御する。
図3は、プリンタ本体に対して着脱可能なY用のプロセスユニット6Yと、プリンタ本体に固定されたY用の感光体ギヤ151Yとを示す斜視図である。同図において、感光体ギヤ151Yは、プリンタ本体内で回転可能に支持されている。一方、プロセスユニット6Yは、プリンタ本体に対して脱着可能になっている。プロセスユニット6Yの感光体1Yは、円柱状のドラム部と、これの回転軸線方向の両端面からそれぞれ突出する軸部材とを具備しており、それら軸部材をそれぞれユニット筐体の外部に突出させている。そして、2つの軸部材のうち、図中奥側に存在している図示しない方の軸部材には、周知のカップリングが固定されている。プリンタ本体側の感光体ギヤ151Yの回転中心に、カップリング部152Yが形成されている。このカップリング部152Yは、感光体1Yの軸部材に固定された前述のカップリングと軸線方向に連結する。この連結により、感光体ギヤ151Yの回転駆動力がカップリング連結部を介して感光体1Yに伝達される。プロセスユニット6Yがプリンタ本体内から引き抜かれると、感光体1Yの軸部材に固定された図示しないカップリングと、感光体ギヤ151Yに形成されたカップリング部152Yとの連結が解除される。Y用のプロセスユニット6Yについて、プリンタ本体に対する着脱時における感光体1Yと感光体ギヤ151Yとの連結や連結解除の仕組みを説明したが、他色用のプロセスユニットも同様の構成になっている。
かかる構成においては、感光体ギヤ151Yが偏心していると、感光体1回転あたりに1周期分のサインカーブを描く特性の速度変動を感光体1Yに発生させてしまう。
次に、第1実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
図4は、転写ユニット15と駆動伝達系とを示す概略構成図である。図5は、駆動伝達系を示す概略構成図である。K用の感光体1Kの感光体ギヤ151Kには、共通駆動源たる共通駆動モータ160のモータギヤ160aが噛み合っている。共通駆動モータ160は、定速性に優れたDCブラシレスモータ、ステッピングモータ等から構成される。共通駆動モータ160のモータギヤ160aからK用の感光体ギヤ151Kに伝達された駆動力は、第1中継ギヤ161を介してM用の感光体ギヤ151Mに伝達される。また、M用の感光体ギヤ151Mに伝達された駆動力は、第2中継ギヤ162を介してC用の感光体ギヤ151Cに伝達される、更に、C用の感光体ギヤ151Cに伝達された駆動力は、第3中継ギヤ163を介してY用の感光体ギヤ151Yに伝達される。このようにして駆動力が順次伝わることで、1つの共通駆動モータ160によって4つの感光体1Y,C,M,Kが回転駆動される。
K用の感光体ギヤ151Kには、モータギヤ160aや第1中継ギヤ161の他、第4中継ギヤ164が噛み合っている。感光体ギヤ151Kから第4中継ギヤ164に伝わった駆動力は、第5中継ギヤ165、同心ギヤ166を順次経由して、駆動ローラギヤ167に伝達される。駆動ローラギヤ167は、中間転写ベルト(8)を無端移動させる駆動ローラ(12)の回転軸部材上に固定されており、駆動ローラ12と一体となって回転する。このように駆動力が伝わることで、共通駆動モータ160の発する駆動力により、中間転写ベルト(8)が無端移動せしめられる。なお、第5中継ギヤ165と同心ギヤ166とは、互いに一体形成されており、互いに回転軸線方向のずれた位置で一体となって回転する。
各種の中継ギヤとしては、電磁クラッチ付のものを用い、共通駆動モータ160からの回転駆動力を必要に応じて繋いだり、遮断したりすることが望ましい。例えば、モノクロ画像を形成するモノクロモードにおいては、第1中継ギヤ161で下流側への駆動力伝達を遮断することで、Y,M,C用の3つの感光体1Y,M,Cを停止させたまま、K用の感光体1Kを駆動することが可能になる。
K用の感光体ギヤ151Kの周方向における所定の位置には、基準回転角検知用の目印153が付されている。一方、感光体ギヤ151Kの図中左側方には、光学的技術により、感光体ギヤ151Kが所定の回転角度姿勢になったときに目印153を検知する目印検知センサ154が配設されている。目印検知センサ154が目印153を検知することで、感光体ギヤ151Kについて所定の回転角度姿勢になったことが検知される。
駆動制御部250は、共通駆動モータ160に所定の駆動電流を出力する。本第1実施形態では、共通駆動モータ160として、モータ軸の回転角速度を検知する速度センサを内蔵したDCブラシレスモータ(いわゆるDCサーボモータ)からなるものを採用している。このDCブラシレスモータは、U、V、Wの3相スター結線されたコイルとロータとを有する。さらに、ロータの位置検出部として、ロータの磁極を検知する3個のホール素子を備え、それらの出力端子が駆動制御部250に接続されている。また、MRセンサを内蔵したDCサーボモータの場合には、ロータの周上に着磁した磁気的パターンとMRセンサとからなる回転速度検知部(速度情報検知部)を有し、その出力端子が駆動制御部250に接続される。駆動制御部250は、ハイ側トランジスタとロー側トランジスタとを各3個備え、それぞれコイルのU、V、Wに接続されている。そして、前述のホール素子から発せられるロータ位置信号に基づいてロータの位置を特定し、その結果に基づいて相切替信号を生成する。相切替信号は、駆動制御部250の各トランジスタをオンオフ制御し、励磁する相を順次切り替えることにより、ロータを回転させる。
また、駆動制御部250は、速度センサによって検知される回転速度情報と目標回転速度情報とを比較し、検出されたモータ軸の回転速度が目標回転速度となるように、PWM信号を生成して出力する。PWM信号はアンドゲート回路によって前述の相切替信号と重畳され、これによって駆動電流のチョッピングが行われる。このようなチョッピングを実現する手段としては、速度センサの出力パルス信号と目標回転速度情報とを比較する公知のPLL制御回路系を例示することができる。目標回転速度情報を得る手段としては、予め設定された感光体1回転周期の回転速度変動成分を補正する目標回転速度に応じて周波数変調したパルス信号を出力するものを例示することができる。また、目標回転速度情報を処理する手段は、アナログ回路ではなくデジタル回路でもよい。デジタル処理の場合、速度センサの出力波形の周期を計測し、回転角速度を算出すればよい。または、速度センサの出力パルス数をカウントし、任意の時間内に計測されたカウント値から回転角速度を算出してもよい。なお、回転角速度ではなく回転角変位を検出したり制御したりする場合、速度センサの出力パルス数をカウントし、回転角の変位量を算出すればよい。そして、制御目標値出力部からの目標データとの差分を算出し、その差分が小さくなるように共通駆動モータ160を駆動する。一般に、駆動制御部250においては、PID制御器などを組み込み、目標回転速度に対して、偏差やオーバーシュート、発振等が無いように信号処理をして、駆動パルス発生部にPWM信号を出力するように構成される。
図6は、本プリンタのメイン制御部と駆動制御部との組合せによって実施される制御フローの一部を示すフローチャートである。この制御フローでは、まず、有効なモータ駆動速度変動パターンを記憶しているか否かが判断される(ステップ1:以下、ステップをSと記す)。図示の制御フローが過去に実施されていれば、有効なモータ駆動速度変動パターンが既にメモリ等に記憶されている。モータ駆動速度変動パターンについては、感光体や転写ユニット15の交換、着脱、駆動伝達系周辺の修理、交換などが行われた際に、後述するパターン画像の検出に基づいて新たなものが構築されるようになっている。このため、工場出荷直後や感光体や転写ユニット15の交換直後には、有効なモータ駆動速度変動パターンを記憶しておらず、S2〜S7の工程が実行される。有効なモータ駆動速度変動パターンを記憶している場合には(S1でYes)、そのモータ駆動速度変動パターンに基づいて、S8、S9の工程だけが実行される。
有効なモータ駆動速度変動パターンを記憶していない場合、S2〜S7の工程により、パターン画像の検知と、モータ駆動速度変動パターンの構築とを実施する。具体的には、まず、感光体1Kの1回転周期で発生するサインカーブ状の速度変動パターンによって発生する画像の伸縮パターンを検出するために、パターン画像を感光体1Kの表面に形成して中間転写ベルト8に転写する(S2)。そして、そのパターン画像を構成する複数のパッチ像をそれぞれ、光学センサからなる像検知手段としてのパターンセンサ90(図4参照)によって検知する(S3)。パターン画像は、図7に示すように、中間転写ベルト10上の副走査方向(移動方向)にラダー状に並べられた複数のパッチ像45から構成されている。各パッチ像の間隔は、感光体ギヤ151Kの偏心に起因する感光体1Kのサインカーブ状の速度変動によって変動する。なお、各パッチ像の検知と同時に、目印検知センサ154が感光体ギヤ151Kの目印153を検知するタイミングも記憶しておく。
S3の工程における検知結果には、感光体ギヤの偏心による感光体1Kの速度変動に起因するパッチ像検知時間間隔の変動成分の他、中間転写ベルト8の速度変動に起因するパッチ像検知時間間隔の変動成分が含まれている。検知結果から、前者の変動成分だけを抽出する(S4)。そして、抽出した変動成分(感光体1Kのサインカーブ状の速度変動パターン)について、パッチ検知時にパッチ像検知時間間隔の誤差があるか否かを判断する(S5)。この誤差は、パッチ検知時に中間転写ベルト8に速度変動が生ずることにより、パッチ像検知時間間隔とパッチ距離間隔とに誤差が生ずることを意味している。誤差がある場合、即ち、パッチ検知時に中間転写ベルト8に速度変動がある場合には(S5でYes)、その誤差を取り除くように、検出した速度変動パターンを補正する(S6)。ここまでのフローで、中間転写ベルト8上に形成された画像に生ずる感光体(1K)1回転あたりにおけるサインカーブ状の伸縮パターン(サインカーブの振幅と位相)が得られる。伸縮パターンが得られたら、それに基づいて、その伸縮パターンを打ち消し得るモータ駆動速度変動パターンを算出する(S7)。このモータ駆動速度変動パターンは、感光体1Kの露光ポイントSP(潜像書込位置)で、感光体1の線速を意図的に変化させることによって得られる潜像伸縮パターンにより、ギヤ偏心に起因する感光体1Kの速度変動による画像の伸縮パターン(露光ポイントSPにおける潜像の伸縮パターンと、転写ポイントTPにおける画像の伸縮パターンとが重畳されたもの)を打ち消すようなパターンである。モータ駆動速度変動パターンを構築したら、以降のプリントジョブにおいて、そのモータ駆動速度変動ポアターンと、感光体1Kの回転角度姿勢を反映する目印検知センサ154からの出力とに基づいて、共通駆動モータ160の駆動速度を微調整する(S8、S9)。
上述本発明者らは、感光体1Kと中間転写ベルト8とを1つの共通駆動モータ160で駆動する構成では、共通駆動モータ160の回転速度変動によって発生する画像の伸縮が、露光ポイントSPだけで発生し、転写位置たる転写ポイントTPでは発生しないことを見出した。具体的には、本第1実施形態では、共通駆動モータ160の駆動速度を変動させた場合に、それに応じて、感光体1Kの線速と、中間転写ベルト8の線速とはそれぞれ同じ量だけ変動する。このため、共通駆動モータ160の駆動速度を意図的に変動させても、その変動によって感光体1Kと中間転写ベルト8とに線速差を発生させることはない。かかる構成では、共通駆動モータ160の駆動速度を意図的に変動させることによる画像の伸縮は、露光ポイントSPで潜像を書き込みときだけ発生する。よって、共通駆動モータ160の駆動速度を意図的に変動させることによる潜像伸縮パターンで、感光体ギヤ偏心に起因する感光体1Kの速度変動による画像の伸縮パターンを打ち消すような駆動速度パターンで、共通駆動モータ160を駆動することで、最終的に中間転写ベルト8上で得られる画像の伸縮を無くすことができる。
図6の制御フローにおける各工程について、より詳しく説明する。S1の工程では、共通駆動モータ160を一定速度で駆動しながら、何れか1つの感光体の表面上にパターン画像を形成して中間転写ベルト8に転写する。図7は、そのパターン画像を示す模式図である。このパターン画像は、Y,C,M,Kのうち、何れか一色からなる複数のパッチ像45を副走査方向(感光体表面移動方向)に沿って所定ピッチで並べたものである。各トナー像45は、図示のように、主走査方向(感光体軸線方向)に延在する矩形状の形状になっている。このようなパターン画像において、複数のパッチ像45をパターンセンサ90によって順次検知していき、それぞれ任意の基準タイミングから検知するまでの時間tk01,tk02,tk03,・・・を測定する。
パターン画像のベルト移動方向の長さPaは、S4で駆動ローラ12の偏心に起因するベルト速度変動の影響を補正する必要があることから、駆動ローラ12の周長の整数倍に設定されている。また、遠心成型法による中間転写ベルト8の1周あたりにおけるサインカーブ状の厚み誤差によるベルトの速度変動の影響も補正する必要があることから、長さPaはベルト周長の整数倍に設定されている。パターンセンサ90によって検出されるパッチ像検知時間間隔には、感光体の速度変動、駆動ローラ1回転周期で発生するベルト速度変動、及びベルト1周期で発生するベルト速度変動の全てが重畳されており、その中から、感光体の速度変動を高精度に検出する必要がある。高精度な検出を実現するには、間隔Psを短く設定し、密なパターン群が必要になる。しかし、実際には形成可能なパターン幅や演算時間等の関係から、パターン間隔Psが決定される。
例えば、駆動ローラ12の1回転あたりのベルト速度変動成分を補正対象とする場合、駆動ローラ12の回転周期も考慮してサンプリングパターン長Paを設定する。本プリンタにおいて、感光体の直径が40[mm]、駆動ローラ12の直径が30[mm]であるとすると、中間転写ベルト8の表面移動距離に換算した感光体、駆動ローラ12の回転周期は、それぞれ、125.7[mm]、94.2[mm]となる。それらの公倍数をサンプリングパターン長Paとして設定する。ここでは、最小公倍数となる377[mm]をパターン長Paと設定した。このパターン長Paに対して等間隔になるようにパターン間隔Psが設定される。これによって、感光体の1回転周期の変動成分と、駆動ローラ12の1回転周期で生ずるベルト速度変動とを、それぞれ高精度に検出することができる。さらに、中間転写ベルト8の周方向の厚み変動にって発生するベルト速度変動も補正対象とした場合には、上記最小公倍数である377mmの整数倍で、ベルト一周に最も近いパターン長を設定することで、中間転写ベルト8の周期変動を高精度に検出することができる。
駆動ローラ12の駆動源である共通駆動モータ160の回転周期のように、感光体1周期よりも10倍以上の周期で発生する変動成分については、検知データをローパスフィルタでデジタル処理することで除去することが可能である。
図9は、パターンセンサ90を中間転写ベルト8とともに示す斜視図である。図6におけるS3において、パターンセンサ90は、中間転写ベルト8の画像領域におけるベルト幅方向端部に形成されるパターン画像のパッチ像を検知するように、中間転写ベルト8の上方に配設されている。図示しない照明用光源のLED素子と、反射光を受光する受光素子と、1対の集光レンズとを具備している。LED素子は、中間転写ベルト8上のパターン画像における個々のパッチ像45を検出するために必要な反射光を作り出すための光量をもつものである。また、受光素子は、中間転写ベルト8上のパッチ像45で反射した光が集光レンズを通過して入射する位置に配置されており、多数の受光画素を直線状に配列したライン型受光素子としてのCCDで構成されている。
図10は、メイン制御部200や駆動制御部250の構成を示すブロック図である。図9に示したパターンセンサ90を含む検知センサ部51で得られた信号は、AMP252によって増幅された後、図7に示したパターン画像の検知信号に対応する信号成分のみがフィルタ253を通過する。フィルタ253を通過した信号は、A/D変換器254によってアナログデータからデジタルデータへと変換される。データのサンプリングは、サンプリング制御部256によって制御され、サンプリングされたデータはFIFOメモリ255に格納される。パターン画像の検知が終了した後、格納されたデータは、I/Oポート260を介して、駆動制御部250からメイン制御部200に送られる。メイン制御部200では、駆動制御部250から送られてきたデータがデータバス205によってCPU201及びRAM202にロードされ、CPU201によって上述した補正対象の変動量を算出するための演算処理が行われる。
CPU201は、検知センサ部251からの検知信号を適当なタイミングでモニタしており、中間転写ベルト8や、検知センサ部251のパターンセンサのLED素子に劣化等が起こっても、パターン画像内のパッチ像45を確実に検知することができるように、発光量制御部257によって発光量を調整し、これにより、検知センサ部251の受光素子からの受光信号のレベルが常に一定となるようにしている。
ROM203には、種々のズレ量を演算するためのプログラムを始め、各種のプログラムが格納してある。また、アドレスバス204によって、ROMアドレス、RAMアドレス、各種入出力機器の指定を行っている。パターン画像の各パッチ像45を検知する場合、CPU201により、感光体ギヤ151Kの目印153(図4参照)を目印検知センサ154が検知するタイミングなど、所定タイミングで各部に指令が出され、ROM203に格納されているパターン画像の画像データが読み込まれて、何れか一色の感光体に対するパターン画像用の光書込が開始する。このとき、通常のプリントジョブと同じ動作で実行される。これにより、何れか1色のプロセスユニットは、パターン画像を感光体の表面状に形成して中間転写ベルト8上に転写する。このパターン画像の各パッチ像45を検知センサ部251で検知した結果は、上述したようにサンプリング制御部256に設定された所定のサンプリング周期で、AD変換器254で変換された離散データとして、FIFO255に格納される。FIFO255に格納されたデータは、パターン検知センサ90の受光素子のパターン反射光量に応じた出力信号の数値である。この数値は、トナー色やパッチ像45のトナー濃度により変化する。本プリンタでは、予め設定した閾値によるパターン検知の判別ではなく、数値のピーク認識によるパターン通過検知を行うようになっている。
S3の工程においては、このようにして得られたパッチ像検知時間間隔のデータ(以下、「パターン検知データ」という。)が、RAM202に格納される。このパターン検知データは、感光体の1回転周期の速度変動に起因する時間間隔変動成分、駆動ローラ12の偏心による1回転周期で発生するベルト速度変動に起因する時間間隔変動成分、及び中間転写ベルト8の厚みムラに起因するベルト1周期で発生するベルト速度変動に起因する時間間隔変動成分を含んでいる。本プリンタでは、その各変動成分の振幅と位相とを検出する。検出する手法としては、全データの平均値をゼロとして、変動値のゼロクロス又はピーク値から、その変動成分の振幅と位相を検出する手法が挙げられる。しかし、この手法では、検出データから複数の変動成分を算出するには実用的でない。そこで、本プリンタでは、パターン検知データから各補正対象の回転周期で発生している変動成分の振幅と位相を直交検波によるデータ処理(直交検波処理)で算出する手法を用いる。直交検波処理とは、通信分野の復調回路に用いられている公知の信号解析技術である。
S4の構成で検出された各種の時間間隔変動成分のうち、駆動ローラ12の1回転周期で発生するものや、中間転写ベルト8の1周期で発生するものについては、次の方法で除去することが可能である。即ち、上述したパターン検知データから算出された駆動ローラ12の1回転周期で発生する変動成分と、ベルト1周期で発生する変動成分とについては、それぞれ振幅と位相のデータに、感光体からベルト上への転写時における感光体−ベルトの線速差に起因するパッチ間隔変動だけでなく、パッチ像45をパターンセンサ90によって検知するときの検知位置でのベルト速度変動によるパッチ検知間隔誤差が含まれている。以下に、図4に示したような、感光体の周面における転写ポイントTPと、パターンセンサ90によるパッチ像の検知ポイントDPとを例にして、説明を行う。図4の構成を例にして、駆動ローラ12の1回転周期、及びベルト1周期のベルト変動による中間転写ベルト8上のパッチ検知時間間隔の変動量と、検知ポイントDPでのベルト速度変動に起因するパッチ検知時間間隔検出誤差との関係を説明する。また、上述したパターン検知データに基づくパターン変動データから、パッチ検知時間間隔誤差を補正し、適切なパターン変動量を導出する手法について説明する。なお、感光体1K上に黒のパターン画像を形成する例について説明するが、他の色のパターン画像を形成する場合でも、同様の手法を採用することが可能である。
図6におけるS2の工程では、一定時間間隔で感光体1Kの表面上にパッチ像の潜像を書き込む。その後、感光体1Kから、中間転写ベルト8にパターン画像を転写する時の駆動ローラ12の1回転周期のベルト速度変動を含む中間転写ベルト速度VbTは、次の数3の式によって表される。なお、数1の式において、Vb0は、中間転写ベルト8の平均速度を示している。また、△Vは、駆動ローラ12の1回転周期で発生する転写ベルト速度変動の振幅を示している。また、ωb0は、駆動ローラ12の回転角速度を示している。また、αは、パターン画像における先頭のパッチ像が中間転写ベルト8に転写される時刻t=0におけるベルト速度変動の初期位相を示している。
Figure 2011039504
駆動ローラ12と一体に回転する駆動ローラギヤ167に付された目印167aが第2目印検知センサ168によって検知される時刻(td0)については、モータ駆動速度変動パターンに基づいて共通駆動モータ160の駆動速度を微調整する際に必要であるため記憶しておく。
S5の工程では、感光体1K上に微少時間間隔δtにて形成された任意の2つのパッチ像のピッチ(間隔)が、互いに同じ時間間隔で転写ポイントTPに到達する。しかし、中間転写ベルト8上のパッチ間隔は、ベルト速度の影響を受けて変動する。中間転写ベルト8の速度が平均よりも速いとパッチ間隔が長くなり、ベルト速度が平均よりも遅いとパッチ間隔が短くなる。その変動量を含むパッチ間隔は、次の数4の式によって表されるδPとなる。
Figure 2011039504
S5の工程において、中間転写ベルト8に転写されたパターン画像のパッチ間隔は、ベルトが転写ポイントTPから検出ポイントDPまで移動するのに要するTφ時間後に計測される。つまり、パッチ像を転写ポイントTPから検出ポイントDPまで搬送する間、駆動ローラ12が位相角φだけ回転した時刻である。なお、この位相角φは各プロセスユニットで異なり、後にY,C,M,Kパターンそれぞれの位相角φdy、φdm、φdcを代入して補正値を算出する。パッチ間隔が計測されるときのベルト速度VbDは、次の数5によって表される。
Figure 2011039504
転写ポイントTPでのベルト速度変動に対し、Tφ時間後を示す位相角φをもつ変動となっている。ベルト上のパターンが検出ポイントDPを通過する時間を計測すると、ベルト速度が平均より速いとパッチ間隔が短く検出され、ベルト速度が平均よりも遅いとパッチ間隔が長く検出される。これが検出誤差である。ベルト上のパッチ像45をパターン検知センサ90で検知する場合におけるパッチ間隔δPは、次の数6の式によって表される。但し、P=Vb0δtとしている。
Figure 2011039504
ここで、ベルト速度変動成分△Vは、平均速度Vb0に対して十分小さいことから、次の数7の式に近似することができる。
Figure 2011039504
この式の括弧内の第1項がベルト上パッチ間隔の変動分であり、第2項が計測時の検出誤差分である。この式は、次の数8の式に変形することができる。
Figure 2011039504
この式は、一定間隔の微少時間δtに形成された2つのパッチ像が中間転写ベルト8上に転写された後、パターン検知センサ90にて検知された検出誤差を含むパッチ間隔を示している。
以上の解析より、数4の式におけるベルト上パッチ間隔と、それを計測した結果のパッチ間隔との関係を調査した。そして、その結果と、数4の式との関係から、駆動ローラ12の1回転周期で発生するベルト速度変動によるベルト上パッチ間隔の変動と、それを計測した結果の変動の振幅、位相との関係は、次の数9の式、数10の式で表される。
Figure 2011039504
Figure 2011039504
これらの式より、パッチ計測時の検出誤差によって、ベルト上パッチ間隔の変動成分の振幅が2sin(φd/2)倍、位相が+φd/2−π/2ラジアンだけ変化して検出されることがわかる。よって、その分を補正して、ベルト上パッチ間隔の変動量を算出する。なお、中間転写ベルト8の1回転周期で発生するベルト速度変動についても、同様の補正手法により、転写ポイントTPから検出ポイントDPまでの距離に基づく、中間転写ベルト8の位相角φ(φby、φbm、φbc)を代入して算出する。
S7の工程において、パッチ間隔変動を打ち消し得るモータ駆動速度変動パターンを算出する方法は、次の通りである。即ち、まず、感光体1Kと中間転写ベルト8とを共通駆動モータ160で駆動し、共通駆動モータ160の回転変動と、モータ回転変動によって発生する中間転写ベルト8上のパッチ間隔の変動量との関係を導出する。そして、パッチ間隔検出で得られた、各補正対象の回転変動に起因して発生したベルト上のパッチ間隔変動を打ち消し得る共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンを解析する。
図4において、目印検知センサ154が感光体ギヤ151Yの目印153を検知するタイミングを基準に、共通駆動モータ160の角速度ωが次の数11の式で表されるものであったとする。なお、数11の式において、ωm0は、共通駆動モータ160の平均角速度を示している。また、△ωm1は、共通駆動モータ160の回転速度変動の振幅を示している。また、ωm1は、回転速度変動成分の角速度を示している。また、αm1は、目印検知センサ(154)の検知基準の変動成分の初期位相を示している。
Figure 2011039504
先に示した数11の式において、右辺第2項のΔωm1cos(ωm1t+αm1)は、目印検知センサ154が目印153を検知したタイミングを基準に、時間tにおける任意の回転角速度ωm1で発生する回転角速度変動分を示している。具体的には、各補正対象である、感光体1Kの1回転周期、駆動ローラ12の1回転周期、中間転写ベルト8の1周期、の速度変動に起因するパッチ変動を補正する回転角速度変動分を示している。本プリンタでは3つの補正対象があるので、駆動制御を実施する時には、数11の式の右辺第3項、第4項に、各回転角速度ωm2、ωm3の変動成分が重畳される。ここでは、冗長となるため、1つの変動成分について説明する。このときの感光体1Kの表面移動速度Vdmは、共通駆動モータ160から感光体1K回転軸までの減速比をG、感光体1Kの半径をRとすると、次の数12の式によって表される。
Figure 2011039504
このときの中間転写ベルト10の表面移動速度Vbmは、駆動モータ33から駆動ローラ回転軸までの減速比をGb、駆動ローラ12表面から中間転写ベルト10の平均ピッチラインまでの距離を含む、駆動ローラ8のベルト駆動半径をRbとすると、次の数13の式によって表される。
Figure 2011039504
感光体1Kと中間転写ベルト8とを1つの共通駆動モータ160で駆動する構成において、数12の式、数13の式にそれぞれ示す速度変動が同時に発生する。この速度変動により、感光体1K上の露光ポイントSPと転写ポイントTPにてパッチ間隔の変動が発生する。
それぞれのポイントで発生するパッチ間隔の変動分について説明する。まず、露光ポイントSPにおいて、一定間隔の微小時間δtにて書き込まれる任意の2つのパッチ像の間隔は、感光体1Kの速度変動の影響を受けて変動する。感光体1Kの速度が平均よりも速いとパッチ間隔が長くなり、感光体1Kの速度が平均よりも遅いとパッチ間隔が短くなる。その変動量を含むパッチ間隔は、次の数14の式に示すδPmSとなる。
Figure 2011039504
転写ポイントTPにおいて、仮に、感光体1K上に一定の微小時間間隔δtで形成された理想の2パッチのパッチ間隔δPd0は、転写時に発生する感光体速度変動や中間転写ベルトの速度変動の影響を受けて変動する。転写後は、感光体速度が平均より速いとパッチ間隔が短くなり、感光体速度が平均よりも遅いとパッチ間隔が長くなる。一方、ベルト速度が平均よりも速いとパッチ間隔が長くなり、ベルト速度が平均よりも遅いとパッチ間隔が短くなる。その変動量を含む転写後のパッチ間隔は、次の数15の式に示すδPmTとなる。
Figure 2011039504
共通駆動モータ160の速度変動成分△ωm1は、平均速度ωm0に比べて十分小さいことから、次の数16の式に近似することができる。
Figure 2011039504
この式では変動成分が相殺され、感光体径、駆動ローラ径、減速比に基づく定常成分のみが残る。従って、転写ポイントTPでは、モータ回転変動によってパッチ間隔の変動量は発生しないことがわかる。これは、転写ポイントTPでは、モータ駆動速度を変動させても、感光体1Kと中間転写ベルト8とがそれに応じてほぼ同じ量だけ速度変動をきたすため、パッチ転写時の感光体1Kと中間転写ベルト8との相対位置変動量をモータ駆動速度変動によっては変化させないからである。
以上の解析より、共通駆動モータ160を数11の式に示す回転角速度変動となるように駆動制御すると、中間転写ベルト8上には、数14の式に示すパッチ間隔の変動を有する画像が得られる。
S7の工程では、パターン画像の形成及び計測によって得られた各補正対象の検出誤差に起因したパッチ変動成分に対し、上述した共通駆動モータ160の回転角速度変動によって発生するパッチ変動成分を打ち消すように、共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンを算出する。そこで、計測されたパッチ間隔変動に基づいて共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンを導出するために、共通駆動モータ160の回転角速度変動によって発生するパッチ変動成分をパッチ間隔の変動である数14の式を実際のパッチ形成時間間隔Teに拡張する。これによって、パターン画像の書き込み周期を一定時間間隔Teにした条件にて、転写後のベルト上のパッチを計測して得たパッチ変動成分から共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンを導出することができる。
なお、パッチ間隔の計測方法には、先頭パッチを基準とした累積間隔を計測するときと、隣接パターン間隔を計測するときとがある。それぞれの計測において、数14の式を拡張する。まず、図8に示すように、パターン画像の先頭パッチを検知するtk01を基準(0)として、時間TeN(N:自然数)後に書き込まれたN番目のパッチまでの累積パッチ間隔Pc_Nについて、数14の式の時間δtを一定時間間隔Teとすると次の数17の式が得られる。
Figure 2011039504
この式から次の数18の式が得られる。
Figure 2011039504
但し、数18の式中の積分定数Cは、次の数19の式に示すものである。
Figure 2011039504
このように、数11の式の共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンと、形成される累積パッチ間隔との関係が示される。数18の式中の右辺第1項は、パッチ検知データの増加する傾きに相当し、画像としては全体倍率を示す。また、右辺第2項は、累積パッチ間隔の変動量を示す。
パターン計測では、一定時間間隔Teにて書き込まれたパターン群が、中間転写ベルト8上にて、パターン検知センサ90によって検知されると、上述したRAM202にパッチ検知データ(時間データ)が格納される。CPU201は、検知データ(時間データ)を、中間転写ベルト8、または感光体の表面移動速度平均値から中間転写ベルト8上の累積パターン間距離に換算する。この検知データ(累積距離データ)の平均増加分が数18の式中の右辺第1項に相当し、変動成分は数18の式中の右辺第2項に相当する。パターン変動データからは、上述した直交検波処理を用いて補正対象の回転角速度(ωm1)周期で発生する正弦波の変動成分の振幅と位相を算出する。その振幅Am1、位相Bm1を打ち消す反転値と駆動速度変動パターンの振幅Δωm1、位相αm1の関係は、次の数20の式で表される。なお、数18の式中の右辺第3項であるCは、定常偏差であり、同右辺第2項の周期変動のゼロレベルを振幅方向にバイアスを持たせるだけであり、直交変換によって検出される振幅と位相には影響しない。
Figure 2011039504

Figure 2011039504
但し、数21の式の位相Bm1は、目印検知センサ154による目印153の検知基準の位相値である。数20の式、数21の式から、共通駆動モータ160の回転角速度変動成分の振幅Δωm1、位相αm1を求め、パッチ検知時に発生した回転角速度変動成分を打ち消し得る駆動速度変動パターンを算出する。
S’の工程では、図8に示したように、時間間隔Teで書き込まれたN個のパッチ像45において、N番目のパッチと、隣接するN−1番目のパッチとの隣接パッチ間隔P_Nは、次の数22の式によって表される。
Figure 2011039504
この式を変形すると、次の数23の式が得られる。
Figure 2011039504
このようにして、数11の式の共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンと、形成される隣接パッチ間隔との関係がわかった。数23の式中の右辺第1項は、パッチ検知データの平均値に相当し、画像としては平均パッチ間隔を示す。また、右辺第2項は、隣接パターン間隔の変動量を示す。
パッチ間隔の計測では、一定時間間隔Teにて書き込まれたパッチ像の群が、中間転写ベルト8上にて、パターン検知センサ90によって検知されると、上述したRAM202にパッチ検知データ(時間データ)が格納される。CPU201は、検知データ(時間データ)を、中間転写ベルト8、または感光体1Kの表面移動速度平均値に基づいて、中間転写ベルト8上の隣接パッチ間隔に換算する。この検知データ(隣接パッチ距離データ)の平均値が、数23の式中の右辺第1項に相当し、変動成分は数23の式中の右辺第2項に相当する。パッチ間隔変動データからは、上述した直交検波処理を用いて補正対象の回転角速度(ωm1)周期で発生する余弦波の変動成分の振幅と位相を算出する。その振幅A‘m1、位相B‘m1を打ち消す反転値と共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンの振幅Δωm1、位相αm1の関係は、次の数24の式、数25の式によって表される。
Figure 2011039504

Figure 2011039504
但し、数25の式中の位相Bm1は、上述したように、感光体ギヤ151Yの目印153を目印検知センサ154が検知する際の基準の位相値である。
S8の工程では、本プリンタにおいては、図7に示したパターン画像の各パッチの検知信号から、各補正対象の回転周期の変動成分の振幅と位相のデータを基に、CPU201が共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンを算出する。この駆動速度変動パターンは、感光体1Kの1回転周期で発生する画像の伸縮パターンを小さくするように、共通駆動モータ160の回転速度を補正するものである。その駆動速度変動パターンを図10の駆動制御目標値出力部258に設定する。駆動制御目標値出力部258は、共通駆動モータ160のモータドライバに回転速度目標信号(デジタルデータ又はパルス列信号)を出力する。
S9の工程では、共通駆動モータ160の駆動速度が、駆動速度変動パターンに従って微調整される。このときに形成される画像は、感光体1周期で発生する伸縮パターンが解消されたものとなる。
なお、本プリンタでは、2次転写バイアスローラ19と中間転写ベルト8との当接による2次転写ニップにて、ベルト上のトナー像を記録シートPに2次転写するようになっている。中間転写ベルト8から記録シートへの2次転写においても、感光体から中間転写ベルトへの1次転写と同様に、中間転写ベルト8と記録シートPの線速差に応じて2次転写ニップ内で画像伸縮を引き起こす場合がある。線速差が生じる構成としては、2次転写バイアスローラ19が駆動源を持ち、中間転写ベルト8の速度変動に対し一定速度で回転する構成である。この場合、記録シートPの線速は2次転写バイアスローラ19に密着して搬送されるため、中間転写ベルト8との線速差が生じ、画像伸縮を引き起こす。これに対し、2次転写バイアスローラ19として、対向する駆動ローラ12に圧接させて従動回転させるものを用いれば、2次転写ニップ内で、2次転写バイアスローラ19をニップ内の記録シートPに追従させて移動させることになる。そして、ニップ内の記録シートは、トナーやベルトとの摩擦により、ベルトに追従して移動するので、ベルト速度変動があっても、記録シートP及び2次転写バイアスローラ19の線速は一致しており、2次転写ニップ内で画像を伸縮させることはない。従って、2次転写バイアスローラ19は従動ローラとすることが望ましい。また、2次転写バイアスローラ19が駆動源を持つ場合は、中間転写ベルトの速度変動に一致するように速度制御することが望ましい。
各色の感光体ギヤ151Y,C,M,Kは、それぞれ、偏心による回転速度変動の位相を互いに同期させる回転姿勢で組み付けられている。また、各色の感光体ギヤとしては、それぞれ同じ型を用いた成型法によって製造されたものを用いているので、互いに偏心量が同じになっている。よって、各感光体ギヤは、それぞれ1周あたりの速度変動パターンの振幅が互いに同じである。そして、各感光体ギヤを、互いに速度変動パターンの位相を同期させるように組み付けているので、Kだけでなく、Y,C,Mにおいても、感光体1周期の速度変動に起因する画像の乱れを解消することが可能である。なお、中継ギヤとしてクラッチ付きのものを用い、モノクロモードにはK以外の感光体に駆動を繋がないようにする構成を採用する場合には、モノクロモードを実施すると、Y,C,M用の感光体ギヤ151Y,C,M,Kの回転姿勢と、K用の感光体ギヤ151Kの回転姿勢との関係を、工場出荷時のものから変化させてしまう。変化させてしまった関係を、場合、工場出荷時の関係に戻す方法については、後述する。
次に、各色の感光体ギヤ151Y,C,M,Kを、偏心による回転速度変動の位相を互いに同期させる回転姿勢にする具体的な方法について説明する。感光体ギヤ151Y,C,M,Kは、互いに偏心量が同じであることが望ましいため、POM(ポリアセタール)樹脂などからなる射出成形品であれば、同一型で且つ同一ロットのものを用いる。このような感光体ギヤ151Y,C,M,Kでは、互いに形状誤差がほぼ一致しており、偏心量だけでなく最大偏心位置も互いに同じ状態になっている。更に、図3に示したように感光体ギヤ151Yの回転中心に、カップリング部152Yが一体形成されている成形品であれば、このカップリング部152Yで発生する回転速度変動も含めて、同期させることができる。そこで、感光体ギヤ151Y,C,M,Kの形状に突起や切欠きなどの目印を予め設けおけば、回転速度変動を互いに同期させることが可能になる。
各ギヤの回転速度変動を同期させることができる噛み合わせについて、図19を用いて説明する。図19は、回転速度変動を互いに同期させたい2つの従動ギヤの噛み合わせを示す概略構成図である。同図において、第1噛み合い部907では、駆動モータの回転駆動力によって回転駆動する駆動ギヤ903と、第1従動ギヤ901とが噛み合っている。また、第2噛み合い部905では、第1従動ギヤ901とアイドラギヤ904とが噛み合っている。また、第3噛み合い部906では、アイドラギヤ904と第2従動ギヤ902とが噛み合っている。第1従動ギヤ901は、第1噛み合い部907で駆動ギヤ903の回転駆動力を受けて図中時計回り方向に回転する。この第1従動ギヤ901の回転駆動力は、アイドラギヤ904を介して、第2従動ギヤ902に伝達される。これにより、第2従動ギヤ902は、図中時計回り方向に回転する。
同図において、挟み角θiは、駆動ギヤ903と第1従動ギヤ901との噛み合い部907における回転方向の中心線と、第1従動ギヤ901とアイドラギヤ904との噛み合い部905における回転方向の中心線とのなす角度を示している。第1従動ギヤ901の回転速度変動は、第1噛み合い部907において、第1従動ギヤ901の偏心に起因するギヤ噛み合い誤差によって発生する。一方、第2従動ギヤ902の回転速度変動は、次の3つの要因によって発生する。即ち、第1の要因は、第1従動ギヤ901の回転速度変動を反映しているアイドラギヤ904の回転速度変動を、第3噛み合い部906で第2従動ギヤ902に伝えることによるものである。また、第2の要因は、第1従動ギヤ901の偏心に起因する第2噛み合い部905でのギヤ噛み合い誤差によってアイドラギヤ904で発生した回転速度変動を、第3噛み合い部906で第2従動ギヤ902に伝えることによるものである。また、第3の要因は、第2従動ギヤ902の偏心に起因する第3噛み合い部906でのギヤの噛み合い誤差により、第2従動ギヤ902に回転速度変動を発生させることによるものである。これら3つの要因によってそれぞれ発生する回転速度変動が重畳されたものの回転位相と、第1従動ギヤ901の回転速度変動の回転位相とを同期させるために、次のような噛み合わせを行う。即ち、第1従動ギヤ901の目印901aを第2噛み合い部905における回転方向の中心線上に位置させたときに、第2従動ギヤ902の目印902aを第3噛み合い部906における回転方向の中心線上に位置させるように、各ギヤを噛み合わせる。このような噛み合わせにより、第2噛み合い部905で第1従動ギヤ901の偏心に起因して発生する回転速度変動と、第3噛み合い部906で第2従動ギヤ902の偏心に起因して発生する回転速度変動とを相殺する。詳しくは、たとえば目印901aや902aをそれぞれギヤの最大偏心箇所に付しているとする。すると、第1従動ギヤ901の目印901aを第2噛み合い部905内に進入させたときには、第1従動ギヤ901の回転角速度に対してアイドラギヤ904の回転角速度を増加させることになる。この一方で、そのとき、第3噛み合い部906では、第2従動ギヤ902の目印902aを進入させているため、アイドラギヤ904の回転角速度に対して第2従動ギヤ902の回転角速度を減少させる。すると、アイドラギヤ904の角速度増加を、第2従動ギヤ902の角速度減少で相殺することができる。従って、第2従動ギヤ902の回転速度変動は、第1噛み合い部907で発生した第1従動ギヤ901の偏心に起因する回転速度変動を受けることのみによるものになるので、第2従動ギヤ902と第1従動ギヤ901とで、回転速度変動の位相が同期する。
互いに回転速度変動の位相を同期させ得る第1従動ギヤ901の目印901aと第2従動ギヤ902の目印902aとの回転姿勢角(回転位相)θは、次式によって求めることができる。ただし、第1従動ギヤ901では第1噛み合い部907を基準にし、且つ第2従動ギヤ902では第3噛み合い部906を基準にしてそれぞれ回転方向を正とする。
Figure 2011039504
図20は、感光体ギヤ151Y,C,M,Kの回転速度変動の位相を互いに同期させ得る噛み合わせを説明するための概略構成図である。以下、K用の感光体ギヤ151Kの目印153が、K用の感光体ギヤ151Kと原動側のモータギヤ160aとの噛み合い部の中心線上に位置したときを、「ギヤ回転姿勢基準タイミング」という。同図において、挟み角θikは、「ギヤ回転姿勢基準タイミング」において、K用の感光体ギヤ151Kの目印153と、K用の感光体ギヤ151Kと第1中継ギヤ161との噛み合い部の中心線とのなす角である。また、挟み角θimは、第1中継ギヤ161とM用の感光体ギヤ151Mとの噛み合い部の中心線と、M用の感光体ギヤ151Mと第2中継ギヤ162との噛み合い部の中心線とのなす角である。また、挟み角θicは、第2中継ギヤ162とC用の感光体ギヤ151Cとの噛み合い部の中心線と、C用の感光体ギヤ151Cと第3中継ギヤ163との噛み合い部の中心線とのなす角である。また、角度θamは、「ギヤ回転姿勢基準タイミング」において、M用の感光体ギヤ151Mの目印156がM用の感光体ギヤ151Mと原動側の第1中継ギヤ161との噛み合い部の中心線上から回転方向にどれだけずれているのかを示す角である。また、角度θacは、「ギヤ回転姿勢基準タイミング」において、C用の感光体ギヤ151Cの目印157がC用の感光体ギヤ151Cと原動側の第2中継ギヤ162との噛み合い部の中心線上から回転方向にどれだけずれているのかを示す角である。また、角度θayは、「ギヤ回転姿勢基準タイミング」において、Y用の感光体ギヤ151Yの目印158がY用の感光体ギヤ151Yと原動側の第3中継ギヤ163との噛み合い部の中心線上から回転方向にどれだけずれているのかを示す角である。角度θam、角度θac、角度θayは、それぞれ次の式で表される。
Figure 2011039504
互いに隣り合う2つの感光体ギヤの回転姿勢はこの式のような関係になっている。これは、互いに隣り合う2つの感光体ギヤにおいて、従動側の感光体ギヤの回転速度変動の位相が、原動側の感光体ギヤの回転速度変動の位相に同期することを意味している。よって、Y,M,C用の感光体ギヤ151Y,C,Mの回転速度変動の位相は何れも、K用の感光体ギヤ151Kの回転速度変動の位相と同期する。互いに中継ギヤを介して連結されるY,C,M用の感光体ギヤ151Y,C,Mは、図示のような噛み合わせで組み付けられて出荷される。なお、数27の式を、感光体ギヤの原動側からの配列順番であるn(例えばMであればn=2)に着目した式に変形すると、先に数1で示した関係式が得られる。即ち、先に数1で示した関係式を具備させることで、各感光体ギヤにおける回転速度変動の位相を同期させることができる。
モノクロモードにおいて、Y,C,M用の感光体ギヤ151Y,C,Mへの駆動伝達を切るために、第1中継ギヤ161としてクラッチ付きのものを用いた場合には、モノクロモードを実行すると、Y,C,M用の感光体ギヤ151Y,C,Mの回転姿勢と、K用の感光体ギヤ151Kの回転姿勢との関係が、工場出荷時のものとは異なってしまう。そこで、同関係が工場出荷時のものから変化してしまった場合には、目印検知センサ154によってK用の感光体ギヤ151Kの目印153を検知したタイミングと、第2目印検知センサ155によってM用の感光体ギヤ151Mの目印156を検知したタイミングとに基づいて、工場出荷時の関係に戻すように、各感光体ギヤを回転停止させる。
感光体ギヤ151Y,C,M,Kの目印(158,157,156,153)としては、ギヤ成形時にギヤと一体形成した突起や切り欠きなどを用いている。その目印がギヤの最大偏心箇所になるとは限らないが、同じ型で成形したギヤであれば、最大偏心箇所と目印との位置関係が同じになる。よって、感光体ギヤ151Y,C,M,Kとして、それぞれ互いに同じ型で成形したものを用いれば、図20に示した位置関係になる噛み合わせを採用することで、各感光体ギヤの回転速度変動の位相を同期させることができる。ギヤ成形時にギヤと一体形成した突起や切り欠きを目印として用い、且つ、各感光体ギヤとして互いに同じ型で成形したものを用いれば、製造工程にて感光体ギヤの偏心位相を計測したり、計測結果に基づいて目印を付けたりという煩雑な作業を省略することができる。
次に、第2実施形態に係るプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、第2実施形態に係るプリンタの構成は、第1実施形態と同様である。
図21は、第2実施形態に係るプリンタにおいて、感光体ギヤ151Y,C,M,Kの回転速度変動の位相を互いに同期させ得る噛み合わせを説明するための概略構成図である。同図において、K用の感光体ギヤ151Kは、第1実施形態に係るプリンタと同様に、モータギヤ106aに噛み合っており、モータギヤ106aから回転駆動力が伝達される。第1実施形態に係るプリンタとは異なり、K用の感光体ギヤ151Kと、M用の感光体ギヤ151Mとの間には、両ギヤ間で駆動を中継するための第1中継ギヤが設けられていない。その代わりに、M用の感光体ギヤ151Mに対しては、カラーモータギヤ160bが噛み合っている。このカラーモータギヤ160bは、Y,C,M用の3つの感光体を駆動するための専用のモータである図示しないカラー感光体モータのモータギヤに固定されているものである。つまり、カラーモータギヤ160bからM用の感光体ギヤ151Mに伝達された回転駆動力は、第2中継ギヤ162を介してC用の感光体ギヤ151Cに伝達される。更に、C用の感光体ギヤ151Cに伝達された回転駆動力は、第3中継ギヤ163を介してY用の感光体ギヤ151Yに伝達される。第1実施形態とは異なり、K用の感光体と中間転写ベルトとを駆動するための駆動源なっている共通駆動モータ(160)や、Y,C,M用の感光体を駆動するためのカラー感光体モータにかかる負荷が、カラーモード、モノクロモードの切り替えにかかわらず、一定になるため最適なモータ形状や駆動回路を設定することが可能になる。これに対し、第1実施形態に係るプリンタでは、カラーモードと、モノクロモードとで、共通駆動モータ(160)にかかる負荷が大きく変動してしまう。最大負荷となるカラーモードに応じた設計を実施することになるので、モノクロモードでは、性能が低下してしまう。
第2実施形態に係るプリンタにおいて、共通駆動モータや、カラー感光体モータの平均回転速度は、感光体ドラム径によって異なる。但し、感光体1回転あたりの回転速度変動パターンや、これを打ち消すための駆動速度変動パターンは第1実施形態に係るプリンタと全く同じである。第1実施形態と異なる点は、回転位相関係である。「ギヤ回転姿勢基準タイミング」は、上述したように、K用の感光体ギヤ151Kの目印153が、モータギヤ160aとK用の感光体ギヤ151Kとの噛み合い部の中心線に位置したときのタイミングである。第2実施形態に係るプリンタでは、この「ギヤ回転姿勢基準タイミング」において、図示のように、M用の感光体ギヤ151Mの目印156を、カラーモータギヤ160bとM用の感光体ギヤ151Mとの噛み合い部の中心線に位置させるように、2つのモータの回転駆動制御により、各感光体ギヤの回転位相を調整する。よって、「ギヤ回転姿勢基準タイミング」においては、角度θakや角度θamがそれぞれ図示のように0[°]になる。第2実施形態では、角度θam、角度θac、角度θayが、次式のような関係になる。
Figure 2011039504
なお、この式を、Y,M,Cの3つの感光体ギヤのそれぞれにおける原動側からの配列順番であるn(例えばMであればn=1)に着目した式に変形すると、先に数2で示した関係式が得られる。即ち、共通駆動モータとは異なる駆動モータで駆動する感光体がある場合には、先に数2で示した関係式を具備させることで、各感光体ギヤにおける回転速度変動の位相を同期させることができる。
次に、第1実施形態、あるいは第2実施形態に係るプリンタの各変形例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係るプリンタの構成は、第1実施形態、あるいは第2実施形態と同様である。
[第1変形例]
画像の乱れは、感光体ギヤの偏心に起因して感光体1周期の伸縮パターンとして発生するものの他、駆動ローラ12の偏心に起因して中間転写ベルト8に駆動ローラ1回転周期で発生するサインカーブ状の速度変動に起因するものがある。第1変形例に係るプリンタでは、感光体ギヤの偏心に起因する感光体1周期のサインカーブ状の感光体速度変動による画像の乱れに代えて、駆動ローラ12の偏心によって駆動ローラ1回転周期で発生するベルト速度変動に起因する画像の乱れを抑えるようになっている。具体的には、上述のパターン画像の各パッチ像を検知した結果に基づいて、同ベルト速度変動に起因する画像の伸縮パターンを把握する。そして、その伸縮パターンを打ち消しする伸縮パターンを、露光ポイントSPで書き込む潜像に発生させ得る共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンを求める。
駆動ローラ12の駆動ローラギヤ167の周方向における所定の位置には、基準回転角検知用の目印167aが付されている。一方、駆動ローラギヤ167の図中左側方には、光学的技術により、駆動ローラギヤ167が所定の回転角度姿勢になったときに目印167aを検知する位置検知手段としての第2目印検知センサ168が配設されている。第2目印検知センサ168が目印167aを検知することで、駆動ローラギヤ167Kについて所定の回転角度姿勢になったことが検知される。
プリントジョブには、上述した駆動速度変動パターンと、第2目印検知センサ168が目印167aを検知するタイミングとに基づいて、共通駆動モータ160の駆動速度を微調整することで、画像の伸縮パターンを打ち消し得る潜像伸縮パターンを露光ポイントSPで発生させる。
なお、感光体ギヤの偏心に起因する感光体1回転あたりのサインカーブ状の感光体速度変動に起因する画像の乱れと、駆動ローラ12の偏心に起因する駆動ローラ1回転あたりのサインカーブ状のベルト速度変動に起因する画像の乱れとの両方を打ち消すような潜像伸縮パターンを、露光ポイントSPで発生させることも可能である。この場合、駆動ローラ12の1回転周期を、感光体の1回転周期の整数倍にすることが望ましい。
[第2変形例]
画像の乱れは、中間転写ベルト8の周方向の厚みムラによってベルト1周期で発生するサインカーブ状のベルト速度変動に起因するものがある。第1変形例に係るプリンタでは、感光体ギヤの偏心に起因する感光体1周期のサインカーブ状の感光体速度変動による画像の乱れに代えて、ベルト厚みムラに起因してベルト1周期で発生するベルト速度変動に起因する画像の乱れを抑えるようになっている。具体的には、上述のパターン画像の各パッチ像を検知した結果に基づいて、同ベルト速度変動に起因する画像の伸縮パターンを把握する。そして、その伸縮パターンを打ち消しする伸縮パターンを、露光ポイントSPで書き込む潜像に発生させ得る共通駆動モータ160の駆動速度変動パターンを求める。
中間転写ベルト8の裏面には、周方向の所定位置にベルト目印8aが付されている。また、中間転写ベルト8のループ内側には、所定位置でそのベルト目印8aを検知する位置検知手段としてのベルトマークセンサ91が配設されている。中間転写ベルト8が無端移動における所定の位相姿勢になったときに、ベルトマークセンサ91がベルト目印8aを検知する。
プリントジョブには、上述した駆動速度変動パターンと、ベルトマークセンサ91がベルト目印8aを検知するタイミングとに基づいて、共通駆動モータ160の駆動速度を微調整することで、画像の伸縮パターンを打ち消し得る潜像伸縮パターンを露光ポイントSPで発生させる。
なお、感光体ギヤの偏心に起因する感光体1回転あたりのサインカーブ状の感光体速度変動に起因する画像の乱れと、ベルト厚みムラに起因するベルト1周期のサインカーブ状のベルト速度変動に起因する画像の乱れとの両方を打ち消すような潜像伸縮パターンを、露光ポイントSPで発生させることも可能である。この場合、感光体1回転周期を、ベルト1周期の整数倍にすることが望ましい。
[第3変形例]
転写ユニット15において、フィードバック制御を搭載することは、パターン画像の変動成分の検出精度を高める有効な手段である。例えば、図1において、中間転写ベルト8の無端移動に伴って従動回転する従動ローラ14の回転軸にロータリエンコーダを固定する。このロータリエンコーダから出力される回転情報を基に、ロータリエンコーダからの出力(回転角速度)が目標回転角速度となるように共通駆動モータ160の駆動速度を微調整する。これにより、ベルト速度変動を抑えることで、感光体ギヤの偏心に起因する感光体速度変動による画像の伸縮を精度良く検出することが可能になる。
共通駆動モータ160のモータ軸には、速度センサが取り付けられている。この速度センサによって共通駆動モータ160の回転状態を検出し、その検出信号を駆動制御部250のモータドライバにフィードバックすることで、共通駆動モータ160の回転速度を所望の速度で安定化させる駆動速度微調整が可能になる。なお、モータ内蔵型の速度センサとしては、例えばプリントコイル式の周波数発電機(FG)やMRセンサ等を用いることができる。
第3変形例に係るプリンタは、パターン画像を形成するときや、検出するときには、上述のように共通駆動モータ160の駆動速度をフィードバック制御することで、図6におけるS5やS6の処理を不要にしている。但し、一方で駆動ローラ12のベルト速度変動を抑制した分は、感光体ドラム回転変動となり、画像の変動要因となる。これについては、感光体1周期変動成分と同様の処理で補正することが可能である。
[第4変形例]
第1実施形態や第2実施形態では、パターン検知センサ90として、照明用光源のLED素子と、反射光を受光する受光素子と、1対の集光レンズとを具備するものを用いていた。かかるセンサは、パッチ通過時間を検知する方式であるため、検出時のベルト速度変動の影響を受けてしまう。一方、第4変形例に係るプリンタでは、パターン検知センサ90として、エリア型CCDセンサを用いて、隣接する2つのパッチを撮影し、隣接パッチ間隔を直接計測する直接検出方式を採用している。かかる構成では、ベルト速度変動に影響されることなく、隣接するパターン間隔を高精度に計測することが可能となるため、図6のS5の工程や、S6の工程を実行する必要が無くなり、より高精度なパターン変動の検出が可能となる。
[第5変形例]
図11は、第5変形例に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。このプリンタでは、潜像担持体として、無端状ベルト状の感光ベルト303を用いている。感光ベルト303は、3つの支持ローラに張架され、そのうちの1つである駆動ローラによって、中間転写ベルト305と同一方向で無端移動せしめられるようになっている。また、感光ベルト303は最も下方に位置したローラに対する巻き掛け位置で中間転写ベルト305に接触して転写ニップ(転写ポイント)を形成している。感光ベルト303の周囲には、感光体ベルト303を所定の電位に帯電させる帯電チャージャ302、帯電された表面を画像信号に基づきレーザー光301で露光して静電潜像を形成する図示しない露光装置、静電潜像に帯電したトナーを供給して現像する現像装置300、及び、トナー像を中間転写ベルト305上に転写する転写ローラ304が順に配設されている。
なお、転写ローラ304は、中間転写ベルト305の内側に配置され、感光ベルト303の最下端のローラに対向した位置に設けられている。また、中間転写ベルト305上に形成されたパターン画像は、パターンセンサ306にて検知される。このような感光ベルト303においては、駆動ローラの偏心や感光ベルト303の厚み偏差分布により、感光ベルト303の表面移動速度変動が発生する。かかる構成において、感光ベルト303の1回転周期の表面移動速度変動を補正したい場合には、感光ベルト303の回転角速度ωobと、感光ベルト1周期に対するレーザー光301の露光ポイントSPとに基づいて、画像の伸縮パターンを打ち消し得る潜像伸縮パターンとなる共通駆動モータ(この場合には2つのベルトを駆動するモータ)の駆動速度変動パターンを求める。上述した感光体の半径R及び回転角速度ωに相当するパラメータは、感光ベルト303の周長と表面移動速度とから設定することができる。
1Y,C,M,K:感光体(円柱状潜像担持体)
8:中間転写ベルト(転写体、ベルト部材)
12:駆動ローラ(駆動回転体)
15:転写ユニット(転写手段)
55Y:現像器(現像手段)
160:共通駆動モータ(共通駆動源)
200:メイン制御部(制御手段の一部)
250:駆動制御部(制御手段の一部)
P:記録シート
特許第3186610号公報

Claims (11)

  1. 画像情報を受信する受信手段と、自らの移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、前記画像情報に基づいて、前記潜像担持体の表面のうち、所定の潜像書込位置に移動した箇所に対して潜像を書き込む潜像書込手段と、前記表面上の潜像を現像して可視像を得る現像手段と、前記潜像担持体の表面のうち、所定の転写位置に移動した箇所に担持されている可視像部分を転写体に転写する転写手段と、前記転写体を前記転写位置における前記表面の移動方向と同じ方向に搬送する搬送手段と、前記転写体の表面上に転写された可視像を検知する像検知手段とを備える画像形成装置において、
    前記潜像担持体と前記搬送手段とを1つの共通駆動源で駆動するように駆動伝達系を構成し、
    前記駆動伝達系の各部材のうち、自らの回転移動又は無端移動に伴ってその周回の周期と同じ周期で前記潜像担持体又は転写体の速度を増減させる速度変動パターンを発生させてしまう部材、の周軌道内における位置を検知する位置検知手段を設け、
    且つ、前記共通駆動源を等速で駆動した状態で、前記周期で発生してしまう画像の伸縮パターンを検出するためのパターン画像を前記潜像担持体の表面に形成して前記転写体に転写し、前記転写体上の前記パターン画像を前記像検知手段によって検知した結果に基づいて前記伸縮パターンを把握し、把握結果に基づいて、前記伸縮パターンを打ち消し得る潜像伸縮パターンを前記潜像書込位置で潜像に発生させる前記共通駆動源の駆動速度変動パターンを求める処理を、前記画像情報に基づく画像を形成するためのプリントジョブ実行時とは別のタイミングで実施した後、プリントジョブにて、前記位置検知手段による検知結果及び前記駆動速度変動パターンに基づいて前記共通駆動源を駆動する制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記駆動速度変動パターンとして、前記パターン画像の検知結果に基づいて把握した前記伸縮パターンに対して同振幅且つ逆位相となる潜像伸縮パターンを前記潜像書込位置で発生させるものを求める処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置であって、
    前記潜像担持体が回転駆動される円柱状の円柱状潜像担持体であり、
    前記速度変動パターンが、前記円柱状潜像担持体に発生する1回転あたりの速度変動パターンであり、
    該速度変動パターンを発生させてしまう部材が、前記円柱状潜像担持体の回転軸線上で回転しながら、原動側の回転駆動力を前記円柱状潜像担持体に伝達する回転部材であり、
    且つ、前記位置検知手段が、前記回転部材の回転位置を検出するものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかの画像形成装置であって、
    前記搬送手段が、無端状のベルト部材を駆動回転体に掛け回した状態で前記駆動回転体の回転駆動に伴って無端移動せしめつつ、前記転写体たる前記ベルト部材、又はベルト表面に保持した前記転写体たる記録部材を、前記転写位置で前記潜像担持体の表面移動方向と同じ方向に搬送するものであり、
    前記速度変動パターンが、前記駆動回転体の1回転周期で前記ベルト部材に発生する速度変動パターンであり、
    該速度変動パターンを発生させてしまう部材が、前記駆動回転体であり、
    且つ、前記位置検知手段が、前記駆動回転体の回転位置を検出するものであることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの画像形成装置であって、
    前記搬送手段が、無端状のベルト部材を駆動回転体に掛け回した状態で前記駆動回転体の回転駆動に伴って無端移動せしめつつ、前記転写体たる前記ベルト部材、又はベルト表面に保持した前記転写体たる記録部材を、前記転写位置で前記潜像担持体の表面移動方向と同じ方向に搬送するものであり、
    前記速度変動パターンが、前記ベルト部材に発生する1周あたりの速度変動パターンであり、
    該速度変動パターンを発生させてしまう部材が、前記駆動回転体であり、
    且つ、前記位置検知手段が、前記ベルト部材の周方向における位置を検出するものであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項3の画像形成装置であって、
    前記搬送手段の転写体搬送方向に沿って並ぶ複数の前記円柱状潜像担持体を備えるとともに、それら円柱状潜像担持体のそれぞれに形成した可視像を前記転写体に重ね合わせて転写する手段を備え、
    前記駆動伝達系が、前記共通駆動源の駆動力を全ての円柱状潜像担持体に伝達し、且つ、それぞれの円柱状担持体の速度変動パターンの位相を互いに一致させるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6の画像形成装置において、
    前記複数の円柱状潜像担持体にそれぞれ個別に対応する複数の回転部材に対して、それぞれ回転方向における同じ箇所に目印を設け、
    それら複数の回転部材のそれぞれにおける原動側からの配列順番をnで表し、第n番目の回転部材とこれに対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部における回転方向の中心線と、該回転部材とこれに対する従動側駆動伝達部材との噛み合い部における回転方向の中心線とのなす角を挟み角θinで表し、且つ、最も原動側に位置する回転部材(n=1)の前記目印が該回転部材に対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部の回転方向の中心線に位置したときにおける、第n番目の回転部材とこれに対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部の回転方向の中心線と、第n番目の回転部材の前記目印とのなす角度をθanで表した次式を満足させたことを特徴とする画像形成装置。
    Figure 2011039504

    ※但し、この数式において、θa1は、n=1の回転部材についてのθanを表している。
  8. 請求項3の画像形成装置において、
    前記円柱状潜像担持体として、前記搬送手段の転写体搬送方向に沿って並べた複数のものを設け、
    それら円柱状潜像担持体に形成された可視像を前記転写体に重ね合わせて転写する処理を実施するように前記転写手段を構成し、
    前記複数の円柱状潜像担持体のうち、2つ以上を前記共通駆動源とは別の駆動源によって駆動するように前記駆動伝達系を構成し、
    前記複数の円柱状潜像担持体にそれぞれ個別に対応する複数の回転部材に対して、それぞれ回転方向における同じ箇所に目印を設け、
    それら複数の回転部材のうち、前記別の駆動源によって駆動が伝達される回転部材のそれぞれにおける原動側からの配列順番をnで表し、第n番目の回転部材とこれに対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部における回転方向の中心線と、該回転部材とこれに対する従動側駆動伝達部材との噛み合い部における回転方向の中心線とのなす角を挟み角θinで表し、且つ、前記別の駆動源によって駆動が伝達される2つ以上の回転部材の中で最も原動側に位置する回転部材(n=1)の前記目印が該回転部材に対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部の回転方向の中心線に位置したときにおける、第n番目の回転部材とこれに対する原動側駆動伝達部材との噛み合い部の回転方向の中心線と、第n番目の回転部材の前記目印とのなす角度をθanで表した次式を満足させたことを特徴とする画像形成装置。
    Figure 2011039504

    ※但し、この数式において、θa1は、n=1の回転部材についてのθanを表している。
  9. 請求項1乃至8の何れかの画像形成装置において、
    前記像検知手段によるパターン画像検知位置における前記転写体の速度変動によって発生する伸縮パターン検出誤差を補正する検出誤差補正手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至9の何れかの画像形成装置において、
    上記搬送手段として、複数の支持回転体に掛け回した無端状のベルト部材を駆動回転体の回転駆動に伴って無端移動せしめることで、転写体たる前記ベルト部材、あるいは前記ベルト部材の表面に保持した転写体、を搬送するものを用い、
    前記複数の支持回転体のうち、前記ベルト部材の無端移動に伴って従動回転する従動回転体の回転角速度又は回転角変位を検知する回転検知手段を設け、
    該回転検知手段による検知結果に基づいて、前記駆動速度変動パターンを補正する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1乃至10の何れかの画像形成装置において、
    前記パターン画像として潜像担持体表面移動方向に並ぶ複数の可視像からなるものを形成する処理を実施するように前記制御手段を構成するとともに、
    前記像検知手段として、前記パターン画像内における可視像間の距離を計測可能なものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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