JP2011034859A - 電池用巻回電極体、電池およびその製造方法 - Google Patents

電池用巻回電極体、電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 生産性の高い電池、その製造方法、および前記電池を構成し得る巻回電極体を提供する。
【解決手段】 帯状の正極と帯状の負極とが、帯状のセパレータを介して重ねられ、かつ渦巻状に巻回された電池用の巻回電極体であって、その外周部において、加熱により被着体に対する剥離強度が低下する熱剥離テープによって巻き止めされていることを特徴とする電池用巻回電極体、および本発明の電池用巻回電極体を用いたことを特徴とする電池である。本発明の電池は、本発明の電池用巻回電極体を電池容器に収容し、熱剥離テープの剥離強度が低下して巻回電極体の巻き緩みが生じる温度以上に電池容器を加熱した後に、電池容器内に電解液を注入する工程を経て製造される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生産性の高い電池、その製造方法、および前記電池に使用し得る巻回電極体に関するものである。
リチウムイオン電池は、ノートパソコンや電動工具などの電源として用いられているが、こうした機器における使用時間の延長や機能拡充を達成するために、その高容量化が進められている。
高容量のリチウムイオン電池では、例えば、集電体の表面に正極合剤層を形成した帯状の正極と、集電体の表面に負極合剤層を形成した帯状の負極とを、セパレータを介して重ね、これを渦巻状に巻回した巻回電極体が一般に使用されている。そして、正負極に使用する活物質の高容量化や、正負極の合剤層に使用するバインダ量および導電助剤量の低減、正負極の合剤層の密度向上、セパレータの薄膜化などの手法で、リチウムイオン電池の高容量化が図られている。
すなわち、リチウムイオン電池では、電池容器内の限られた空間に、特に正負極の活物質を効率よく充填することで高容量化が図られている。しかし、こうした手法による高容量化に伴って、電池内の空間が減少し、例えば電解液の占める部分に制約が生じる。
そこで、リチウムイオン電池の製造においては、必要量の電解液を電池内に充填するために、電池容器内部を減圧して電解液のしみ込み時間を短縮したり、電池内部を加圧して電解液を押し込むなどの手法が採用されている(例えば、特許文献1)。
特開2001−110400号公報
巻回電極体を有する電池の製造時において、電池容器内に注入された電解液の一部は、主に巻回電極体の上下端を通じて巻回電極体内部に浸透する。ところが、最近のリチウムイオン電池では、電池容器内に導入する活物質量を高めて高容量化を図るために、正負極とセパレータとをできるだけ隙間なく巻回して、外径を抑えつつ容量を大きくした巻回電極体を使用しており、このような巻回電極体の上下端からは、前記のような減圧や加圧などの手法を用いても電解液が内部に浸透し難く、電池製造時の電解液注入工程が長時間になることから、電池の生産性が損なわれている。
前記のような電池の高容量化に伴う電解液注入工程の長時間化は、リチウムイオン電池のみならず、巻回電極体を使用する各種の電池において、共通の問題である。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性の高い電池、その製造方法、および前記電池を構成し得る巻回電極体を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の電池用巻回電極体は、帯状の正極と帯状の負極とが、帯状のセパレータを介して重ねられ、かつ渦巻状に巻回された電池用の巻回電極体であって、外周部において、加熱により被着体に対する剥離強度が低下する熱剥離テープによって巻き止めされていることを特徴とするものである。
また、本発明の電池は、帯状の正極と帯状の負極とが、帯状のセパレータを介して重ねられ、かつ渦巻状に巻回された巻回電極体と、電解液とが、電池容器内に収容された電池であって、前記巻回電極体に、本発明の電池用巻回電極体を使用したことを特徴とするものである。
更に、本発明の電池の製造方法は、帯状の正極と帯状の負極とを、帯状のセパレータを介して重ね、更に渦巻状に巻回した後に、その外周部を、加熱により被着体に対する剥離強度が低下する熱剥離テープによって巻き止めして巻回電極体を形成する工程と、前記巻回電極体を電池容器に収容する工程と、前記熱剥離テープの剥離強度が低下して前記巻回電極体に巻き緩みが生じる温度以上に電池容器を加熱する工程と、前記加熱後に電池容器内に電解液を注入する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、生産性の高い電池、その製造方法、および前記電池を構成し得る巻回電極体を提供することができる。
本発明の巻回電極体の一例を模式的に表す斜視図である。
図1に、本発明の巻回電極体の一例を模式的に表す斜視図を示す。なお、図1では、巻回電極体を構成する正極、負極およびセパレータを明確に区別せずに簡略化して示しており、正負極と電池の外部端子とを接続するためのリード部も省略している。
巻回電極体1は、帯状の正極と帯状の負極とをセパレータを介して重ねて渦巻状に巻回したものであり、その最外周部に位置する電極(正極または負極)またはセパレータの端部(図1ではセパレータ2)を、熱剥離テープ3によって固定して巻き止めしている。このように巻回電極体の最外周部を熱剥離テープによって巻き止めすることで、例えば、電池容器へ挿入する際の巻き緩みによる作業性の低下などを抑制することができる。
また、本発明の巻回電極体において、その巻き止めに使用する熱剥離テープは、常温(25℃)では、セパレータや電極のような被着体に対して良好に粘着できる程度の粘着性を有しているが、加熱することで被着体に対する剥離強度が低下する特性を有している。そのため、本発明の巻回電極体を用いた電池(すなわち、本発明の電池)では、巻回電極体を電池容器に挿入後、熱剥離テープの被着体に対する剥離強度が低下する温度以上に電池容器を加熱することで、熱剥離テープと巻回電極体との間の剥離強度が低下して巻回電極体に緩みが生じ、電極−セパレータ間に多少の隙間が形成される。よって、その後に電池容器内に電解液を注入すると、巻回電極体の上下端から前記の隙間を通じて電極やセパレータに電解液がスムーズに浸透する。このように、本発明の電池は、本発明の巻回電極体を使用することで、電池容器内への巻回電極体の挿入時の作業性を損なうことなく、電解液注入工程を短時間化することができることから、高い生産性を有するものとなる。更に、本発明の電池では、巻回電極体内部へ電解液が良好に浸透するため、負荷特性などの放電特性の改善も期待できる。
巻回電極体の巻き止めに使用する熱剥離テープは、常温でセパレータや電極のような被着体に対して良好に粘着できる程度の粘着性を有し、加熱することで被着体に対する剥離強度が低下するものであればよい。具体的には、例えば、フィルムや織布、不織布などからなる基材の少なくとも片面に、粘着性を有するが、加熱によって被着体に対する剥離強度が常温時よりも低下する粘着層(以下、「粘着層」と省略する。)を有するテープが使用できる。
粘着層は、例えば、粘着剤と、加熱により膨張する微粒子(以下、「熱膨張性微粒子」という。)とで構成することができる。前記のような粘着層を有する熱剥離テープでは、その粘着層を被着体に貼り付けた状態で加熱すると、熱膨張性微粒子が膨張して粘着層と被着体との接触面積が減少し、その結果剥離強度が低下する。
熱膨張性微粒子としては、例えば、プロパン、イソブタン、ペンタンなどのように加熱によりガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包する微粒子が挙げられる。前記の弾性を有する殻としては、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンなどの樹脂で構成することができる。
また、粘着層を構成する粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の各種粘着剤が挙げられる。
粘着層の厚みは、5μm以上、500μm以下(より好ましくは100μm以下)であることが好ましい。
熱剥離テープの基材を構成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、アラミドなどのポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトンなどの樹脂が挙げられる。
基材の厚みは、1μm以上、1000μm以下(より好ましくは250μm以下)であることが好ましい。
なお、熱剥離テープの剥離強度が低下して巻回電極体に巻き緩みが生じる温度は、100℃以下であることが好ましく、90℃以下であることが好ましい。熱剥離テープの剥離強度が低下して巻回電極体に巻き緩みが生じる温度は、粘着層を構成する熱膨張製微粒子の選択により調整できる。
このような熱剥離テープとしては、例えば、日東電工社から「リバアルファ」の商品名で、被着体に対する剥離強度が低下する温度の異なる数種のものが市販されており、これらを使用することができる。
本発明の電池は、巻回電極体が使用されている電池であればよく、例えば、非水電解液を有する電池(リチウムイオン一次電池、リチウムイオン二次電池といったリチウムイオン電池などの非水電解液電池)、アルカリ電解液を有するアルカリ蓄電池(ニッケル水素電池など)などのいずれでもよい。よって、本発明の巻回電極体に使用する正極および負極には、公知の非水電解液電池やアルカリ蓄電池で使用されている正極および負極を用いることができる。
すなわち、本発明の巻回電極体に係る正極には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダを含む正極合剤からなる正極合剤層を、集電体の片面または両面に形成したものが使用できる。
非水電解液電池(リチウムイオン電池)の場合の正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiNiCo1−x、LiMnO、LiNiMn1−x、LiMn、二酸化マンガンなどのマンガン含有酸化物、フッ化炭素などのような、公知の非水電解液電池で使用されている正極活物質を用いることができる。また、導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、鱗片状黒鉛、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、繊維状炭素などが挙げられる。更に、バインダとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンラバーなどが挙げられる。
また、アルカリ蓄電池(ニッケル水素電池など)の場合の正極活物質としては、例えば、水酸化ニッケルなどが挙げられる。更に、導電助剤およびバインダには、例えば、非水電解液電池の場合の正極に使用可能なものとして先に例示した各種導電助剤およびバインダが使用できる。
正極は、正極活物質と導電助剤とバインダとを混合して調製した正極合剤を加圧成形して金属箔、エキスパンドメタル、金属発泡体、平織り金網などからなる集電体に圧着などするか、または前記正極合剤を水または有機溶剤に分散させて正極合剤含有ペーストを調製し(この場合、バインダはあらかじめ水または溶剤に溶解または分散させておき、それを正極活物質などと混合して正極合剤含有ペーストを調製してもよい)、その正極合剤含有ペーストを金属箔、エキスパンドメタル、金属発泡体、平織り金網などからなる集電体に塗布し、乾燥した後、加圧成形することによって作製することができる。なお、正極には、常法に従い、電池の外部端子と接続するためのリード部を形成することができる。
正極合剤層の厚みは、非水電解液電池(リチウムイオン電池)の場合、例えば、30〜100μmであることが好ましく、また、正極集電体の厚みは、例えば、10〜20μmであることが好ましい。アルカリ蓄電池の場合は、エキスパンドメタルや金属発泡体などで、厚みが100μm〜1mm程度の集電体を用いて、非水電解液電池よりも正極合剤層を厚くすることができる。
また、本発明の巻回電極体に係る負極には、例えば、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて導電助剤を含む負極合剤からなる負極合剤層を、集電体の片面または両面に形成したものが使用できる他、負極活物質が金属材料の場合は、該金属材料を箔のみで形成した負極や、前記金属材料からなる箔などを集電体表面に貼り付けた負極が使用できる。
非水電解液電池(リチウムイオン電池)の場合の負極活物質としては、例えば、金属リチウム;リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−ビスマス、リチウム−インジウム、リチウム−ガリウム、リチウム−インジウム−ガリウムなどのリチウム合金;炭素質材料;リチウムチタン酸化物に代表される金属酸化物;などが挙げられる。
また、アルカリ蓄電池(ニッケル水素電池)の場合の負極活物質としては、例えば、水素吸蔵合金が使用される。その水素吸蔵合金としては、例えば、希土類−Ni系、ラーベス系、Mg−Ni系、V−Ti−Ni系などの各種水素吸蔵合金が挙げられるが、それらの中でもミッシュメタルを用いた希土類−Ni系水素吸蔵合金が好適に用いられる。特に水素吸蔵合金としては、少なくともNi、Co、MnおよびAlを含み、ミッシュメタル(Mm)1に対して、Ni、Co、Mn、Alの割合がそれぞれ3.4〜4.3、0.2〜0.7、0.1〜0.5、0.1〜0.4の範囲内にあるものがより好ましい。
負極にバインダや導電助剤を使用する場合には、正極に使用可能なものとして先に例示した各種バインダおよび導電助剤が使用できる。
負極合剤層を有する負極の場合には、負極活物質とバインダや導電助剤を混合して調製した負極合剤を加圧成形して金属箔、エキスパンドメタル、平織り金網などからなる集電体に圧着などするか、または前記負極合剤を水または有機溶剤に分散させて負極合剤含有ペーストを調製し(この場合、バインダはあらかじめ水または溶剤に溶解または分散させておき、それを負極活物質などと混合して負極合剤含有ペーストを調製してもよい)、その負極合剤含有ペーストを金属箔、エキスパンドメタル、平織り金網などからなる集電体に塗布し、乾燥した後、加圧成形することによって作製することができる。なお、負極には、常法に従い、電池の外部端子と接続するためのリード部を形成することができる。
負極全体の厚みは、非水電解液電池の場合、例えば、70〜200μmであることが好ましく、また、負極合剤層を有する負極の場合、負極合剤層の厚みは、例えば、30〜100μmであることが好ましい。更に、負極集電体を有する負極の場合、負極集電体の厚みは、例えば、5〜15μmであることが好ましい。
本発明の巻回電極体に係るセパレータとしては、公知の非水電解液電池やアルカリ蓄電池に使用されている樹脂多孔質膜(微孔性フィルム)や不織布で構成されたセパレータを使用することができる。セパレータの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィンのほか、耐熱用として、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。また、前記材質の微孔性フィルムと不織布とを複数積層するか、または微孔性フィルム同士や不織布同士を複数積層することによって構成される複層構造のセパレータを用いることにより、高温環境下で使用する場合の信頼性をより高めることができ、更に、電池の製造時において、巻回電極体の巻き止めに用いた熱剥離テープの剥離強度を低下させて巻回電極体に巻き緩みを生じさせるための加熱の際に、セパレータの劣化をより良好に抑えることができる。
また、セパレータの耐熱性を高めて、高温環境下で電池を使用する場合の信頼性を高めたり、巻回電極体の巻き止めに用いた熱剥離テープの剥離強度を低下させて巻回電極体に巻き緩みを生じさせるための加熱時におけるセパレータの劣化を抑制することに加えて、セパレータの厚みの増加を抑えて電池特性の低下を抑制するには、融点が80〜150℃の熱可塑性樹脂を主成分とする微孔性フィルムからなる樹脂多孔質層と、耐熱性微粒子を主成分として含む耐熱多孔質層とを有するセパレータを使用することが好ましい。
樹脂多孔質層と耐熱多孔質層とを有する前記セパレータにおいて、樹脂多孔質層は、電池において正極と負極の短絡を防止しつつ、イオンを透過するセパレータ本来の機能を有する層であり、耐熱多孔質層は、セパレータに耐熱性を付与する役割を担う層である。また、樹脂多孔質層は、融点が80〜150℃の熱可塑性樹脂を主成分としていることから、電池内が高温となった際に、前記熱可塑性樹脂が溶融してセパレータの空孔を塞ぎ、電気化学反応の進行を抑制するシャットダウン機能を確保することもできる。
樹脂多孔質層と耐熱多孔質層とを有する前記セパレータにおける樹脂多孔質層としては、融点が80〜150℃、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、80〜150℃の熱可塑性樹脂を主成分としている。このような樹脂多孔質層としては、例えば、PEを主成分とする単層の微孔性フィルムであるか、PEとPPとを2〜5層積層した積層微多孔構成フィルムなどであることが好ましい。
前記のような微孔性フィルムとしては、例えば、公知の非水電解液電池などで使用されている前記例示の熱可塑性樹脂で構成された微孔性フィルム、すなわち、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法などにより作製されたイオン透過性の微孔性フィルム(微多孔膜)を用いることができる。
なお、前記樹脂多孔質層における「融点が80〜150℃の熱可塑性樹脂を主成分とする」とは、融点が80〜150℃の熱可塑性樹脂を、樹脂多孔質層の構成成分の全体積中、70体積%以上含むことを意味している。樹脂多孔質層における融点が80〜150℃の熱可塑性樹脂の量は、樹脂多孔質層の構成成分の全体積中、80体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましい。
樹脂多孔質層と耐熱多孔質層とを有する前記セパレータにおいて、耐熱多孔質層に係る耐熱性微粒子としては、電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、電池の有する電解液に安定なものであれば特に制限はない。なお、耐熱性微粒子における「耐熱性」とは、少なくとも150℃において、変形および化学的組成変化が生じないことを意味している。
耐熱性微粒子としては、電気絶縁性を有する無機微粒子であることが好ましく、具体的には、酸化鉄、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、TiO、BaTiOなどの無機酸化物微粒子;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物微粒子;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶微粒子;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶微粒子;モンモリロナイトなどの粘土微粒子;などが挙げられる。ここで、前記無機酸化物微粒子は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物などの微粒子であってもよい。また、これらの無機微粒子を構成する無機化合物は、必要に応じて、元素置換されていたり、固溶体化されていたりしてもよく、更に前記の無機微粒子は表面処理が施されていてもよい。また、無機微粒子は、金属、SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの導電性酸化物、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質材料などで例示される導電性材料の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、前記の無機酸化物など)で被覆することにより電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。
耐熱性微粒子の粒径は、平均粒径で、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは15μm以下、より好ましくは1μm以下である。なお、耐熱性微粒子の平均粒径は、例えば、レーザー散乱粒度分布計(例えば、HORIBA社製「LA−920」)を用い、耐熱性微粒子を溶解しない媒体に分散させて測定した数平均粒子径として規定することができる。
耐熱多孔質層は耐熱性微粒子を主成分として含むが、ここでいう「耐熱性微粒子を主成分として含む」とは、耐熱性微粒子を、耐熱多孔質層の構成成分の全体積中、70体積%以上含むことを意味している。耐熱多孔質層における耐熱性微粒子の量は、耐熱多孔質層の構成成分の全体積中、80体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましい。耐熱多孔質層中の耐熱性微粒子を前記のように高含有量とすることで、セパレータ全体の熱収縮を良好に抑制して、高い耐熱性を付与することができる。
また、耐熱多孔質層には、耐熱性微粒子同士を結着したり耐熱多孔質層と樹脂多孔質層とを結着したりするために有機バインダを含有させることが好ましく、このような観点から、耐熱多孔質層における耐熱性微粒子量の好適上限値は、例えば、耐熱多孔質層の構成成分の全体積中、99体積%である。なお、耐熱多孔質層における耐熱性微粒子の量を70体積%未満とすると、例えば、耐熱多孔質層中の有機バインダ量を多くする必要が生じるが、その場合には耐熱多孔質層の空孔が有機バインダによって埋められてしまい、例えばセパレータとしての機能を喪失する虞がある。
耐熱多孔質層に用いる有機バインダとしては、耐熱性微粒子同士や耐熱多孔質層と樹脂多孔質層とを良好に接着でき、電気化学的に安定で、かつ電池用の電解液に対して安定であれば特に制限はない。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素樹脂[ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など]、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリN−ビニルアセトアミド、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、アクリル酸ブチルを主成分とし、これを架橋した構造を有する低ガラス転移温度の架橋アクリル樹脂(自己架橋型アクリル樹脂)も使用できる。これらの有機バインダは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても構わない。
樹脂多孔質層と耐熱多孔質層とを有する前記のセパレータは、例えば、耐熱多孔質層を構成するための耐熱性微粒子や有機バインダなどを水や有機溶剤に分散・溶解させた組成物(スラリーなど)を、樹脂多孔質層を構成するための微孔性フィルムの表面に塗布し、乾燥することで製造することができる。なお、樹脂多孔質層および耐熱多孔質層は、各1層でもよいが、一方または両方が複数であってもよく、例えば、樹脂多孔質層の両面に耐熱多孔質層が形成されていてもよい。ただし、あまり層数が多すぎるとセパレータが厚くなりすぎる虞があることから、全層数を5以下とすることが好ましい。
本発明の巻回電極体に使用するセパレータの厚み(前記の各種積層型のセパレータの場合は、その総厚み)は、非水電解液電池の場合、例えば、30〜100μmであることが好ましい。また、樹脂多孔質層と耐熱多孔質層とを有する前記のセパレータにおいて、樹脂多孔質層の厚み(樹脂多孔質層が複数ある場合には、その総厚み)は、10〜40μmであることが好ましく、耐熱多孔質層の厚み(耐熱多孔質層が複数ある場合には、その総厚み)は、15〜60μmであることが好ましい。
本発明の電池は、例えば、電池容器の形状が円筒状の円筒形電池でもよく、角筒状の角形電池でもよい。よって、本発明の巻回電極体は、電池容器の形状に合わせた形状とすることが可能であり、例えば、円筒形電池に使用する場合には横断面が円形の円筒状とすることができ、角形電池に使用する場合には、横断面を長円形などとした形状(扁平状)とすることができる。
本発明の電池は、前記本発明の巻回電極体を備えていればよく、その他の構成および構造については、従来から知られている各種電池と同様の構成および構造を採用することができる。
本発明の電池に係る電池容器としては、前記の通り、ステンレス鋼やアルミニウム、アルミニウム合金などで構成された円筒状や角筒状の缶(電池缶)を使用できる。ただし、本発明の巻回電極体を使用することによる生産性向上効果は、円筒形電池の場合に特に顕著となるため、本発明の電池に係る電池容器の形状は円筒状であることが好ましい。
なお、円筒形の電池容器と横断面が円形の巻回電極体とを用いて電池を構成する場合、電池容器の内径と巻回電極体の外径との差が、1.0mm以下であることが好ましい。本発明の電池では、前記の通り、巻回電極体を電池容器に挿入後に加熱し、巻回電極体の最外周部における熱剥離テープの剥離強度を低下させて巻き緩みを生じさせるが、前記の差が大きすぎると、巻回電極体に巻き緩みを生じさせたときに、正極−負極間距離が大きくなりすぎて電池特性が低下する虞がある。また、円筒形の電池容器の内径と、巻回電極体の外径との差が小さすぎると、電池容器内へ巻回電極体を挿入する際の作業性が低下する虞があることから、前記の差は0.3mm以上であることが好ましい。
また、角筒形の電池容器と横断面が長円形の巻回電極体とを用いて電池を構成する場合、電池容器の幅方向の長さから電池容器の厚みを引いた値と、巻回電極体の横断面の長軸長さとの差、および電池容器の厚み方向の長さから電池容器の厚みを引いた値と、巻回電極体の横断面の短軸長さとの差は、巻回電極体に巻き緩みを生じさせたときに正極−負極間距離が大きくなりすぎることを抑制する観点から、1mm以下であることが好ましく、また、電池容器内へ巻回電極体を挿入する際の作業性の低下を抑制する観点から、0.3mm以上であることが好ましい。
本発明の電池に係る電解液には、公知の非水電解液電池やアルカリ蓄電池で使用されている電解液を用いることができる。
本発明の電池が非水電解液電池の場合の電解液としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイト、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの1種のみからなる有機溶媒、または2種以上の混合溶媒に、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF 、LiSbF 、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などのリチウム塩から選ばれる少なくとも1種を溶解させることによって調製したものを使用することができる。このリチウム塩の電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
また、非水電解液電池の場合、前記の有機溶媒の代わりに、エチル−メチルイミダゾリウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、へプチル−トリメチルアンモニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、ピリジニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、グアジニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミドといった常温溶融塩を用いることもできる。
更に、非水電解液電池の場合、前記の電解液にPVDF、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、PAN、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、主鎖または側鎖にエチレンオキシド鎖を含む架橋ポリマー、架橋したポリ(メタ)アクリル酸エステルといった公知のゲル電解質形成可能なホストポリマーを用いてゲル化した電解質を用いることもできる。
本発明の電池がアルカリ蓄電池の場合の電解液としては、金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)などの水溶液を使用することができる。
本発明の電池は、帯状の正極と帯状の負極とを、帯状のセパレータを介して重ね、更に渦巻状に巻回した後に、その外周部を熱剥離テープで巻き止めして巻回電極体(本発明の巻回電極体)を形成する工程と、前記巻回電極体を電池容器に収容する工程と、前記熱剥離テープの剥離強度が低下して前記巻回電極体に巻き緩みが生じる温度以上に電池容器を加熱する工程と、前記加熱後に電池容器内に電解液を注入する工程とを有する本発明法により製造できる。
前記の電池容器を加熱する工程での加熱温度は、熱剥離テープの剥離強度が低下して巻回電極体に巻き緩みが生じる温度とすればよいが、前記巻き緩みが生じる最低温度よりも少なくとも5℃程度高い温度とすることが好ましく、10℃以上高い温度とすることがより好ましい。ただし、電池容器を加熱する工程において、巻回電極体の有するセパレータが熱によって劣化すると、微孔性フィルムセパレータではシャットダウンが生じたり、不織布セパレータでも収縮が生じたりして、電池特性や安全性が損なわれる虞があることから、加熱温度は、こうした劣化が生じない温度とすることが好ましい。
よって、熱剥離テープには、使用するセパレータの材質や収縮性を考慮して、被着体に対する剥離強度が低下する温度が好適なものを選択することが好ましい。具体的には、例えば、ポリオレフィン製の微孔性フィルムセパレータを使用する場合、特にその材質がPEであると100℃でも熱収縮やシャットダウンを生じる虞があるため、90℃以下で剥離強度が低下する熱剥離テープを選択することが好ましい。また、より耐熱性の高いPP製の微孔性フィルムセパレータや、PETなどの耐熱樹脂製の不織布セパレータなどでは、剥離強度が低下する温度が100℃を超える熱剥離テープを選択することができる他、熱剥離テープの剥離強度を低下させるための加熱を短時間とするために加熱温度を上げることもできる。
なお、電池容器を加熱する工程を経ることで、巻回電極体に貼り付けられた熱剥離テープの巻回電極体に対する剥離強度が低下するが、その際、熱剥離テープは、巻回電極体から完全に剥離していてもよく、巻回電極体の巻き緩みが生じていれば、巻回電極体に貼り付いたままであっても構わない。
電池容器内に電解液を注入する工程では、公知の電池製造法と同様に、電池容器内を減圧した状態で電解液を注入したり、加圧しながら電解液を注入することもでき、これらの方法を採用することで、電解液注入工程での時間をより短縮できる。
また、本発明の電池を製造するにあたり、前記の各工程以外の工程、例えば、巻回電極体に係る正極および負極と電池の外部端子との接続や、電池容器の開口部の封口などに関しては、常法に従って実施すればよい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO:85質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:10質両部、およびバインダであるPVDF:5質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚みが15μmのアルミニウム箔の両面に、塗布長が900mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が150μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅55mmになるように切断して、長さ950mm、幅55mmの正極を作製した。更に、この正極のアルミニウム箔の露出部にリード体を取り付けた。
<負極の作製>
負極活物質である黒鉛:95質量部、およびバインダであるPVDF:5質量部を、NMPを溶剤として均一になるように混合して、負極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚みが10μmの銅箔の両面に、塗布長が920mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が142μmになるように負極合剤層の厚みを調整し、幅57.5mmになるように切断して、長さ960mm、幅57.5mmの負極を作製した。更に、この負極の銅箔の露出部にリード体を取り付けた。
<巻回電極体の作製>
前記の正極と前記の負極とを、PP製微孔性フィルム(厚み20μm、空孔率45%)を介して重ね、渦巻状に巻回した後、最外周部に熱剥離テープ[日東電工社製「リバアルファ No.319Y−4LS(商品名)」、剥離強度が低下して巻回電極体に巻き緩みが生じる温度:90℃]で巻き止めして、巻回電極体を得た。なお、巻回電極体の外径は16.6mmであった。
<電池の組み立て>
前記の巻回電極体を、有底円筒状で、ニッケルメッキを施した鉄製の電池容器(内径17.4mm、高さ65mm)に挿入し、電池容器を95℃で3分加熱した。その後、巻回電極体の緩みを均一にするために電池容器を数回ゆすってから電池容器内を減圧し、その減圧状態で非水電解液(エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを1:2の体積比で混合した溶媒に、LiPFを1.2mol/lの濃度で溶解させた溶液)を注入し、電池容器内を常圧に戻した後、電池容器の開口部を常法に従って封止して、18650型の円筒形の非水電解液電池を作製した。
実施例2
<セパレータの作製>
有機バインダであるSBRのエマルジョン(固形分比率40質量%):100gと水:4000gとを容器に入れ、均一に分散するまで室温で攪拌した。この分散液に、耐熱性微粒子であるベーマイト粉末(板状、平均粒径1μm):4000gを4回に分けて加え、ディスパーにより2800rpmで5時間攪拌して均一なスラリー(耐熱多孔質層形成用スラリー)を調製した。PE製微孔性フィルム(樹脂多孔質層:厚み16μm、空孔率40%、平均孔径0.02μm、PEの融点135℃)の片面に、前記のスラリーをマイクログラビアコーターによって塗布し、乾燥して耐熱多孔質層を形成することで、厚みが22μmのセパレータを得た。なお、前記のセパレータは、耐熱多孔質層における耐熱性微粒子の体積比率が91体積%、耐熱性微粒子の空孔率が48%であった。
PP製微孔性フィルムセパレータに代えて前記のセパレータを用いた以外は、実施例1と同様にして円筒形の非水電解液電池を作製した。
実施例3
PP製微孔性フィルムセパレータに代えて、PE製微孔性フィルム(PEの融点135℃、厚み20μm、空孔率45%)をセパレータに用いた以外は、実施例1と同様にして円筒形の非水電解液電池を作製した。
比較例1
熱剥離テープに代えてPP基材の粘着テープを巻回電極体の巻き止めに使用し、巻回電極体を電池容器に挿入した後の加熱工程を省略した以外は、実施例1と同様にして円筒形の非水電解液電池を作製した。
比較例2
熱剥離テープに代えてPP基材の粘着テープを巻回電極体の巻き止めに使用し、巻回電極体を電池容器に挿入した後の加熱工程を省略した以外は、実施例2と同様にして円筒形の非水電解液電池を作製した。
実施例1〜3および比較例1、2の電池の製造時における非水電解液の注入工程で、非水電解液が巻回電極体に係る電極およびセパレータにしみ込むのにかかった時間(以下、「電解液注入時間」という。)を表1に示す。更に、実施例1〜3および比較例1、2の電池について、製造後に分解してセパレータの状態を観察した結果も、表1に併記する。
また、実施例1〜3および比較例1、2の電池について、以下の充放電試験を行い、各電池の放電特性を評価した。まず、各電池について、1Cの電流値で4.2Vまで充電し、更に4.2Vで充電する定電流・定電圧充電を行い(総充電時間3時間)、その後、3Vまで放電して、放電容量を求めた。なお、充放電試験は23±2℃で行い、放電時の電流値は、1350mA(1C)および2700mA(2C)とした。これらの結果を表1に併記する。
Figure 2011034859
なお、表1には、電池に使用した巻回電極体に用いたセパレータおよび巻き止め用のテープについても併記しているが、セパレータの欄の「積層型セパレータ」とは、樹脂多孔質層と耐熱多孔質層とを有するセパレータを意味している。
表1に示す通り、熱剥離テープで巻き止めした巻回電極体を用いた実施例1〜3の電池では、通常の粘着テープで巻き止めした巻回電極体を用いた比較例1、2の電池に比べて、電解液注入時間が大幅に短縮できており、高い生産性を有していることが分かる。また、実施例1〜3の電池では、セパレータの状態に特に問題が生じておらず、熱剥離テープの粘着性を低下させるための加熱工程を経ても、セパレータの熱劣化による問題が生じていない。
なお、実施例1〜3では、巻回電極体を挿入した電池容器の加熱を95℃、3分の条件で行ったが、加熱温度をより高温とすることで加熱時間を短くすることができる。しかし、例えば、実施例3の電池の場合、セパレータを構成するPEの融点に近い温度、例えば130℃で加熱を行うと、セパレータの収縮が生じる場合があるため、加熱はより低温で行うことが好ましい。一方、実施例2の電池に係るセパレータのように、耐熱性を高めた構成とした場合には、PE製の微孔性フィルムを使用していても、この微孔性フィルムの構成樹脂であるPEの融点に近い温度で加熱することができ、加熱時間を短縮することも可能である。
また、放電容量については、実施例1〜3の電池では、放電条件が1Cの場合、2Cの場合のいずれにおいても差が認められないが、比較例1、2の電池では、2Cでの放電容量が若干小さい。これは、実施例1〜3の電池では、巻回電極体の巻き緩みが生じていることで正負極間の隙間が広がっており、これにより非水電解液が良好に浸透しているために、より大きな電流での放電容量、すなわち負荷特性が改善したものと考えている。
1 巻回電極体
2 セパレータ
3 熱剥離テープ

Claims (7)

  1. 帯状の正極と帯状の負極とが、帯状のセパレータを介して重ねられ、かつ渦巻状に巻回された電池用の巻回電極体であって、
    外周部において、加熱により被着体に対する剥離強度が低下する熱剥離テープによって巻き止めされていることを特徴とする電池用巻回電極体。
  2. セパレータが、融点が80〜150℃の熱可塑性樹脂を主成分とする微孔性フィルムからなる樹脂多孔質層と、耐熱性微粒子を主成分として含む耐熱多孔質層とを有するものである請求項1に記載の電池用巻回電極体。
  3. 熱剥離テープの剥離強度が低下して巻き緩みの生じる温度が、100℃以下である請求項1または2に記載の電池用巻回電極体。
  4. 帯状の正極と帯状の負極とが、帯状のセパレータを介して重ねられ、かつ渦巻状に巻回された巻回電極体と、電解液とが、電池容器内に収容された電池であって、
    前記巻回電極体に、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用巻回電極体を使用したことを特徴とする電池。
  5. 巻回電極体の巻き止めのための熱剥離テープの剥離強度を低下させ、巻回電極体に巻き緩みを生じさせた請求項4に記載の電池。
  6. 電池容器が円筒形である請求項4または5に記載の電池。
  7. 帯状の正極と帯状の負極とを、帯状のセパレータを介して重ね、更に渦巻状に巻回した後に、その外周部を、加熱により被着体に対する剥離強度が低下する熱剥離テープによって巻き止めして巻回電極体を形成する工程と、
    前記巻回電極体を電池容器に収容する工程と、
    前記熱剥離テープの剥離強度が低下して前記巻回電極体に巻き緩みの生じる温度以上に電池容器を加熱する工程と、
    前記加熱後に電池容器内に電解液を注入する工程とを有することを特徴とする電池の製造方法。
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