JP2011018027A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着部のヒータへ流れる電流を検出する電流検出回路の電流検出の精度を向上すること。
【解決手段】定着部の温度に応じて設定される供給電力比の少なくとも一つの電力比の波形が、一半波全てをオフする半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波と、半波の少なくとも一部をオンする正の半波、がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波、がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形である。
【選択図】図13

Description

本発明は、トナー像を記録紙上に定着させる定着部を備える画像形成装置に関するものである。
従来、複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置において、記録紙上に形成されたトナー像を加熱して定着させる定着装置として、次のような定着装置が用いられている。例えば、ハロゲンヒータを熱源とする熱ローラ式の熱定着装置や、セラミックヒータを熱源とするフィルム加熱式の熱定着装置等である。
一般に、ヒータはトライアック等のスイッチング素子を介して交流電源に接続されており、この交流電源によりヒータに電力が供給される。定着装置には温度検出素子、例えばサーミスタ感温素子が設けられており、この温度検出素子により定着装置の温度が検出される。そして、検出された温度情報をもとに、CPU(Central Processing Unit)がスイッチング素子をオン/オフ制御することにより、ヒータへの電力供給をオン/オフし、定着装置の温度が目標の温度になるよう温度制御される。ヒータへのオン/オフ制御は位相制御又は波数制御により行われる。位相制御は交流波形の1半波内の任意の位相角でヒータをオンすることでヒータに電力を供給する方式である。一方、波数制御はヒータのオン/オフを交流波形の半波単位で行う電力制御方式である。そして従来は、位相制御か波数制御のどちらかを用いる場合がほとんどであった。
位相制御を選択する理由としては、照明機器のちらつき、いわゆるフリッカを抑えるためということが挙げられる。フリッカとは、照明機器と同一電源に接続された電気機器の負荷電流変動と配電線のインピーダンスにより交流電源に電圧変動が発生し、それにより照明機器がちらつくことである。位相制御は一半波(位相角0°〜180°)の途中でスイッチング素子をオンする制御である。そのため電流の変化量及び変化周期が小さく、フリッカの発生を抑えることができる。一方、波数制御は交流波形のゼロクロスポイントでスイッチング素子をオンする制御である。そのため位相制御よりも電流変動が大きく、フリッカが発生しやすい。波数制御を選択する理由としては、高調波電流やスイッチングノイズの抑制が挙げられる。ヒータをオン/オフする際に生じる急激な電流変動により、高調波電流やスイッチングノイズが発生する。これらはヒータのオン/オフ制御が必ずゼロクロスポイントで行われる波数制御の方が、交流波形の半波の途中でスイッチングする位相制御よりも発生しにくいからである。この高調波電流やスイッチングノイズは、使用するAC交流電源の電圧が高い方が、より大きく発生する傾向がある。したがって、画像形成装置が使用される地域のAC商用電源電圧に応じて制御方式を設定するのが一般的である。例えば100〜120VのAC商用電源電圧の地域向けにはフリッカに有利な位相制御方式を選択してヒータの制御を行う。また、例えば、220V〜240VのAC商用電源電圧の地域向けには高調波電流やスイッチングノイズに有利な波数制御方式を選択してヒータの制御を行うというように、ヒータの制御はどちらか一方に固定しているのが一般的である。
また、位相制御と波数制御を組み合わせた方式を提案しているものもあり、例えば特許文献1では、複数半波を一制御周期とし、その一制御周期のうち一部の半波を位相制御し、残りを波数制御している。これにより位相制御だけの場合に対して高調波電流やスイッチングノイズの発生を抑えることができる。さらに、波数制御だけの場合に対してフリッカを低減することができ、ヒータへの電力制御をより多段階に制御可能としている。ここで位相制御又は波数制御で電力を供給している正の半波を正の通電サイクル、同じく負の半波を負の通電サイクルとして定義する。また電力を供給していない半波を非通電サイクルとして定義する。またヒータに供給する電力量を一定期間ごとに区切って制御するための一単位期間を一制御周期と定義する。定着装置を温度制御する際に、シーケンスコントローラは、温度検出素子で検出される温度と、予め設定されている目標温度とを比較して、上述したヒータに供給する電力デューティ(duty)(電力比)を算出する。そして、その電力デューティに相当する位相角又は波数を決定し、その位相条件又は波数条件で、ヒータを駆動しているスイッチング素子をオン/オフ制御する。
ところで、商用電源から定着装置に供給される電流は、定着装置の定格電流(保護回路)及び、UL(アメリカ保険業者安全試験所)や電気用品安全法によって定められる上限の電流値以下に制御する必要がある。そのため、定着装置に流れる電流を検出し、通電可能な上限電流値を超えないように定着装置に供給する電力を制御する装置もある。このように、近年のプリンタでは、定着装置に流れる電流を検出する回路を設ける必要性が増している。特許文献2や特許文献3では、電流検出トランスで電圧変換した波形を、抵抗を介して電流検出回路に入力することで、半周期ごとの電流実効値を検出する方法が提案されている。一般的に電流検出トランスで電圧変換した二次側の電圧波形は、素子固有の特性により歪を生じる。歪んだ電圧波形を電流検出回路に入力すると、歪により波形の実効値が変化するため、電流検出回路の検出精度が低下する。なお、電流検出トランスで生じる歪量は、一次側入力波形の振幅、位相角、周波数によって異なる。特に負荷が急激に変動する場合に、電流検出トランスで生じる歪量が大きくなる。
特開2003−123941号公報 特開2004−226557号公報 特開2004−309518号公報
昨今のプリント速度の高速化によりヒータに供給される電力は増加の一途を辿っており、また、フリッカ規制や高調波電流規制等の規制強化により、従来の位相制御や波数制御だけのヒータ電力制御では対応が困難となってきている。それに対して位相制御と波数制御を組み合わせた制御方式は有効である。しかしながら、特に、前述した位相制御と波数制御を組み合わせた方式では、従来の位相制御に比べて、一制御周期内に位相制御と波数制御が切り替わるため、負荷の変動が大きく、正確な電流検出を行うことが困難であった。
本発明は、このような状況のもとで成されたものであり、電流検出の精度を向上することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
(1)商用交流電源から供給される電力によって発熱するヒータを有し、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に加熱定着する定着部と、前記定着部の温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度に応じて商用交流電源から前記ヒータへ供給する電力を制御する制御部であり、交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、前記一制御周期毎に前記検知温度に応じた電力比を設定する電力制御部と、トランスと、前記トランスを介して電流を検出する電流検出回路とを有し、商用交流電源から前記ヒータへの電力供給路に設けられており、前記電力供給路に流れる電流を検出する電流検出部と、を有する画像形成装置において、複数の電力比のうちの少なくとも一つの電力比の波形は、一半波全てをオフする半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波と、半波の少なくとも一部をオンする正の半波、がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波、がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形であるか、又は、一半波全てをオフする半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波と、半波の少なくとも一部をオンする負の半波、がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波、がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形であることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、電流検出の精度を向上することができる。
実施例1〜3におけるプリンタの構成図 実施例1〜3における定着装置の構成図 実施例1における定着装置のヒータ駆動回路の構成図 実施例1〜3におけるゼロクロス検出回路の構成図 実施例1〜3における電流検出回路の構成図 実施例1における電流検出回路の波形図 実施例1〜3における位相制御の説明図 実施例1〜3における波数制御の説明図 実施例1との比較のための比較例の制御パターンを示す図 実施例1、2におけるヒータ電力制御の制御パターンを示す図 実施例1〜3における電流検出トランスの等価回路を示す図 実施例1との比較のための比較例のシミュレーション結果を示す図 実施例1におけるヒータ電流のシミュレーション結果を示す図 実施例1における温度制御を説明するためのフローチャート 実施例2における定着装置のヒータ駆動回路の構成図 実施例2との比較のための比較例のシミュレーション結果を示す図 実施例2におけるヒータ電流のシミュレーション結果を示す図 実施例2における温度制御を説明するためのフローチャート 実施例3における定着装置のヒータ駆動回路の構成図 実施例3における電流検出回路の波形図 実施例3におけるヒータ電流のシミュレーション結果を示す図 実施例3における温度制御を説明するためのフローチャート 実施例3におけるヒータ電力制御の制御パターンを示す図 実施例4における定着装置のヒータ駆動回路の構成図 実施例4における電流検出回路の構成図 実施例5におけるヒータ電力制御の制御パターンを示す図
以下に、本発明に係わる実施の形態を、図面を参照して詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[画像形成装置の構成]
図1に本実施例における画像形成装置の構成を示す。給紙カセット101に積載された記録紙はピックアップローラ102によって1枚だけ給紙カセット101から送出され、給紙ローラ103によってレジストローラ104に向けて搬送される。さらに記録紙はレジストローラ104によって所定のタイミングでプロセスカートリッジ105へ搬送される。プロセスカートリッジ105は、帯電手段である帯電器106、現像手段である現像ローラ107、クリーニング手段であるクリーナ108及び電子写真感光体である感光ドラム109で一体的に構成される。画像形成装置はこのような構成を備え、公知である電子写真プロセスの一連の処理によって未定着トナー像が記録紙上に形成される。感光ドラム109は帯電器106によって表面を一様に帯電された後、像露光手段であるスキャナユニット111により画像信号に基づいた像露光が行われる。スキャナユニット111内のレーザダイオード112から出射されるレーザ光(破線)は、回転するポリゴンミラー113及び反射ミラー114を経て主走査方向に、感光ドラム109の回転により副走査方向に走査される。なお、主走査方向は、記録紙が搬送される方向である副走査方向に対し直交する方向である。レーザ光の走査により感光ドラム109の表面上に2次元の潜像が形成される。感光ドラム109の潜像は現像ローラ107によってトナー像として可視化され、トナー像は転写ローラ110によってレジストローラ104から搬送されてきた記録紙上に転写される。
続いて、トナー像が転写された記録紙は定着装置115に搬送されると加熱加圧処理され、記録紙上の未定着トナー像が記録紙に定着される。記録紙はさらに中間排紙ローラ116、排紙ローラ117によって画像形成装置本体外に排出され、一連のプリント動作を終える。また、両面プリントを行う場合、記録紙の後端が定着装置115を抜け、図1のAポイントを通過したら、不図示の定着モータが逆回転し、中間排紙ローラ116、排紙ローラ117が逆転する。それにより記録紙は搬送方向が逆転し両面搬送パス118内に送り込まれる。両面搬送パス118に送り込まれた記録紙は両面搬送ローラ119及び再給紙ローラ120によって再びレジストローラ104に搬送され、上記と同様のシーケンスにより2面目がプリントされる。
[定着装置の構成]
図2は定着装置115の概略構成断面図である。定着装置(定着部)は、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に加熱定着する部分である。定着部は商用交流電源から供給される電力によって発熱するヒータを有する。本実施例の定着装置115はセラミックヒータを加熱源としたフィルム加熱方式の装置である。ヒータホルダ201はセラミックヒータ固定兼フィルム内面ガイド用の耐熱性・断熱性・剛体部材であり、記録紙の搬送路を横断する方向(図面に垂直方向)を長手とする横長部材である。202はセラミックヒータ(以下、単にヒータとする)であり、ヒータホルダ201の下面に長手に沿って形成した溝部に嵌入して耐熱性接着剤で固定支持させた、転写材搬送路を横断する方向を長手とする横長部材である。203は円筒状の耐熱性フィルム材(エンドレスベルト、以下、定着フィルムと記す)であり、ヒータ202を取り付けたヒータホルダ201にルーズに外嵌させてある。ステー204は図2の垂直方向を長手とする剛性部材であり、ヒータホルダ201の内側に配設される。
加圧ローラ205はヒータホルダ201のヒータ202と定着フィルム203を挟んで圧接するように配置される。矢印Nで示した範囲がその圧接により形成される定着ニップ部である。加圧ローラ205は定着モータ(不図示)により矢印B方向に所定の周速度で回転駆動される。定着ニップ部Nにおける加圧ローラ205と定着フィルム203外周との摩擦力により加圧ローラ205の回転力が定着フィルム203に直接的に作用し、定着フィルム203がヒータ202の下面に圧接摺動しつつ矢印C方向に回転駆動される。ヒータホルダ201は定着フィルム203内面ガイド部材として機能しており定着フィルム203の回転を容易にする。さらに、定着フィルム203の内面とヒータ202の下面との摺動抵抗を低減するために両者の間に耐熱性グリス等の潤滑剤を少量介在させることもできる。加圧ローラ205の回転による定着フィルム203の従動回転が定常化し、ヒータ202の温度が所定温度に立ち上がった状態で、定着フィルム203と加圧ローラ205による定着ニップ部Nとの間に定着すべき記録紙が導入されて挟持搬送される。このように搬送された記録紙の未定着画像にはヒータ202の熱が定着フィルム203を介して付与され、記録紙上の未定着画像が記録紙面に加熱定着される。定着ニップ部Nを通った記録紙は定着フィルム203の面から分離されて搬送される。なお、図2における矢印Aは記録紙の搬送方向を示す。
また、定着装置115はヒータ202の温度を検出するための感温素子であるサーミスタ206を有している。サーミスタ206はバネ等でヒータ202上に所定の圧で押し当てられており、ヒータ202の温度を検出する。さらに、ヒータ202への供給電力を制御する手段である電力供給制御手段(例えば、以下、電力供給制御部とする)が故障し、ヒータ202が熱暴走に至った場合、過昇温を防止する一手段として、過昇温防止素子207がヒータ202上に配されている。過昇温防止素子207は、例えば温度ヒューズやサーモスイッチである。電力供給制御部の故障により、ヒータ202が熱暴走に至り過昇温防止素子207が所定の温度以上になると、過昇温防止素子207がオープンになり、ヒータ202への通電が断たれる。
[セラミックヒータへの電力供給制御]
図3は本実施例のヒータ202の電力供給制御部である駆動回路及び制御回路を示す。制御回路(電力制御部)は、温度検知素子206の検知温度に応じて商用交流電源からヒータへ供給する電力を制御する。同図中、301は画像形成装置に接続される商用の交流電源で、画像形成装置は交流電源301からの電力をヒータ202へ供給して、ヒータ202を発熱させる。ヒータ202への電力供給は、トライアック302の通電/遮断により行われる。抵抗303、304はトライアック302のためのバイアス抵抗である。また、フォトトライアックカプラ305は一次・二次間の沿面距離を確保するためのデバイスでフォトトライアック305aと発光ダイオード305bを有する。そして、フォトトライアックカプラ305の発光ダイオード305bに通電することによりトライアック302をオンさせる。抵抗306は、フォトトライアックカプラ305の電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ307によりフォトトライアックカプラ305をオン/オフする。
トランジスタ307は、抵抗308を介してCPU309からのヒータ駆動信号に従って動作する。交流電源301からの入力電源電圧は、電圧波形検出手段であるゼロクロス検出回路310にも入力される。ゼロクロス検出回路310は入力電源電圧のゼロクロスポイントを検出してゼロクロス信号(図中、ZEROXと記す)をCPU309に出力する。電流検出トランス312は、ヒータ202に通電する電流を電圧変換し、電流検出回路313に入力する。電流検出回路313では、電圧変換されたヒータ電流波形を実効値又はその2乗値に変換し、HCRRT信号として電圧値を出力し、CPU309はHCRRT信号をA/D変換した値を検出している。サーミスタ206によって検出される温度は、抵抗311とサーミスタ206との分圧として検出され、TH信号として電圧値を出力し、CPU309はTH信号をA/D変換した値を検出している。
ヒータ202の温度は、次のようにして制御される。CPU309は、入力されたTH信号とCPU309内部に予め設定されていた設定温度とを比較することによって、ヒータ202に供給すべき電力比を算出する。そして、CPU309はその供給すべき電力比に対応した位相角(位相制御)、波数(波数制御)又は後述する位相制御と波数制御を組み合わせた方法の制御レベルに換算し、その制御条件でトランジスタ307にヒータ駆動信号(オン信号)を出力する。CPU309がヒータ202に供給する電力比を算出する際に、電流検出回路313から報知されるHCRRT信号を基に上限の電流値に対応する上限の電力比を算出して、その上限の電力比以下の電力がヒータ202に供給されるように制御する。
さらに、ヒータ202の電力供給制御部が故障し、ヒータ202が熱暴走に至った場合、過昇温を防止する一手段として過昇温防止素子207がヒータ202上に配されている。過昇温防止素子207は、例えば温度ヒューズやサーモスイッチである。電力供給制御部の故障により、ヒータ202が熱暴走に至り過昇温防止素子207が所定の温度以上になると過昇温防止素子207はオープンになり、ヒータ202への通電が断たれる。また、CPU309には温度制御の設定温度とは別に異常高温検出温度が設定されている。そして、CPU309に入力されるTH信号からヒータ202の温度として検出される温度がその異常高温検出温度以上になった場合は、CPU309がRLD1信号をローレベルとし、トランジスタ315をオフにし、リレー314をオフにする。このようにして、ヒータ202への通電が断たれる。抵抗316は電流制限抵抗であり、抵抗317はトランジスタ315のベース・エミッタ間のバイアス抵抗である。ダイオード318はリレー314のオフ時の逆起電力吸収用素子である。
[ゼロクロス検出回路]
図4にゼロクロス検出回路310の詳細な回路図を示す。交流電源301からの交流電圧は、図4のゼロクロス検出回路310に入力され、整流器401、402により半波整流される。本回路においては、ニュートラル(以降、Neutralと記す)側が整流されている。この半波整流された交流電圧は、抵抗403、コンデンサ404、抵抗405、406を介して、トランジスタ407のベースに入力される。これにより、Neutral側の電位がホット(以降、Hotと記す)側の電位よりも高い場合にトランジスタ407はオンとなり、Neutral側の電位がHot側の電位よりも低くなるとトランジスタ407はオフとなる。フォトカプラ409は、一次・二次間の沿面距離を確保するための素子であり、抵抗408、410は、フォトカプラ409に流れる電流を制限するための抵抗である。Neutral側の電位がHot側の電位より高くなるとトランジスタ407はオンするため、フォトカプラ409内の発光ダイオード409aは消灯し、フォトトランジスタ409bはオフしてフォトカプラ409の出力電圧はハイ(High)となる。一方、Neutral側の電位がHot側の電位より低くなるとトランジスタ407はオフするのでフォトカプラ409内の発光ダイオード409aが発光し、フォトトランジスタ409bはオンしてフォトカプラ409の出力電圧はロー(Low)となる。このフォトカプラ409の出力が抵抗412を介してゼロクロス(ZEROX)信号としてCPU309に報知される。
このゼロクロス信号は、その信号周期が交流電源の周波数と等しいパルス信号であり、交流電源の電位極性に応じて信号レベルが変化する。CPU309はこのゼロクロス信号の立ち上がり及び立ち下がりのエッジを検出し、このエッジをトリガにしてトライアック302をオン/オフすることでヒータ202へ電力を供給する。
[電流検出回路]
図5は、本実施例に係る電流検出回路313の構成を説明するブロック図、図6は、この電流検出回路313の動作を説明するための波形図である。図6の601に示す波形のようにヒータ202に電流Iが流されると、電流検出トランス312によって、その電流波形が二次側で電圧変換される。この電流検出トランス312の電圧出力をダイオード501a,503aによって整流する。この回路には負荷抵抗として抵抗502a,504aを接続している。図6の603は、このダイオード503aによって半波整流された電圧の波形を示す。この電圧波形は、抵抗505aを介して乗算器506aに入力される。この乗算器506aは、図6の604で示すように、2乗した電圧波形を出力する。この2乗された波形は、抵抗507aを介してオペアンプ509aの−端子に入力される。このオペアンプ509aの+端子には、抵抗508aを介してリファレンス電圧584aが入力されており、帰還抵抗560aにより反転増幅される。なお、このオペアンプ509aは片電源から電源が供給されているものとする。
図6の605は、リファレンス電圧584aを基準に反転増幅された波形を示す。このオペアンプ509aの出力は、オペアンプ572aの+端子に入力される。オペアンプ572aでは、リファレンス電圧584aと、その+端子に入力された波形の電圧差と、抵抗571aで決定される電流がコンデンサ574aに流入されるようにトランジスタ573aを制御している。こうしてコンデンサ574aは、リファレンス電圧584aと、オペアンプ572aの+端子に入力された波形の電圧差と抵抗571aで決定される電流で充電される。ダイオード503aによる半波整流区間が終わると、コンデンサ574aへの充電電流がなくなるため、その電圧値がピークホールドされる。そして図6の606に示すように、ダイオード501aの半波整流期間にDIS信号(図6 607)(タイミング信号)によりトランジスタ575aをオンする。これにより、コンデンサ574aの充電電圧が放電される。図6の607で示すように、トランジスタ575aは、CPU309からのDIS信号によりオン/オフされており、図6の602で示すZEROX信号を基に、トランジスタ575aのオン/オフ制御を行っている。このDIS信号は、ZEROX信号の立ち上がりエッジから所定時間Tdly後にオンし、ZEROX信号の立ち下がりエッジと同じタイミング、若しくは直前でオフする。
これにより、CPU309は、ダイオード503aの半波整流期間であるヒータ202の通電期間と干渉することなく電流検出回路313による電流検出動作を制御できる。つまり、図6に示したコンデンサ574aのピークホールド電圧V1f(電流値Ifに相当)は、電流検出トランス312によって二次側に電圧変換された波形の2乗値を半波ごとに積分した値となる。こうしてコンデンサ574aにピークホールドされた電圧値が、電流検出回路313からHCRRT信号としてCPU309に送出される。
[位相制御と波数制御]
(位相制御の長所と短所)
次にヒータ202の電力制御方式である位相制御と波数制御について説明する。図7に位相制御の場合のヒータ印加電圧、ゼロクロス信号、ヒータ駆動信号の例を示す。ゼロクロス信号は交流電源の正から負、負から正に切り替わるポイント(ゼロクロスポイント)で論理が切り替わる。CPU309がゼロクロス信号の立ち上がり及び立ち下がりエッジからta時間後にヒータ駆動信号をオンすると、図7の斜線で示した部分でヒータ202に電流が流れ電力が供給される。なお、ヒータ202をオンした後、次のゼロクロスポイントでヒータ202への通電はオフされるので、再びゼロクロス信号のエッジから時間ta後にヒータ駆動信号をオンすることにより、次の半波でもヒータ202に同じ電力が供給される。また時間taと異なる時間tb後にヒータ駆動信号をオンするとヒータ202への通電時間が変わるため、ヒータ202への供給電力を変化させることができる。
このように、CPU309は、ヒータ202に印加する電圧の半波ごとに、ゼロクロス信号のエッジからヒータ駆動信号をオンするまでの時間を変化させることで、ヒータ202への供給電力を制御する。位相制御は図7のように交流電源波形の半波の途中でヒータ202への通電をオンするためヒータ202に流れる電流が急激に立ち上がり、高調波電流が流れる。この高調波電流は電流の立ち上がり量が大きいほど多くなるので、位相角90°、すなわち供給電力50%のときに最大になる。また、この電流の立ち上がりエッジが毎半波ごとに発生するため多くの高調波電流が流れ、高調波規制への対応が必須となる。そのためフィルタ等の回路部品が必要になる場合が多い。一方、1半波より小さい電流が毎半波ごとに流れるため、電流の変化量は小さく、さらに変化周期も早いためフリッカへの影響は小さい。
(波数制御の長所と短所)
図8に波数制御の場合のヒータ印加電圧、ゼロクロス信号、ヒータ駆動信号の例を示す。波数制御では交流電源の1半波単位でオン/オフ制御を行うので、オンする時はゼロクロス信号のエッジとともにヒータ駆動信号をオンする。そして例えば12半波を制御の1周期(一制御周期)とし、一制御周期の中でオンする半波の数を変えていくことで、ヒータ202への供給電力を制御している。図8は12半波のうち6半波をオンしているため、ヒータ202への供給電力は50%となる。なおここではヒータ駆動信号をオンする場合は連続する2半波をオンすることとする。波数制御ではヒータ202のオン/オフが常にゼロクロスポイントで行われるため位相制御のような電流の急激な立ち上がりエッジがなく高調波電流は非常に少ない。一方、電流は1半波単位で流れるため、電流の変化量は大きく、変化周期も長いためフリッカへの影響が大きい。そこで、一制御周期内でオンする半波の位置(制御パターン)を工夫することで電流の変動周期を短くしフリッカへの影響ができるだけ少なくなるようにしている。
(位相制御と波数制御を組み合わせた制御の長所と短所)
本実施例では、波数制御のように交流電源の複数の交流半波(以下、単に半波とする)を一制御周期とし、その中の一部の半波を位相制御、残りの半波を波数制御で行うような制御を行う。また、電力を供給している正の半波を正の通電サイクル、同じく負の半波を負の通電サイクル、電力を供給していない半波を非通電サイクルとして定義する。このような制御方式では、特に位相制御が毎半波行われなくなるので、流れる高調波電流を低減させることができる。一方、位相制御によって短い制御周期であっても供給電力を多段階に制御できるため、通常の波数制御に対して制御周期を短くできるので電流の変動周期が短くなり、フリッカの低減もしやすくなる。しかし、電流検出トランス312で電圧変換した波形は、素子固有の特性により波形の歪を生じてしまう。特に電流実効値を検出する場合、波形の歪によって実効値が変化してしまい、電流検出精度が低下してしまう。電流検出トランス312で生じる歪量は、一次側入力波形の振幅、位相角、周波数などによって異なる。特に一次側の負荷が急激に変動する場合、電流検出トランス312で生じる歪量は大きくなる。
前述した位相制御と波数制御を組み合わせた方式では、従来の位相制御に比べて、一制御周期内に位相制御と波数制御が切り替わるため、負荷電流の変動が大きく、正確な電流検出を行うことが困難であった。そこで本実施例では、前述した位相制御と波数制御を組み合わせた方式において、位相制御と波数制御の組み合わせの制御波形を工夫して、電流検出トランス312による波形の歪で生じる正の誤差と、負の誤差を相殺させることにより、所望の精度を実現可能とする。
[本実施例の位相制御と波数制御を組み合わせた制御]
図9と図10に位相制御と波数制御を組み合わせた方式の、ヒータ電力制御のパターン例を示す。図9には本実施例の制御パターンの効果を説明するため、比較例の制御パターン例を示している。図10は本実施例におけるヒータ電力制御の制御パターン例を示す。図9、図10では4全波(=8半波)を一制御周期とし、そのうち6半波を波数制御、2半波を位相制御で制御している。ヒータ供給電力の0%から100%までの間を12分割し、それぞれについてヒータ202のオンする位置(制御パターン)を定めている。例えば図9中、電力デューティ1/12(=8.3%)の場合は1半波目と2半波目の電力デューティが33.3%になるように位相制御する。その他の6半波の波数制御部分はすべてオフとすることで、一制御周期において約8.3%の電力が供給される。例えば半波の電力デューティが33.3%になるように位相制御するには、供給する電力比(dutyD(%))に対応した位相角(α(°))に換算しCPU309がトランジスタ307にヒータ駆動信号(オン信号)を送出する。例えば、下記の表1のようなデータをCPU309内に有しており、CPU309はこの制御表に基づき制御を行う。
Figure 2011018027
電力デューティ7/12(=58.3%)は、1半波目と2半波目とも半波全体の電力デューティが33.3%になるようにオンする。その他の6半波の波数制御部分は、3半波目、4半波目、7半波目、8半波目をオンすることで、一制御周期において約58.3%の電力が供給される。このように制御パターン(各電力比の波形パターン)は、図9や図10に示すように、供給電力0%となる電力デューティ0/12から供給電力100%となる電力デューディ12/12まで、13段階設定されている。図10の制御パターン13段階のうち、電力デューティ7/12から9/12までに、本実施例で提案する電流波形の一例を示している。このように、本実施例の電力制御部は、交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、一制御周期毎に検知温度に応じた電力比(電力デューティ)を設定する。また、各電力比に対応する波形は、一制御周期中に、一半波の途中でオンする半波(位相制御する半波)と、一半波全てをオフまたはオンする半波(波数制御する半波)を有する。
[歪を生ずる電流検出トランスの等価回路]
図11は電流検出トランス312によって生じる歪の補正方法を説明するための等価回路図を示している。歪のない理想的な変圧器に対して、一次インダクタンスLP、一次巻線漏洩インダクタンスLl1の影響を加味した回路図になっている。本実施例を説明するために行ったシミュレーションでは、一次側及び二次側巻線抵抗、浮遊容量、鉄損の影響は少ないため、等価回路図から省略している。なお、Vは電源電圧、Vinは電流検出トランス312の入力電圧、Rhは発熱体抵抗、n2ZLは二次側付加抵抗×電流検出トランス312の巻線比の二乗値である。
[等価回路を用いたシミュレーションの結果]
図12(a)及び図13(a)には図11の等価回路図を使用したシミュレーション波形を示す。ここでは、図9及び図10の制御パターンについて、電力デューティ7/12(=58.3%)の波形に注目して説明を行う。
(比較例の制御パターンの場合)
図12(a)及び図12(b)では比較例として示した制御パターンの電流検出トランス312による波形歪が、図6の606に示すHCRRT信号に与える影響、すなわち電流検出に与える影響を説明する。電流検出トランス312による歪や電流検出の誤差のない状態のHCRRT信号は、電流検出トランス一次側の電流実効値の二乗値若しくは一次側の負荷(ヒータ)に供給される電力に比例する値となる。しかし、電流検出トランス一次側の負荷が変動すると、図12(a)の波形1のように、電流検出トランス312の二次側に出力される電圧波形が歪んでしまう。この電圧波形の歪によって電流検出回路313の検出精度が低下してしまう。比較のため、波形2には歪の生じていない状態の電圧波形を示す。
電圧波形が波形1のように歪んでしまうのは、電流検出トランス312のインダクタンス成分が要因である。特に、負荷(ヒータ)に電流が流れない半波(一半波全てをオフする半波)が一制御周期内に存在すると、電流を流した時の負荷変動が大きくなり、インダクタンス成分が要因で電圧波形が歪み易い。負荷に電流が流れない半波の次の半波は、電圧波形が小さくなる方向に歪み、その次の半波は、電圧波形が大きくなる方向に歪む。例えば、図12(a)の波形1のように、半波〔3b〕は電流が流れない半波であり、その次の半波のトランス二次側の電圧波形〔4〕は、実際に負荷に流れる電流の電圧波形よりも小さな波形となる。更にその次の半波のトランス二次側の電圧波形〔4b〕は、実際に負荷に流れる電流の電圧波形よりも大きな波形となる。
図12(b)の表は、図12(a)の波形1及び波形2に対して、電流検出回路313が出力するHCRRT信号の出力値を示している。図12(b)に示す出力値(V)は歪のないデューティ100%の波形の信号値を1Vとして、正規化した値を表示してある。本実施例では図6の603に示すように、半波整流した正の半波のみ電流検出を行っている。よって、図12(a)に示す半波〔1〕、半波〔2〕、半波〔3〕、半波〔4〕に対応したHCRRT信号を出力することができる。図12(b)に示す、波形1の半波〔2〕と半波〔4〕のHCRRT信号の出力は、波形2に比べて出力値が低いことがわかる。半波〔2〕と半波〔4〕のように、電流検出トランス312の一次側の負荷が増加した場合、負の波形歪によってHCRRT信号の出力は減少する。
また波形1の半波〔1〕と半波〔3〕のHCRRT信号の出力は、波形2に比べて出力値が高いことがわかる。半波〔1〕と半波〔3〕のように、電流検出トランス312の一次側の負荷が減少した場合、正の波形の歪によってHCRRT信号の出力は増加する。波形1の半波〔1〕、半波〔2〕、半波〔3〕、半波〔4〕に対応したHCRRT信号の平均値を算出すると、電流検出トランス312による歪が生じていない波形2の出力に対して、−21%の誤差が生じる。HCRRT信号の誤差を電流実効値に換算すると、約11%の誤差となる。一制御周期のHCRRT信号の平均値(V)、誤差(%)、電流実効値の誤差(%)を図12(b)の表に示す。
このように、位相制御と波数制御を組み合わせた方式では、従来の位相制御に比べて、一制御周期内に位相制御と波数制御が切り替わるため、負荷電流(ヒータに流れる電流)の変動が大きく、正確な電流検出を行うことが困難であった。本実施例では、前述した位相制御と波数制御を組み合わせた方式において、位相制御と波数制御の組み合わせの制御波形を工夫し、電流検出トランス312による波形の歪で生じる正の誤差と負の誤差を相殺させ、歪による誤差の影響を緩和する方法を提案する。
(本実施例の制御パターンの場合)
図13(a)及び図13(b)では本実施例で提案する図10に示した制御パターン例の効果について説明を行う。図13(a)の波形3では、図11の等価回路図でシミュレーションを行った電流検出トランス312による歪をもった電圧波形を示す。比較のため、波形4には歪の生じていない状態の電圧波形を示す。図13(b)の表は、図13(a)の波形3及び波形4に対して、電流検出回路313が出力するHCRRT信号の出力値を示している。
図13(a)に示す波形3の半波〔3〕と半波〔4〕について注目して説明する。半波〔3〕は、ヒータへ電流が流れない半波(一半波全てをオフする正の半波)〔2〕の直後にオンする負の半波〔2b〕の更に次にオンする正の半波である。半波〔4〕は、ヒータへ電流が流れない半波(一半波全てをオフする負の半波)〔3b〕の直後にヒータへ電流を流す半波(オンする正の半波)である。半波〔4〕では正の通電サイクルから通電しているのに対して、半波〔3〕では負の通電サイクルの半波〔2b〕から通電している。半波〔4〕のHCRRT信号の出力は、一半波全てをオフする半波〔3b〕の直後なので、実際にヒータに流れる電流に相当する電圧(波形4の半波〔4〕の電圧値)に比べて減少する。逆に、半波〔3〕のHCRRT信号の出力は、一半波全てをオフする半波〔2〕の2波後なので、実際にヒータに流れる電流に相当する電圧(波形4の半波〔3〕の電圧値)に比べて増加する。
波形3の半波〔1〕〜〔4〕に対応したHCRRT信号の平均値を算出すると、電流検出トランス312による歪が生じていない波形4の平均値に対して約−10%の誤差を生じる。波形1の平均値の誤差が約−21%なので、波形3では波形1に対して、電流検出精度を大幅に改善できる。この4半波のHCRRT信号の出力値の平均電圧は、本実施例の一制御周期にあたる4全波分の、電流検出トランス一次側の電流実効値の二乗値若しくは一次側の負荷に供給される電力に比例する値なので、ヒータ202の制御で有効な値となる。上述の電流検出精度の結果は、図11のシミュレーションの等価回路から得られたものである。また、波形1及び波形3の歪量は電流検出トランス312の特性によって異なる。しかし、波形3のように一制御周期内に正の通電サイクルから通電することで生じる負の歪と、負の通電サイクルから通電することで生じる正の歪を発生させることで、歪の影響を緩和することができる。
このように、ヒータへ供給する電力の電力比の波形を、一半波全てをオフする正の半波〔2〕の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波〔2b〕と、半波の少なくとも一部をオンする正の半波〔3〕、がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする負の半波〔3b〕の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波〔4〕、がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形にすると、検出した電流値の誤差を緩和できる。図10の波形は、このような第1グループと第2グループを有する波形を電力比7/12、8/12、9/12に設定したものである。また、一半波全てをオフする負の半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波と、半波の少なくとも一部をオンする負の半波がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする正の半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形でも良い。
ここで図12(a)及び図13(a)のシミュレーション波形では、電力デューティ7/12(=58.3%)の波形を繰り返し出力した場合のシミュレーション結果を示している。電流検出結果は全一制御周期の電流波形の影響を受ける。そのため、出力する電力デューティに変動がない場合には、図13(a)で説明したような波形を二制御周期に跨って出力させる。そして、半波〔3〕のように正の歪を生じた波形と、半波〔4〕のように負の歪を生じた波形を含むHCRRT信号の平均値を算出すれば、図13(a)の波形と同様に歪の影響を緩和することができる。
本実施例で使用する図10に示した制御パターン例では、電力デューティ7/12から9/12までに、本実施例で提案する電流波形を使用している。電力デューティ0/12〜6/12、及び電力デューティ10/12〜12/12では本実施例で提案する制御パターンを使用していない。
本実施例では、特許文献2と同様、定着部の検知温度に応じた電力デューティ(電力比)を、下記式(1)のDlimit以下になるように設定している。
Dlimit=(Ilimit/I1)2×D1 式(1)
ここで、D1はヒータへ電力を供給開始する時の所定の固定デューティ比、I1は固定デューティ比(D1)でヒータへ電力供給した時に電流検出部で検出される電流値、Ilimitは商用交流電源の定格電流から画像形成装置内のヒータ以外の負荷へ供給する電流を差し引いたヒータへ供給できる所定の許容電流値。
本実施例では、想定されるAC入力電圧範囲やヒータ202の抵抗値等を考慮すると、電力デューティ0/12〜6/12でヒータへ電力を供給しても、ヒータに流れる電流は上限電流値Ilimit以下になる。そのため電力デューティ0/12〜6/12の範囲では、精度よく電流検出する必要がない。
また、電力デューティ10/12〜12/12の波形では、ヒータ202が常時オン状態に近く、一次側の負荷変動が少ないので、電流検出トランス312による歪の影響が少ない。電力デューティ10/12〜12/12範囲では、本実施例で提案する制御パターンを使用しなくても、必要な検出精度が得られている。このように、制御上必要な所定の電力デューティにおいて、本実施例で提案する制御パターン(第1グループと第2グループを有する波形)を使用している。このため、本実施例では、図10の波形のように、第1グループと第2グループを有する波形を電力比7/12、8/12、9/12だけに設定している。しかしながら、その他の電力比の波形に第1グループと第2グループを有する波形を設定しても構わない。
電流検出が必要な最大電力デューティや、必要な精度は画像形成装置によって異なる。上述した制御は本実施例で提案する制御パターンの利用方法の一例を示している。
このように、複数の電力比のうちの少なくとも一つの電力比の波形は、一半波全てをオフする正の半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波と、半波の少なくとも一部をオンする正の半波、がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする負の半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波、がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形である。または、一半波全てをオフする負の半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波と、半波の少なくとも一部をオンする負の半波がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする正の半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形でもよい。
[本実施例に係るヒータの温度制御]
次に、本実施例における定着装置115の制御シーケンスについて説明する。図14は、本実施例のCPU309による定着装置115の制御シーケンスを説明するフローチャートである。ステップ1601(以下、S1601のように記す)で、CPU309は、ヒータ202への電力供給開始(ヒータの温度制御(図中、温調と記す)の開始)の要求が発生するかを判断し、要求が発生したと判断するとS1602に進む。S1602でCPU309は、想定されるAC入力電圧範囲やヒータ202の抵抗値等を考慮して、電力デューティの最大値(上限値)Dlimitを初期設定する。またCPU309には、ヒータ202に供給できる電流の上限値Ilimitが予め設定されている。S1603でCPU309は、ヒータ202の温度制御を行うために、ヒータ202に供給する電力(電力デューティ(%))Dを決定する。CPU309は、ヒータ202が設定されている所定温度になるようTH信号からの情報を基に、例えばPI制御(proportional plus integral control)によりヒータ202に供給する電力デューティ(電力比)Dを決定する。なお、所定温度はCPU309に設定されているものとする。
S1604でCPU309は、S1603で算出された電力デューティDが上限値Dlimit以上かを判断する。電力デューティDが上限値Dlimit以上と判断した場合はS1605でD=Dlimitとする。つまり、CPU309は上限値Dlimit以下の電力デューティDでヒータ202の温度制御を行う。S1604でCPU309は、電力デューティが上限値Dlimit未満であると判断した場合はS1606の処理に進む。S1606でCPU309は、電力デューティDに相当する電力でヒータ202を温度調整するため、図10の制御パターンに基づき、ヒータ202に一制御周期(4全波)の電力供給を開始する。このときカウンタKをリセット(K=0)する。S1607では、正の通電サイクルの半波を出力する度にカウンタKを+1(インクリメント)する。
S1608でCPU309は、K波目の正の半波に対応したHCRRT信号の出力If_KをCPU309内のメモリに保存する。算出した電力デューティDと図10の制御パターンに基づき、K波目の正の半波を通電している状態で、電流検出回路313から送られてくるHCRRT信号より電圧V1f_K(電流値If_Kに相当)を取得する。これは前述したようにコンデンサ574aでピークホールドされた電圧値V1f_Kに該当している。即ち、図6(606)に示すHCRRT信号のピークホールド値である。この実施例では、ZEROX信号をトリガにして、ZEROX信号の立ち上がりエッジからDIS信号を送出するまでの間Tdlyの期間内にこの値を取得する。この期間Tdlyは、CPU309がピークホールド値V1f_Kを検出するのに十分な時間に設定されている。S1609でCPU309は、ZEROX周期T_K(図6 602参照)を検出する。CPU309は、ZEROX信号602の立ち下がりエッジから立ち下がりエッジまでの時間間隔T_Kを検出することにより、電源電圧の周波数(以下、商用周波数)F_Kを算出できる。CPU309は検出した時間間隔T_KをCPU309内のメモリに保存する。ただし、シーケンス上難しい場合にはT_4は検出せずに、T_1〜T_3までを検出して、T_4=T_3としてもよい。
S1610でCPU309は、一制御周期(4全波)分(K=1〜4)の電流検出結果を得られるまで、S1607〜S1609を繰り返し行う。S1611でCPU309は、CPU309内のメモリに保存した4全波分の電流値If_1〜If_4、ゼロクロス周期T_1〜T_4に基づき電力デューティの上限値Dlimitを算出する。ここで、HCRRT信号が報知するIf_K値は、上述したように、2乗波形の商用周波数半周期分の積分値である(図6 606参照)。周波数F_K Hzにおける電流値If_Kに対して、商用周波数を特定の周波数、例えば50Hzを規準の周波数として設定しておく。電流値If_Kの50Hz換算値をI_Kとすると、
I_K=If_K×(F_K)/50
と表すことができる。
電流値I_Kと、電力デューティDとCPU309に設定されている上限電流値Ilimitから、通電可能な上限の電力デューティの更新値Dlimitを算出する。上限電流値Ilimitは、例えば接続される商用電源の定格電流に対して、ヒータ202以外の部分に供給される電流を差し引いたヒータ202に供給可能な許容電流値(ここでは周波数50Hzにおける値とする)や、制御上必要な最大電流値を設定すればよい。本実施例では一制御周期8半波の平均値の上限を、上限電流値Ilimitとして設定している。
Dlimit=4×Ilimit÷(I_1+I_2+I_3+I_4)×D
CPU309は、以上の処理をS1612で、ヒータ202の温度制御が終了するまで、商用電源の4全波分の一制御周期ごとに繰り返し行い、ヒータ202に供給する電力デューティを算出する。
本実施例では、電力デューティの上限値Dlimitの算出に、4全波分の電流値I_1〜I_4の平均値を使用している。4全波分の電流値I_1〜I_4の電流検出結果には、電力デューティDが7/12〜9/12の場合に、正の誤差をもつI_3(図13(a)の〔3〕に対応)の電流検出結果と、負の誤差をもつI_4(図13(a)の〔4〕に対応)の電流検出結果が含まれる。4全波分の電流値I_1〜I_4の平均値を算出することで、正の誤差と負の誤差が打ち消しあうので、図9のような比較例の波形に比べて、電流検出精度を高めることができる。
本実施例では、図10の電力デューティ7/12〜9/12の制御パターンに例を示すように、正の誤差と負の誤差を生じる制御パターンを出力し、正の誤差をもつ電流検出結果と、負の誤差をもつ電流検出結果が打ち消しあうように電流検出する。これにより、電流検出トランス312による歪の影響を緩和し、精度よくヒータ202に供給する電力を制御することを特徴とする。本実施例ではCPU309を用いて4全波分の電流値I_1〜I_4の平均値を用いているが、例えば3全波目の電流値I_3、4全波目の電流値I_4の平均値を用いて制御してもよい。また4全波分の電流値I_1〜I_4の検出結果に重み付けをして平均値を算出してもよい。また、本実施例では4全波分の電流値I_1〜I_4の平均値をCPU309の内部処理で算出している。しかし、これに限定されるものではなく、例えば積分回路で図6の反転増幅出力605の、一周期若しくは複数周期の積分値や平均値を出力する場合にも、同様に電流検出トランス312による歪の影響を緩和することができる。積分回路を用いる方法は実施例4で説明する。
電流検出トランス312の歪の影響を補正する方法として、位相角、周波数、電流値、負荷変動の履歴に基づき、CPU309の内部計算で補正する方法もある。しかし、CPU309の内部計算で補正する方法では、上記のような積分回路を用いる場合に電流検出トランス312による歪の影響を緩和することは難しい。本実施例に係る制御では、制御パターンの波形を工夫することで、電流検出トランス312の歪の影響を緩和しているため、電流検出回路313の出力の平均値をアナログ回路で出力する場合にも有効である。また、本実施例では、電流検出回路313では半波整流した正の半波のみ電流検出を行っているが、半波〔2b〕と、半波〔4〕に続く負の半波〔4b〕を含む負の半波のみで電流検出を行ってもよい。このように、負の半波を使って電流検出する場合、電力比の波形として、一半波全てをオフする負の半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波と、半波の少なくとも一部をオンする負の半波がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする正の半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形が好ましい。
本実施例によれば、位相制御と波数制御を組み合わせて供給する電力を制御する場合の電流検出の精度を向上することができる。また、安価で歪量の大きい電流検出トランスを用いた場合でも、所望の電流検出精度を得ることができる。さらに、歪量の小さい電流検出トランスを用いた場合では、より精度よく電流検出を行うことができる。
実施例2において実施例1と共通の構成や制御についての説明は省略し、同じ符号を用いて説明する。
[セラミックヒータへの電力供給制御]
図15は本実施例のヒータ202の駆動回路、制御回路及び画像形成装置に電力を供給する電源回路を示している。本実施例では、電流検出トランス1712が、ヒータ202を流れるヒータ電流Ihと、低圧電源(電源回路)1702の力率改善回路PFC1701(以下、単にPFCとする)に流れるPFC電流Ipfcの、合成電流を検出する位置に設置されている。すなわち、画像形成装置は、商用交流電源からヒータへの電力供給路の途中で分岐したラインに接続されている電源回路を有し、電流検出部はヒータと電源回路の分岐位置よりも商用交流電源側の電力供給路に流れる電流を検出する。低圧電源(電源回路)はAC/DCコンバータを有する回路である。つまり電流検出回路1713は、ヒータ電流IhとPFC電流Ipfcの合成電流を検出している。本実施例では、図10の電力デューティ7/12〜9/12の制御パターン例のように、正の誤差と負の誤差を生じる制御パターンを出力している。本実施例では正の誤差をもつ電流検出結果と負の誤差をもつ電流検出結果が打ち消しあうことで、電流検出トランス1712による歪の影響を緩和する。そして、ヒータ202に供給する電流IhとPFC1701に供給する電流Ipfcの合成電流を精度良く検出する。
[等価回路を用いたシミュレーションの結果]
図16(a)及び図17(a)には図11の等価回路図を使用したシミュレーション波形を示す。ここでは、図9及び図10の制御パターンについて、電力デューティ7/12(=58.3%)の波形に注目して説明を行う。PFC1701に流れる電流Ipfcは力率100%の正弦波として、シミュレーションを行った。
(比較例の制御パターンの場合)
図16(a)及び図16(b)では比較例として示した制御パターンの電流検出トランス1712による波形歪が、HCRRT信号に与える影響を説明する。電流検出トランス1712による歪や電流検出の誤差のない状態のHCRRT信号は、電流検出トランス一次側の電流実効値の二乗値若しくは一次側の負荷に供給される電力に比例する値となる。しかし、電流検出トランス一次側の負荷が変動すると、図16(a)の波形5のように、電流検出トランス1712の二次側に出力される電圧波形が歪んでしまう。この電圧波形の歪によって電流検出回路1713の精度が低下してしまう。比較のため、波形6には歪の生じていない状態の電圧波形を示す。
図16(b)の表は、図16(a)の波形5及び波形6に対して、電流検出回路1713が出力するHCRRT信号の出力値を示している。本実施例では図6で示したように、半波整流した正の半波のみ電流検出を行っている。よって、図16(a)に示す半波〔1〕〜半波〔4〕に対応したHCRRT信号を出力することができる。図16(b)に示す、波形5の半波〔2〕と半波〔4〕のHCRRT信号の出力は、波形6に比べて出力値が低いことがわかる。半波〔2〕と〔4〕のように、電流検出トランス1712の一次側の負荷が増加した場合、負の波形歪によってHCRRT信号の出力は減少する。また波形5の半波〔1〕と半波〔3〕のHCRRT信号の出力は、波形6に比べて出力値が高いことがわかる。半波〔1〕と〔3〕のように、電流検出トランス1712の一次側の負荷が減少した場合、正の波形の歪によってHCRRT信号の出力は増加する。波形5の半波〔1〕〜半波〔4〕に対応したHCRRT信号の平均値を算出すると、電流検出トランス1712による歪が生じていない波形6の出力に対して、約−13.4%の誤差が生じる。このように、位相制御と波数制御を組み合わせた方式では、従来の位相制御に比べて、一制御周期内に位相制御と波数制御が切り替わるため、負荷電流の変動が大きい。そのため、正確な電流検出を行うことが困難であった。
(本実施例の制御パターンの場合)
本実施例では、実施例1で説明した電流検出誤差を緩和する方法が、ヒータ電流IhとPFC電流Ipfcの合成電流を検出する際にも有効であることを説明する。図17(a)及び図17(b)では本実施例で提案する図10に示した制御パターン例の効果について説明を行う。図17(a)の波形7では、図11の等価回路図でシミュレーションした、電流検出トランス1712による歪をもった電圧波形を示す。比較のため、波形8には歪の生じていない状態の電圧波形を示す。実施例1同様、半波〔3〕は、ヒータへ電流が流れない半波(一半波全てをオフする正の半波)〔2〕の直後にオンする負の半波〔2b〕の更に次にオンする正の半波である。半波〔4〕は、ヒータへ電流が流れない半波(一半波全てをオフする負の半波)〔3b〕の直後にヒータへ電流を流す半波(オンする正の半波)である。
図17(b)の表は、図17(a)の波形7及び波形8に対して、電流検出回路1713が出力するHCRRT信号の出力値を示している。図17(a)に示す波形7の半波〔3〕と半波〔4〕について注目して説明する。半波〔4〕では正の通電サイクルから通電しているのに対して、半波〔3〕では負の通電サイクルの半波〔2b〕から通電を開始している。半波〔4〕のように、電流検出トランス1712の一次側の負荷が増加した場合、波形の歪によってHCRRT信号の出力は減少する。半波〔2b〕のように負の通電サイクルで電流検出トランス1712の一次側の負荷が増加した場合、正の波形の歪が生じる。半波〔3〕では半波〔2b〕で生じる正の波形歪の影響を受けるため、半波〔3〕に対応するHCRRT信号の出力は増加する。
波形7の半波〔1〕〜半波〔4〕に対応したHCRRT信号の平均値を算出すると、電流検出トランス1712による歪が生じていない波形8の平均値に対して約−6.5%の誤差を生じる。波形5の平均値の誤差が約−13.4%なので、波形7では波形5に対して、電流検出精度を大幅に改善できる。この4半波のHCRRT信号の出力の平均電圧は、本実施例の一制御周期にあたる4全波分の、電流検出トランス一次側の電流実効値の二乗値若しくは一次側の負荷に供給される電力に比例する値となる。上記の電流検出精度の結果は、図11のシミュレーションの等価回路から得られたものである。波形7のように一制御周期内に正の通電サイクルから通電することで生じる負の歪と、負の通電サイクルから通電することで生じる正の歪を発生させることで、電流検出トランス1712による歪の影響を緩和できる。このように、ヒータと電源回路の分岐位置よりも商用交流電源側の電力供給路に流れる電流を検出する場合でも、温度検知素子の検知温度に応じて設定する電力比の波形を実施例1と同様な波形に設定することにより、電流検出精度が向上する。
[本実施例に係るヒータの温度制御]
次に、本実施例における定着装置115の制御シーケンスについて説明する。図18は、本実施例のCPU309による定着装置115の制御シーケンスを説明するフローチャートである。実施例1と制御が共通する制御シーケンス(S2201〜S2210、S2212〜S2213)については説明を省略する。S2211では、CPU309に保存した4全波分の電流値If_1〜If_4、ゼロクロス周期T_1〜T_4に基づき電力デューティの上限値Dlimitを算出する。ここで、HCRRT信号が報知するIf_K値は、前述したように、2乗波形の商用周波数半周期分の積分値である(図6 606参照)。周波数F_K Hzにおける電流値If_Kに対して、商用周波数を特定の周波数、例えば50Hzを規準の周波数として設定しておく。電流値If_Kの50Hz換算値をI_Kとすると、
I_K=If_K×(F_K)/50
と表すことができる。
電流値I_Kと、電力デューティDとCPU309に設定されている上限電流値Ilimitから、通電可能な上限の電力デューティの更新値Dlimitを算出する。上限電流値Ilimitは、例えば接続される商用電源の定格電流15Aに相当する値に設定する。またヒータ202以外の部分に供給される最大電流値Ipfcの値をCPU309に予め設定してある。本実施例でPFC電流値Ipfcは、上限電流値IlimitからPFC電流値Ipfcを引いた値が、力率などを考慮してヒータ202に供給可能な許容電流値(ここでは周波数50Hzにおける値とする)になるよう設定してある。CPU309内のメモリには、上限電流値Ilimit及びPFC電流値Ipfcの値は一制御周期(8半波)の平均値に相当する値が保存されている。
Dlimit=(Ilimit−Ipfc)÷{(I_1+I_2+I_3+I_4)÷4−Ipfc}×D
本実施例では電力デューティDが7/12〜12/12の場合、(I_1+I_2+I_3+I_4)÷4>>Ipfcが成り立つものとする。
本実施例では想定されるAC入力電圧範囲やヒータ202の抵抗値等を考慮すると、電力デューティDが6/12以下の場合には上限値Dlimit値を更新する必要がないため、S2211の算出を行わなくてよい。CPU309は、以上の処理をS2212で、ヒータ202の温度制御が終了するまで、商用電源の4周期ごとに繰り返し行い、ヒータ202に供給する電力デューティを算出する。
本実施例では、実施例1で説明した電流検出誤差を緩和する方法が、ヒータ電流IhとPFC電流Ipfcの合成電流を検出する際にも有効であることを示した。このように、図17(a)の波形7のように一制御周期内に正の通電サイクルから通電することで生じる負の歪と、負の通電サイクルから通電することで生じる正の歪を発生させることで、電流検出トランス1712による歪の影響を緩和できる。
本実施例によれば、位相制御と波数制御を組み合わせて供給する電力を制御する場合の電流検出の精度を向上することができる。
実施例1と共通の構成や制御についての説明は省略し、同じ符号を用いて説明する。
[セラミックヒータへの電力供給制御]
図19は実施例3のヒータ202の駆動回路及び制御回路を示している。電流検出トランス312は、ヒータ202に通電する一次側電流を電圧変換し、二次側の電流検出回路313に入力している。電流検出回路313は図5、図6で説明をしたように、実施例1と同様の動作を行うため、説明は省略する。この電流検出トランス312の二次側出力を、位相反転回路2301を介して、電流検出回路2313に入力している。つまり正の半波電流を電流検出回路315が検出し、負の半波電流を電流検出回路2313で検出することができる。
[電流検出回路2313]
図20は、電流検出回路2313の動作を説明するための波形図である。図20の601では、ヒータ202に電流Iが流れると、電流検出トランス312によって、その電流波形が二次側で電圧変換される。位相反転回路2301は電流検出トランス312の出力電圧を反転し、電流検出回路2313に入力する。反転後の電圧を2401に示す。図5に示すように、この反転出力をダイオード501a,503aによって整流し、負荷抵抗として抵抗502a,504aを接続している。図20の2403は、このダイオード503aによって半波整流された波形を示す。この電圧波形は、抵抗505aを介して乗算器506aに入力される。この乗算器506aは、2404で示すように、2乗した電圧波形を出力する。この2乗された波形は、抵抗507aを介してオペアンプ509aの−端子に入力される。このオペアンプ509aの+端子には、抵抗508aを介してリファレンス電圧584aが入力されており、帰還抵抗560aにより反転増幅される。なお、このオペアンプ509aは片電源から電源が供給されているものとする。
2405は、リファレンス電圧584aを基準に反転増幅された波形を示す。このオペアンプ509aの出力は、オペアンプ572aの+端子に入力される。オペアンプ572aでは、リファレンス電圧584aと、その+端子に入力された波形の電圧差と、抵抗571aで決定される電流がコンデンサ574aに流入されるようにトランジスタ573aを制御している。こうしてコンデンサ574aは、リファレンス電圧584aと、オペアンプ572aの+端子に入力された波形の電圧差と抵抗571aで決定される電流で充電される。ダイオード503aによる半波整流区間が終わると、コンデンサ574aへの充電電流がなくなるため、その電圧値がピークホールドされる。
そして2406に示すように、ダイオード501aの半波整流期間にCPU309からのDIS信号によりトランジスタ575aをオンする。これにより、コンデンサ574aの充電電圧が放電される。2407で示すように、トランジスタ575aは、CPU309からのDIS信号によりオン/オフされており、602で示すZEROX信号を基に、トランジスタ575aのオン/オフ制御を行っている。このDIS信号は、ZEROX信号の立ち下がりエッジから所定時間Tdly2後にオンし、次の負の通電サイクルが立ち上がる前にオフする。トランジスタ575aの制御タイミングは、ZEROX信号の立ち下がりエッジ及び立ち下がりエッジから検出したZEROX周期に基づき決定する。これにより、ダイオード503aの半波整流期間であるヒータ202の通電期間を干渉することなく制御できる。つまり、コンデンサ574aのピークホールド電圧V2f(I2f)は、電流検出トランス312によって電流波形が二次側に電圧変換された波形の2乗値の半周期分の積分値となる。
こうしてコンデンサ574aにピークホールドされた電圧値が、電流検出回路2313からHCRRT信号としてCPU309に送出される。電圧変換されたヒータ電流波形を実効値若しくはその2乗値に変換し、HCRRT信号としてCPU309にA/D入力する。電流検出回路313のHCRRT信号I1fより、一次側電流601の正の半波を電流検出できる(図6 606)。また、電流検出回路2313のHCRRT信号I2fより、一次側電流601の負の半波を電流検出できる(図20 2406)。
[等価回路を用いたシミュレーションの結果]
(本実施例の制御パターンの場合)
図21(a)には図11の等価回路図を使用したシミュレーション波形を示す。ここでは、図23の制御パターンについて、電力デューティ7/12(=58.3%)の波形に注目して説明を行う。電流検出トランス312による歪や電流検出の誤差のない状態のHCRRT信号では、電流検出トランス一次側の電流実効値の二乗値若しくは一次側の負荷に供給される電力に比例する値となる。しかし、電流検出トランス一次側の負荷が変動すると、図12(a)の波形1のように、電流検出トランス312の二次側に出力される電圧波形が歪んでしまう。この電圧波形の歪によって電流検出回路の精度が低下してしまう。比較のため、波形2には歪の生じていない状態の電圧波形を示す。図21(b)の表は、図21(a)の波形9及び波形10に対して、電流検出回路313及び電流検出回路2313が出力するHCRRT信号の出力値を示している。電流検出回路2313は負の半波〔1〕に対応するHCRRT信号を出力しており、電流検出回路313は半波〔2〕に対応するHCRRT信号を出力している。
電流検出回路313及び電流検出回路2313によって、正位相、負位相の半波をそれぞれ電流検出できる。図21(a)に示す、波形9の半波〔1〕のHCRRT信号の出力は、波形10に比べて出力値が低いことがわかる。半波〔1〕のように、負の通電サイクルで電流検出トランスの一次側の負荷が増加した場合、正の波形歪が生じる。図20の2401に示すように、半波〔1〕は電流検出トランス312の二次側出力を反転して、電流検出回路2313に入力している。よって、半波〔1〕のHCRRT信号の出力は減少する。また波形9の半波〔2〕のHCRRT信号の出力は、波形10に比べて出力値が高いことがわかる。半波〔1〕のように負の通電サイクルで電流検出トランス312の一次側の負荷が増加した場合、正の波形の歪が生じる。半波〔2〕では半波〔1〕で生じる正の波形歪の影響を受けるため、半波〔2〕に対応するHCRRT信号の出力は増加する。波形9の半波〔1〕、〔2〕に対応したHCRRT信号の平均値を算出すると、電流検出トランス312による歪が生じていない波形10の平均値に対して約−13%の誤差を生じる。
半波〔1〕及び半波〔2〕のHCRRT信号の検出結果から、本実施例の一制御周期にあたる4全波分の、電流検出トランス一次側の電流実効値の二乗値若しくは一次側の負荷に供給される電力に比例する値を、下記の式から算出できる。
一制御周期のHCRRT信号の換算平均値=(半波〔1〕のHCRRT出力+半波〔2〕のHCRRT出力)÷2×一制御周期の電力デューティ(この場合7/12)÷半波〔1〕及び〔2〕の電力デューティ(この場合1/1)
このように、位相制御と波数制御を組み合わせた方式では、従来の位相制御に比べて、一制御周期内に位相制御と波数制御が切り替わるため、負荷電流の変動が大きく、正確な電流検出を行うことが困難であった。そこで本実施例では、前述した位相制御と波数制御を組み合わせた方式において、電流検出精度を向上させる方法を提案する。
本実施例で使用する図23に示した制御パターン例では、電力デューティ1/12から9/12までに、本実施例で提案する電流検出方法に適した電流波形を使用している。本実施例において、電力デューティ10/12〜12/12の波形は、ヒータ202が常時ON状態に近く、一次側の負荷変動が少ないので、電流検出トランス歪の影響が少ない。電力デューティ10/12〜12/12範囲では、本実施例で提案する制御パターンを使用しなくても、必要な検出精度が得られている。本実施例の制御によると、正若しくは負の通電サイクルから通電を始め、さらに連続して負若しくは正の半波を通電する制御パターンがあれば、電流検出精度の誤差を緩和できる。本実施例の方法で補正する制御パターンの負若しくは正の半波は100%デューティの半波でなくともよく、例えば80%デューティの半波でも電流検出精度を改善できる。実施例1、2に比べて必要な回路が多く制御は複雑になるが、電流検出精度の補正をかけることのできる電流検出パターンが多い。本実施例の制御パターン例では電力デューティ1/12から9/12の範囲で電流検出精度の誤差を緩和できる。
[本実施例に係るヒータの温度制御]
図22は、本実施例のCPU309による定着装置115の制御シーケンスを説明するフローチャートである。S2601〜S2610は実施例1の図14と共通の制御なので説明を省略する。ただし、本実施例では、電流検出回路313、2313により連続する2半波で電流検出を行うので、一制御周期内の8半波で電流検出を行う。このため、本実施例ではKは8半波分をカウントするものとし、8半波分の電流検出値がメモリに保存されてから上限の電力デューティDlimitを算出するものとする。なお、後述するように電流値If_8はシーケンス上制御に取り入れるのが難しいため、S2610では「K=7」を判断条件としている。S2611でCPU309は、S2605で決定した電力デューティDが3/12以下かを判断している。電力デューティDが0/12〜3/12の電力制御パターンでは、S2612に移行する。
S2612でCPU309は、CPU309内のメモリに保存した2半波分の電流値If_1,If_2、Zerox周期T_1に基づき上限値Dlimitを算出する。ここで、HCRRT信号が報知するIf_K値は、前述したように2乗波形の商用周波数半周期分の積分値である。周波数F Hzにおける電流値If_Kに対して、商用周波数を特定の周波数、例えば50Hzを規準の周波数として設定しておく。電流値If_Kの50Hz換算値をI_Kとすると、
I_K=If_K×F/50
と表すことができる。
I_Kと、電力デューティDとCPU309に設定されている上限電流値Ilimitから、通電可能な上限の電力デューティの更新値Dlimitを算出する。上限電流値Ilimitは、例えば接続される商用電源の定格電流に対して、ヒータ以外の部分に供給される電流を差し引いたヒータに供給可能な一制御周期の許容電流値(ここでは周波数50Hzにおける値とする)や、制御上必要な最大電流値を設定すればよい。本実施例では一制御周期8半波の平均値の上限を、Ilimitとして設定している。
F=1/T_1
I_K=If_K×F/50
Dlimit=2×Ilimit÷(I_1+I_2)×D
S2611でCPU309は、電力デューティDが3/12よりも大きいと判断した場合S2613の処理に進む。S2613でCPU309は、S2605で決定した電力デューティDが6/12以下かを判断する。CPU309は電力デューティDが4/12〜6/12の電力制御パターンであると判断すると、S2614に移行する。S2614でCPU309は、CPU309内のメモリに保存した2半波分の電流値If_5,If_6、ZEROX周期T_3に基づき上限値Dlimitを算出する。
F=1/T_3
I_K=If_K×F/50
Dlimit=2×Ilimit÷(I_5+I_6)
S2613でCPU309は、電力デューティDが6/12よりも大きいと判断した場合、S2615の処理に進む。S2615でCPU309は、S2605で決定した電力デューティDが9/12以下かを判断する。CPU309は、電力デューティDが7/12〜9/12の電力制御パターンであると判断した場合は、S2616に移行する。S2616でCPU309は、CPU309内のメモリに保存した2半波分の電流値If_4,If_5、ZEROX周期T_2に基づき上限値Dlimitを算出する。
F=1/T_2
I_K=If_K×F/50
Dlimit=2×Ilimit÷(I_4+I_5)
S2615でCPU309は、電力デューティDが9/12よりも大きいと判断した場合、S2617の処理に進む。S2615でCPU309は、決定した電力デューティDが10/12〜12/12の電力制御パターンであると判断した場合は、S2617に移行する。S2617でCPU309は、CPU309内のメモリに保存した8半波分の電流値If_1〜If_7、ZEROX周期T_1〜T_3に基づき上限値Dlimitを算出する。ZEROX周期T_4及び、電流値If_8はシーケンス上制御に取り入れるのが難しいため、本実施例では電流値If_1〜If_6、ZEORX周期T_1〜T_3からを用いる。ここで商用周波数T_1〜T_3の平均値から、周波数Fを算出する。電流値If_Kの50Hz換算値をI_Kとすると、
F=(1/T_1+1/T_2+1/T_3)÷3
I_K=If_K×F/50
Dlimit=6×Ilimit÷(I_1+I_2+I_3+I_4+I_5+I_6)
CPU309は、以上の処理を、S2619でヒータ202の温度制御が終了するまで、商用電源の4周期ごとに繰り返し行い、ヒータ202に供給する電力デューティを算出する。
本実施例によれば、位相制御と波数制御を組み合わせて供給する電力を制御する場合の電流検出の精度を向上することができる。
実施例4において実施例1と共通の構成や制御についての説明は省略し、同じ符号を用いて説明する。
[電流検出回路]
図24は、実施例1とは異なる電流検知回路2413を用いる場合を示している。電流検知回路2413はHCRRT信号とHCRRT2信号の2つの出力を持つ。HCRRT信号は実施例1と一致するため説明を省略する。
図25は、電流検出回路2413の詳細図であり、この図25と、図6に示した波形を用いて、HCRRT2信号を説明する。図6に示した波形604の2乗された波形は、抵抗507aを介してオペアンプ509aの−端子に入力される。このオペアンプ509aの+端子には、抵抗508aを介してリファレンス電圧584aが入力されており、帰還抵抗560aにより反転増幅される。なお、このオペアンプ509aは片電源から電源が供給されているものとする。図6の605は、リファレンス電圧584aを基準に反転増幅された波形を示す。このオペアンプ509aの出力は、オペアンプ2472aの+端子に入力される。オペアンプ2472aでは、リファレンス電圧584aと、その+端子に入力された波形の電圧差と、抵抗2471aで決定される電流がコンデンサ2474aに流入されるようにトランジスタ2473aを制御している。こうしてコンデンサ2474aは、リファレンス電圧2484aと、オペアンプ2472aの+端子に入力された波形の電圧差と抵抗2471aで決定される電流で充電される。コンデンサ2474aに充電された電荷は放電抵抗2474aを介して放電されている。コンデンサ2477a及び、抵抗2476aは平滑回路であり、HCRRT2信号は、電流検出トランス312によって二次側に電圧変換された波形の2乗値を移動平均した値となる。
また、図25の(b)に示す回路のように、電流検出トランス312によって二次側に電圧変換された波形を移動平均する場合にも、本提案の波形パターンは有効である。図25(b)で示す例は、電流検知手段の一例である。電流検出トランス312の一次側に流れる電流値が大きくなると、図6の601に示す波形の振幅が大きくなり、IinはIrefに対して高い電圧値となる。差動増幅回路としてオペアンプ2430aを用いており、抵抗2434/抵抗2433及び、抵抗2432/2431の比率で差動増幅回路の増幅率を定めることができる。抵抗2435はオペアンプ2430aの保護抵抗である。オペアンプ2430aで反転増幅された波形を後段のフィルタ回路によって平滑化している。反転増幅された波形は抵抗2436を介してコンデンサ2438に充電される。抵抗2437は放電抵抗である。コンデンサ2438の電圧波形は、抵抗2439及びコンデンサ2440で平滑化され、HCRRT3信号として出力される。
HCRRT3信号は、電流平均値に比例した出力が得られるため、HCRRT2信号に比べて電流実効値の検知精度が低くなるが、簡易な回路構成で実現することができる。要求される電流検知精度に応じて、HCRRT2信号の代わりに、HCRRT3信号を用いてもよい。
図25に示すような電流検出回路で電流を検出する場合にも、図10に示したような波形を用いることで、電流検出の精度を向上することができる。
図26(a)と図26(b)に電流検知精度を向上できる、ヒータ電力制御の他の波形例を示す。図26(a)には、位相制御波形を4全波中1全波(8半波中、2半波)以下に抑えた制御パターン、図26(b)には、位相制御波形を4全波中2全波(8半波中、4半波)以下に抑えた制御パターンを示す。また、位相制御波形を8全波中3全波(16半波中、6半波)以下に抑えたい場合には、図26(a)の波形と、図26(b)の波形を一制御周期毎に交互に出力しても良い。このように2つの制御パターンを用いることで、波数制御波形に対する位相制御波形の割合を任意に設定することができる。図26(a)と図26(b)に示す電力比に対応する波形にも、一半波全てをオフする正の半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波と、半波の少なくとも一部をオンする正の半波、がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする負の半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波、がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形が設定されている。
本実施例で示すように、電流検知精度を改善することができる二つの制御パターンを用いれば、電流検知精度を改善する効果を得つつ、位相制御波形(半波の一部をオンする半波)の比率を変えることができ、高調波ノイズを抑えやすくなる。
なお、上述した実施例1〜5では4全波を一制御周期として説明しているが、例えば5全波を一制御周期とする等、交流波形における連続する所定数の半波(但し、第1グループと第2グループを両方共含めることができる波数)を一制御周期とする場合に適用できる。したがって、3全波以上を制御周期する場合において、第1グループと、第2グループと、を有する波形を、複数の電力比の少なくとも一つの電力比の波形として設定すれば、電流検知精度を改善することができる。
202 ヒータ
309 CPU
312 電流検出トランス
313 電流検出回路

Claims (5)

  1. 商用交流電源から供給される電力によって発熱するヒータを有し、記録紙に形成された未定着トナー像を記録紙に加熱定着する定着部と、
    前記定着部の温度を検知する温度検知素子と、
    前記温度検知素子の検知温度に応じて商用交流電源から前記ヒータへ供給する電力を制御する制御部であって、交流波形における連続する所定数の半波を一制御周期として、前記一制御周期毎に前記検知温度に応じた電力比を設定する電力制御部と、
    トランスと、前記トランスを介して電流を検出する電流検出回路とを有し、商用交流電源から前記ヒータへの電力供給路に設けられており、前記電力供給路に流れる電流を検出する電流検出部と、
    を有する画像形成装置において、
    複数の電力比のうちの少なくとも一つの電力比の波形は、一半波全てをオフする半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波と、半波の少なくとも一部をオンする正の半波、がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波、がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形であるか、又は、
    一半波全てをオフする半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする正の半波と、半波の少なくとも一部をオンする負の半波、がこの順に並ぶ第1グループと、一半波全てをオフする半波の直後に、半波の少なくとも一部をオンする負の半波、がこの順に並ぶ第2グループと、を有する波形であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 各電力比に対応する波形は、前記一制御周期中に、一半波の一部をオンする半波と、一半波全てをオフまたはオンする半波を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記電流検出回路は、交流波形の正の半波または負の半波のいずれか一方のみの電流を検出する回路であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記商用交流電源から前記ヒータへの前記電力供給路の途中で分岐したラインに接続されている電源回路を有し、
    前記電流検出部は、前記ヒータと前記電源回路の分岐位置よりも商用交流電源側の前記電力供給路に流れる電流を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記定着部は、内面に前記ヒータが接触するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共に未定着トナー像を担持する記録紙を定着処理する定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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