JP2000322137A - 電力制御装置、電力制御方法、画像形成装置、及びコンピュータ読み出し可能な記憶媒体 - Google Patents

電力制御装置、電力制御方法、画像形成装置、及びコンピュータ読み出し可能な記憶媒体

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JP2000322137A
JP2000322137A JP11128261A JP12826199A JP2000322137A JP 2000322137 A JP2000322137 A JP 2000322137A JP 11128261 A JP11128261 A JP 11128261A JP 12826199 A JP12826199 A JP 12826199A JP 2000322137 A JP2000322137 A JP 2000322137A
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浩幸 大羽
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商用電源のゼロクロス信号が検知できない場
合でも的確に動作することができる電力制御装置を提供
する。 【解決手段】 一定時間(例えば50msec間)に亘
ってCPU10がゼロクロス信号CSを検知できなかっ
た場合には、CPU10内のトリガ切替手段13によっ
て、ゼロクロス信号CSと同期させてトリガを発生させ
る第1のトリガ発生手段11から、ゼロクロス信号CS
と非同期でトリガを発生させる第2のトリガ発生手段1
2に切り替えて電力制御を行うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱体等へ供給す
る電力を制御する電力制御装置及び電力制御方法と、前
記電力制御装置を定着器への電力制御手段として使用し
たレーザビームプリンタ等の画像形成装置と、前記電力
制御方法を実現するためのコンピュータ読み出し可能な
記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザビームプリンタ等の画像形
成装置の定着器は、一般にヒータを備え、画像形成部に
おいて転写材(例えば紙)上に転写されたトナーを、定
着器ニップ間の挟持圧力及びヒータの熱によって転写材
上に溶融固着する。このような定着器は、ヒータに対す
る電力の供給を制御することによってヒータの温度を所
定温度に維持する電力制御装置を備えている。
【0003】図7は、従来の電力制御装置の構成を示す
図である。
【0004】この電力制御装置は、例えば商用電源20
0をON/OFFするトライアック210を備え、さら
にそのトライアック210を、ゼロクロス検知回路23
0から出力される商用電源のゼロクロス信号CSに同期
させてON/OFFするトリガ手段220を備えてい
る。このトリガ手段220は、前記ゼロクロス信号CS
に同期させてトリガ出力信号を発し、そのトリガ出力信
号のONデューティを適宜に変更したPWM(パルス幅
変調)信号を出力するCPU221を有し、前記FSR
D信号に応じてスイッチ部222を介してトライアック
210をON/OFFする。
【0005】このようにして、電力制御装置は、定着器
240のヒータ241に供給する電力の波数制御を行
い、サーミスタ242でヒータ241の温度を検出し
て、ヒータ241の温度をトナー定着に好適な目標温度
に保持するようにしている。
【0006】前記FSRD信号の出力パターンの一例を
図8に示す。ヒータ31に対する商用電源1からの電力
は、FSRD信号が“H”レベルのときに供給が開始さ
れ、一方、FSRD信号が“L”レベルのときに供給停
止される。また、フリッカを良くするために図9の如く
通電パターンを離散的にした方法もある。
【0007】さらには、上述の波数制御の電力制御装置
の他に、商用電源のゼロクロス検知に基づいて位相角を
決定する、いわゆる位相制御を行うことによって、電力
を制御するようにしたものも知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の電力制御装置では、ゼロクロス信号に同期させて
トリガを発生させているため、ゼロクロス信号の検知が
できない場合には、電力制御を行うことができなくなる
という問題があった。
【0009】例えばレーザビームプリンタ等に入力され
る商用電源の中には、例えばUPS(無停電電源装置)
の一部に見られるように正弦波でない(例えば矩形波な
どの)電源波形を出力するものがある。なお、常時商用
給電方式のUPSは、通常時には入力電圧をそのままス
ルーで出力電圧として供給し、停電時にはバッテリから
の供給を基に交流を作り出す方式に切り替えるもので、
常時インバータ給電方式に比して安価であるという特長
を持つ。
【0010】ここで、ゼロクロス信号の検知ができない
場合として、商用電源として矩形波が入力されたケース
について、図10及び図11を用いて詳細に説明する。
【0011】図10は、上記ゼロクロス検知回路20の
回路図である。商用電源をダイオードD11,D12で
整流した信号をツェナーダイオード231に印加する
と、商用電源の電圧がツェナー電圧以下に下がったとき
だけツェナーダイオード231のブレークダウンが起き
なくなり、トランジスタ231がオフになる。このとき
フォトカプラ233もオフになるので、ゼロクロス信号
CSは“H”レベルから“L”レベルに切り替わる。
【0012】商用電源として矩形波が入力された場合、
ゼロクロス検知回路230のツェナーダイオード231
がオフしている時間はほとんどなくなる。するとゼロク
ロス信号CSの幅は非常に狭くなるか、あるいはゼロク
ロス回路230の応答速度によってはゼロクロス信号そ
のものがなくなってしまう可能性もある。
【0013】CPU221に入ってくる信号に対して、
CPU221がゼ口クロス信号と雑音等とを区別するた
めにはある一定幅の信号が必要であるので、結果として
CPU221はゼロクロス信号CSを検知できなくなっ
てしまう。この様子を図11に示す。ゼロクロス信号C
Sが検出できないとトリガを発生させることができない
ためヒータ241に通電することができず、電力制御装
置は動作不能になる。
【0014】また、ゼロクロス信号CSが検知できない
他のケースとしては、商用電源のラインインピーダンス
が大きい場合が挙げられる。この場合は、同じ電源に接
続された他の機器の動作により電源波形の歪みが発生し
やすくなり、結果として電力制御ができなくなる。
【0015】本発明は上記従来の問題点に鑑み、商用電
源のゼロクロス信号が検知できない場合でも的確に動作
することができる電力制御装置及び電力制御方法を提供
するものである。また、その他の目的は、前記電力制御
装置を定着器への電力制御手段として使用し、商用電源
のゼロクロス信号が検知できない場合でも的確に動作す
ることができる画像形成装置と、前記電力制御方法を実
現するためのコンピュータ読み出し可能な記憶媒体を提
供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明に係る電力制御装置では、商用
電源のゼロクロスを検知するゼロクロス検知手段と、前
記ゼロクロス検知手段により検知したゼロクロスと同期
させてトリガを発生する第1のトリガ発生手段と、前記
ゼロクロス検知手段により検知したゼロクロスと非同期
でトリガを発生する第2のトリガ発生手段と、前記ゼロ
クロス検知手段により前記ゼロクロスの検知が可能な場
合に前記第1のトリガ発生手段を作動し、前記ゼロクロ
ス検知手段によりゼロクロスの検知が不可能な場合に前
記第2のトリガ発生手段を作動するトリガ切り替え手段
とを備え、前記第1または第2のトリガ発生手段で発生
したトリガに基づいて、前記商用電源から制御対象に供
給される電力を制御することを特徴とする。
【0017】請求項2記載の発明に係る電力制御装置で
は、請求項1に記載の電力制御装置において、前記第1
または第2のトリガ発生手段のいずれが作動する場合に
も、波数制御方式で前記制御対象に対する供給電力を制
御することを特徴とする。
【0018】請求項3記載の発明に係る電力制御装置で
は、請求項1に記載の電力制御装置において、前記第1
のトリガ発生手段が作動する場合は位相制御方式で、前
記第2のトリガ発生手段が作動する場合は波数制御方式
で、それぞれ前記制御対象に対する供給電力を制御する
ことを特徴とする。
【0019】請求項4記載の発明に係る電力制御装置で
は、請求項2または請求項3に記載の電力制御装置にお
いて、前記第2のトリガ発生手段のトリガ発生周波数
は、前記商用電源の周波数及び該周波数の倍数と異なる
ことを特徴とする。
【0020】請求項5記載の発明に係る電力制御装置で
は、商用電源から制御対象に供給される電力をオン/オ
フするスイッチ手段と、前記商用電源のゼロクロスを検
知するゼロクロス検知手段と、前記ゼロクロス検知手段
により検知したゼロクロスと同期させて前記スイッチ手
段をトリガする第1のトリガ手段と、前記制御対象の制
御結果値を検出する検出手段とを有し、前記検出手段の
検出結果に応じて前記スイッチ手段に対するトリガを変
更する電力制御装置において、前記商用電源のゼロクロ
スに非同期で前記スイッチ手段をトリガする第2のトリ
ガ手段を設け、前記ゼロクロス検知手段により前記ゼロ
クロスの検知が可能な場合には前記第1のトリガ手段を
作動し、前記ゼロクロス検知手段によりゼロクロスの検
知が不可能な場合に前記第2のトリガ手段を作動する構
成にしたことを特徴とする。
【0021】請求項6記載の発明に係る電力制御装置で
は、請求項5に記載の電力制御装置において、前記第1
または第2のトリガ手段のいずれが作動する場合にも、
波数制御方式で前記スイッチ手段をトリガすることを特
徴とする。
【0022】請求項7記載の発明に係る電力制御装置で
は、請求項5に記載の電力制御装置において、前記第1
のトリガ手段が作動する場合は位相制御方式で、前記第
2のトリガ手段が作動する場合は波数制御方式で、それ
ぞれ前記スイッチ手段をトリガすることを特徴とする。
【0023】請求項8記載の発明に係る電力制御装置で
は、請求項6または請求項7に記載の電力制御装置にお
いて、前記第2のトリガ手段のトリガ発生周波数は、前
記商用電源の周波数及び該周波数の倍数と異なることを
特徴とする。
【0024】請求項9記載の発明に係る電力制御方法で
は、商用電源のゼロクロスを検知するゼロクロス検知処
理と、前記ゼロクロス検知処理により前記ゼロクロスの
検知が可能な場合には、検知したゼロクロスと同期させ
てトリガを発生する第1のトリガ発生手段を作動し、前
記ゼロクロスの検知が不可能な場合には、検知したゼロ
クロスと非同期でトリガを発生する第2のトリガ発生手
段を作動するトリガ切り替え処理とを実行し、 前記第
1または第2のトリガ発生手段で発生したトリガに基づ
いて、前記商用電源から制御対象に供給される電力を制
御することを特徴とする。
【0025】請求項10記載の発明に係る電力制御方法
では、請求項9に記載の電力制御方法において、前記第
1または第2のトリガ発生手段のいずれが作動する場合
にも、波数制御方式で前記制御対象に対する供給電力を
制御することを特徴とする。
【0026】請求項11記載の発明に係る電力制御方法
では、請求項9に記載の電力制御方法において、前記第
1のトリガ発生手段が作動する場合は位相制御方式で、
前記第2のトリガ発生手段が作動する場合は波数制御方
式で、それぞれ前記制御対象に対する供給電力を制御す
ることを特徴とする。
【0027】請求項12記載の発明に係る電力制御方法
では、請求項10または請求項11に記載の電力制御方
法において、前記第2のトリガ発生手段のトリガ発生周
波数は、前記商用電源の周波数及び該周波数の倍数と異
なることを特徴とする。
【0028】請求項13記載の発明に係る画像形成装置
では、請求項1乃至請求項4記載の電力制御装置を、記
録材に未定着画像を定着させる画像定着装置の電力制御
装置として具備していることを特徴とする。
【0029】請求項14記載の発明に係るコンピュータ
読み出し可能な記憶媒体では、商用電源のゼロクロスを
検知するゼロクロス検知手段によって検知されたゼロク
ロスと同期させてトリガを発生する第1のトリガ発生ス
テップと、前記ゼロクロス検知手段によって検知された
ゼロクロスと非同期でトリガを発生する第2のトリガ発
生ステップと、前記ゼロクロス検知手段によって前記ゼ
ロクロスの検知が可能な場合には前記第1のトリガ発生
ステップを作動し、前記ゼロクロスの検知が不可能な場
合に前記第2のトリガ発生ステップを作動するトリガ切
り替えステップと、前記第1または第2のトリガ発生ス
テップで発生したトリガに基づいて、前記商用電源から
制御対象に供給される電力を制御するための信号パター
ンを生成する信号パターン生成ステップとを有するプロ
グラムを格納したことを特徴とする。
【0030】請求項15記載の発明に係るコンピュータ
読み出し可能な記憶媒体では、請求項14に記載のコン
ピュータ読み出し可能な記憶媒体において、前記信号パ
ターン生成ステップは、前記第1または第2のトリガ発
生ステップのいずれが作動する場合にも、波数制御方式
で信号パターンを生成することを特徴とする。
【0031】請求項16記載の発明に係るコンピュータ
読み出し可能な記憶媒体では、請求項14に記載のコン
ピュータ読み出し可能な記憶媒体において、前記信号パ
ターン生成ステップは、前記第1のトリガ発生ステップ
が作動する場合は位相制御方式で、前記第2のトリガ発
生ステップが作動する場合は波数制御方式で、それぞれ
前記信号パターンを生成することを特徴とする。
【0032】請求項17記載の発明に係るコンピュータ
読み出し可能な記憶媒体では、請求項15または請求項
16に記載のコンピュータ読み出し可能な記憶媒体にお
いて、前記第2のトリガ発生ステップのトリガ発生周波
数は、前記商用電源の周波数及び該周波数の倍数と異な
ることを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0034】[第1実施形態]図1は、本発明の第1実
施形態に係る電力制御装置の概略構成を示す回路図であ
る。
【0035】この電力制御装置は、レーザビームプリン
タ等の定着器の制御装置に適用された場合を示してお
り、商用電源1から入力された電圧をトランスT1によ
り変圧し、この変圧した電圧によりダイオードD1を介
してホールドコンデンサC1を充電する。このホールド
コンデンサC1電圧をCPU10のA/D入力ポートに
接続して、前述の商用電源1から入力される入力商用電
源電圧を監視する。
【0036】またCPU10には、商用電源1のゼロク
ロスを検知するゼロクロス検知回路20が接続されてい
る。このゼロクロス検知回路20は、前述の図10に示
したゼロクロス検知回路230と同一の回路構成であ
り、ゼロクロス検知回路20から出力するゼロクロス信
号CSと商用電源1との関係を図2に示す。
【0037】定着器30は、セラミックヒータ31によ
って構成された加熱体を有し、その温度がサーミスタ3
2によって検出される。サーミスタ32は、上述のCP
U10のA/D入力ポートに接続されており、CPU1
0は、このサーミスタ32を介して上述の定着器30の
温度状態を監視する。
【0038】CPU10は、第1及び第2のトリガ発生
手段11,12と共に、これを切り替えるトリガ切り替
え手段13を有し、ゼロクロス検知回路20よりゼロク
ロス信号CSを取得し、制御対象であるセラミックヒー
タ31の温度がトナー定着に好適な目標値に維持される
ように、第1のトリガ発生手段11を用いてゼロクロス
信号CSに同期させてトリガ出力信号を発生し、予めこ
のトリガ出力信号に対応して記憶させてあるオン/オフ
通電パターンをFSRD信号として出力する。
【0039】セラミックヒータ31に対する商用電源1
からの電力供給は、FSRD信号が“H”レベルのとき
に開始され、FSRD信号が“L”レベルのときに停止
される。すなわち、FSRD信号が“H”レベルのとき
は、CPU10を介してトランジスタQ1がONし、そ
のコレクタ出力によりフォトトライアックPC1がON
し、さらにトライアックQ2のゲートがONする。その
結果、商用電源1は、ゼロクロス付近のタイミングでト
リガされてセラミックヒータ31に対する商用電力の供
給を開始する。
【0040】一方、前記FSRD信号が“L”レベルの
ときは、トランジスタQ1がOFF、コレクタ出力によ
りフォトトライアックPC1がOFF、トライアックQ
2のゲートがOFFする。その結果、商用電源1は、ゼ
ロクロス付近のタイミングでトリガされてセラミックヒ
ータ31に対する商用電力の供給が停止する。
【0041】このように、商用電源1のゼロクロスに同
期させてトライアックQ2をトリガすることによりセラ
ミックヒータ31の発熱量を制御し、セラミックヒータ
31の温度をトナー定着に好適な目標温度に保持するよ
うにしている。
【0042】ところで、図2に示した商用電源1とゼロ
クロス信号CSの関係は、商用電源1が正弦波であるも
のとしたが、実際に使用される商用電源は正弦波とはな
らないこともあり得る。例えば前述した常時商用給電方
式のUPS(無停電電源装置)を介してレーザビームプ
リンタに電源を供給する場合は、UPSからの出力が矩
形波に近い場合がある。あるいは、商用電源のラインイ
ンピーダンスが大きい場合には、同じ電源に接続された
他の機器の動作により電源波形の歪みが発生しやすくな
る。
【0043】このような入力波形の変化や乱れなどによ
ってCPU10がゼロクロス信号CSを検知できない場
合には、検知できなかった半波分についてセラミックヒ
ータ31は全く発熱しないし、ゼロクロス信号CSの検
知ができない状態が継続するとセラミックヒータ31の
温度が低下し、セラミックヒータ31の温度をトナー定
着に好適な所定の温度に維持できなくなってしまう。
【0044】このような場合には、従来では装置を停止
させ定着不良の発生を防ぐ必要があったが、本実施形態
では、ゼロクロス信号CSと同期させてトリガを発生さ
せる上述の第1のトリガ発生手段11の他に、ゼロクロ
ス信号CSと非同期でトリガを発生させる第2のトリガ
発生手段12を持つことにより、上述のようにゼロクロ
ス信号CSが検知できない場合であっても電力制御装置
の動作を行うことができるようにしている。以下、この
点について具体的に説明する。
【0045】本実施形態では、50msec間に亘って
CPU10がゼロクロス信号CSを取得できなかった場
合に、トリガ切替手段13によって、ゼロクロス信号C
Sと同期させてトリガを発生させる第1のトリガ発生手
段11から、ゼロクロス信号CSと非同期でトリガを発
生させる第2のトリガ発生手段12に切り替えて電力制
御を行うように設定した。この様子を図3に示す。
【0046】図3に示すように、ゼロクロス信号CSと
非同期でトリガを発生させる第2のトリガ発生手段12
では、最小デューティ幅を9msecに設定し、この時
間毎にON/OFFを切り替えられるようになってい
る。この9msecという値は、世界の商用電源の周波
数は50Hzと60Hの2種類があり、1半波分の時間
としては50Hzの場合が10msec、60Hzの場
合が約8.3msecであることを鑑みて定めたもので
ある。すなわち、この2値のほぼ中間の値である9ms
ecを採ることで、ゼロクロス信号CSが検知できない
場合でも50Hz/60Hzに関わりなく電力制御装置
を作動させることができ、かつ50Hz/60Hzに関
わりなくCPU10に記憶させてあるトリガ出力信号の
ON/OFFパターンに近い波数出力パターンを得るこ
とができるため、第2のトリガ発生手段12を用いた場
合でもフリッカがそれほど悪くならないという効果があ
る。
【0047】なお、本実施形態では50msec間に亘
ってCPU10がゼロクロス信号CSを取得できなかっ
た場合に、第1のトリガ発生手段11から第2のトリガ
発生手段12に切り替えるように設定したが、これはあ
くまでも一例であり、本発明がこの値に限定されるもの
ではない。また、第2のトリガ発生手段12を用いる場
合の最小デューティ幅を9msecとしたが、この値に
ついても同様である。
【0048】さらに、図4に示すようにトリガ出力信号
のON/OFFパターンを離散的に配置すればフリッカ
に対して更に有利となる。すなわち、波数制御において
は商用電源の複数半波を1単位としてとらえ、その中の
必要な半波のみを離散的に通電する方法が知られてい
る。この手法は、通電パターンを離散的に配置してON
/OFFの周期を短くすることによりフリッカ等を低減
を目的としており、通電パターンを変えるとフリッカも
変化する。なおCPU10は出力比率別にフリッカが最
も良くなるような通電パターンを記憶させてある。
【0049】[第2実施形態]第1のトリガ発生手段1
1を用いて電力制御を行う場合において、第1実施形態
で説明した波数制御ではなく位相制御を用いても同様の
効果が得られる。すなわち、上記第1実施形態では、電
力制御方式として前記第1及び第2のトリガ発生手段1
1,12のいずれを用いる場合でも波数制御を用いるよ
うにしたが、第2実施形態では、上記図1の構成におい
て、電力制御方式として第1のトリガ発生手段11を用
いて電力制御を行う場合には位相制御を用い、第2のト
リガ発生手段12を用いて電力制御を行う場合には波数
制御を用いることを特徴とする。
【0050】図5は、本発明の第2実施形態に係る電力
制御装置の動作を示す波形図であり、電力制御方式とし
て第1のトリガ発生手段11を作動する際に位相制御を
適用した場合のトリガ出力信号とFSRD信号との関係
を表している。
【0051】位相制御の場合には、ゼロクロス信号CS
の間隔を検知し、ゼロクロス信号CSを検知してからト
リガを発生させるまでの時間を所望の電力に応じて変え
る、いわゆる位相角を変化させることにより電力制御を
行う。
【0052】50msec間に亘ってCPU10がゼロ
クロス信号CSを取得できなかった場合において、トリ
ガ切替手段13を用いて、ゼロクロス信号CSと同期さ
せてトリガを発生させる第1のトリガ発生手段11か
ら、ゼロクロス信号CSと非同期でトリガを発生させる
第2のトリガ発生手段12に切り替えて電力制御を行う
ように設定したことは、上記第1実施形態と同じであ
る。
【0053】ゼロクロス信号CSが検知できない場合で
も50Hz/60Hzに関わりなく電力制御装置を作動
させることができ、かつ50Hz/60Hzに関わりな
くCPU10に記憶させてあるトリガ出力信号のON/
OFFパターンに近い波数出力パターンを得ることがで
きるため、第2のトリガ発生手段12を用いた場合でも
フリッカがそれほど悪くならないという効果があること
も第1実施形態と同様である。
【0054】[第3実施形態]図6は、本発明の第3実
施形態に係る画像形成装置の要部構成図であり、前述の
例えば第1実施形態に示した本発明に従う電力制御装置
を組み込んだ画像形成装置の一例(レーザビームプリン
タ)を示している。
【0055】同図中の符号100はコントローラ部であ
り、ビデオコントローラー部103を有している。この
コントローラー部100は、図示しないホストコンピュ
ータから入力されたコードデータである電気信号をビデ
オコントローラ部103でドットイメージに展開し、ビ
デオコントローラ103内部のメモリに格納した後、エ
ンジン部102にビデオ信号として返送する。
【0056】エンジン部102の各要素は、エンジンコ
ントローラ105により制御され、コントローラ部10
0とのビデオ信号のやり取りもエンジンコントローラ1
05を介して行われる。エンジンコントローラ105の
ビデオインタフェース部(図示しない)に入力されたビ
デオ信号は、レーザードライバ106に送出され、ここ
で半導体レーザ107のオン/オフが制御される。
【0057】この半導体レーザ107から出射されたレ
ーザ光110は、ポリゴンミラー108により偏向され
て感光ドラム112の長手方向の走査光となり、ミラー
109を介して感光ドラム112上に投影される。
【0058】感光ドラム112は、図の矢印方向に回転
し、一次帯電器111により一次帯電された後、レーザ
光のオン/オフに応じた露光を受け、その結果、感光ド
ラム112表面には静電潜像が形成される。そして、現
像器113により着色荷電粒子(以下、トナーと記す)
が付与され、顕像が得られた後、転写帯電器114によ
り、給紙カセット120から給紙ローラ121によって
一枚ずつ取り出された記憶媒体に上記顕像が写し取られ
る。転写残りトナーは、感光ドラム112の表面よりク
リーニング器115により払い拭われ、感光ドラム11
2は次の画像形成工程に備える。
【0059】一方、未定着トナー像が載った記憶媒体は
定着器116に挿通され、これによって記憶媒体に永久
定着像が形成された後、最終プリントとして記憶媒体
は、図中の矢印方向LSに従って機外に排出される。な
お、図中の矢印LSは、給紙カセット120から取り出
されて搬送される記憶媒体の給送軌跡を示す。
【0060】定着器30は、中空の定着ローラ117
に、例えば上記第1実施形態で示した本発明の電力制御
装置で供給電力が制御されるセラミックヒータ31を有
しており、ヒーター31に通電することで定着ローラ1
17が過熱される。
【0061】加圧ローラ118は、付勢手段(図示しな
い)により定着ローラ117に押圧されるようになって
おり、記憶媒体に載った状態の未定着トナーは、定着ロ
ーラ117と加圧ローラ118の成すニップ内で記憶媒
体とともに加熱、加圧され、記憶媒体に永久定着され
る。
【0062】本発明は、上述した実施形態の装置に限定
されず、複数の機器から構成されるシステムに適用して
も、1つの機器から成る装置に適用してもよい。前述し
た実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム
コードを記憶した記憶媒体をシステムあるいは装置に供
給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(また
はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラム
コードを読み出し実行することによっても、完成される
ことは言うまでもない。
【0063】この場合、記憶媒体から読み出されたプロ
グラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現する
ことになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体
は本発明を構成することになる。プログラムコードを供
給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピーデ
ィスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディス
ク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性の
メモリーカード、ROMを用いることができる。また、
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行する
ことにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけ
ではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コン
ピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部
または全部を行い、その処理によって前述した実施形態
の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもな
い。
【0064】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書き込まれた後、次のプログラムコードの指
示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニット
に備わるCPUなどが処理を行って実際の処理の一部ま
たは全部を行い、その処理によって前述した実施形態の
機能が実現される場合も含まれることは言うまでもな
い。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至請求
項8記載の発明に係る電力制御装置、請求項9乃至請求
項12記載の発明に係る電力制御方法、及び請求項14
乃至請求項17記載の発明に係るコンピュータ読み出し
可能な記憶媒体によれば、商用電源の入力波形の変化や
乱れ等により商用電源のゼロクロスの検知が不可能な場
合でも、フリッカの悪化を招くことなく的確に電力制御
動作を行うことが可能になる。
【0066】請求項13記載の発明に係る画像形成装置
によれば、上記発明の電力制御装置を、記録材に未定着
画像を定着させる画像定着装置の電力制御装置に適用す
るよう構成したので、上記発明と同様に、商用電源の入
力波形の変化や乱れ等により商用電源のゼロクロスの検
知が不可能な場合でも、フリッカの悪化を招くことなく
的確に前記画像定着装置の電力制御動作を行うことが可
能になり、品質の優れた画像形成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電力制御装置の概
略構成を示す回路図である。
【図2】ゼロクロス信号と商用電源との関係を示す波形
図である。
【図3】第2のトリガ発生手段を用いた場合のFSRD
信号出力パターンを示す図である。
【図4】第1実施形態に係る離散的なFSRD信号出力
パターンを示す図である。
【図5】位相制御で第1のトリガ発生手段を用いた場合
の第2実施形態に係るFSRD信号出力パターンを示す
図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の要
部構成図である。
【図7】従来の電力制御装置の構成を示す図である。
【図8】従来のFSRD信号出力パターンの一例を示す
図である。
【図9】従来の他のFSRD信号出力パターンを示す図
である。
【図10】ゼロクロス検知回路20の回路図である。
【図11】商用電源が矩形波の場合の商用電源とゼロク
ロス信号の関係を示す波形図である。
【符号の説明】
1 商用電源 T1 トランス D1 ダイオード C1 ホールドコンデンサ 10 CPU 11,12 第1及び第2のトリガ発生手段 13 トリガ切り替え手段 Q1 トランジスタ PC1 フォトトライアック Q2 トライアック 20 ゼロクロス検知回路 30 定着器 31 セラミックヒータ 32 サーミスタ CS ゼロクロス信号 FSRD 通電出力パターン

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用電源のゼロクロスを検知するゼロク
    ロス検知手段と、 前記ゼロクロス検知手段により検知したゼロクロスと同
    期させてトリガを発生する第1のトリガ発生手段と、 前記ゼロクロス検知手段により検知したゼロクロスと非
    同期でトリガを発生する第2のトリガ発生手段と、 前記ゼロクロス検知手段により前記ゼロクロスの検知が
    可能な場合に前記第1のトリガ発生手段を作動し、前記
    ゼロクロス検知手段によりゼロクロスの検知が不可能な
    場合に前記第2のトリガ発生手段を作動するトリガ切り
    替え手段とを備え、 前記第1または第2のトリガ発生手段で発生したトリガ
    に基づいて、前記商用電源から制御対象に供給される電
    力を制御することを特徴とする電力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1または第2のトリガ発生手段の
    いずれが作動する場合にも、波数制御方式で前記制御対
    象に対する供給電力を制御することを特徴とする請求項
    1に記載の電力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のトリガ発生手段が作動する場
    合は位相制御方式で、前記第2のトリガ発生手段が作動
    する場合は波数制御方式で、それぞれ前記制御対象に対
    する供給電力を制御することを特徴とする請求項1に記
    載の電力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のトリガ発生手段のトリガ発生
    周波数は、前記商用電源の周波数及び該周波数の倍数と
    異なることを特徴とする請求項2または請求項3に記載
    の電力制御装置。
  5. 【請求項5】 商用電源から制御対象に供給される電力
    をオン/オフするスイッチ手段と、前記商用電源のゼロ
    クロスを検知するゼロクロス検知手段と、前記ゼロクロ
    ス検知手段により検知したゼロクロスと同期させて前記
    スイッチ手段をトリガする第1のトリガ手段と、前記制
    御対象の制御結果値を検出する検出手段とを有し、前記
    検出手段の検出結果に応じて前記スイッチ手段に対する
    トリガを変更する電力制御装置において、 前記商用電源のゼロクロスに非同期で前記スイッチ手段
    をトリガする第2のトリガ手段を設け、 前記ゼロクロス検知手段により前記ゼロクロスの検知が
    可能な場合には前記第1のトリガ手段を作動し、前記ゼ
    ロクロス検知手段によりゼロクロスの検知が不可能な場
    合に前記第2のトリガ手段を作動する構成にしたことを
    特徴とする電力制御装置。
  6. 【請求項6】 前記第1または第2のトリガ手段のいず
    れが作動する場合にも、波数制御方式で前記スイッチ手
    段をトリガすることを特徴とする請求項5に記載の電力
    制御装置。
  7. 【請求項7】 前記第1のトリガ手段が作動する場合は
    位相制御方式で、前記第2のトリガ手段が作動する場合
    は波数制御方式で、それぞれ前記スイッチ手段をトリガ
    することを特徴とする請求項5に記載の電力制御装置。
  8. 【請求項8】 前記第2のトリガ手段のトリガ発生周波
    数は、前記商用電源の周波数及び該周波数の倍数と異な
    ることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電
    力制御装置。
  9. 【請求項9】 商用電源のゼロクロスを検知するゼロク
    ロス検知処理と、 前記ゼロクロス検知処理により前記ゼロクロスの検知が
    可能な場合には、検知したゼロクロスと同期させてトリ
    ガを発生する第1のトリガ発生手段を作動し、前記ゼロ
    クロスの検知が不可能な場合には、検知したゼロクロス
    と非同期でトリガを発生する第2のトリガ発生手段を作
    動するトリガ切り替え処理とを実行し、 前記第1または第2のトリガ発生手段で発生したトリガ
    に基づいて、前記商用電源から制御対象に供給される電
    力を制御することを特徴とする電力制御方法。
  10. 【請求項10】 前記第1または第2のトリガ発生手段
    のいずれが作動する場合にも、波数制御方式で前記制御
    対象に対する供給電力を制御することを特徴とする請求
    項9に記載の電力制御方法。
  11. 【請求項11】 前記第1のトリガ発生手段が作動する
    場合は位相制御方式で、前記第2のトリガ発生手段が作
    動する場合は波数制御方式で、それぞれ前記制御対象に
    対する供給電力を制御することを特徴とする請求項9に
    記載の電力制御方法。
  12. 【請求項12】 前記第2のトリガ発生手段のトリガ発
    生周波数は、前記商用電源の周波数及び該周波数の倍数
    と異なることを特徴とする請求項10または請求項11
    に記載の電力制御方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項8記載の電力制御
    装置を、記録材に未定着画像を定着させる画像定着装置
    の電力制御装置として具備していることを特徴とする画
    像形成装置。
  14. 【請求項14】 商用電源のゼロクロスを検知するゼロ
    クロス検知手段によって検知されたゼロクロスと同期さ
    せてトリガを発生する第1のトリガ発生ステップと、 前記ゼロクロス検知手段によって検知されたゼロクロス
    と非同期でトリガを発生する第2のトリガ発生ステップ
    と、 前記ゼロクロス検知手段によって前記ゼロクロスの検知
    が可能な場合には前記第1のトリガ発生ステップを作動
    し、前記ゼロクロスの検知が不可能な場合に前記第2の
    トリガ発生ステップを作動するトリガ切り替えステップ
    と、 前記第1または第2のトリガ発生ステップで発生したト
    リガに基づいて、前記商用電源から制御対象に供給され
    る電力を制御するための信号パターンを生成する信号パ
    ターン生成ステップとを有するプログラムを格納したこ
    とを特徴とするコンピュータ読み出し可能な記憶媒体。
  15. 【請求項15】 前記信号パターン生成ステップは、前
    記第1または第2のトリガ発生ステップのいずれが作動
    する場合にも、波数制御方式で信号パターンを生成する
    ことを特徴とする請求項14に記載のコンピュータ読み
    出し可能な記憶媒体。
  16. 【請求項16】 前記信号パターン生成ステップは、前
    記第1のトリガ発生ステップが作動する場合は位相制御
    方式で、前記第2のトリガ発生ステップが作動する場合
    は波数制御方式で、それぞれ前記信号パターンを生成す
    ることを特徴とする請求項14に記載のコンピュータ読
    み出し可能な記憶媒体。
  17. 【請求項17】 前記第2のトリガ発生ステップのトリ
    ガ発生周波数は、前記商用電源の周波数及び該周波数の
    倍数と異なることを特徴とする請求項15または請求項
    16に記載のコンピュータ読み出し可能な記憶媒体。
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