JP2011014530A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却媒体連通孔に進入した空気を容易且つ確実に外部に排出させることができ、燃料電池内部に前記空気が滞留することを可及的に阻止することを可能にする。
【解決手段】燃料電池スタックを構成する第1エンドプレート18aの側部には、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔30a及び前記冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔30bが、例えば、それぞれ2つずつ上下に設けられる。第1エンドプレート18aの面50aには、各冷却媒体供給連通孔30a及び冷却媒体排出連通孔30bを連通するための溝部52a、52aが形成され、前記冷却媒体排出連通孔30bの上方に進入した空気を、前記冷却媒体供給連通孔30aに排出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体とセパレータとが水平方向に積層される燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した単位セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定の数の単位セルを積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
上記の燃料電池では、一方のセパレータの面内に、アノード側電極に対向して燃料ガスを流すための燃料ガス流路が設けられるとともに、他方のセパレータの面内に、カソード側電極に対向して酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路が設けられている。また、セパレータ間には、冷却媒体を流すための冷却媒体流路が、前記セパレータの面方向に沿って設けられている。
さらに、この種の燃料電池では、単位セルの積層方向に貫通して燃料ガスを流すための燃料ガス供給連通孔及び燃料ガス排出連通孔と、酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス供給連通孔及び酸化剤ガス排出連通孔と、冷却媒体を流すための冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔とを内部に備える、所謂、内部マニホールド型燃料電池を構成する場合が多い。
内部マニホールド型燃料電池に関連する技術として、例えば、特許文献1が知られている。この特許文献1では、図11に示すように、冷却媒体通路を確保するためのスペーサ1を備えており、このスペーサ1の周辺部2には、上下に一方の反応ガス流路となる孔3と、他方の反応ガス流路となる孔4とが設けられている。周辺部2の両側部には、それぞれ冷却媒体通路となる一対の孔5が上下に設けられており、前記孔5は、連通路6を介して中央部の冷却媒体用空間7に連通している。
特開2000−260439号公報
ところで、燃料電池では、組み立て時やメンテナンス時等に、この燃料電池内に冷却媒体を充填する作業が行われている。しかしながら、上記のスペーサ1では、周辺部2の両側部下部側に設けられている各孔5の上部には、連通路6から上方に離間した開口部分8が存在している。このため、この開口部分8に空気が滞留し易く、この空気を抜き取ることができないという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、冷却媒体連通孔に進入した空気を容易且つ確実に外部に排出させることができ、燃料電池内部に前記空気が滞留することを可及的に阻止することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明は、電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体とセパレータとが水平方向に積層される燃料電池スタックに関するものである。
この燃料電池スタックは、燃料電池スタックの側部には、積層方向に連通して冷却媒体を流通させる複数の冷却媒体連通孔が上下に設けられるとともに、上方の前記冷却媒体連通孔と下方の前記冷却媒体連通孔とを接続する冷却媒体連通孔接続部を備えている。
また、この燃料電池スタックは、上方の冷却媒体連通孔が、冷却媒体をセパレータ間に設けられる冷却媒体流路に供給する冷却媒体供給連通孔である一方、下方の冷却媒体連通孔が、前記冷却媒体を前記冷却媒体流路から排出する冷却媒体排出連通孔であることが好ましい。
さらに、この燃料電池スタックは、電解質・電極構造体とセパレータとの積層方向両端に、エンドプレートが配設されるとともに、少なくとも一方の前記エンドプレートには、冷却媒体連通孔接続部が設けられることが好ましい。
さらにまた、この燃料電池スタックは、電解質・電極構造体とセパレータとの積層方向両端に、絶縁プレートを介装してエンドプレートが配設されるとともに、少なくとも一方の前記絶縁プレートには、冷却媒体連通孔接続部が設けられることが好ましい。
また、この燃料電池スタックは、少なくとも1つのセパレータには、冷却媒体連通孔接続部が設けられることが好ましい。
さらに、この燃料電池スタックは、セパレータには、シール部材が一体又は個別に設けられるとともに、冷却媒体連通孔接続部は、前記シール部材に形成されることが好ましい。
本発明によれば、燃料電池スタックの側部には、上下に冷却媒体連通孔が設けられるとともに、上方の冷却媒体連通孔と下方の冷却媒体連通孔とは、冷却媒体連通孔接続部を介して接続されている。このため、下方の冷却媒体連通孔に進入した空気は、冷却媒体連通孔接続部を通って上方の冷却媒体連通孔に移動することが可能になる。
これにより、冷却媒体連通孔に進入した空気を容易且つ確実に外部に排出させることができ、燃料電池内部に前記空気が滞留することを可及的に阻止することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第1エンドプレートの斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第2エンドプレートの斜視説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックの一部省略斜視説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタックの一部省略斜視説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する燃料電池の分解斜視説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池スタックの一部省略斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第2セパレータの一部拡大説明図である。 特許文献1のスペーサの説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10は、燃料電池12を備え、複数の前記燃料電池12を水平方向(矢印A方向)に沿って互いに積層して構成される。
燃料電池12の積層方向一端には、第1ターミナルプレート14a、第1絶縁プレート16a及び第1エンドプレート18aが積層される一方、積層方向他端には、第2ターミナルプレート14b、第2絶縁プレート16b及び第2エンドプレート18bが積層される。
長方形状に構成される第1エンドプレート18a及び第2エンドプレート18bは、矢印A方向に延在する複数のタイロッド19により一体的に締め付け保持される。なお、燃料電池スタック10は、第1エンドプレート18a及び第2エンドプレート18bを端板として含む箱状ケーシング(図示せず)により一体的に保持されてもよい。
図2に示すように、燃料電池12は、電解質膜・電極構造体20が、第1及び第2セパレータ22、24に挟持される。第1及び第2セパレータ22、24は、例えば、カーボンセパレータの他、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、あるいはめっき処理鋼板等の金属セパレータにより構成される。
燃料電池12の矢印C方向(図2中、重力方向)の上端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔26a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔28aが、矢印B方向(水平方向)に配列して設けられる。
燃料電池12の矢印C方向の下端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔26b、及び燃料ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔28bが、矢印B方向に配列して設けられる。
燃料電池12の矢印B方向の両端縁部には、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔(冷却媒体連通孔)30a、及び前記冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔(冷却媒体連通孔)30bが、例えば、それぞれ上下に設けられる。
第1セパレータ22の電解質膜・電極構造体20に向かう面22aには、酸化剤ガス供給連通孔26aと酸化剤ガス排出連通孔26bとに連通する酸化剤ガス流路32が設けられる。
第2セパレータ24の電解質膜・電極構造体20に向かう面24aには、燃料ガス供給連通孔28aと燃料ガス排出連通孔28bとに連通する燃料ガス流路34が設けられる。
互いに隣接する燃料電池12を構成する第1セパレータ22の面22bと、第2セパレータ24の面24bとの間には、冷却媒体供給連通孔30aと冷却媒体排出連通孔30bとを連通する冷却媒体流路36が設けられる。各冷却媒体供給連通孔30aと冷却媒体流路36とは、連通路38aを介して連通するとともに、各冷却媒体排出連通孔30bと前記冷却媒体流路36とは、連通路38bを介して連通する。冷却媒体流路36は、矢印C方向に延在する複数本の直線状又は波形状の流路溝を有するとともに、前記冷却媒体流路36の上下(上流及び下流)には、バッファ部(エンボス形状)が設けられる。
連通路38aは、冷却媒体供給連通孔30aの上方に設けられる一方、連通路38bは、冷却媒体排出連通孔30bの下部側に設けられる。冷却媒体供給連通孔30a及び冷却媒体排出連通孔30bは、矢印C方向に長尺に設定することにより、冷却媒体の圧力損失を削減させて、図示しない水ポンプの出力を低減させることができる。さらに、連通路38a及び38bを、冷却媒体供給連通孔30aの上部側及び冷却媒体排出連通孔30bの下部側に設定することにより、冷却媒体流路36の上下両端まで冷却媒体を良好に行き渡らせることができる。
第1セパレータ22の面22a、22bには、第1シール部材40aが、一体的に又は個別に設けられるとともに、第2セパレータ24の面24a、24bには、第2シール部材40bが、一体的に又は個別に設けられる。
電解質膜・電極構造体20は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜42と、前記固体高分子電解質膜42を挟持するカソード側電極44及びアノード側電極46とを備える。
カソード側電極44及びアノード側電極46は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜42の両面に形成されている。
図3に示すように、第1エンドプレート18aの第1絶縁プレート16a側の面50aには、冷却媒体供給連通孔30aと冷却媒体排出連通孔30bとを上下方向に連通(接続)する溝部(冷却媒体連通孔接続部)52aが左右両側に形成される。
第1エンドプレート18aには、各溝部52a内に位置し、冷却媒体供給連通孔30aに連通する冷却媒体入口54aと、冷却媒体排出連通孔30bに連通する冷却媒体出口54bとが貫通形成される。
図4に示すように、第2エンドプレート18bの第2絶縁プレート16b側の面50bには、冷却媒体供給連通孔30aと冷却媒体排出連通孔30bとを上下に連通する溝部(冷却媒体連通孔接続部)52bが左右両側に形成される。
第2エンドプレート18bの上部には、酸化剤ガス供給連通孔26aに連通する酸化剤ガス入口56aと、燃料ガス供給連通孔28aに連通する燃料ガス入口58aとが貫通形成される。第2エンドプレート18bの下部側には、酸化剤ガス排出連通孔26bに連通する酸化剤ガス出口56bと、燃料ガス排出連通孔28bに連通する燃料ガス出口58bとが形成される。
図1に示すように、第1エンドプレート18aの外面側には、上部側に供給マニホールド60が取り付けられるとともに、下部側に排出マニホールド62が取り付けられる。
供給マニホールド60は、第1エンドプレート18aの一対の冷却媒体入口54a、54aに連通するとともに、前記供給マニホールド60の上端部側には、空気抜き用ジョイント部64が設けられる。排出マニホールド62は、第1エンドプレート18aの一対の冷却媒体出口54b、54bに連通する。
第2エンドプレート18bには、図示しないが、酸化剤ガス入口56a、燃料ガス入口58a、酸化剤ガス出口56b及び燃料ガス出口58bにそれぞれマニホールドが設けられる。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
先ず、第2エンドプレート18bの酸化剤ガス入口56aから酸化剤ガス供給連通孔26aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口58aから燃料ガス供給連通孔28aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。
さらに、図1に示すように、供給マニホールド60から第1エンドプレート18aの冷却媒体入口54a、54aを介して冷却媒体供給連通孔30a、30aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、図2に示すように、酸化剤ガス供給連通孔26aから第1セパレータ22の酸化剤ガス流路32に導入される。この酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路32に沿って矢印C方向(重力方向)に移動し、電解質膜・電極構造体20のカソード側電極44に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔28aから第2セパレータ24の燃料ガス流路34に導入される。この燃料ガスは、燃料ガス流路34に沿って重力方向(矢印C方向)に移動し、電解質膜・電極構造体20のアノード側電極46に供給される。
従って、電解質膜・電極構造体20では、カソード側電極44に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極46に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、電解質膜・電極構造体20のカソード側電極44に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔26bに沿って矢印A方向に排出される。電解質膜・電極構造体20のアノード側電極46に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔28bに沿って矢印A方向に排出される。
一方、2つの冷却媒体供給連通孔30a、30aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ22と第2セパレータ24との間に形成された冷却媒体流路36に導入される。この冷却媒体は、矢印C方向に移動して電解質膜・電極構造体20を冷却した後、2つの冷却媒体排出連通孔30b、30bから排出マニホールド62を介して外部に排出される。
この場合、燃料電池スタック10では、組み付け時やメンテナンス時に冷却媒体を充填する作業が行われている。具体的には、排出マニホールド62から冷却媒体が重力注水される。冷却媒体は、冷却媒体排出連通孔30b、30bに充填された後、各冷却媒体流路36に沿って水位が上昇して冷却媒体供給連通孔30a、30aに充填されるとともに、供給マニホールド60に充填される。
その際、第1の実施形態では、第1エンドプレート18aの面50a及び第2エンドプレート18bの面50bに、それぞれ冷却媒体供給連通孔30a、30aと冷却媒体排出連通孔30b、30bとを連通する溝部52a、52bが形成されている(図3及び図4参照)。
このため、図2に示すように、特に、冷却媒体排出連通孔30bの上部、すなわち、連通路38bの上方に滞留し易い空気は、前記冷却媒体排出連通孔30bの上部側に沿って矢印A方向に移動して溝部52a又は溝部52bに導入された後、上方に移動する。冷却媒体の充填時には、燃料電池スタック10を前後方向に揺動させる作業が行われるからである。
従って、溝部52bの上方側に移動した空気は、冷却媒体供給連通孔30aに沿って第1エンドプレート18a側に移動する一方、溝部52aの上方側に移動した空気は、この第1エンドプレート18aの上部側に設けられた冷却媒体入口54aから供給マニホールド60内に導入される。供給マニホールド60の上方には、ジョイント部64が設けられており、空気は、このジョイント部64から外部に排出される。
これにより、第1の実施形態では、燃料電池スタック10の下方側に位置する冷却媒体排出連通孔30bに進入した空気は、溝部52a、52bを通って上方側の冷却媒体供給連通孔30aに移動することが可能になる。
このため、冷却媒体排出連通孔30bに進入した空気を容易且つ確実に外部に排出させることができ、燃料電池12の内部に前記空気が滞留することを可及的に阻止することが可能になるという効果が得られる。なお、第1の実施形態では、第1エンドプレート18a及び第2エンドプレート18bに、それぞれ溝部52a、52bを設けているが、これに限定されるものではなく、例えば、前記第1エンドプレート18aにのみ前記溝部52aを設けてもよい。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック70の一部省略斜視説明図である。
なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態以降においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池スタック70は、第1絶縁プレート72a及び第2絶縁プレート72bを備える。第1絶縁プレート72aには、燃料電池12側の面76aに冷却媒体供給連通孔30aと、冷却媒体排出連通孔30bとを上下方向に連通する一対の溝部(冷却媒体連通孔接続部)78a、78aが形成される。
第2絶縁プレート72bの燃料電池12側の面76bには、同様に、冷却媒体供給連通孔30aと冷却媒体排出連通孔30bとを上下方向に連通する一対の溝部(冷却媒体連通孔接続部)78b、78bが形成される。
溝部78a、78bは、第1の実施形態の第1エンドプレート18aに設けられた溝部52a及び第2エンドプレート18bに設けられた溝部52bに代えて設けられる。従って、第2の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、第2の実施形態では、第1絶縁プレート72aにのみ溝部78aを設けてもよい。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタック90の一部省略斜視説明図である。
燃料電池スタック90は、少なくとも1枚のセパレータ92を備える。このセパレータ92は、実質的に、第1セパレータ22又は第2セパレータ24と同様に構成され、例えば、前記第2セパレータ24に設けられる第2シール部材40bを切り欠いて冷却媒体供給連通孔30aと冷却媒体排出連通孔30bとを上下方向に連通する溝部94を形成する。これにより、第3の実施形態では、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
図7は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池スタック100の概略斜視説明図である。
燃料電池スタック100は、複数の燃料電池102を積層して構成するとともに、燃料電池102は、図8に示すように、上部側に空気抜き孔104が積層方向に貫通形成される。空気抜き孔104は、第2セパレータ24の面24bに形成された一対の空気通路106を介して冷却媒体供給連通孔30a、30aに連通する。
この第4の実施形態では、例えば、第1の実施形態の溝部52a、52bを設けた第1エンドプレート18a及び第2エンドプレート18b、第2の実施形態の溝部78a、78bを設けた第1絶縁プレート72a及び第2絶縁プレート72b又は第3の実施形態の溝部94を設けたセパレータ92のいずれかを用いることができる。
従って、第4の実施形態では、冷却媒体排出連通孔30bの上部側に進入した空気は、冷却媒体供給連通孔30a側に移動した後、空気通路106から空気抜き孔104に排出される。さらに、第1エンドプレート18aに設けられたジョイント部108から外部に排出される。このため、第4の実施形態では、上記の第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。
図9は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池スタック110の一部省略斜視説明図である。
燃料電池スタック110を構成する少なくとも1枚のセパレータ、例えば、第2セパレータ112には、第2シール部材114が一体成形される。図10に示すように、第2シール部材114は、冷却媒体流路36を囲繞する内側シール凸部114aと外側シール凸部114bとの2重シールを構成する。外側シール凸部114bには、冷却媒体排出連通孔30bの上端部近傍に切り欠き部位を設けることにより、比較的幅狭な隙間116が形成される。
隙間116は、冷却媒体排出連通孔30bの上方から内側シール凸部114aと外側シール凸部114bとの間に形成される通路118に連通するとともに、前記通路118は、冷却媒体供給連通孔30aに連なる連通路38aに連通する。
このように構成される第5の実施形態では、冷却媒体排出連通孔30bの上部に滞留し易い空気は、前記冷却媒体排出連通孔30bの上部側から隙間116を通って通路118に導入された後、上方側の冷却媒体供給連通孔30aに移動する。従って、冷却媒体排出連通孔30bに進入した空気を容易且つ確実に外部に排出させることができる等、上記の第1〜第4の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第5の実施形態では、第2セパレータ112には、第2シール部材114が一体成形されているが、これに限定されるものではなく、個別に構成されるガスケット等により前記第2シール部材114を構成してもよい。
10、70、90、100、110…燃料電池スタック
12、102…燃料電池 18a、18b…エンドプレート
20…電解質膜・電極構造体 22、24、92、112…セパレータ
26a…酸化剤ガス供給連通孔 26b…酸化剤ガス排出連通孔
28a…燃料ガス供給連通孔 28b…燃料ガス排出連通孔
30a…冷却媒体供給連通孔 30b…冷却媒体排出連通孔
32…酸化剤ガス流路 34…燃料ガス流路
36…冷却媒体流路 38a、38b…連通路
40a、40b、114…シール部材 42…固体高分子電解質膜
44…カソード側電極 46…アノード側電極
52a、52b、78a、78b、94…溝部
60…供給マニホールド 62…排出マニホールド
64、108…ジョイント部 72a、72b…絶縁プレート
104…空気抜き孔 106…空気通路
116…隙間 118…通路

Claims (6)

  1. 電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体とセパレータとが水平方向に積層される燃料電池スタックであって、
    前記燃料電池スタックの側部には、積層方向に連通して冷却媒体を流通させる複数の冷却媒体連通孔が上下に設けられるとともに、
    上方の前記冷却媒体連通孔と下方の前記冷却媒体連通孔とを接続する冷却媒体連通孔接続部を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、上方の前記冷却媒体連通孔は、前記冷却媒体を前記セパレータ間に設けられる冷却媒体流路に供給する冷却媒体供給連通孔である一方、
    下方の前記冷却媒体連通孔は、前記冷却媒体を前記冷却媒体流路から排出する冷却媒体排出連通孔であることを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記電解質・電極構造体と前記セパレータとの積層方向両端に、エンドプレートが配設されるとともに、
    少なくとも一方の前記エンドプレートには、前記冷却媒体連通孔接続部が設けられることを特徴とする燃料電池スタック。
  4. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記電解質・電極構造体と前記セパレータとの積層方向両端に、絶縁プレートを介装してエンドプレートが配設されるとともに、
    少なくとも一方の前記絶縁プレートには、前記冷却媒体連通孔接続部が設けられることを特徴とする燃料電池スタック。
  5. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、少なくとも1つの前記セパレータには、前記冷却媒体連通孔接続部が設けられることを特徴とする燃料電池スタック。
  6. 請求項5記載の燃料電池スタックにおいて、前記セパレータには、シール部材が一体又は個別に設けられるとともに、
    前記冷却媒体連通孔接続部は、前記シール部材に形成されることを特徴とする燃料電池スタック。
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