JP2009004124A - 燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の単セル51が積層して構成されたスタック本体50と、スタック本体50に取り付けられた冷媒マニホールド1と、を備え、冷媒が、外部から冷媒マニホールド1のマニホールド室11、脚部連通孔31及び冷媒供給用連通孔50eから構成されると共に並列で形成された4本の冷媒用流路を介して、各単セル51に供給される燃料電池スタック40であって、並列で形成された冷媒用流路の流路断面積の全部又は一部は異なる。
【選択図】図10
Description
そこで、本発明は、効率的に冷却可能な燃料電池スタックを提供することを課題とする。
これにより、マニホールド室と単セルとの間において、並列で形成された複数の冷媒用流路における冷媒の流量が均等になる。したがって、各単セル、つまり、燃料電池スタックを適切に冷却することができる。
これにより、単セルの酸化剤ガス出口付近では、酸化剤ガスが、暖かいまま、外部に排出される。すなわち、酸化剤ガス出口付近において、酸化剤ガスは大きく冷却されず、その飽和水蒸気量は高いままであるので、発電に伴う生成水(水蒸気等)が酸化剤ガスに含まれやすくなり、酸化剤ガスによって生成水を単セル外に排出することができる。
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図12を参照して説明する。
第1実施形態に係る燃料電池スタック、及びこれが組み込まれた燃料電池システム、並びにこのシステムを搭載した燃料電池自動車について説明する。
燃料電池スタック40について、具体的に説明する。
図2に示すように、燃料電池スタック40は、その外形が略直方体であり、スタック本体50と、スタック本体50の前面に取り付けられた2つの冷媒マニホールド1、1とを備えている。
図3に示すように、スタック本体50は、複数(例えば、200〜400)の単セル51と、2枚の電極板71、71(ターミナルプレート)と、2枚の絶縁板75、75(インシュレータ)と、剛性の高いフロントプレート81及びリアプレート82と、を備えている。なお、図3では、単セル51とリアプレート82との間における電極板71及び絶縁板75を省略している。
複数の単セル51は、その厚み方向に積層されており、2枚の電極板71、71と、2枚の絶縁板75、75とを介して、フロントプレート81とリアプレート82とで挟まれている。フロントプレート81とリアプレート82とは、ボルト83によって締結されており、これにより、単セル51の積層状態が維持されている(図2参照)。なお、単セル51の積層方向と、燃料電池自動車200の前後方向(走行方向)とは、一致している。そして、後方に向かって、燃料電池スタック40は、正面視において、縦長となっている(図6参照)。
なお、アノード54側(前側)に配置される電極板71は負極板となり、そして、その出力端子72aはマイナス端子となり、前側の絶縁板75の貫通孔75g、フロントプレート81の貫通孔81gを介して、外部に引き出されている(図2参照)。一方、カソード55側(後側)に配置される電極板71は正極板となり、そして、その出力端子72aはプラス端子となり、後側の絶縁板75の貫通孔75g(いずれも図示しない)、リアプレート82の貫通孔82gを介して、外部に引き出されている。
次に、スタック本体50内の水素の流路について説明する(図3参照)。
単セル51の積層方向である燃料電池自動車200の前後方向において、後方に向かって、スタック本体50の左上部には、水素タンク101からの水素を、各単セル51に供給するための水素供給用連通孔50aが形成されている。水素供給用連通孔50aは、アノードセパレータ61、固体高分子膜53、カソードセパレータ62、電極板71、絶縁板75及びリアプレート82に形成された連通孔が重なることで、1本の流路を構成している。
同じく後方に向かって、スタック本体50の右下部には、各単セル51から排出された未反応の水素等を、外部に排出するための水素排出用連通孔50bが形成されている。
そして、水素は、水素供給用連通孔50aから、各単セル51の水素流路61aに流れ込み、各アノード54に供給された後、未反応の水素が水素排出用連通孔50bを介して外部に排出されるようになっている。
次に、スタック本体50内の空気の流路について説明する(図3、図4参照)。
後方に向かって、スタック本体50の右上部には、加湿器103からの加湿された酸素を含む空気を、各単セル51に供給するための空気供給用連通孔50cが形成されている。空気供給用連通孔50cは、アノードセパレータ61、固体高分子膜53、カソードセパレータ62、電極板71、絶縁板75及びリアプレート82に形成された連通孔が重なることで、1本の流路を構成している。
同じく、後方に向かって、スタック本体50の左下部には、各単セル51から排出された空気等を、外部に排出するための空気排出用連通孔50dが形成されている。
そして、空気は、空気供給用連通孔50cから、各単セル51の空気流路62aに流れ込み、各カソード55に供給された後、未反応の酸素等を含む空気が空気排出用連通孔50dを介して外部に排出されるようになっている。
次に、スタック本体50内の冷媒の流路について説明する(図3、図5参照)。
単セル51の積層方向(前後方向)において、後方に向かって、スタック本体50の左側部には、冷媒供給側の冷媒マニホールド1を介して送られる冷媒を、各単セル51に供給するための4本の冷媒供給用連通孔50eが形成されている。スタック本体50の右側部には、各単セル51から排出された冷媒を、冷媒排出側の冷媒マニホールド1に排出するための4本の冷媒排出用連通孔50fが形成されている。
そして、冷媒は、4本の冷媒供給用連通孔50eから、各単セル51の冷媒流路62bに流れ込み、単セル51を冷却した後、冷媒排出用連通孔50fを通って、外部に排出されるようになっている。
次に、冷媒マニホールド1、1について説明する。
図6に示すように、燃料電池スタック40の正面視において、その左側の冷媒マニホールド1は冷媒供給側のマニホールドであり、その右側の冷媒マニホールド1は冷媒排出側のマニホールドである。すなわち、図6において、左側の冷媒マニホールド1は、ラジエータ104からの冷媒を、スタック本体50内の4本の冷媒供給用連通孔50eに、分配供給するものである。これに対し、右側の冷媒マニホールド1は、スタック本体50内の4本の冷媒排出用連通孔50fから排出された冷媒を集合させ、ラジエータ104に導くものである。そして、冷媒供給側の冷媒マニホールド1と、冷媒排出側の冷媒マニホールド1とは、スタック本体50のフロントプレート81に、車幅方向(図6における左右方向)において、対称に取り付けられている。
ここで、冷媒供給側の冷媒マニホールド1と、冷媒排出側の冷媒マニホールド1とは、同一形状であるので、以下、冷媒供給側の冷媒マニホールド1について、主に説明する。
冷媒マニホールド1は、合成樹脂製の一体成型品であって、図6から図9に示すように、その両端が閉じられた筒状のマニホールド本体10と、1つの外部連通部20と、4つの脚部30、30、30、30と、を備えている。
マニホールド本体10は、その内部に、マニホールド室11を有している(図7〜図9参照)。このマニホールド室11は、4本の冷媒供給用連通孔50eの配列方向である鉛直方向(図8では紙面に垂直な方向)に伸びており、冷媒マニホールド1がスタック本体50に取り付けられた状態(以下、取付状態)において、4本の冷媒供給用連通孔50eに対して、垂直となるように設計されている。
ここで、直接的に流通するとは、外部連通孔21から冷媒が、マニホールド室11を取り囲む内周面10aで反射等せず、流れが急激に変化しないまま、脚部連通孔31に流れ込むことを意味する。
さらに、マニホールド室11の中心を通る軸線も、冷媒供給用連通孔50eに対して、燃料電池スタック40の内側にオフセットしている(図8参照)。これにより、外部連通孔21からの冷媒が、冷媒供給用連通孔50eに、直接的に流れ込みにくくなっている。
4つの脚部30は、フロントプレート81の4つの取付孔81eに差し込まれる部分である。各脚部30は、その内部に脚部連通孔31を有している。そして、取付状態において、マニホールド室11は、4つの脚部連通孔31を介して、スタック本体50の4本の冷媒供給用連通孔50eと、それぞれ連通するようになっている(図7、図8参照)。
そして、外部連通孔21から遠い2つの脚部連通孔31、31は、外部連通孔21から近い2つの脚部連通孔31、31よりも小さくなっている(図7参照)。すなわち、脚部連通孔31は、外部連通孔21から遠ざかるについて、小さくなっている。
外部連通部20は、円筒状であって、ラジエータ104に接続するホース110等が外嵌する部分であり(図8参照)、その内部に外部連通孔21を有している。そして、このようにラジエータ104と外部連通部20とが前記ホース110等を介して接続されると、ラジエータ104とマニホールド室11とは、外部連通孔21を介して連通するようになっている。
そして、外部連通孔21の軸線A1は、フロントプレート81の表面と4本の冷媒供給用連通孔50eを通る仮想面との両面に対して垂直な面、つまり、第1実施形態では水平面内において、冷媒供給用連通孔50eの軸線A2とのなす角度θが、10〜70°の範囲内となるように設計されている(図8参照)。
ただし、冷媒供給側の4本の冷媒用流路の流路断面積の全部が、異なるように構成してもよく、また、冷媒用流路の本数は4本に限定されない。
ただし、冷媒排出側の4本の冷媒用流路の流路断面積の全部が、異なるように構成してもよく、また、冷媒用流路の本数は4本に限定されない。
このような燃料電池スタック40によれば、冷媒供給側において、次の作用効果を得ることができる。
冷媒供給側の冷媒マニホールド1において、外部連通孔21から遠い脚部連通孔31、31は、外部連通孔21から近い脚部連通孔31、31よりも小さく、外部連通孔21から遠い脚部連通孔31、31を通る冷媒が受ける圧力損失は大きくなるので、マニホールド室11の冷媒が、4つの脚部連通孔31に均等に流れ込み、4本の冷媒供給用連通孔50e内の冷媒流量は略等しくなる(図10、図11参照)。
これに対して、4つの脚部連通孔31の大きさが同一である場合、マニホールド室11の冷媒が、外部連通孔21から遠い脚部連通孔31、31に多流量で流れ込み、その結果、図11の比較例に示すように、鉛直方向両外側の冷媒供給用連通孔50e、50eの冷媒流量が多くなってしまう。
また、燃料電池スタック40によれば、冷媒排出側において、次の作用効果を得ることができる。
冷媒排出側の冷媒マニホールド1において、外部連通孔21から遠い脚部連通孔31、31は、外部連通孔21から近い脚部連通孔31、31よりも小さく、外部連通孔21から遠い脚部連通孔31、31を通る冷媒が受ける圧力損失は大きくなるので、鉛直方向両側に配置される冷媒排出用連通孔50f、50fから、マニホールド室11に冷媒が流れ込みにくくなる。
次に、冷媒供給側の冷媒マニホールド1の一製造方法について、図12を参照して説明する。
図12に示すように、冷媒マニホールド1の外形に対応した金型301、301内に、中子302と、中子303とを配置する。中子302はマニホールド室11を形成するためのものであり、中子303は脚部連通孔31を形成するためのものである(図7参照)。なお、中子302、303は治具(図示しない)等によって、所定位置に配置される。
ここで、中子302と中子303とは、図12に示すように、平面で相互に当接させることができるため、曲面で相互に当接する場合と比較して、中子302に対して中子303の位置決めを容易とすることができる。これにより、マニホールド室11及び脚部連通孔31が精密な位置に形成された冷媒マニホールド1を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図13及び図14を参照して説明する。
第2実施形態に係る燃料電池スタックは、絶縁板75(図3参照)に代えて、絶縁板75Aを備えている。絶縁板75Aには、第1実施形態と同様に、冷媒供給用連通孔50eの一部を構成する貫通孔、冷媒排出用連通孔50fの一部を構成する貫通孔が、それぞれ形成されているが、鉛直両外側に形成された2つの貫通孔は、内側に形成された2つの貫通孔よりも小さくなっている。
この他、電極板71の外枠73の部分で、冷媒供給用連通孔50e、冷媒排出用連通孔50fの流路断面積を小さくする構成としてもよい。
次に、本発明の第3実施形態について、図15から図17を参照して説明する。
第3実施形態に係る冷媒マニホールド2の脚部連通孔31は、鉛直下方に向かうにつれて、徐々に小さくなっている。すなわち、冷媒供給側及び冷媒排出側において、各単セル51の空気出口(空気排出用連通孔50d)付近を流れる冷媒が流通する冷媒用流路(脚部連通孔31と、冷媒供給用連通孔50e又は冷媒排出用連通孔50fと、から構成される)の流路断面積は、各単セル51の空気入口付近を流れる冷媒用流路の流路断面積よりも、小さくなっている。
なお、アノード側においても、水素出口付近が冷却されにくくなるので、未反応の水素を含むガスの飽和水蒸気量は、水素出口付近で大きく下がらず、固体高分子膜53を透過した生成水等を、同様に排出できる。
次に、本発明の第4実施形態について、図18及び図19を参照して説明する。
図18及び図19に示すように、第4実施形態に係る冷媒マニホールド3は、第1実施形態に係る冷媒マニホールド1の凸条12及び堤部13(図8、図9参照)を備えていない。ただし、前記したように、外部連通孔21と脚部連通孔31との間で、冷媒が直接的に流通しにくくさせるため、堤部13を備えることが好ましい。
前記した実施形態では、スタック本体50は、4本の冷媒供給用連通孔50eと、4本の冷媒排出用連通孔50fを備えたが、これに限定されず、冷媒供給用連通孔50e及び冷媒排出用連通孔50fの少なくとも一方が、複数本であればよい。そして、冷媒マニホールド1の脚部30及び脚部連通孔31の数は、これに対応させればよい。
また、前記した実施形態では、外部連通部20及び外部連通孔21が1つである場合を例示したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、これに限定されず、複数であってもよい。
10 マニホールド本体
11 マニホールド室
20 外部連通部
21 外部連通孔
30 脚部
31 脚部連通孔(冷媒用流路)
40 燃料電池スタック
50 スタック本体
50e 冷媒供給用連通孔(冷媒用流路)
50f 冷媒排出用連通孔(冷媒用流路)
51 単セル
52 MEA
53 固体高分子膜
54 アノード
55 カソード
61 アノードセパレータ
62 カソードセパレータ
62a 空気流路
62b 冷媒流路
100 燃料電池システム
Claims (4)
- 複数の単セルが積層して構成されたスタック本体と、
前記スタック本体に取り付けられた冷媒マニホールドと、を備え、
冷媒が、外部から前記冷媒マニホールドのマニホールド室、並列で形成された複数の冷媒用流路を介して、前記各単セルに供給される燃料電池スタックであって、
前記並列で形成された冷媒用流路の流路断面積の全部又は一部は異なる
ことを特徴とする燃料電池スタック。 - 複数の単セルが積層して構成されたスタック本体と、
前記スタック本体に取り付けられた冷媒マニホールドと、を備え、
前記単セル内の冷媒が、並列で形成された複数の冷媒用流路、前記冷媒マニホールドのマニホールド室を介して、外部に排出される燃料電池スタックであって、
前記並列で形成された冷媒用流路の流路断面積の全部又は一部は異なる
ことを特徴とする燃料電池スタック。 - 前記マニホールド室は前記複数の冷媒用流路の配列方向に伸びると共に、
前記マニホールド室と外部とを連通させる外部連通孔は、当該マニホールド室の長手方向中央に配置されており、
前記冷媒用流路の流路断面積は、前記外部連通孔から遠ざかるにつれて、小さくなっている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池スタック。 - 前記各単セルの酸化剤ガス出口付近を流れる冷媒が流通する冷媒用流路の流路断面積は、前記各単セルの酸化剤ガス入口付近を流れる冷媒が流通する冷媒用流路の流路断面積よりも、小さい
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
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