JP2011006563A - 防曇性コーティング組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 吸水性樹脂を含む第1コーティング組成物と、ポリオールを含む第2コーティング組成物とから構成された防曇性コーティング組成物。この防曇性コーティング組成物では、吸水性樹脂が、ポリビニルアルコール及びポリアクリル酸類であることが好ましい。また、第1コーティング組成物及び/又は第2コーティング組成物は、金属アルコキシド、金属アルコキシドの加水分解物及び金属アルコキシドの加水分解重縮合物から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
【選択図】なし
Description
式(I)中、Mは、Si、Al、Ti、Zr、Ca、Fe、V、Sn、Li、Be、BおよびPから選択される原子、Rはアルキル基であり、Xはアルキル基、官能基を有するアルキル基、またはハロゲン、aはMの原子価、およびnは1からaまでの整数である。
(1)反応溶液を調合するに用いるのが、金属アルコキシドで、その加水分解反応は反応溶液の調合後に生じさせる。
(2)反応溶液を調合するに用いるのが、既に加水分解反応処理が行われた金属アルコキシドの加水分解物であるもの。
(3)反応溶液を調合するに用いるのが、金属アルコキシドの加水分解物が既に一部重縮合した低分子量重縮合物であるもの。
(4)反応溶液を調合するに用いるのが、金属アルコキシド、その加水分解物およびその加水分解物の低分子量重縮合物の2種以上であるもの。
[実施例1]
下記第1コーティング組成物を調製し、ガラス板へディップコート装置にて50mm/minの速度で引き上げ塗布し、150℃で10分間加熱・乾燥を行ったところ、均一且つ無色透明な第1塗膜(塗膜の厚み:3μm)が得られた。
<実施例1の第1コーティング組成物>
・メチルシリケート(MS−56:三菱化学社) 5.0部
・シランカップリング剤 0.3部
(SH6040:東レ・ダウコーニング社)
・部分鹸化ポリビニルアルコール(キシダ化学社) 5.0部
・ポリアクリル酸(AC−10H:日本純薬社) 5.0部
・メタノール 40.0部
・H2O 44.5部
次いで、下記第2コーティング組成物を調製し、これを第2塗膜として、第1塗膜上にディップコート法で30mm/minの速度で引き上げ塗布し、100〜120℃の乾燥炉で15分間乾燥することにより、厚み約5μmの透明な第2塗膜が得られ、実施例1の防曇フィルムを作製した。
<実施例1の第2コーティング組成物>
・メチルシリケート(MS−56:三菱化学社) 5.0部
・シランカップリング剤 0.3部
(SH6040:東レ・ダウコーニング社)
・ポリエチレングリコール(キシダ化学社) 30.0部
・イソシアネート系硬化剤 20.0部
(MF-K60X:旭化成ケミカルズ社)
・ジアセトンアルコール 30.0部
・t−ブタノール 14.7部
[比較例1]
下記のコーティング組成物に示す成分(各々、重量部)に従って、ポリアクリル酸メチルエステル20モル%鹸化物[ポリアクリル酸(平均分子量:150,000)の25%水溶液(溶液の%は重量%、以下同じ)にメタノールを加え、常温(25℃)で30分間撹拌して得たポリアクリル酸メチルエステルを水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)にて、20%鹸化となるように加えて、さらに、30分間撹拌により鹸化して得られるポリアクリル酸メチルエステル]2.5%の水−メタノール溶液にポリビニルアルコール(平均重合度:2000、鹸化度:約82モル%)10%水溶液を加えて、常温(25℃)にて10分間撹拌の後、予め調製したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アルミニウムイソプロポキシド加水分解液(エタノール中、アルミニウムイソプロポキシドを酸触媒により加水分解して得られる。Al2O3換算で5重量%)およびケイフッ化水素酸0.47%メタノール溶液による溶液を加え、常温(25℃)で15分間撹拌し、塗布液を調製した。
<比較例1のコーティング組成物>
・ポリアクリル酸メチルエステル20モル%鹸化物
(水−メタノール溶液) 59.50部
・ポリビニルアルコール10%水溶液
(鹸化度約82モル%) 37.50部
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.14部
・アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液
(Al2O35%含有) 0.28部
・ケイフッ化水素酸0.47%メタノール溶液 2.58部
得られた塗布液は、無色透明でこれをガラス板へディップコート装置にて50mm/minの速度で引き上げ塗布し、150℃で10分間加熱・乾燥を行ったところ均一且つ無色透明な塗膜(塗膜の厚み:3.0μm)が得られ、比較例1の防曇フィルムを作製した。
[比較例2]
実施例1の第1コーティング組成物を調製し、ガラス板へディップコート装置にて50mm/minの速度で引き上げ塗布し、150℃で10分間加熱・乾燥を行ったところ、均一且つ無色透明な第1塗膜(塗膜の厚み:3μm)が得られ、比較例2の防曇フィルムを作製した。
[比較例3]
実施例1の第2コーティング組成物を調製し、ガラス板へディップコート装置にて30mm/minの速度で引き上げ塗布し、120℃で15分間加熱・乾燥を行ったところ、均一且つ無色透明な第2塗膜(塗膜の厚み:3μm)が得られ、比較例3の防曇フィルムを作製した。
(1)防曇性の評価
実施例1及び比較例1〜3で得られた防曇フィルムを冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、25℃、81%RHの雰囲気下に放置した。実施例1及び比較例1、2の防曇フィルムに形成された塗膜表面には、曇りがまったく発生していなかった。一方、比較例3の防曇フィルムに形成された塗膜表面には、曇りが発生していた。
(2)防曇持続性の評価
(1)の評価により曇りが発生していなかった実施例1及び比較例1、2の防曇フィルムに対し、更に、40℃、95%RHの恒温恒湿条件下で、一週間放置した。その後、実施例1及び比較例1、2の防曇フィルムに形成された塗膜表面を観察したところ、曇りは発生しておらず、防曇性は低下していなかった。
(3)防曇フィルムの耐水性の評価
実施例1及び比較例1〜3で得られた防曇フィルムの塗膜が形成された面に対し、約60℃の湯気を5分間当てた。その後、塗膜が形成された面について乾いたウエスにより3回擦り、塗膜表面を目視にて観察した。実施例1及び比較例3の防曇フィルムについては、塗膜が剥がれてはいなかった。一方、比較例1、2の防曇フィルムについては、塗膜が剥がれてしまっていた。
(4)塗膜の耐摩擦性の評価
実施例1及び比較例1〜3で得られた防曇フィルムの塗膜が形成された面に対し、スチールウールを用いて500gの荷重を掛けながら10往復擦り、表面の傷付きについて目視にて評価した。実施例1及び比較例3の防曇フィルムに形成された塗膜表面には、目視にて確認できる傷が存在しかなかった。一方、比較例1、2の防曇フィルムに形成された塗膜表面には、目視にて確認できる傷が無数に存在していた。
Claims (4)
- 吸水性樹脂を含む第1コーティング組成物と、ポリオールを含む第2コーティング組成物とから構成されてなることを特徴とする防曇性コーティング組成物。
- 請求項1記載の防曇性コーティング組成物であって、
吸水性樹脂が、ポリビニルアルコール及びポリアクリル酸類であることを特徴とする防曇性コーティング組成物。 - 請求項1又は2記載の防曇性コーティング組成物であって、
第1コーティング組成物及び/又は第2コーティング組成物が、金属アルコキシド、金属アルコキシドの加水分解物及び金属アルコキシドの加水分解重縮合物から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする防曇性コーティング組成物。 - 請求項3記載の防曇性コーティング組成物であって、
第1コーティング組成物及び/又は第2コーティング組成物が、硬化剤を含むことを特徴とする防曇性コーティング組成物。
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