JPH0251472B2 - - Google Patents

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JPH0251472B2
JPH0251472B2 JP58056901A JP5690183A JPH0251472B2 JP H0251472 B2 JPH0251472 B2 JP H0251472B2 JP 58056901 A JP58056901 A JP 58056901A JP 5690183 A JP5690183 A JP 5690183A JP H0251472 B2 JPH0251472 B2 JP H0251472B2
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JP
Japan
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group
silyl group
molecule
carbon atoms
silyl
Prior art date
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JP58056901A
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English (en)
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JPS59179683A (ja
Inventor
Hitoshi Maruyama
Taku Tanaka
Takuji Okaya
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
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Publication of JPS59179683A publication Critical patent/JPS59179683A/ja
Publication of JPH0251472B2 publication Critical patent/JPH0251472B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は防曇剤に関し、特に持続的防曇性およ
び吸水時の表面硬度に優れた防曇剤に関する。 一般にプラスチツク材料および無機ガラス等の
透明性材料は建築用、車輛用あるいは航空機用窓
ガラス、鏡、眼鏡レンズ、ゴーグル、農業用フイ
ルム、食品包装用フイルムとして広く利用されて
いる。しかしながらこれらの透明性材料は高湿下
あるいは表面温度が露点以下という条件下におい
ては大気中の水分が表面に結露し、これによつて
表面が曇るという欠点がある。またプラスチツク
材料の場合には表面が傷つきやすく、傷による透
明性低下が生じやすいという欠点がある。 かかる現象を防止し、透明性材料表面に防曇性
および耐ひつかき傷性を付与しようとする試みが
従来より種々提案されている。例えば透明性材料
表面の水ぬれ性を改良する目的で、界面活性剤、
グリセリン、ポリアルキレングリコール、セルロ
ーズ誘導体、ポリビニルアルコール、ポリヒドロ
キシアルキルアクリレート、ポリエチレンイミン
などを塗布する方法が提案されている。しかしな
がらこの方法は一時的に防曇性を付与することは
できるが、防曇剤の流出により経時的に防曇作用
が低下したり、耐ひつかき傷性が十分でないなど
の欠点を有していた。また特開昭53−39347、特
開昭55−99987あるいは特開昭57−73059等にはポ
リビニルアルコール(以下ポリビニルアルコール
をPVAと略称する)等の親水性ポリマーとシリ
カ、またはこれらに更に低分子有機ケイ素化合物
を配合したものを主成分とする防曇性被膜形成方
法が開示されている。しかしながらこれらの方法
による防曇性被膜は吸水時の表面硬度が低く、爪
等によつて容易に傷が発生するという欠点があ
り、とうてい実用に耐え得るものではなかつた。 本発明者らは上述の欠点を克服し、持続的防曇
性を有し、かつ吸水時においても十分な表面硬度
があり、耐ひつかき傷性に優れた防曇剤について
鋭意検討した結果、分子内にシリル基を有するケ
ン化度70モル%以上の変性PVAよりなる防曇剤
は、防曇性を持続する性能を有するとともに、吸
水時の表面硬度が従来の防曇剤にくらべて高く、
耐ひつかき傷性に優れていることを見い出し本発
明を完成するに到つた。 以下に本発明について更に詳細に説明する。 本発明で使用される分子内にシリル基を有する
ケン化度70モル%以上の変性PVAは分子内にシ
リル基を有するものであればいずれでもよいが、
分子内に含有されるシリル基がアルコキシル基あ
るいはアシロキシル基あるいはこれらの加水分解
物であるシラノール基又はその塩等の反応性置換
基を有しているものが特に好ましく用いられる。 かかる変性PVAの製造方法としては、PVA
あるいはカルボキシル基又は水酸基を含有する変
性ポリ酢酸ビニルに、シリル化剤を用いて後変性
によりシリル基を導入する方法、ビニルエステ
ルとシリル基含有オレフイン性不飽和単量体との
共重合体をケン化する方法、シリル基を有する
メルカプタンの存在下でビニルエステルを重合す
ることによつて得られる末端にシリル基を有する
ビニルエステル重合体をケン化する方法、が挙げ
られる。PVAあるいは変性ポリ酢酸ビニルにシ
リル化剤を用いて後変性する方法においては例え
ば、シリル化剤と反応しない有機溶媒、たとえば
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプ
タン、エーテル又はアセトンなどにシリル化剤を
溶解させ、該溶液中に粉末状PVAあるいは上記
変性ポリ酢酸ビニルを撹拌下に懸濁あるいは溶解
させ、常温〜シリル化剤の沸点の範囲の温度にお
いてシリル化剤とPVAあるいは上記変性ポリ酢
酸ビニルを反応させることによつてあるいは更に
アルカリ触媒等によつて変性ポリ酢酸ビニルの酢
酸ビニル単位をケン化することによつてシリル基
含有変性PVAを得ることができる。後変性にお
いて用いられるシリル化剤としては、トリメチル
クロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチル
トリクロルシラン、ビニルトリクロルシラン、ジ
フエニルジクロルシラン、トリエチルフルオルシ
ラン等のオルガノハロゲンシラン、トリメチルア
セトキシシラン、ジメチルジアセトキシシランな
どのオルガノシリコンエステル、トリメチルメト
キシシラン、ジメチルジメトキシシランなどのオ
ルガノアルコキシシラン、トリメチルシラノー
ル、ジエチルシランジオール等のオルガノシラノ
ール、N−アミノエチルアミノプロピルトリメト
キシシラン等のアミノアルキルシラン、トリメチ
ルシリコンイソシアネート等のオルガノシリコン
イソシアネート等が挙げられる。シリル化剤の導
入率すなわち変性度は用いられるシリル化剤の
量、反応時間によつて任意に調節することができ
る。また得られるシリル基含有変性PVAの重合
度、ケン化度は用いられるPVAの重合度、ケン
化度あるいは上記変性ポリ酢酸ビニルの重合度お
よびケン化反応によつて任意に調節することがで
きる。 またビニルエステルとシリル基含有オレフイン
性不飽和単量体との共重合体をケン化する方法に
おいては、例えば、ビニルエステルとシリル基含
有オレフイン性不飽和単量体とをラジカル開始剤
を用いて共重合せしめ、しかる後に該共重合体の
アルコール溶液ににアルカリあるいは酸触媒を加
えて該共重合体をケン化せしめることによつてシ
リル基含有変性PVAを得ることができる。上記
の方法において用いられるビニルエステルとして
は酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル
等が挙げられるが経済的にみて酢酸ビニルが好ま
しい。また上記の方法において用いられるシリル
基含有オレフイン性不飽和単量体としては次式
()で示されるビニルシラン、()で示される
(メタ)アクリルアミド−アルキルシランが挙げ
られる。 〔ここでnは0〜4、mは0〜2、R1は炭素数
1〜5のアルキル基(メチル、エチルなど)、R2
は炭素数1〜40のアルコキシル基またはアシロキ
シル基(ここでアルコキシル基又はアシロキシル
基は酸素を含有する置換基を有していてもよ
い。)、R3は水素原子またはメチル基、R4は水素
原子または炭素数1〜5のアルキル基、R5は炭
素数1〜5のアルキレン基または連鎖炭素原子が
酸素もしくは窒素によつて相互に結合された2価
の有機残基をそれぞれ示す。なおR1が同一単量
体中に2個存在する場合はR1は同じものであつ
てもよいし、異なるものであつてもよい。また
R2が同一単量体中に2個以上存在する場合も、
R2は同じものであつてもよいし、異なるもので
あつてもよい。 式()で示されるビニルシランの具体例とし
ては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリス−(β−メト
キシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシ
ラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリア
セトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルメチ
ルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシ
ラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニル
ジメチルアセトキシシラン、ビニルイソブチルジ
メトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラ
ン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリヘキ
シロキシシラン、ビニルメトキシジヘキシロキシ
シラン、ビニルジメトキシオクチロキシシラン、
ビニルメトキシジオクチロキシシラン、ビニルト
リオクチロキシシラン、ビニルメトキシジラウリ
ロキシシラン、ビニルジメトキシラウリロキシシ
ラン、ビニルメトキシジオレイロキシシラン、ビ
ニルジメトキシオレイロキシシラン、更には一般
(ここでR1、mは前記と同じ、xは1〜20を示
す)で表わされるポリエチレングリコール化ビニ
ルシラン等が挙げられる。また式()で表わさ
れる(メタ)アクリルアミド−アルキルシランの
具体例としては例えば、3−(メタ)アクリルア
ミド−プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)
アクリルアミド−プロピルトリエトキシシラン、
3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ(β
−メトキシエトキシ)シラン、2−(メタ)アク
リルアミド−2−メチルプロピルトリメトキシシ
ラン、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル
エチルトリメトキシシラン、N−(2−(メタ)ア
クリルアミド−エチル)−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プ
ロピルトリアセトキシシラン、2−(メタ)アク
リルアミド−エチルトリメトキシシラン、1−
(メタ)アクリルアミド−メチルトリメトキシシ
ラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルメ
チルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリルア
ミド−プロピルジメチルメトキシシラン、3−
(N−メチル)−(メタ)アクリルアミド)−プロピ
ルトリメトキシシラン、3−((メタ)アクリルア
ミド−メトキシ)−3−ハイドロキシプロピルト
リメトキシシラン、3−((メタ)アクリルアミド
−メトキシ)−プロピルトリメトキシシラン、ジ
メチル−3−(メタ)アクリルアミド−プロピル
−3−(トリメトキシシリル)−プロピルアンモニ
ウムクロライド、ジメチル−2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロピル−3−(トリメト
キシシリル)−プロピルアンモニウムクロライド
等が挙げられる。 又、本方法によつて変性PVAを製造するにあ
たつてはビニルエステルとシリル基含有オレフイ
ン性不飽和単量体との共重合を行なうに際して上
記2成分以外にかかる単量体と共重合可能な他の
不飽和単量体、例えばスチレン、アルキルビニル
エーテル、バーサチツク酸ビニル、(メタ)アク
リルアミド、エチレン、プロピレン、α−ヘキセ
ン、α−オクテン等のオレフイン、(メタ)アク
リル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸等の不飽和酸、及びそのアルキ
ルエステル、アルカリ塩、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸含
有単量体及びそのアルカリ塩、トリメチル−2−
(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチル
エチル)アンモニウムクロリド、トリメチル−3
−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモ
ニウムクロリド、1−ビニル−2−メチルイミダ
ゾールおよびその4級化物等のカチオン性単量体
等を少割合で存在させることも可能である。 また、シリル基を有するメルカプタンの存在下
でビニルエステルを重合することとによつて得ら
れる末端にシリル基を有するビニルエステル重合
体をケン化する方法においては例えば、ビニルエ
ステルをラジカル開始剤を用いて重合せしめる
際、シリル基を有するメルカプタンを重合系に一
括または分割あるいは連続して添加することによ
つて重合系中にシリル基を有するメルカプタンを
存在せしめ、メルカプタンへの連鎖移動によつて
末端にシリル基を有するビニルエステル重合体を
生成せしめ、該重合体のアルコール溶液にアルカ
リあるいは酸触媒を加えて該重合体をケン化せし
めることによつてシリル基を有する変性PVAを
得ることができる。 本方法で用いられるシリル基を有するメルカプ
タンとしては3−(トリメトキシシリル)−プロピ
ルメルカプタン、3−(トリエトキシシリル)プ
ロピルメルカプタン等があげられる。 本方法で変性PVAAを製造するにあたつては、
の方法で用いられるビニルエステルと共重合可
能な不飽和単量体を少割合で存在させることも可
能である。 本発明において使用される分子内にシリル基を
有するケン化度70モル%以上の変性PVAの上述
した3つの製造方法においては、ビニルエステと
シリル基を有するオレフイン性不飽和単量体との
共重合体をケン化する方法およびシリル基を有す
るメルカプタンの存在下でビニルエステルを重合
して得られる末端にシリル基を有するビニルエス
テル重合体をケン化する方法が工業的製造の容易
性および、得られる変性PVAの均質性の点で好
ましく用いられる。 本発明において使用されるシリル基を有する変
性PVAのケン化度は70モル%以上である。ケン
化度が70モル%未満の場合には防曇剤としての性
能が低下する。該変性PVAのシリル基の含有量
あるいは重合度は目的に応じて適宜選択され特に
制限はない。シリル基は比較的少量の含有率でも
効果が発揮され、通常シリル基が結合した単量体
単位として0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜2.5
モル%の範囲から選ばれる。また重合度は通常10
〜3000の範囲から選ばれる。 本発明において使用される上記変性PVAを水
に溶解するにあたつては、通常変性PVAを水に
分散後場合によつては水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、アンモニア等のアルカリを添加し、撹
拌しながら加温することによつて均一な水溶液を
得ることができる。 本発明の防曇剤は上述の如く分子内にシリル基
を有するケン化度70モル%以上の変性PVAより
なることが必須の条件であるが、それ以外にも用
途に応じて溶媒、各種添加剤を含有させることは
可能である。 溶媒としては水が好ましく用いられるが、これ
に各種アルコール、ケトン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等の溶媒を併用して用
いることもできる。 また添加剤としては、各種消泡剤、ノニオン性
あるいはアニオン性界面活性剤、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の
セルロー誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ
ヒドロキシ(メタ)アクリレートまたはその共重
合体、ポリアクリルアミド等の(メタ)アクリル
系重合体、ポリビニルピロリドンまたはその共重
合体、カルボキシ基含有変性PVA、硫酸基含有
変性PVA、スルホン酸基含有変性PVA、リン酸
基含有変性PVA、4級アンモニウム塩基含有変
性PVA、アミン基含有変性PVA、一般のPVA等
のPVA誘導体、アクリル重合体および共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニルエステル
系重合体および共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体等の水性分散体等を添加することがで
き、更にシランカツプリング剤等を適宜添加する
こともできる。 本発明の防曇剤は水あるいは前述の有機溶媒を
含む水に溶解し、水溶液として種々の透明性材料
に適用することができ、通常上記水溶液を透明性
材料に塗布することによつて用いられる。本発明
の防曇剤を適用しうる透明性材料としては特に制
限はないが、例えば無機ガラス、プラスチツク、
金属等が挙げられ、具体的には自動車、電車、ビ
ル等の窓ガラスス、眼鏡用レンズ、浴室などの
鏡、農業ハウス用プラスチツクフイルム、窓ガラ
ス用プラスチツクフイルム等に好ましく用いられ
る。 本発明の防曇剤を透明性材料に塗布する方法と
しては例えば、ハケ塗り、浸漬塗り、スピンコー
テイング、流し塗り、スプレー塗装、ロール塗
装、エヤーナイフコーテイング、ブレードコーテ
イングなど通常当業界で知られている各種の方法
を用いることが可能である。 本発明の防曇剤は上述のような方法により透明
性材料に塗布されるが、更に酸処理、加熱処理を
適宜ほどこすことにより更に持続的防曇性と吸水
時の表面硬度の高い塗膜を得ることができる。 本発明の防曇剤によつて得られる塗膜はそれ自
体で十分実用性のあるものであるが、その効果を
より一層顕著なものとするために、形成された塗
膜に対して各種の親水性物質、界面活性剤などを
塗布、含浸するなどの後処理することも効果的で
ある。 また、透明性材料と本発明の防曇剤との接着性
を改良する目的で場合により透明性材料表面を予
め各種のプライマーあるいは接着剤の塗布処理、
活性化ガス処理、あるいは酸、塩基等の化学処理
等の前処理することも効果的である。 本発明の防曇剤は持続的防曇性を有し、更に吸
水時の表面硬度が高く、耐ひつかき傷性に著しく
優れていることが特徴である。本発明の防曇剤が
上述の如き顕著な性能を有する理由については十
分解明されているわけではないが、本発明の防曇
剤に用いられる分子内にシリル基を有するケン化
度70モル%以上の変性PVA中の水酸基による親
水性によつて防曇性が発揮されるとともに、アル
コキシル基、アラロキシル基が結合したシリル基
あるいはこれらの加水分解物であるシラノール基
又はその塩は変性PVA中の水酸基あるいはシラ
ノール基またはその塩との反応性が高いため、こ
れらが相互に反応して強固な被膜を形成し、これ
によつて吸水時においても高い表面硬度および耐
ひつかき傷性が発揮されるものと推定される。特
に本発明の防曇剤が適用される透明性材料が無機
ガラスである場合には、上記変性PVA中のシリ
ル基とガラスとの強い相互作用のため、塗膜のガ
ラスへの接着力が著しく高くなり特に効果的であ
る。 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれによつて限定されるもので
はない。なお実施例中特にことわりのないかぎり
「%」および「部」は重量規準を表わす。 実施例 1 ビニルトリメトキシシランと酢酸ビニルとの共
重合体をケン化してシリル基をビニルシラン単位
として1.0モル%含有し、酢酸ビニル単位のケン
化度98.8モル%、重合度600の分子内にシリル基
を有する変性ポリビニルアルコールを得た。この
変性PVAを、変性PVAに対して2.5%の水酸化ナ
トリウムを含む水溶液に溶解して10%水溶液を作
成し、ガラス板上に乾燥後の厚みが5μとなるよ
うに塗布した。得られた塗膜を1/2規定の硫酸浴
に浸漬後洗浄し、更に150℃で1分熱処理して試
験片を作成した。この試験片を用いて防曇性、ガ
ラスに対する接着性、表面硬度を測定した。結果
を第1表に示す。第1表より本発明の防曇剤は持
続的防曇性、接着性、吸水時の表面硬度において
著しくすぐれていることがわかる。 比較例 1 実施例1の変性PVAにかえて、市販の低分子
界面活性剤系防曇剤をスプレー法にてガラス板に
塗布し実施例1と同様にして防曇性を測定した。
結果を合せて第1表に示す。 比較例 2 実施例1の変性PVAにかえて、一般の部分ケ
ン化PVA(重合度600、ケン化度88)の20%水溶
液100部に、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)、
スノーテツクス−O、固形分20%)100部とビニ
ルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン4部を
混合し、温度80℃で1時間加熱した組成物を実施
例1と同様に塗布し、得られた塗膜を150℃で3
分熱処理した後、実施例1と同様にして防曇性、
接着性、表面硬度を測定した。結果を合せて第1
表に示す。 比較例 3 実施例1の変性PVAにかえて、グリシジルメ
タクリレートを5モル%共重合した2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート共重合体のメタノール溶
液を用いて実施例1と同様にガラス板上に塗布
し、得られた塗膜を120℃で30分熱処理した後、
実施例1と同様の方法で、防曇性、接着性、表面
硬度を測定した。結果を合せて第1表に示す。
【表】 1) 防曇性:20℃の室内において40℃の飽和水
蒸気をを発生する容器上に試験片を10秒間おい
て飽和水蒸気をあて、次いで試験片を乾燥した
後、再度容器上に置くというくりかえしを10回
行い、曇りが10秒間の間に発生するまでのくり
かえし回数で表わした。 2) 接着性:試験片表面に縦横各11本の1mm間
隔の直交する切れ目をナイフでガラスに達する
まで入れ、格子状に一辺の長さ1mmの正方形を
100個作つた後、そのまま(常態)あるいは20
℃の水中に12時間浸漬後または80℃の温水中に
1時間浸漬後、表面の水をふきとつた後、その
面にセロフアン粘着テープをはりつけ、瞬時に
はがした時はがれずに残つた正方形の数で表わ
した。 3) 表面硬度:試験片表面をそのまま(常態)
あるいは20℃の水中に12時間浸漬後、各種硬度
の鉛筆芯でひつかき、傷の発生しない最高硬度
の鉛筆硬度で表わした。 実施例 2〜9 実施例1で用いた変性PVA水溶液にかえて下
記の変性PVA水溶液を用いる以外は実施例1と
同様に行つた。結果を合せて第2表に示す。 実施例2で用いた変性PVA水溶液:ビニルト
リエトキシシランと酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化して得られるシリル基をビニルシラン単位と
して2モル%含有し、酢酸ビニル単位のケン化度
99.0モル%、重合度600の変性PVAを、変性PVA
に対して5%の水酸化ナトリウムを含む水溶液に
溶解して得られる10%水溶液。 実施例3で用いた変性PVA水溶液:ビニルト
リ(β−メトキシエトキシ)シランと酢酸ビニル
との共重合体をケン化して得られるシリル基をビ
ニルシラン単位として0.5モル%含有し、酢酸ビ
ニル単位のケン化度98.5モル%、重合度700の変
性PVAを、変性PVAに対して1.5%の水酸化カリ
ウムを含む水溶液に溶解して得られる10%水溶
液。 実施例4で用いた変性PVA水溶液:3−メタ
アクリルアミド−プロピルトリメトキシシランと
酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得られるシ
リル基をメタアクリルアミドシラン単位として
0.15モル%含有し、酢酸ビニル単位のケン化度88
モル%、重合度2000の変性PVAを水に溶解して
得られる10%水溶液。 実施例5で用いた変性PVA水溶液:ビニルト
リアセトキシシランと酢酸ビニルとの共重合体を
ケン化して得られるシリル基をビニルシラン単位
として0.20モル%含有し、酢酸ビニル単位のケン
化度98.5モル%、重合度1750の変性PVAを水に
溶解して得られる10%水溶液。 実施例6で用いた変性PVA水溶液:ビニルト
リイソプロポキシシランを酢酸ビニルとの共重合
体をケン化して得られるシリル基をビニルシラン
単位として0.25ル%含有し、酢酸ビニル単位のケ
ン化度89.0モル%、重合度1750の変性PVAを水
に溶解して得られる10%水溶液。 実施例7で用いた変性PVA:ジメチル−3−
メタアクリリルアミド−プロピル−3−トリメト
キシシリルプロピルアンモニウムクロライドと酢
酸ビニルとの共重合体をケン化して得られるシリ
ル基を0.2モル%含有し、酢酸ビニル単位のケン
化度98.5モル%、重合度1750の変性PVAを水に
溶解して得られる10%水溶液。 実施例8で用いた変性PVA水溶液:メタノー
ル中で酢酸ビニルをラジカル重合する際、重合系
に3−(トリメトキシシリル)−プロピルメルカプ
タンを連続的に添加することによつて得られる末
端にシリル基を含有する変性ポリ酢酸ビニルをケ
ン化してシリル基をプロピルメルカプタン単位と
して1モル%含有し、酢酸ニル単位のケン化度
99.0モル%、重合度100の変性PVAを得、この変
性PVAを水に溶解して得られる20%水溶液。 実施例9で用いた変性PVA水溶液:実施例8
と同様の方法で得られるシリル基をプロピルメル
カプタン単位として4モル%含有し、酢酸ビニル
単位のケン化度98.6モル%、重合度25の変性
PVAの20%水溶液。 実施例 10 実施例3で用いた変性PVAの2%水溶液をス
プレーにてガラス板上に塗布し、乾燥後1/2規定
酢酸水溶液をスプレーし、更に150℃で3分間熱
処理して試験片を作成した。この試験片を用いて
実施例1と同様の方法で性能を測定した。結果を
第2表に合せて示す。 実施例 11 実施例3で用いたガラス板にかえて、予めウレ
タン系接着剤(東洋モートン(株)、アドコート
1030100部とCAT−10 17部との混合溶液)を厚
み4μとなるように塗布したポリエスルを用いる
以外は実施例3と同様に行つた。結果を合せて第
2表に示す。
【表】
【表】 比較例 4 (β−アミノエチル)−β−アミノプロピルト
リメトキシシラン100部、グリシジルメタクリレ
ート50部を混合し、70℃に加温してえられた変性
物90部にグリシジルメタクリレート3部、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート3部、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン4部、エチ
ルセロソルブ100部を添加し、さらにコバルト60
からのγ線を5×105R/hrの線量率で4時間、空
気雰囲気下で照射した。この溶液をガラス板上に
乾燥後の厚みが5μとなるように塗布し、110℃で
3時間加熱して硬化せしめた。それ以降は実施例
1と同様にして防曇性および接着性をテストし
た。結果を第3表に合わせて示す。 比較例 5 メタクリロキシエチルトリメトキシシラン70重
量%、レリアリルシアヌレート29重量%、過酸化
ベンゾイル1重量%を、70℃1時間予備重合し
た。予備重合物10部に対しトルエン40部とベンジ
ル0.5部を加える。この溶液をガラス板上に乾燥
後の厚みが5μとなるように塗布し、紫外線照射
2時間行なつて硬化膜を被覆した。その硬化膜を
50℃の0.2%塩酸水溶液中で3時間浸漬し加水分
解した。それ以降は実施例1と同様にして、防曇
性および接着性をテストした。結果を第3表に合
わせて示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 分子内にシリル基を有するケン化度70モル%
    以上の変性ポリビニルアルコールよりなる防曇
    剤。 2 分子内にシリル基を有する変性ポリビニルア
    ルコールが、ビニルエステルと分子内にシリル基
    を有するオレフイン性不飽和単量体との共重合体
    のケン化物であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の防曇剤。 3 分子内にシリル基を有するオレフイン性不飽
    和単量体が下記一般式() 〔ここでnは0〜4、mは0〜2、R1は炭素数
    1〜5のアルキル基、R2は炭素数1〜40のアル
    コキシル基またはアシロキシル基(ここでアルコ
    キシル基、アシロキシル基は酸素を含有する置換
    基を有していてもよい)を示す。〕 で示されるビニルシランである特許請求の範囲第
    2項記載の防曇剤。 4 分子内にシリル基を有するオレフイン性不飽
    和単量体が下記一般式() 〔ここでmは0〜2、R1は炭素数1〜5のアル
    キル基、R2は炭素数1〜40のアルコキシル基ま
    たはアシロキシル基(該アルコキシル基、アシロ
    キシル基は酸素を含有する置換基を有していても
    よい)、R3は水素原子またはメチル基、R4は水素
    原子または炭素数1〜5のアルキル基、R5は炭
    素数1〜5のアルキレン基または連鎖炭素原子が
    酸素もしくは窒素によつて相互に結合された2価
    の有機残基を示す。〕 で示される単量体である特許請求の範囲第2項記
    載の防曇剤。 5 分子内にシリル基を有する変性ポリビニルア
    ルコールが、シリル基を有するメルカプタンの存
    在下でビニルエステルを重合して得られる末端に
    ラリル基を有するポリビニルエステルのケン化物
    である特許請求の範囲第1項記載の防曇剤。 6 変性ポリビニルアルコールが分子内にシリル
    基を有する単量体単位を0.01〜10モル%含有する
    特許請求の範囲第1項記載の防曇剤。
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