JP2005234066A - 防曇性眼鏡レンズおよびその製造方法 - Google Patents

防曇性眼鏡レンズおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面被膜の耐摩擦性を確保した防曇性眼鏡レンズ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 眼鏡用プラスチックレンズ基材上、あるいは耐擦傷性ハードコート層又は耐衝撃性ハードコート層を形成した眼鏡用プラスチックレンズ基材上に、有機物および無機物よりなるハイブリッド防曇コート層を形成することにより防曇性眼鏡レンズを得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック製眼鏡レンズの表面層に、親水性および吸水性を有し、水に不溶性で表面耐摩擦性を有する被膜を形成させた防曇性眼鏡レンズおよびこの被膜を有する眼鏡レンズを製造する方法に関する。
ガラス、プラスチックなどの基材が曇るのは、表面温度が露点以下に下がったときに空気中の水分が細かな水滴となって付着し、基材表面で光が乱反射するためである。従って、基材表面における水滴の生成を防止することにより、曇りを防ぐことができる。このような防曇方法においては、例えば(A)濡れの調整、(B)吸水性の付与、(C)撥水性の付与、および(D)加熱による温度の調整の4要素が考慮されてきた。
(A)濡れの調整としては、基材と水滴との接触角を小さくするために、曇り止めスプレー剤などが市販されているが、このようなスプレー剤は界面活性剤などを利用しているため効力の持続性が低い。
(B)吸水性の付与は、例えば親水性高分子のコーティング膜を形成することにより行われる。効力の持続性は、上記の濡れを調整するための曇り止めスプレー剤と比べて多少長いが、吸水能力以上となると曇り、さらに表面が溶解し始める。
(C)撥水性の付与は、撥水性化合物を塗布することにより可能である。この方法によれば、特にビニールハウスなどの内側に撥水性化合物を塗布することにより、細かい水滴が相互に接触して大きな水滴となって流れ落ち、そのことによって防曇性を発揮することができる。しかし、場合によっては、かえって細かい水滴が付き、曇りを生じる。
(D)加熱による温度調整は、コピー機のレンズ、自動車のリアウインドウ、高級鏡台などで防曇効果をあげているが、電源が必要であるため適用範囲が限定される。
上記のような欠点を補うものとして、撥水性の優れた界面活性剤を含む有機ポリマーからなる防曇性コーティング組成物においては、界面活性剤の存在下でポリエーテルポリオールによって親水性となった膜が水分を吸収して防曇性を発揮し、この膜の吸水限界点以上の場合には、含有されている界面活性剤により、濡れが調整されて透明性を保つように設計されている。しかし、界面活性剤は水に溶けやすく、流出するため、防曇性は著しく低下し、さらに、塗膜表面の耐摩擦性も著しく低下する。
さらに、特許第2898589号公報には、カメラ、カラー複写機等における光学部品に用いられる防曇性コーティング組成物およびそれを用いた防曇膜が開示されている。しかし、カメラ、カラー複写機等における光学部品は機器に内臓され、物理的圧力を受けることが比較的少ないため、その防曇膜も極薄な光学的機能が優先されるが、通常使用される眼鏡レンズは、日常の取扱いが荒いことを想定して、塗膜表面に耐摩擦性を有する防曇膜を設ける必要がある。
また、Foggyガートコートの商品名の下に、レンズ基材上に、ハードコート層、マルチコート層を設け、さらにその上にFoggyガード下地層を設け、その塗布剤をコートすることにより約1週間の防曇性能を謳っている商品がある。
これらのFoggyガード下地層は、10nm以下の表面凹凸を現出し、その上に界面活性剤を塗布することで防曇性を形成している。
しかし、これは、最上部に塗布した界面活性剤が拭われたり、流出することにより防曇性が失われるという欠点を有する。また、塗布剤を塗布する手間および防曇性の保持期間の短さ及び不安定さにより、実用性に欠ける。
特許第2898589号公報
本発明は、上記の従来の技術の問題点を解決するものであり、水に不溶で表面耐摩擦性を有する防曇性被膜が付与された眼鏡レンズを提供することを目的とする。より詳細には、親水性で且つ吸水性があり、無機質骨格に有機分子が架橋したハイブリッド物質であるため、水に不溶性で且つ耐擦傷性を有する防曇性膜を形成させ、またはその上層または下層に無機質性被膜を積層させることにより、表面被膜が耐摩擦性を有する防曇性眼鏡レンズを提供することにある。本発明のさらにもう一つの目的は、そのような優れた特性を有する防曇性眼鏡レンズの製造方法を提供することにある。
本発明の防曇性眼鏡レンズは、上記の課題を解決するために、眼鏡用プラスチックレンズ基材上、又は耐擦傷性ハードコート層及び耐衝撃性ハードコート層のうちの少なくとも1つを形成した眼鏡用プラスチックレンズ基材上に、有機物および無機物よりなる防曇コート層を形成してなるものとする(請求項1)。
上記眼鏡用プラスチックレンズ基材、又は耐擦傷性ハードコート層、又は耐衝撃性ハードコート層の防曇コート層が形成される面が、密着性向上のために、プラズマ処理、コロナ処理、ケミカル・アクチベーション処理、及び酸化炎処理のうちのいずれかの方法により予め処理されたものを用いることができる(請求項2)。
上記有機物及び無機物よりなる防曇コート層は、コロイダルシリカとポリビニルアルコールおよび水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第1層として積層し、この第1層の上にメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムおよび水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第2層として積層してなるものとすることができる(請求項3)。
防曇コート層は、あるいはコロイダルシリカとポリビニルアルコールとポリアクリル酸および水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第1層として積層し、この第1層の上にメチルシリケートとアセルチアセトンアルミニウム及び水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第2層として積層してなるものとすることができる(請求項4)。
防曇コート層は、さらにはエチルシリケートとコロイダルシリカおよび水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第1層として積層し、この第1層の上にポリビニルアルコール部分鹸化品とメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムとエポキシシリカとアルミニウムアルコキシドとケイフッ化水素酸とポリアクリル酸とラウリル硫酸ナトリウムと水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第2層として積層してなるものとすることもできる(請求項5)。
本発明の防曇性眼鏡レンズの製造方法は、眼鏡用プラスチックレンズ基材上、あるいは耐擦傷性ハードコート層及び耐衝撃性ハードコート層のうちの少なくとも1つを形成した眼鏡用プラスチックレンズ基材上に、有機物及び無機物よりなる防曇コート層を形成する工程を含むものとする(請求項6)。
上記製造方法においては、眼鏡用プラスチックレンズ基材、又は耐擦傷性ハードコート層、又は耐衝撃性ハードコート層の防曇コート層が形成される面を、密着性付与のために、プラズマ処理、コロナ処理、ケミカル・アクチベーション処理、及び酸化炎処理のうちのいずれかの方法で予め処理するもできる(請求項7)。
また、防曇コート層を形成する工程は、コロイダルシリカとポリビニルアルコールを水・有機溶媒混合液に分散または溶解させた液体をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にてプラスチックレンズ基材上に塗布し、55〜105℃の乾燥炉で5〜10分間乾燥して第1層を形成する工程と、この第1層の上にメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムを水・有機溶媒混合液に溶解した溶液をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にて塗布し、55〜105℃の乾燥炉で30〜60分間乾燥及び熱処理することにより第2層を形成する工程とからなるものとすることができる(請求項8)。
防曇コート層を形成する工程は、あるいは、コロイダルシリカとポリビニルアルコールとポリアクリル酸を水・有機溶媒混合液に溶解させた溶液をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にてプラスチックレンズ基材上に塗布し、55〜105℃の乾燥炉で5〜10分間乾燥して第1層を形成する工程と、この第1層の上にメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムを水・有機溶媒混合液に溶解した溶液をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にて塗布し、55〜105℃の乾燥炉で30〜60分間乾燥及び熱処理することにより第2層を形成する工程とからなるものとすることができる(請求項9)。
防曇コート層を形成する工程は、さらには、エチルシリケートとコロイダルシルカを水・有機溶媒混合液に分散または溶解させた溶液をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にてプラスチックレンズ基材上に塗布し、55〜105℃の乾燥炉で5〜10分間乾燥して第1層を形成する工程と、この第1層の上にポリビニルアルコール部分鹸化品とメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムとエポキシシリカとアルミニウムアルコキシドとケイフッ化水素酸とポリアクリル酸とラウリル硫酸ナトリウムを水・有機溶媒混合液に溶解した溶液をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にて塗布し、55〜105℃の乾燥炉で30〜60分間乾燥及び熱処理することにより第2層を形成する工程とからなるものとすることもできる(請求項10)。
本発明によれば、有機ポリマーと無機物とが架橋して、親水性且つ吸水性を有する3次元構造の防曇膜を形成することにより、水に不溶で塗膜表面の耐摩擦性を有する防曇性眼鏡レンズを提供することが可能になる。
本発明の防曇性眼鏡レンズは、眼鏡用プラスチックレンズ基材上、あるいは耐擦傷性ハードコート層及び耐衝撃性ハードコート層のうちのいずれか1つ以上をレンズ基材上に形成した上に、有機物および無機物よりなるハイブリッド防曇層を積層形成させたものである。
防曇コート層を構成する有機物としては、重合度300〜3,500のポリビニルアルコールより選択される少なくとも1種を用いることができる。また無機物としては、粒径サイズ1〜1,000nmのコロイダルシリカより選択される少なくとも1種、又はメチルシリケート、アセチルアセトンアルミニウムを用いることができる。
本発明で用いられる眼鏡用プラスチックレンズ基材としては、従来より種々の眼鏡用として用いられている熱硬化性又は熱可塑性の高分子材料全般を用いることができ、その種類は特に限定されないが、例としてはスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、含硫ポリウレタン樹脂、含硫エピスルフィド樹脂、含硫ウレタン・エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
上記レンズ基材はそのまま用いることも可能であるが、必要に応じて、耐擦傷性ハードコート層、耐衝撃性ハードコート層等を設けることができ、これらの層も、任意の公知のプライマー組成物及びハードコート組成物を使用し、公知の方法で設けることができる。すなわち、プライマー組成物としては、例えばポリウレタン樹脂系化合物、ポリエステル樹脂系化合物及びこれらの化合物に金属酸化物微粒子を含む高屈折率ゾルを添加した化合物等であり、ハードコート組成物としては、例えば、有機シリコン系化合物及び/又は金属酸化物微粒子を含む高屈折率ゾルを添加したもの、硬化剤を主成分としたもの等が用いられ、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート等によって塗布、乾燥することにより形成することができる。このハードコート組成物には、必要に応じて、溶剤、酸化防止剤、耐光耐熱安定剤、紫外線吸収剤、油溶染料、分散染料、顔料、蛍光増白剤、フォトクロミック化合物、レベリング剤、分散安定剤、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、導電性材料等、各種の添加剤を配合することもできる。
なお、防曇コート層の上には、必要に応じて反射防止のためにマルチコート層を公知の方法により設けることもできる。
好ましい実施態様においては、本発明に用いられる防曇コート層は、第1層および第2層を順に積層させることによって形成される。
第1層を形成する防曇コート液は、コロイダルシリカとポリビニルアルコールを水・メタノール混合溶液中に分散または溶解させることにより得られる。あるいは、コロイダルシリカとポリビニルアルコールとポリアクリル酸を水・メタノール混合溶液中に分散または溶解させることにより得られる。
第1層に用いられるコロイダルシリカの粒径サイズは1〜1,000nmの範囲から選択され、防曇層の透光性および物理的強度(特に表面摩擦強度)の点からは、10〜20nmが最も良好である。
また、用いられるポリビニルアルコールの平均重合度は、約300〜3,500の範囲より選択されるのが好ましく、その溶解性やコロイダルシリカとの均質な相溶性または防曇性の点から、平均重合度3,500程度が最も好ましい。
上記防曇性コート液のコロイダルシリカとポリビニルアルコールの水・メタノール混合溶液中の重量比は、混合液の全体量を100重量部とすれば、コロイダルシリカの割合は例えば固形分30%のもので1〜50重量部が好ましく、最も好ましくは10〜20重量部である。また、ポリビニルアルコールの割合は例えば固形分10%のもので10〜50重量部が好ましく、最も好ましくは20〜40重量部である。
第2層を形成する防曇コート液は、メチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムを水・メタノール混合液中に分散または溶解することにより得られる。第2層に用いられるメチルシリケートは、Si(OCHで表されるが、他のシリコーン系アルコキシドに比べて加水分解および重縮合反応速度が速く、粒径も微細である。また、用いられるアセチルアセトンアルミニウムは、上記メチルシリケートの水・メタノール混合液中に分散され、加水分解の安定性に寄与する。
第2層を形成する防曇コート液における、メチルシリケートとアセチルアセトンアルミノウムの水・メタノール混合液中の重量比は、混合液の全体量を100重量部とすれば、メチルシリケートの割合は例えば固形分56%のもので1〜50重量部が好ましく、最も好ましくは10〜20重量部である。また、アセチルアセトンアルミニウムの割合は0.1〜10重量部が好ましく、最も好ましくは1〜2重量部である。
第2の実施態様では、第1層には、エチルシリケートとコロイダルシリカを水・エタノール混合溶液中に分散または溶解したものが用いられる。第1層に用いられるエチルシリケートとコロイダルシリカは、相互の結合および表面摩擦硬度を強化すると共に、加水分解、重縮合反応の過程で部分的にOH基を残存させる。
上記第1層に用いられる防曇コート液の全体量を100重量部とすれば、エチルシリケートの割合は例えば固形分40%のもので1〜50重量部が好ましく、最も好ましくは1〜10重量部である。また、コロイダルシリカの割合は例えば固形分30%のもので1〜30重量部が好ましく、最も好ましくは1〜10重量部である。
次に、第2層の形成に用いられる防曇コート液は、ポリビニルアルコールの部分鹸化品とメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムとエポキシシリカとアルミニウムアルコキサイドとケイフッ化水素酸とラウリル硫酸ナトリウムを水・メタノール混合液中に分散または溶解することにより得られる。
第2層に用いられるポリビニルアルコール部分鹸化品は、その鹸化時に加えられる酸またはアルカリが不純物として残存する傾向が少なく、水・メタノール混合溶媒に均質に溶解する割合を向上させる。従って、その鹸化度は70〜90%が好ましい。
また用いられるエポキシシリカは、形成される無機物と有機物の結合を強化し、且つ層間および基材と層間の密着度を向上させる。さらにアルミニウムアルコキサイドは、無機質部分の表面摩擦強度の向上に寄与し、特に膜表面の耐擦傷性を向上させる。ケイフッ化水素酸は、無機質部分の析出に重要であり、ラウリル硫酸ナトリウムは、界面活性作用を有し、吸水性向上に寄与する。
第2層に用いられる防曇コート液の全体量を100重量部とすれば、ポリビニルアルコールの部分鹸化品の割合は例えば固形分8%のもので10〜70重量部が好ましく、最も好ましくは60〜70重量部である。また、メチルシリケートの割合は例えば固形分56%のもので0.1〜10重量部が好ましく、最も好ましくは0.5〜1.0重量部である。アセチルアセトンアルミニウムの割合は0.01〜5重量部が好ましく、最も好ましくは0.01〜0.1重量部である。エポキシシリカの割合は0.1〜10重量部が好ましく、最も好ましくは0.1〜1重量部である。アルミニウムアルコキサイドの割合は0.1〜20重量部が好ましく、最も好ましくは1〜4重量部である。ケイフッ化水素酸の割合は0.01〜3重量部が好ましく、最も好ましくは0.01〜0.1重量部である。ラウリル硫酸ナトリウムの割合は例えば固形分2%のもので1〜10重量部が好ましく、最も好ましくは1〜3重量部である。ポリアクリル酸の割合は例えば固形分20%のもので1〜10重量部が好ましく、最も好ましくは1〜3重量部である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
眼鏡用プラスチックレンズ基材の上に、耐擦傷性ハードコート層(日本エーアールシー社製プライマー液CP−814とハードコート液C−410による、以下同様)を形成し、予めプラズマ処理により密着性を付与した。このハードコート層上に、表1に示す組成に従い、ポリビニルアルコールとコロイダルシリカを水・メチルアルコール混合液に分散・溶解させたものを第1層として基材上にディップコート法で塗布し、55〜105℃の乾燥炉で10分間乾燥した。次に表2に示す組成でメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムを水・メチルアルコール混合液に溶解させた溶液を第2層として、第1層コート済みの基材上にディップコート法で積層塗布し、55〜105℃の乾燥炉で60分間乾燥することにより、厚み約3μmの透明な塗膜が得られた。
Figure 2005234066
Figure 2005234066
得られた塗布レンズを冷蔵庫(5℃)に10分間放置し、その後、25℃、湿度80%の雰囲気下に放置したが曇らず、また呼気により曇りが発生しなかった。塗膜表面の耐摩擦性は、スチールウール試験(500g荷重、10往復)で10本以下の傷付きであった。更に、40℃、95%RHの恒温恒湿条件下で、一週間後も防曇性は低下していなかった。
[比較例1]
実施例1で用いた眼鏡用プラスチックレンズ基材、このプラスチックレンズ基材に耐擦傷性ハードコート層を形成したもの、又は耐衝撃性ハードコート層を形成したものに実施例1の曇り試験と同様の試験を行ったところ、レンズ表面に直ちに曇りが生じ、それらの曇りは消滅までに1分間以上要した。
[実施例2]
眼鏡用プラスチックレンズ基材の上に、耐擦傷性ハードコート層を形成し、予めプラズマ処理により密着性を付与した。表3に示す組成に従い、ポリビニルアルコールとコロイダルシリカとポリアクリル酸を水・アルコール混合液に分散・溶解させた溶液をディップコート法で基材上に塗布し、55〜105℃の乾燥炉で10分間乾燥して第1層を得た。この第1層上に、第2層として表2に示す組成でメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムを水・アルコール混合液に溶解させた溶液をディップコート法で積層し、55〜105℃の乾燥炉で60分間乾燥することにより、透明な塗膜が得られた。この塗膜は、実施例1と同様の防曇性、耐摩擦性、防曇耐久性を示した。
Figure 2005234066
[実施例3]
眼鏡用プラスチックレンズ基材の上に、耐擦傷性ハードコート層を形成し、予めプラズマ処理により密着性を付与した。表4に示す組成に従い、エチルシリケートとコロイダルシリカを水・アルコール混合液に分散・溶解させた溶液をディップコート法で基材上に塗布し、55〜105℃の乾燥炉で10分間乾燥して第1層を得た。この第1層上に、第2層として表5に示す組成でポリビニルアルコール部分鹸化品とメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムとエポキシシリカとアルミニウムアルコキサイドとケイフッ化水素酸とポリアクリル酸とラウリル硫酸ナトリウムを水・アルコール混合液に溶解させた溶液をディップコート法で積層し、55〜105℃の乾燥炉で60分間乾燥することにより、透明な塗膜が得られた。この塗膜は、実施例1と同様の防曇性、耐摩擦性、防曇耐久性を示した。
Figure 2005234066
Figure 2005234066
本発明の防曇性眼鏡レンズ及びその製造方法は、視力矯正用、紫外線防止用、ファッション用等の各種眼鏡全般に適用可能である。

Claims (10)

  1. 眼鏡用プラスチックレンズ基材上、あるいは耐擦傷性ハードコート層及び耐衝撃性ハードコート層のうちの少なくとも1つを形成した眼鏡用プラスチックレンズ基材上に、有機物および無機物よりなる防曇コート層を形成した防曇性眼鏡レンズ。
  2. 前記眼鏡用プラスチックレンズ基材、又は耐擦傷性ハードコート層、又は耐衝撃性ハードコート層の防曇コート層が形成される面が、密着性向上のために、プラズマ処理、コロナ処理、ケミカル・アクチベーション処理、及び酸化炎処理のうちのいずれかの方法により予め処理されたことを特徴とする、請求項1に記載の防曇性眼鏡レンズ。
  3. 前記有機物及び無機物よりなる防曇コート層が、コロイダルシリカとポリビニルアルコールおよび水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第1層として積層し、この第1層の上にメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムおよび水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第2層として積層してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の防曇性眼鏡レンズ。
  4. 前記有機物および無機物よりなる防曇コート層が、コロイダルシリカとポリビニルアルコールとポリアクリル酸および水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第1層として積層し、この第1層の上にメチルシリケートとアセルチアセトンアルミニウム及び水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第2層として積層してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の防曇性眼鏡レンズ。
  5. 前記有機物および無機物よりなる防曇コート層が、エチルシリケートとコロイダルシリカおよび水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第1層として積層し、この第1層の上にポリビニルアルコール部分鹸化品とメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムとエポキシシリカとアルミニウムアルコキシドとケイフッ化水素酸とポリアクリル酸とラウリル硫酸ナトリウムと水含有有機溶媒を含有するコーティング組成物を第2層として積層してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の防曇性眼鏡レンズ。
  6. 眼鏡用プラスチックレンズ基材上、あるいは耐擦傷性ハードコート層及び耐衝撃性ハードコート層のうちの少なくとも1つを形成した眼鏡用プラスチックレンズ基材上に、有機物及び無機物よりなる防曇コート層を形成する工程を含む防曇性眼鏡レンズの製造方法。
  7. 前記眼鏡用プラスチックレンズ基材、又は耐擦傷性ハードコート層、又は耐衝撃性ハードコート層の防曇コート層が形成される面を、密着性付与のために、プラズマ処理、ケミカル・アクチベーション処理、及び酸化炎処理のうちのいずれかの方法で予め処理することを特徴とする、請求項6に記載の防曇性眼鏡レンズ製造方法。
  8. 前記防曇コート層を形成する工程が、コロイダルシリカとポリビニルアルコールを水・有機溶媒混合液に分散または溶解させた液体をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にてプラスチックレンズ基材上に塗布し、55〜105℃の乾燥炉で5〜10分間乾燥して第1層を形成する工程と、この第1層の上にメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムを水・有機溶媒混合液に溶解した溶液をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にて塗布し、55〜105℃の乾燥炉で30〜60分間乾燥及び熱処理することにより第2層を形成する工程とからなることを特徴とする、請求項6又は7に記載の防曇性眼鏡レンズの製造方法。
  9. 前記防曇コート層を形成する工程が、コロイダルシリカとポリビニルアルコールとポリアクリル酸を水・有機溶媒混合液に溶解させた溶液をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にてプラスチックレンズ基材上に塗布し、55〜105℃の乾燥炉で5〜10分間乾燥して第1層を形成する工程と、この第1層の上にメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムを水・有機溶媒混合液に溶解した溶液をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にて塗布し、55〜105℃の乾燥炉で30〜60分間乾燥及び熱処理することにより第2層を形成する工程とからなることを特徴とする、請求項6又は7に記載の防曇性眼鏡レンズの製造方法。
  10. 前記防曇コート層を形成する工程が、エチルシリケートとコロイダルシルカを水・有機溶媒混合液に分散または溶解させた溶液をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にてプラスチックレンズ基材上に塗布し、55〜105℃の乾燥炉で5〜10分間乾燥して第1層を形成する工程と、この第1層の上にポリビニルアルコール部分鹸化品とメチルシリケートとアセチルアセトンアルミニウムとエポキシシリカとアルミニウムアルコキシドとケイフッ化水素酸とポリアクリル酸とラウリル硫酸ナトリウムを水・有機溶媒混合液に溶解した溶液をディップコート法又はスピンコート法又はスプレーコート法にて塗布し、55〜105℃の乾燥炉で30〜60分間乾燥及び熱処理することにより第2層を形成する工程とからなることを特徴とする、請求項6又は7に記載の防曇性眼鏡レンズの製造方法。
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