JP2011001461A - インクジェット用インク及び該インクから得られる硬化膜 - Google Patents
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Abstract
Description
、たとえばエッチングレジスト用では金属エッチング液に対する耐性および剥離液(アルカリ性水溶液)に対する剥離性を有し、まためっきレジスト用ではめっき液に対する耐性および剥離液(アルカリ性水溶液)に対する剥離性を有することが求められている。
たは炭素数1〜10のアルキルであり、該アルキルはヒドロキシまたはアルコキシを有していてもよく、oは1〜30の整数であり、pは0〜5の整数である。);
炭化水素基であり、nは1〜30の整数である。)。
特徴とする[1]に記載のインクジェット用インク。
たは芳香族基であり、nが1〜3の整数であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
る群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
本発明のインクジェット用インク(以下単に「本発明のインク」ともいう)は、下記一般式(a)で表わされる単官能(メタ)アクリレート(A)と、下記一般式(b)で表わされる化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを含むインクジェット用インクである。
上記一般式(a)で表わされる単官能(メタ)アクリレート(A)(以下単に単官能(メタ)アクリレート(A)ともいう)は、本発明のインクの吐出安定性、さらに、後述する化合物(B)とともに、前記インクから得られる硬化膜のエッチング液に対する耐性及びめっき液に対する耐性(以下「耐めっき性」ともいう)を高めるために使用される。
は炭素数1〜10のアルキルであり、該アルキルはヒドロキシまたはアルコキシを有していてもよく、oは1〜30の整数であり、pは0〜5の整数である。oが2以上の場合は、複数存在するR5は同一でも異なっていてもよい。またpが2以上の場合は、複数存在
するR6は同一でも異なっていてもよい。
3のアルキレンであり、oは好ましくは1〜4の整数であり、pは好ましくは0である。また同様の観点から、pが1以上の場合には、R6は好ましくはノニル、オクチル、ヘキ
シル、エトキシ、またはメトキシである。
好ましくはヒドロキシまたはアルコキシを有し、より好ましくはR5はヒドロキシを有す
る。ここで、oが2以上の場合は、複数存在するR5のうち、少なくとも一つがヒドロキ
シを有すればよい。前記アルコキシとしては、炭素数1〜10のアルコキシが挙げられる。
ンであり、より好ましくは2−ヒドロキシプロピレンである。
である化合物)、アルコキシ化2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート(上記一般式(a)において、R4が水素又はメチルであり、R5が2−ヒドロキシプロピレンであり、oが1〜30の整数であり、pが0である化合物)、およびアルコキシ化2−ヒドロキシ−3−ノニルフェノキシプロピル(メタ)アクリレート(上記一般式(a)において、R4が水素又はメチルであり、R5が2−ヒドロキシプロピレンであり、R6がノニルであり、oが1〜30の整数であり、pが1である化合物)が挙げられる。
水素又はメチルであり、R5がエチレンであり、R6がノニルであり、oが1であり、pが1である化合物)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート(R4が水素又はメチルであり、R5が2−ヒドロキシプロピレンであり、oが1であり、pが0である化合物)および2−ヒドロキシ−3−ノニルフェノキシプロピル(メタ)アクリレート(R4が水素又はメチルであり、R5が2−ヒドロキシプロピレンであり、R6がノ
ニルであり、oが1であり、pが1である化合物)が挙げられる。
上記化合物(B)は、上記一般式(b)で表わされる化合物であって、本発明のインクジェット用インクから得られる硬化膜のアルカリ溶解性を高めることで剥離液によって容易に剥離できるようにするため、さらに、前記単官能(メタ)アクリレート(A)とともに、前記インクから得られる硬化膜のエッチング液に対する耐性及びメッキ液に対する耐性を高めるために使用される。上記一般式(b)を以下に再度示す。
素基であり、nは1〜30の整数である。なお、上記式から明らかなように、化合物(B)は、R1が水素またはメチルである場合には、単官能(メタ)アクリレートである。
素またはメチルであり、R2が分岐構造を有していてもよい炭素数2または3のアルキレ
ンであり、R3が炭素数3〜8の脂環式基または芳香族基であり、nが1〜3の整数であ
る。なお、前記芳香族基の炭素数は、通常6〜8である。
メチルであり、R2がエチレンであり、R3がフェニレンであり、nが1である化合物)およびテトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(R1が水素また
はメチルであり、R2がエチレンであり、R3がシクロヘキシレンであり、nが1である化合物)が好ましい。
光重合開始剤(C)は、紫外線あるいは可視光線の照射によりラジカルを発生することのできる化合物であれば特に限定されない。
フェニル]−,2−(o−ベンゾイルオキシム)、2−(4’−メトキシスチリル)−4
,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピ
オニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドおよび2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドを挙げることができる。
フェニル]−,2−(o−ベンゾイルオキシム)(チバジャパン(株)製のIRGACURE OXE01(商品名))は、本発明のインク中に含まれる他の成分との相溶性が高く、得られるインクが少量の紫外線照射で硬化するので好ましい。
本発明のインクジェット用インクの粘度調整をするために、単官能(メタ)アクリレート(A)および化合物(B)以外の単官能(メタ)アクリレート(D)を本発明のインクに含有させてもよい。
ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、又は1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ―ト、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートおよび2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明のインクジェット用インクは、保存安定性や光に対する感度、本発明のインクから形成される硬化膜の耐久性、膜面均一性および硬化密度、インクの吐出特性ならびにインクの塗布性等を向上させるために、多官能のラジカル重合性モノマー(E)、溶媒(F)、重合禁止剤(G)、界面活性剤(H)、着色剤(I)および帯電防止剤(J)等を含むことができる。これらの成分は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
本発明のインクジェット用インクは、光感度および硬化膜の架橋密度を高めるために、多官能のラジカル重合性モノマー(E)を含んでもよい。「多官能」とは、エチレン性二重結合が2つ以上あることを指し、好ましくは(メタ)アクリル構造が2つ以上あることを指す。
ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エチレンオキシド変性ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、ノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエポキシ(メタ)アクリレートおよびレゾルシノールエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明のインクジェット用インクは、インクの吐出特性を向上させるために溶媒(F)を含んでもよい。この溶媒(F)としては、溶媒以外の成分(成分(A)〜(C)および必要に応じて含有される(D)、(E)、(G)〜(J)など)を溶解するものであれば特に制限されないが、インクのジェッティング温度により、適宜選択される。ジェッティング(吐出)温度が室温(20〜25℃)である場合は、インクに含まれる溶媒の沸点は100℃以上であることが好ましい。室温でのインクジェット用インクの粘度が30mPa・s以上である場合には、ジェッティング温度を高くしてインクの粘度を下げ、インクを吐出(ジェッティング)しやすくすることが好ましいが、この場合は、ジェッティング温度を高くすることによって溶媒が揮発してインクの粘度が増加し、インクジェットヘッドノズルにインクがつまることのないようにするため、インクに含まれる溶媒(F)の沸点は200℃以上であることが好ましい。
−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、アニソール、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよびジメチルイミダゾリジノンが挙げられる。これらの溶媒中の水分量は、本発明のインク中の水分量が前述の範囲になるように調整されていることが望ましい。
本発明のインクジェット用インクは、保存安定性を向上させるために重合禁止剤(G)を含んでもよい。重合禁止剤(G)の具体例としては、4−メトキシフェノール、ヒドロキノンおよびフェノチアジンを挙げることができる。これらの中でも、ジェッティング時にインクジェットヘッドを加熱した場合のインクの粘度変化(増加)を最小にする観点から、重合禁止剤(G)としてフェノチアジンを用いることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクは、該インクから得られる硬化膜の膜面の均一性を向上させるために界面活性剤(H)を含んでもよい。界面活性剤(H)としては、シリコン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤等が用いられる。
Byk−354、Byk−358、又はByk−361(それぞれ商品名:ビック・ケミー(株)製)等のアクリル系界面活性剤;
DFX−18、フタージェント250、又はフタージェント251(それぞれ商品名:ネオス(株)製)、メガファックF−410、メガファックF−443、メガファックF−445、メガファックF−470、メガファックF−479、メガファックF−483、メガファックF−489(それぞれ商品名:大日本インキ(株)製)等のフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
本発明のインクジェット用インクは、染料または顔料等の着色剤(I)を含んでいてもよく、この場合、例えば、基板上に前記インクを塗布し、硬化させて得られる硬化膜の状態を検査する際に、基板と硬化膜との識別を容易にすることができる。着色剤(I)は、本発明のインク中に0.01〜10重量%程度、好ましくは0.1〜5重量%程度含まれてもよい。また、その他のインク原料との相溶性の観点から、着色剤(I)は染料であることが好ましい。
帯電防止剤(J)は、本発明のインクの帯電を防止するために使用するものである。帯電防止剤(J)としては、特に限定されるものではなく、公知の帯電防止剤を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や四級アンモニウム塩等が挙げられる。帯電防止剤(J)は、本発明のインク100重量部に対し0.01〜1重量部添加して用いられることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクは公知の混合方法により調製することができるが、必要な各原料成分を混合して得られた溶液を、ろ過することにより調製するのが好ましい。ろ過することにより、本発明のインク中に不溶物が残存し、それによってノズルの目詰ま
りが起こるのを防止できる。ろ過には、例えばフッ素樹脂製のメンブレンフィルター等が用いられる。
本発明のインクジェット用インクにおいては、(A)成分、(B)成分および(D)成分の含有量が、光重合開始剤(C)を除く全インク組成の75重量%以上であることが、インクの粘度およびインクを保管したときの粘度安定性の点から好ましい。
インクジェット塗布装置で吐出する際の温度(好ましくは10〜120℃)における、本発明のインクジェット用インクのE型粘度計で測定した粘度は、1〜30mPa・sが好ましく、2〜25mPa・sであればさらに好ましく、3〜20mPa・sが特に好ましい。
本発明のインクジェット用インクは、−20〜20℃で保存すると粘度変化が小さく、保存安定性が良好である。
本発明のインクジェット用インクは、公知のインクジェット塗布方法を用いて塗布することができる。インクジェット塗布方法としては、例えば、インクに力学的エネルギーを作用させてインクをヘッドから吐出(塗布)させる方法(いわゆるピエゾ方式)、及び、インクに熱エネルギーを作用させてインクを塗布させる塗布方法(いわゆるバブルジェット(登録商標)方式)等がある。
本発明の硬化膜は、公知のインクジェット塗布方法を用いて本発明のインクジェット用インクを基板の表面に吐出した後に、そのインクに紫外線や可視光線等の光を照射して硬化させることで得られる。光が照射された部分のインクは、(A)、(B)および(D)成分、ならびに多官能のラジカル重合性モノマー(E)の重合により三次元化架橋体となって硬化し、インクの広がりを効果的に抑えることができる。
mJ/cm2程度がより好ましく、20〜500mJ/cm2程度がさらに好ましい。また、照射する紫外線の波長は、200〜390nmが好ましく、220〜390nmがより好ましく、250〜390nmがさらに好ましい。
A1:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(商品名「M−5700」、東亜合成(株)製)。
B1:フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート(商品名「CB−1」、新中村化学工業(株)製)
B2: テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート(商品名「CB−3
」、新中村化学工業(株)製)。
C1:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名「DAROCUR TPO」、チバジャパン(株)製)。
D1:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)
D2:シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(商品名「CHDMMA」、新中村化学工業(株)製)
D3:メトキシトリエチレングリコールアクリレート(商品名「NKエステルAM−30G」、新中村化学工業(株)製)。
本実施例では、本発明に係るインクジェット用インクの硬化膜をエッチングレジスト用又はめっきレジスト用として形成した場合について検証する。下記表1に記載された割合(重量部)で各成分を配合し、混合・溶解してフッ素樹脂製メンブレンフィルター(0.2μm)で濾過し、各インクジェット用インクを調製した。
各インクジェット用インクの25℃での粘度をE型粘度計(東機産業(株)製 VISCOMETER TV−22)で測定した。また、後述するインクジェットのヘッド温度である70℃における粘度も測定した。結果を下記表2に示す。
各インクジェット用インクをインクジェットカートリッジに注入し、これをインクジェット装置(FUJIFILM Dimatix社製のDMP−2800)に装着し、10pl用のヘッドを用いて、吐出電圧(ピエゾ電圧)16V、ヘッド温度70℃、駆動周波数5kHzの条件下で吐出の様子を観察した。ジェッティング中に、インク滴下方向が垂直方向に吐出され、かつノズルからインクが滴下される際に本来画像記録に寄与するインク滴の他に微小液滴が発生する(すなわち、正確に一滴として吐出されない)サテライトという現象が発生しない状態を正常な吐出として、ジェッティング開始から正常に吐出を続ける時間を観察した。観察はジェッティング開始から20分間行い、安定吐出時間の最大値は20分とした。結果を表2に示す。
各インクジェット用インクをインクジェットカートリッジに注入し、これをインクジェット装置(FUJIFILM Dimatix社製のDMP−2800)に装着し、以下の基板作製条件で、基板上にインクジェットプリンタにより各インクジェット用インクを塗布(描画)し、次いでUV照射装置((株)ジャテック製のJ−CURE1500)を用いて、塗布されたインクをUV硬化させて硬化膜が形成された試験基板を作製した。このようにして作製された試験基板を用いて、以下の(3)〜(5)に示す、硬化膜のエッチング液に対する耐性、剥離液(アルカリ性水溶液)に対する剥離性およびめっき液に対
する耐性を調べた。
基板:銅箔をポリイミド上に積層した基板(厚さ35μm)
[(東洋紡績(株)製)バイロフレックス(商品名)]
硬化膜の膜厚:30μm
吐出条件:上記(2)と同様の吐出条件
UV露光量:250mJ/cm2(測定波長365nm)
硬化膜のエッチング液に対する耐性を評価するために、作製した試験基板を50℃の13%FeCl3水溶液に15分浸漬させた後に水洗を行い、硬化膜の表面状態を目視にて
判定した。基板からの剥離や変色が生じなかった場合を「○」、剥離や変色が生じた場合を「×」とした。結果を表2に示す。
硬化膜の剥離液(アルカリ性水溶液)に対する剥離性を評価するために、作製した試験基板を50℃の8%NaOH水溶液に1分浸漬させた後に水洗を行い、硬化膜の剥離状態を目視にて判定した。硬化膜が完全に溶解もしくは剥離した場合を「○」、溶解も剥離もしなかった場合を「×」とした。結果を表2に示す。
硬化膜のめっき液に対する耐性を評価するために、作製した試験基板を60℃の無電解ニッケルめっき液(商品名:ニムデンNPR−4、Ni濃度4.5g/L、上村工業(株)製)に20分浸漬させて水洗を行い、続いて60℃の金ストライクめっき液(商品名:アシドストライク、日本高純度化学(株)製)に10分浸漬させて水洗を行い、続いて100℃の無電解金めっき液(商品名:ゴブライトTAM−55、Au濃度1g/L、上村工業(株)製)に30分浸漬させて水洗することでめっき被膜を形成した。この工程中においてめっき液の硬化膜内部への浸入や硬化膜の剥離が生じなかった場合を「○」、めっき液の硬化膜内部への浸入や硬化膜の剥離が生じた場合を「×」とした。結果を表2に示す。
優れ、さらに、該インクの硬化膜はエッチング液及びめっき液に対する耐性に優れ、しかも剥離液に対する剥離性にも優れているので、前記硬化膜はエッチングレジスト及びめっきレジストとして有用であることがわかる。
Claims (11)
- 下記一般式(a)で表わされる単官能(メタ)アクリレート(A)と、下記一般式(b)で表わされる化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを含むインクジェット用インク:
たは炭素数1〜10のアルキルであり、該アルキルはヒドロキシまたはアルコキシを有していてもよく、oは1〜30の整数であり、pは0〜5の整数である。);
炭化水素基であり、nは1〜30の整数である。)。 - 前記一般式(a)において、少なくとも一つのR5がヒドロキシを有することを特徴と
する請求項1に記載のインクジェット用インク。 - 前記単官能(メタ)アクリレート(A)が、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
- 前記一般式(b)において、R1が水素またはメチルであり、R2が分岐構造を有していてもよい炭素数2または3のアルキレンであり、R3が炭素数3〜8の脂環式基または芳
香族基であり、nが1〜3の整数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用インク。 - 前記化合物(B)が、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび/またはテトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 前記光重合開始剤(C)が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、および1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(o−ベンゾイルオキシム)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- さらに、前記単官能(メタ)アクリレート(A)および化合物(B)以外の単官能(メタ)アクリレート(D)を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット用インクを硬化させて得られる硬化膜。
- 基板上に、請求項8に記載の硬化膜を利用して金属配線パターンを形成する工程を有することを特徴とする電子回路基板の製造方法。
- 請求項9に記載の電子回路基板の製造方法で製造された電子回路基板を有する電子部品。
- 請求項9に記載の電子回路基板の製造方法で製造された電子回路基板又は請求項10に記載の電子部品を有する表示素子。
Priority Applications (1)
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