JP7219611B2 - 光硬化性組成物、及び硬化物 - Google Patents

光硬化性組成物、及び硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、光硬化性組成物、及び硬化物に関する。
従来より、エッチング用のマスクパターンを形成したり、めっき造形物形成用の鋳型パターンを形成したりする目的で、種々の光硬化性組成物が使用されている。
例えば、めっき造形物を製造するための鋳型パターンの形成に好適な光硬化性組成物として、アミド構造を有する特定の構造の単位を含むアルカリ可溶性樹脂と、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と、感放射線性ラジカル重合開始剤とをネガ型感放射線性樹脂組成物が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2006-285035号公報
しかし、特許文献1に記載される光硬化性組成物は、固体成分であるアルカリ可溶性樹脂を含むため、通常有機溶剤を含む。
また、特許文献1に記載される光硬化性組成物を用いてめっき用の鋳型パターンを形成する際には、アルカリ現像液を用いる現像によりパターニングされる。このため、特許文献1に記載される光硬化性組成物の硬化物はアルカリ溶解性に劣る。
その結果、特許文献1に記載される光硬化性組成物の硬化物は、アルカリ性の剥離液ではなく、有機溶剤型の剥離液を用いて基板から剥離される。
他方で、有機溶剤の可燃性、爆発性等を考慮して、有機溶剤を含んでいなくても印刷法により良好にパターニング可能である光硬化性組成物が求められる場合がある。
この点、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物については室温で液状である場合が多い。このため、光硬化性組成物を、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が主成分である構成とすれば、有機溶剤を含まない光硬化性組成物を得ることができる。
また、アルカリ性の化合物を含まない有機溶剤型の剥離液を用いて光硬化性組成物の硬化物の剥離を行う場合、硬化物が剥離液に溶解して剥離するのではなく、有機溶剤に膨潤することによって剥離することが多い。有機溶剤に膨潤して剥離する場合、剥離後に残渣が生じてしまう場合がしばしばある。
このため、剥離後の残渣を低減させる目的で、光硬化性組成物の硬化物について、アルカリ性の剥離液により容易に溶解除去できることが求められている。
しかしながら、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を主成分とする光硬化性組成物について、良好な光硬化性と、硬化物に関するアルカリ性の剥離液による良好な剥離性との両立が困難である問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、良好な光硬化性と、硬化物に関するアルカリ性の剥離液による良好な剥離性とを両立できる、光硬化性組成物と、当該光硬化性組成物の硬化物とを提供することを目的とする。
本発明者らは、重合性単量体(A)と、光重合開始剤(B)とを含む光硬化性組成物において、特定の構造のカルボキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A1)と、環式骨格含有基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A2)とを含む重合性単量体を用い、光硬化性組成物が、Tgが40℃以上であり、且つアルカリ可溶性である硬化物を与えるようにすることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第1の態様は、重合性単量体(A)と、光重合開始剤(B)とを含む光硬化性組成物であって、
重合性単量体(A)が、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A1)と、環式骨格含有基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A2)とを含み、
光硬化性組成物が、Tgが40℃以上であり、且つアルカリ可溶性である硬化物を与え、
環式骨格含有基中の環式骨格における環構成原子数が、5以上であり、
(メタ)アクリル酸エステル(A2)は、モノ(メタ)アクリレート化合物であり、
(メタ)アクリル酸エステル(A1)が下記式(a1):
CH=CRa1-CO-O-Ra2-O-CO-Ra3-COOH・・・(a1)
で表される化合物であり、
式(a1)中、Ra1は水素原子又はメチル基であり、Ra2は、2価の有機基であり、Ra3は、部分的に又は完全に水素化されていてもよく、置換基を有していてもよいo-フェニレン基である、光硬化性組成物である。
本発明の第2の態様は、第1の態様にかかる光硬化性組成物の硬化物である
本発明によれば、良好な光硬化性と、硬化物に関するアルカリ性の剥離液による良好な剥離性とを両立できる、光硬化性組成物と、当該光硬化性組成物の硬化物とを提供することができる。
≪光硬化性組成物≫
光硬化性組成物は、重合性単量体(A)と、光重合開始剤(B)とを含む。
重合性単量体(A)は、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A1)と、環式骨格含有基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A2)とを含む。
カルボキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A1)は、下記式(a1):
CH=CRa1-CO-O-Ra2-O-CO-Ra3-COOH・・・(a1)
で表される化合物である
式(a1)中、Ra1は水素原子又はメチル基であり、Ra2は、2価の有機基であり、Ra3は、部分的に又は完全に水素化されていてもよく、置換基を有していてもよいo-フェニレン基である。
(メタ)アクリル酸エステル(A2)について、環式骨格含有基中の環式骨格における環構成原子数が、5以上である。また、(メタ)アクリル酸エステル(A2)は、モノ(メタ)アクリレート化合物である。
さらに、上記の光硬化性組成物は、Tgが40℃以上であり、且つアルカリ可溶性である硬化物を与える。
光硬化性組成物が上記の要件を満たすことによって、良好な光硬化性と、硬化物に関するアルカリ性の剥離液による良好な剥離性とを両立することができる。
光硬化性組成物の硬化物のTgは、重合性単量体(A)の組成を調整することにより調整できる。具体的には、重合性単量体(A)における、(メタ)アクリル酸エステル(A1)の含有量と(メタ)アクリル酸エステル(A2)の含有量との合計量が多いほど、硬化物のTgを所望する程度に高めやすい。
ここで、硬化物のTgとは、露光量1000mJ/cmで硬化された膜厚10μmの硬化膜のTgである。
光硬化性組成物の硬化物のアルカリ可溶性は、重合性単量体(A)における、(メタ)アクリル酸エステル(A1)の含有量を増加させることにより高めることができる。また、光硬化性組成物の硬化物のアルカリ可溶性は、重合性単量体(A)における、後述するその他の単量体(A3)としての多官能化合物のような硬化物のアルカリ可溶性を低下させる成分の含有量を低減させることにより高まることができる。
光硬化性組成物の硬化物がアルカリ可溶性であるとは、露光量1000mJ/cmで硬化された膜厚10μmの硬化膜を、モノエタノールアミンとDMSOの混合溶液(各50質量%)に25℃で5分間浸漬した後に、基板表面を水でリンスした場合に、硬化膜が完全に溶解除去されることを言う。
なお、光硬化性組成物は、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、ポリマーを含んでいてもよい。均一に混合された光硬化性組成物を得やすい点や、アルカリ可溶性に優れる硬化物を形成しやすい点から、光硬化性組成物におけるポリマーの含有量は、光硬化性組成物の固形分の質量に対して、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0質量%が最も好ましい。
以下、光硬化性組成物に含まれる、必須又は任意の成分について説明する。
<重合性単量体(A)>
前述の通り、重合性単量体(A)は、所定の構造のカルボキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A1)と、環式骨格含有基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A2)とを含む。また、重合性単量体(A)は、本発明の目的を阻害しない範囲において、(メタ)アクリル酸エステル(A1)及び(メタ)アクリル酸エステル(A2)以外の、その他の単量体(A3)を含んでいてもよい。
以下、重合性単量体(A)に関して、(メタ)アクリル酸エステル(A1)、(メタ)アクリル酸エステル(A2)、及びその他の単量体(A3)について説明する。
〔(メタ)アクリル酸エステル(A1)〕
(メタ)アクリル酸エステル(A1)は、下記式(a1):
CH=CRa1-CO-O-Ra2-O-CO-Ra3-COOH・・・(a1)
で表される化合物である
式(a1)中、Ra1は水素原子又はメチル基である。Ra2は、2価の有機基である。Ra3は、部分的に又は完全に水素化されていてもよく、置換基を有していてもよいo-フェニレン基である。
(メタ)アクリル酸エステル(A1)は、カルボキシ基を有する。このため、(メタ)アクリル酸エステル(A1)は、硬化物に優れたアルカリ可溶性を付与する。
また、(メタ)アクリル酸エステル(A1)は、その骨格中に、部分的に又は完全に水素化されていてもよく、置換基を有していてもよいo-フェニレン基を有する。(メタ)アクリル酸エステル(A1)がこのような構造を有することによって、40℃以上のTgを示す硬化物を形成でき、また硬化物に容易に変形しない良好な機械的特性が付与される。
(メタ)アクリル酸エステル(A1)に関して、式(a1)中のRa2は2価の有機基である。当該2価の有機基は、炭化水素基であってもよく、N、O、S、P、B、Si、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基であってもよい。2価の有機基としては、炭化水素基が好ましい。
2価の有機基としての炭化水素基の好適な具体例としては、アルキレン基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が好ましい。また、炭化水素基は、アルキレン基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基からなる群より選択される2種以上の組み合わせであってもよい。
上記の炭化水素基の具体例の中では、アルキレン基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。
a2が炭化水素基である場合、当該炭化水素基の炭素原子数としては、1以上20以下が好ましく、1以上12以下がより好ましい。
a2がアルキレン基である場合、当該アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
a2としてのアルキレン基の好適な例としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、n-ブタン-1,4-ジイル基、n-ペンタン-1,5-ジイル基、n-ヘキサン-1,6-ジイル基、n-ヘプタン-1,7-ジイル基、n-オクタン-1,8-ジイル基、n-ノナン-1,9-ジイル基、及びn-デカン-1,10-ジイル基が挙げられる。
これらの中では、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、及びn-ブタン-1,4-ジイル基が好ましく、エタン-1,2-ジイル基がより好ましい。
a2としての脂環式炭化水素基の好適な例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等のシクロアルキル基や、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、及びテトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基や、これらのポリシクロアルカンのC1-C4アルキル置換体から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
a2としての芳香族炭化水素基の好適な例としては、o-フェニレン基、m-フェニレン基、p-フェニレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,7-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、及びビフェニル-4,4’-ジイル基等が挙げられる。
式(a1)中、Ra3は、部分的に又は完全に水素化されていてもよく、置換基を有していてもよいo-フェニレン基である。
部分的に又は完全に水素化されていてもよいo-フェニレン基の好適な例としては、4-シクロヘキセン-1,2-ジイル基、及びシクロヘキサン-1,2-ジイル基等が挙げられる。
o-フェニレン基が置換基を有する場合、o-フェニレン基上の置換基の数は特に限定されず、1以上4以下の整数であってよい。
置換基の例としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、炭素原子数2以上4以下の脂肪族アシル基、炭素原子数2以上4以下の脂肪族アシルオキシ基、炭素原子数2以上4以下のアルコキシカルボニル基、1又は2の炭素原子数1以上4以下のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、及びハロゲン原子等が挙げられる。
以上説明したRa3の中では、(メタ)アクリル酸エステル(A1)の合成又は入手の容易性や、機械的特性に優れる硬化物を得やすい点から、無置換のo-フェニレン基が好ましい。
以上、Ra2及びRa3について説明したが、式(a1)において、Ra2が、アルキレン基であり、且つRa3がo-フェニレン基であるのが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル(A1)の好適な具体例としては、下記のフタル酸エステル構造を有する(メタ)アクリル酸エステルと、テトラヒドロフタル酸エステル構造を有する(メタ)アクリル酸エステルと、ヘキサヒドロフタル酸エステル構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとが挙げられる。
Figure 0007219611000001
Figure 0007219611000002
Figure 0007219611000003
上記の化合物の中では、フタル酸エステル構造を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、及び2-アクリロイルオキシエチルフタル酸がより好ましい。
〔(メタ)アクリル酸エステル(A2)〕
(メタ)アクリル酸エステル(A2)は、環式骨格含有基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。環式骨格について、環構成原子数が5以上である環式骨格である。
なお、(メタ)アクリル酸エステル(A1)も、感光性原子数が5以上である環式骨格を有するが、本出願の特許請求の範囲及び明細書において、(メタ)アクリル酸(A1)は(メタ)アクリル酸(A2)に含まれない。
光硬化性組成物がかかる(メタ)アクリル酸エステル(A2)を含むことにより、40℃以上のTgを示す硬化物を形成でき、また硬化物に容易に変形しない良好な機械的特性が付与される。
(メタ)アクリル酸エステル(A2)は、(メタ)アクリル酸、又は(メタ)アクリル酸のエステル形成性誘導体と、環構成原子数が5以上である環式骨格含有基を有するアルコールとの反応によって製造し得る化合物であれば特に限定されない。
(メタ)アクリル酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、(メタ)アクリル酸塩化物や(メタ)アクリル酸臭化物のような(メタ)アクリル酸ハライドが挙げられる。
環式骨格含有基としては、環構成原子数が5以上の環式基を含む基であれば特に限定されない。環式基を構成する環は、炭化水素環でもよく、複素環であってもよい。複素環が含み得るヘテロ原子としては、N、O、S、P、B、及びSi等が挙げられる。
芳香族炭化水素環からなる環式基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、及びターフェニル着等の芳香族炭化水素基が挙げられる。
脂肪族炭化水素環からなる環式基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等のシクロアルキル基や、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、及びテトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基や、これらのポリシクロアルカンのC1-C4アルキル置換体から1個の水素原子を除いた基が挙げられる。
環式骨格含有基中の環式基は置換基を有してもよい。置換基の例としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、炭素原子数2以上4以下の脂肪族アシル基、炭素原子数2以上4以下の脂肪族アシルオキシ基、炭素原子数2以上4以下のアルコキシカルボニル基、1又は2の炭素原子数1以上4以下のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、及びハロゲン原子等が挙げられる。
環式骨格含有基としては、容易に変形しない良好な機械的特性を有する硬化物を形成しやすい点から、炭素原子数6以上20以下、より好ましくは炭素原子数6以上12以下の炭化水素基が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル(A2)としては、下記式(a2)で表される化合物が好ましい。
CH=CRa1-CO-O-Ra4-Ra5・・・(a2)
式(a2)中、Ra1は、水素原子、又はメチル基である。Ra4は、単結合、又は2価の鎖状連結基である。Ra5は、環構成原子数が5以上である炭化水素環である。
式(a2)中、Ra4としての2価の鎖状連結基としては、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。鎖状連結基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、直鎖状が好ましい。
a4としての2価の連結基は、2価の脂肪族炭化水素基であってもよく、N、O、S、P、B、Si、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む2価の鎖状脂肪族基であってもよい。Ra4としての2価の連結基としては、炭素原子数1以上4以下のアルキレン基が好ましい。かかるアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、及びブタン-1,4-ジイル基が挙げられる。
a5としての環構成原子数が5以上である炭化水素環については、環式骨格含有基について前述した通りである。
(メタ)アクリル酸エステル(A2)としての式(a2)で表される化合物の好適な具体例としては、フェニル(メタ)アクリレート、α-ナフチル(メタ)アクリレート、β-ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、α-ナフチルメチル(メタ)アクリレート、β-ナフチルメチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、及びテトラシクロデカニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
〔その他の単量体(A3)〕
前述の通り、重合性単量体(A)は、本発明の目的を阻害しない範囲で、(メタ)アクリル酸エステル(A1)、及び(メタ)アクリル酸エステル(A2)以外のその他の単量体(A3)を含んでいてもよい。その他の単量体(A3)は、1種を単独で使用されても、2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
その他の単量体(A3)としては、1つのエチレン性不飽和二重結合を有する単官能化合物であっても、2以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能化合物であってもよい。
硬化物のアルカリ性の剥離液による剥離性が良好である点から、重合性単量体(A)の質量に対する、その他の単量体(A3)としての多官能化合物の質量の比率は、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0質量%が最も好ましい。
単官能単量体としては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、tert-ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチル-2-アミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、及び2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(すなわち、トリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネートと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物)、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN-メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの多官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
良好な光硬化性と、硬化物に関するアルカリ性の剥離液による良好な剥離性との両立が容易である点から、重合性単量体(A)の質量に対する、その他の単量体(A3)の質量の比率は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がさらにより好ましく、0質量%が最も好ましい。
良好な光硬化性と、硬化物に関するアルカリ性の剥離液による良好な剥離性との両立が容易である点から、重合性単量体(A)の質量に対する、(メタ)アクリル酸エステル(A1)の質量の比率が30質量%以上70質量%以下であり、且つ、重合性単量体(A)の質量に対する、(メタ)アクリル酸エステル(A2)の質量の比率が30質量%以上70以下%以下であるのが好ましい。
より好ましくは、重合性単量体(A)の質量に対する、(メタ)アクリル酸エステル(A1)の質量の比率が35質量%以上65質量%以下であり、且つ、重合性単量体(A)の質量に対する、(メタ)アクリル酸エステル(A2)の質量の比率が35質量%以上65以下%以下である。
<光重合開始剤(B)>
光硬化性組成物は、前述の重合性単量体(A)を硬化させるための成分として光重合開始剤(B)を含む。光重合開始剤(B)としては、従来より、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物を重合させるために使用されている種々の化合物を特に制限なく用いることができる。光重合開始剤(B)は、1種を単独で使用されても、2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
光重合開始剤(B)として具体的には、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン、2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、O-アセチル-1-[6-(2-メチルベンゾイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル]エタノンオキシム、(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)[4-(2-メトキシ-1-メチルエトキシ)-2-メチルフェニル]メタノンO-アセチルオキシム、2-(ベンゾイルオキシイミノ)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1-オクタノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4-ベンゾイル-4’-メチルジメチルスルフィド、4-ジメチルアミノ安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4-ジメチルアミノ-2-エチルヘキシル安息香酸、4-ジメチルアミノ-2-イソアミル安息香酸、ベンジル-β-メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、o-ベンゾイル安息香酸メチル、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2-クロロチオキサンテン、2,4-ジエチルチオキサンテン、2-メチルチオキサンテン、2-イソプロピルチオキサンテン、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)-イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルジクロロアセトフェノン、α,α-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、9-フェニルアクリジン、1,7-ビス-(9-アクリジニル)ヘプタン、1,5-ビス-(9-アクリジニル)ペンタン、1,3-ビス-(9-アクリジニル)プロパン、p-メトキシトリアジン、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(フラン-2-イル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-n-ブトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフェニル-s-トリアジン等が挙げられる。
良好な光硬化性の点から、光重合開始剤(B)の使用量は、重合性単量体(A)100質量部に対して、0.01質量部以上15質量部以下が好ましく、0.5質量部以上10質量部以下がより好ましく、1質量部以上5質量部以下が特に好ましい。
<有機溶剤(S)>
光硬化性組成物は、粘度調整や、溶解しにくい成分の可溶化の目的等で、有機溶剤(S)を含んでいてもよい。ただし、光硬化性組成物の粘度が所望する範囲内であり、重合性単量体(A)と、光重合開始剤(B)とが均一に液状化される場合、有機溶剤(S)の量は少ないほど好ましい。
光硬化性組成物の粘度としては、25℃での値として、例えば、10cP以上500cp以下が好ましく、20cP以上200cP以下がより好ましく、30cp以上100cP以下が特に好ましい。
典型的には、有機溶剤(S)の量は、重合性単量体(A)の質量と、光重合開始剤(B)の質量との合計100質量部に対して、20質量以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量以下がさらにより好ましく、0質量部であるのが特に好ましい。
<その他の成分>
光硬化性組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、重合性単量体(A)、光重合開始剤(B)、及び有機溶剤(S)以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、増感剤、硬化促進剤、光架橋剤、光増感剤、分散助剤、充填剤、チキソトロピー付与剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤等が例示される。
<光硬化性組成物の製造方法>
以上説明した光硬化性組成物は、上記各成分を、それぞれ所定量混合した後、撹拌機で均一に混合することにより得られる。なお、得られた光硬化性組成物がより均一になるようフィルタを用いて濾過してもよい。
以上説明した光硬化性組成物を、例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の印刷法により、基板上にパターニング後、パターニングされた光硬化性組成物の塗布膜を露光することにより、パターニングされた硬化膜が形成される。
露光の際の露光量は、光硬化性組成物が良好に硬化する限り特に限定されない。露光の際の露光量は、例えば、10mJ/cm以上10000mJ/cm以下が好ましく、100mJ/cm以上4000mJ/cm以下がより好ましい。
このようにして形成されるパターニングされた硬化膜は、めっき造形物を形成するための鋳型パターンや、エッチングマスクとして好適に使用される。なお、パターニングされた硬化膜の用途はこれらの用途に限定されない。
所望する形状にパターニングされた硬化膜は、めっき造形物の形成後やエッチングを実施した後に、アルカリ性の剥離液により剥離される。上記の光硬化性組成物の硬化物は、アルカリ性の剥離液に良好に溶解する。このため、上記の光硬化性組成物の硬化物は、例えば、10℃以上35℃以上、好ましくは15℃以上30℃以下程度の室温又は室温付近の温度において、アルカリ性の剥離液により良好に溶解除去される。
剥離液の例としては、有機アミン類や四級アンモニウム水酸化物のような含窒素塩基性有機化合物、又はアンモニアや塩基性アルカリ金属化合物のような無機塩基性化合物を含む塩基性剥離液が挙げられる。有機アミン類の例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。四級アンモニウム水酸化物の例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。塩基性アルカリ金属化合物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び炭酸ナトリウム等が挙げられる。塩基性剥離液に含まれる溶媒は、水、有機溶剤、及び有機溶剤水溶液から適宜選択される。
塩基性剥離液が溶媒として水を含有する場合、塩基性剥離液は防錆剤を含んでいてもよい。防錆剤としては、従来公知のものを適宜用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
〔実施例1~4、及び比較例1~14〕
実施例、及び比較例において、(メタ)アクリル酸エステル(A1)((A1)成分)として、下記のA1-1、及びA1-2を用いた。
Figure 0007219611000004
実施例において、(メタ)アクリル酸エステル(A2)((A2)成分)として、下記のA2-1、及びA2-2を用いた。
A2-1:ベンジルアクリレート
A2-2:イソボルニルアクリレート
実施例、及び比較例において、その他の単量体(A3)((A3)成分)として、下記のA3-1~A3-5を用いた。
A3-1:N,N-ジメチルアクリルアミド
A3-2:CH=CCH-CO-O-(O-CHCH-OCH
A3-3:2-ヒドロキシエチルアクリレート
A3-4:ヘキシレングリコールジアクリレート
A3-5:ヘキシレングリコールジメタクリレート
実施例、及び比較例において、光重合開始剤(B)として、下記PI-1、及びPI-2を用いた。
PI-1:2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン
PI-2:2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン
比較例において、添加剤として3-メルカプトプロピオン酸を用いた。
表1に記載の種類及び量の重合性単量体(A)((A)成分)と、表1に記載の種類及び量の光重合開始剤(B)((B)成分)とを均一に混合して、各実施例の光硬化性組成物を得た。
また、表1又は表2に記載の種類及び量の重合性単量体(A)((A)成分)と、表1又は表2に記載の種類及び量の光重合開始剤(B)((B)成分)と、添加剤としての3-メルカプトプロピオン酸1質量部とを均一に混合して、各比較例の光硬化性組成物を得た。
得られた各実施例及び比較例の光硬化性組成物を用いて、以下の評価を行った。評価結果を、表1及び表2に記す。
<硬化性>
シリコン基板上に、光硬化性組成物をスピンコーター(MS-B300、ミカサ株式会社製)を用いて塗布した後、離形処理済みフィルム(ピューレックス A31、帝人デュポンフィルム社製)を組成物上に設置した。その後、平行光露光機(MAT-2501、ウシオ電機株式会社製)を用いてフィルム越しに、露光量1000mJ/cmにて露光を行い、膜厚10μmの硬化膜を形成し、硬化性を評価した。
露光後にフィルムを離形して、露光された塗布膜の表面の流動性を確認し、流動性がない場合を○と判定し、流動性がある場合を×と判定した。
<剥離性>
硬化性の評価と同様にして形成された膜厚10μmの硬化膜を、モノエタノールアミンとDMSOの混合溶液(各50質量%)に25℃で5分間浸漬した後に、基板表面を水でリンスし、次いで基板表面に窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。乾燥後の基板の表面に硬化膜が残存していない場合を○と判定し、硬化膜が残存している場合を×と判定した。
なお、比較例1、比較例2、及び比較例10では、硬化膜の硬化性が極度に不良であったことから、剥離性の評価を行わなかった。
<Tg>
実施例1~4、比較例3~5、比較例7、比較例9、及び比較例11~13について、硬化性の評価と同様にして形成された硬化膜を試料として用いて、熱重量測定装置(DSC Q2000、日本サーマル・コンサルティング株式会社製)により硬化膜のTgを測定した。
<組成物粘度>
組成物調製後に凝固が見られない光硬化性組成物について、回転式粘度計(RE-80-L、東機産業株式会社製)を用いて25℃にて粘度を測定した。
Figure 0007219611000005
Figure 0007219611000006
表1及び表2によれば、重合性単量体(A)として、それぞれ所定の構造の(メタ)アクリル酸エステル(A1)と、(メタ)アクリル酸(A2)とを含み、且つ、硬化物のTg及びアルカリ可溶性について所定の要件を満たす実施例の光硬化性組成物を用いることにより、良好な光硬化性と、硬化物に関するアルカリ性の剥離液による良好な剥離性とを両立できることが分かる。

Claims (8)

  1. 重合性単量体(A)と、光重合開始剤(B)とを含む光硬化性組成物であって、
    前記重合性単量体(A)が、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A1)と、環式骨格含有基を有する(メタ)アクリル酸エステル(A2)とを含み、
    前記光硬化性組成物が、Tgが40℃以上であり、且つアルカリ可溶性である硬化物を与え、
    前記環式骨格含有基が、脂肪族炭化水素環からなる環式基を含む基であり、
    前記環式骨格含有基中の環式骨格における環構成原子数が、5以上であり、
    前記(メタ)アクリル酸エステル(A2)は、モノ(メタ)アクリレート化合物であり、
    前記(メタ)アクリル酸エステル(A1)が下記式(a1):
    CH=CRa1-CO-O-Ra2-O-CO-Ra3-COOH・・・(a1)
    で表される化合物であり、
    前記式(a1)中、Ra1は水素原子又はメチル基であり、Ra2は、2価の有機基であり、Ra3は、部分的に又は完全に水素化されていてもよく、置換基を有していてもよいo-フェニレン基である、光硬化性組成物。
  2. 前記重合性単量体(A)の質量に対する、2以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能化合物の質量の比率が2質量%以下である、請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 前記光硬化性組成物の固形分の質量に対する、ポリマーの質量の比率が5質量%以下である、請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
  4. 前記Ra2が、アルキレン基であり、前記Ra3がo-フェニレン基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  5. 前記環式骨格含有基が、炭素原子数6以上20以下の炭化水素基である、請求項1~4のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  6. 前記脂肪族炭化水素環からなる環式基が、シクロアルキル基、ポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基、及び前記ポリシクロアルカンのC1-C4アルキル置換体から1個の水素原子を除いた基からなる群よりなる選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  7. 重合性単量体(A)の質量に対する、(メタ)アクリル酸エステル(A1)の質量の比率が30質量%以上70質量%以下であり、
    重合性単量体(A)の質量に対する、(メタ)アクリル酸エステル(A2)の質量の比率が30質量%以上70質量%以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の光硬化性組成物の硬化物。
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