JP5862901B2 - 光硬化性インクジェット用インク - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット印刷方式を用いて印刷された後、露光及び焼成工程において硬化させ、液晶用、EL用などの表示素子や、プリント配線板、フレキシブル配線板、半導体パッケージ基板などの電子回路基板を製造するために用いられるインクジェット用インクに関し、更に詳しくは所定の回路パターンをなす金属配線表面を保護するカバーレイや、ソルダーレジストなどに適したインクジェット用インクに関する。
近年、電子機器の小型化が進み、軽量かつフレキシブルなプリント配線板を用いた電子回路基板が多く用いられている。このような電子回路基板は、たとえば、銅等の金属の層にエッチング等を施して所定の回路パターンをなす配線部を形成し、その金属製の配線を保護する保護膜であるカバーレイをコーティングすることで製造されている。現行の主なコーティング工程は、カバーレイフィルムを配線板に熱プレスで張り合わせる方法や、カバーレイインクをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィー法を用いて、光及び熱で硬化させる方法がとられている。このコーティング工程において、フィルムの接着成分やインク自体を光や熱で硬化させる際に硬化収縮が発生し、カバーレイに反りが発生する問題が見られる。特に電子機器の小型化に伴い、フレキシブル配線板が薄くなってきており、薄いフレキシブル配線板にコーティングしても反らないカバーレイが求められていると同時に、フレキシブル配線板の微細に伴い、耐熱性への要求もますます大きくなっている。
しかし、カバーレイの反りを抑えるという事と耐熱性を上げるという事は、相反した関係であり、薄いフレキシブル基板でも反りが抑えられ、硬化膜の耐熱性の指標であるガラス転移温度を高めることは困難を極める。
一方、耐熱性においては、材料としてポリイミドを使用したカバーレイが市販されているが、いまだ高価であり、コスト面で使用される用途が限定される。
現行で使用しているカバーレイフィルムは、電子回路基板への貼り付けの作業において歩留まりが悪いという現状がある。また、フォトリソグラフィー法に比べて、インクジェット法によるパターン形成は工程が簡単になるうえに、材料使用量の削減も期待できるので、電子機器に使用されるプリント配線板等の製造に用いることが提案されている(たとえば、特開2003−302642号公報(特許文献1)、特開2005−68280号公報(特許文献2)を参照)。
しかし、インクジェット用インクは低粘度でなければ吐出が難しく、高粘度でも印刷可能なスクリーン印刷法やフォトリソグラフィー法に比べ、カバーレイに必要な特性を持たせる事が困難である。
これまでジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂を含有したインクで、さらにシリカ(特開2000―169677)や無機充填剤(特開2001−226461)、フィラー(特開2004−262080)を添加し、反りを低減したエポキシ樹脂組成物は開発されている。しかし、これら固体が添加されたエポキシ樹脂組成物はインクジェット吐出に不向きであり、粘度の面からもインクジェット吐出が不可能であった。また、光硬化性を有していないため、汎用性が狭い。
そんな中、光のみで硬化可能で、低反りで、ガラス転移温度が高く耐熱性のある保護膜が望まれており、さらにインクジェット用インクとして吐出可能な低粘度のインクが、望まれている。
特開2003−302642号公報 特開2005−68280号公報 特開2000―169677号公報 特開2001−226461号公報 特開2004−262080号公報
上記の状況の下、反りが低減されており、耐熱性があり、耐屈曲性等のバランスに優れたカバーレイ、またはソルダーレジストを形成することが可能な、インクジェット用インクを提供することにある。
本発明者等は、特定構造を有するエポキシ樹脂(A)とフェノール性水酸基及び/またはカルボキシル基を有することを特徴とする化合物(B)、希釈剤(C)、光重合開始剤(D)を含有するインクジェット用インクが、特に反りが低減され、耐熱性が高い硬化膜を形成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。さらに、本発明はこのようなインクジェット用インク、インクジェット用インクから得られた硬化膜及びその形成方法などを提供する。
本発明は以下の項を含む。
[1]ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)を含む光硬化性インクジェット用インクであって、該光硬化性インクジェット用インクを4cm角の正方形ポリイミドフィルム(厚さ12.5μm)上の中心部にインクジェット塗布することにより、3cm角の正方形の塗膜を形成し、該塗膜を光または熱で硬化させることにより得られた硬化膜(膜厚10μm)を有するポリイミドフィルムの四端の反り高さの平均値が3mm以下であり、該光硬化性インクジェット用インクから得られた硬化膜のガラス転移温度が90℃以上である、光硬化性インクジェット用インク。
[2]ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)が、一分子中にグリシジルエーテル結合を少なくとも一つとジシクロペンタジエニル基を少なくとも一つを有しているジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂である[1]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[3]ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)が、下記式(1)で表される、[1]または[2]に記載の光硬化性インクジェット用インク。

Figure 0005862901

(式中、R、RおよびRは独立して、炭素数1〜10の有機基であり、R、RおよびRは独立して、水素、炭素数1〜12のアルキル、またはハロゲンであり、nは0以上10までの整数である)
[4]ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)が、下記式(2)で表される、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光硬化性インクジェット用インク。

Figure 0005862901

(式中、nは0以上10までの整数である)
[5]さらに、フェノール性水酸基及び/またはカルボキシル基を有することを特徴とする化合物(B)を含む、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[6]化合物(B)が、ラジカル重合性二重結合を有する化合物、またはラジカル重合性二重結合を有する化合物から得られるオリゴマーまたはポリマーのいずれか一つである[5]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[7]化合物(B)がポリビニルフェノール、またはヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一つである、[5]または[6]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[8]さらに、希釈剤(C)を含む、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[9]希釈剤(C)の25℃の粘度が0.1〜100mPa・sである、[8]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[10]希釈剤(C)が、単官能(メタ)アクリレートまたは多官能(メタ)アクリレートである、[8]または[9]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[11]さらに光重合開始剤(D)を含む[1]〜[10]のいずれか一項に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[12]光重合開始剤(D)が、アシルフォスフィンオキサイド系、アルキルフェノン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1つの化合物である[11]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[13]ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)が式(1)で表されるエポキシ樹脂であり、化合物(B)がポリビニルフェノール、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、及びフタル酸モノヒドロキシエチルメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、希釈剤(C)がテトラヒドロフルフリルメタクリレート及びジプロピレングリコールジアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、光重合開始剤(D)が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドであり、重合禁止剤としてフェノチアジンを含有する、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[14]25℃の粘度が1〜200mPa・sである、[1]〜[13]のいずれか一項に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[15]25℃の粘度が1〜30mPa・sである、[1]〜[14]のいずれか一項に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[16][1]〜[15]のいずれか一項に記載の光硬化性インクジェット用インクを塗布し、塗膜に光を照射することによって硬化させる、硬化膜形成方法。
[17][16]に記載の硬化膜を、さらに加熱することで硬化させる、硬化膜形成方法。
[18][1]〜[15]のいずれか1項に記載の光硬化性インクジェット用インクから得られる硬化膜。
[19]パターン状に形成されている、[18]に記載の硬化膜。
[20]基板上に[18]又は[19]に記載された硬化膜が形成された電子回路基板。
[21][20]に記載された電子回路基板を有する電子部品。
本発明の好ましい態様に係るインクジェット用インクによれば、膜の反りの低減、耐熱性、膜の硬化性、及び屈曲性に優れ、さらにインクジェット印刷方式でのジェッティング特性に優れたインクジェット用インクを提供することができる。
1. 本発明のインクジェット用インク
本発明の光硬化性インクジェット用インク(以降、単にインクと呼ぶことがある)は、ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)を含有していればよいが、さらに、フェノール性水酸基及び/またはカルボキシル基を有することを特徴とする化合物(B)、希釈剤(C)、光重合開始剤(D)を含有してもよい。なお、本発明のインクは、無色であっても有色であってもよい。
なお、本明細書中の重量平均分子量は、カラムとしてPOLYMER Laboratories製THF系カラムを使用してGPC法(カラム温度:35℃、流速:1ml/min)により求めたポリスチレン換算での値である。なお、本明細書中の市販品の重量平均分子量はカタログ掲載値である。
1.1 ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)
本発明において、ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)は、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に制限されない。より好ましくは、一分子中にグリシジルエーテル結合を少なくとも一つ以上とジシクロペンタジエニル基を少なくとも一つ以上を有しているジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂であり、さらに好ましくは、上記(1)式で表される化合物であり、特に好ましくは、上記(2)式で表される化合物である。
上記(1)式において、有機基とは、例えばアルキル、環状構造を有するアルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、またはアリーレンである。より好ましい有機基はアルキル、環状構造を有するアルキレン、またはシクロアルキレンである。上記式(1)において、R、RおよびRは独立して、水素、炭素数1〜12のアルキル、またはハロゲンであり、好ましくは、水素またはメチルである。なお、R、RおよびRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、R、RおよびRも同様である。
上記(1)式及び(2)式において、nは0以上10までの整数である。好ましいnは0〜5の整数であり、より好ましいnは0〜2の整数である。
式(2)で表されるジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂は、DIC(ディーアイシー)株式会社よりEPICLON HP−7200シリーズとして市販もされている。
本発明で用いるジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)は1種の化合物であっても、これらの2種以上の化合物の混合物であってもよい。
ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)の含有量は、インク固形分の1〜30重量%であると、低反り性及び耐熱性と、光硬化性のバランスが良くなり、インクジェット吐出可能な粘度となるので好ましく、より好ましくは3〜20重量%であり、さらに好ましくは5〜15重量%である。
1.2 化合物(B)
本発明において、フェノール性水酸基及び/またはカルボキシル基を有することを特徴とする化合物(B)は、フェノール性水酸基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物、または1分子中にフェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する化合物であり、エポキシ樹脂と反応し硬化する化合物であれば特に限定されないが、液状の化合物であれば低粘度であることが好ましく、固体の化合物であれば他の成分との溶解性の高い化合物を用いることが好ましい。
1.2(1) フェノール性水酸基を有する化合物
フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、耐湿性、信頼性の点から、2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、あるいはフェノール性水酸基とラジカル重合性二重結合を有する化合物である限り特に限定されないが、ジヒドロキシベンゼン類、トリヒドロキシベンゼン類、ビフェノール類、ビスフェノール類、ジヒドロキシナフタレン類、フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレン、ビニルケトンフェノール等があげられる。
その中でも特に、ラジカル重合性二重結合を有する化合物、またはラジカル重合性二重結合を有する化合物から得られるオリゴマー及びポリマーのいずれか一つであれば、低反り性と高ガラス転移温度のバランスが優れており、さらに、ポリビニルフェノール、ヒドロキシフェニルメタクリレートを用いると、低反り性と高ガラス転移温度のバランスが優れた硬化膜が作成できる。
なお、フェノール性水酸基を有する化合物は、上述した化合物から選ばれる1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
インクジェット用インク中の、フェノール性水酸基を有する化合物の配合割合は、2個以上のフェノール性水酸基の場合、ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)のエポキシ等量に対するフェノール性水酸基を有する化合物の水酸基等量の割合が、0.5〜2.0の配合であることが好ましい。さらに好ましくは0.8〜1.2の配合であれば、硬化性、硬化物の耐熱性、電気特性等がより良好となる。一方、フェノール性水酸基とラジカル重合性二重結合を有する化合物の場合、ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)のエポキシ等量に対するフェノール性水酸基を有する化合物の水酸基等量の割合が、0.5以上10未満の配合であることが好ましい。さらに好ましくは0.8以上2未満の配合であれば、硬化性、硬化物の耐熱性、電気特性等がより良好となる。
1.2(2) カルボキシル基を有する化合物
カルボキシル基を有する化合物の具体例としては、硬化性の点から、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、あるいはカルボキシル基とラジカル重合性二重結合を有する限り特に限定されないが、カルボキシル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、無水フタル酸とヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物(例えば、フタル酸モノヒドロキシエチルメタクリレート)、又は無水ヘキサヒドロフタル酸とヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物が挙げられる。他に、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その中でも特に、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであれば、本発明のインクは低粘度で、光硬化性に優れ、反り性と高ガラス転移温度性に優れた硬化膜を作成できる。
なお、カルボキシル基を有する化合物は、上述した化合物から選ばれる1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
インクジェット用インク中の、カルボキシル基を有する化合物の配合割合は、ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)のエポキシ等量に対するカルボキシル基を有する化合物のカルボキシル基等量の割合が、0.5以上10未満の配合であることが好ましい。さらに好ましくは0.8以上2未満の配合であれば、硬化性、硬化物の耐熱性、電気特性等がより良好となる。
化合物(B)は、上述のフェノール性水酸基を有する化合物と上述のカルボキシル基を有する化合物の混合物でも良い。
1.2(3) フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する化合物
フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する化合物の具体例としては、硬化性の点から、1個以上のフェノール性水酸基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物、あるいは1個以上のフェノール性水酸基、1個以上のカルボキシル基、及び1個以上のラジカル重合性二重結合を有する限り特に限定されないが、ヒドロキシ安息香酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸とヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等のフェノール性水酸基を有し重合性二重結合を有する化合物を共重合させることによって得られる化合物が挙げられる。
なお、フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する化合物は、上述した化合物から選ばれる1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
インクジェット用インク中の、フェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する化合物の配合割合は、シクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)のエポキシ等量に対するフェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する化合物のフェノール性水酸基及びカルボキシル基等量の割合が、0.5〜2.0の配合であることが好ましい。さらに好ましくは0.8〜1.2の配合であれば、硬化性、硬化物の耐熱性、電気特性等がより良好となる。
化合物(B)は、上述のフェノール性水酸基を有する化合物、上述のカルボキシル基を有する化合物とフェノール性水酸基及びカルボキシル基を有する化合物の混合物でも良い。
1.3 希釈剤(C)
本発明のインクは、各種特性を向上、維持させるために希釈剤(C)を含有してもよい。本発明の希釈剤(C)は特に限定されないが、E型粘度計で測定した25℃の粘度が0.1〜100mPa・sであることが好ましく、0.1〜50mPa・sであることがより好ましく、0.1〜10mPa・sであることが特に好ましい。希釈剤(C)の具体例としては、ラジカル重合性基を有するモノマーや溶媒が挙げられる。ラジカル重合性基を有するモノマーとしては、単官能または多単官能のモノマーが好ましい。
1.3(1) 単官能重合性モノマー
ラジカル重合性基を有するモノマーが単官能重合性モノマーであれば、インクジェット印刷方式でのジェッティング性が良好になるので特に好ましい。
単官能重合性モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、p−ビニルフェニル−3−エチルオキセタ−3−イルメチルエーテル、2−フェニル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−トリフロロメチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、4−トリフロロメチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、ビニルトルエン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルペンチル(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、テトラヒドロフルフリルメタクリレートを挙げることができる。
これらの単官能重合性モノマーは1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。また、単官能重合性モノマーとしてより好ましいのは、単官能(メタ)アクリレートである。
1.3(2) 多官能重合性モノマー
希釈剤(C)としては、多官能重合性モノマーであってもよい。
多官能重合性モノマーの具体例としては、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート、酸変性(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、変性イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。その中でも、ジプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジアクリレートは、耐熱性、光硬化性の特性も良好となる。
これらの多官能重合性モノマーは1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。また、多官能重合性モノマーとしてより好ましいのは、多官能(メタ)アクリレートである。
希釈剤(C)としてのラジカル重合性を有するモノマーは、1種の化合物であっても、2種以上の異なる化合物の混合物であってもよい。例えば、希釈剤(C)は、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの混合物であってもよい。
これらのうち、テトラヒドロフルフリルメタクリレートあるいはジプロピレングリコールジアクリレートのうち少なくともひとつであれば、インクの各成分との相溶性が優れており、低反り性とTgのバランスが優れており、粘度をインクジェット吐出可能な粘度まで下げることができるので、より好ましい。
希釈剤(C)としてのラジカル重合性を有するモノマーの含有量は、インク総量の15〜85重量%であると低反り性と耐熱性とジェッティング特性のバランスがよくなるので好ましく、より好ましくは20〜80重量%であり、さらに好ましくは25〜75重量%であり、特に好ましくは30〜70重量%である。
1.3(3) 溶媒
希釈剤(C)として溶媒を用いてもよい。インクジェット印刷方式でのインクジェットヘッドを加温する場合、インクに低沸点の溶媒が含まれていると溶媒が揮発してインクの粘度が上昇しインクジェットヘッドのノズル口が詰まってしまうことがある。そのため、特に沸点が100〜300℃の溶媒が好ましい。
沸点が100〜300℃である溶媒の具体例としては、水、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、アニソール、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、又はジメチルイミダゾリジノンが挙げられる。
これらの溶媒は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
希釈剤(C)としての溶媒の含有量は、インク総量の0.1〜10重量%であると、インクジェット印刷方式でのジェッティング性と他の特性のバランスが良く、より好ましくは0.2〜8重量%であり、さらに好ましくは0.5〜6重量%であり、特に好ましくは1〜5重量%である。
希釈剤(C)は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。例えば、単官能重合性モノマーと溶媒との混合物であってもよい。
1.4 光重合開始剤(D)
本発明のインクは、光硬化性を付与するために、光重合開始剤(D)を含有してもよい。光重合開始剤(D)は、紫外線または可視光線の照射によりラジカルを発生する化合物であれば特に限定されない。好ましい具体例としては、アシルフォスフィンオキサイド化合物及びアルキルフェノン系化合物が挙げられる。
光重合開始剤(D)の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニル)−4,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(o−ベンゾイルオキシム)、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドを挙げることができる。
光重合開始剤(D)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
光重合開始剤(D)の含有量は、インク総量の0.5〜20重量%であると、インクとしたとき、紫外線に対して高感度となるので好ましく、より好ましくは1〜20重量%であり、さらに好ましくは2〜20重量%である。
1.5 その他の成分
本発明のインクは、各種特性をさらに向上させるためにメラミン樹脂、ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂(その他のエポキシ樹脂)、エポキシ硬化剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、重合禁止剤などを含んでもよい。
1.5(1) メラミン樹脂
本発明のインクは、例えば、得られる硬化膜の耐熱性、耐薬品性を向上させるために、メラミン樹脂を含んでもよい。
メラミン樹脂の具体例としては、メラミン、メチロールメラミン、エーテル化メチロールメラミン、ベンゾグアナミン、メチロールベンゾグアナミン、エーテル化メチロールベンゾグアナミン、及びそれらの縮合物を挙げることができる。中でも、耐薬品性が良好であることから、エーテル化メチロールメラミンが好ましく、エーテル化メチロールメラミン及びその縮合物の混合物は、三和ケミカル(株)製のニカラックMW−30(商品名)として市販されている。インクに用いられるメラミン樹脂は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
メラミン樹脂は、インク中に1〜20重量%含まれると、得られるインクの硬化膜の耐薬品性が高くなるために好ましく、2〜15重量%含まれるとより好ましく、3〜10重量%含まれるとさらに好ましい。
1.5(2) その他のエポキシ樹脂
本発明のインクは、例えば、得られる硬化膜の耐熱性、耐薬品耐性を向上させるために、ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)以外のその他のエポキシ樹脂を含んでもよい。
その他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、又は脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
その他のエポキシ樹脂の市販品としては、エピコート807、同815、同825、同827、同828、同190P、同191P、同1004、同1256(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、アラルダイトCY177、同CY184(商品名;ハンツマン・アドバンス・マテリアル製)、セロキサイド2021P、EHPE−3150(商品名;ダイセル化学工業(株)製)、又はテクモアVG3101L(商品名;三井化学(株)製)等を挙げることができる。
インクに用いられるその他のエポキシ樹脂は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
その他のエポキシ樹脂含有量が、インクの固形分の1〜20重量%であると耐熱性、耐薬品耐性が向上するので好ましく、より好ましくは1〜10重量%であり、さらに好ましくは1〜7重量%である。
1.5(3) エポキシ硬化剤
その他のエポキシ樹脂を含んでいる場合、例えば、硬化膜の耐薬品耐性をより向上させるために、さらにエポキシ硬化剤を含んでもよい。エポキシ硬化剤としては、酸無水物系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、及び触媒型硬化剤などが好ましい。
酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、又はスチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。
ポリアミン系硬化剤の具体例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジシアンジアミド、ポリアミドアミン(ポリアミド樹脂)、ケチミン化合物、イソホロンジアミン、m−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、又はジアミノジフェニルスルフォンが挙げられる。また、触媒型硬化剤の具体例としては3級アミン化合物、又はイミダゾール化合物が挙げられる。
ポリカルボン酸系硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、又はメチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸が挙げられる。
インクに用いられるエポキシ硬化剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
エポキシ硬化剤の含有量が、インク総量の0.5〜50重量%であると耐エッチング性又は耐めっき性が向上するので好ましく、他特性とのバランスを考慮すると、より好ましくは0.5〜40重量%であり、さらに好ましくは0.5〜30重量%である。
1.5(4) 界面活性剤
本発明のインクは、例えば、下地基板への濡れ性や、硬化膜の膜面均一性を向上させるために界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、またはフッ素系界面活性剤などが用いられる。
界面活性剤の市販品としては、Byk−300、同306、同335、同310、同341、同344、及び同370(商品名;ビック・ケミー(株)製)などのシリコン系界面活性剤、Byk−354、同358、及び同361(商品名;ビック・ケミー(株)製)などのアクリル系界面活性剤、DFX−18、フタージェント250、又は同251(商品名;ネオス(株)製)、メガファックF−479(商品名;DIC(株)製)などのフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
インクに用いられる界面活性剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
界面活性剤の含有量が、インク固形分の0.001〜1重量%であると硬化膜の膜面均一性が向上するので好ましく、他特性とのバランスを考慮すると、より好ましくは0.001〜0.1重量%であり、さらに好ましくは0.001〜0.05重量%である。
1.5(5) 難燃剤
本発明のインクに難燃性を付与するために難燃剤を含んでもよい。この難燃剤としてはリン系化合物、ハロゲン系化合物、無機系化合物など特に限定されないが、リン系化合物が環境へ与える影響が少ないので好ましい。
上記リン系化合物では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10オキシド、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、縮合9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10オキシド等があげられる。
上記ハロゲン系化合物としては、としてテトラブロモビスフェノールA、デカブロムジフェニルオキサイド、ヒキサブロモシクロデカン、2,4,6―トリブロモフェノール、エチレンビステトラブロモフタルイミド、臭素化ポリスチレン、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化(メタ)アクリレートや、塩素化パラフィン、環状脂肪族塩素化合物等が上げられる。
上記無機系化合物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、硼酸塩、錫酸亜鉛、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、窒素化グアニジン、五酸化アンチモン等が上げられる。
インクに用いられる難燃剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
難燃剤の含有量は各難燃剤によって難燃性が異なるため、範囲を限定できないが、インク固形分の1〜50重量%であると、得られる硬化膜に高い難燃性(UL−94燃焼試験法VTM−0)を付与できるため好ましい。
1.5(6) 着色剤
本発明のインクは、例えば、硬化膜の状態を検査する際に基板との識別を容易にするために、着色剤を含んでもよい。着色剤としては、染料、顔料が好ましい。
インクに用いられる着色剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
着色剤の含有量が、インク固形分の0.1〜5重量%であると硬化膜の検査が容易であるので好ましく、他特性とのバランスを考慮すると、より好ましくは0.1〜1重量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.5重量%である。
1.5(7) 重合禁止剤
本発明のインクは、例えば、保存安定性を向上させるために重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤の具体例としては、4−メトキシフェノール、ヒドロキノン、又はフェノチアジンを挙げることができる。これらの中でも、フェノチアジンが長期の保存においても粘度の変化が小さいために好ましい。
インクに用いられる重合禁止剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
重合禁止剤の含有量が、インク固形分の0.01〜1重量%であると長期の保存においても粘度の変化が小さいために好ましく、他特性とのバランスを考慮すると、より好ましくは0.01〜0.5重量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.1重量%である。
1.6 インクの粘度
本発明のインクは、E型粘度計で測定した25℃における粘度が1〜200mPa・sであると、インクジェット印刷による塗布特性(ジェッティング精度など)が良好となるので好ましい。25℃におけるインクの粘度は、より好ましくは2〜50mPa・s、さらに好ましくは3〜20mPa・sである。
25℃における粘度が30mPa・s以上のインクを使用する場合は、インクジェットヘッドを加温して吐出時の粘度を下げると、より安定した吐出が可能になる。インクジェットヘッドを加熱してジェッティングを行う場合は、加熱温度(好ましくは40〜120℃)におけるインクジェット用インクの粘度は1〜30mPa・sが好ましく、2〜25mPa・sであればさらに好ましく、3〜20mPa・sが特に好ましい。
インクジェットヘッドを加温する場合、溶媒を含まないインクを用いることが好ましい。その場合、インクの粘度は、希釈剤(C)の種類と含有量を適宜選択することにより調整することが好ましい。インクジェットヘッドを加温しない場合、インクの粘度はインク総量の10重量%以下の溶媒を加えて調整することができる。
1.7 インクの保存
本発明のインクは、−20〜20℃で保存すると保存中の粘度変化が小さく、保存安定性が良好である。
2.インクジェット印刷方式によるインクの塗布
本発明のインクは、公知のインクジェット印刷方式を用いて塗布することができる。インクジェット塗布方法としては、例えば、インクに力学的エネルギーを作用させてインクをインクジェットヘッドから吐出(塗布)させる方法(いわゆるピエゾ方式)、及び、インクに熱エネルギーを作用させてインクを塗布させる塗布方法(いわゆるバブルジェット(登録商標)方式)等がある。
インクジェット塗布方法を用いることにより、インクを予め定められたパターン状に塗布することができる。これによって、必要な箇所だけにインクを塗布でき、フォトリソグラフィー法に比べて、コストの削減となる。
本発明のインクを用いて塗布を行うのに好ましい塗布ユニットは、例えば、これらのインクを収容するインク収容部と、インクジェットヘッドとを備えたインクジェットユニットが挙げられる。インクジェットユニットとしては、例えば、塗布信号に対応した熱エネルギーをインクに作用させ、前記エネルギーによりインク液滴を発生させるインクジェットユニットが挙げられる。
インクジェットヘッドとしては、例えば、金属及び/又は金属酸化物を含有する発熱部接液面を有するものである。前記金属及び/又は金属酸化物の具体例は、例えば、Ta、Zr、Ti、Ni、Al等の金属、及び、これらの金属の酸化物等が挙げられる。
本発明のインクを用いて塗布を行うのに好ましい塗布装置としては、例えば、インクが収容されるインク収容部を有するインクジェットヘッドの室内のインクに、塗布信号に対応したエネルギーを与え、前記エネルギーによりインク液滴を発生させる装置が挙げられる。
インクジェット塗布装置は、インクジェットヘッドとインク収容部とが分離されているものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いるものでもよい。また、インク収容部はインクジェットヘッドに対し分離可能又は分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもののほか、装置の固定部位に設けられて、インク供給部材、例えばチューブを介してインクジェットヘッドにインクを供給する形態のものでもよい。
また、インクジェットの吐出(塗布)温度は10〜120℃が好ましく、塗布温度におけるインクの粘度は、1〜30mPa・sであることが好ましい。
3.硬化膜の形成
本発明の硬化膜は、上述したインクをインクジェット印刷方式により基板表面に塗布した後に、必要に応じて、インクに紫外線や可視光線等の光を照射して得られる。
紫外線を照射する場合、照射する紫外線の量は、インクの組成に依存するが、ウシオ電機(株)製の受光器UVD−365PDを取り付けた積算光量計UIT−201で測定して、10〜1,000mJ/cm程度が好ましく、20〜800mJ/cm程度が好ましく、40〜500mJ/cm程度がさらに好ましい。また、照射する紫外線の波長は、200〜450nmが好ましく、220〜430nmがより好ましく、250〜400nmがさらに好ましい。
また、必要に応じて、光の照射により硬化した上記硬化膜をさらに加熱・焼成してもよく、特に、100〜250℃で10〜60分間加熱することが好ましく、120〜230℃で10〜60分間加熱することがより好ましく、150〜200℃で10〜60分間加熱することがさらに好ましい。
本発明に使用できる「基板」は、インクが塗布される対象となり得るものであれば特に限定されず、その形状は平板状に限られず、曲面状であってもよい。
また、基板を構成する素材は特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミドなどのプラスチックフィルム、セロハン、アセテート、金属箔、ポリイミドと金属箔の積層フィルム、目止め効果があるグラシン紙、パーチメント紙、またはポリエチレン、クレーバインダー、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース(CMC)などで目止め処理した紙、ガラスを挙げることができる。
これらの基板を構成する素材には、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲において、さらに、顔料、染料、酸化防止剤、劣化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤及び/又は電磁波防止剤などの添加剤を含んでもよい。また、基板の表面の一部には、基板と異なる材質が形成されていてもよい。
基板の用途も特に限定されないが、本発明のインクジェット用インクから得られる硬化膜は耐めっき性、耐熱性、難燃性、密着性、柔軟性に優れているため、基板表面に金属製の回路を有する電子回路基板等の製造に用いられることが好ましい。回路を形成する金属は、特に限定されるものではないが、金、銀、銅、アルミ又はITOが好ましい。
基板の厚さは、特に限定されないが、通常、10μm〜2mm程度であり、使用する目的により適宜調整されるが、15〜500μmが好ましく、20〜200μmがさらに好ましい。
基板の硬化膜を形成する面には、必要により撥水処理、コロナ処理、プラズマ処理、又はブラスト処理などの易接着処理を施したり、表面に易接着層やカラーフィルター用保護膜を設けたりしてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<インク及び硬化膜パターン形成基板の作製>
まず、実施例1〜3及び比較例1〜4に係るインク及びそれから得られた硬化膜パターン形成基板について説明する。なお、各インクの粘度はE型粘度計(東機産業(株)製 TV−22)を用いて25℃で測定した。
[実施例1]
ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)として、HP−7200HH(商品名;DIC(株)製)、化合物(B)として、ポリビニルフェノールであるマルカリンカーM S−2G(商品名;丸善石油化学(株)製、重量平均分子量:4,000−6,000)、希釈剤(C)として、テトラヒドロフルフリルメタクリレートであるSR−203(商品名;サートマー(株)製)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートであるSR―508(商品名;サートマー(株)製)、光重合開始剤(D)として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドであるDAROCUR TPO(商品名;チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、難燃剤(E)として、縮合9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10オキシドであるHFA−3003(商品名;昭和高分子(株)製)、重合禁止剤として、フェノチアジンを下記組成割合にて混合・溶解した後、PTFE製のメンブレンフィルター(1μm)でろ過し、インク1を調製した。
(A) HP−7200HH 10.00g
(B) マルカリンカーM S−2G 4.50g
(C) SR−203 50.00g
(C) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 7.50g
(C) SR―508 90.00g
(D) DAROCUR TPO 20.00g
(その他)フェノチアジン 0.05g
25℃のインク1の粘度は16.0mPa・sであった。
インクの吐出条件
インク1をインクジェットカートリッジに注入し、これをインクジェット装置(FUJIFILM Dimatix社製のDMP−2831)に装着し、10pl用のヘッド(DMC−11610)を用いて、吐出電圧(ピエゾ電圧)16V、ヘッド温度25℃、駆動周波数5kHz、塗布回数1回の吐出条件で、ポリイミドフィルム(厚さ12.5μm)であるカプトン50H(東レ・デュポン(株)製)上に所定のパターンを形成した。
塗膜の硬化条件
インク1の塗膜をパターン形成した基板に、UV露光(500mJ/cm)し、さらに200℃で30分間焼成し、該塗膜を硬化させることで、厚さ10μmの硬化膜パターンを形成した基板1を得た。なお、UV露光に使用した光源は超高圧水銀灯であり、露光量はウシオ電機(株)製の受光器UVD−365PDを取り付けた積算光量計UIT−201で測定した。
<インク及び硬化膜の評価>
ジェッティング特性の評価
上記の吐出条件下で吐出の様子を観察した。ジェッティング時の液柱が垂直方向に吐出され、サテライトは発生しなかった場合を「○」、液柱が隣の液柱と接触する、又はサテライトが発生した場合を「×」とした。結果を表1に示す。
光硬化性の評価
光硬化性を調べるために、インクを塗布した基板をUV露光(500mJ/cm)した後、指で触ってタック性が生じたか否かを確認した。タック性が生じなかった場合を「○」、タック性が生じた場合を「×」としたところ、結果は、表1のとおりであった。
なお、UV露光に使用した光源は超高圧水銀灯であり、露光量はウシオ電機(株)製の受光器UVD−365PDを取り付けた積算光量計UIT−201で測定した。
そり性の評価
そり性を評価するために、4cm×4cmのポリイミドフィルム(厚さ12.5μm)であるカプトン50H東レ・デュポン(株)製)上に、インクを3cm×3cmの正方形でインクジェット印刷を行った(膜厚10μm)後、UV露光(500mJ/cm)を行った。UV露光後、インク塗布されたポリイミドフィルムを熱硬化(200℃×30分)した。熱硬化後、1時間自然冷却した後、インク塗布面を上面として、ポリイミドフィルムの四端の高さを定規で測定した。四端の高さの平均値(n=4)が3mm以下の場合を「○」、3−10mmの場合を「△」、フィルムがカールして測定できないときには「×」としたところ、結果は、表1のとおりであった。なお、UV露光に使用した光源は超高圧水銀灯であり、露光量はウシオ電機(株)製の受光器UVD−365PDを取り付けた積算光量計UIT−201で測定した。
ここで、使用したポリイミドフィルム(カプトン50H)について説明しておく。東レ・デュポン株式会社のカタログによれば、芳香族四塩基酸と芳香族ジアミンとの縮重合により得られるポリイミドであり、その機械的性質は以下の通りであった。密度=1.42g・cm−3(測定法:ASTM D−1505)、引張強度=350MPa(測定法:JIS C 2318)、引張伸度=85%(測定法:JIS C 2318)、引張弾性率=3.50GPa(測定法:ASTM D−882)、引裂伝播抵抗=3.8N・mm−1(測定法=JIS P 8116)、端裂抵=200N・20mm−1(測定法:JIS C 2318)、3%伸び応力=80MPa(測定法:JIS C 2318)、50%伸び応力=260MPa(測定法:JIS C 2318)、衝撃強さ=240kg・cm・mm−1(測定法:JIS K 6745)、破壊強さ=5.3MPa(測定法:ASTM D774)。
ガラス転移温度(Tg)の測定
動的粘弾性測定装置DVE−V4((株)UBM製)を用いてtanδを測定し、tanδが最大となる点をガラス転移温度とした。硬化膜は、ポリイミドフィルム(厚さ50μm)であるカプトン200H(東レ・デュポン(株)製)上に、アプリケーターで塗膜し(膜厚約300μm)、UV露光(500mJ/cm)を行い、さらに200℃で30分間焼成して作成した。作成した硬化膜を、ポリイミドフィルムから剥がし、5mm×22mmの大きさに切り取り、試験片とした。なお、UV露光に使用した光源は超高圧水銀灯であり、露光量はウシオ電機(株)製の受光器UVD−365PDを取り付けた積算光量計UIT−201で測定した。ガラス転移温度の測定条件は、基本周波数10Hz、昇温速度5℃/minとした。結果は、表1の通りであった。
硬化膜のはんだ耐熱性の評価
硬化膜のはんだ耐熱性を評価するために、前述の基板1の表面にロジン系フラックス(商品名:NS−829、(株)日本スペリア製)を塗布して、260℃のはんだ浴中に30秒浸漬させ、剥離や膨れが生じたか否かを顕微鏡観察により調べた。剥離と膨れが全く生じなかった場合を「○」、剥離又は膨れが僅かでも生じた場合を「×」とした。結果を表1に示す。
[実施例2]
マルカリンカーM-2Gの代わりに、化合物(B)として、ヒドロキシフェニルメタクリレートを使用し、組成を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、インク2を調製した。
(A) HP−7200HH 10.00g
(B) ヒドロキシフェニルメタクリレート 6.50g
(C) SR−203 50.00g
(C) SR―508 10.00g
(D) DAROCUR TPO 10.00g
(その他)フェノチアジン 0.05g
25℃のインク2の粘度は17.2mPa・sであった。
インク2を用い、実施例1と同様の方法で、厚さ10μmの硬化膜パターンを形成した基板2を得た。また、前述の方法により、インク2及びその硬化膜を評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
マルカリンカーM-2Gの代わりに、化合物(B)としてフタル酸モノヒドロキシエチルメタクリレートを使用し、組成を以下のようにした以外は、実施例2と同様にして、インク3を調製した。
(A) HP−7200HH 10.00g
(B) フタル酸モノヒドロキシエチルメタクリレート 10.00g
(C) SR−203 50.00g
(C) SR―508 10.00g
(D) DAROCUR TPO 10.00g
(その他)フェノチアジン 0.05g
25℃のインク3の粘度は17.9mPa・sであった。
インク3を用い、実施例1と同様の方法で、厚さ10μmの硬化膜パターンを形成した基板3を得た。また、前述の方法により、インク3及びその硬化膜を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
HP−7200HHを使用せず、組成を以下のようにした以外は、実施例2と同様にして、インク4を調製した。
(B) ヒドロキシフェニルメタクリレート 6.50g
(C) SR−203 50.00g
(C) SR―508 10.00g
(D) DAROCUR TPO 10.00g
(その他)フェノチアジン 0.05g
25℃のインク4の粘度は3.0mPa・sであった。
インク4を用い、実施例1と同様の方法で、厚さ10μmの硬化膜パターンを形成した基板4を得た。また、前述の方法により、インク4及びその硬化膜を評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
HP−7200HHの代わりにジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂でないEP828EL(ジャパンエポキシレジン社製)を使用し、組成を以下のようにした以外は、実施例2と同様にして、インク5を調製した。
EP828EL 10.00g
(B) ヒドロキシフェニルメタクリレート 6.50g
(C) SR−203 50.00g
(C) SR―508 10.00g
(D) DAROCUR TPO 10.00g
(その他)フェノチアジン 0.05g
25℃のインク5の粘度は10.2mPa・sであった。
インク5を用い、実施例1と同様の方法で、厚さ10μmの硬化膜パターンを形成した基板5を得た。また、前述の方法により、インク5及びその硬化膜を評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
HP−7200HHとヒドロキシフェニルメタクリレートの代わりにジシクロペンタジエン型のジアクリレートであるIRR214―K(ダイセル・サイテック社製)を使用し、組成を以下のようにした以外は、実施例2と同様にして、インク6を調製した。
IRR214−K 10.00g
(C) SR−203 50.00g
(C) SR―508 10.00g
(D) DAROCUR TPO 10.00g
(その他)フェノチアジン 0.05g
25℃のインク6の粘度は13.3mPa・sであった。
インク6を用い、実施例1と同様の方法で、厚さ10μmの硬化膜パターンを形成した基板6を得た。また、前述の方法により、インク6及びその硬化膜を評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
ヒドロキシフェニルメタクリレートを使用せず、組成を以下のようにした以外は、実施例2と同様の組成で、インク7を調製した。
(A) HP−7200HH 10.00g
(C) SR−203 50.00g
(C) SR―508 10.00g
(D) DAROCUR TPO 10.00g
(その他)フェノチアジン 0.05g
25℃のインク7の粘度は16.0mPa・sであった。
インク7を用い、実施例1と同様の方法で、厚さ10μmの硬化膜パターンを形成した基板7を得た。また、前述の方法により、インク7及びその硬化膜を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005862901
表1に示す結果から明らかなように、本発明にかかる実施例1〜3、比較例1〜4のすべてで、ジェッティング時の液柱が垂直方向に吐出され、サテライトは発生せず、インクの吐出性は良好であった。
フェノール性水酸基を含む化合物及びカルボキシル基を含む化合物を含む化合物(B)を含まない比較例4では、光硬化性が悪く、タック性があったため、以降の評価は中止した。
ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂を含まない比較例1では、反り性は良好であったが、ガラス転移温度が低く、はんだ耐熱性が悪かった。
ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂の代わりにビスフェノールA型のエポキシ樹脂を使用した比較例2では、反り性は良好であったが、ガラス転移温度が低く、はんだ耐熱性が悪かった。
ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂の代わりに、ジシクロペンタジエン型のジアクリレートを使用した比較例3では、ガラス転移温度は90℃以上で、はんだ耐熱性は良好であったが、反り性がやや悪く、基板の四端に反り上がりが見られた。
以上説明したように、本発明によれば、インクの吐出性、光硬化性、反りが低減され、はんだ耐熱性の優れ、高ガラス転移温度のインクジェット用インクを得ることができる。
本発明のインクジェット用インクは、例えば表示素子や電子回路基板に用いることができる。

Claims (15)

  1. ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)およびフェノール性水酸基を有することを特徴とする化合物(B)としてポリビニルフェノールを含み、さらに、希釈剤(C)としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート及びジプロピレングリコールジアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むインクジェット用インクであって、該インクジェット用インクを4cm角の正方形ポリイミドフィルムであるカプトン50H(商品名:東レ・デュポン(株))(厚さ12.5μm)上の中心部にインクジェット塗布することにより、3cm角の正方形の塗膜を形成し、該塗膜を超高圧水銀灯を用いUV露光(500mJ/cm )を行い、その後、熱(200℃×30分)で硬化させることにより得られた硬化膜(膜厚10μm)を有するポリイミドフィルムの四端の反り高さの平均値が3mm以下であり、該インクジェット用インクから得られた硬化膜のガラス転移温度が90℃以上である、インクジェット用インク。
  2. ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)が、一分子中にグリシジルエーテル結合を少なくとも一つとジシクロペンタジエニル基を少なくとも一つを有しているジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂である請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)が、下記式(1)で表される、請求項1または2に記載のインクジェット用インク。

    Figure 0005862901

    (式中、R、RおよびRは独立して、炭素数1〜10の有機基であり、R、RおよびRは独立して、水素、炭素数1〜12のアルキル、またはハロゲンであり、nは0以上10までの整数である)
  4. ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)が、下記式(2)で表される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。

    Figure 0005862901

    (式中、nは0以上10までの整数である)
  5. 希釈剤(C)の25℃の粘度が0.1〜100mPa・sである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  6. さらに光重合開始剤(D)を含む請求項に記載のインクジェット用インク。
  7. 光重合開始剤(D)が、アシルフォスフィンオキサイド系、アルキルフェノン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1つの化合物である請求項に記載のインクジェット用インク。
  8. ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂(A)が式(1)で表されるエポキシ樹脂であり、フェノール性水酸基を有することを特徴とする化合物(B)としてポリビニルフェノールを含み、光重合開始剤(D)が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドであり、重合禁止剤としてフェノチアジンを含有する、請求項のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
  9. 25℃の粘度が1〜200mPa・sである、請求項1〜のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
  10. 25℃の粘度が1〜30mPa・sである、請求項1〜のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェット用インクを塗布し、光および/または熱によって硬化させる、硬化膜形成方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット用インクから得られる硬化膜。
  13. パターン状に形成されている、請求項12に記載の硬化膜。
  14. 基板上に請求項12又は13に記載された硬化膜が形成された電子回路基板。
  15. 請求項14に記載された電子回路基板を有する電子部品。
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