JP5540463B2 - 光硬化性組成物 - Google Patents

光硬化性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5540463B2
JP5540463B2 JP2007196226A JP2007196226A JP5540463B2 JP 5540463 B2 JP5540463 B2 JP 5540463B2 JP 2007196226 A JP2007196226 A JP 2007196226A JP 2007196226 A JP2007196226 A JP 2007196226A JP 5540463 B2 JP5540463 B2 JP 5540463B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
general formula
ink
inkjet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007196226A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009029956A (ja
Inventor
弘幸 佐藤
佳宏 出山
彰 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
JNC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JNC Corp filed Critical JNC Corp
Priority to JP2007196226A priority Critical patent/JP5540463B2/ja
Publication of JP2009029956A publication Critical patent/JP2009029956A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5540463B2 publication Critical patent/JP5540463B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

本発明は光硬化性組成物、及び該組成物を用いた光硬化性インクジェット用インクに関し、具体的には、液晶表示素子、EL表示素子、プリント配線基板などを製造するために用いられる光硬化性インクジェット用インクに関する。さらに本発明は、光硬化性組成物及び光硬化性インクジェット用インクにより得られる硬化膜(パターン化された硬化膜を含む)、硬化膜形成方法、および、硬化膜が形成された電子回路基板、表示素子に関する。
パターン化された硬化膜は、例えば、スペーサー、絶縁膜、保護膜など液晶表示素子の多くの部分で使用されており、これまでに多くの光硬化性組成物がこの用途に提案されてきた。近年は、硬化膜に要求される特性の高度化が進み、例えば液晶表示素子に使用されるスペーサーにおいては、荷重をかけたときのパターンの縮み具合と荷重を除去したときの復元率(以後、この特性を圧縮特性と呼ぶ)が、液晶ディスプレイの不良と大きくかかわっていることが明らかになってきた。このため、よく縮み、復元率の高い、つまり圧縮特性が良好である材料が求められるようになっている。(例えば、特許文献1:特開2004−287232公報、特許文献2:特開2006−126397公報、特許文献3:特開2004−264384公報を参照)
これらの光硬化性組成物を用いてパターン化された硬化膜を作成する方法は、所望のパターンを有するマスクを介して紫外線を照射し、紫外線の当たっていない部分を現像により除去する、フォトリソグラフィ法である。しかしながら、この方法では露光機、現像機等を備えた専用ラインが必要であり、設備投資も大きな金額になる。また、現像処理の精度などが原因で、高精細なパターンが得られないなどの問題もある。
このような状況の下、近年では設備投資金額が少ない、現像液を使用しない、材料の使用効率が高い等の長所を持つインクジェット法が提案され、これに使用する組成物(インクジェット用インク)も提案されている(例えば、特開2003−302642号公報(特許文献4)を参照)。また、インクジェット法に使用される光硬化性インクジェト用インクも提案されている(例えば、WO2004/099272号パンフレット(特許文献5)、特開2006−282757号公報(特許文献6)、特開2006−307152号公報(特許文献7)等を参照)。
しかしながら、これらの光硬化性インクジェット用インクで形成されたパターンでは復元率が低いため、液晶表示素子に使用されるスペーサーとしての圧縮特性を満足させることはできなかった。
特開2004−287232号公報 特開2006−126397号公報 特開2004−264384号公報 特開2003−302642号公報 WO2004/099272号パンフレット 特開2006−282757号公報 特開2006−307152号公報
上記の状況の下、インクジェット法で高精細なパターンの形成が可能で、得られるパターンの圧縮特性が液晶表示素子に用いられるスペーサーとしての特性を満足することができる光硬化性インクジェット用インクが求められている。また、光硬化性インクジェット用インクを用いて、フレキシブル基板上にも形成できる柔軟性を有する膜を形成することが求められている。
本発明者等は、特定の構造を有する化合物またはその縮合物とヒドロキシを有する重合性モノマーと光重合開始剤を含む光硬化性組成物及びこれを用いたインクジェット用インクを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
本発明は以下のような光硬化性組成物等を提供する。なお、本明細書中、アクリレートとメタクリレートの両者を示すために「(メタ)アクリレート」のように表記することがある。
[1] 下記一般式(1)で表される化合物あるいはその縮合物(A)と、ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含む光硬化性組成物。
Figure 0005540463
(式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアミノ、または置換されていてもよいフェニルである。)
[2] R1〜R3の少なくとも1つが下記一般式(2)で表される基である、上記[1]に記載の光硬化性組成物。
Figure 0005540463
(式(2)中、R4、R5は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル、アクリロイル、メタクリロイル、または置換されていてもよいフェニルである。)
[3] R1〜R3の全てが上記一般式(2)で表される基であり、かつR4、R5は、それぞれ独立して、水素、またはメチルである、上記[2]に記載の光硬化性組成物。
[4] R4、R5がともにメチルである、上記[3]に記載の光硬化性組成物。
[5] 光重合開始剤(C)が、下記一般式(3)または下記一般式(4)で表される化合物である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
Figure 0005540463
(式(3)又は(4)中、R11〜R25は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜5のアルキルまたは置換されていてもよいフェニルである。)
[6] ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)が、単官能重合性モノマーである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[7] ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)が、下記一般式(5)で表される化合物である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
Figure 0005540463
(式(5)中、R6は水素または炭素数1〜3のアルキルであり、R7は環状構造を有していてもよい炭素数2〜12のアルキレンであり、nは1〜30の整数である。)
[8] 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1以上であるヒドロキシを有する重合性モノマー(B)と、下記一般式(3)または下記一般式(4)で表される光重合開始剤(C)とを含む、上記[7]に記載の光硬化性組成物。
Figure 0005540463
(式(3)中、R11、R13、R15、R16、R18およびR20がメチルであり、R12、R14、R17、R19およびR21〜R25が水素である。また、式(4)中、R16、R18およびR20がメチルであり、R11〜R15、R17、R19およびR21〜R25が水素である。)
[9] さらに、多官能(メタ)アクリレート(D)を含む、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[10] さらに、エポキシ樹脂(E)を含む、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[11] インクジェット用インクである、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[12] 上記[1]〜[11]のいずれかに記載の光硬化性組成物を用いて形成された硬化膜。
[13] 所定のパターンで形成されている、上記[12]に記載の硬化膜。
[14] スペーサーである、上記[13]に記載の硬化膜。
[15] 基板上に、上記[12]〜[14]のいずれかに記載された硬化膜を有する、電子回路基板。
[16] 上記[15]に記載された電子回路基板を有する電子部品。
[17] 上記[12]〜[14]のいずれかに記載された硬化膜を有する、表示素子。
[18] 上記[11]に記載された光硬化性インクジェット用インク組成物をインクジェット法によって塗布する工程と、当該塗膜に光を照射することによって硬化膜を形成する工程とを含む、硬化膜形成方法。
本発明の好ましい態様に係る光硬化性組成物は、例えばインクジェット用インクとして応用することができ、該インクジェット用インクは、例えば、インクジェット法で高精細なパターンの形成が可能である。また、得られるパターンの圧縮特性が優れているため、例えば液晶表示素子に用いられるスペーサーとして用いることができる。また、本発明の好ましい態様に係るインクジェット用インクを用いると、フレキシブル基板上にも形成できる柔軟性を有する硬化膜を形成できる。
1 光硬化性組成物及び光硬化性インクジェット用インク
本発明の光硬化性組成物は、少なくとも上記一般式(1)で表される化合物あるいはその縮合物(A)と、ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含む光硬化性組成物である。
上記光硬化性組成物は、上記一般式(1)で表される化合物あるいはその縮合物(A)と、ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含めば特に限定されないが、さらに、たとえば多官能(メタ)アクリレート(D)、エポキシ樹脂(E)、溶媒、重合禁止剤、アルカリ可溶性ポリマー、着色剤等を添加することができる。
上記光硬化性組成物を構成するいずれかの成分は、その合成時に溶媒を用いる場合がある。また、上記光硬化性組成物を構成する各成分の混合状態を均一にするため、一度、溶媒に各成分を溶解又は分散させる場合がある。これらの場合には、使用した溶媒をそのまま残してハンドリング性等を考慮した液状やゲル状の組成物としてもよいし、この溶剤を除去して運搬性などを考慮した固形状の組成物としてもよい。
光硬化性インクジェット用インクは、無色であっても、有色であってもよい。一般的に「インク」とは、筆記や印刷などに用いる有色の液体を意味することが多く、本発明の光硬化性インクジェット用インクもこの意味の用途として用いてもよいが、例えば、スペーサーを形成する用途に用いる場合には、特に有色である必要はなく無色であってもよい。上記光硬化性組成物の粘度をインクジェットヘッドからの吐出に適した粘度に調整することで得ることができる。
光硬化性インクジェット用インクのインクジェットヘッドからの吐出時の粘度は、吐出を安定させるため、好ましくは2〜50mPa・sであり、より好ましくは3〜30mPa・sであり、さらに好ましくは4〜25mPa・sである。室温での光硬化性インクジェット用インクの粘度が例えば50mPa・s以上などの不適当な粘度である場合は、インクジェットヘッドを加温してインクの粘度を下げ、2〜50mPa・sの範囲又は上記各好ましい範囲に入るように調整するのがよい。
また、インクジェットヘッドを加温した場合は、乾燥によるインクジェットヘッドの詰まりを防止するために、溶媒を使わないか、あるいは沸点200℃以上の高沸点溶媒を光硬化性インクジェット用インクの20重量%以下(好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下)で使用するとよい。
上記光硬化性インクジェット用インクは、−20〜20℃(好ましくは−10〜10℃であり、より好ましくは0〜5℃である)で保存すると粘度変化が小さく、保存安定性が良好である。
以下に本発明の光硬化性組成物を構成する各成分について説明する。
1.1 上記一般式(1)で表される化合物またはその縮合物(A)
光硬化性組成物は、少なくとも上記一般式(1)で表される化合物またはその縮合物(A)を含む。上記一般式(1)で表される化合物またはその縮合物(A)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。上記一般式(1)で表される化合物の縮合物とは、例えば、R1〜R3の少なくとも1つが、例として上記一般式(2)で表されるような縮合性官能基(一般式(2)ではアルコキシ)を有していて、該官能基が縮合反応してできた縮合物である。したがって、R1〜R3のいずれもが縮合性官能基を有さない場合には、「縮合物」との選択肢は除かれる。
上記一般式(1)のR1〜R3における、「置換されていてもよいアミノ」とは、アミノの任意の水素が独立に、置換基で置き換えられていてもよいものをいう。置換基が2個である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
「置換されていてもよいアミノ」における置換基の例としては、制限するわけではないが、炭素数1〜10の炭化水素(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、炭素数1〜10のアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、炭素数6〜10のアリールオキシ(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、末端以外の任意のメチレンが酸素原子に置き換わった炭素数1〜10の炭化水素、ヒドロキシを有する炭素数1〜10の炭化水素、ヒドロキシ、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリルなどを挙げることができる。
上記一般式(1)のR1〜R3における、「置換されていてもよいフェニル」とは、フェニルの任意の水素が独立に、置換基で置き換えられていてもよいものをいう。水素が置換基で置き換えられている場合、好ましい置換基数は1〜4であり、より好ましい置換基数は2〜3であり、置換基数が2以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
「置換されていてもよいフェニル」における置換基の例としては、制限するわけではないが、炭素数1〜10の炭化水素(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、炭素数1〜10のアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、炭素数6〜10のアリールオキシ(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリルなどを挙げることができる。
上記式(1)のR1〜R3における「置換されていてもよいアミノ」として、好ましいものは、「末端以外の任意のメチレンが酸素原子に置き換わった炭素数1〜10の炭化水素」で置換されたアミノであり、中でも、上記一般式(2)で表されるアミノである。
上記一般式(2)のR4,R5における「炭素数1〜5のアルキル」の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル等を挙げることができる。
上記一般式(2)のR4,R5における「置換されていてもよいフェニル」とは、上記式(1)のR1〜R3における「置換されていてもよいフェニル」と同じものがあげられ、同じものが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物またはその縮合物(A)の具体例としては、メラミン、メチロールメラミン、エーテル化メチロールメラミン、ベンゾグアナミン、メチロールベンゾグアナミン、エーテル化メチロールベンゾグアナミン、およびそれらの縮合物を挙げることができる。中でも、得られる硬化膜の圧縮特性が良好であることから、エーテル化メチロールメラミンが好ましく、さらに、上記一般式(1)においてR1〜R3の全てが上記一般式(2)で表される基であり、かつR4、R5がともにメチルである化合物が特に好ましい。本化合物およびその縮合物の混合物は、三和ケミカル(株)製のニカラック(商品名)MW−30Mとして市販されている。
上記一般式(1)で表される化合物またはその縮合物(A)は、光硬化性組成物中に2〜40重量%含まれると、得られる硬化膜の復元率が高いので好ましく、5〜30重量%であるとより好ましい。
1.2 ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)
ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)は、ヒドロキシを有する重合性の化合物であれば特に限定されない。ヒドロキシは加熱により上記化合物(A)と反応して硬化膜の復元率を高める効果を有する。
ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)は、重合性官能基(炭素間二重結合、炭素間三重結合を含む)を少なくとも1つ有することが好ましい(1つ有する場合を単官能重合性モノマーという)。ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)の好ましい例としては、ヒドロキシと1つの炭素間二重結合を有する重合性モノマー、ヒドロキシと2つの炭素間二重結合を有する重合性モノマー、ヒドロキシと3つ以上の炭素間二重結合を有する重合性モノマーを挙げることができる。ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)は、上記一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式(5)のR7における「環状構造を有していてもよい炭素数2〜12のアルキレン」としては、エチレン、プロピレン、ブチレン又は下記式の構造があげられる。また、上記一般式(5)のnは1〜30の整数であり、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1である。
Figure 0005540463
ヒドロキシと1つの炭素間二重結合を有する重合性モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ヒドロキシと2つの炭素間二重結合を有する重合性モノマーの具体例としては、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、グリセロールジアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ヒドロキシと3つ以上の炭素間二重結合を有する重合性モノマーの具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの中でも、光硬化性インクジェット用インクに応用した場合の吐出安定性の観点から、ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)は、ヒドロキシと1つの炭素間二重結合を有する重合性モノマーが好ましく、特に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートが好ましい。
ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)は、光硬化性組成物中に20〜90重量%含まれると、光硬化性インクジェット用インクとした場合のインクジェットヘッドからの吐出が安定するので好ましく、30〜80重量%であるとより好ましい。
1.3 光重合開始剤(C)
光重合開始剤(C)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
光重合開始剤(C)の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等を挙げることができる。
また、光重合開始剤(C)の具体例としては、上記一般式(3)で表される化合物、上記一般式(4)で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(3)又は(4)のR11〜R25における「炭素数1〜5のアルキル」及び「置換されていてもよいフェニル」としては、上記一般式(1)及び(2)における説明を援用することができる。
これらの中でも、紫外線の照射量が少なくても十分硬化する(高感度である)点から、上記一般式(3)で表される化合物および上記一般式(4)で表される化合物が好ましく、特にビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド[(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製)IRGACURE(商品名)819、以下、「I−819」という]、および2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド[(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製)DAROCUR(商品名)TPO、以下、「TPO」という]が好ましい。
ここで、「I−819」は上記一般式(3)において、R11、R13、R15、R16、R18およびR20がメチルであり、R12、R14、R17、R19およびR21〜R25が水素である化合物であり、「TPO」は上記一般式(4)において、R16、R18およびR20がメチルであり、R11〜R15、R17、R19およびR21〜R25が水素である化合物である。
光重合開始剤(C)は、光硬化性組成物中に0.2〜20重量%含まれると、光硬化性インクジェット用インクとした場合に高感度となるから好ましく、0.5〜15重量%であるとより好ましい。
また、光重合開始剤(C)において、上記一般式(3)および上記一般式(4)で表される化合物の割合が20重量%以上であると高感度となるので好ましく、上記割合が50重量%以上であると、さらに好ましい。
1.3 多官能(メタ)アクリレート(D)
光硬化性組成物には、光感度を高める観点から多官能(メタ)アクリレート(D)を含んでもよく、特にヒドロキシを有しない多官能(メタ)アクリレートであるとよい。多官能(メタ)アクリレート(D)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
ヒドロキシを有しない多官能(メタ)アクリレート(D)の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、およびカプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート等である。
これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、およびカプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレートから選ばれる1つ以上を含有していると、照射光に対して高感度であるので好ましい。
多官能(メタ)アクリレート(D)は、光硬化性組成物中に2〜40重量%含まれると、光硬化性インクジェット用インクとした場合に光に対して高感度であるため好ましく、5〜20重量%であるとより好ましい。
1.5 エポキシ樹脂(E)
光硬化性組成物は、さらにエポキシ樹脂(E)を含んでもよい。エポキシ樹脂(E)を含むと、得られた硬化膜の耐久性が向上するため好ましい。エポキシ樹脂(E)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。エポキシ樹脂(E)は、オキシランを有すれば特に限定されないが、オキシランを2つ以上有する化合物が好ましい。
エポキシ樹脂(E)の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂の具体例としては、商品名「エピコート807」、「エピコート815」、「エピコート825」、「エピコート827」、「エピコート828」、「エピコート190P」、「エピコート191P」(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、商品名「エピコート1004」、「エピコート1256」(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、商品名「アラルダイトCY177」、「アラルダイトCY184」(日本チバガイギー(株)製)、商品名「セロキサイド2021P」、「EHPE−3150」(ダイセル化学工業(株)製)、[商品名「テクモアVG3101L」(三井化学(株)製)]などを挙げることができる。
これらの中でも、「エピコート1004」、「アラルダイトCY184」、「セロキサイド2021P」、「テクモアVG3101L」を用いると、光硬化性組成物から得られる硬化膜の耐久性が高いので好ましい。
エポキシ樹脂(E)は、光硬化性組成物中に0.5〜30重量%含まれると、得られる硬化膜の耐久性が高いので好ましく、1〜20重量%であるとより好ましい。
1.6 その他の成分
光硬化性組成物は、インクジェット用インクとした場合のインクの吐出特性、保存安定性や、形成される膜の耐久性等を向上させるために、溶媒、重合禁止剤、アルカリ可溶性ポリマー、着色剤等を含むことができる。これらの成分は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
1.6.1 溶媒
光硬化性組成物は、インクジェット用インクとした場合のインクの吐出特性を向上させるために溶媒を含んでもよい。この溶媒としては沸点が100℃以上の溶媒が好ましい。
室温でのインクジェット用インクの粘度が50mPa・s以上である場合には、ジェッティング温度を高くすることが好ましいが、この場合には含まれる溶媒の沸点は200℃以上であることが好ましい。
沸点が100℃以上である溶媒の具体例としては、水、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、アニソール、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。
これらの溶媒の中でも、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等を用いると、インクの吐出が安定するので好ましい。
溶媒は、光硬化性組成物中に0〜50重量%含まれると、光硬化性インクジェット用インクとした場合の吐出が安定するので好ましく、より好ましくは0〜20重量%である。
1.6.2 重合禁止剤
光硬化性組成物は、保存安定性を向上させるために重合禁止剤を含んでもよい。
重合禁止剤の具体例としては、4−メトキシフェノール、ヒドロキノン、フェノチアジン等を挙げることができる。これらの中でも、ジェッティング時にインクジェットヘッドを加熱した場合のインクの粘度変化を最小にする観点から、重合禁止剤としてフェノチアジンを用いることが好ましい。
重合禁止剤は、光硬化性組成物をインクジェット用インクとした場合の保存安定性と光に対する高感度性とを両立させるという観点から、光硬化性組成物中に0.01〜1重量%含まれることが好ましい。
1.6.3 アルカリ可溶性ポリマー
光硬化性組成物は、アルカリ可溶性ポリマーを含んでもよい。
アルカリ可溶性ポリマーを含む光硬化性組成物をインクジェット用インクとした場合には、例えば、パターニングをインクジェットで行い、パターン以外の部分をエッチング等で処理した後に、パターンをアルカリで剥離する使用方法(エッチングレジスト)として使用することができる。
アルカリ可溶性ポリマーは、5重量%のNaOH水溶液100g(50℃)に0.1g以上溶解するポリマーであれば特に限定しないが、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマーの重合体、または、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーの共重合体が好ましい。
アルカリ可溶性ポリマーの具体例としては、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、ベンジルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、ベンジルメタクリレート/5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルペンチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体の開環物等が挙げられる。これらの中でも、ベンジルメタクリレート/5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルペンチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体を添加した光硬化性組成物は、このインクジェット用インクから形成される硬化膜の耐酸性が高く、かつ、アルカリ液で容易に除去可能であるから、電子回路基板を製作するためのエッチングレジスト用のインクジェット用インクとして好ましい。
得られる硬化膜の耐酸性が高く、かつ、アルカリ液で除去可能とする性質を付与するためには、アルカリ可溶性ポリマーは光硬化性組成物中に1〜20重量%含まれることが好ましい。
1.6.4 着色剤
光硬化性組成物は、着色剤を含んでいてもよく、この場合、例えば、得られる硬化膜の状態を検査する際に基板との識別を容易にすることができる。着色剤は、光硬化性組成物中に0.1〜10重量%程度、好ましくは0.2〜5重量%程度含んでもよい。形成される硬化膜の耐熱性の観点から、着色剤は顔料であることが好ましい。
2 インクジェット方法によるインクジェット用インクの塗布
本発明の光硬化性インクジェット用インクは、公知のインクジェット方法で塗布する工程を有するインクジェット塗布方法に用いることができる。インクジェット塗布方法としては、例えば、インクに力学的エネルギーを作用させてインクを塗布させる方法(いわゆるピエゾ方式)、および、インクに熱エネルギーを作用させてインクを塗布させる塗布方法(いわゆるバブルジェット(登録商標)方式)等がある。
インクジェット塗布方法を用いることにより、インクジェット用インクを予め定められたパターン状に塗布することができる。これによって、必要な箇所だけにインクを塗布でき、フォトリソグラフィ法に比べて、コストの削減となる。
本発明の光硬化性インクジェット用インクを用いて塗布を行うのに好ましい塗布ユニットは、例えば、これらのインクを収容するインク収容部と、塗布ヘッドとを備えた塗布ユニットが挙げられる。塗布ユニットとしては、例えば、塗布信号に対応した熱エネルギーをインクに作用させ、前記エネルギーによりインク液滴を発生させる塗布ユニットが挙げられる。
塗布ヘッドとしては、例えば、金属および/または金属酸化物を含有する発熱部接液面を有するものである。前記金属および/または金属酸化物の具体例は、例えば、Ta、Zr、Ti、Ni、Al等の金属、および、これらの金属の酸化物等が挙げられる。
本発明の光硬化性インクジェット用インクを用いて塗布を行うのに好ましい塗布装置としては、例えば、インクが収容されるインク収容部を有する塗布ヘッドの室内のインクに、塗布信号に対応したエネルギーを与え、前記エネルギーによりインク液滴を発生させる装置が挙げられる。
インクジェット塗布装置は、塗布ヘッドとインク収容部とが分離されているものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いるものでもよい。また、インク収容部は塗布ヘッドに対し分離可能または分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもののほか、装置の固定部位に設けられて、インク供給部材、例えばチューブを介して塗布ヘッドにインクを供給する形態のものでもよい。
3 硬化膜の形成
本発明の硬化膜は、公知のインクジェット塗布方法を用いて上記インクジェット用インクを基板の表面に吐出した後に、インクに紫外線や可視光線等の光を照射して得られる。光が照射された部分のインクはアクリルモノマーの重合により三次元化架橋体となって硬化し、インクの広がりを効果的に抑えられる。したがって、上記インクジェット用インクを用いると、高精細なパターンの描画が可能になる。インクジェット用インクの組成に依存するが、照射する光として紫外線を用いた場合には、照射する紫外線の量は、ウシオ電機(株)製の受光器UVD−405PDを取り付けた積算光量計UIT−201で測定して、10〜1,000mJ/cm2程度が好ましい。
また、必要に応じて、光の照射により硬化した上記硬化膜をさらに加熱・焼成してもよく、特に、120〜250℃で10〜60分間加熱することが好ましい。
基板は、上記インクジェット用インクが塗布される対象となり得るものであれば特に限定されず、その形状は平板状に限られず、曲面状であってもよい。
また、基板の材質は特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックフィルム、セロハン、アセテート、金属箔、ポリイミドと金属箔の積層フィルム、目止め効果があるグラシン紙、パーチメント紙、あるいはポリエチレン、クレーバインダー、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース(CMC)などで目止め処理した紙、ガラスなどを挙げることができる。
なお、これらの基板を構成する物質には、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲において、さらに、顔料、染料、酸化防止剤、劣化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤及び/又は電磁波防止剤等の添加剤を含んでもよい。
基板の厚さは、特に限定されないが、通常、10μm〜2mm程度であり、使用する目的により適宜調整されるが、15〜500μmが好ましく、20〜200μmがさらに好ましい。
基板における硬化膜を形成する面には、必要により撥水処理、コロナ処理、プラズマ処理、ブラスト処理等の易接着処理を施したり、表面に易接着層やカラーフィルター用保護膜を設けてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[実施例1]
下記各成分を混合溶解し、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、光硬化性インクジェット用インクを調製した。25℃での該インクの粘度は19mPa・sであった。
(A)ニカラックMW−30M 20.00g
(B)4−ヒドロキシブチルアクリレート 110.00g
(C)I−819 3.00g
(C)TPO 2.00g
(D)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20.00g
(重合禁止剤)フェノチアジン 0.05g
この光硬化性インクジェット用インクをインクジェットカートリッジに注入し、インクジェット装置DMP−2811(商品名、Dimatix社製)に装着し、厚さ1.5μmのカラーフィルター用保護膜を形成したガラス基板上の5mm×10mmの範囲に100個のドットパターンを形成した。インクジェットヘッドからの1回の吐出量は10pL、ドットパターンは1回の吐出で1個形成した。ジェッティング温度は30℃とした。なお、30℃での該インクの粘度は16mPa・sであった。また、使用したカラーフィルター用保護膜は、ガラス基板上に、チッソ(株)製リクソンコートPIG−7414−005をスピンコーターで800rpm、10秒間塗布し、オーブンにおいて220℃で30分間焼成することで形成した。
ドットパターンの形成後、この基板を、(株)トプコン製のプロキシミティー露光機TME−400PRCを使用して露光した。露光量はウシオ電機(株)製の受光器UVD−405PDを取り付けた積算光量計UIT−201で測定して30mJ/cm2とした。この基板を220℃で30分間焼成し、高さ6.21μm、直径63μmのドットパターンを形成したガラス基板を得た。
このドットパターンに、島津製作所(株)製のダイナミック微小硬度計DUH−W201Sで、平面圧子を用いて負荷−除荷試験を行った。負荷速度2.2mN/秒で負荷を増加させ、最大負荷を50mN、最大負荷での保持時間を5秒とした後、除荷速度0.4mN/秒で負荷を減少させ、最終負荷は1mNとした。最初に負荷が1mNとなったときの変位をL0、最大負荷50mNで5秒保持したときの変位をL1、最終負荷1mNでの変位をL2としたとき、最大変位量LMAX(μm)と復元率R(%)は、以下の式で表される。
MAX=L1−L0
R=(L1−L2)×100/(L1−L0
実施例1で得られたドットパターンの最大変位量LMAXは2.32μm、復元率Rは68%であった。
[比較例1]
下記各成分を混合溶解し、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、光硬化性インクジェット用インクを調製した。25℃での該インクの粘度は18mPa・sであった。
(B)4−ヒドロキシブチルアクリレート 115.00g
(C)I−819 3.00g
(C)TPO 2.00g
(D)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 40.00g
(重合禁止剤)フェノチアジン 0.05g
この光硬化性インクジェット用インクを用いて実施例1と同様にして、高さ6.18μm、直径64μmのドットパターンを形成したガラス基板を得た。なお、30℃での該インクの粘度は15mPa・sであった。
このドットパターンで、実施例1と同様の負荷−除荷試験を行ったところ、比較例1で得られたドットパターンの最大変位量LMAXは1.47μm、復元率Rは42%であった。
実施例1の硬化膜は比較例1の硬化膜に比べ、最大変位量LMAXおよび復元率Rともに大きいことから、柔軟性に優れていることが判る。
本発明の光硬化性組成物及びこれを用いた光硬化性インクジェット用インクは、例えば、液晶ディスプレイのスペーサーやその保護膜、フレキシブル配線基板用絶縁膜、およびこれらを用いた電子部品に使用することができる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物あるいはその縮合物(A)と、ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含む光硬化性組成物を用いた、インクジェット用インク。
    Figure 0005540463
    (式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアミノ、または置換されていてもよいフェニルである。)
  2. 〜Rの少なくとも1つが下記一般式(2)で表される基である、請求項1に記載のインクジェット用インク。
    Figure 0005540463
    (式(2)中、R、Rは、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜5のアルキル、アクリロイル、メタクリロイル、または置換されていてもよいフェニルである。)
  3. 〜Rの全てが上記一般式(2)で表される基であり、かつR、Rは、それぞれ独立して、水素、またはメチルである、請求項2に記載のインクジェット用インク。
  4. 、Rがともにメチルである、請求項3に記載のインクジェット用インク。
  5. 光重合開始剤(C)が、下記一般式(3)または下記一般式(4)で表される化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インク。
    Figure 0005540463
    (式(3)又は(4)中、R11〜R25は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜5のアルキルまたは置換されていてもよいフェニルである。)
  6. ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)が、単官能重合性モノマーである、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用インク。
  7. ヒドロキシを有する重合性モノマー(B)が、下記一般式(5)で表される化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用インク。
    Figure 0005540463
    (式(5)中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルであり、Rは環状構造を有していてもよい炭素数2〜12のアルキレンであり、nは1〜30の整数である。)
  8. 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1以上であるヒドロキシを有する重合性モノマー(B)と、下記一般式(3)または下記一般式(4)で表される光重合開始剤(C)とを含む、請求項7に記載のインクジェット用インク。
    Figure 0005540463
    (式(3)中、R11、R13、R15、R16、R18およびR20がメチルであり、R12、R14、R17、R19およびR21〜R25が水素である。また、式(4)中、R16、R18およびR20がメチルであり、R11〜R15、R17、R19およびR21〜R25が水素である。)
  9. さらに、多官能(メタ)アクリレート(D)を含む、請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット用インク。
  10. さらに、エポキシ樹脂(E)を含む、請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット用インク。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載されたインクジェット用インクをインクジェット法によって塗布する工程と、当該塗膜に光を照射することによって硬化膜を形成する工程とを含む、硬化膜形成方法。
JP2007196226A 2007-07-27 2007-07-27 光硬化性組成物 Active JP5540463B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007196226A JP5540463B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 光硬化性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007196226A JP5540463B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 光硬化性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009029956A JP2009029956A (ja) 2009-02-12
JP5540463B2 true JP5540463B2 (ja) 2014-07-02

Family

ID=40400816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007196226A Active JP5540463B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 光硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5540463B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110305297B (zh) * 2019-07-16 2021-08-06 中国石油大学(华东) 一种热固型环氧树脂形状记忆聚合物的制备方法与应用

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05178947A (ja) * 1991-12-25 1993-07-20 Taiyo Ink Seizo Kk 高い絶縁信頼性を有するデュアル硬化型樹脂組成物
SE9904080D0 (sv) * 1998-12-03 1999-11-11 Ciba Sc Holding Ag Fotoinitiatorberedning
JP2000281706A (ja) * 1999-03-29 2000-10-10 Nikon Corp 活性光線硬化性組成物及びこれを硬化してなる成形体の製造方法
JP4660990B2 (ja) * 2001-07-17 2011-03-30 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、それから形成された突起材およびスペーサー、ならびにそれらを具備する液晶表示素子
JP2003302642A (ja) * 2002-04-10 2003-10-24 Jsr Corp インクジェット方式によるスペーサー形成に用いる感放射線性樹脂組成物、スペーサー、および液晶表示素子
TWI288142B (en) * 2003-05-09 2007-10-11 Taiyo Ink Mfg Co Ltd Photocuring/thermosetting ink jet composition and printed wiring board using same
EP1705228A1 (en) * 2005-03-22 2006-09-27 Nederlandse Organisatie voor toegepast-natuurwetenschappelijk Onderzoek TNO Curable compositions for continuous inkjet printing and methods for using these compositions
JP2007156139A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Toppan Printing Co Ltd 感光性樹脂組成物、フォトスペーサ付き基板の製造方法、フォトスペーサ付き基板及び液晶表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009029956A (ja) 2009-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5194462B2 (ja) インクジェット用インク
JP5315629B2 (ja) 光硬化性インクジェットインク
JP5338027B2 (ja) 光硬化性インクジェット用インク
JP2008214607A (ja) 光硬化性インクジェット用インク
JP5315932B2 (ja) インクジェット用インク
JP5633115B2 (ja) インクジェット用インクおよびインクから得られた硬化膜
JP5176432B2 (ja) 硬化膜の形成方法
KR101487789B1 (ko) 잉크젯용 잉크
JP2011001538A (ja) 撥液性を有する光硬化性インクジェット用インク
KR102068506B1 (ko) 광경화성 잉크젯, 발액성 경화막, 적층체, 광학 부품 및 영상 표시 장치
US20080233307A1 (en) Photocurable inkjet ink
JP2013185040A (ja) 光硬化性インクジェットインク
JP6094625B2 (ja) 硬化膜
JP5703546B2 (ja) インクジェット用インク及び該インクから得られる硬化膜
JP5577582B2 (ja) リン含有化合物およびそれを含む硬化性組成物
JP2019189855A (ja) 加飾フィルム用活性エネルギー線硬化性インクジェットインクおよび当該インクジェットインクを用いた印刷物の製造方法
JP2008133336A (ja) インクジェット用インクおよび当該インクにより得られる硬化膜形成方法
KR102156658B1 (ko) 잉크젯 잉크, 마이크로 렌즈, 광학 부품 및 장치
TWI538964B (zh) 噴墨用墨水
JP5540463B2 (ja) 光硬化性組成物
JP2008133335A (ja) インクジェット用インクおよび当該インクにより得られる硬化膜形成方法
JP5435054B2 (ja) インクジェット用インクおよび当該インクにより得られる硬化膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100127

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110331

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5540463

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250